JP2000323315A - フェライト系ゴム磁石 - Google Patents

フェライト系ゴム磁石

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JP2000323315A
JP2000323315A JP11130123A JP13012399A JP2000323315A JP 2000323315 A JP2000323315 A JP 2000323315A JP 11130123 A JP11130123 A JP 11130123A JP 13012399 A JP13012399 A JP 13012399A JP 2000323315 A JP2000323315 A JP 2000323315A
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ferrite
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rubber
type
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Osamu Yamada
修 山田
Takatsugu Hagino
貴継 萩埜
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Minebea Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】高い磁気特性を有するW型フェライト相と、M
型フェライト相若しくはマグネタイト相との複合粉末を
使用し、従来のM型フェライトでは得られない優れた磁
気特性をもつ、フェライト系ゴム磁石の提供。 【構成】Aを2価のアルカリ土類金属イオン好ましくは
Ba、Sr、Ca或いはPbのうちの1又は2以上と
し、Bを2価の金属イオン好ましくはFe、Co、N
i、Mn、Mg、Cr、Cu、Znのうちの1又は2以
上としたとき、組成式AO・n(BO)・m(Fe2O
3)で表され、係数nが1.1以上2.5以下の値を有
し、かつ係数mが7.2以上8.8以下の値を有するフ
ェライト系粉末材料において、一般式AO・2(BO)
・8(Fe2O3)で表されるW型フェライト相に、一
般式AO・6Fe2O3で表されるM型フェライト相と
組成式Fe3O4で表されるマグネタイト相の一種また
は二種が複合して存在する複合粉末と、成形体質量に対
して8〜40%のゴムとを混練成形して成るフェライト
系ゴム磁石。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高い磁気特性を有する
W型フェライト相に、M型フェライト相若しくはマグネ
タイト相を複合させて成る、従来のM型フェライトより
優れた磁気特性をもつ、フェライト系ゴム磁石に関す
る。
【0002】
【従来の技術】基本組成式がSrO・6Fe2O3で、
マグネトプランバイト型六方晶の結晶構造をもつ、いわ
ゆるM型フェライトは、安価な焼結磁石や、プラスチッ
ク磁石、或いはゴム磁石として現在様々な分野に多用さ
れている。近年、省エネルギーや環境保護の面において
各種機器の小型化が求められており、従ってそれらに使
用される磁石の高性能化も益々必要となっている。しか
し、上記M型フェライトでは飽和磁化が小さく現状以上
の高性能化、例えば焼結磁石では38kJ/m3(4.
8MGOe)以上、ゴム磁石においては13kJ/m3
(1.6MGOe)以上の最大磁気エネルギー積を得る
ことが困難であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】 飽和磁化の大きい代
表的なフェライト材料として、例えば主成分がBaO−
FeO−Fe2O3の三元系から成る、4種類の六方晶
結晶構造のフェライト(W型、X型、Y型、Z型)が知
られている。その内、W型フェライトは従来のM型と類
似の構造をもち、M型に対して10%大きい飽和磁化を
もっているが、実用化に至っていない。
【0004】例えば、Lotgering等(J. Appl. Phys. 51
(1980) 5913)は、BaO・2(FeO)・8Fe2O
3で表されるW型フェライトを提案した。しかし、複雑
な焼成雰囲気の制御が必要とし、その最大磁気エネルギ
ー積は34.4kJ/m3(4.3MGOe)であり、
従来のM型フェライトの特性に留まっている。また、豊
田(特開平9−260124号公報参照)は、還元剤と
してのカーボン添加と非酸化性雰囲気中焼成によって、
SrO・2(FeO)・nFe2O3組成のW型フェラ
イト焼結磁石を製作した。その最大磁気エネルギー積は
42.4kJ/m3(5.3MGOe)と優れたもので
あったが、保磁力は200kA/m(2.5kOe)で
従来のM型フェライトの一般的水準である240〜32
0kA/m(3〜4kOe)より低いものであった。
【0005】一方、ゴムフェライトやプラスチックフェ
ライト磁石において、高い磁気特性を得るためには磁石
成形体中の磁粉占積率を増やすか、或いは磁粉の配向度
を上げることが必要である。しかし、磁粉率を増やすと
磁石強度や生産性が低下する、或いは配向度が下がるた
めに、磁粉量の上限制約がある。従って、圧延成形法に
よるゴムフェライト磁石においての現状水準、およそ1
3kJ/m3(1.6MGOe)を超える磁気特性を得
るためには、高性能な磁粉が不可欠となっている。現在
のところ、W型フェライトの焼結磁石の知見はあるが、
実際にW型フェライトを用いたゴムフェライト磁石の磁
気特性や具体的な製造方法についての報告例はほとんど
みられない。
【0006】本発明は、高い磁気特性を有するW型フェ
ライト相と、M型フェライト相若しくはマグネタイト相
との複合粉末を使用し、従来のM型フェライトでは得ら
れない優れた磁気特性をもつ、フェライト系ゴム磁石の
提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】 上記目的を達成するた
めに、本発明は、Aを2価のアルカリ土類金属イオン好
ましくはBa、Sr、Ca或いはPbのうちの1又は2
以上とし、Bを2価の金属イオン好ましくはFe、C
o、Ni、Mn、Mg、Cr、Cu、Znのうちの1又
は2以上としたとき、組成式AO・n(BO)・m(F
e2O3)で表され、係数nが1.1以上2.5以下の
値を有し、かつ係数mが7.2以上8.8以下の値を有
するフェライト系粉末材料において、一般式AO・2
(BO)・8(Fe2O3)で表されるW型フェライト
相に、一般式AO・6Fe2O3で表されるM型フェラ
イト相と組成式Fe3O4で表されるマグネタイト相の
一種または二種が複合して存在する複合粉末と、成形体
質量に対して8〜40%のゴムとを混練成形して成るフ
ェライト系ゴム磁石を提供する。また、上記フェライト
複合粉末の平均粒径が0.3〜3ミクロンの範囲にある
フェライト系ゴム磁石を提供する。さらに前記フェライ
ト系ゴム磁石の混練成形工程において、外部から磁界を
作用させる、若しくは機械的な応力を加えることによっ
て磁気的な異方性を付与せしめたフェライト系ゴム磁石
を提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】 次に本発明の実施の形態につい
て、図1乃至図5を用いて詳細に説明する。まず、組成
式AO・n(BO)・mFe2O3においてW型フェラ
イト相を得るためには、AをBa、Sr、Caの2価ア
ルカリ土類金属イオン、或いはPbとし、BをFe、C
o、Ni、Mn、Mg、Cr、Cu、Znの2価金属イ
オンとする必要があり、他のイオン種ではW型フェライ
トを得ることが極めてむつかしい。このことは、W型と
類似の結晶構造をもつ従来のM型フェライトの従前の研
究実績から推察される。
【0009】W型フェライト結晶構造においては従来の
M型フェライト構造とは異なり2価の金属イオンの存在が
必須であり、従って適正なn値が必要とされる。実験的
には、1.2≦n≦2.5の範囲において良好なW型フェ
ライトが得ることができ、n<1.2の場合、M型フェラ
イト相、n>2.5の場合B3O4の様な(B=Feの場合、マ
グネタイト)Bの一部が2価である酸化物などが安定生成
してしまう。また所望の磁気特性を得るためのm値の適正
範囲は7.4≦m≦8.8であり、m<7.4ではM型フ
ェライト相が過剰に生成し、8.8<mではヘマタイト
相が過剰に生成して、磁気特性が低下することが実験的
に判明した。
【0010】W型フェライト相と、M型フェライト相若
しくはマグネタイト相それぞれの複合比率は、各物質固
有の飽和磁化と保磁力の値に従って決まる。Sr系W型
フェライトの飽和磁化は0.52Tであり、保磁力はお
よそ160〜280kA/mとされている。またSr系
M型フェライトとマグネタイトの飽和磁化は、それぞれ
0.47T、0.60T、保磁力はおよそ240〜32
0kA/m、100kA/m以下と見積もられている。
即ち、W型フェライトとM型フェライト若しくはマグネ
タイトとの複合粉末の磁気特性は、これら3者の混在比
率によって調整される。
【0011】本発明の複合粉末が、従来のM型フェライ
ト粉末よりも優れた磁気特性を有するためには、W型フ
ェライト相のモル比を適正にきめる必要がある。図1
(a)(b)に、Sr系フェライト粉末におけるW型フ
ェライト相とM型フェライト相のモル比と、磁気特性と
の関係を、また図2(a)(b)にSr系フェライト粉
末におけるW型フェライト相とマグネタイト相のモル比
と、磁気特性との関係を示す。後述するように、W型フ
ェライト相と各相の生成比率は仮焼温度と雰囲気中の酸
素濃度によって変化する。試料は、SrCO3とFe2
O3を1:10のモル比で混合した原料粉末を、酸素濃
度400ppmの窒素ガス中、1150〜1275℃で
3時間仮焼し、0.7(mに粉砕した後、600℃で2
時間熱処理を行った。磁気特性は振動試料型磁力計を用
いて測定し、W型フェライトのモル比はX線回折強度か
ら算定して求めた。図1(b)および図2(b)から明
らかなように、いずれの場合にもW型フェライト相が7
0mol%以上であるとき、最大磁気エネルギー積(BH
max)が38kJ/m3以上の優れた磁気特性が得ら
れた。
【0012】さらに、本発明の複合粉末を、ゴム磁石用
磁粉として使用するためには充分な保磁力を有すること
が必要である。フェライト磁石は単磁区粒子型の保磁力
発生機構をもつため、一般的には単磁区粒子径に相当す
る1(m前後に粉砕して用いられる。図3(a)(b)
に、Sr系W型フェライトの平均粉末粒径と、磁気特性
の関係を示す。なお、試料は図1で製作した仮焼物を時
間を変えてアトライタ粉砕して得た。図3(b)から、
保磁力は粉末粒径の減少に従って増加し、3(m以下の
場合に実用的に必要最小限な160kA/mが、さらに
2(m以下では充分とされる200kA/mの値が得ら
れた。また、図3(a)から最大磁気エネルギー積は粒
径の減少に従って増加するが、過度に粉砕すると歪みの
影響などによって残留磁化が低下するために、約0.5
(mを境にして減少に転ずる。従って、38kJ/m3
以上の優れた磁気特性を得るには、粉末粒径を0.3〜
3(mの範囲に設定する必要がある。
【0013】ゴム磁石を構成する主成分である、上記の
複合フェライト粉末とゴムとの混合比率は、得られる磁
気特性と生産性の面から決まるものであり、また圧延や
押し出し等の成形方式や、ゴムの種類にも依存する。表
1に、フェライト系ゴム磁石のゴム量と磁気特性との関
係を示す。試料は、90mol%のW型フェライト相と1
0mol%のM型フェライト相から成る1.1(m粒径の複
合粉末に、少量のシランカップリング剤と4〜50質量
%のポリイソプレンゴムを混合混練してペレットとした
後、ロール圧延機を使用して厚さ0.5mmに圧延成形
して、シート状異方性磁石を製作した。
【0014】 表1 ゴム量(質量%) BHmax(kJ/m3) 成形外観 4 13.9 両端欠け 8 14.4 良好 10 14.7 良好 20 13.8 良好 30 11.3 良好 40 10.7 良好 50 7.0 良好
【0015】上記表より、ポリイソプレンゴム量が4質
量%では混練物の流れ性が悪く完全な形状の成形体を得
ることができず、50質量%では成形は容易にできる
が、磁粉の体積率が減少して良好な磁気特性が得られな
い。このため、本発明では成形体に対するゴムの適正比
率を8〜40質量%とした。
【0016】ここでいうゴムとは、天然或いは合成ゴム
や、熱可塑性エラストマーを意味し、一般的な性質とし
てガラス転移点が室温より低く、ヤング率は1〜10MP
a程度である。種類は、天然ゴム、ポリイソプレンゴ
ム、ブチルゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム(N
BR)、エチレンプロピレンゴム、アクリルゴム、ニト
リルゴム、シリコンゴムや、スチレン系、オレフィン
系、塩化ビニル系、ポリエステル系などのエラストマー
が用途に従って使用される。
【0017】本発明におけるフェライト系ゴム磁石の代
表的な製法を以下に説明する。まず、SrCO3とFe
2O3原料粉末を、仮焼後に主相の組成がほぼSrO・
2(FeO)・8Fe2O3(W型フェライト)、副相
がSrO・6Fe2O3(M型フェライト)とFe3O
4(マグネタイト)となるように、所定のモル比で混合
する。この場合には、SrCO3とFe2O3粉末のモ
ル比はおよそ1:9.5前後である。
【0018】次に、上記混合粉末を1100〜1350
℃で仮焼する。W型フェライトは、既に知られているよ
うにM型フェライトと異なり大気中では容易に生成され
ず、従って酸素濃度を低く抑える必要があるので、窒素
ガスやアルゴンガスなどの非酸化性雰囲気中か真空中、
若しくは水素やアンモニアガスなどの還元性雰囲気中で
仮焼を行う。生成相と、これら温度と酸素濃度の関係に
ついては、温度が高く酸素濃度が低いとマグネタイトが
多く生成し、一方温度が低く酸素濃度が高いとM型フェ
ライトとヘマタイト(Fe2O3)が多く生成し、W型
フェライト相はその中間領域で生成する。
【0019】図4に、Sr系フェライト粉末の仮焼にお
ける雰囲気中酸素濃度と、磁気特性の関係を示す。試料
は、SrCO3とFe2O3をモル比で1:9.5に配
合した原料粉末を、温度1250℃で3時間、窒素ガス
を流しながら酸素濃度50ppm〜3%の範囲で仮焼
し、アトライタ粉砕によって0.8(mの粉末試料を得
た。さらに歪みを取るために窒素雰囲気中で700℃で
3時間熱処理を行った。図4から明らかなように、最大磁
気エネルギー積(BHmax)は、仮焼雰囲気中の酸素
濃度の減少に従って向上し、およそ2%以下の範囲で3
8kJ/m3以上の優れた磁気特性が得られた。この理
由は、酸素濃度を低く抑えることによりM型フェライト
の生成が抑制されて、W型フェライトの存在比が高まっ
たためと解釈される。
【0020】次に、仮焼物を破砕、粉砕する手段とし
て、アトライタやボールミル、或いはジェットミルなど
が湿式乾式問わずに採用できる。粉末粒径は、0.3〜
3(m、好ましくは0.5〜2(mとすることにより所望
の磁気特性を得ることが容易になる。なお、これまでの
記述においてはSrOとFe2O3の混合原料を仮焼反
応させたときに、W型とM型フェライトおよびマグネタ
イト各相が混相となって析出しており、微粉砕によって
各相単独の粉末粒子が分離抽出されて得られる場合を記
した。本発明においては、上記方法によらずM型フェラ
イト粉末若しくはマグネタイト粉末をそれぞれ別個に製
作し、後で混合しても差し支えない。
【0021】次に、粉砕歪みの除去およびフェライト粒
子の表面改質のために、300〜1100℃の温度範囲
でフェライト粉末の熱処理を行うことが、磁気特性の改
善にとって有効である。図5に、平均粒径1.0(mの
Sr系W型フェライト粉末を、酸素濃度150ppmの
窒素雰囲気中で、温度400〜1000℃で2時間熱処
理を行った場合の、保磁力の関係を示す。図5から、粉
砕後の熱処理が保磁力の向上に効果あることが明らかで
ある。
【0022】上記で得られた磁粉に、所定比率のゴムと
少量のシランカップリング剤を添加混合し、混合物を混
練しペレット状に破砕した後、圧延成形してゴム磁石を
製作する。ゴムの種類としては天然ゴム、ポリイソプレ
ンゴム、ブチルゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム
(NBR)、エチレンプロピレンゴム、アクリルゴム、
ニトリルゴム、シリコンゴムや、スチレン系、オレフィ
ン系、塩化ビニル系、ポリエステル系などのエラストマ
ー等がある。カップリング剤としてはシラン系、もしく
はチタン系薬品が、また磁粉の表面改質や強度の改良の
ために可塑剤、滑剤等の添加剤が用いられることがあ
る。他の成形法では、押し出し成形を用いても所望の磁
石を得ることができる。
【0023】
【実施例】「実施例1」SrCO3とFe2O3を1:
9.5のモル比で混合した原料粉末を、酸素濃度150
ppmの窒素雰囲気中、1300℃で3時間仮焼し、ア
トライタによって湿式粉砕して平均粒径0.9(mの粉
末を得た。この粉末を200℃で乾燥後、上記窒素雰囲
気中、900℃で2時間熱処理を行った。得られた粉末
の、X線分析によるモル比は、W型フェライト92%と
マグネタイト7%、その他不純物1%であった。また、
振動試料型磁力計による磁気測定の結果はBHmax=
39.8kJ/m3、Br=0.47T、HcJ=20
3kA/mであった。上記粉末に、11質量%のポリイ
ソプレンゴムと0.1質量%のシランカップリング剤を
添加混合し、2軸混練機と破砕機を用いてペレットを製
作した。続いて、ロール圧延機を使用して、シート長手
方向に400kA/mの磁界を作用させ、150℃の温
度で厚さ1.0mmのシート状の異方性磁石を得た。こ
の磁石の一部を切断して磁気測定をした結果、BHma
x=14.8kJ/m3、Br=0.28T、HcJ=
212kA/mであり、従来のM型フェライトゴム磁石
より優れた磁気特性を示した。
【0024】「実施例2」SrCO3とFe2O3を
1:9のモル比で混合した原料粉末を、酸素濃度150
ppmの窒素雰囲気中、1250℃で3時間仮焼し、ア
トライタによって湿式粉砕して平均粒径0.9(mの粉
末を得た。この粉末を200℃で乾燥後、上記窒素雰囲
気中、900℃で2時間熱処理を行った。得られた粉末
の、X線分析によるモル比は、W型フェライト90%と
M型フェライト9%、その他不純物1%であった。ま
た、振動試料型磁力計による磁気測定の結果はBHma
x=40.8kJ/m3、Br=0.47T、HcJ=
231kA/mであった。上記粉末に、12質量%のニ
トリルゴムと0.1質量%のシランカップリング剤を混
合し、押出し機を使用して放射状に異方性をもつ円筒状
磁石を得た。この磁石の磁気特性は、BHmax=1
4.3kJ/m3、Br=0.28T、HcJ=228
kA/mであった。
【0025】「実施例3」実施例2で得た粉末に、15
質量%のNBRと0.2質量%のチタンカップリング剤
を混合し、ロール圧延機を使用して150℃の温度で厚
さ0.2mmのシート状の異方性磁石を得た。この磁石
の磁気特性は、BHmax=14.0kJ/m3、Br
=0.27T、HcJ=219kA/mであった。
【0026】
【発明の効果】本発明による、W型フェライト相とM型
フェライト相若しくはマグネタイト相を複合した粉末を
用いたフェライト系ゴム磁石は、従来のM型フェライト
磁石では得られなかった高い磁気特性を有するため、高
性能で且つ安価なゴムフェライト磁石の提供を可能にす
るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1(a)(b)は、Sr系フェライト粉末
における、W型フェライト相とM型フェライト相のモル
比と、磁気特性との関係図である。
【図2】 図2(a)(b)は、Sr系フェライト粉末
における、W型フェライト相とマグネタイト相のモル比
と、磁気特性との関係図である。
【図3】図3(a)(b)は、Sr系W型フェライトの
平均粉末粒径と、磁気特性の関係図である。
【図4】図4は、Sr系W型フェライトの仮焼における
雰囲気中酸素濃度と、磁気特性の関係図である。
【図5】図5は、Sr系W型フェライト粉末の熱処理温
度と、保磁力の関係図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5E040 AB02 AB03 AB04 AB09 AC05 BB06 CA01 HB14 NN02 NN04 NN06

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Aを2価のアルカリ土類金属イオン好まし
    くはBa、Sr、Ca或いはPbのうちの1又は2以上
    とし、Bを2価の金属イオン好ましくはFe、Co、N
    i、Mn、Mg、Cr、Cu、Znのうちの1又は2以
    上としたとき、組成式AO・n(BO)・m(Fe2O
    3)で表され、係数nが1.1以上2.5以下の値を有
    し、かつ係数mが7.2以上8.8以下の値を有するフ
    ェライト系粉末材料において、一般式AO・2(BO)
    ・8(Fe2O3)で表されるW型フェライト相に、一
    般式AO・6Fe2O3で表されるM型フェライト相と
    組成式Fe3O4で表されるマグネタイト相の一種また
    は二種が複合して存在する複合粉末と、成形体質量に対
    して8〜40%のゴムとを混練成形して成ることを特徴
    とする、フェライト系ゴム磁石。
  2. 【請求項2】上記フェライト複合粉末の平均粒径が0.
    3〜3ミクロンの範囲にあることを特徴とする、請求項
    1に記載のフェライト系ゴム磁石。
  3. 【請求項3】前記フェライト系ゴム磁石の混練成形工程
    において、外部から磁界を作用させる、若しくは機械的
    な応力を加えることによって磁気的な異方性を付与せし
    めたことを特徴とする、請求項1に記載のフェライト系
    ゴム磁石。
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