JP2000324797A - スナバ装置 - Google Patents

スナバ装置

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JP2000324797A
JP2000324797A JP11133983A JP13398399A JP2000324797A JP 2000324797 A JP2000324797 A JP 2000324797A JP 11133983 A JP11133983 A JP 11133983A JP 13398399 A JP13398399 A JP 13398399A JP 2000324797 A JP2000324797 A JP 2000324797A
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Japan
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voltage
switching element
circuit
semiconductor switching
main
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JP11133983A
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English (en)
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Kimihiro Hoshi
公弘 星
Tsuneo Ogura
常雄 小倉
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 過電圧から半導体スイッチング素子を保護
する。 【解決手段】 コレクタ、エミッタ及びゲートを有し
当該コレクタが半導体スイッチング素子IGBT1の高
圧側主電極Aに接続され、上記エミッタが上記半導体ス
イッチング素子IGBT1の低圧側主電極Kに接続され
たMOSゲート半導体スイッチング素子IGBT10
と、上記半導体スイッチング素子IGBT1の高圧側主
電極Aと上記MOSゲート半導体スイッチング素子IG
BT10のゲートとの間に設けられ、前記半導体スイッ
チング素子IGBT1の印加電圧を所定値以下に抑制す
る電圧抑制回路11yとを有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電流遮断時にサー
ジ電圧を発生する半導体スイッチング素子用のスナバ装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、モータ駆動用の電力変換装置と
いったパワーエレクトロニクス装置としては、インバー
タ装置がある。このインバータ装置内のスイッチング素
子には、近年、IGBT(Insulated Gate Bipolar Tra
nsistor)が広く用いられている。
【0003】このインバータ装置では、ターンオフ時に
IGBTに印加される過電圧からIGBTを保護するた
めの保護回路が用いられている。この種の保護回路とし
ては、一般に、図35に示すクランプ型スナバ回路(充
電型RCDスナバ回路)が用いられている。このクラン
プ型スナバ回路は、回路電圧を供給するフィルタコンデ
ンサCfと、配線インダクダンスLmと、スイッチング
素子としての2つのIGBT1,2とからなる直列回路
に対して設けられる。具体的には、各IGBT1,2に
対し、夫々スナバ用のコンデンサC1,C2とスナバ用
のダイオードD1,D2との直列回路が並列に接続さ
れ、スナバ用の抵抗R1,R2の一端がコンデンサC
1,C2とダイオードD1,D2との間に接続され、抵
抗R1,R2の他端が他方のIGBT2,1のエミッタ
側又はコレクタ側に接続されている。
【0004】すなわち、クランプ型スナバ回路は、コン
デンサC1,C2がたすき掛けに配線され、予め回路電
圧までコンデンサC1,C2が充電される構成を有して
おり、ターンオフ時、配線インダクタンスLmに貯えら
れたエネルギーが排出され、回路電圧以上の瞬間的な過
電圧(以下、サージ電圧ともいう)がIGBT1,2に
印加されるとき、コンデンサC1,C2に電荷が蓄積
(過充電)されることにより、サージ電圧をクランプす
る機能をもっている。この動作は、ターンオフ毎に発生
する。
【0005】このクランプ型スナバ回路は、損失エネル
ギーが電荷の過充電分に対応するので、非充電型スナバ
回路に比べて損失エネルギーが小さいという利点をも
つ。しかし、クランプ型スナバ回路のサージ電圧抑制機
能には遮断電流の大きさに応じて発生するサージ電圧の
大きさが変化する特徴(欠点)がある。
【0006】この特徴を模式的に述べると、図36に示
すように、例えば遮断電流が100Aの場合に400V
のサージ電圧を発生するが、図37に示すように、遮断
電流が200Aの時は800Vのサージ電圧を生ずるよ
うに遮断電流の大きさによってサージ電圧が変化する。
【0007】ここで、100Aというのは、このスイッ
チング素子の通常使用される電流領域の100%に相当
し、200Aというのは事故電流などの過電流設定値で
通常電流の200%に相当する。このような使用方法の
場合、この素子の耐圧は回路電圧(1000V)+サー
ジ電圧(800V)+余裕分(200V)=2000V
の素子が使用される。つまり素子耐圧は回路電圧の20
0%程度になっている。
【0008】この関係を素子の特性上必要な逆バイアス
安全動作領域(RBSOA)で表すと図38のようにな
る。すなわち、回路電圧(1000V)の時に最大過電
流、最大電圧(1800V)の時に定常電流の遮断が安
全にできることが必要になる。この図から明らかなよう
に、回路電圧(1000V)以上の領域での安全動作が
要求されるのである。しかしながら、高耐圧領域におい
ては、アバランシェ降伏により電子・正孔対が発生し易
くなるため安全動作は急激に困難となる。このため、特
に、回路電圧1000V以上で使用可能なIGBTを開
発するには、使用電流を低減するなどの制限がある。
【0009】また、クランプ型スナバ回路は、たすき掛
けの配線のため、1アームが2個以上のIGBTを直列
接続した回路には適用不可能となっている。従って、多
数のIGBTが直列接続されている高圧変換器では、使
用可能な低損失のスナバ回路が存在せず、その結果、損
失の大きい非充電型スナバを用いているという問題があ
る。
【0010】一方、図39に示すようなスナバ回路と過
電圧保護回路とを組合せた回路方式がある。この回路の
動作を図40,41を用いて説明する。まず、IGBT
1,2が通常の電流11(=最大100A)を遮断する
と、サージ電圧が発生するが、クランプスナバによりV
1(=最大1400V)に抑えられる。このV1は通常
の電流11を遮断している限りでは最大でも回路電圧の
150%(=1500V)以下に抑えられる。
【0011】しかし、負荷短絡事故などの過電流ioc
(=最大200A)を遮断すると、クランプスナバ回路
では大きなサージ電圧(1800V)が発生するので、
過電圧保護レベルVzd(例えば回路電圧の170%=
1700V)に達して図41に示すようにVzdでクラ
ンプされる。
【0012】よって、図39の一時的過電圧保護回路を
つけた場合の素子耐圧は1700V+余裕分200V=
1900Vとなり、図35のクランプスナバ回路だけの
素子耐圧2000Vよりは耐圧の小さい素子を使用する
ことができるが、向上分はわずかである。また、電圧の
抑制期間中は斜線で示す電気エネルギーをオン状態に戻
って放出するため、図41中に示すように電流が通常の
ターンオフ時よりも多く流れる。
【0013】この場合のRBSOAも図38で述べた場
合と同様に、最大電圧1700Vの時に定常電流の遮断
が安全に出来ることが必要になり、大きな改善が見込め
ない。
【0014】また、図39に示した周知な過電圧保護回
路の以外に、例えば特開平1−280355号公報や特
開平7−288456号公報のように主スイッチング素
子に並列にFETやIGBTのような補助スイッチング
素子を接続し、その補助スイッチング素子に過電圧セン
サを設ける過電圧保護回路構成が提案されている。
【0015】これらの構成では、過電圧が印加された場
合に、補助スイッチング素子が動作し、過電圧から主素
子を保護することが示されているが、これらはいずれ
も、保護方法については、図40、図41に示した従来
構成と同様であり、素子耐圧の利用率という観点から改
善は見込めない。すなわち、回路電圧に対して十分高い
(先の例で示したように例えば170%)過電圧保護レ
ベルを設定し、これを越えないようにしたものである。
更にRBSOAの観点からも同様に大きな改善を見込め
ない。
【0016】次に、IGBT単体ではなく、IGBT
1,2を並列に接続した場合、各IGBT1,2の特性
が異なるので、電流にアンバランスが発生する。このと
き、大きな電流を遮断するIGBTにより、そのスナバ
回路に大きなサージ電圧が印加される問題がある。
【0017】また、各IGBT1,2を直列に接続する
と、ターンオフ時に各IGBT1,2に発生するサージ
電圧がアンバランスになり、一部のIGBTに過大なサ
ージ電圧が印加される問題がある。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】以上、説明したように
従来のスナバ装置は、遮断電流の大きさに比例してサー
ジ電圧が大きくなるので、過電圧破壊に対する余裕分に
応じて主IGBTの電圧の利用率を低下させてしまう問
題がある。すなわち、図36のように低い遮断電流のと
きは良いが、図37のように高い遮断電流の場合、回路
電圧1000Vに対し、素子耐圧2000Vであり、利
用率が50%程度に低下してしまう。同様に図41に示
す場合には、回路電圧が1000Vであるのに対し、素
子耐圧が1900Vであり、利用率が52.6%と2.
6%しか向上しない。
【0019】また、RBSOAの観点からは、回路電圧
1000Vに対して800Vあるいは700Vもの高圧
において安全にターンオフすることが要求されるのであ
る。また、スナバ装置は、コンデンサ及び抵抗の外形が
大きいので、高耐圧になると、コンデンサの外形が非常
に大きくなる問題があり、また、抵抗の冷却が困難とな
る問題がある。
【0020】さらに、直列接続用の低損失なクランプ型
スナバ回路が存在しない問題がある。また、直列接続し
たIGBTの電流を遮断した時に発生するサージ電圧が
個々のIGBTに均一に発生せず、一部のIGBTに過
電圧が印加されて破壊が生じる問題がある。
【0021】主IGBTを直列や並列に接続する場合、
主IGBTの特性により、スイッチング時の電圧や電流
がアンバランスになる。よって、このアンバランスを解
消する観点から、主IGBTの特性を揃える必要が生じ
るので、IGBTの歩留りを低下させて価格を高騰させ
る問題がある。
【0022】また、主IGBTのスイッチング時に電圧
にアンバランスが生ずると、主IGBT及びその周辺回
路の標準化が困難になり、電力変換装置を製作する毎に
主IGBTやスナバ装置などを選別する必要が生じるの
で、同様に価格を高騰させてしまう問題がある。
【0023】本発明は上記実情を考慮してなされたもの
で、遮断電流の大きさによらずサージ電圧を一定にし、
主スイッチング素子を保護し得ることを目的とする。ま
た、本発明の他の目的は、従来に比べて外形が小さいこ
とにある。
【0024】さらに、本発明の他の目的は、主スイッチ
ング素子を直列や並列に接続した場合であっても、主ス
イッチング素子の特性に無関係に、スイッチング時の電
圧のアンバランスを解消し得ることにある。
【0025】また、本発明の他の目的は、サージ電圧を
一定にし、回路電圧に比べて余裕分の少ない主スイッチ
ング素子を使用でき、主スイッチング素子の電圧の利用
率を向上し得る、あるいは回路電圧に対して十分に高い
電圧までRBSOAの領域が不要なことにある。
【0026】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に係る発明は、高圧側主電極、低圧側主電
極及び制御電極を有する半導体スイッチング素子に並列
に接続され、上記半導体スイッチング素子のターンオフ
スイッチング毎に生じるサージ電圧を所定の値以下に抑
制し、かつこの抑制されたサージ電圧のサージエネルギ
ーによる電流をバイパスさせるスナバ装置において、コ
レクタ、エミッタ及びゲートを有し上記コレクタが上記
高圧側主電極に接続され、上記エミッタが上記半導体ス
イッチング素子の低圧側主電極に接続されたMOSゲー
ト半導体スイッチング素子と、上記半導体スイッチング
素子の高圧側主電極と上記MOSゲート半導体スイッチ
ング素子のゲートとの間に設けられ、上記半導体スイッ
チング素子の印加電圧を所定値以下に抑制する電圧抑制
回路とを備えたことを特徴とする。
【0027】また、請求項2に係る発明は、電圧抑制回
路が、半導体スイッチング素子の高圧側主電極とMOS
ゲート半導体スイッチング素子のゲートとの間に逆方向
に接続され、所定値に対応する降伏電圧を有するツェナ
ーダイオードであることを特徴とする。
【0028】更に、請求項3に係る発明は、電圧抑制回
路が、少なくとも電界検出素子と抵抗とで構成されたこ
とを特徴とする。請求項4に係る発明は、半導体スイッ
チング素子に並列に接続された少なくともコンデンサを
有する回路とを備えたことを特徴とする。
【0029】また、請求項5に係る発明は、MOSゲー
ト半導体スイッチング素子と電圧抑制回路が、半導体ス
イッチング素子と分離したパッケージに収納されたこと
を特徴とする。
【0030】更に、請求項6に係る発明は、半導体スイ
ッチング素子とMOSゲート半導体スイッチング素子と
電圧抑制回路とを並列接続されたものを複数並列に接続
したことを特徴とする。
【0031】また、請求項7に係る発明は、半導体スイ
ッチング素子とMOSゲート半導体スイッチング素子と
電圧抑制回路とを並列接続されたものを複数直列に接続
したことを特徴とする。
【0032】更に、請求項8に係る発明は、半導体スイ
ッチング素子を複数直列に接続したものにMOSゲート
半導体スイッチング素子と電圧抑制回路とを接続したこ
とを特徴とする。
【0033】また更に、請求項9に係る発明は、MOS
ゲート半導体スイッチング素子を冷却する冷却手段とを
備えたことを特徴とする。請求項10に係る発明は、冷
却手段が、半導体スイッチング素子も冷却するように取
り付けられたことを特徴とする。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を用いて詳細に説明する。
【0035】(第1の実施の形態)図1及び図2は、本
発明の第1の実施の形態を示す構成図であり、図35〜
図41と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明
を省略し、ここでは異なる部分について述ベる。なお、
以下の各実施の形態も同様にして重複した説明を省略す
る。
【0036】図1に示すように、半導体装置は、保護対
象のIGBT1に対し、IGBT1のアノード端子A及
びカソード端子K間に並列に保護回路Pが接続されてい
る。また、保護回路Pは、図2に示すように、アノード
端子Aとカソード端子Kとの間に接続された過電圧クラ
ンプ部P1を備えている。
【0037】次に、このような半導体装置の動作を説明
する。いま、オン状態においては、主電流がIGBT1
に流れるが、過電圧クランプ部P1には電流が流れてい
ない。
【0038】続いて、ターンオフのとき、図3に示すよ
うに、配線インダクタンスLmから放出されるエネルギ
ーによって印加電圧が回路電圧以上になった時点から、
主電流の一部が分岐し、保護回路電流として過電圧クラ
ンプ部P1に流れる。また、残りの主電流は、IGBT
1に流れ続ける。
【0039】これにより、半導体装置全体としては、タ
ーンオフ毎に印加電圧がクランプされるので、ターンオ
フ動作の安全性を向上させることができる。上述したよ
うに本実施形態によれば、ターンオフ時に配線インダク
タンスLmから放出されるエネルギーとして回路電圧以
上の跳ね上がり電圧である過電圧(サージ電圧)が印加
された際に、過電圧クランプ部P1をオン状態にするこ
とにより、バイパスとして電流を流すことができるの
で、印加電圧を所定値、例えば回路電圧以下に抑制さ
せ、主スイッチング素子のIGBT(以下、主IGBT
ともいう)を過電圧による破壊から保護することができ
る。
【0040】また、印加電圧を所定値以下に抑制するの
で、主スイッチング素子のIGBTを直列や並列に接続
した場合であっても、主IGBTの特性に無関係に、ス
イッチング時の電圧のアンバランスを解消することがで
きる。
【0041】また、本実施形態によれば、過電圧クラン
プ部P1として、アノード端子A及びカソード端子Kと
いう2つの端子を有する保護回路Pを実現したので、主
スイッチング素子のIGBTに極めて容易に集積化させ
ることができる。
【0042】例えば、図1に示したように、保護回路P
は、主IGBT1に直接に並列接続できる。また、図4
に示すように、複数の主IGBT1〜主IGBTnに対
しても並列接続することにより、全ての主IGBT1〜
主IGBTnを保護することができる。なお、保護回路
Pと主IGBT1〜主IGBTnとを備えた半導体装置
は、例えばパッケージ化して実現させることができる。
【0043】例えば、図5は係る圧接型半導体装置のカ
ソード電極をパッケージ内側から見た平面図である。カ
ソード電極1xは、ゲート端子2xを保持する絶縁性の
外囲器3xに囲まれ、内周部には、図示しないアノード
電極上の各半導体チップ(1個の保護回路Pチップとn
個の主IGBT1〜nチップ)のゲートパッドに夫々加
圧接触するように配置された複数のばねピン4xを有し
ている。なお、保護回路チップに対向するばねピン4x
は、予め取付されない。各ばねピン4xとゲート端子2
xとの間は、ゲート抵抗5xを有する複数のリード線6
xにより並列接続された構造となっている。これによ
り、各IGBT1〜nチップと、保護回路チップPとを
互いに同一平面に配列してパッケージ本体に収容してな
るモジュール型の半導体装憧を実現できる。
【0044】一方、図6に示すように、外囲器内周部、
あるいは半導体チップ配列部に開口を有する樹脂あるい
はセラミックなどからなる絶縁基板7xがアノード電極
板8x上に設けられており、この絶縁基板7x上に薄く
蒸着されたゲート電極配線9xと各IGBT1〜nのゲ
ートパッドとがワイヤを介してボンディング接続される
と共に、絶縁基板7x上に蒸着されたカソード電極配線
10xと各IGBT1〜n及び保護回路チップPのカソ
ードとがワイヤを介してボンディング接続されたパッケ
ージ本体の構造として、モジュール型の半導体装置を実
現してもよい。なお、図4に示した構造は、図7に示す
ように、互いに直列接続することができる。
【0045】(第2の実施形態)図8は、本発明の第2
の実施形態を示す構成図である。本実施の形態は、過電
圧クランプ部P1の構成を具体化したものであり、図8
に示すように、半導体装置UAは、過電圧クランプ部P
1が、過電圧クランプ用スイッチング素子IGBT10
と、保護回路Pのアノード端子A・カソード端子K間及
びIGBT10のゲートに接続された電圧判定回路11
yを備えている。
【0046】電圧判定回路11yは、主IGBT1の耐
圧以下の範囲において印加電圧の大小を判定する機能を
有し、例えば前述した過電圧クランプ部P1と同様に、
図9に示すように、主IGBT1のコレクタと保護用I
GBT10のゲートとの間に逆方向に接続されたツェナ
ーダイオードZD11としてもよい。
【0047】このとき、電圧判定回路11yは、印加電
圧の大小をツェナー電圧を基準として判定し、ツェナー
電圧よりも高い電圧が逆方向に印加されたときにブレー
クダウンする特性を有している。ここで、ツェナー電圧
は、主IGBT1の耐圧の75%程度に設定され、回路
電圧としてのフィルタコンデンサCfの電圧は、主IG
BT1の約60%程度で使用される。
【0048】なお、次に、ツェナー電圧を75%に設定
した理由を述べる。従来のコンデンサ式スナバ回路の場
合、遮断電流の大きさに比例してサージ電圧が増大す
る。例えば主IGBT1の耐圧を4.5kVとし、最大
遮断電流を3kAとすると、最大遮断電流を遮断する時
のサージ電圧ΔVは、主回路インダクタンスLmが1μ
HでスナバコンデンサC1が3μFとすると、サージ電
圧ΔV=3kA・(Lm/C1)1/2 =3kA・(1μ
H/3μF)1/2 =1.73kVとなり、IGBT1へ
の印加電圧が(2.25kV+1.73kA)=3.9
8kV(耐圧の約88.5%)となる。
【0049】但し、従来のコンデンサ式スナバ回路は、
余裕分を見込んで回路電圧を主IGBT1の耐圧の約5
0%程度とし、通常の遮断電流を1.5kA以下として
いる。
【0050】この1.5kAの遮断電流を遮断する時の
サージ電圧ΔV=1.5kA・(1μH/3μF)1/2
=0.87kVであり、主IGBT1への印加電圧=
3.12kV(耐圧の約69%)となる。
【0051】ここで、回路電圧の電圧変動10%を見込
むと、主IGBT1への印加電圧=(2.25kV×
1.1+0.87kV)=3.345kV(耐圧の7
4.3%)で主IGBT1の耐圧の約75%となる。つ
まり、従来は、ターンオフ毎にサージ電圧を含んだ印加
電圧が耐圧の75%以下に設定されている。
【0052】よって、従来は、故障時などの一時過電圧
を、耐圧の75%を越える任意の抑制値で抑制し、通常
運転のターンオフ毎のサージ電圧をコンデンサ方式のス
ナバ回路で抑制している。このように従来は、主IGB
T1の耐圧に比べ、50%という低い比率の回路電圧を
使用する設定となっている。
【0053】一方、本発明は、一時過電圧の抑制値(ツ
ェナー電圧値)を耐圧の75%以下に設定し、この設定
で同時に通常のターンオフ毎のサージ電圧をも抑制する
点で従来とは相違する。
【0054】なお、以上の素子耐圧に基づく説明では、
耐圧に比べた抑制値の大きさを述べたが、これを回路電
圧に比べて換言すると、回路電圧を耐圧の50%にした
とき、耐圧の75%である抑制値は回路電圧の150%
(=75%/50%)に相当する。同様に、例えば回路
電圧を耐圧の60%にしたとき、抑制値は回路電圧の1
25%(=75%/60%)になる。
【0055】あるいは回路電圧を耐圧の80%に設定
し、抑制値を耐圧の90%に設定する。すなわち、抑制
値を回路電圧の112.5%に設定してもよい。つまり
抑制値は回路電圧の150%以下に設定し、かつ100
%に近づくほどスナバ装置の負担は大きくなるが、素子
の電圧利用率は向上する。
【0056】また、回路電圧の150%以上に電圧が上
昇しないように抑制することができれば、ターンオフ時
の逆バイアス安全動作領域(RBSOA)が、回路電圧
の150%以下の領域でスイッチング素子を使用できる
ことにより、素子の破壊を防ぐことができる点で大きな
メリットとなる。
【0057】すなわち、回路電圧1000Vに対して、
図10に示すRBSOAを有するスイッチング素子を用
いればよいことになる。これは従来技術で述べた図38
と同じ回路電圧でありながら低い電圧の範囲でよいこと
になり、大きな効果をもたらすものである。
【0058】次に、このような保護回路の具体的な構造
について説明する。図11は、この保護回路を1チップ
上に形成した場合の構成を示す断面図である。この保護
回路の過電圧クランプ部P1は、n型ベース層30の一
方の表面にはp型エミッタ層31及びアノード電極32
が形成されている。
【0059】また、n型ベース層30の他方の表面には
複数のp型ベース層10a及びp型層11aが選択的に
形成され、p型ベース層10a表面にはn型層10bが
選択的に形成されている。
【0060】隣り合うn型層10bに挟まれたp型ベー
ス層10a及びn型ベース層30表面に絶縁層10cを
介してIGBT10のゲート電極10dが形成されてい
る。ゲート電極10dは、ツェナーダイオードZD11
のp型層11a上に形成されたカソード電極11bに電
気的に接続されている。また、絶縁層10cを挟むよう
にp型ベース層10a及びn型層10bに接してIGB
T10のエミッタ電極10eが形成されている。このエ
ミッタ電極10eは、保護回路Pのカソード端子Kに接
続されている。
【0061】次に、このような半導体装置の動作を説明
する。主IGBT1がオン状態のときには、ゲート回路
が接続されていないので動作しない。
【0062】続いて、主IGBT1がターンオフする
と、配線インダクタンスLmにより、サージ電圧が発生
する。図12に示すように、サージ電圧がツェナー電圧
Vzに達すると、ツェナーダイオードZD11がブレー
クダウンして保護用IGBT10のゲート電極10dに
電圧が印加されて保護用IGBT10が非飽和領域に移
行する。この結果、保護用IGBT10は、図12に示
すように、ツェナー電圧Vzによって規定される電圧を
維持しながら電流を流す。
【0063】この結果、主IGBT1に発生するサージ
電圧は、ツェナー電圧Vzに対応して一定の電圧にクラ
ンプされる。このクランプ動作は、異常時の一時的な動
作ではなく、定常運転のターンオフ時毎に過電圧に対し
て行われる。すなわち、主IGBT1のターンオフ時の
過電圧を、遮断電流の大きさとは無関係に所定値以下に
抑制することができる。
【0064】なお、従来のスナバ回路では、遮断電流の
大きさに比例してサージ電圧が増大するので、遮断電流
の最大値に対応するサージ電圧を主IGBT1の耐圧よ
りも低くする観点から、主IGBT1の耐圧に比べて回
路電圧(フィルタコンデンサCfの電圧)を例えば50
%未満という低い値に選定する必要があり、主IGBT
1の電圧の利用率を低下させている問題がある。しか
し、本実施の形態では、前述した通り、遮断電流の大き
さとは無関係にサージ電圧を所定値以下に抑制できる。
【0065】よって、例えばツェナー電圧を主IGBT
1の耐圧の75%程度に設定すると、サージ電圧と回路
電圧とからなる全印加電圧が主IGBT1の耐圧の75
%程度に抑制されるので、主IGBT1の耐圧に比べて
75%という高い値に回路電圧を選定することができ
る。すなわち、主IGBT1の電圧の利用率を向上さ
せ、低耐圧の主IGBT1及び保護用IGBT10を使
用することができる。
【0066】上述したように本実施の形態によれば、図
8に示すように、スイッチング素子を用いた保護回路P
の具体的な回路構成を規定したので、第1の実施の形態
の効果を容易且つ確実に奏することができる。
【0067】また、過電圧クランプ部P1は、遮断電流
の大きさが変化してもサージ電圧を所定値以下に抑制で
きると共に、その所定値を設計段階で選択できるので、
素子設計の労力を低減させることができる。
【0068】また、過電圧クランプ部P1は、通常の動
作状態で過電圧をクランプするので、素子の耐圧や安全
動作領域(逆バイアス安全動作領域(RBSOA:Reve
rseBias Safe Operating Area))の設計が従来の過電
圧保護方式よりも楽になり、低耐圧の素子を使用するこ
とができる。一般に、素子は低耐圧の方が良い特性を持
つので、所定の回路に用いる素子の特性を大幅に改善す
ることができる。
【0069】さらに、過電圧クランプ部P1は、ターン
オフ等の電圧クランプ時のみ電流を流すので、保護用I
GBT10の温度上昇が少ないという利点がある。ま
た、主IGBT1の如き、半導体スイッチを使用する電
力変換装置に関しても、半導体スイッチの電圧利用率を
向上させることができる。また、当然のことながら、タ
ーンオフ毎に生じるサージ電圧を所定値に抑制する効果
は、半導体スイッチに限定されず、例えば機械スイッチ
や真空管スイッチ、ガス入りスイッチなどにも適用で
き、パルスパワー分野などにも効果を期待することがで
きる。
【0070】さらに、スイッチング素子IGBT10に
より過電圧のエネルギーを逃がす構成なので、従来のコ
ンデンサを用いたスナバ回路に比べ、外形を小型化する
ことができる。
【0071】また、本実施の形態の保護回路は、図11
に示したように、半導体装置の1チップ上に形成するこ
とができる。このため、直並列回路の素子数を多く必要
な大電力変換器に好適である。
【0072】(第3の実施の形態)図13は、本発明の
第3の実施の形態を示す回路図であり、図9中の過電圧
クランプ部P1の部分の変形例を示している。
【0073】係る保護装置Pの過電圧クランプ部P1
は、ツェナーダイオードZD11に代えて、保護回路P
のアノード端子AとIGBT10のゲートとの間に抵抗
R12を介して接続され、回路電圧より高い電圧を検知
してアノード端子AをIGBT10のゲートヘ抵抗12
を介して導通させる電界検出素子ED13を備えてい
る。
【0074】次に、このような保護回路の具体的な構造
について説明する。図14は、この保護回路を1チップ
上に形成した場合の構成を示す断面図である。ここで、
過電圧クランプ部P1では、ツェナーダイオードZD1
1に対応するp型層11aに代えて、電界検出素子ED
13に対応する2つのp型ベース層13aがn型ベース
層30表面に選択的に形成され、各p型ベース層13a
表面にはn型ソース層13bが選択的に形成されてい
る。各p型ベース層13aに挟まれたn型ベース層13
b表面にはp型シールド層13cが形成されている。
【0075】p型シールド層13c及びその両側のp型
ベース層13bは、絶縁層13dを介してゲート電極1
3eに接続され、このゲート電極13eは、抵抗R12
を介してIGBT10のゲート電極10dに接続されて
いる。また、絶縁層13dの両側のn型ソース層13b
及びp型ベース層13aは、上部に形成されたソース電
極13fを介して抵抗R12及びIGBT10のゲート
電極10dに接続されている。
【0076】次に、このような半導体装置の動作を説明
する。主IGBT1の印加電圧が所定値に増加し、保護
回路P内(n型ベース層30内)の電界が所定の電界に
上昇すると、電界検出素子ED13内の電界が上昇して
p型シールド層13cが消滅し、電界検出素子ED13
のアノード電極32・ゲート電極13e間に容量が発生
する。
【0077】すなわち、電界検出素子ED13において
は、電界の上昇により、p型シールド層13cに接して
n型ベース層30内に存在していた空乏層が伸びてp型
シールド層13cを消滅させて絶縁膜13dに到達し、
これら空乏層及び絶縁膜13dのキャパシタンスを介し
てアノード電極32・ゲート電極13e間が接続され
る。その結果、ゲート電極13eのゲート電圧が急激に
上昇してこのゲート電圧とソース電極13fの電圧との
極性が反転する。
【0078】そして、このゲート電圧が正の電圧とな
り、ソース電極13fには負の電圧が印加されるので、
n型ソース層13bとn型ベース層30とに挟まれたp
型べース層13aの表面にn型チャネル層が形成され
て、電子電流がn型ベース層30に流れ込み、電界検出
素子ED13のMOSFET構造がターンオンして導通
状態となる。
【0079】これにより、電界検出素子ED13を通し
てアノード電極32からIGBT10のゲート電極10
dに電流が流れ、抵抗R12の電圧降下によってIGB
T10のゲート電圧が上昇する。これにより、IGBT
10がターンオンして保護回路電流を流すため、主スイ
ッチング素子のIGBTが過電圧から保護される。
【0080】上述したように本実施の形態によれば、ツ
ェナーダイオードZD11に代えて電界検出素子ED1
3を用いるので、第2の実施の形態の効果に加え、アバ
ランシェ現象による負性抵抗を伴う局部的な電流導通を
用いないため、ノイズの発生を少なくすることができ
る。
【0081】(第4の実施の形態)図15は、本発明の
第4の実施の形態を示す構成図であり、図16は、本実
施の形態に適用される保護回路の構成図であって、第1
の実施の形態の変形例を示している。
【0082】すなわち、この半導体装置は、過電流から
の保護を図る過電流保護部P2が保護回路P内に付加さ
れた構成であり、この保護回路PがIGBT1のゲート
端子Gにも接続されている。
【0083】ここで、保護回路Pは、図16に示すよう
に、前述した過電圧クランプ部P1に加え、過電圧クラ
ンプ部P1とは並列にアノード端子Aとカソード端子K
との間に接続され且つゲート端子Gにも接続された過電
流保護部P2を備えている。
【0084】次に、このような半導体装置の動作を説明
する。但し、過電圧クランプ部については前述した通り
のため、記載を省略する。いま、オン状態においては、
主電流がIGBT1に流れると共に、過電流検知用の小
電流が過電流保護部P2に流れる。
【0085】過電流保護部P2は、過電流検知用の小電
流が一定値を超えたとき、過電流を検知してIGBT1
のゲート端子Gの電位をカソード端子Kの電位に短絡
し、IGBT1をオフ状態にする。このため、過電流が
生じたとき、半導体装置全体を安全にターンオフさせる
ことができる。
【0086】上述したように本実施の形態によれば、第
1の実施の形態の効果に加え、過電流保護回路が、主ス
イッチング素子の通常使用電流を越えた過電流が流れる
と、この過電流を検出し、主IGBTのゲート端子Gの
電位を制御することにより、並列接続されている全ての
主IGBTを同時にターンオフさせ、主IGBTを過電
流による破壊から保護することができる。
【0087】また、本実施の形態によれば、過電圧クラ
ンプ部P1及び過電流保護部P2を集積化し、アノード
端子A、カソード端子K及びゲート端子Gという3つの
端子を有する保護回路Pを実現したので、主スイッチン
グ素子のIGBTに極めて容易に集積化させることがで
きる。
【0088】例えば、図17に示したように、保護回路
Pは、主IGBT1に直接に並列接続できる。また、図
18に示すように、複数の主IGBT1〜主IGBTn
に対しても並列接続することにより、全ての主IGBT
1〜主IGBTnを保護することができる。なお、保護
回路Pと主IGBT1〜主IGBTnとを備えた半導体
装置は、前述した図5及び図6に示す構成に保護回路P
へのゲート配線を付加することにより、パッケージ化し
て実現させることができる。
【0089】(第5の実施の形態)図19は、本発明の
第5の実施の形態を示す回路図である。本実施の形態
は、過電流保護部P2の構成を具体化したものであり、
図19に示すように、半導体装置UAの過電流保護部P
2は、過電流保護用スイッチング素子IGBT20と、
IGBT20のエミッタと保護回路P2のカソード端子
Kとの間に接続された抵抗R21と、このエミッタ・抵
抗R21間にゲートが接続され且つIGBT20のゲー
トにドレイン電極が接続されカソード端子Kにソース電
極が接続された過電流検知用スイッチング素子MOSF
ET22とから構成されている。
【0090】次に、このような保護回路の具体的な構造
について説明する。図20はこの保護回路を1チップ上
に形成した場合の構成を示す断面図である。この保護回
路の過電流保護部P2は、過電圧クランプ部P1と同様
に、n型ベース層30の一方の表面にはp型エミッタ層
31及びアノード電極32が形成されている。
【0091】また、n型ベース層30の他方の表面には
複数のp型ベース層20a及びp型ウェル層22aが選
択的に形成され、p型ベース層20a表面及びp型ウェ
ル層22aにはn型層20b,22bが選択的に形成さ
れている。
【0092】また、過電流保護部P2では、IGBT2
0に対応する1つのn型層20bが表面に選択的に形成
された2つのp型ベース層20aと、MOSFET22
に対応する2つのn型層22bが表面に選択的に形成さ
れた1つのp型ウェル層22aとがn型ベース層30表
面に形成されている。
【0093】IGBT20においては、隣り合うn型層
20bに挟まれたp型ベース層20a及びn型ベース層
30表面に絶縁層20cを介してIGBT20のゲート
電極20dが形成されている。
【0094】このゲート電極20dは、保護回路のゲー
ト端子G及びMOSFET22のドレインに対応するn
型層22bに接続されている。また、絶縁層20cを挟
むようにp型ベース層20a及びn型層20bに接して
IGBT20のエミッタ電極20eが形成されている。
【0095】MOSFET22においては、両n型層2
2bに挟まれたp型ウェル層22a上に絶縁層22cを
介してゲート電極22dが形成されている。両n型層2
2bのうち、ドレインに対応するn型層22bは、上部
に形成されたドレイン電極22eを介して保護回路Pの
ゲート端子G及びIGBT20のゲート電極20dに接
続されている。また、ソースに対応するn型層22b
は、上部に形成されたソース電極22fを介して保護回
路Pのカソード端子Kに接続されている。
【0096】また、n型ベース層30上には、絶縁層2
1aを介し、抵抗R21に対応する抵抗体21bが多結
晶シリコン等から形成されている。抵抗体21bの一端
は、電極21cを介してIGBT20のエミッタ電極2
0e及びMOSFET22のゲート電極22dに電気的
に接続されている。抵抗体21bの他端は、カソード電
極21dを介して保護回路Pのカソード端子K及びMO
SFET22のソース電極22fに接続されている。
【0097】次に、このような半導体装置の動作を説明
する。過電圧クランプ部P1の動作は、前述した通りで
ある。続いて、過電流保護部P2は、過電流検知用の小
電流が一定値を超えたとき、MOSFET22がターン
オフして、保護用のIGBT20及び主スイッチング素
子のIGBT1〜nの全てのIGBT20,IGBT1
〜nのゲートをカソード端子Kに短絡させ、全ての主I
GBT1〜nをターンオフさせて過電流から保護する。
【0098】上述したように本実施の形態によれば、図
19に示すように、スイッチング素子を用いた保護回路
Pの具体的な回路構成を規定したので、第4の実施の形
態の効果を容易且つ確実に奏することができる。
【0099】また、本実施の形態の保護回路は、図20
に示したように、半導体装置の1チップ上に形成するこ
とができる。このため、直並列回路の素子数を多く必要
な大電力変換器に好適である。
【0100】(第6の実施の形態)図21は、本発明の
第6の実施の形態を示す回路図であり、図19の変形例
を示している。
【0101】係る保護装置Pの過電流保護部P2は、I
GBT20のエミッタとMOSFET22のゲートとの
間に順方向に接続された複数のダイオードD23を有
し、且つ抵抗21に代えて、MOSFET22のゲート
と保護回路Pのカソード端子Kとの間に逆方向に接続さ
れたツェナーダイオードZD24を備えている。
【0102】次に、このような保護回路の具体的な構造
について説明する。図22は、この保護回路を1チップ
上に形成した場合の構成を示す断面図である。ここで、
過電流保護部P2では、抵抗R21に対応する抵抗体2
1bに代えて、各ダイオードD23に対応するpn接合
部23aが多結晶シリコン等で形成され、pn接合部2
3aのp型部23bがIGBT20のエミッタ電極20
cに接続され、pn接合部23aのn型部23cがMO
SFET22のゲート電極22dに接続されている。ま
た、MOSFET22のゲート電極22dと、保護回路
Pのカソード端子Kとの間にはツェナーダイオードZD
24が逆方向に接続されている。
【0103】次に、このような半導体装置の動作を説明
する。過電流保護部P2は、各ダイオードD23及びツ
ェナーダイオードZD24により、過電流検知用の小電
流に対応した電圧がMOSFET22のゲートに印加さ
れる。
【0104】ここで、過電流検知用の小電流が一定値を
超えたとき、ツェナーダイオードZD24がブレークダ
ウンすると共に、前述同様に、MOSFET22がター
ンオフして、過電流検知用及び主スイッチング素子の全
てのIGBT20,IGBT1〜nのゲートをカソード
端子Kに短絡させ、主スイッチング素子のIGBT1〜
nをターンオフさせる。
【0105】上述したように本実施の形態によれば、第
5の実施の形態と同様の効果を得ることができる。第6
の実施の形態と第5の実施の形態は、夫々過電圧クラン
プ部P1と過電流保護部P2との組合せを任意に変形し
てもよい。例えば、第6の実施の形態の過電圧クランプ
部P1と、第2の実施の形態の過電流保護部P2とを組
合せてもよい。また、第6の実施の形態の過電流保護部
P2と、第2の実施の形態の過電圧クランプ部P1とを
組合せてもよい。このように変形しても、本発明を同様
に実施して同様の効果を得ることができる。
【0106】また、第6の実施の形態と第5の実施の形
態とにおける過電圧クランプ部P1と過電流保護部P2
は、夫々独立して保護動作を行っているので、2つ同時
に設ける必要はなく、例えば任意の1つのみを設けた構
成としてもよい。この場合、省略した部分に対応する電
圧保護機能又は電流保護機能は失われるものの、設けた
部分の保護機能に関しては、前述同様に実施して同様の
効果を得ることができる。
【0107】(第7の実施の形態)図23は、本発明の
第7の実施の形態を示す回路図であり、図9に示す構成
の変形例を示している。
【0108】本実施の形態は、前述したツェナーダイオ
ードが設定する過電圧保護機能に加え、夕ーンオフ時の
dv/dt破壊からの保護機能を付加したものである。
なお、主スイッチング素子は、主IGBT1に代え、G
TOとしている。
【0109】dv/dt破壊からの保護機能としては、
具体的には、GTOのアノード・カソード間に順方向の
ダイオードD1とコンデンサC1とが直列接続され、か
つダイオードD1に抵抗R1が並列接続された保護回路
が使用される。
【0110】この保護回路は、オン状態の時はコンデン
サC1が放電されているが、ターンオフ時には回路イン
ダクタンスLmとコンデンサC1の時定数に対応してコ
ンデンサC1が充電されるので、電圧上昇率dv/dt
を抑制してdv/dt破壊からGTOを保護することが
できる。
【0111】上述したように本実施の形態によれば、過
電圧破壊からの保護に加え、ターンオフ時のdv/dt
破壊からの保護機能を付加したので、過電圧破壊とdv
/dt破壊の両方の破壊から主スイッチング素子を保護
することができる。なお、本実施の形態に係るdv/d
t破壊からの保護回路は、図23に示したダイオードD
1及び抵抗R1を省略し、コンデンサC1を直接にGT
Oに並列接続した構成に変形してもよい。
【0112】(第8の実施の形態)図24は、本発明の
第8の実施の形態を示す概略図である。本実施の形態
は、図9に示した構成に対し、冷却機能を付加したもの
である。具体的には、図24に示すように、主IGBT
1、ツェナーダイオードZD11及び保護用IGBT1
0が同一の冷却装置としての冷却フイン42上に設置さ
れ、且つ同一のパッケージ43内に収納されている。
【0113】なお、主IGBT1と保護用IGBT10
は、半導体チップでもよく、あるいはパッケージに収納
されていてもよい。以上のような構成により、第2の実
施の形態の効果に加え、主IGBT1のターンオフ、タ
ーンオン及び通電時に発生する損失による発熱を冷却す
ることができる。
【0114】また、非飽和領域で使用されるツェナーダ
イオードZD11及び保護用IGBT10においては、
電圧が印加されながら電流を流すことに伴う損失による
発熱をも冷却することができる。
【0115】また、同一の冷却フィン42を用いて同一
のパッケージ43に収納したので、コンパクトに実現す
ることができる。よって、これらを用いた電力変換装置
などの装置を小型化することができる。
【0116】なお、本実施の形態は、シングルチップの
主IGBT1及び保護用IGBT10に限らず、図25
に示すように、マルチチップの主IGBT1,2及び保
護用IGBT10をも同一冷却フィン42、同一パッケ
ージ43内に収納した構成に変形しても、同様の効果を
得ることができる。
【0117】(第9の実施の形態)図26は、本発明の
第9の実施の形態を示す回路図である。本実施の形態
は、図24に示した構成の変形例であり、具体的には同
一の冷却フィン42に代えて、主IGBT1を冷却する
第1の冷却フィン421 と、保護用IGBT10を冷却
する第2の冷却フィン422 とを備えている。
【0118】このように、別々の冷却フィン421 ,4
2 を設けたことにより、冷却能力を増大できるので、
第8の実施の形態の効果に加え、主IGBT1の主電流
(あるいは遮断電流)を増大させることができる。
【0119】また、これらを用いて大容量の電力変換装
置などを実現させることができる。さらに、主IGBT
1と保護用IGBT10とは互いに役割が違って発熱量
が異なることに基づき、夫々の発熱量に応じた冷却器を
用意できるので、効率的な冷却を実現させることができ
る。また、さらに冷却能力を向上させることができるの
で、高周波スイッチングを実現することができる。
【0120】(第10の実施の形態)図27は、本発明
の第10の実施の形態を示す回路図である。本実施の形
態は、図8(図9)に示した構成の変形例であり、大電
流化を図る観点から、図27に示すように、図8(図
9)に示した半導体装置UAを互いに並列接続した半導
体装置UBである。
【0121】ここで補足すると、従来のスナバ回路にお
いては、主IGBT1を並列接続した場合、電流がアン
バランスになる。よって、一部の主IGBT1では、電
流が集中して大電流を遮断する結果、大きなサージ電圧
が発生して過電圧破壊を引き起こしてしまう問題があ
る。
【0122】しかしながら、本発明に係る保護回路によ
れば、主IGBT1の特性や遮断電流の大きさには無関
係にサージ電圧を一定に抑制できるので、並列接続によ
る電流のアンバランスが発生しても、過電圧破壊の心配
がない。このため、本実施の形態では、図27に示した
ように、第2の実施の形態の効果に加え、並列接続によ
り、大電流の電力変換装置などを容易に実現させること
ができる。
【0123】また、主スイッチング素子の特性にばらつ
きが有っても、直列接続した時や、並列接続した時のサ
ージ電圧を均一にするので、直列接続回路や並列接続回
路に使用する主スイッチング素子の歩留まりを向上で
き、価格を低下させることができる。
【0124】さらに、主スイッチング素子と保護回路と
を組合せた単一スイッチ回路やそれらを直並列接続した
スイッチ回路の標準化が可能になり、標準ユニットによ
って構成されるインバータなどの電力変換装置の価格を
低廉化させることができる。
【0125】(第11の実施の形態)図28は、本発明
の第11の実施の形態を示す回路図である。本実施の形
態は、図8(図9)に示した構成の変形例であり、高電
圧化を図る観点から、図28に示すように、図8(図
9)に示した半導体装置UAを互いに直列接続した半導
体装置UCである。
【0126】ここで補足すると、従来のスナバ回路にお
いては、主スイッチング素子の主IGBT1〜nを直列
に接続した場合、ターンオフの際に、各々の主スイッチ
ング素子の特性が異なるため、一部の主スイッチング素
子のターンオフが他の主スイッチング素子よりも早く開
始される。
【0127】しかし、ターンオフ開始の早い主スイッチ
ング素子では、ターンオフ時に回路電圧が全て印加され
てしまうので、過電圧破壊が引き起こされてしまう問題
がある。
【0128】これを考慮し、従来は、各々の主スイッチ
ング素子のターンオフのタイミングを揃える観点から、
各々の主スイッチング素子の特性を互いに一致させてい
たので、主スイッチング素子の歩留まりが悪くコストが
高くなっている。
【0129】一方、本発明によれば、一部の主スイッチ
ング素子が早くターンオフを開始しても、保護回路によ
って、その主スイッチング素子への印加電圧を所定値以
下に抑制できるので、過電圧破壊を阻止することができ
る。
【0130】すなわち、本実施の形態によれば、第2の
実施の形態の効果に加え、主スイッチング素子の特性と
は無関係に、直列接続された主スイッチング素子へのサ
ージ電圧を均一に保つことができるので、主スイッチン
グ素子の歩留まりを向上させてコストを低減でき、もっ
て、高電圧のスイッチが得られ、高電圧の電力変換装置
などを容易且つ安価に実現させることができる。
【0131】また、この保護回路は、従来の充放電スナ
バ回路とは異なり、過電圧の抑制機能のみを実現してお
り、dv/dt抑制用のコンデンサが無いので、コンデ
ンサによる損失の増大が無い。よって、直列接続用の低
損失の保護回路を実現することができる。
【0132】(第12の実施の形態)図29は、本発明
の第12の実施の形態を示す回路図である。本実施の形
態は、図28に示した構成の変形例であり、dv/dt
の抑制機能を付加したものであって、具体的には、主I
GBT1,2のコレクタ・エミッタ間に並列にコンデン
サC11,C12が接続されている。
【0133】ここで補足すると、主スイッチング素子の
主IGBT1,2を直列に接続した場合、本発明では、
ターンオフ時の過電圧を一定に抑制できるが、一部の保
護回路の負担が大きくなり、損失の発生が大きく、一部
の保護回路の冷却負担が大きくなる。
【0134】本実施の形態は、これを考慮し、保護回路
の負担のアンバランスを解消するため、図29に示すよ
うに、主IGBT1,2に並列にコンデンサC11,C
12を接続したものである。
【0135】すなわち、本実施の形態は、コンデンサC
11,C12により、ターンオフ時の主IGBT1,2
のdv/dtを抑制し、早くターンオフの開始された主
スイッチング素子に急激に回路電圧が印加されないよう
にしたので、第11の実施の形態の効果に加え、電圧ア
ンバランスの期間を少し短縮できると共に、主スイッチ
ング素子の印加電圧を一定にクランプする期間をも短縮
できるので、保護回路の発生損失の不均等を緩和でき、
また、冷却の不均一も緩和することができる。
【0136】なお、本実施の形態のコンデンサC11,
C12は、図23に述べたdv/dt破壊を防止するコ
ンデンサC1とは役割が異なる。よって、コンデンサC
11,C12の容量は、図35に示す従来のスナバのコ
ンデンサC1,C2の容量よりも少ないので、コンデン
サ損失が少なくされている。
【0137】また、本実施の形態は、図30に示すよう
に、個々の主IGBT1,2毎のコンデンサC11,C
12に代えて、一括して1つのコンデンサC10を主ス
イッチング素子列のコレクタ・エミッタ間に接続した構
成に変形してもよい。
【0138】(第13の実施の形態)図31は、本発明
の第13の実施の形態を示す回路図である。本実施の形
態は、図9に示した構成の変形例であり、高耐圧化を図
る観点から、主IGBT1,2を複数個直列に配置する
と共に、ツエナーダイオードZD111,112を複数
個直列に配置した構成となっている。
【0139】すなわち、直列接続した複数の主IGBT
1,2を1つの大きな主IGBTと見なし、それに保護
回路を設置したものである。このようにしても、第2の
実施の形態と同様に、ターンオフ時のサージ電圧を所定
値以下に抑制することができる。
【0140】また、本実施の形態は、直列接続した主I
GBT1,2に個々に保護回路を設げた第12の実施の
形態に比べ、保護回路の数を低減できるので、高電圧ス
イッチ並びに高電圧電力変換装置を夫々コンパクト化す
ることができる。
【0141】なお、本実施の形態の保護回路によって、
ターンオフ時の大部分のサージ電圧を所定値以下に抑制
しても、個々の主IGBT1,2の近傍に存在する配線
インダクタンスLmによるサージ電圧が無視できない程
度に発生するならば、図32に示すように、個々の主I
GBT1,2の近傍に簡易な小容量の従来のスナバ回路
あるいは本発明に係る保護回路を付加してもよい。
【0142】(第14の実施の形態)図33は、本発明
の第14の実施の形態を示す回路図である。本実施の形
態は、図27に示した構成の変形例であり、具体的には
図27に示した並列接続スイッチ(大電流スイッチ)と
しての半導体装置UBが直並列に接続されて高圧・大電
流変換装置が構成されている。
【0143】以上のような構成により、第10の実施の
形態の効果に加え、サージ電圧の心配の無い高圧・大電
流変換装置を実現することができる。また、本実施の形
態は、図34に示すように、図28に示した直列接続ス
イッチ(高電圧スイッチ)としての半導体装置UCが直
並列に接続されてなる高圧・大電流変換装置に変形して
もよい。
【0144】(他の実施の形態)なお、上記各実施の形
態は、主スイッチング素子としてIGBT又はGTOを
用いた場合について説明したが、これに限らず、IGB
Tに代えて、MOSFET、サイリスタ、SIT、ME
SFET、SIThy、IEGT等の如き任意の電力用
スィッチング素子を主スイッチング素子や保護回路のス
イッチング素子に用いても、本発明と同様の効果を得る
ことができる。
【0145】また、本発明は、プレーナ構造、トレンチ
構造、メサ構造、逆メサ構造等の種々の主スイッチング
素子に適用できる。また、主スイッチング素子の構造は
縦型又は横型のいずれでもよい。その他、本発明はその
要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
【0146】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、過
電圧から主スイッチング素子を保護し得るスナバ装置を
提供できる。また、主スイッチング素子を直列や並列に
接続した場合であっても、主スイッチング素子の特性に
無関係に、スイッチング時の電圧のアンバランスを解消
することができる。
【0147】更に、従来に比べて小さい外形を実現する
ことができる。同様に、従来の主スイッチング素子と共
に収容した構成に比べて小さい外形を実現することがで
きる。
【0148】さらに、サージ電圧を一定にし、回路電圧
に比べて余裕分の少ない主スイッチング素子を使用で
き、主スイッチング素子の電圧の利用率を向上させるこ
とができる。さらに、逆バイアス安全動作領域を狭くし
ても使用できるので高耐圧化に有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態を示す概要構成
図。
【図2】 同実施の形態に適用される保護回路を示す
概要構成図。
【図3】 同実施の形態における動作を説明するため
の波形図。
【図4】 同実施の形態における変形例を示す概要構
成図。
【図5】 同実施の形態における圧接型半導体装置の
カソード電極をパッケージ内側から見た平面図。
【図6】 同実施の形態におけるパッケージ構造を示
す模式図。
【図7】 同実施の形態における変形例を示す概要構
成図。
【図8】 本発明の第2の実施の形態を示す概要構成
図。
【図9】 同実施の形態における半導体装置の構成を
示す回路図。
【図10】 同実施の形態における安全動作領域を説明
するための図。
【図11】 同実施の形態における保護回路をチップ上
に形成した場合の構成を示す断面図。
【図12】 同実施の形態における動作を説明するため
の波形図。
【図13】 本発明の第3の実施の形態を示す回路図。
【図14】 同実施の形態における保護回路を1チップ
上に形成した場合の構成を示す断面図。
【図15】 本発明の第4の実施の形態を示す構成図。
【図16】 同実施の形態に適用される保護回路の構成
図。
【図17】 同実施の形態における保護回路の接続を示
す構成図。
【図18】 同実施の形態における保護回路の接続を示
す構成図。
【図19】 本発明の第5の実施の形態を示す回路図。
【図20】 同実施の形態における保護回路を1チップ
上に形成した場合の構成を示す断面図。
【図21】 本発明の第6の実施の形態を示す回路図。
【図22】 同実施の形態における保護回路を1チップ
上に形成した場合の構成を示す断面図。
【図23】 本発明の第7の実施の形態を示す回路図。
【図24】 本発明の第8の実施の形態を示す概略図。
【図25】 同実施形態における変形例を示す構成図。
【図26】 本発明の第9の実施の形態を示す回路図。
【図27】 本発明の第10の実施の形態を示す回路
図。
【図28】 本発明の第11の実施の形態を示す回路
図。
【図29】 本発明の第12の実施の形態を示す回路
図。
【図30】 同実施の形態における変形例を示す回路
図。
【図31】 本発明の第13の実施の形態を示す回路
図。
【図32】 同実施の形態における変形例を示す回路
図。
【図33】 本発明の第14の実施の形態を示す回路
図。
【図34】 同実施の形態における変形例を示す回路
図。
【図35】 従来のクランブ型スナバ回路の構成例を示
す回路図。
【図36】 従来のクランブ型スナバ回路の動作を説明
するための波形図。
【図37】 従来のクランブ型スナバ回路の動作を説明
するための波形図。
【図38】 従来のクランブスナバ回路における安全動
作領域を説明するための図。
【図39】 従来のスナバ回路と過電圧保護回路とを組
合せた回路の構成例を示す回路図。
【図40】 従来の組合せた保護回路の動作を説明する
ための波形図。
【図41】 従来の組合せた保護回路の動作を説明する
ための波形図。
【符号の説明】
IGBT1〜n…主スイッチング素子、P…保護回路、
P1…過電圧クランプ部、P2…過電流保護部、1x…
カソード電極、2x…ゲート端子、3x…外囲器、4x
…ばねピン、5x…ゲート抵抗、6x…リード線、7x
…絶縁基板、8x…アノード電極板、9x…ゲート電極
配線、10x…カソード電極配線、IGBT10,20
…(保護用)スイッチング素子、ZD11,ZD24…
ツェナーダイオード、R12,R21…抵抗、ED13
…電界検出素子、MOSFET22…過電流検知用スイ
ッチング素子、D23…ダイオード、32…アノード電
極、10d,13e,20d,22d…ゲート電極、1
0e,20e…エミッタ電極、11b…カソード電極、
13f,22f…ソース電極、21b…抵抗体、21c
…電極、22e…ドレイン電極、UA,UB,UC…半
導体装置、41…電圧判定回路、42…冷却フィン、4
3…パッケージ、C10〜C12…コンデンサ。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高圧側主電極、低圧側主電極及び制御
    電極を有する半導体スイッチング素子に並列に接続さ
    れ、前記半導体スイッチング素子のターンオフスイッチ
    ング毎に生じるサージ電圧を所定の値以下に抑制し、か
    つこの抑制されたサージ電圧のサージエネルギーによる
    電流をバイパスさせるスナバ装置において、コレクタ、
    エミッタ及びゲートを有し前記コレクタが前記高圧側主
    電極に接続され、前記エミッタが前記半導体スイッチン
    グ素子の低圧側主電極に接続されたMOSゲート半導体
    スイッチング素子と、前記半導体スイッチング素子の高
    圧側主電極と前記MOSゲート半導体スイッチング素子
    のゲートとの間に設けられ、前記半導体スイッチング素
    子の印加電圧を所定値以下に抑制する電圧抑制回路とを
    具備したことを特徴とするスナバ装置。
  2. 【請求項2】 前記電圧抑制回路は、前記半導体スイ
    ッチング素子の高圧側主電極と前記MOSゲート半導体
    スイッチング素子のゲートとの間に逆方向に接続され、
    前記所定値に対応する降伏電圧を有するツェナーダイオ
    ードであることを特徴とする請求項1記載のスナバ装
    置。
  3. 【請求項3】 前記電圧抑制回路は、少なくとも電界
    検出素子と抵抗とで構成されたことを特徴とする請求項
    1記載のスナバ装置。
  4. 【請求項4】 前記半導体スイッチング素子に並列に
    接続された少なくともコンデンサを有する回路とを具備
    したことを特徴とする請求項1記載のスナバ装置。
  5. 【請求項5】 前記MOSゲート半導体スイッチング
    素子と前記電圧抑制回路は、前記半導体スイッチング素
    子と分離したパッケージに収納されたことを特徴とする
    請求項1記載のスナバ装置。
  6. 【請求項6】 前記半導体スイッチング素子と前記M
    OSゲート半導体スイッチング素子と前記電圧抑制回路
    とを並列接続されたものを複数並列に接続したことを特
    徴とする請求項1記載のスナバ装置。
  7. 【請求項7】 前記半導体スイッチング素子と前記M
    OSゲート半導体スイッチング素子と前記電圧抑制回路
    とを並列接続されたものを複数直列に接続したことを特
    徴とする請求項1記載のスナバ装置。
  8. 【請求項8】 前記半導体スイッチング素子を複数直
    列に接続したものに前記MOSゲート半導体スイッチン
    グ素子と前記電圧抑制回路とを接続したことを特徴とす
    る請求項1記載のスナバ装置。
  9. 【請求項9】 前記MOSゲート半導体スイッチング
    素子を冷却する冷却手段とを具備したことを特徴とする
    請求項1記載のスナバ装置。
  10. 【請求項10】 前記冷却手段は、前記半導体スイッ
    チング素子も冷却するように取り付けられたことを特徴
    とする請求項9記載のスナバ装置。
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