JP2000324606A - 回生制動装置 - Google Patents

回生制動装置

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JP2000324606A
JP2000324606A JP11124121A JP12412199A JP2000324606A JP 2000324606 A JP2000324606 A JP 2000324606A JP 11124121 A JP11124121 A JP 11124121A JP 12412199 A JP12412199 A JP 12412199A JP 2000324606 A JP2000324606 A JP 2000324606A
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regenerative
brake
energy
valve
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Kyugo Hamai
九五 浜井
Osamu Yanai
理 谷内
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Hitachi Unisia Automotive Ltd
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Unisia Jecs Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両において、既存のパワートレーンを利用
可能であるとともに既存の生産ラインを利用可能であ
り、かつ、運転者に違和感を与えることなく燃費の向上
を図ることができる回生制動装置を提供すること。 【解決手段】 エンジンの出力軸と変速装置の入力軸と
の間に介在され、前記エンジンの出力軸及び前記変速装
置の入力軸との間でトルク伝達を行う回転要素に対して
トルクを授受可能に設けられ、発電機及び電動機として
機能する発電電動機aと、制動時にブレーキの油圧を少
なくとも減圧する回生バルブdと、減速時のエンジン負
荷を切り換える負荷切換手段と、減速時に前記エンジン
と前記発電電動機aと前記回生バルブdと前記負荷切換
手段に対して制御信号を出力して発電電動機aにより回
生を行う回生制御を行うエネルギマネジメント制御コン
トロールユニットcと、を備えていることとした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンと変速機
との間に介在され、発電機及び電動機として機能する発
電電動機を有した発電電動ユニットを備えた車両におけ
る、燃費向上ための回生制動対応ブレーキ装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車において環境および有限資
源に対する考慮から燃費の向上が望まれている。この燃
費向上を図る技術の1つとして、エンジンの駆動力伝達
系に発電電動機を設け、例えば、走行エネルギを電力と
して取り出す回生を行ったり、電動機の出力トルクによ
りエンジントルクをアシストするなどする技術が提案さ
れている。
【0003】このような従来技術として、例えば、特開
平7−123509号公報記載の技術や、特開平10−
225058号公報記載の技術が知られている。前者の
従来技術は、エンジンの出力軸とトルクを授受可能に発
電電動機が設けられており、バッテリ残量に余裕がある
場合には、発電電動機をモータとして機能させてエンジ
ンの駆動力をアシストし、また、制動時には、発電電動
機を発電機として機能させてバッテリ容量を超えない範
囲で走行エネルギを電力として回生するものである。こ
れにより、従来のパワートレーンを用いながら燃費の向
上を図ることができる。
【0004】後者の従来技術は、いわゆるハイブリッド
カーと呼ばれる技術であって、これはエンジンとクラッ
チモータとアシストモータとを備え、これらの駆動を制
御することにより、走行エネルギの発生、走行中の発
電、制動時の回生を効率よく行うことができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
従来技術にあっては、以下に述べるような解決すべき課
題を有していた。すなわち、特開平7−123509号
公報記載の従来技術にあっては、ブレーキ踏量に応じて
回生量を算出し発電させているものの、発電電動機とエ
ンジンが直結されており、発電電動機に発電動作を行わ
せる際には、減速時においてはエンジンブレーキ及びブ
レーキによる制動力に上乗せする形で回生制動力を得て
いるため、運転者に違和感を与えてしまうという問題が
あった。上記のような従来技術の問題に対して、特開平
10−225058号公報記載の従来技術は、エンジン
とクラッチモータとアシストモータの運転を制御するこ
とにより、モータ駆動による走行およびエンジンアシス
ト・回生・発電を効率よく行うことができる。しかしな
がら、この従来技術は、既存のエンジンと変速装置とを
有したパワートレーンとは全く異なる構成であって、既
存のパワートレーンを利用したり、既存の生産ラインを
利用するすることができないため、非常に高価になって
しまうという問題を有している。さらに、近年のハイテ
ク化により車両に搭載される電装部品が急激に増加して
いるため少しでも効率よく発電及び回生を行う必要があ
る。
【0006】本発明は上述の従来の問題点に着目してな
されたもので、既存のパワートレーンを利用可能である
とともに既存の生産ラインを利用可能であり、かつ、運
転者に違和感を与えることなく燃費の向上を図ることが
できる回生制動装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、請求項1に記載の回生制動装置では、図1のクレー
ム対応図に示すように、エンジンの出力軸と変速装置の
入力軸との間に介在され、前記エンジンの出力軸及び前
記変速装置の入力軸との間でトルク伝達を行う回転要素
に対してトルクを授受可能に設けられ、発電機及び電動
機として機能する発電電動機aと、制動時にブレーキの
油圧を少なくとも減圧する回生バルブdと、減速時のエ
ンジン負荷を切り換える負荷切換手段と、減速時に前記
エンジンと前記発電電動機aと前記回生バルブdと前記
負荷切換手段に対して制御信号を出力して発電電動機a
により回生を行う回生制御を行うエネルギマネジメント
制御コントロールユニットcと、を備えていることとし
た。これにより、減速時に前記エネルギマネジメント制
御コントロールユニットcにおいて、運転者の要求制動
力及び回生可能な制動エネルギを演算し、その回生可能
なエネルギに相当するエネルギを前記負荷切換手段及び
ブレーキ油圧の回生バルブdからのリークにより減少さ
せ、その分の制動力を発電電動機aにより発生させるこ
とで、運転者に違和感を与えることなく発電電動機aに
より制動エネルギを回生することができる。
【0008】請求項2に記載の発明においては、請求項
1に記載の回生制動装置において、前記負荷切換手段と
して前記エンジンに可変動弁機構eを設け、前記エネル
ギマネジメント制御コントロールユニットcを、回生制
御時に所定条件で可変動弁機構eにより弁停止させたと
きのエネルギの損失防止分のエネルギであるポンプ損失
エネルギを演算し、バッテリの過充電限界と現在の電位
との差に基づく回生可能量を演算し、さらに、この回生
可能量から前記ポンプ損失エネルギを差し引いた差分を
求め、差分が正のときは、この差分に相当する制動エネ
ルギ分のブレーキ油圧を前記回生バルブdよりリークさ
せるよう構成していることとした。これにより、エンジ
ンと変速装置とが直結されている場合でも、可変動弁機
構eにより弁停止させ、前記エンジンのシリンダ内の空
気を密閉することで気体の流入流出に伴う移動エネルギ
の損失を防止し、これにより負荷切換手段としてエンジ
ンのエネルギ損失を抑えた分だけエンジン側の負荷を落
として、この負荷を落とした分だけ回生することによ
り、違和感なく回生を行うことができる。すなわち、従
来、エンジンと変速装置とが直結された状態では、回生
作動を行うと、通常のエンジンブレーキ相当の制動力に
加えて回生分の制動力が発生するため、制動力が増して
違和感を感じる。しかしながら、この請求項2の発明で
は、エンジンと変速装置とが直結された状態において、
エンジンのエネルギ損失を抑えてエンジンブレーキ分の
制動力を低下させ、この低下分を回生するからトータル
の制動力はエンジンブレーキ分となって違和感が生じな
い。また、基本的には負荷切換手段により回生を行う
が、回生可能量と前記ポンプ損失エネルギとの差分を求
めることにより、回生可能量に余裕があれば、その差分
を回生バルブdによるブレーキ油圧のリークによりブレ
ーキの制動力を減少させ、発電電動機aによってさらに
回生することが可能となり、効率よく回生を行うことが
できる。
【0009】請求項3に記載の発明においては、請求項
1に記載の回生制動装置において、前記負荷切換手段と
して前記エンジンと前記発電電動機aの間にクラッチb
を設け、前記エネルギマネジメント制御コントロールユ
ニットcを、回生制御時に、所定条件で前記クラッチb
の接続を解除し、このときのエンジンブレーキ分の制動
エネルギを演算し、バッテリの過充電限界と現在の電位
との差に基づく回生可能量を演算し、さらに、この回生
可能量から前記エンジンブレーキ分の制動エネルギを差
し引いた差分を求め、差分が正のときは、この差分に相
当する制動エネルギ分のブレーキ油圧を前記回生バルブ
dよりリークさせるよう構成していることとした。これ
により、クラッチbの接続を解除することで負荷切り換
えを行うことが可能となり、エンジンブレーキ相当の制
動力を回生することができる。よってトータルの制動力
はエンジンブレーキ分となって違和感が生じない。
【0010】請求項4に記載の発明では、請求項1に記
載の回生制動装置において、前記負荷切換手段として前
記可変動弁機構eと前記クラッチbの両方を設け、前記
エネルギマネジメント制御コントロールユニットcを、
回生制御時に、所定条件で前記クラッチbの接続を解除
又は前記可変動弁機構eによる弁停止を行い、前記エン
ジンブレーキ分の制動エネルギ又は前記エンジンブレー
キ分の制動エネルギから前記ポンプ損失エネルギを差し
引いた機械フリクションエネルギ又はポンプ損失エネル
ギを演算し、前記回生可能量から前記エンジンブレーキ
分のエネルギ又は機械フリクションエネルギ又はポンプ
損失エネルギもしくはこれらの組み合わせを差し引いた
差分を求め、差分が正のときは、この差分に相当する制
動エネルギ分のブレーキ油圧を前記回生バルブdよりリ
ークさせるよう構成していることとした。これにより、
バッテリ状況に応じて機械フリクションエネルギのみ、
もしくはポンプ損失エネルギのみ、もしくはその両方と
いったように負荷を切り換えることが可能となり、エネ
ルギマネジメント制御コントロールユニットcにおける
制御自由度が高まり、効率よく回生制御を行うことがで
きる。
【0011】請求項5に記載の発明では、請求項3又は
4に記載の回生制動装置において、前記エネルギマネジ
メント制御コントロールユニットdを、前記クラッチb
の接続を解除した際、前記エンジンを停止する制御を行
うよう構成していることとした。これにより、回生制御
を実行中は、エンジンへの燃料噴射量を抑えることが可
能となり、さらに燃費を向上することができる。
【0012】請求項6に記載の発明では、請求項3ない
し5に記載の回生制動装置において、エンジンの吸気系
に負圧経路を介して接続されて吸気負圧により作動する
アクチュエータを設け、前記負圧経路に真空ポンプとバ
キュームタンクの少なくとも一方を設けていることとし
た。これにより、エネルギマネジメント制御コントロー
ルユニットcにおいて、もっとも効率の良い状態を演算
する際、負圧作動によるアクチュエータの作動がエンジ
ンの状態に左右されることがないため、制御の自由度を
高めることが可能となり、これにより燃費を向上するこ
とができる。
【0013】請求項7に記載の発明では、請求項1ない
し6に記載の回生制動装置において、前記エネルギマネ
ジメント制御コントロールユニットcを、回生制御の実
行中に再度ブレーキ踏力が発生したときは、この回生制
御を中止するよう構成していることとした。これによ
り、頻繁にブレーキを踏むような状況に置いて、安全停
止を通常のブレーキにより確実に行い、停止間距離を運
転者の意のままに操作することができる。
【0014】請求項8に記載の発明では、請求項3ない
し7に記載の回生制動装置において、前記クラッチbと
してロックアップ状態を形成可能に設けられたロックア
ップクラッチ付きトルクコンバータのロックアップクラ
ッチを用いていることとした。これにより、発進時には
トルクコンバータによるトルク増幅効果が得られるため
エンジン出力の小さい車両においても適用することがで
きる。また、減速時等においては、トルクコンバータの
機構上、車輪側からの入力トルクに対してはエンジンに
対してトルクを伝達することがないため、その分を発電
電動機aにより回生することができる。
【0015】
【実施の形態】以下本願発明における各実施の形態をよ
り詳しく説明する。 (実施の形態1)図2は、本発明の実施の形態1の全体
構成図である。まず構成を説明すると、発電電動ユニッ
ト2は、エンジン1の出力軸と変速装置3の入力軸との
間に介在されている。前記エンジン1は例えばガソリン
により運転され、このエンジン1から出力される回転力
がエンジン出力軸を介してエンジン1の側面に固定され
た発電電動ユニット2に出力される。発電電動ユニット
2には、電動機及び発電機として機能する発電電動機
(後述のフローチャートではSTR/ALTと表記す
る。)11と、エンジン1と発電電動機11を断接可能
なエンジン側クラッチ12が設けられている。これによ
り、減速時等において発電電動機11によりエンジンブ
レーキ分の制動エネルギを回生可能としている。
【0016】また、この車両には車両のエネルギを全体
的にコントロールするためのエネルギマネジメント制御
コントロールユニットC1が設けられており、このエネ
ルギマネジメント制御コントロールユニットC1は、変
速装置を制御するATコントロールユニットC2と発電
電動機を制御するSTR/ALTコントロールユニット
C3とエンジンを制御するエンジンコントロールユニッ
トC4とバッテリ14に対して制御信号を出力してい
る。これにより、もっとも効率の良い状態をエネルギマ
ネジメント制御コントロールユニットC1で演算し、各
コントロールユニットに制御信号を出力することで燃費
向上を図っている。
【0017】運転者が車両を制動するときには、ブレー
キペダルを踏み、その踏力は、マスタシリンダ7へと伝
達される。このマスタシリンダ7に設けられ、エンジン
1の吸気系等において発生した負圧を利用した増圧装置
により増圧された油圧が回生バルブ9へ伝達される。こ
のとき、負圧経路13に設けられた負圧センサ5によっ
て負圧状態が監視され、エンジン1が停止した状態でも
運転者が違和感なく制動力を得るために負圧供給路13
にバキュームタンク6及び真空ポンプ4が設けられてい
る。これにより、エンジン停止時において吸気系等の負
圧が発生しない場合においても、常に安定した負圧を供
給でき、運転者に違和感を与えることなくブレーキ操作
をする事ができる。
【0018】前記回生バルブ9はON/OFF弁により
構成され、エネルギマネジメント制御コントロールユニ
ットC1からの信号によりduty制御によって油圧の
リーク量等を制御している。ブレーキ制動による減速時
に所定の条件を満たしていれば、前記発電電動機11に
よって制動エネルギを回生し、その回生分に見合った制
動力分の油圧を前記回生バルブ9によりリークすること
で、運転者に違和感を与えることなく効率よくエネルギ
を回生することができる。ここで、発電電動機11の性
能とバッテリの回生可能量との関係を制動力及び車両速
度の関係に基づいて図14に示す。
【0019】前記回生バルブ9にはABS装置が設けら
れており、車両の急停車時等に車輪をロックしないよう
構成されている。図3にはABS装置の構成図を示す。
図中7はマスタシリンダである。このマスタシリンダ7
は、運転者がブレーキペダルを操作することにより液圧
を発生するよう構成されている。
【0020】図3において、WCはホイルシリンダを示
している。なお、()内の符号、FLは左前輪のホイル
シリンダ、FRは右前輪のホイルシリンダ、Rは後輪の
ホイルシリンダを示している。なお、後輪のホイルシリ
ンダWCは、左右の車輪にそれぞれ設けられているが、
本実施の形態では、両者は同圧に制御するため、図面で
は1つしか示していない。これらホイルシリンダWC
は、ブレーキ回路21,22を介してマスタシリンダM
C7に接続されているもので、左右前輪のホイルシリン
ダWC(FL),WC(FR)に接続されたブレーキ回
路21と、左右後輪のホイルシリンダWC(R)に接続
されたブレーキ回路22との2系統が設けられている。
また、以下の説明において前記ホイルシリンダWC(F
L)(FR)(R)について、特定のものを指さない場
合には、WCとだけ表記する。
【0021】前輪側のブレーキ回路21は、分岐点21
dにおいて各前輪のホイルシリンダ(FL),(FR)
に向けて分岐回路21Lと分岐回路21Rとに分岐さ
れ、各分岐回路21L,21Rの途中には、流入弁25
が設けられ、また、ブレーキ回路22の途中にも流入弁
25が設けられている。これら流入弁25は、非作動時
にスプリング力により回路21L,21R,22を連通
状態とし、作動時(通電時)にこれらを遮断する常開の
2ポート2ポジションの電磁切替弁により構成されてい
る。また、各流入弁25には、これを迂回するバイパス
路21hが設けられ、このバイパス路21hに、下流
(ホイルシリンダWC側)から上流(マスタシリンダM
C側)への戻りのみを許す一方弁21gが設けられてい
る。
【0022】また、各流入弁25の下流には、ブレーキ
回路21,22と液圧を畜圧可能に構成されたリザーバ
27とを連通させるドレーン回路30が接続されてい
る。そして、これらドレーン回路30に流出弁26が設
けられている。これら流出弁26は、非作動時にドレー
ン回路30を遮断し、作動時にドレーン回路30を連通
させる常閉の2ポート2ポジションの電磁切替弁により
構成されている。
【0023】前記ドレーン回路30は、還流回路31を
介して、各ブレーキ回路21,22の流入弁25よりも
上流位置に接続されている。そして、前記還流回路31
の途中にリザーバ27に貯留されているブレーキ液をブ
レーキ回路21,22に戻すポンプ24,24が設けら
れている。これらポンプ24は、それぞれプランジャ2
4pが摺動するのに伴って容積室の容積が変化すること
で吸入・吐出を行うプランジャ型のものであり、モータ
Mの駆動で作動する。なお、各ポンプ24には、それぞ
れ一方弁構造の吸入弁24a,吐出弁24bが設けられ
ているとともに、吐出側に脈動吸収用のダンパ24dが
設けられている。
【0024】なお、以上説明した構成のうち、図3にお
いて一点鎖線BUで囲んでいる構成は、ブレーキユニッ
トとして1つにまとめて収容されている。
【0025】本実施の形態1においては、ABSが作動
していないことを確認したときにのみ、前記回生バルブ
9により油圧をリークする。また、駆動輪からの入力ト
ルクにより回生動作を行うため、望ましくは、駆動輪の
ホイルシリンダのみの油圧を減圧し、その分を発電電動
機11で回生することで、前後輪のブレーキバランスを
維持するものである。
【0026】また、エンジン1には、可変動弁機構(V
ELと称す)10が設けられており、これにより走行状
態に応じて動弁の作動タイミングを変更することで、燃
費の向上を図ることができる。ここでまず、VEL10
の構成を図4により説明する。図において51は吸気弁
であって(実際には吸気弁の上端部を示している)、こ
の吸気弁51は図外のスプリングからバルブリフタ50
に入力される付勢力により閉弁方向に付勢されている。
また、図において52はカムシャフトで、このカムシャ
フト52が回転すると、カムシャフト52に一体に設け
られたカム49が回転する。このカム49が回転する
と、これに伴って揺動アーム47の図中左側端部が上下
し、揺動アーム47は、図中右側端部がこれとは逆に上
下するように制御軸45を中心に振り子運動を繰り返
す。そして、これに伴って揺動カム48の上端部が上下
する。したがって、揺動カム48が下方に変位した時
に、バルブリフタ50が下方に押されて吸気弁51が開
弁する。なお、図中53は揺動カム48を反時計回り方
向に揺動付勢する捻りスプリングである。
【0027】前記制御軸45は、図中P2で示す点を軸
心として回動可能に支持され、この回動を図4に示した
VELアクチュエータ(電磁アクチュエータ)A1によ
り行うように構成されている。すなわち、VELアクチ
ュエータA1により制御軸45を回動させて圧肉部が移
動すると揺動アーム47による揺動カム48の押し下げ
量が変更されることによって、動弁機構の開閉時期とバ
ルブリフト量を変更している。これにより、機関低速低
負荷時における燃費の改善や安定した運転性、並びに高
速高負荷時における吸気の充填効率の向上による十分な
出力を確保する等のために、吸気・排気バルブの開閉時
期とバルブリフト量を機関運転状態に応じて可変制御す
るものである。本実施の形態1では、いわゆるアトキン
ソンサイクルとすることにより燃焼効率の向上を図って
いる。
【0028】さらに、本実施の形態1にあっては、上記
のVELアクチュエータA1の駆動に基づいて吸気弁5
1が全く開弁しない状態、すなわち弁停止状態を形成可
能に構成されている。このように弁停止させた場合、エ
ンジン1のシリンダ内の空気が密閉されて気体の流入流
出に伴う移動エネルギの損失(尚、これをポンプ損失と
いう。)が無くなる。
【0029】図5には、本発明の実施の形態1における
ブレーキ制動回生処理100のフローチャートを示す。
【0030】ステップ101では、回生可能量△E(△
E=過充電限界−SOC現在値)が0よりも大きいかど
うかを判断し、大きいときは回生可能と判断し、ステッ
プ102へ進む。小さいときは、回生できないためこの
処理を終了する。ここでSOCとは、バッテリの充電状
態を表す量、例えばバッテリ出力電圧である。ステップ
102では、ABSが作動しているかどうかを確認し、
非作動であればステップ103へ進み、作動中であれば
この処理を終了する。ステップ103では、車速が40
km/hよりも大きいときには弁停止/ポンプ損失回生
及びブレーキ制動回生処理200に進む。車速が10k
m/hよりも大きく、かつ、40km/h以下であれ
ば、エンブレ回生及びブレーキ制動回生処理300へ進
む。車速が10km/h以下であれば、ステップ104
へ進む。ステップ104では、回生バルブの作動を停止
し、エンブレ回生処理400へ進む。ステップ105で
は、回生終了処理を行う。
【0031】すなわち、SOCから△Erを充電可能と
判断したときは、安全性の面からABSが非作動である
ことを確認し、車速によって次の処理を行う。ここで、
SOCとバッテリ温度との関係及び△Erを図12に示
す。車速が40km/hよりも大きければ、車両の安定
性や再加速の応答性を考慮して弁停止/ポンプ損失回生
+ブレーキ制動回生処理を行う。車速が10km/h<
車速≦40km/hの間にあるときは、エンジンブレー
キ分回生+ブレーキ制動回生処理を行う。車速が10k
m/h以下であれば、ブレーキ制動回生を行うほどの油
圧が発生しないため、回生バルブの作動を停止し、エン
ジンブレーキ分回生のみを行う。このように車速によっ
てもっとも安定した回生制動処理を行うため、車両の走
行安定性を損なうことはない。
【0032】図6には、弁停止/ポンプ損失分回生+ブ
レーキ制動回生処理200のフローチャートを示す。
【0033】ステップ201では、回生可能量△Erを
計算し、ステップ202へ進む。ステップ202では、
エンジン回転数Neから機械フリクションEm及びポン
プ損失Epをエンジン制御ユニットにより算出し、ステ
ップ203へ進む。ステップ203では、回生可能量△
Erからポンプ損失分Epを引いた差分Rを求め、ステ
ップ204へ進む。ステップ204では、差分R>0か
どうかを判定し、R=0であればステップ205へ進
み、R>0であればステップ206へ進み、R<0であ
ればステップ209へ進む。ステップ205では、ポン
プ損失分Epのみ回生を行う。(VELの作動で弁停止
する。) ステップ206では、ブレーキ回生量Eb=差分Rの油
圧ブレーキリーク量を求め、回生バルブのduty制御
割合を決める。ステップ207では、ポンプ損失分Ep
を回生(VELの作動で弁停止する。)し、ステップ2
08へ進む。ステップ208では、ブレーキ回生量Eb
分の回生(回生バルブのduty制御)を行う。ステッ
プ209では、ブレーキ回生量Eb=△Erの油圧ブレ
ーキリーク量を求め、回生バルブのduty制御割合を
決め、ステップ210へ進む。ステップ210では、ブ
レーキ回生量Eb分の回生(回生バルブのduty制御
を行う。)を行う。
【0034】すなわち、SOCから回生可能量△Erを
決定し、エンジン回転数Neから機械フリクションEm
及びポンプ損失Epをエンジン制御ユニットにより算出
し、回生可能量△Erからポンプ損失Epを引いた差分
Rを求め、この差分Rが0のときは、VELの作動で弁
停止を行いポンプ損失分Epを回生する。ここで、エン
ジン回転数と機械フリクション及びポンプ損失の関係を
図13に示す。差分Rが正の時はポンプ損失分Ep回生
と、差分Rに相当するブレーキ回生量Eb分の回生を行
う。差分Rが負の時は、ポンプ損失分Epはエンジン回
転数Neによって決定される値であり、Epの値を調整
することはできないため、このときは弁停止によるポン
プ損失分回生を行わず、ブレーキ回生量Ebを△Erと
してブレーキ回生を行う。これにより、効率よく回生を
行うことができる。
【0035】図7には、エンジンブレーキ回生+ブレー
キ制動回生処理のフローチャートを示す。
【0036】ステップ301では、回生可能量△Erを
過充電限界からSOCの現在値を差し引いた値として求
めステップ302へ進む。ステップ302では、エンジ
ン回転数Neから機械フリクションEm及びポンプ損失
Epをエンジン制御ユニットにより算出し、ステップ3
03へ進む。ステップ303では、回生可能量△Erか
ら機械フリクションEm及びポンプ損失Epを差し引い
た差分Rを求め、ステップ304へ進む。ステップ30
4では、差分R>0かどうかを判定し、R=0であれば
ステップ305へ進み、R>0であればステップ306
へ進み、R<0であればステップ309へ進む。ステッ
プ305では、エンジン側クラッチ12の接続を解除
し、機械フリクションEm及びポンプ損失分Ep(エン
ジンブレーキ分)の回生を行う。ステップ306では、
差分Rをブレーキ回生量Ebとして油圧ブレーキリーク
量を求め、回生バルブのduty制御割合を決める。ス
テップ307では、エンジン側クラッチ12の接続を解
除し、機械フリクションEm及びポンプ損失分Ep(エ
ンジンブレーキ分)の回生を行う。ステップ308で
は、ブレーキ回生量Eb分の回生(回生バルブのdut
y制御)を行う。ステップ309では、再度ポンプ損失
分Epを除外した差分R’(=△Er−Em)を求め、
ステップ310へ進む。ステップ310では、差分R’
≧0かどうかを判定し、R’≧0であればステップ31
1へ進み、R’<0であればステップ314へ進む。ス
テップ311では、ブレーキ回生量Eb=差分R’とし
て油圧ブレーキリーク量を求め、回生バルブのduty
制御割合を決定する。ステップ312では、エンジン側
クラッチ12の接続を解除し、機械フリクションEm分
を回生し、ステップ313へ進む。ステップ313で
は、ブレーキ回生量Eb分の回生(回生バルブのdut
y制御)を行う。ステップ314では、再度機械フリク
ションEmを除外した差分R’’(=△Er−Ep)を
求め、ステップ315へ進む。ステップ315では、差
分R’’ ≧0かどうかを判定し、R’’ ≧0であれば
ステップ318へ進み、R’’ <0であればステップ
316へ進む。ステップ316では、ブレーキ回生量E
b=△Erとして油圧ブレーキリーク量を求め、回生バ
ルブのduty制御割合を決定し、ステップ317へ進
む。ステップ317では、ブレーキ回生量Eb分の回生
(回生バルブのduty制御)を行う。ステップ318
では、ブレーキ回生量Eb=差分R’’ の油圧ブレー
キリーク量を求め、回生バルブのduty制御割合を決
定し、ステップ319へ進む。ステップ319では、エ
ンジン側クラッチ12の接続を解除し、ポンプ損失分E
pを回生し、ステップ320へ進む。ステップ320で
は、ブレーキ回生量Eb分の回生(回生バルブのdut
y制御)を行う。
【0037】すなわち、SOCから回生可能量△Erを
決定し、エンジン回転数Neから機械フリクションEm
及びポンプ損失Epをエンジン制御ユニットにより算出
し、回生可能量△Erからポンプ損失Ep及び機械フリ
クションEmを引いた差分Rを求め、この差分Rが0の
ときは、エンジン側クラッチ12の接続を解除しエンジ
ンブレーキ分の回生を行う。差分R>0のときは、この
差分Rをブレーキ回生量として油圧ブレーキのリーク量
を求め、回生バルブのduty制御割合を決定し、エン
ジン側クラッチ12の接続を解除してエンジンブレーキ
分の回生を行うとともに、Eb分のブレーキ回生(回生
バルブのduty制御)を行う。この場合は、回生可能
量が十分確保できるときであり、機械フリクションEm
及びポンプ損失Ep分の両方を回生する事ができる。こ
のときSOCが過充電限界になった場合、すなわち△E
r≦0の時は、発電電動機11による回生作動を停止
し、通常の油圧ブレーキに復帰する。差分R<0のとき
は、ポンプ損失分Epを除外した差分R’(=△Er−
Em)を求め、この差分R’≧0のときは、ブレーキ回
生量Eb=差分R’として油圧ブレーキリーク量を求
め、回生バルブのduty制御割合を決定し、エンジン
側クラッチ12の接続を解除して機械フリクションEm
分の回生を行うとともに、ブレーキ回生量Eb分の回生
(回生バルブのduty制御)を行う。この場合は、機
械フリクションEm及びポンプ損失Ep分の両エネルギ
を回生するほどの回生可能量はないが、比較的大きな値
である機械フリクションEm分のみであれば回生可能で
あるとして回生する。これは、エンジン回転数によって
ポンプ損失Epが決定されてしまうため、細かな回生量
の調整はできないからである。このときも、SOCが過
充電限界になった場合、すなわち△Er≦0の時は、通
常の油圧ブレーキに復帰する。差分R’<0のときは、
機械フリクションEmを除外した差分R’’(=△Er
−Ep)を求め、R’’<0であればブレーキ回生量E
bを△Erとして油圧ブレーキリーク量を求め、回生バ
ルブのduty制御割合を決定し、Eb分のブレーキ回
生(回生バルブのduty制御)を行う。この場合は、
機械フリクションEm分のエネルギを回生するほどの回
生可能量はないが、比較的小さな値であるポンプ損失E
p分のみであれば回生可能であるとして回生する。この
ときも、SOCが過充電限界になった場合、すなわち△
Er≦0の時は、通常の油圧ブレーキに復帰する。差分
R’’≧0のときは、ブレーキ回生量Ebを差分R’’
として油圧ブレーキリーク量を求め、回生バルブのdu
ty制御割合を決定し、エンジン側クラッチ12の接続
を解除してポンプ損失Ep分の回生を行うとともに、ブ
レーキ回生量Eb分の回生(回生バルブのduty制
御)を行う。
【0038】このように、エンジンブレーキ回生+ブレ
ーキ制動回生処理300においては、回生可能量△Er
に応じて、機械フリクションEm、またはポンプ損失E
p、またはブレーキ回生、もしくはそれらの組み合わせ
により制動エネルギを効率よく回生することができる。
【0039】図8には、エンブレ回生処理400のフロ
ーチャートを示す。
【0040】ステップ401では、回生可能量△Erを
過充電限界からSOCの現在値を差し引いた値として求
めステップ402へ進む。ステップ402では、エンジ
ン回転数Neから機械フリクションEm及びポンプ損失
Epをエンジン制御ユニットにより算出し、ステップ4
03へ進む。ステップ403では、回生可能量△Erか
ら機械フリクションEm及びポンプ損失Epを差し引い
た差分Rを求め、ステップ404へ進む。ステップ40
4では、差分R≧0かどうかを判定し、R≧0のときは
ステップ405へ進み、R<0のときはステップ408
へ進む。ステップ405では、エンジン側クラッチ12
の接続を解除し、ポンプ損失Ep及び機械フリクション
Emを回生し、ステップ406へ進む。ステップ406
では、再ブレーキ踏力入力(いったんブレーキが踏まれ
たのち、再度ブレーキが踏まれた状態)が発生したかど
うかを判定し、発生したときはステップ407へ進み、
発生しなければこの処理を終了する。ステップ407で
は、発電電動機の回生を停止し、通常の油圧ブレーキと
して作動させる。ステップ408では、ポンプ損失分E
pを除外した差分R’(=△Er−Em)を求め、ステ
ップ409へ進む。ステップ409では、差分R’≧0
かどうかを判定し、R’≧0のときはステップ410へ
進み、R’<0のときはステップ411へ進む。ステッ
プ410では、エンジン側クラッチ12の接続を解除
し、機械フリクションEm分の回生を行いステップ40
6へ進む。ステップ411では、機械フリクションEm
を除外した差分R’’(=△Er−Ep)を求めステッ
プ412へ進む。ステップ412では、差分R’’≧0
かどうかを判定し、R’’≧0のときはステップ413
へ進み、R’’<0のときはステップ414へ進む。ス
テップ414では、エンジン側クラッチ12の接続を解
除し、△Er分の回生を行いステップ406へ進む。
【0041】すなわち、SOCから回生可能量△Erを
決定し、エンジン回転数Neから機械フリクションEm
及びポンプ損失Epをエンジン制御ユニットにより算出
し、回生可能量△Erからポンプ損失Ep及び機械フリ
クションEmを引いた差分Rを求める。差分R≧0のと
きは、エンジン側クラッチ12の接続を解除し、機械フ
リクションEm分及びポンプ損失Ep分を発電電動機1
1により回生する。差分R<0のときは、ポンプ損失E
m分を除外した差分R’を求め、その差分R’≧0のと
きは、エンジン側クラッチ12の接続を解除し、機械フ
リクションEm分だけを回生する。差分R’<0のとき
は、機械フリクションEm分を除外した差分R’’を求
め、その差分R’’≧0のときは、エンジン側クラッチ
12の接続を解除し、ポンプ損失Ep分を回生する。差
分R’’<0のときは、エンジン側クラッチ12の接続
を解除し、△Er分を回生する。なお、車速≦10km
/hでは特に、安全停止及び停止間距離を運転者の意の
ままに操縦するために、再ブレーキ踏力入力が発生した
場合は通常の油圧ブレーキに復帰する。このとき、エン
ジンブレーキによる制動力はエンジン回転数Neから求
められるため、制動力は一定でありながら回生能力を変
化させることで、運転者に違和感を与えることなく制動
力を回生することができる。
【0042】以上説明したように、本発明の実施の形態
1の構成をとったことにより、エンジン側クラッチ12
によりエンジン1と発電電動機11を切り離すことが可
能となり、これにより、減速時においてエンジンブレー
キ分の制動力を発電電動機11により回生することが可
能となる。このとき、エンジンコントロールユニットC
4において、エンジン回転数から機械フリクションEm
とポンプ損失Epを求め、それに見合った制動力分の回
生と同時に、さらにSOCが設定値内であれば、ブレー
キ分の制動力を回生バルブ9のduty制御によって減
少させ、その分をさらに発電電動機11によって回生す
るため、運転者に違和感を与えることなく効率よく回生
を行うことができる。また、車両の走行安定性等の観点
からエンジン側クラッチ12を接続したままでも、VE
L10による弁停止によりポンプ損失Ep分を回生する
ことが可能となり、運転者に違和感を与えることなくポ
ンプ損失Ep分の制動力を回生することができる。ま
た、これにより減速時において加速要求がなされたとき
には、再度エンジン側クラッチ12を接続する必要がな
く応答性を高めることができる。また、負圧経路に真空
ポンプ及びバキュームタンクを設けたことにより、減速
時においてエンジン停止処理を行った場合でも、負圧を
発生することが可能となり、安定したブレーキ操作がで
きる。
【0043】尚、本発明の実施の形態は、この構成に限
られるものではなく、例えばエンジン側クラッチとして
ロックアップクラッチ付きのトルクコンバータを用いて
も良い。
【0044】(実施の形態2)図9には本発明の実施の
形態2の全体構成図を示す。基本的構成は前述の実施の
形態1と同じであり、発電電動ユニット2において、エ
ンジン側クラッチ12が設けられていない点のみ異な
る。
【0045】図10には、本発明の実施の形態2におけ
るブレーキ制動回生処理500のフローチャートを示
す。
【0046】ステップ501では、回生可能量△Er>
0かどうかを判定し、正であれば回生可能と判断してス
テップ502へ進み、負であればこの処理を終了する。
ステップ502では、ABSが非作動かどうかを判定
し、非作動であればステップ503へ進み、作動中であ
ればこの処理を終了する。ステップ503では、車速を
判定し、10km/h<車速であるときはブレーキ制動
回生+弁停止/ポンプ損失回生処理200へ進み、車速
≦10km/hであれば弁停止/ポンプ損失回生処理6
00へ進む。
【0047】すなわち、回生可能量△Er>0で回生可
能であり、ABSが非作動時においては、車速>10k
m/hであれば、ブレーキ制動回生+弁停止/ポンプ損
失回生処理200を行い、車速≦10km/hであれ
ば、弁停止/ポンプ損失回生処理600を行う。これに
より、エンジンと発電電動機の間にクラッチが設けられ
ていない場合であっても、減速時において、効率よく制
動エネルギを回生することができる。
【0048】図11には、本発明の実施の形態2におけ
る弁停止/ポンプ損失回生処理のフローチャートを示
す。
【0049】ステップ601では、回生可能量△Er
(過充電限界−SOC現在値)を求め、ステップ602
へ進む。ステップ602では、エンジン回転数Neから
機械フリクションEm及びポンプ損失Epをエンジン制
御ユニットにより算出し、ステップ603へ進む。ステ
ップ603では、回生可能量△Erからポンプ損失Ep
を差し引いた差分Rを求め、ステップ604へ進む。ス
テップ604では、差分R≧0かどうかを判定し、R≧
0のときはステップ605へ進み、R<0のときはステ
ップ608へ進む。ステップ605では、VELによる
弁停止を行いポンプ損失Ep分を回生し、ステップ60
6へ進む。ステップ606では、再ブレーキ踏力入力が
発生したかどうかを判定し、発生したときにはステップ
607へ進み、発生しなかったときはこの処理を終了す
る。ステップ607では、発電電動機による回生作動を
停止し、通常の油圧ブレーキに復帰する。ステップ60
8では、△Er分をVELによる弁停止により回生す
る。
【0050】すなわち、回生可能量△Er>0で回生可
能であるときは、エンジン回転数Neから機械フリクシ
ョンEm及びポンプ損失Epをエンジン制御ユニットに
より算出し、差分R(=△Er−Ep)を求める。差分
R≧0のときは、VELによる弁停止によりポンプ損失
Ep分を発電電動機11により回生する。差分R<0の
ときは、VELによる弁停止により△Er分を発電電動
機11により回生する。このとき、再ブレーキ踏力入力
が発生したかどうかを判定し発生したときは発電電動機
による回生を停止し、通常の油圧ブレーキ作動を行う。
これにより、安全停止及び停止間距離を運転者の意のま
まに操作することができる。
【0051】以上説明したように、本発明の実施の形態
2の構成をとったことによって、エンジン側クラッチ等
を設けることなく、制動時においてVEL10による弁
停止を行い、ポンプ損失Ep分を発電電動機11により
効率よく回生することができる。これにより、実施の形
態1に比べて簡単な構成をとることでコストを下げなが
ら運転者に違和感を与えることなく効率よく回生するこ
とができる。また、所定の条件を満たし時にはブレーキ
による制動力を回生バルブ9のduty制御により減少
させ、減少させた制動力を発電電動機11により回生制
動力として発生させることで、運転者に違和感を与える
ことなく効率よく回生を行うことができる。
【0052】
【発明の効果】以上説明してきたように、本願全請求項
に記載の発明においては、従来の車両に大幅な変更を加
えることなく簡単な構成で、負荷切り換え手段及び回生
バルブにより運転者に違和感を与えることなく制動エネ
ルギを発電電動機により効率よく回生する事が可能とな
り、コストを上げることなく下記のように燃費を向上す
ることができる。すなわち、減速時に前記エネルギマネ
ジメント制御コントロールユニットcにおいて、運転者
の要求制動力及び回生可能な制動エネルギを演算し、そ
の回生可能なエネルギに相当するエネルギを前記負荷切
換手段及びブレーキ油圧の回生バルブdからのリークに
より減少させ、その分の制動力を発電電動機aにより発
生させることで、運転者に違和感を与えることなく発電
電動機aにより制動エネルギを回生することができる。
【0053】請求項2に記載の発明においては、エンジ
ンと変速装置とが直結されている場合でも、可変動弁機
構eにより弁停止させ、前記エンジンのシリンダ内の空
気を密閉することで気体の流入流出に伴う移動エネルギ
の損失を防止し、これにより負荷切換手段としてエンジ
ンのエネルギ損失を抑えた分だけエンジン側の負荷を落
として、この負荷を落とした分だけ回生することによ
り、違和感なく回生を行うことができる。すなわち、従
来、エンジンと変速装置とが直結された状態では、回生
作動を行うと、通常のエンジンブレーキ相当の制動力に
加えて回生分の制動力が発生するため、制動力が増して
違和感を感じる。しかしながら、この請求項2の発明で
は、エンジンと変速装置とが直結された状態において、
エンジンのエネルギ損失を抑えてエンジンブレーキ分の
制動力を低下させ、この低下分を回生するからトータル
の制動力はエンジンブレーキ分となって違和感が生じな
い。また、基本的には負荷切換手段により回生を行う
が、回生可能量と前記ポンプ損失エネルギとの差分を求
めることにより、回生可能量に余裕があれば、その差分
を回生バルブdによるブレーキ油圧のリークによりブレ
ーキの制動力を減少させ、発電電動機aによってさらに
回生することが可能となり、効率よく回生を行うことが
できる。
【0054】請求項3に記載の発明においては、クラッ
チbの接続を解除することで負荷切り換えを行うことが
可能となり、エンジンブレーキ相当の制動力を回生する
ことができる。よってトータルの制動力はエンジンブレ
ーキ分となって違和感が生じない。
【0055】請求項4に記載の発明では、バッテリ状況
に応じて機械フリクションエネルギのみ、もしくはポン
プ損失エネルギのみ、もしくはその両方といったように
負荷を切り換えることが可能となり、エネルギマネジメ
ント制御コントロールユニットcにおける制御自由度が
高まり、効率よく回生制御を行うことができる。
【0056】請求項5に記載の発明では、回生制御を実
行中は、エンジンへの燃料噴射量を抑えることが可能と
なり、さらに燃費を向上することができる。
【0057】請求項6に記載の発明では、エネルギマネ
ジメント制御コントロールユニットcにおいて、もっと
も効率の良い状態を演算する際、負圧作動によるアクチ
ュエータの作動がエンジンの状態に左右されることがな
いため、制御の自由度を高めることが可能となり、これ
により燃費を向上することができる。
【0058】請求項7に記載の発明では、頻繁にブレー
キを踏むような状況に置いて、安全停止を通常のブレー
キにより確実に行い、停止間距離を運転者の意のままに
操作することができる。
【0059】請求項8に記載の発明では、発進時にはト
ルクコンバータによるトルク増幅効果が得られるためエ
ンジン出力の小さい車両においても適用することができ
る。また、減速時等においては、トルクコンバータの機
構上、車輪側からの入力トルクに対してはエンジンに対
してトルクを伝達することがないため、その分を発電電
動機aにより回生することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を示すクレーム対応図を示す。
【図2】本発明の実施の形態1の構成を示す概念図であ
る。
【図3】本発明の実施の形態1及び2におけるABS装
置の回路図である。
【図4】本発明の実施の形態1及び2の可変動弁機構の
断面図である。
【図5】本発明の実施の形態1のブレーキ制動回生処理
のフローチャートである。
【図6】本発明の実施の形態1の弁停止/ポンプ損失回
生+ブレーキ制動回生処理のフローチャートである。
【図7】本発明の実施の形態1のエンジンブレーキ回生
+ブレーキ制動回生処理のフローチャートである。
【図8】本発明の実施の形態1のエンジンブレーキ回生
処理のフローチャートである。
【図9】本発明の実施の形態2の構成を示す概念図であ
る。
【図10】本発明の実施の形態2のブレーキ制動回生処
理のフローチャートである。
【図11】本発明の実施の形態2の弁停止/ポンプ損失
回生処理のフローチャートである。
【図12】本発明の実施の形態1及び2におけるSOC
とバッテリ温度との関係を示す図である。
【図13】本発明の実施の形態1及び2におけるエンジ
ンブレーキトルクとエンジン回転数の関係を示す図であ
る。
【図14】本発明の実施の形態1及び2における制動力
と車両速度との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 エンジン 2 発電電動ユニット 3 変速装置 4 真空ポンプ 5 負圧センサ 6 バキュームタンク 7 マスタシリンダ 8 ABS(アンチロックブレーキ)装置 9 回生バルブ 10 可変動弁機構(VEL) 11 発電電動機 12 クラッチ 13 負圧経路 21 ブレーキ回路 22 ブレーキ回路 21L 分岐回路 21R 分岐回路 21d 分岐点 21h バイパス路 21g 一方弁 24 ポンプ 24a 吸入弁 24b 吐出弁 24d ダンパ 24p プランジャ 25 流入弁 26 流出弁 27 リザーバ 30 ドレーン回路 31 還流回路 45 制御軸 46 制御カム 47 揺動アーム 48 揺動カム 49 カム 50 バルブリフター 51 吸気弁 52 カムシャフト a 発電電動機 b クラッチ c エネルギマネジメント制御コントロールユニット d 回生バルブ e 可変動弁機構
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H02K 7/18 Fターム(参考) 3G093 AA05 AA07 AA16 AB00 BA19 BA22 CB07 DB05 DB19 EA15 EB01 EB04 EC02 EC04 FA11 FA14 FB05 5H115 PA01 PA12 PG04 PI16 PO17 PU01 PU22 PU25 QE10 QI04 QI09 QI12 RB08 RE07 SE04 SE05 TB01 TO26 TU16 5H607 BB01 CC03 CC05 EE02 EE21 FF22 FF24

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの出力軸と変速装置の入力軸と
    の間に介在され、前記エンジンの出力軸及び前記変速装
    置の入力軸との間でトルク伝達を行う回転要素に対して
    トルクを授受可能に設けられ、発電機及び電動機として
    機能する発電電動機と、 制動時にブレーキの油圧を少なくとも減圧する回生バル
    ブと、 減速時のエンジン負荷を切り換える負荷切換手段と、 減速時に前記エンジンと前記発電電動機と前記回生バル
    ブと前記負荷切換手段に対して制御信号を出力して発電
    電動機により回生を行う回生制御を行うエネルギマネジ
    メント制御コントロールユニットと、 を備えていることを特徴とする回生制動装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の回生制動装置におい
    て、 前記負荷切換手段として前記エンジンに可変動弁機構を
    設け、 前記エネルギマネジメント制御コントロールユニット
    を、回生制御時に所定条件で可変動弁機構により弁停止
    させたときのエネルギの損失防止分のエネルギであるポ
    ンプ損失エネルギを演算し、バッテリの過充電限界と現
    在の電位との差に基づく回生可能量を演算し、さらに、
    この回生可能量から前記ポンプ損失エネルギを差し引い
    た差分を求め、差分が正のときは、この差分に相当する
    制動エネルギ分のブレーキ油圧を前記回生バルブよりリ
    ークさせるよう構成したことを特徴とする回生制動装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の回生制動装置におい
    て、 前記負荷切換手段として前記エンジンと前記発電電動機
    の間にクラッチを設け、 前記エネルギマネジメント制御コントロールユニット
    を、回生制御時に、所定条件で前記クラッチの接続を解
    除し、このときのエンジンブレーキ分の制動エネルギを
    演算し、バッテリの過充電限界と現在の電位との差に基
    づく回生可能量を演算し、さらに、この回生可能量から
    前記エンジンブレーキ分の制動エネルギを差し引いた差
    分を求め、差分が正のときは、この差分に相当する制動
    エネルギ分のブレーキ油圧を前記回生バルブよりリーク
    させるよう構成したことを特徴とする回生制動装置。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の回生制動装置におい
    て、 前記負荷切換手段として前記可変動弁機構と前記クラッ
    チの両方を設け、 前記エネルギマネジメント制御コントロールユニット
    を、回生制御時に、所定条件で前記クラッチの接続を解
    除又は前記可変動弁機構による弁停止を行い、前記エン
    ジンブレーキ分の制動エネルギ又は前記エンジンブレー
    キ分の制動エネルギから前記ポンプ損失エネルギを差し
    引いた機械フリクションエネルギ又はポンプ損失エネル
    ギを演算し、前記回生可能量から前記エンジンブレーキ
    分のエネルギ又は機械フリクションエネルギ又はポンプ
    損失エネルギもしくはこれらの組み合わせを差し引いた
    差分を求め、差分が正のときは、この差分に相当する制
    動エネルギ分のブレーキ油圧を前記回生バルブよりリー
    クさせるよう構成したことを特徴とする回生制動装置。
  5. 【請求項5】 請求項3又は4に記載の回生制動装置に
    おいて、 前記エネルギマネジメント制御コントロールユニット
    を、前記クラッチの接続を解除した際、前記エンジンを
    停止する制御を行うよう構成したことを特徴とする回生
    制動装置。
  6. 【請求項6】 請求項3ないし5に記載の回生制動装置
    において、 エンジンの吸気系に負圧経路を介して接続されて吸気負
    圧により作動するアクチュエータを設け、前記負圧経路
    に真空ポンプとバキュームタンクの少なくとも一方を設
    けたことを特徴とする回生制動装置。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6に記載の回生制動装置
    において、 前記エネルギマネジメント制御コントロールユニット
    を、回生制御の実行中に再度ブレーキ踏力が発生したと
    きは、この回生制御を中止するよう構成したことを特徴
    とする回生制動装置。
  8. 【請求項8】 請求項3ないし7に記載の回生制動装置
    において、 前記クラッチとしてロックアップ状態を形成可能に設け
    られたロックアップクラッチ付きトルクコンバータのロ
    ックアップクラッチを用いたことを特徴とする回生制動
    装置。
JP11124121A 1999-04-30 1999-04-30 回生制動装置 Pending JP2000324606A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014231344A (ja) * 2013-05-30 2014-12-11 トヨタ自動車株式会社 車両の制御装置およびそれを備える車両、ならびに車両の制御方法
KR101480570B1 (ko) 2009-05-11 2015-01-08 현대자동차주식회사 하이브리드 차량의 제어방법

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