JP2000327500A - アニール炉 - Google Patents

アニール炉

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JP2000327500A
JP2000327500A JP11131290A JP13129099A JP2000327500A JP 2000327500 A JP2000327500 A JP 2000327500A JP 11131290 A JP11131290 A JP 11131290A JP 13129099 A JP13129099 A JP 13129099A JP 2000327500 A JP2000327500 A JP 2000327500A
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annealing furnace
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弘幸 池田
Ryuichi Toba
隆一 鳥羽
Yasushi Horie
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ワークを速い速度で冷却でき,またワークの
均一な冷却が可能なアニール炉を提供する。 【解決手段】 略柱状のワークWをケーシング10に収
納して熱処理するアニール炉1である。ケーシング10
の周面に沿ってワークWの長手方向と略平行に冷媒を流
す冷媒流路21と,ワークWの長手方向の両端近傍に配
置された温度センサ33,34を備え,冷媒流路21に
おける冷媒の流れる方向は可変である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,ワークを熱処理す
るアニール炉に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に,金属やガラスなどのワーク内に
残る熱ヒステリシスや加工ヒステリシスを除去するため
に,ワークに加熱と徐冷といった熱処理を施すことによ
り,いわゆる焼き鈍しが行われている。例えば半導体材
料であるGaAsインゴットや半導体ウェハについて具
体的に説明すると,それらワークをアニール炉内に収納
して約1000℃程度以上の高温に全体的に均一に昇温
させ,保温や冷却を行うことにより焼き鈍しが行われ
る。GaAsインゴットについていえば,約1000℃
程度においてプラスマイナス5゜Cの範囲の均一温度で
保持した後,先ず約1000゜Cから500゜Cにまで
−5゜C/minの冷却速度で冷却し,更にその後,高
温部と低温部の温度差を20゜C以下に収めながら冷却
することによって,半導体材料としての性状の優れた
(インプラ活性層のシート抵抗面内ばらつきが少ない)
熱処理が実現できる。
【0003】このように半導体材料の焼き鈍しを行うア
ニール炉としては,例えばワークを収納するケーシング
を二重構造としたものが知られている。そして,ワーク
を加熱する場合は,ケーシングの外側からヒータで加熱
し,ケーシング内のワークを昇温させる。そして,必要
であれば所定時間保温した後,二重構造に構成されたケ
ーシングの隙間に空気を流し,ワークを冷却する。この
場合,空気の流通量を加減することによって,冷却速度
を制御している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来のアニール炉は,
冷却時に二重構造に構成されたケーシングの隙間に流さ
れる空気の流通方向が一方向に限られていたため,ケー
シングの隙間に空気が導入される入口近傍では比較的早
くワークが冷却されるが,ケーシングの隙間から空気が
排出される出口近傍ではワークの冷却速度が遅くなって
しまい,ワークの均一な冷却ができなかった。特に最近
は,GaAsインゴットのような半導体材料について大
型化が進められており,ワークの直径が従来の4インチ
から6インチへと増加し,長さも1000mm程度の長
尺化が考えられている。かような大型化した半導体材料
を従来のアニール炉で冷却した場合,ワークの中央部と
端部との温度差が大きくなり,性状の優れた半導体材料
を得ることが困難になる。
【0005】またアニール炉は,ワークの保温を均一に
するために,ケーシングの外側に設けられたヒータが保
温部材によって囲まれているが,従来はヒータや保温部
材が固定されていたため,熱が逃げにくく,ワークを速
い速度で冷却できなかった。
【0006】従って本発明の目的は,特に大型化したワ
ークについても均一に冷却でき,しかも速い速度で冷却
できるアニール炉を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らはこの目的を
達成するために,先ず次のような検討を行った。即ち,
冷却空気の導入側と排出側でワークの温度を比較する
と,通常温度差が約100℃近くもあるが,冷却空気の
流通量の増大や冷却用空気の流路を広くして冷却表面積
を拡大することによっては,この温度差を効果的に減少
させることは期待できない。そればかりか,冷却空気の
流通量を増やしたり冷却表面積を広げるとワークの均一
な保温や冷却が困難になってしまう。また保温部材を少
なくして放熱効果を高めることも検討をしたが,それで
はワークの均一な保温が困難になってしまう。また放熱
が増える分,ワークを加熱するエネルギーが多く必要に
なる。また,冷却空気の通路に熱交換用の媒体を介在さ
せることも検討したが,ワークを加熱する際に1000
℃程度の高温となり,適当な媒体が見当たらない。
【0008】しかして,請求項1の発明にあっては,略
柱状のワークをケーシング内に収納して熱処理するアニ
ール炉であって,ケーシングの周面に沿ってワークの長
手方向と略平行に冷媒を流す冷媒流路と,ワークの長手
方向の両端近傍に配置された温度センサを備え,冷媒流
路における冷媒の流れる方向を可変に構成したことを特
徴としている。
【0009】この請求項1のアニール炉において,略柱
状のワークとは,例えば円筒形状や角筒形状などといっ
た種々の柱状の他,正確な柱状ではないが,棒状のワー
クのようなものも含む。この請求項1のアニール炉にあ
っては,冷却の際に温度センサで測定することにより,
ケーシング内に収納されたワークの長手方向の両端部の
温度を検出する。そして,ワークの一方の端部の温度が
他方の端部の温度よりも相当に高くなった場合は,ワー
クの長手方向と略平行に配置された冷媒流路においてワ
ークの一方の端部側から他方の端部側に向かって冷媒を
流すようにする。また,ワークの他方の端部の温度が一
方の端部の温度よりも相当に高くなった場合は,ワーク
の長手方向と略平行に配置された冷媒流路においてワー
クの他方の端部側から一方の端部側に向かって冷媒を流
すようにする。このように,冷媒流路における冷媒の流
れる方向を,常に温度の高い側から低い側に向かうよう
に切り換えることにより,略柱状のワークを均一に冷却
させることができるようになる。
【0010】請求項2の発明にあっては,略柱状のワー
クをケーシング内に収納して熱処理するアニール炉であ
って,ケーシングの周面に沿って冷媒を流す並列に配置
された複数の冷媒流路を備え,互いに隣り合う冷媒流路
における冷媒の流れる方向が逆向きになっていることを
特徴としている。
【0011】この請求項2のアニール炉においても,略
柱状のワークとは,例えば円筒形状や角筒形状などとい
った種々の柱状の他,正確な柱状ではないが,棒状のワ
ークのようなものも含む。この請求項2のアニール炉に
あっては,ケーシングの周面に沿って並列に配置された
複数の冷媒流路において,互いに隣り合う冷媒流路にお
ける冷媒の流れる方向が逆向きであるので,冷媒の入口
側と出口側で生ずる冷媒の温度差を全体として相殺で
き,略柱状のワークを均一に冷却させることができるよ
うになる。
【0012】これら請求項1,2のアニール炉におい
て,ワークとは,例えば半導体材料であるGaAsイン
ゴットである。最近では,GaAsインゴットのような
半導体材料について大型化が進められており,ワークの
直径は従来の4インチから6インチへと増加し,長さも
1000mm程度の長尺化が考えられている。特に請求
項2,3のアニール炉によれば,最近において大型化し
たGaAsインゴットの如きワークであっても,ワーク
の中央部と端部との温度差を小さく押さえながら冷却で
き,性状の優れた半導体材料を得ることができるように
なる。
【0013】またこれら請求項1,2のアニール炉にお
いて,請求項3に記載したように,前記ケーシングの外
側には,例えばヒータと保温部材が取り付けられてい
る。これにより,ケーシング内に収納したワークをヒー
タで加熱し,更に保温部材により熱を逃がさないように
することができる。
【0014】また請求項4に記載したように,前記保温
部材とヒータは取り外し自在に構成されていることが好
ましい。そうすれば,ワークを冷却する際には,保温部
材やヒータを取り外して放熱させ,冷却速度を速めるこ
とができる。また冷却の際,適当なファンなどによって
送風し,強制的に冷却しても良い。この場合,保温部材
などは取り外しできるので,厚い構造であっても構わな
い。
【0015】
【発明の実施の形態】以下,本発明の好ましい実施の形
態を図面を用いて説明する。図1は本発明の第1の実施
の形態にかかるアニール炉1の斜視図であり,図2はア
ニール炉1において,ケーシング10の外側からヒータ
11と保温部材12を取り外した状態を示す斜視図であ
る。また図3,4はいずれもケーシング10の断面図で
ある。
【0016】このアニール炉1は,ケーシング10の外
側にヒータ11を配置し,更にヒータ11の外側を保温
部材12によって包んだ構成を備えている。保温部材1
2は,ケーシング10の外側にヒータ11を配置した状
態で,それらを外側から包み込むのに十分な形状を有し
ている。また,ヒータ11及び保温部材12は,部分1
1a,11a及び部分12a,12aにそれぞれ2分割
することができ,ヒータ11及び保温部材12は,いず
れもケーシング10の外側から容易に取り外すことがで
きるように構成されている。そして,ケーシング10の
周りに先ずヒータ11の部分11a,11aを装着し,
更に保温部材12の部分12a,12aを装着した状態
で,バンド13によって外側からしっかりと保持するこ
とにより,ヒータ11と保温部材12が固定されてい
る。一方,バンド13を外してヒータ11と保温部材1
2を部分11a,11aと部分12a,12aにそれぞ
れ2分割することによって,ヒータ11と保温部材12
をケーシング10の周りから取り外すことができ,これ
により,図2に示すように,ケーシング10は露出した
状態となる。
【0017】ケーシング10は,略柱状をなすワークW
を収納可能な筒形状をなし,ケーシング10の周面に
は,ワークWの長手方向と略平行に配置された冷媒流路
21が設けられており,この冷媒流路21によってケー
シング10の周面全体を包んでいる。なお,ケーシング
10の内部に収納されるワークWは半導体材料であるG
aAsインゴットであり,直径6インチ程度,長さ10
00mm程度の大型化した円柱形状のワークWでもケー
シング10内に収納可能である。
【0018】冷媒流路21の両端にはヘッダ22,23
が設けられており,これらヘッダ22,23の間で冷媒
流路21を介して冷媒としての空気が流通可能である。
一方のヘッダ22に冷媒としての空気を圧縮供給するた
めのコンプレッサ24からひかれた回路25とドレイン
回路26が接続され,他方のヘッダ23にコンプレッサ
24からひかれた回路27とドレイン回路28が接続さ
れている。各回路25,26,27,28には開閉弁2
9,30,31,32が設けてある。
【0019】ケーシング10の両端部からは例えば熱電
対などからなる温度センサ33,34が進入して設けら
れている。これら温度センサ33,34はワークWの長
手方向の両端近傍に配置されている。図示の例ではケー
シング10内において,ワークWの一方の端部(図3,
4ではワークWの左端部)近傍に温度センサ33が配置
され,ワークWの他方の端部(図3,4ではワークWの
右端部)近傍に温度センサ34が配置されている。
【0020】さて,以上のように構成された本発明の第
1の実施の形態にかかるアニール炉1において,先ずケ
ーシング10内にワークWを収納し,ヒータ11で加熱
することによりワークWを所望の温度まで昇温させる。
そして,必要であれば更に所定時間保温を行う。このよ
うにケーシング10内に収納したワークWを加熱や保温
する際には,図1に示すように,ヒータ11及び保温部
材12をケーシング10の周りに装着しておき,ヒータ
11の熱を逃がさないようにする。
【0021】次にワークWを冷却する際には,バンド1
3を外し,ヒータ11と保温部材12を部分11a,1
1aと部分12a,12aにそれぞれ2分割することに
より,ヒータ11及び保温部材12をケーシング10の
周りから取り外し,図2に示すように,ケーシング10
を露出させる。これにより,ケーシング10及びワーク
Wは速やかに放熱され,冷却速度を速めることができ
る。この場合,適当なファンなどによって送風し,ケー
シング10やワークWを強制的に冷却しても良い。
【0022】またこのように冷却する際には,先ず例え
ば開閉弁29,32を開き,開閉弁30,31を閉じる
ことにより,図3に示すように,ヘッダ22からヘッダ
23に向けて冷媒流路21内において図中の右向きに空
気を流して,ワークWを冷却する。そして,この冷却の
際に温度センサ33,34によってワークWの両端部の
温度を検出する。
【0023】すると,このように図中の右向きに空気を
流して冷却したことにより,次第にワークWの一方の端
部(左端部)の温度が低く,他方の端部(右端部)の温
度が高くなっていき,それが温度センサ33,34によ
って検出される。
【0024】そして,温度センサ33,34によって検
出されるワークWの両端部の温度差が相当に大きくなっ
た場合(例えば10゜C程度の温度差が生じた場合)
は,開閉弁30,31を開き,開閉弁29,32を閉じ
ることにより,図4に示すように,ヘッダ23からヘッ
ダ22に向けて冷媒流路21内において図中の左向きに
空気を流すように切り換えて,ワークWを冷却する。そ
して,この冷却の際にも温度センサ33,34によって
ワークWの両端部の温度を検出する。
【0025】すると,このように図中の左向きに空気を
流して冷却したことにより,先とは反対に次第にワーク
Wの他方の端部(右端部)の温度が低く,一方の端部
(左端部)の温度が高くなっていき,それが温度センサ
33,34によって検出される。
【0026】そして,温度センサ33,34によって検
出されるワークWの両端部の温度差が相当に大きくなっ
た場合(例えば10゜C程度の温度差が生じた場合)
は,再び開閉弁29,32を開き,開閉弁30,31を
閉じることにより,図3に示すように,ヘッダ22から
ヘッダ23に向けて冷媒流路21内において図中の右向
きに空気を流すように切り換えて,ワークWを冷却す
る。
【0027】そして,以上の工程を繰り返しながら,冷
媒流路21における空気の流れる方向を,常に温度の高
い側から低い側に向かうように切り換えることにより,
ワークWを均一に冷却させることができるようになる。
【0028】次に,図5は本発明の第2の実施の形態に
かかるアニール炉2の斜視図であり,図6はアニール炉
2において,ケーシング40の外側からヒータ11’と
保温部材12’を取り外した状態を示す斜視図である。
また図7はケーシング40の断面図である。
【0029】このアニール炉2も,先に説明した本発明
の第1の実施の形態にかかるアニール炉1と同様に,ケ
ーシング40の外側にヒータ11’を配置し,更にヒー
タ11’の外側を保温部材12’によって包んだ構成を
備えている。ヒータ11’及び保温部材12’は,部分
11a’,11a’及び部分12a’,12a’にそれ
ぞれ2分割して,ケーシング40の外側から容易に取り
外すことができ,ケーシング40の周りにヒータ11’
の部分11a’,11a’を装着し,更に保温部材1
2’の部分12a’,12a’を装着して,バンド1
3’によって外側からしっかりと保持することにより,
ヒータ11’と保温部材12’が固定されている。
【0030】ケーシング40は,略柱状をなすワークW
を収納可能な筒形状をなし,ケーシング40の周面に
は,ワークWの長手方向と略平行に配置された複数の冷
媒流路41が設けられている。この実施の形態において
も,ワークWは半導体材料であるGaAsインゴットで
あり,直径6インチ程度,長さ1000mm程度の大型
化した円柱形状のワークWがケーシング40内に収納さ
れている。複数の冷媒流路41は互いに並列に配置され
ており,また,これら複数の冷媒流路41によってケー
シング40の周面全体をほぼ包んでいる。各冷媒流路4
1には,冷媒としての例えば空気が流通するようになっ
ており,各冷媒流路41において,互いに隣り合う冷媒
流路41同士における冷媒の流れる方向は逆向きに設定
されている。
【0031】以上のように構成された本発明の第2の実
施の形態にかかるアニール炉2にあっても,先に説明し
た本発明の第1の実施の形態にかかるアニール炉1と同
様に,ケーシング40内にワークWを収納して加熱や保
温する際には,図5に示すように,ヒータ11’及び保
温部材12’をケーシング40の周りに装着することに
より,熱を逃がさずに効率良く加熱及び保温を行うこと
ができる。またワークWを冷却する際には,ヒータ1
1’及び保温部材12’をケーシング40の周りから取
り外すことにより,ケーシング40及びワークWは速や
かに放熱され,冷却速度を速めることができる。この場
合,適当なファンなどによってケーシング40やワーク
Wを強制的に冷却しても良い。またケーシング40の周
面に沿って並列に配置された複数の冷媒流路41におい
て,互いに隣り合う冷媒流路41における冷媒の流れる
方向が逆向きであるので,冷媒の入口側と出口側で生ず
る冷媒の温度差を全体として相殺でき,ワークWを均一
に冷却させることが可能である。
【0032】以上,本発明の実施の形態の一例を説明し
たが,本発明はここで説明した形態に限定されない。例
えば図1や図5で説明した本発明の第1,2の実施の形
態のアニール炉1,2において,ヒータ11,11’や
保温部材12,12’は2分割に限らず3以上に分割で
きるものであっても良い。また例えば図1〜4で説明し
た本発明の第1の実施の形態のアニール炉1において,
冷媒流路21はケーシング10の周面全体を一体的に包
む構成に限らず,複数本の冷媒流路を平行に配置してケ
ーシング10の周面を包むような構成でも良く,また螺
旋状にケーシング10の周面を包むような構成でも良
い。また冷媒は空気に限らず,その他の気体や水などの
液体でも良い。また,ワークWは,例えばGaAsイン
ゴットなどに限られず,シリコンインゴットなどの如き
他の種類の半導体材料や,その他の材料であっても良
い。またその形状も円柱形状に限らず,角柱やその他種
々の柱状の他,正確な柱状ではないが,棒状のワークの
ようであっても良い。
【0033】
【実施例】(実施例1)図1〜7で説明した本発明の第
1,2の実施の形態のアニール炉を実際に作成し,最大
径150mm(約6インチ),長さ500mmの円筒形
状のGaAsインゴットを2本直列に並べてカーボン製
の筒に入れたワークをケーシングの中央に置いて熱処理
した。保温部材の厚さは20mm程度とし,2分割でき
る構成とした。ヒータはカンタル線を用い,ベルトは鉄
の筒を用いた。また冷却の際には,本発明の第1の実施
の形態のアニール炉については保温部材を取り外し,本
発明の第2の実施の形態のアニール炉については保温部
材を取り外してファンによって大量の空気でブローして
冷やした。ブロー量は1200リットル/minとし
た。
【0034】図8に示すように,本発明の第1,2の実
施の形態のアニール炉によって冷却した場合は,保温部
材を取り外すことができない従来例のアニール炉によっ
て冷却した場合に比べて,冷却速度が早くなることがわ
かった。また図9に示すように,ブローによって冷却し
た場合は,ブロー無しで自然放熱のみでワークを冷却し
た場合に比べて冷却速度が速く,特にワーク温度が80
0゜C以下の領域において両者の冷却速度の差が大く現
れた。
【0035】(実施例2)図1〜5で説明した本発明の
第1の実施の形態のアニール炉を実際に作成し,実施例
1と同じワーク(最大径150mm(約6インチ),長
さ500mmの円筒形状のGaAsインゴットを2本直
列に並べてカーボン製の筒に入れたワーク)を熱処理し
た。ケーシングを石英製の二重構造(内の保護管の径2
00mm,外の管の径250mm)で構成し,炉は均熱
長1000mm,全長2000mmの3ゾーンタイプで
ある。炉内温度を約900゜Cに保って均熱処理した
後,冷却を開始した。冷却を開始してから暫くの間は自
然放熱のみでワークを冷却し,その後,二重保護管の間
に冷却用の空気をコンプレッサーから供給して流し,強
制冷却を行った。冷却用の空気は,最大500リットル
/minの供給が可能であり,流量計により流量を調整
した。ワークの両端に熱電対を置き温度差をモニターし
た。この温度差が10℃を超えた場合に空気の流れ方向
を反転させ,ワークを均一に冷却させた。冷却過程にお
けるワークの端部と中央部の温度を検出し,温度差を調
べた。
【0036】図10に示す実施例では,炉内温度約90
0゜Cで均熱処理した後,冷却を開始して,冷却開始後
から炉内温度が約700゜Cになるまで自然冷却し,そ
の後,二重保護管の間に冷却用の空気を供給して強制冷
却を行った。冷却速度は,自然冷却の間は約−2゜C/
min,強制冷却の間は約−5゜C/minであった。
図11に示す実施例では,炉内温度約900゜Cで均熱
処理した後,冷却を開始して,冷却開始後から炉内温度
が約500゜Cになるまで自然冷却し,その後,二重保
護管の間に冷却用の空気を供給して強制冷却を行った。
冷却速度は,自然冷却の間は約−2〜−1゜C/mi
n,強制冷却の間は約−5゜C/minであった。図1
2に示す実施例では,炉内温度約1050゜Cで均熱処
理した後,自然冷却を開始して,炉内温度が約900゜
Cになった時点で一旦均熱処理し,その後再び炉内温度
が約700゜Cになるまで自然冷却し,その後,二重保
護管の間に冷却用の空気を供給して強制冷却を行った。
冷却速度は,自然冷却の間は約−2゜C/min,強制
冷却の間は約−5゜C/minであった。図13に示す
実施例では,炉内温度約1050゜Cで均熱処理した
後,自然冷却を開始して,炉内温度が約900゜Cにな
った時点で一旦均熱処理し,その後再び炉内温度が約6
00゜Cになるまで自然冷却し,その後,二重保護管の
間に冷却用の空気を供給して強制冷却を行った。冷却速
度は,自然冷却の間は約−1.5〜−2.5゜C/mi
n,強制冷却の間は約−5゜C/minであった。図1
4に示す実施例では,炉内温度約1050゜Cで均熱処
理した後,自然冷却を開始して,炉内温度が約900゜
Cになった時点で一旦均熱処理し,その後再び炉内温度
が約500゜Cになるまで自然冷却し,その後,二重保
護管の間に冷却用の空気を供給して強制冷却を行った。
冷却速度は,自然冷却の間は約−0.75〜−2゜C/
min,強制冷却の間は約−2.5゜C/minであっ
た。これら図10〜14に示されるように,本発明の第
2の実施の形態のアニール炉によって冷却した場合は,
炉内中心と端部の温度差及びワーク中心と端部の温度差
がいずれも小さく,ワーク全体を均一に冷却させること
ができた。
【0037】
【発明の効果】請求項1〜4の発明によれば,ワーク全
体を均一に冷却させることができ,場所による温度差が
小さくなる。特に請求項1〜4の発明によれば,例えば
最近大型化が進んでいるGaAsインゴットのような半
導体材料を均一に冷却でき,熱処理の結果物として性状
の優れた(インプラ活性層のシート抵抗面内ばらつきが
少ない)半導体材料を得ることができる。また請求項3
によれば,熱を逃がさずにワークを効率よく加熱及び保
温することができる。また請求項4によれば,ワークを
速い速度で冷却でき,ワークの熱処理時間を短くして,
処理能力を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかるアニール炉
の斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態にかかるアニール炉
において,ケーシングの外側からヒータと保温部材を取
り外した状態を示す斜視図である。
【図3】ケーシングの断面図である。
【図4】ケーシングの断面図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態にかかるアニール炉
の斜視図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態にかかるアニール炉
において,ケーシングの外側からヒータと保温部材を取
り外した状態を示す斜視図である。
【図7】ケーシングの断面図である。
【図8】実施例1,2のアニール炉によって冷却したワ
ークの温度の経時的変化を従来例と比較して示したグラ
フである。
【図9】実施例1,2のアニール炉によって冷却した場
合のワークの冷却速度を,ブローによって冷却した場合
と,ブロー無しで自然放熱のみでワークを冷却した場合
及びブローと自然放熱と保温材開放を行って冷却した場
合とで比較して示したグラフである。
【図10】実施例2のアニール炉によって冷却した場合
の炉内中心と端部の温度及びワーク中心と端部の温度の
経時的変化を示したグラフである。
【図11】実施例2のアニール炉によって冷却した場合
の炉内中心と端部の温度及びワーク中心と端部の温度の
経時的変化を示したグラフである。
【図12】実施例2のアニール炉によって冷却した場合
の炉内中心と端部の温度及びワーク中心と端部の温度の
経時的変化を示したグラフである。
【図13】実施例2のアニール炉によって冷却した場合
の炉内中心と端部の温度及びワーク中心と端部の温度の
経時的変化を示したグラフである。
【図14】実施例2のアニール炉によって冷却した場合
の炉内中心と端部の温度及びワーク中心と端部の温度の
経時的変化を示したグラフである。
【符号の説明】
W ワーク 1,2 アニール炉 10 ケーシング 11,11’ ヒータ 11a,11a’ 部分 12,12’ 保温部材 12a,12a’ 部分 13 バンド 21 冷媒流路 22,23 ヘッダ 24 コンプレッサ 25 回路 26 ドレイン回路 27 回路 28 ドレイン回路 29,30,31,32 開閉弁 33,34 温度センサ 40 ケーシング 41 冷媒流路
フロントページの続き (72)発明者 堀江 靖 東京都千代田区丸の内一丁目8番2号 同 和鉱業株式会社内 Fターム(参考) 4G077 AA02 BE46 FE17

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 略柱状のワークをケーシング内に収納し
    て熱処理するアニール炉であって,ケーシングの周面に
    沿ってワークの長手方向と略平行に冷媒を流す冷媒流路
    と,ワークの長手方向の両端近傍に配置された温度セン
    サを備え,冷媒流路における冷媒の流れる方向を可変に
    構成したことを特徴とする,アニール炉。
  2. 【請求項2】 略柱状のワークをケーシング内に収納し
    て熱処理するアニール炉であって,ケーシングの周面に
    沿って冷媒を流す並列に配置された複数の冷媒流路を備
    え,互いに隣り合う冷媒流路における冷媒の流れる方向
    が逆向きになっていることを特徴とする,アニール炉。
  3. 【請求項3】 前記ケーシングの外側に,ヒータと保温
    部材が取り付けられていることを特徴とする,請求項1
    又は2のアニール炉。
  4. 【請求項4】 前記保温部材とヒータが取り外し自在に
    構成されていることを特徴とする,請求項3のアニール
    炉。
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