JP4067234B2 - アニール炉 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,ワークを熱処理するアニール炉に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に,金属やガラスなどのワーク内に残る熱ヒステリシスや加工ヒステリシスを除去するために,ワークに加熱と徐冷といった熱処理を施すことにより,いわゆる焼き鈍しが行われている。例えば半導体材料であるGaAsインゴットや半導体ウェハについて具体的に説明すると,それらワークをアニール炉内に収納して約1000℃程度以上の高温に全体的に均一に昇温させ,保温や冷却を行うことにより焼き鈍しが行われる。GaAsインゴットについていえば,約1000℃程度においてプラスマイナス5゜Cの範囲の均一温度で保持した後,先ず約1000゜Cから500゜Cにまで−5゜C/minの冷却速度で冷却し,更にその後,高温部と低温部の温度差を20゜C以下に収めながら冷却することによって,半導体材料としての性状の優れた(インプラ活性層のシート抵抗面内ばらつきが少ない)熱処理が実現できる。
【0003】
このように半導体材料の焼き鈍しを行うアニール炉としては,例えばワークを収納するケーシングを二重構造としたものが知られている。そして,ワークを加熱する場合は,ケーシングの外側からヒータで加熱し,ケーシング内のワークを昇温させる。そして,必要であれば所定時間保温した後,二重構造に構成されたケーシングの隙間に空気を流し,ワークを冷却する。この場合,空気の流通量を加減することによって,冷却速度を制御している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来のアニール炉は,冷却時に二重構造に構成されたケーシングの隙間に流される空気の流通方向が一方向に限られていたため,ケーシングの隙間に空気が導入される入口近傍では比較的早くワークが冷却されるが,ケーシングの隙間から空気が排出される出口近傍ではワークの冷却速度が遅くなってしまい,ワークの均一な冷却ができなかった。特に最近は,GaAsインゴットのような半導体材料について大型化が進められており,ワークの直径が従来の4インチから6インチへと増加し,長さも1000mm程度の長尺化が考えられている。かような大型化した半導体材料を従来のアニール炉で冷却した場合,ワークの中央部と端部との温度差が大きくなり,性状の優れた半導体材料を得ることが困難になる。
【0005】
またアニール炉は,ワークの保温を均一にするために,ケーシングの外側に設けられたヒータが保温部材によって囲まれているが,従来はヒータや保温部材が固定されていたため,熱が逃げにくく,ワークを速い速度で冷却できなかった。
【0006】
従って本発明の目的は,特に大型化したワークについても均一に冷却でき,しかも速い速度で冷却できるアニール炉を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らはこの目的を達成するために,先ず次のような検討を行った。即ち,冷却空気の導入側と排出側でワークの温度を比較すると,通常温度差が約100℃近くもあるが,冷却空気の流通量の増大や冷却用空気の流路を広くして冷却表面積を拡大することによっては,この温度差を効果的に減少させることは期待できない。そればかりか,冷却空気の流通量を増やしたり冷却表面積を広げるとワークの均一な保温や冷却が困難になってしまう。また保温部材を少なくして放熱効果を高めることも検討をしたが,それではワークの均一な保温が困難になってしまう。また放熱が増える分,ワークを加熱するエネルギーが多く必要になる。また,冷却空気の通路に熱交換用の媒体を介在させることも検討したが,ワークを加熱する際に1000℃程度の高温となり,適当な媒体が見当たらない。
【0008】
しかして,本発明のアニール炉にあっては,略柱状のワークをケーシング内に収納して焼き鈍しするアニール炉であって,ケーシングの周面に沿ってワークの長手方向と略平行に配置され,ケーシングの周面全体を包むように冷媒を流す冷媒流路と,ワークの長手方向の両端近傍に配置された温度センサを備え,冷媒流路における冷媒の流れる方向を可変に構成し,前記ケーシングの外側に,ヒータと保温部材が取り付けられ,前記温度センサで測定されるワークの両端の温度差が所定の温度差になった場合に,前記冷媒流路における冷媒の流れる方向を逆向きにして,冷媒が温度の高い側から低い側に流れるように制御することを特徴としている。
【0009】
このアニール炉において,略柱状のワークとは,例えば円筒形状や角筒形状などといった種々の柱状の他,正確な柱状ではないが,棒状のワークのようなものも含む。このアニール炉にあっては,冷却の際に温度センサで測定することにより,ケーシング内に収納されたワークの長手方向の両端部の温度を検出する。そして,ワークの一方の端部の温度が他方の端部の温度よりも相当に高くなった場合は,ワークの長手方向と略平行に配置された冷媒流路においてワークの一方の端部側から他方の端部側に向かって冷媒を流すようにする。また,ワークの他方の端部の温度が一方の端部の温度よりも相当に高くなった場合は,ワークの長手方向と略平行に配置された冷媒流路においてワークの他方の端部側から一方の端部側に向かって冷媒を流すようにする。このように,冷媒流路における冷媒の流れる方向を,常に温度の高い側から低い側に向かうように切り換えることにより,略柱状のワークを均一に冷却させることができるようになる。
【0010】
また参考例として,略柱状のワークをケーシング内に収納して熱処理するアニール炉であって,ケーシングの周面に沿って冷媒を流す並列に配置された複数の冷媒流路を備え,互いに隣り合う冷媒流路における冷媒の流れる方向が逆向きになっていることを特徴とするアニール炉が考えられている
【0011】
このアニール炉においても,略柱状のワークとは,例えば円筒形状や角筒形状などといった種々の柱状の他,正確な柱状ではないが,棒状のワークのようなものも含む。このアニール炉にあっては,ケーシングの周面に沿って並列に配置された複数の冷媒流路において,互いに隣り合う冷媒流路における冷媒の流れる方向が逆向きであるので,冷媒の入口側と出口側で生ずる冷媒の温度差を全体として相殺でき,略柱状のワークを均一に冷却させることができるようになる。
【0012】
これらのアニール炉において,ワークとは,例えば半導体材料であるGaAsインゴットである。最近では,GaAsインゴットのような半導体材料について大型化が進められており,ワークの直径は従来の4インチから6インチへと増加し,長さも1000mm程度の長尺化が考えられている。特に参考例として挙げたアニール炉によれば,最近において大型化したGaAsインゴットの如きワークであっても,ワークの中央部と端部との温度差を小さく押さえながら冷却でき,性状の優れた半導体材料を得ることができるようになる。
【0013】
またこれらのアニール炉において前記ケーシングの外側には,例えばヒータと保温部材が取り付けられている。これにより,ケーシング内に収納したワークをヒータで加熱し,更に保温部材により熱を逃がさないようにすることができる。
【0014】
また前記保温部材とヒータは取り外し自在に構成されていることが好ましい。そうすれば,ワークを冷却する際には,保温部材やヒータを取り外して放熱させ,冷却速度を速めることができる。また冷却の際,適当なファンなどによって送風し,強制的に冷却しても良い。この場合,保温部材などは取り外しできるので,厚い構造であっても構わない。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下,本発明の好ましい実施の形態を図面を用いて説明する。図1は本発明の第1の実施の形態にかかるアニール炉1の斜視図であり,図2はアニール炉1において,ケーシング10の外側からヒータ11と保温部材12を取り外した状態を示す斜視図である。また図3,4はいずれもケーシング10の断面図である。
【0016】
このアニール炉1は,ケーシング10の外側にヒータ11を配置し,更にヒータ11の外側を保温部材12によって包んだ構成を備えている。保温部材12は,ケーシング10の外側にヒータ11を配置した状態で,それらを外側から包み込むのに十分な形状を有している。また,ヒータ11及び保温部材12は,部分11a,11a及び部分12a,12aにそれぞれ2分割することができ,ヒータ11及び保温部材12は,いずれもケーシング10の外側から容易に取り外すことができるように構成されている。そして,ケーシング10の周りに先ずヒータ11の部分11a,11aを装着し,更に保温部材12の部分12a,12aを装着した状態で,バンド13によって外側からしっかりと保持することにより,ヒータ11と保温部材12が固定されている。一方,バンド13を外してヒータ11と保温部材12を部分11a,11aと部分12a,12aにそれぞれ2分割することによって,ヒータ11と保温部材12をケーシング10の周りから取り外すことができ,これにより,図2に示すように,ケーシング10は露出した状態となる。
【0017】
ケーシング10は,略柱状をなすワークWを収納可能な筒形状をなし,ケーシング10の周面には,ワークWの長手方向と略平行に配置された冷媒流路21が設けられており,この冷媒流路21によってケーシング10の周面全体を包んでいる。なお,ケーシング10の内部に収納されるワークWは半導体材料であるGaAsインゴットであり,直径6インチ程度,長さ1000mm程度の大型化した円柱形状のワークWでもケーシング10内に収納可能である。
【0018】
冷媒流路21の両端にはヘッダ22,23が設けられており,これらヘッダ22,23の間で冷媒流路21を介して冷媒としての空気が流通可能である。一方のヘッダ22に冷媒としての空気を圧縮供給するためのコンプレッサ24からひかれた回路25とドレイン回路26が接続され,他方のヘッダ23にコンプレッサ24からひかれた回路27とドレイン回路28が接続されている。各回路25,26,27,28には開閉弁29,30,31,32が設けてある。
【0019】
ケーシング10の両端部からは例えば熱電対などからなる温度センサ33,34が進入して設けられている。これら温度センサ33,34はワークWの長手方向の両端近傍に配置されている。図示の例ではケーシング10内において,ワークWの一方の端部(図3,4ではワークWの左端部)近傍に温度センサ33が配置され,ワークWの他方の端部(図3,4ではワークWの右端部)近傍に温度センサ34が配置されている。
【0020】
さて,以上のように構成された本発明の第1の実施の形態にかかるアニール炉1において,先ずケーシング10内にワークWを収納し,ヒータ11で加熱することによりワークWを所望の温度まで昇温させる。そして,必要であれば更に所定時間保温を行う。このようにケーシング10内に収納したワークWを加熱や保温する際には,図1に示すように,ヒータ11及び保温部材12をケーシング10の周りに装着しておき,ヒータ11の熱を逃がさないようにする。
【0021】
次にワークWを冷却する際には,バンド13を外し,ヒータ11と保温部材12を部分11a,11aと部分12a,12aにそれぞれ2分割することにより,ヒータ11及び保温部材12をケーシング10の周りから取り外し,図2に示すように,ケーシング10を露出させる。これにより,ケーシング10及びワークWは速やかに放熱され,冷却速度を速めることができる。この場合,適当なファンなどによって送風し,ケーシング10やワークWを強制的に冷却しても良い。
【0022】
またこのように冷却する際には,先ず例えば開閉弁29,32を開き,開閉弁30,31を閉じることにより,図3に示すように,ヘッダ22からヘッダ23に向けて冷媒流路21内において図中の右向きに空気を流して,ワークWを冷却する。そして,この冷却の際に温度センサ33,34によってワークWの両端部の温度を検出する。
【0023】
すると,このように図中の右向きに空気を流して冷却したことにより,次第にワークWの一方の端部(左端部)の温度が低く,他方の端部(右端部)の温度が高くなっていき,それが温度センサ33,34によって検出される。
【0024】
そして,温度センサ33,34によって検出されるワークWの両端部の温度差が相当に大きくなった場合(例えば10゜C程度の温度差が生じた場合)は,開閉弁30,31を開き,開閉弁29,32を閉じることにより,図4に示すように,ヘッダ23からヘッダ22に向けて冷媒流路21内において図中の左向きに空気を流すように切り換えて,ワークWを冷却する。そして,この冷却の際にも温度センサ33,34によってワークWの両端部の温度を検出する。
【0025】
すると,このように図中の左向きに空気を流して冷却したことにより,先とは反対に次第にワークWの他方の端部(右端部)の温度が低く,一方の端部(左端部)の温度が高くなっていき,それが温度センサ33,34によって検出される。
【0026】
そして,温度センサ33,34によって検出されるワークWの両端部の温度差が相当に大きくなった場合(例えば10゜C程度の温度差が生じた場合)は,再び開閉弁29,32を開き,開閉弁30,31を閉じることにより,図3に示すように,ヘッダ22からヘッダ23に向けて冷媒流路21内において図中の右向きに空気を流すように切り換えて,ワークWを冷却する。
【0027】
そして,以上の工程を繰り返しながら,冷媒流路21における空気の流れる方向を,常に温度の高い側から低い側に向かうように切り換えることにより,ワークWを均一に冷却させることができるようになる。
【0028】
次に,図5は本発明の第2の実施の形態にかかるアニール炉2の斜視図であり,図6はアニール炉2において,ケーシング40の外側からヒータ11’と保温部材12’を取り外した状態を示す斜視図である。また図7はケーシング40の断面図である。
【0029】
このアニール炉2も,先に説明した本発明の第1の実施の形態にかかるアニール炉1と同様に,ケーシング40の外側にヒータ11’を配置し,更にヒータ11’の外側を保温部材12’によって包んだ構成を備えている。ヒータ11’及び保温部材12’は,部分11a’,11a’及び部分12a’,12a’にそれぞれ2分割して,ケーシング40の外側から容易に取り外すことができ,ケーシング40の周りにヒータ11’の部分11a’,11a’を装着し,更に保温部材12’の部分12a’,12a’を装着して,バンド13’によって外側からしっかりと保持することにより,ヒータ11’と保温部材12’が固定されている。
【0030】
ケーシング40は,略柱状をなすワークWを収納可能な筒形状をなし,ケーシング40の周面には,ワークWの長手方向と略平行に配置された複数の冷媒流路41が設けられている。この実施の形態においても,ワークWは半導体材料であるGaAsインゴットであり,直径6インチ程度,長さ1000mm程度の大型化した円柱形状のワークWがケーシング40内に収納されている。複数の冷媒流路41は互いに並列に配置されており,また,これら複数の冷媒流路41によってケーシング40の周面全体をほぼ包んでいる。各冷媒流路41には,冷媒としての例えば空気が流通するようになっており,各冷媒流路41において,互いに隣り合う冷媒流路41同士における冷媒の流れる方向は逆向きに設定されている。
【0031】
以上のように構成された本発明の第2の実施の形態にかかるアニール炉2にあっても,先に説明した本発明の第1の実施の形態にかかるアニール炉1と同様に,ケーシング40内にワークWを収納して加熱や保温する際には,図5に示すように,ヒータ11’及び保温部材12’をケーシング40の周りに装着することにより,熱を逃がさずに効率良く加熱及び保温を行うことができる。またワークWを冷却する際には,ヒータ11’及び保温部材12’をケーシング40の周りから取り外すことにより,ケーシング40及びワークWは速やかに放熱され,冷却速度を速めることができる。この場合,適当なファンなどによってケーシング40やワークWを強制的に冷却しても良い。またケーシング40の周面に沿って並列に配置された複数の冷媒流路41において,互いに隣り合う冷媒流路41における冷媒の流れる方向が逆向きであるので,冷媒の入口側と出口側で生ずる冷媒の温度差を全体として相殺でき,ワークWを均一に冷却させることが可能である。
【0032】
以上,本発明の実施の形態の一例を説明したが,本発明はここで説明した形態に限定されない。例えば図1や図5で説明した本発明の第1,2の実施の形態のアニール炉1,2において,ヒータ11,11’や保温部材12,12’は2分割に限らず3以上に分割できるものであっても良い。また例えば図1〜4で説明した本発明の第1の実施の形態のアニール炉1において,冷媒流路21はケーシング10の周面全体を一体的に包む構成に限らず,複数本の冷媒流路を平行に配置してケーシング10の周面を包むような構成でも良く,また螺旋状にケーシング10の周面を包むような構成でも良い。また冷媒は空気に限らず,その他の気体や水などの液体でも良い。また,ワークWは,例えばGaAsインゴットなどに限られず,シリコンインゴットなどの如き他の種類の半導体材料や,その他の材料であっても良い。またその形状も円柱形状に限らず,角柱やその他種々の柱状の他,正確な柱状ではないが,棒状のワークのようであっても良い。
【0033】
【実施例】
(実施例1)
図1〜7で説明した本発明の第1,2の実施の形態のアニール炉を実際に作成し,最大径150mm(約6インチ),長さ500mmの円筒形状のGaAsインゴットを2本直列に並べてカーボン製の筒に入れたワークをケーシングの中央に置いて熱処理した。保温部材の厚さは20mm程度とし,2分割できる構成とした。ヒータはカンタル線を用い,ベルトは鉄の筒を用いた。また冷却の際には,本発明の第1の実施の形態のアニール炉については保温部材を取り外し,本発明の第2の実施の形態のアニール炉については保温部材を取り外してファンによって大量の空気でブローして冷やした。ブロー量は1200リットル/minとした。
【0034】
図8に示すように,本発明の第1,2の実施の形態のアニール炉によって冷却した場合は,保温部材を取り外すことができない従来例のアニール炉によって冷却した場合に比べて,冷却速度が早くなることがわかった。また図9に示すように,ブローによって冷却した場合は,ブロー無しで自然放熱のみでワークを冷却した場合に比べて冷却速度が速く,特にワーク温度が800゜C以下の領域において両者の冷却速度の差が大く現れた。
【0035】
(実施例2)
図1〜5で説明した本発明の第1の実施の形態のアニール炉を実際に作成し,実施例1と同じワーク(最大径150mm(約6インチ),長さ500mmの円筒形状のGaAsインゴットを2本直列に並べてカーボン製の筒に入れたワーク)を熱処理した。ケーシングを石英製の二重構造(内の保護管の径200mm,外の管の径250mm)で構成し,炉は均熱長1000mm,全長2000mmの3ゾーンタイプである。炉内温度を約900゜Cに保って均熱処理した後,冷却を開始した。冷却を開始してから暫くの間は自然放熱のみでワークを冷却し,その後,二重保護管の間に冷却用の空気をコンプレッサーから供給して流し,強制冷却を行った。冷却用の空気は,最大500リットル/minの供給が可能であり,流量計により流量を調整した。ワークの両端に熱電対を置き温度差をモニターした。この温度差が10℃を超えた場合に空気の流れ方向を反転させ,ワークを均一に冷却させた。冷却過程におけるワークの端部と中央部の温度を検出し,温度差を調べた。
【0036】
図10に示す実施例では,炉内温度約900゜Cで均熱処理した後,冷却を開始して,冷却開始後から炉内温度が約700゜Cになるまで自然冷却し,その後,二重保護管の間に冷却用の空気を供給して強制冷却を行った。冷却速度は,自然冷却の間は約−2゜C/min,強制冷却の間は約−5゜C/minであった。図11に示す実施例では,炉内温度約900゜Cで均熱処理した後,冷却を開始して,冷却開始後から炉内温度が約500゜Cになるまで自然冷却し,その後,二重保護管の間に冷却用の空気を供給して強制冷却を行った。冷却速度は,自然冷却の間は約−2〜−1゜C/min,強制冷却の間は約−5゜C/minであった。図12に示す実施例では,炉内温度約1050゜Cで均熱処理した後,自然冷却を開始して,炉内温度が約900゜Cになった時点で一旦均熱処理し,その後再び炉内温度が約700゜Cになるまで自然冷却し,その後,二重保護管の間に冷却用の空気を供給して強制冷却を行った。冷却速度は,自然冷却の間は約−2゜C/min,強制冷却の間は約−5゜C/minであった。図13に示す実施例では,炉内温度約1050゜Cで均熱処理した後,自然冷却を開始して,炉内温度が約900゜Cになった時点で一旦均熱処理し,その後再び炉内温度が約600゜Cになるまで自然冷却し,その後,二重保護管の間に冷却用の空気を供給して強制冷却を行った。冷却速度は,自然冷却の間は約−1.5〜−2.5゜C/min,強制冷却の間は約−5゜C/minであった。図14に示す実施例では,炉内温度約1050゜Cで均熱処理した後,自然冷却を開始して,炉内温度が約900゜Cになった時点で一旦均熱処理し,その後再び炉内温度が約500゜Cになるまで自然冷却し,その後,二重保護管の間に冷却用の空気を供給して強制冷却を行った。冷却速度は,自然冷却の間は約−0.75〜−2゜C/min,強制冷却の間は約−2.5゜C/minであった。これら図10〜14に示されるように,本発明の第2の実施の形態のアニール炉によって冷却した場合は,炉内中心と端部の温度差及びワーク中心と端部の温度差がいずれも小さく,ワーク全体を均一に冷却させることができた。
【0037】
【発明の効果】
請求項1〜4の発明によれば,ワーク全体を均一に冷却させることができ,場所による温度差が小さくなる。特に請求項1〜4の発明によれば,例えば最近大型化が進んでいるGaAsインゴットのような半導体材料を均一に冷却でき,熱処理の結果物として性状の優れた(インプラ活性層のシート抵抗面内ばらつきが少ない)半導体材料を得ることができる。また請求項3によれば,熱を逃がさずにワークを効率よく加熱及び保温することができる。また請求項4によれば,ワークを速い速度で冷却でき,ワークの熱処理時間を短くして,処理能力を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかるアニール炉の斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態にかかるアニール炉において,ケーシングの外側からヒータと保温部材を取り外した状態を示す斜視図である。
【図3】ケーシングの断面図である。
【図4】ケーシングの断面図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態にかかるアニール炉の斜視図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態にかかるアニール炉において,ケーシングの外側からヒータと保温部材を取り外した状態を示す斜視図である。
【図7】ケーシングの断面図である。
【図8】実施例1,2のアニール炉によって冷却したワークの温度の経時的変化を従来例と比較して示したグラフである。
【図9】実施例1,2のアニール炉によって冷却した場合のワークの冷却速度を,ブローによって冷却した場合と,ブロー無しで自然放熱のみでワークを冷却した場合及びブローと自然放熱と保温材開放を行って冷却した場合とで比較して示したグラフである。
【図10】実施例2のアニール炉によって冷却した場合の炉内中心と端部の温度及びワーク中心と端部の温度の経時的変化を示したグラフである。
【図11】実施例2のアニール炉によって冷却した場合の炉内中心と端部の温度及びワーク中心と端部の温度の経時的変化を示したグラフである。
【図12】実施例2のアニール炉によって冷却した場合の炉内中心と端部の温度及びワーク中心と端部の温度の経時的変化を示したグラフである。
【図13】実施例2のアニール炉によって冷却した場合の炉内中心と端部の温度及びワーク中心と端部の温度の経時的変化を示したグラフである。
【図14】実施例2のアニール炉によって冷却した場合の炉内中心と端部の温度及びワーク中心と端部の温度の経時的変化を示したグラフである。
【符号の説明】
W ワーク
1,2 アニール炉
10 ケーシング
11,11’ ヒータ
11a,11a’ 部分
12,12’ 保温部材
12a,12a’ 部分
13 バンド
21 冷媒流路
22,23 ヘッダ
24 コンプレッサ
25 回路
26 ドレイン回路
27 回路
28 ドレイン回路
29,30,31,32 開閉弁
33,34 温度センサ
40 ケーシング
41 冷媒流路

Claims (2)

  1. 略柱状のワークをケーシング内に収納して焼き鈍しするアニール炉であって,
    ケーシングの周面に沿ってワークの長手方向と略平行に配置され,ケーシングの周面全体を包むように冷媒を流す冷媒流路と,ワークの長手方向の両端近傍に配置された温度センサを備え,冷媒流路における冷媒の流れる方向を可変に構成し
    前記ケーシングの外側に,ヒータと保温部材が取り付けられ,
    前記温度センサで測定されるワークの両端の温度差が所定の温度差になった場合に,前記冷媒流路における冷媒の流れる方向を逆向きにして,冷媒が温度の高い側から低い側に流れるように制御することを特徴とする,アニール炉。
  2. 前記保温部材とヒータが取り外し自在に構成されていることを特徴とする,請求項1のアニール炉。
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