JP2000326012A - ローラレベラーのクラウニング補正方法およびクラウニング装置 - Google Patents

ローラレベラーのクラウニング補正方法およびクラウニング装置

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JP2000326012A
JP2000326012A JP11139541A JP13954199A JP2000326012A JP 2000326012 A JP2000326012 A JP 2000326012A JP 11139541 A JP11139541 A JP 11139541A JP 13954199 A JP13954199 A JP 13954199A JP 2000326012 A JP2000326012 A JP 2000326012A
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亨 青山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 矯正材の板幅方向の圧下量差を最小化できる
クラウニング技術を提供する。 【解決手段】 矯正すべき板材が上下部矯正ロールの間
に入った時に、(a) 上部矯正ロール6、上バックアップ
ロール7および上ロールフレーム4の圧縮変形と、下部
矯正ロール8、下バックアップロール9および下ロール
フレーム10の圧縮変形と、クラウニングシリンダ12
の圧縮変形をそれぞれ求め、これらの圧縮変形を解消す
るに必要な前記個々のクラウニングシリンダ12の必要
絞込み量を算出し、(b) 上フレーム1および下フレーム
11の撓み量を検出し、この撓み量から矯正反力を算出
し、この矯正反力に基づき、前記撓み量を解消するに必
要な前記個々のクラウニングシリンダ12の必要締込み
量を算出し、(c) 前記両必要締込み量の合計値に基づい
て個々のクラウニングシリンダ12を締込み制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はローラレベラーのク
ラウニング補正方法およびクラウニング装置に関する。
さらに詳しくは金属薄板および帯材を矯正するローラレ
ベラーにおいて、レベラーフレームに生ずる横たわみや
圧縮変形を補正する方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ローラレベラーのクラウニング装置の従
来例として、特公昭56−41323号公報に記載され
たウエッジ式がある。この従来例は、上部および下部の
矯正ロール列と矯正ロールの全長にわたって配置されて
いる複数のバックアップローラを有し、バックアップロ
ーラを支承したくし形軸受保持体が、摺動可能なくさび
によって支持されており、上部の矯正ロール列に対して
直角方向に配置されているくさびならびに下部の矯正ロ
ール列に対して平行に配置されているくさびが、油圧式
シリンダ等によって摺動可能に構成され、くさびを出し
入れすることによって、フレームの横撓みを解消するよ
うにしたものである。
【0003】しかるに上記従来のウエッジ式クラウニン
グ装置では、つぎの欠点がある。すなわち、板噛み込み
時に、上・下フレームは板噛み込みの進行にともなって
撓んでいくが、上記ウェッジ式では、くさびにより間接
的に力を加えるので、反力がかかった状態で設定量の変
更をすることができない。また、補正量はフレーム幅方
向で均一にしかならず、局部的に変化させることができ
ない。このため、補正量の設定は板噛み込み前に行い、
噛み込み完了後に最適な撓み補正量となるように、つま
り板がパスライン方向の全ワークロール間に進入した状
態で、ロールが水平状に保持されるように設定してい
る。この結果、噛み込み過程における矯正する板の先端
から 1.5mの範囲と後端から 1.5mの範囲ではクラウニ
ング量の設定が不適正であるため、板幅方向で圧下量の
ばらつきが生じ、適正な矯正が行えない。つまり、板側
端部は適正圧下でも板中央部は過圧下になるという問題
がある。また、上記ウェッジ式では、板噛み込み後の調
整ができないため、板全長にわたって最適な圧下量設定
が不可能である。
【0004】本発明らは、このような問題を解消するも
のとして、特願平9−308019号(未公開)ローラ
レベラの横撓み補正方法を提案した。この横撓み補正方
法は、矯正すべき板材の先端が上下の矯正ロール間に入
った時に、上フレームおよび下フレームの撓み量を検出
し、この撓み量から矯正反力を算出し、この矯正反力に
基づき、前記撓み量を解消するに必要な前記個々の油圧
式クラウニングシリンダの必要締込み量を算出し、この
必要締込み量に基づいて個々の油圧式クラウニングシリ
ンダを締込み上フレームおよび下フレームの横撓みを解
消するものである。
【0005】前記横撓み補正方法によれば、フレーム中
央での撓み量から、他の部位の撓み量を比例演算して求
め、各部のクラウニングシリンダに必要な締込み量を個
別に制御するので、板材の全幅にわたって、適正な撓み
量補正を行うことができる。しかし、上記補正方法によ
っても、板幅方向の圧下量差を最少化するのに限界があ
った。なぜなら、レベリングローロールやバックアップ
ロール、上ロールフレーム、下ロールフレームの変形は
何ら補正されていないからである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる事情
に鑑み、これまで以上に矯正材の板幅方向の圧下量差を
最少化できるローラレベラのクラウニング補正方法およ
びクラウニング装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1のクラウニング
補正方法は、上フレームと、該上フレームを圧下する圧
下シリンダと前記上フレームに吊下げられた上ロールフ
レームと、該上フレームと前記上フレームとの間に、幅
方向に複数本取付けられたクラウニングシリンダと、前
記上ロールフレームに支持された上部矯正ロールとその
上バックアップロールと、下フレームと、該下フレーム
上に設置された下ロールフレームと、該下ロールフレー
ムに支持された下部矯正ロールとその下バックアップロ
ールとを備えたローラレベラにおいて、矯正すべき板材
が上下矯正ロールの間に入った時に、(a) 前記上部矯正
ロール、上バックアップロールおよび上ロールフレーム
の圧縮変形と、前記下部矯正ロール、下バックアップロ
ールおよび下ロールフレームの圧縮変形と、前記クラウ
ニングシリンダの圧縮変形をそれぞれ求め、これらの圧
縮変形を解消するに必要な前記個々のクラウニングシリ
ンダの必要絞込み量を算出し、(b) 前記上フレームおよ
び下フレームの撓み量を検出し、この撓み量から矯正反
力を算出し、この矯正反力に基づき、前記撓み量を解消
するに必要な前記個々のクラウニングシリンダの必要締
込み量を算出し、(c) 前記両必要締込み量の合計値に基
づいて個々のクラウニングシリンダを締込み制御するこ
とを特徴とする。請求項2のクラウニング補正装置は、
上フレームと、該上フレームを圧下する圧下シリンダと
前記上フレームに吊下げられた上ロールフレームと、該
上フレームと前記上フレームとの間に、幅方向に複数本
取付けられたクラウニングシリンダと、前記上ロールフ
レームに支持された上部矯正ロールとその上バックアッ
プロールと、下フレームと、該下フレーム上に設置され
た下ロールフレームと、該下ロールフレームに支持され
た下部矯正ロールとその下バックアップロールとを備え
たローラレベラにおいて、コントローラと、前記上フレ
ームまたは下フレームに取付けられた、横撓みを検出す
る撓み検出センサと、圧下シリンダ、クラウニングシリ
ンダ、上ロールフレーム、上バックアップロール、上部
矯正ロール、下部矯正ロール、下バックアップロールお
よび下ロールフレームの圧縮変形をそれぞれ検出するロ
ードセルと、前記クラウニングシリンダに接続された油
圧回路に介装された制御弁とを備え、前記コントローラ
は、前記撓み検出センサの検出値に基づき上フレームと
下フレームの横撓みの補正に必要なクラウニングシリン
ダの締込み量を算出し、前記各ロードセルの検出値に基
づき、上部矯正ロール、上バックアップロール、上ロー
ルフレーム、下部矯正ロール、下バックアップロールお
よび下ロールフレームの圧縮変形の補正に必要なクラウ
ニングシリンダの締込み量を算出し、前記両締込み量を
達成するように前記制御弁を開閉制御することを特徴と
する。
【0008】請求項1の発明によれば、上下のフレーム
の撓みだけでなく、上下部矯正ロールと上下バックアッ
プと上下ロールフレーム、さらにクラウニングシリンダ
の圧縮変形も考慮に入れて、それらの変形を解消するよ
うにクラウニングシリンダを締込むので、矯正材の板幅
方向の圧下量差を最少化することができる。請求項2の
発明によれば、各クラウニングシリンダのクラウニング
補正量を個別に自動的に求めることができるので、鋼種
や板厚、板幅、圧下量ごとのテーブル値を持つ必要がな
く、正確な補正ができ、それにより平坦度の高い矯正を
実施できる。
【0009】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施形態を図面
に基づき説明する。図8は本発明が適用されるローラレ
ベラーの左半分の要部正面図、図9は同ローラレベラー
の要部側面図、図10はクラウニングシリンダ12まわ
りの拡大側面図、図11はクラウニングシリンダ12の
説明図である。
【0010】図8〜10に示すように、上フレーム1と
ハウジング2の間には圧下シリンダ3が配置されてお
り、上フレーム1の下方には上ロールフレーム4が上ロ
ールグリップシリンダ5で吊り下げられている。上ロー
ルフレーム4には、複数本の上部矯正ロール6が支持さ
れ、各矯正ロール6に対して軸方向に短尺の上バックア
ップロール7が対応付けて取付けられている。
【0011】上記の上部矯正ロール6に対してパスライ
ンを挟んで下部矯正ロール8が複数本配置され、この下
部矯正ロール8に対応付けたバックアップロール9がそ
れぞれ下ロールフレーム10に支持されている。この下
ロールフレーム10は下フレーム11上に設置されてい
る。
【0012】上記の基本構造のローラレベラーにおい
て、上フレーム1と上ロールフレーム4との間に複数の
油圧式クラウニングシリンダ12が連結されている。各
クラウニングシリンダ12は、上フレーム1の幅方向に
沿ってほぼ矯正ロール6、8と同じ幅にわたって等ピッ
チで設置され(図8参照)、かつ、入側の列12Aと出
側の列12Bの2列が設置されている。なお、クラウニ
ングシリンダの列は1列でもよいが、2列であると、上
ロールフレーム4の局部的な横撓みをより細かく補正す
ることができる。
【0013】図10〜11に示すように、前記クラウニ
ングシリンダ12は、ピストン13の上端が球面継手材
14を介して上フレーム1に連結され、シリンダ15の
底端がスライド継手16を介して上ロールフレーム4に
連結されている。このクラウニングシリンダ12には位
置検出センサ20が内蔵されている。
【0014】図11に示すように、前記上ロールフレー
ム4は、前記上ロールグリップシリンダ5で上フレーム
1から吊り下げられているが、ロール交換等の作業時に
は上ロールグリップシリンダ5を伸長させる。この場
合、クラウニングシリンダ12は、スライド継手16の
部分で上ロールフレーム4から分離するようになってい
る。
【0015】図3は本発明のクラウニング装置における
制御ブロック図である。30はクラウニング装置のコン
トローラであり、マイクロコンピュータ等で構成されて
いる。31は上フレーム1の撓みを検出する撓み検出セ
ンサであり、上フレーム1の中心位置上方のプレスフレ
ームに設置されている。そしてこの撓み検出センサ31
により、常時上フレーム1の下端までの距離Xを検出す
る。この上フレーム1の撓み量を検出することにより、
上ロールフレーム4の撓み量も検出することができる。
また、上フレーム1の撓み量から下フレーム11の撓み
量を比例計算で求めることができる。なお、図2に示す
ように、撓み検出センサ31(入側の撓み検出センサ31
E と出側の撓み検出センサ31W を含む)を下フレーム1
1に取付け、上フレーム1の撓みは下フレーム11の撓
み検出値から比例計算で求めてもよい。
【0016】32はクラウニングシリンダ12の伸長側
油室へ送油する油圧回路に介装された制御弁で、サーボ
バルブまたは比例制御弁が用いられる。33は前記油圧
回路に介装されたクラウニングシリンダ12の伸長側油
室18の油圧力を検出する圧力検出器である。41〜4
8は、圧下シリンダ3、クラウニングシリンダ12、上
ロールフレーム4、上バックアップロール7、上部矯正
ロール6、下部矯正ロール8、下バックアップロール
9、下ロールフレーム10に貼付され、それらの圧縮変
形を検出する歪ゲージを用いたロードセルである。
【0017】上記撓み検出センサ31、圧力検出器3
3、位置検出センサ20および歪ゲージ41〜47の検
出値はコントローラ30に入力される。なお、34はラ
インコントローラ、Sは矯正される板材である。
【0018】前記コントローラ30は、前記各入力信号
によって上フレーム1および上ロールフレーム4の撓み
量、クラウニングシリンダ12のシリンダ15内圧力を
常時把握し、フレームの撓みを補正するに必要な各クラ
ウニングシリンダ12の伸長量、すなわち締込み量を計
算する。またクラウニングシリンダ12、上ロールフレ
ーム4、上バックアップロール7、上部矯正ロール6、
下部矯正ロール8、下バックアップロール9および下ロ
ールフレーム10の変形量を常時把握し、それらの変形
を補正するに必要な各クラウニングシリンダ12の伸長
量、すなわち締込み量を計算する。そして、これら両絞
込み量を合計して、それに見合った圧力の圧油を送油す
るよう出力信号を演算する。また、その結果をフィード
バックさせて、撓みと変形がゼロになるように制御して
いく。
【0019】つぎに、本発明によるクラウニング補正方
法を説明する。図1〜2に板幅方向の撓みと変形の要素
を示す。 δUR:上部矯正ロール6、上バックアップロール7お
よび上ロールフレーム4の圧縮変形 δLR:下部矯正ロール8、下バックアップロール9お
よび下ロールフレーム10の圧縮変形 δC :油圧クラウニングシリンダ12の圧縮変形 δU :上フレーム1の横撓み δL :下フレーム11の横撓み 上記撓みを分類すると大きく2つに分類される。 (a) 圧縮変形 δUR、δLR、δC (b) 横撓み変形 δU、δL 本発明は、前記(a) 圧縮変形と前記(b) 横撓み変形につ
いて、両方共補正を行うことが特徴である。
【0020】本発明における制御方法は、つぎのとおり
である。 (a) 圧縮変形の補正方法 圧下シリンダ3のロードセルで検出した荷重より、
クラウニングシリンダ12の幅方向〜の各位置で
の、入側と出側の反力を計算する。 Fcw=a1 Pw+b1 Pe Fce=a2 Pw+b2 Pe 但し、Fcw:入側クラウニングシリンダ位置での荷重
計算値 Fce:出側クラウニングシリンダ位置での荷重計算値 Pw :レベラ入側圧下シリンダ3のロードセル荷重
(実測値) Pe :レベラ出側圧下シリンダ3のロードセル荷重
(実測値) a1 :荷重換算係数 a2 :荷重換算係数 b1 :荷重換算係数 b2 :荷重換算係数 前記荷重計算値Fcw、Fceより圧縮変形のミル
定数を計算する。圧縮変形のミル定数測定値を図4に示
す。単位幅当たりの圧縮変形ミル定数は、単位幅当たり
の荷重の関数として表される。 計算式 KW/(W+W0 )=a1(Fcw/W)6 +b1(Fcw/W)5 +…f1(Fcw/W)+g1 Ke/(W+W0 )=a2(Fce/W)6 +b2(Fce/W)5 +…f2(Fce/W)+g2 但し、Kw 、Ke :圧縮変形のミル定数 Fcw、Fce:クラウニングシリンダ位置での荷重計
算値 W :板幅 W0 :板幅補正係数 前記の計算により得られたミル定数Kw、Keよ
り板幅中央部の(クラウニングシリンダの位置)の補
正量を計算する。 δw = Fcw/Kw δe = Fce/Ke 板幅方向補正量の計算する。板幅中央部の補正量と
隣接するクラウニングシリンダ〜、〜位置での
補正量は次式で表される。 δw = δw = α2 δw δw = δw = α2 δw δw = δw = α2 δw δe = δe = α2 δe δe = δe = α2 δe δe = δe = α2 δe α2 、β2 、γ2 は板幅方向の補正比で板幅の関数とし
て表される(図5参照)。 上記の補正量δe〜とδw〜が、圧縮変形
のための補正量であり、この補正量に応じた締込み量を
クラウニングシリンダ12(〜の入側および出側)
に出力させる。
【0021】(b) 横撓み変形の補正方法 矯正される板材の板幅Wの範囲で反力が等分分荷重であ
ると仮定する。上フレーム1の撓みをδ1、下フレーム
11の撓みをδ11とすると、合計の撓みδは図6下段
のように表される。上記の仮定のもとでつぎの関係が成
立する。 ・フレームの撓み量δは反力Fに正比例する。 ・フレームの撓み量δは板中央に対して左右対称とな
る。 ・各位置iでの撓み量δiは反力が変化しても一定の比
となる。 ・上フレームの撓みと下フレームの撓みの比は一定の比
となる。 以上より、次式が成立する。 δ : δ : δ : δ :1:α1 :β1 :γ1 δ : δ : δ : δ :1:α1 :β1 :γ1 上下フレーム1、11の撓み量δw’は、次式で求め
られる。 δw’=(δ1 +δ11)=kδ11 α1 、β1 、γ1 、kは板幅の関数として表される(図
7参照)。上記前提に基づき、横撓み変形の補正方法を
説明する。 フレームに撓みセンサー31にて上部フレーム1ま
たは下部フレーム11の撓みを計測する。 入側下部フレーム撓み : δ11w 出側下部フレーム撓み : δ12e 上下フレームの撓み補正量を計算する。 δw’=kδ11W δe’=kδ11e δw’=δw’=α2 δw’ δe’=δe’=α2 δe’ δw’=δw’=β2 δw’ δe’=δe’=β2 δe’ δw’=δw’=γ2 δw’ δe’=δe’=γ2 δe’ 上記の補正量δe’〜’とδw’〜’が横
撓み変形のための補正量であり、この補正量に応じた締
込み量をクラウニングシリンダ12(〜の入側およ
び出側)に出力させる。
【0022】(c) 前記(a) で得られた締込み量と前記
(b) で得られた締込み量を合算し、この合計締込み量
を被矯正板のかみ込みから尻抜けまでの間、各クラウニ
ングシリンダ12に締込ませて、圧縮変形と横撓み変形
を解消する。
【0023】本発明による制御結果を次表に示す。板幅
方向の圧下量偏差は0.2 mm以内であり、十分な補正効果
を達成している。これにより板幅方向の圧下量不均一に
より生じる条切り後の反りに対しても大きな効果が期待
できる。また、従来試行錯誤的に決定したクラウニング
補正量を、本発明により自動的に求めることができ、こ
れにより鋼種、板厚、板幅、圧下量ごとにテーブル値と
して補正量を持つ必要がなくなった。下表において、テ
スト材は、材質40K で、板厚は、NO. 1〜7が40mm、
NO.8〜12が22mmである。 圧 下 量 テスト材 噛 み 止 め 深 さ 入側 出側 板幅 WS 中央 DS MAX MIN 差 39.0 40.0 1360 0.0 0.0 0.0 38.0 40.0 1360 0.0 0.0 0.0 36.0 39.9 1360 2.6 2.5 2.5 2.6 2.5 0.1 37.0 39.9 1360 1.4 1.3 1.3 1.4 1.3 0.1 36.0 40.0 4340 2.3 2.4 2.4 2.4 2.3 0.1 39.0 40.0 4340 0.0 0.0 0.0 39.0 40.3 3250 0.0 0.0 0.0 16.5 22.0 1530 4.3 4.4 4.3 4.4 4.3 0.1 18.5 22.0 1530 3.2 3.1 3.1 3.2 3.1 0.1 16.5 22.0 4000 3.7 3.6 3.6 3.7 3.5 0.2 18.5 22.0 4000 1.4 1.3 1.4 1.4 1.3 0.1 16.5 22.0 3060 3.9 3.8 3.8 3.9 3.8 0.1
【0024】以上の説明は上フレーム1と上ロールフレ
ーム4との間に、油圧クラウニングシリンダ12を配置
した例であるが、この油圧クラウニングシリンダ12を
下フレーム10と下ロールフレームとの間に配置しても
よく、また、上フレームと上ロールフレーム及び下フレ
ームと下ロールフレームの両方に配置してもよい。
【0025】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、上下のフレー
ムの撓みだけでなく、上下矯正ロールと上下バックアッ
プと上下ロールフレーム、さらにクラウニングシリンダ
の圧縮変形も考慮に入れて、それらの変形を解消するよ
うにクラウニングシリンダを締込むので、矯正材の板幅
方向の圧化量差を最少化することができる。請求項2の
発明によれば、各クラウニングシリンダのクラウニング
補正量を個別に自動的に求めることができるので、鋼種
や板厚、板幅、圧下量ごとのテーブル値を持つ必要がな
く、正確な補正ができ、それにより平坦度の高い矯正を
実施できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるクラウニング装置の概略構成と
撓み等の要素の正面からみた説明図である。
【図2】本発明におけるクラウニング装置の概略構成と
撓み等の要素の側面からみた説明図である。
【図3】本発明のクラウニング装置における制御ブロッ
ク図である。
【図4】圧縮変形のミル定数測定値のグラフである。
【図5】板幅方向の補正比のグラフである。
【図6】上フレーム1の撓みと下フレーム11の撓みの
関係説明図である。
【図7】板幅方向の補正比のグラフである。
【図8】本発明が適用されるローラレベラーの左半分の
要部正面図である。
【図9】同ローラレベラーの要部側面図である。
【図10】クラウニングシリンダ12まわりの拡大側面
図である。
【図11】クラウニングシリンダ12の説明図である。
【符号の説明】
1 上フレーム 4 上ロールフレーム 6 上部矯正ロール 8 下部矯正ロール 11 下フレーム 12 油圧式クラウニングシリンダ 20 位置検出センサ 30 コントローラ 31 撓み検出センサ 33 圧力検出器

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上フレームと、該上フレームを圧下する圧
    下シリンダと前記上フレームに吊下げられた上ロールフ
    レームと、該上フレームと前記上フレームとの間に、幅
    方向に複数本取付けられたクラウニングシリンダと、前
    記上ロールフレームに支持された上部矯正ロールとその
    上バックアップロールと、下フレームと、該下フレーム
    上に設置された下ロールフレームと、該下ロールフレー
    ムに支持された下部矯正ロールとその下バックアップロ
    ールとを備えたローラレベラにおいて、矯正すべき板材
    が上下矯正ロールの間に入った時に、(a) 前記上部矯正
    ロール、上バックアップロールおよび上ロールフレーム
    の圧縮変形と、前記下部矯正ロール、下バックアップロ
    ールおよび下ロールフレームの圧縮変形と、前記クラウ
    ニングシリンダの圧縮変形をそれぞれ求め、これらの圧
    縮変形を解消するに必要な前記個々のクラウニングシリ
    ンダの必要絞込み量を算出し、(b) 前記上フレームおよ
    び下フレームの撓み量を検出し、この撓み量から矯正反
    力を算出し、この矯正反力に基づき、前記撓み量を解消
    するに必要な前記個々のクラウニングシリンダの必要締
    込み量を算出し、(c) 前記両必要締込み量の合計値に基
    づいて個々のクラウニングシリンダを締込み制御するこ
    とを特徴とするローラレベラーのクラウニング補正方
    法。
  2. 【請求項2】上フレームと、該上フレームを圧下する圧
    下シリンダと前記上フレームに吊下げられた上ロールフ
    レームと、該上フレームと前記上フレームとの間に、幅
    方向に複数本取付けられたクラウニングシリンダと、前
    記上ロールフレームに支持された上部矯正ロールとその
    上バックアップロールと、下フレームと、該下フレーム
    上に設置された下ロールフレームと、該下ロールフレー
    ムに支持された下部矯正ロールとその下バックアップロ
    ールとを備えたローラレベラにおいて、コントローラ
    と、前記上フレームまたは下フレームに取付けられた、
    横撓みを検出する撓み検出センサと、圧下シリンダ、ク
    ラウニングシリンダ、上ロールフレーム、上バックアッ
    プロール、上部矯正ロール、下部矯正ロール、下バック
    アップロールおよび下ロールフレームの圧縮変形をそれ
    ぞれ検出するロードセルと、前記クラウニングシリンダ
    に接続された油圧回路に介装された制御弁とを備え、前
    記コントローラは、前記撓み検出センサの検出値に基づ
    き上フレームと下フレームの横撓みの補正に必要なクラ
    ウニングシリンダの締込み量を算出し、前記各ロードセ
    ルの検出値に基づき、上部矯正ロール、上バックアップ
    ロール、上ロールフレーム、下部矯正ロール、下バック
    アップロールおよび下ロールフレームの圧縮変形の補正
    に必要なクラウニングシリンダの締込み量を算出し、前
    記両締込み量を達成するように前記制御弁を開閉制御す
    ることを特徴とするローラレベラーのクラウニング装
    置。
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