JP2000323351A - コンデンサ用ポリエステルフィルム - Google Patents

コンデンサ用ポリエステルフィルム

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JP2000323351A
JP2000323351A JP11127919A JP12791999A JP2000323351A JP 2000323351 A JP2000323351 A JP 2000323351A JP 11127919 A JP11127919 A JP 11127919A JP 12791999 A JP12791999 A JP 12791999A JP 2000323351 A JP2000323351 A JP 2000323351A
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film
capacitor
polyester film
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Satoshi Nishino
聡 西野
Akira Hatayama
章 畑山
Hiroshi Kuboyama
寛 久保山
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Toray Industries Inc
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  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 厳しい電圧条件の下で使用されても良好な耐
電圧を得るのに良好なコンデンサ用ポリエステルフイル
ムを提供する。 【解決手段】 ポリエチレンテレフタレートを主成分と
する二軸配向フィルムであって、スーパーソニックテス
ターで測定される音速楕円体において、下式(1)で示
されるSが12〜25km2/s2の範囲にあり、かつ下式
(2)で示されるRが1.0〜1.5の範囲にあり、か
つCR値が0.8×102ΩF以上であることを特徴とするコ
ンデンサ用ポリエステルフィルム。 【数1】 R=Vmax/Vmin ・・・(2)式 ここでdは測定のステップ角度(ラジアン)、Vnはn
番目に測定された音速(km/s)、Vmaxは音速の最高
値、Vminは音速の最低値である。また、nは2π/d
を越えない自然数である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンデンサ用ポリ
エステルフィルム、詳しくはコンデンサの誘電体として
好適に用いられるポリエチレンテレフタレートを主成分
とするポリエステルフィルムに関するものであり、さら
に詳しくは、耐電圧性に優れたコンデンサとなし得るポ
リエステルフィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、有機高分子フィルムを誘電体
として用いたコンデンサは広く用いられている。特開昭
63−182351号公報、特開昭63−194318
号公報などに例示されるように、ポリエステルフィルム
と金属箔を交互に巻回するか、フィルムに金属を蒸着し
て電極とし、これを巻回または積層することによりコン
デンサを得る技術が知られている。
【0003】近年、電気機器の小型化に伴いコンデンサ
も小型化の要求が高まる傾向にある。このような状況下
で使用されるフィルムも更に薄膜化となり、フィルムに
かかる電位傾度が高まるため、コンデンサが絶縁破壊を
起こす問題が発生することがある。
【0004】このような問題に対し、特開平9−302
111号公報にはフィルム中の金属及びリン残存量の
比、及び表面粗さを特定の範囲とすることでコンデンサ
の耐電圧特性等を改善する方法が開示されているが、こ
れらに提案された記述では、未だ、より厳しい耐電圧を
満足できるものではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、かか
る問題を解決し、コンデンサとしたときの耐電圧をより
良好とさせ得るポリエステルフィルムを提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記の課題
を解決するため鋭意検討の結果、フィルムの面方向の音
速値を全方向に対し出来るだけ均一にかつ高くすること
により、より高い耐電圧を得ることが出来ることを見出
した。
【0007】すなわち、本発明に係るコンデンサ用ポリ
エステルフィルムは、ポリエチレンテレフタレートを主
成分とする二軸配向フィルムであって、スーパーソニッ
クテスターで測定される音速楕円体において、下式
(1)で示されるSが12〜25km2/s2の範囲にあり、
かつ下式(2)で示されるRが1.0〜1.5の範囲に
あり、かつCR値が0.8×102ΩF以上であることを特徴
とするものからなる。
【0008】
【数2】
【0009】 R=Vmax/Vmin ・・・(2)式 ここでdは測定のステップ角度(ラジアン)、Vnはn
番目に測定された音速(km/s)、Vmaxは音速の最高
値、Vminは音速の最低値である。また、nは2π/d
を越えない自然数である。
【0010】このようなポリエステルフィルムを用いて
金属化フィルムを作製することができ、その金属化フィ
ルムを巻回、積層することによりコンデンサ素子を作製
することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明におけるポリエステルフィ
ルムのポリエステルとは、ポリエチレンテレフタレート
を主成分とするポリエステルであり、さらに詳しくは、
ジカルボン酸成分としてテレフタル酸が用いられ、ジオ
ール成分としてエチレングリコールを主要成分として用
いて重縮合し得られるものである。ここで、主成分とは
ポリエチレンテレフタレートを構成するテレフタル酸と
エチレングリコールの合計量が全体の90重量%以上で
あることを示し、10重量%以下であれば第3成分が共
重合されたり、ブレンドされていてもよい。
【0012】本発明に用いるポリエステルの固有粘度と
しては、好ましくは0.5dl/g以上、さらに好まし
くは0.6dl/g以上が、コンデンサ用において耐電
圧の点で好ましい。
【0013】本発明におけるポリエステルフィルムの表
面は、三次元表面粗さ計により測定される表面突起高さ
200nm〜500nmの突起個数が200〜2000
個/mm2 の範囲にある場合に耐電圧がより良好となる
ので好ましい。
【0014】また、本発明におけるポリエステルフィル
ムの三次元表面粗さ計による中心面平均粗さSRaは3
0〜100nmの範囲であると、コンデンサの耐電圧が
より良好となるので好ましい。
【0015】上記のような表面を形成する手段として、
例えばポリエステル重合時に析出する内部析出粒子を用
いてもよいし、ポリエステルフィルム中に不活性粒子を
添加してもよい。添加する不活性粒子としては、シリ
カ、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、酸化チタン、
カオリン、タルク、アルミナ、架橋高分子粒子などを用
いることができる。シリカ、炭酸カルシウム、リン酸カ
ルシウムがより好ましい。
【0016】本発明のポリエステルフィルムは、スーパ
ーソニックテスターで測定される音速楕円体において、
下式(1)で示されるSが12〜25km2/s2の範囲にあ
る必要がある。
【0017】
【数3】
【0018】ここでdは測定のステップ角度(ラジア
ン)、Vnはn番目に測定された音速(km/s)である。
また、nは2π/dを越えない自然数である。
【0019】Sが12km2/s2より小さいと、構造的にフ
ィルム自体の耐電圧が低いため、コンデンサとしたとき
の耐電圧を良好とすることが出来ない。またSが25km
2/s2より大きいとコンデンサ加工時のプレスなどで不良
が発生しやすく、耐電圧が不良となるので好ましくな
い。音速楕円体Sのより好適な範囲は15〜20km2/s2
である。
【0020】また、本発明のポリエステルフィルムは、
スーパーソニックテスターで測定される音速楕円体にお
いて、下式(2)で示されるRが1.0〜1.5の範囲にある
必要がある。Rが1.5より大きいと耐電圧が不良とな
るので好ましくない。尚、Rは音速値の最大と最小の比
であるので、最小値は1.0である。より好適な範囲は
1.0〜1.2である。 R=Vmax/Vmin ・・・(2)式 ここでVmaxは音速の最高値、Vminは音速の最低値であ
る。
【0021】通常、二軸延伸フィルムの場合、延伸方向
(長手方向及び幅方向)に音速値が高くなり、それ以外
の方向(斜め方向)では音速値が低くなる傾向にある
(いわゆるクローバー型)。しかし、ポリエステルフィ
ルムの耐圧を良好とするには、フィルムの分子配向及び
構造を特定の状態とする必要があり、すなわち、スーパ
ーソニックテスターで測定される音速値が斜め方向も含
めて全方向での上記(1)、(2)式を満足する特定の
範囲となる状態が必要である。このスーパーソニックテ
スターで測定される音速楕円体は、ポリエステルフィル
ムの耐圧と関係するフィルムの分子配向及び構造を表す
のに最適な手法であり、従来の特定の方向に限定された
弾性率、強度等とは明らかに異なるものであることを見
出したわけである。
【0022】本発明のフィルムのCR値は0.8×102ΩF
以上である必要がある。CR値が0.8×102ΩFより小さ
いと耐電圧が不良となるので好ましくない。好ましくは
1.5×102ΩF以上、更に好ましくは3.0×102ΩF以上で
ある。
【0023】本発明のポリエステルフィルムは、コンデ
ンサ用として用いられるためにいかなる厚さを持つこと
もできるが、0.5〜20μm以下の厚さがより好適で
あり、0.9〜10μmの厚さで耐電圧の改良効果が特
に大きい。より好ましくは1.2〜8μmの厚さであ
る。
【0024】本発明中のポリエステルフィルムは機械的
特性、電気的特性、生産性の面から二軸延伸されている
ことが必要である。二軸延伸の方法としてはインフレー
ション同時二軸延伸法、ステンター同時二軸延伸法、ス
テンター逐次二軸延伸法等があるが、スーパーソニック
テスターで測定される音速楕円体を本発明の範囲内とす
るには、ステンター同時二軸延伸法、ステンター逐次二
軸延伸法が好ましい。
【0025】本発明のポリエステルフィルムの面配向係
数fnは0.165〜0.180の範囲にあることが好
ましい。更に好ましいのは0.168〜0.177の範
囲である。
【0026】本発明において得られたポリエステルフィ
ルムを、製膜後に40〜80℃でエージングを行うこと
は絶縁抵抗と耐電圧性をさらに良好とするので好まし
い。エージングを行う時間は、6時間以上が絶縁抵抗を
良化する点から好ましく、さらに好ましくは24時間以
上である。
【0027】本発明のポリエステルフィルムは、加熱収
縮率が長手方向について0.5〜5%、幅方向について
−1.0〜2.5%の範囲にあることが、耐電圧性の観
点から好ましい。より好ましくは、長手方向について
1.0〜3.0%、幅方向について0〜2.0%の範囲
にあることが好ましい。
【0028】次に本発明のコンデンサ用ポリエステルフ
ィルムの製造方法について説明するが、必ずしもこれに
限定されるものではない。まず、前述のポリエステルを
その融点を超える温度で常法の押出機にて溶融押出し、
ガラス転移点以下に冷却し、未延伸シートとする。この
未延伸シートを長手方向及び幅方向に延伸する。その延
伸方法には、同時に二軸方向の延伸を行う方法、逐次二
軸延伸法のどちらでも選択できる。
【0029】逐次二軸延伸の場合は、長手方向の延伸を
先に行うことが好ましく、長手方向の延伸は、85℃か
ら125℃の温度で、2.8〜7.5倍延伸することが
好ましい。更に好ましくは長手方向の延伸を2回以上に
分け、1段目の延伸温度より2段目の延伸温度を低く設
定することが、スーパーソニックテスターで測定される
音速楕円体を本発明の範囲とするのに好適である。ま
た、長手方向の延伸後の複屈折が0.05〜0.10の
範囲であると更に好ましい。また、延伸速度は特に限定
されないが、2万%/分から2百万%/分の範囲である
とスーパーソニックテスターで測定される音速楕円体を
本発明の範囲とするのに好ましい。
【0030】続いて幅方向の延伸を行う。延伸はテンタ
ーオーブンにて90〜120℃に加熱しながら幅方向に
3〜6倍延伸する。延伸速度は特に限定されないが、5
00%/分から50万%/分の範囲であるとスーパーソ
ニックテスターで測定される音速楕円体を本発明の範囲
とするのに更に好ましい。
【0031】この後、引き続き熱処理を行う。熱処理温
度はフィルムの温度にして200℃〜240℃の範囲
で、2〜30秒間行うのが耐電圧向上の点で好ましい。
また、熱処理に引き続き、弛緩処理を1〜10%の範囲
で行うことは耐電圧の点で好ましい。
【0032】次に、得られたフィルムを金属化ポリエス
テルフィルムとする場合には、少なくとも片面にアルミ
ニウムを蒸着してコンデンサの内部電極となるアルミニ
ウム蒸着膜を設けるが、このときアルミニウムと同時あ
るいは逐次にたとえばニッケル、銅、金、銀、クロム、
亜鉛などの他の金属成分を蒸着することもできる。ま
た、蒸着膜上にオイルなどで保護層を設けることもでき
る。アルミニウムの蒸着膜の厚さは表面電気抵抗で1〜
5Ω/□の範囲であると耐電圧の点から望ましい。
【0033】必要により、蒸着後に特定の温度でエージ
ング処理を行ったり、再度オフラインで熱処理を行った
りすることができる。また、絶縁もしくは他の目的で、
この金属化フィルムの少なくとも片面にコーティングを
施すこともできる。
【0034】こうして得られたフィルムは公知の方法で
積層もしくは巻回してフィルムコンデンサを得ることが
できる。巻回型フィルムコンデンサを例示するならば、
金属化するフィルムの片面にアルミニウムを真空蒸着す
る。その際、長手方向に走るマージン部を有するストラ
イプ状に蒸着する。次に表面の蒸着部の中央と各マージ
ン部の中央に刃を入れてスリットし、一方にマージンを
有するテープ状の巻取リールにする。得られた右マージ
ン品と左マージン品各1本ずつを、2枚重ね合わせて巻
回し、巻回体を得る。この巻回体から芯材を抜いてプレ
スし、両端面にメタリコンを溶射して外部電極とし、メ
タリコンにリード線を溶接して巻回型コンデンサ素子を
得る。
【0035】〔物性の測定方法ならびに効果の評価方
法〕本発明における特性値の測定方法、並びに評価方法
は次のとおりである。 (1)スーパーソニックテスターで測定される音速楕円
体、音速値 野村商事(株)製ソニックシートテスターSST250
型を用い、振動子の間隔を150mm、測定のステップ
角度はπ/18(ラジアン)で、各方位での音速Vnを
測定する。薄いフィルムを測定する際は、フィルムを重
ね合わせ、総厚みが200μm程度となるようにする。
【0036】(2)面配向係数fn、複屈折Δn JIS−K7105に規定された方法に従って、ナトリ
ウムD線を光源としてアッベ屈折率計を用いて長手方
向、幅方向、厚さ方向の屈折率を測定した(それぞれn
MD、nTD、nZDとする)。ここで、マウント液は
ヨウ化メチレンを用い、25℃、65%RHにて測定し
た。次に下式(A)により面配向係数fn、下式(B)
により複屈折Δnを算出した。 面配向係数fn=[(nMD+nTD)/2]−nZD (A) 複屈折Δn=nTD−nMD (B)
【0037】(3)フィルムの表面粗さ(中心面平均粗
さSRa) (株)小坂研究所製の3次元表面粗さ計ETB−30H
Kを用い、触針式で以下の条件で測定した。 触針先端径 :2μm 触針加重 :10mg 測定長 :1mm 送りピッチ :10μm 測定本数 :30本 カットオフ値:0.08mm
【0038】(4)フィルム表面の突起個数 上記の装置を用いて同様の条件で表面形状を10回測定
し、各高さ毎の突起個数を出力し、高さ200〜500
nmの突起個数を算出した。
【0039】(5)CR値 フィルムを20mm幅にスリットし、有効面積1000
0mm2 となるように6μmのアルミ箔と素子巻きし、
100Vで125℃にて抵抗値(Ω)と容量(F)を測
定し、その積をCR値とする。
【0040】(6)加熱収縮率 JIS−C2318に準じて、150℃30分間で測定
した。
【0041】(7)コンデンサの製造 ポリエステルフィルムの片面に表面抵抗が2Ω/□とな
るようにアルミニウムを真空蒸着した。その際、長手方
向に走るマージン部を有するストライプ状に蒸着し、マ
ージン幅1mm、全幅30mmの巻取リールを得る。こ
のリールを50℃48時間エージング処理した後、左マ
ージン及び右マージンのもの各1本ずつを2枚重ね合わ
せて巻回し、静電容量約1.5μFの巻回体を得た。こ
の巻回体を130℃、20kg/cm2で5分間プレス
した。この両端面にメタリコンを溶射して外部電極と
し、メタリコンにリード線を溶接して巻回型コンデンサ
素子を得た。
【0042】(9)耐電圧(耐圧) 25℃雰囲気下で、上記の方法で得たコンデンサ素子を
250Vにて1分荷電後の抵抗値を超絶縁計(HP製)
を用い測定し、抵抗値が10000MΩ未満を不良とし
た。この測定を500個の素子について行い、不良素子
の個数が10個未満の場合を絶縁抵抗性良好、10個以
上の場合をを絶縁抵抗性不良とした。上記の方法で得た
コンデンサ素子を試料とし、春日電機(株)製高電圧直
流電源を用いて、100V/sの速度で昇圧しながら電
圧を印加し、10mA以上の電流が流れた電圧を絶縁破
壊電圧とした。この測定を200個の素子について行い
平均値を算出し、フィルム厚みで割返した値を耐電圧性
とした。耐電圧性が350V/μm以上の場合を耐電圧
性良好、350V/μm未満の場合を耐電圧性不良とし
た。
【0043】
【実施例】以下に本発明を実施例に基づき説明する。 実施例1 テレフタル酸ジメチル100重量部、エチレングリコー
ル70重量部に触媒として酢酸カルシウム0.15重量
部を用いてエステル交換反応を行い、その生成物に三酸
化アンチモン0.025重量部、トリメチルフォスフェ
ート0.19重量部を加え、更に滑材として不活性粒子
を添加し、重縮合反応によりポリエチレンテレフタレー
トのペレットを得た。
【0044】次いでこのペレットを160℃で6時間真
空乾燥した後、押出機に供給し、280℃で溶融させ、
Tダイよりシートを吐出させ、23℃の冷却ドラムにて
冷却固化せしめ未延伸のシートを作成した。
【0045】このシートを長手方向に105℃で2.0
倍、延伸速度20万%/分で延伸したのち、更に長手方
向に80℃で2.3倍、延伸速度15万%/分で延伸し
た。次に幅方向に100℃で4.2倍、延伸速度1万%
/分で延伸し、210℃で8秒間熱処理した後、幅方向
に170℃で5%弛緩熱処理し、その後冷却せしめて巻
き取り、厚さ3.2μmのポリエステルフィルムを得
た。
【0046】また、このフィルムのスーパーソニックテ
スターで測定される音速楕円体Sは19.5であり
(1)式の範囲内であった。またRは1.34であり
(2)式の範囲内であった。このフィルムのCR値は
2.1×103 ΩFであった。また、このフィルムを用
いて作製したコンデンサの耐圧は395V/μmと極め
て良好であった。
【0047】実施例2 同時二軸延伸機にて長手、幅方向同時に95℃で2.5
倍延伸した後、更に85℃で長手、幅方向同時に1.3
倍延伸した他は実施例1と同様にポリエステルフィルム
を製造した。このフィルムのスーパーソニックテスター
で測定される音速楕円体Sは18.5であり(1)式の
範囲内であった。またRは1.14であり(2)式の範
囲内であった。このフィルムのCR値は2.1×103
ΩFであった。また、このフィルムを用いて作製したコ
ンデンサの耐圧は385V/μmと良好であった。
【0048】比較例1 同時二軸延伸機にて長手、幅方向同時に105℃で2.
3倍延伸した他は実施例1と同様にポリエステルフィル
ムを製造した。このフィルムのスーパーソニックテスタ
ーで測定される音速楕円体Sは11.5であり(1)式
の範囲外であった。このフィルムを用いて作製したコン
デンサの耐圧は230V/μmと不良であった。
【0049】比較例2 長手方向に120℃で3.5倍延伸した後、幅方向に8
0℃で4.8倍延伸他は実施例1と同様にポリエステル
フィルムを製造した。このフィルムのスーパーソニック
テスターで測定される音速楕円体Sは12.5であり
(1)式の範囲内であったが、Rは1.75と(2)式
の範囲外であった。このフィルムを用いて作製したコン
デンサの耐圧は210V/μmと不良であった。
【0050】比較例3 同時二軸延伸機にて長手、幅方向同時に80℃で3.0
倍延伸した後、更に185℃で長手、幅方向同時に1.
6倍延伸した他は実施例1と同様にポリエステルフィル
ムを製造した。このフィルムのスーパーソニックテスタ
ーで測定される音速楕円体Sは26.5であり(1)式
の範囲外であった。このフィルムを用いて作製したコン
デンサの耐圧は290V/μmと不良であった。
【0051】比較例4 触媒として添加した酢酸カルシウムを5.0%とした他
は実施例1と同様にポリエステルフィルムを製造した。
このフィルムのスーパーソニックテスターで測定される
音速楕円体Sは19.5、Rは1.34といずれも本発
明の範囲内であったが、CR値が0.5×10 2 ΩFと
本発明の範囲外であった。このフィルムを用いて作製し
たコンデンサの耐圧は280V/μmと不良であった。
【0052】
【表1】
【0053】
【発明の効果】本発明のコンデンサ用ポリエステルフィ
ルムによれば、スーパーソニックテスターで測定される
音速楕円体S値、R値、及びフィルムCR値を特定の範
囲とすることにより、厳しい電圧条件の下でも良好な耐
電圧を達成し得るコンデンサ用ポリエステルフィルムを
得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久保山 寛 滋賀県大津市園山1丁目1番1号 東レ株 式会社滋賀事業場内 Fターム(参考) 4F071 AA46 AF36 AF49Y AH12 BB08 BC01 BC02 4F210 AA24 AG01 AG05 AH33 QC05 QC06 QD04 QD16 QG01 QG18 QW06 QW12 5E082 AB03 AB04 BC35 EE07 FG06 FG36 PP04 PP08 PP10

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエチレンテレフタレートを主成分と
    する二軸配向フィルムであって、スーパーソニックテス
    ターで測定される音速楕円体において、下式(1)で示
    されるSが12〜25km2/s2の範囲にあり、かつ下式
    (2)で示されるRが1.0〜1.5の範囲にあり、か
    つCR値が0.8×102ΩF以上であることを特徴とするコ
    ンデンサ用ポリエステルフィルム。 【数1】 R=Vmax/Vmin ・・・(2)式 ここでdは測定のステップ角度(ラジアン)、Vnはn
    番目に測定された音速(km/s)、Vmaxは音速の最高
    値、Vminは音速の最低値である。また、nは2π/d
    を越えない自然数である。
  2. 【請求項2】 面配向係数fnが0.165〜0.18
    0の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載のコン
    デンサ用ポリエステルフィルム。
  3. 【請求項3】 三次元粗さ計で測定される表面突起高さ
    200nm〜500nmの突起個数が200〜2000
    個/mm2 の範囲にあることを特徴とする請求項1また
    は2に記載のコンデンサ用ポリエステルフィルム。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載のポリエ
    ステルフィルムを用いてなる金属化フィルム。
  5. 【請求項5】 請求項4の金属化フィルムを用いてなる
    コンデンサ。
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Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08250373A (ja) * 1995-03-15 1996-09-27 Diafoil Co Ltd コンデンサ用ポリエステルフィルム
JPH09267458A (ja) * 1996-03-29 1997-10-14 Diafoil Co Ltd 金属缶蓋外面被覆用ポリエステルフイルム
JPH09277477A (ja) * 1996-04-17 1997-10-28 Diafoil Co Ltd 飲料缶蓋外面被覆用ポリエステルフィルム
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Patent Citations (4)

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