JP2000322777A - 記録媒体用基板の製造方法および記録媒体用基板並びに記録媒体 - Google Patents

記録媒体用基板の製造方法および記録媒体用基板並びに記録媒体

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JP2000322777A
JP2000322777A JP11128445A JP12844599A JP2000322777A JP 2000322777 A JP2000322777 A JP 2000322777A JP 11128445 A JP11128445 A JP 11128445A JP 12844599 A JP12844599 A JP 12844599A JP 2000322777 A JP2000322777 A JP 2000322777A
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film
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Noboru Toge
登 峠
Shinji Konno
信次 今野
Kiyoshi Matsuda
潔 松田
Takeshi Kuriwada
健 栗和田
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
  • Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)
  • Manufacturing Optical Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 表面粗さ(Ra)0.1nm〜1000nm
の基板上に化学修飾剤を含む金属アルコキシド溶液を塗
布し、次いでエネルギー線を照射し現像し焼成し、微小
凹凸部を有する金属酸化物層を形成することを特徴とす
る記録媒体用基板の製造方法。 【効果】 記録媒体用基板上に微小な凹凸を短時間で且
つ安価に製造することが可能となり、又その表面性はニ
アフィールド方式等の高密度記録媒体にも適した優れた
ものとなり、工業的に極めて有効である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光磁気記録媒体、
相変化型光記憶媒体、色素含有光記憶媒体等の光記録媒
体や、ハードディスク、フロッピーディスク等の磁気記
録媒体等に用いる記録媒体用基板の製造方法およびこれ
を用いた記録媒体用基板、ならびに記録媒体に存する。
特に光学系を有する記録/再生ヘッドが記録層に近接、
あるいは接して記録/再生を行う光記録媒体に適した記
録媒体用基板の製造方法に存する。
【0002】
【従来の技術】レーザーによる情報記録/再生可能な光
記録媒体(以下光ディスクと呼ぶ)は、従来の記録媒体
に比し、記録容量が大きく且つランダムアクセスが可能
であることから、オーディオソフト、コンピュータソフ
ト、ゲームソフト、電子出版などの分野における記録媒
体として、広く利用されている。
【0003】さらに、コンピュータ技術の発展に伴い、
記録装置の容量は拡大の一途をたどっている。従来の光
ディスクには、読み出し専用型(ROM)、書き換え型
(RAM)、ライトワンス型等があり、これらの媒体で
は光ディスク基板の記録面と反対側に光ヘッドが設けら
れているため、光ヘッドから出射した読み出し光、或い
は記録光は基板を通過して記録面に到達する、いわゆる
基板面入射方式が採られている。これらの光が記録面で
焦点を結ぶよう、光ヘッドにはアクチュエータによって
焦点軸方向に可動な対物レンズが設けられているため、
光ヘッドとディスクとの距離は通常1mm程度である。
一方、近年では、大容量かつ高速アクセス可能な記録
再生装置として、既存の各種光ディスクを磁気記録媒体
(ハードディスク)技術と融合したものが提案されてい
る。(例えば、日経メカニカル1998年5月号、N
o.524、P58等)
【0004】すなわち、光ディスクの記録面に対し光ヘ
ッドを対向させて設け、基板を介さずに、いわゆる膜面
入射により情報の記録/再生を行う。従来の基板面入射
方式では基板の傾きや基板厚さの誤差等により光スポッ
トの収差が増大するために、対物レンズの開口数を大き
くすることができなかったが、膜面入射方式により対物
レンズの開口数を大きくし、光スポットを小さくするこ
とで、光ディスクの大容量化とハードディスクのような
高速アクセスを可能とするものである。(この方式を以
下、「ニアフィールド方式」と呼ぶ。)
【0005】ニアフィールド方式においては光ディスク
と光ヘッドとの距離はそれぞれの光ヘッドにより異なる
が、通常5μm以下に設定されている。浮上式のスライ
ダにレンズや反射鏡、或いは光ファイバーなどを設置し
た浮上型ヘッドでは、この距離を保つために、スライダ
部をディスクに押しつける支持アーム部のバネ圧と、浮
上に必要な浮力を得るためのスライダ部の面積や形状が
設定される。
【0006】外部から送られてきた情報を光ディスクに
記録する場合には、光ヘッドは予め記録されているプリ
フォーマットを元に、アドレス情報(基板上の物理的な
位置)を検出し、対向する光ディスクの記録層に情報を
記録する。光ディスクに記録された情報を再生する場合
は、記録されている情報の位置を光ヘッドにより検索
し、読み出す。このときに、再生信号強度を最大にする
ように光のヘッドは、記録されている情報に対して、サ
ーボ調整を行う場合もある。
【0007】ディスクの回転が停止したときのヘッドの
位置は、いわゆるCSS方式のようにディスクに接触し
た状態になっていても、ロード・アンロード方式のよう
にディスクの回転時のみディスクと近接或いは接してお
り、ディスクの停止時にはディスクから離れた場所で停
止していてもよい。また近年、光ディスク等を用いた記
録再生装置は、記憶容量の向上、データ転送レートの高
速化に伴い、ディスクの回転数は、例えば4500rp
mから5400rpm、更には7200rpmと高速化
しつつある。
【0008】また従来から光ディスクにおいては、その
基板表面等に略円周方向状のプリフォーマットを設けて
おり、具体的には記録情報(例えば、トラックアドレス
やセクターアドレスなどのアドレス情報、回転同期情
報、トラッキングサーボ情報等)のための微細な凹凸部
(ピット)からなるパターン加工を施してある。近年で
は磁気記録媒体においてもデータトラックを凸部上に設
けるディスクリート・トラック方式のものが提案されて
いる。このピットを形成する方法としては例えば、樹脂
を射出成形して凹凸を形成する方法や、金属製の型(ス
タンパー)を用いて光硬化型樹脂に押圧して形成する方
法、更にはガラス等の基板を用いる際には、その表面に
ゾルゲル法等を用いてピットを有する金属酸化物層を形
成する方法等がある。
【0009】ゾルゲル法を用いて、ピットを形成する方
法は、特公平7−105073号公報、特開平6−16
6501号公報等に記載されている。金属アルコキシド
を出発原料とするゾルゲル法は、合成温度が低く、且つ
組成の制御が容易なので大気中で行うことができる等の
特徴を有している。しかし、金属アルコキシドは水との
反応性が高く、加水分解過程で沈殿を生じやすいため、
均一なゾルゲルを得るために反応制御の目的で化学修飾
剤を用いることも知られている。例えば化学修飾剤とし
てβ−ジケトンを用いて金属アルコキシドを化学修飾す
ると、加水分解速度を制御できるだけでなく、光感応性
を有するゲル膜が得られることが知られている。これは
すなわち、化学修飾された金属アルコキシドからなるゲ
ル膜に紫外線等のエネルギー線を照射すると、照射され
た部分はゲル膜中のキレート環が分解され、それに伴う
構造変化の結果、酸性水溶液や有機溶媒等に対して不溶
化することによる。これに類する技術としては、特公平
7−105073号公報に記載があり、ガラス基板にゾ
ルゲル膜を塗布した後、ウエットな状態でスタンパーを
押し当てて、加熱し、スタンパーを剥離して、ピットを
形成する方法が記載されている。
【0010】また、特開平6−166501号公報に
は、原料に光吸収波長を変える修飾剤としてβ−ジケト
ン等の錯化剤を添加するゾルゲル法が記載されている。
そしてこのようなピットを設ける、記録媒体に用いる基
板については、光ディスク、磁気記録媒体ともに、その
上に設ける層(例えば記録層)表面に平滑性が要求され
ていることから、近年、極めて低い表面粗さが要求され
てきている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】磁気記録媒体では、従
来平滑な基板表面粗さを確保するためにポリッシングや
ラッピングを数回繰り返して、基板表面を平滑な面とし
て確保している。特に最終ラッピングに時間がかかり、
その為に製品が高価となる。これは、フライングヘッド
のフライングハイトが低くなり、高密度記録可能なもの
となるためである。また上述してきたようなニアフィー
ルド方式の光ディスクに関しても、従来の光ディスクで
は光ヘッドとの距離は通常1mm或いはそれ以上あった
のに対し、その距離は極めて近接しているため、同様の
平滑性が要求されている。具体的には表面粗さは、Ra
として5nm以下、中でも1nm以下、特に0.5nm
以下と低いことが望まれている。
【0012】ヘッドとの距離が近接しているため、光デ
ィスクの振動によってヘッドとの相対的な位置が僅かに
ずれたり、相対的な角度が僅かに変化する。そしてニア
フィールド方式では、例えば光ディスク記録再生装置に
外部から振動が加わった場合に光ディスク(基板)が、
例えば基板の固有振動数で振動するが、この振動振幅が
大きい場合には、サーボ信号が悪影響を受けて情報記録
再生時に光ヘッドが情報記録トラックからはずれたり、
記録情報信号品質が低下したりする。また浮上型ヘッド
の場合、ヘッドの浮上量が不安定になり、ヘッドがディ
スクに衝突し、衝突部分の記録再生が不可能になった
り、ヘッドが破損して記録再生が全くできなくなること
もある。
【0013】また、記録再生装置内部で光ディスクが高
速で回転することにより受ける空気の抵抗によっても光
ディスク(基板)が振動する。この自励振動は振幅が5
μm(すなわちピーク トゥ ピークで10μm)を超
えると、上述のようなサーボ信号の乱れや記録情報信号
の品質低下の問題が生じる。このようにニアフィールド
方式では、従来に比べてディスク基板の表面荒さ、およ
びその振動が極めて小さいことが要求される。
【0014】さらにはピットの形成においても、例えば
先述の特公平7−105073号公報に記載の方法で
は、基板両面へのピットの形成は生産技術上問題がある
ばかりか、ピットの精度が1μm以下となるとスタンパ
ーを均一に押圧することが非常に困難であり実用的でな
く、また特開平6−166501号公報に記載の方法で
は、ピットのピッチが0.1mm程度であり、記録媒体
用として要求される1〜2μmまたはこれ以下の超微小
のピット加工にはそのまま適用できないという欠点があ
った。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者らが鋭意検討し
た結果、特定の表面粗さを有する基板上に、化学修飾
剤、好ましくはさらに増感剤を含む金属アルコキシド溶
液を塗布し、次いでエネルギー線を照射し、現像し焼成
し、微小凹凸部(ピット)を有する金属酸化物層を形成
することで、ピットを有する層が剥離することなく、加
工性に優れたトラッキングサーボ情報等に有用なピット
を有する、記録媒体用基板を安価に提供することを見出
し、本発明を完成させた。
【0016】即ち本発明の要旨は、表面粗さ(Ra)
0.1nm〜1000nmの基板上に化学修飾剤を含む
金属アルコキシド溶液を塗布し、次いでエネルギー線を
照射し、現像し、焼成し、微小凹凸部を有する金属酸化
物層を形成することを特徴とする記録媒体用基板の製造
方法に存する。本発明の別の要旨は、上述の製造方法に
よって得られる記録媒体用基板であって、金属酸化物層
の表面粗さ(Ra)が0.01nm〜10nmである記
録媒体用基板に存する。更に本発明の今一つの要旨は、
この記録媒体用基板を用いた記録媒体に存する。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明で用いられる金属アルコキシドとしては、
任意の各種金属アルコキシドを用いることが出来る。例
えば、Si、Ti、Zr、Al、Ca、Sr、Ba、
Y、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Fe、Co、N
i、Cu、Pb、P、Bi等の単一元素系のみならず、
これらを組み合わせた多金属元素系を用いてもよい。通
常、Si、Ti、Al、Zr、Nb、Ta等を用い、中
でも化学修飾剤との反応性、修飾されたアルコキシドの
安定性等の理由からSi、Al、Ti、Zrが好まし
い。そして後述する製造方法により得られる金属酸化物
は、上記の金属のうち一つ以上の金属元素と酸素の化合
物であって、SiO2 、Al2 3 、TiO2 、ZrO
2 のような単一金属元素系の酸化物のみならず、BaT
iO3や、Pb(Zr3 Ti)O3 (PZT)、(P
b、La)(Zr、Ti)O3 (PLZT)のような多
金属元素系の複合酸化物も含む。また、SiO2 ・Al
23 、SiO2 ・TiO2 、SiO2 ・ZrO2 、T
iO2 ・ZrO2 などのように二つ以上の酸化物の混合
物であってもよい。
【0018】金属アルコキシドを構成するアルコキシル
基も適宜選択すれば良く、例えばメトキシ基、エトキシ
基、プロポキシ基、ブトキシ基、フェノキシ基等が挙げ
られ、中でもエトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等
が金属アルコキシドの安定性等の理由から好ましい。溶
媒としては、金属アルコキシドに対して適度な溶解性を
持つものであれは任意のものが使用でき、例えばメタノ
ール、エタノール、イソプロピルアルコール等が挙げら
れる。中でも金属アルコキシドの溶解性、沸点、安全性
等の理由からエタノール、イソプロピルアルコールが好
ましい。
【0019】金属アルコキシド溶液としての濃度は適宜
選択すればよいが、通常1〜30重量%、中でも5〜2
0重量%であることが好ましい。本発明に於いては、金
属アルコキシド溶液に添加することにより該溶液の加水
分解速度を制御する機能又は光感応性を付与する機能を
有する化学修飾剤を含有させる。化学修飾剤としては例
えばアセチルアセトン等のβ−ジケトン類、アセト酢酸
エチル等のβ−ケトン酸エステル類、及びアミン類が挙
げられ、中でも光感応性の向上や、金属アルコキシド溶
液の光吸収を長波長側へシフト出来、利用可能な光源の
選択範囲が広がる等の理由からβ−ジケトン類が好まし
く、特にアセチルアセトン、ベンゾイルアセトン、アセ
ト酢酸エチルが好ましい。
【0020】化学修飾剤は、金属アルコキシドの種類や
溶液に於ける濃度によって適宜添加量を決定すればよい
が、通常、金属アルコキシドに対して0.5〜4.0モ
ル、中でも1.0〜2.0モルが好ましい。また本発明
では、金属アルコキシド溶液に、紫外線等のエネルギー
線の照射時間の短縮と、ピットの形状を1〜2μm以下
の超微細なものとする等の理由から増感剤、特に量子収
率が高い、三重項状態寿命が長い等の特性を有するもの
を用いるのが好ましく、例えば具体的にはベンゾフェノ
ン、アセトフェノン、4-メチルアセトフェノン、ベン
ズアルデヒド、トリフェニレン等が挙げられ、中でもベ
ンゾフェノン、アセトフェノンが溶解度、増感効果の高
さ等の理由から好ましい。
【0021】増感剤は、金属アルコキシドや化学修飾剤
の種類や溶液に於ける濃度によって適宜添加量を決定す
ればよいが、通常、金属アルコキシドに対して0.1〜
1.5モル、中でも0.5〜1.0モルであることが好
ましい。金属アルコキシド溶液を基板へ塗布する方法と
しては、従来公知の任意の方法を用いることが出来る。
例えばスピンコート法、ディップコート法等が挙げられ
る。金属アルコキシド溶液を塗布後、乾燥させてからエ
ネルギー線を照射する。金属アルコキシド溶液は、この
乾燥後の膜厚が記録媒体のピット形成に際して所望の値
となるように、適宜膜厚を調整して塗布すればよいが、
通常、乾燥後で0.1〜1μm、中でも0.1〜0.5
μmとなるように塗布するのが好ましい。また、一般的
にディスク基板への塗布においては、ディスク周部の膜
厚が一部厚くなり、凸部を形成することがあるが、発明
に於いては、基板上に適度な粘度をもつゾルゲル膜を塗
布し乾燥することで、塗布時のレベリング効果により塗
布乾燥後の膜が平滑性に優れたものとなり、例えば外周
部から0.5mmの所の凸部高さを5μm以下、さらに
は3μm以下とすることが出来、これはロード・アンロ
ード方式、フライングヘッドがディスク外周部への衝突
防止に有効である。そしてこの膜にピットを形成し、焼
成することで、ピットを有する、表面粗さ(Ra)が
0.01nm〜10nm、好ましくは0.05〜5n
m、特に好ましくは0.1〜1nmの、平滑性に優れた
金属酸化物層を安価に製造できる。この様に優れた平面
平滑性を出すためには、先述の金属アルコキシドや化学
修飾剤、増感剤等を適宜選択しまたは溶液濃度を調整し
粘度を調整すればよい。通常、溶液の粘度は1〜100
cP好ましくは2〜20cPである。
【0022】塗膜形成後、乾燥させた膜にエネルギー
線、例えば紫外線(UV)を照射して、露光する。この
際には通常、形成したい所望のピットパターンに対応し
たマスクを介してUV露光する。露光方法としては、マ
スクを密着させて行う密着露光や、マスクと基板をわず
かに、通常は、1〜20μm離して露光するプロキシミ
ティー露光等が挙げられる。UVの波長としては使用す
る化学修飾剤の最大吸収波長と、さらに増感剤の効果が
最大限に発揮される波長であることが好ましく、波長は
通常200〜400nm、好ましくは300〜350n
mである。
【0023】エネルギー線による露光後、基板を酸性水
溶液等で現像して、不要な金属アルコキシド層を取り除
くことで、微細なピット加工を行う。現像液としては、
例えば硝酸、塩酸、硫酸等の酸性水溶液が用いられ、ま
た化学修飾剤の種類によっては、メタノール、エタノー
ル、イソプロピルアルコール、アセトンなどの有機溶媒
を用いることができる。酸性水溶液の中では残留イオン
の少なさから硝酸が好ましく、酸性水溶液の濃度は、金
属アルコキシドの種類や化学修飾剤の種類および量等に
よって適宜選択すればよいが、通常1〜3重量%であ
る。
【0024】そしてピット加工された基板を焼成するこ
とによって、ピット加工された緻密な金属酸化膜を有す
る、記録媒体用基板が得られる。焼成温度は通常、30
0〜500℃である。ピットの深さとしては、用いる記
録媒体の特性に合わせて適宜選択すればよいが、通常3
0〜500nm、中でも50〜200nmであることが
好ましい。さらには、このピットの凹部底面が基板に達
していないことが好ましい。これは基板として後述する
ような安価なソーダライムガラスを用いた場合におい
て、本発明の様に基板表面に金属酸化膜を形成すること
で、記録媒体のエラーレート増加の原因であるガラス基
板から基板表面へのナトリウムイオンの溶出を防止する
ためである。つまり、本発明においては基板表面に形成
したピットを有する金属酸化膜がパシベーション効果を
も発揮するのである。
【0025】また本発明においては、記録媒体の特性に
合わせて、ピットを有する金属酸化物層を基板の表裏両
面に設けて、両面に情報記録可能な記録媒体とするのが
好ましい。基板の表裏両面にピットを有する金属酸化物
層を形成する方法としては、例えば透明なガラス板の様
な、ピット形成時のエネルギー線を透過するような基板
を用いた場合には、基板の片面において先述の様にピッ
ト加工し、金属酸化物層を形成した後、もう一方の面に
同様の手順で工程を繰り返してピット加工する。またエ
ネルギー線を通さないガラス又はアルミニウム合金等を
基板として用いた場合には、浸漬塗布等によって基板の
表裏両面に金属アルコキシド溶液を塗布し、両面にピッ
トパターンに対応したマスクを密着又は近接させて、両
面同時露光、現像、焼成を行うことにより、基板両面に
ピット加工を行えばよい。
【0026】基板の表面粗さ(Ra)は、0.1nm〜
1000nmであり、中でも1〜100nm、特に5〜
20nmであることが金属酸化物層との接着状態が良好
となるので好ましい。そして本発明においては従来の様
な基板ポリッシング等を行わずとも、先述のレベリング
効果によって、金属酸化物層表面の表面粗さ(Ra)が
0.01〜10nmという優れたものになり、これを安
価に、短時間に製造することを可能とした。
【0027】本発明に用いる基板としては、例えばAl
−Mg合金等のアルミニウム合金、ソーダライムガラ
ス、アルミノシリケート系ガラス、結晶化ガラス等のガ
ラス基板等が使用される。ガラス基板を用いる場合、記
録媒体用基板としての信頼性の観点からみると化学強化
を施されたものが好ましい。また、基板の固有振動数は
300Hz以上、中でも1000Hz以上のものが好ま
しい。これは例えば、ニアフィールド方式に用いる光デ
ィスクなどは、光ヘッドと光ディスク(基板)との距離
が極めて近接しているため、情報記録再生において外部
からの振動及びディスク回転による基板の振動に影響を
受けやすく、特に外部からの力による振動は、各種の周
波数成分を持つので、基板の固有振動数が300Hzに
満たないと共振時の基板の振動が著しく大きくなる。よ
って基板の固有振動数を大きくし情報記録再生への影響
を小さくするためである。
【0028】基板の固有振動数は、基板の形状、密度、
縦弾性率等で決まり、縦弾性率、密度の1/2乗に比例
する。同じ形状であれば、縦弾性率の大きいものを選択
すれば、固有振動数を大きくでき、外部から力によるの
振動及び基板回転による基板の振動を小さくできるの
で、本発明に用いる基板としては、その縦弾性率が60
GPa以上であるものが好ましく、具体的には先述した
アルミニウム合金や結晶化ガラス等のガラス基板等が挙
げられる。本発明における記録媒体は、先述してきた製
造方法により得られた、ピットを有する金属酸化物層を
設けた基板上に、記録層、保護層等を積層すること製造
することができる。
【0029】例えば光ディスクの場合には、光記録層と
しては、各種のものを採用することができ、例えば光磁
気記録層や相変化型記録層、色素型記録層が挙げられ
る。また、層構成としても特に制限はなく、各種層構成
を採用することができる。光磁気記録層としては、例え
ばTbFe、TbFeCo、TbCo、GdFeCo、
DyTbFeCo等の希土類と遷移金属との非晶質磁性
膜、MnBi、MnCuBi等の多結晶垂直磁化膜、P
t/Co多層膜等が用いられる。
【0030】光磁気記録層は単層であっても良いし、オ
ーバーライトやMSRを可能とするために、GdTbF
e/TbFeのように2層以上の磁性層を重ねて用いて
も良い。相変化形記録層としては、例えばGeSbTe
やInSbTe、AgSbTe、AgInSbTe等の
化合物が使用できる。好ましくは、{(Sb2 Te3 )
1-x (GeTe)x }1-y Sby (0.2<x<0.
9、0≦y<0.1)合金、及び該3元合金に10原子
%程度までのIn、Ga、Zn、Sn、Si、Cu、A
u、Ag、Pd、Pt、Pb、Cr、Co、O、S、S
e、Ta、Nb、Vのうち少なくとも1種を含む合金薄
膜が挙げられる。
【0031】あるいは高速でのオーバーライトが可能な
材料として、Sb70Te30共晶点近傍のSbTe合金を
主成分とする、MSbTe(M=In、Ga、Zn、G
e、Sn、Si、Cu、Au、Ag、Pd、Pt、P
b、Cr、Co、O、S、Se、Ta、Nb、Vのうち
少なくとも1種)合金薄膜が好ましい。必要に応じ、金
属酸化物層と記録層との間に反射層を設けることが好ま
しい。反射層としては高反射率の金属または合金が用い
られる。例えばAl、Ag、Au、Cuやこれを主成分
とする合金である。
【0032】光記録層上には耐候性、高硬度、高滑性な
どの性質を備えた透明中間層を設ける。中間層の材質は
これら性質を考慮の上選ばれる。耐候性、高硬度といっ
た点では誘電体が好ましい。誘電体として金属酸化物、
窒化物、カルコゲン化物、炭化物、フッ化物、及びその
混合物などが用いられる。金属酸化物としてはAl2
3 、Ta2 5 、SiO2 、SiO、TiO2 等の金属
酸化物単独又はこれらの混合物、或いはAl−Ta−O
の複合酸化物等が挙げられる。金属窒化物としては、窒
化ケイ素、窒化アルミニウム等が挙げられる。
【0033】カルコゲン化物としては、ZnS、ZnS
e等のカルコゲン化亜鉛、CdS、CdSe等のII−V
族化合物、La2 3 、Ce2 3 等の希土類硫化物、
TaS2 、MgS、CaS等があげられる。カルコゲン
化亜鉛は化学的にも安定で、その中でも特にZnSは毒
性も低く最も好ましい。これら誘電体層の形成方法とし
ては、蒸着やスパッタリングが挙げられるが、スパッタ
リングがより好ましい。滑性に優れた材質としては炭素
膜、水素化カーボン膜、窒素化カーボン膜、TiC、S
iC等の炭化膜、SiN、TiN等の窒化膜、SiO、
Al2 3 、ZrO等の酸化物膜等によって構成され、
通常、スパッタ法等により形成される。好ましくは、炭
素膜、水素化カーボン膜及び窒素化カーボン膜である。
【0034】水素化カーボン膜は、水素と炭素を含有す
る膜であればよく、特に限定されるものではなく、例え
ばカーボンターゲットを用いて、スパッタガス(通常
は、アルゴンなどの不活性ガスを用いる。)と水素ガス
を含むプラズマ中でスパッタリングする方法により形成
することができる。窒素化カーボン膜は、窒素と炭素を
含有する膜であればよく、特に限定されるものではな
く、例えばカーボンターゲットを用いて、スパッタガス
と窒素ガス一酸化窒素ガス、二酸化窒素ガス、アンモニ
アガスなどの窒素含有あるいは空気などの窒素ガス含有
ガスを含むプラズマ中でスパッタリングすることにより
形成することができる。例えば空気を用いた場合、スパ
ッタ雰囲気中の空気の含有量は、通常、2〜20体積%
である。
【0035】また、例えば、スパッタガス中に水素ガス
及び窒素(含有)ガスを同時に混入させることにより、
水素化かつ窒素化したカーボン膜を形成することもでき
る。中間層は保護層及び滑性層としての役割を有する
が、これを複数層としてもよい。例えば記録層に接する
側に耐候性に優れ硬度の高い保護層を、潤滑層に接する
側に滑性に優れた滑性層を設けると、全体として両方に
優れた性質を得ることができ、好ましい。光磁気ディス
クの場合、中間層は記録再生に使用するレーザー波長の
吸収係数が小さい光学的に透明なものを採用することが
好ましい。水素化カーボン膜は、炭素膜、窒素化カーボ
ン膜に比べて吸収係数が小さいため、最も好ましく用い
られる。少くとも中間層の最表面層を水素化カーボン層
とすることが好ましい。
【0036】光磁気記録層に接する層としては、窒化シ
リコン、SiO2 、Ta2 5 などが好適に用いられ
る。相変化型記録層に接する層としては、ZnSと金属
酸化物の混合物が好適に用いられる。さらに、基板ある
いは反射層と、記録層との間に、光を干渉させ増幅させ
る目的や記録層保護の目的等で透明中間層を設けても良
い。この場合の材質としては、上述した誘電体等が好ま
しく用いられる。基板、記録層、透明中間層の上に、潤
滑剤を塗布して透明潤滑層を形成する。潤滑剤として
は、数平均分子量3000〜10000で、特に分子量
2000以下の成分の含有量が5重量%以下のポリマ
ー、具体的にはパーフルオロポリエーテル類等が好まし
い。
【0037】潤滑剤の塗布方法は、ディップコート法、
スピンコート法、ロールコート法など様々なものが適用
できるが、塗布の容易さやタクトタイムの短縮を考慮す
ると潤滑剤溶液に浸漬して潤滑剤を塗布するディップコ
ート法が好ましい。なお、樹脂基板は比重が軽く潤滑剤
溶液との比重差により媒体が浮上するのを防止するた
め、基板を保持する装置を工夫する必要がある。例え
ば、基板を外周部または内周部で支持した状態でディッ
プコートを行うのが好ましい。
【0038】潤滑剤としては、パーフルオロポリエーテ
ル、パークロロポリエーテル等が挙げられ、特に主鎖に
−Cn F2nO−単位(但し、nは1〜4の整数)を有
し、末端に−OHやエステル結合の官能基を有するパー
フルオロポリエーテルが好ましい。例えば、アウジモン
ト社製Fomblin−ZdolタイプはCF2 CF2
OとCF2 Oの重合体で直鎖構造を有し、両末端にヒド
ロキシル基−OHを有するものが挙げられる。潤滑剤の
平均分子量としては3000以上であることが好まし
い。3000以下では、情報記録再生様のレーザー照射
による蒸発が生じやすく、レーザー光を集光するディス
ク近傍のレンズを汚染し、実効的レーザーパワーの低下
や、再生信号のノイズ上昇を招くといった問題があるた
め好ましくない。また平均分子量が10000を超える
高分子では粘度が必要以上に高く耐久性が悪化するので
好ましくない。
【0039】潤滑剤の分子量が2000以下の成分の含
有量は5重量%以下が好ましく、少しでも少ない方がよ
り好ましい。分子量が2000以下の成分は蒸発性が高
いためレンズ汚染の問題が発生し好ましくない。特に5
重量%を超えると蒸発成分による汚染が顕在化し、好ま
しくない。潤滑層の厚みとしては0.5〜20nm、好
ましくは0.5〜10nmである。膜厚が0.5nmに
満たないと潤滑性が不足し、ヘッドがディスクに接触し
た際に損傷する可能性が高く好ましくない。また膜厚が
20nmを越えるとヘッドがディスクに接触した時に、
潤滑剤のヘッドへの転写が避けられず、その結果ヘッド
が汚染するため好ましくない。
【0040】潤滑剤の減量温度としては200℃を越え
ることが好ましい。ここで減量温度とは、大気圧の状態
で温度を上昇させていったときに、蒸発・分解等で重量
が減じる温度のことである。一般的に分子量が大きいほ
ど高い値を示す。潤滑剤においては末端官能基が同一の
ものであれば、主鎖が長いほど分子量並びに減量温度は
高い。減量温度の具体的な測定方法としては、市販のT
G−DTAと呼ばれる分析装置、例えばセイコー社TG
−DTA320を用いて、温度−潤滑剤重量比曲線から
求められる。減量温度が200℃に満たない場合は記録
再生時のレーザー照射による潤滑剤の蒸発が活発に生
じ、蒸発した潤滑剤分子が光ヘッドに付着・汚染するた
め好ましくない。
【0041】またこれら潤滑剤を溶解させる溶媒として
は例えばフロン系、アルコール系、炭化水素系、ケトン
系、エーテル系、フッ素系、芳香族系等の溶媒のうちデ
ィップ法に適した溶媒が好ましく用いられる。本発明の
光記録媒体は、浮上型あるいは接触型のヘッドを有する
記録装置に好適に使用される。磁気記録媒体の場合に
は、基板表面に設けた、ピットを有する金属酸化物層上
にNiP等の非磁性金属被覆層を形成するのが好まし
く、この上に、下地層、中間層、磁性層、保護層、潤滑
層等を設ける。
【0042】磁気記録媒体における基板としては、光デ
ィスクと同様であるが、テキスチャリング溝に沿って磁
化容易軸を配向させるという観点から必要に応じて、デ
ィスクであれば同心状にテキスチャリングを行ってから
金属酸化物層を設けてもよい。本発明において同心状テ
キスチャリングとは、例えば遊離砥粒とテキスチャーテ
ープを使用した機械式テキスチャリングやレーザー光線
などを利用したテキスチャリング加工、又はこれらを併
用することによって、円周方向に研磨することによって
基板円周方向に微小溝を多数形成した状態を指称する。
【0043】NiP等の非磁性金属被覆層を形成する手
法としては、無電解めっき法、スパッタリング法、真空
蒸着法、CVD法など薄膜形成に用いられる方法を利用
することができる。導電性の材料からなる基板の場合で
あれば電解めっきを使用することが可能である。非磁性
金属被覆層の膜厚は50nm以上あればよい。ただし、
磁気記録媒体の生産性などを考慮すると50nm以上5
00nm以下であることが好ましい。さらに好ましくは
50nm以上300nm以下である。また、非磁性金属
被覆層を成膜する領域は基板表面全域が望ましいが、一
部だけ、例えばテキスチャリングを施す領域のみでも実
施可能である。
【0044】次に金属酸化物層(又はNiPの様な非磁
性金属層)上には、Co合金磁性層を形成するが、さら
にはこの被覆層と磁性層との間にCrを主成分とする下
地層等を形成することが好ましい。Crを主成分とする
下地層を設ける目的は、主としてCo合金磁性層の結晶
を微細化ならびにその結晶面の配向を制御することにあ
る。
【0045】Crを主成分とする下地層の材料として
は、純Crの他、Co層との結晶マッチングなどの目的
でCrにV、Ti、Mo、Zr、Hf、Ta、W、G
e、Nb、Si、Cu、Bなどの第二、第三元素を添加
したものや、酸化Crなども含む。中でも純CrやT
i、Mo、W、V、Ta、Si、Nb、Zr及びHfを
有するものが好ましい。これら第二、第三元素の含有量
はそれぞれの元素によって最適な量が異なるが、一般に
は1原子%〜50原子%、好ましくは5原子%〜30原
子%、さらに好ましくは5原子%〜20原子%の範囲で
ある。
【0046】尚、この下地層と磁性層との間にさらに、
非磁性CoCr等の中間層やB2結晶構造を有する下地
層を設けても良い。Co合金磁性層としては、通常、純
CoやCoNi、CoSm、CoCrTa、CoNiC
r、CoCrPtなどの磁性材料として一般に用いられ
るCo合金磁性材料を用いる。これらのCo合金に更に
Ni、Cr、Pt、Ta、W、Bなどの元素やSiO2
等の化合物を加えたものでも良い。例えばCoCrPt
Ta、CoCrPtB、CoNiPt、CoNiCrP
tB等が挙げられる。Co合金磁性層の膜厚は任意であ
るが、通常5〜50nm、好ましくは10〜30nmで
ある。
【0047】一般的には磁性層上には、任意の保護層を
形成し、次いで潤滑層を形成する。保護層としては、
C、水素化C、窒素化C、アルモファスC、SiC等の
炭素質層やSiO2 、Zr2 3 、TiNなど、通常用
いられる保護層材料を用いることができる。また、保護
層が2層以上の層から構成されていてもよい。保護層の
膜厚は1〜50nm、特に5〜30nmが好ましい。潤
滑層に用いる潤滑剤としては、光ディスクと同様であ
る。尚、本発明の磁気記録媒体においてはさらに、磁性
層を2種以上の積層構造としたものとしてもよい。
【0048】磁気記録媒体の各層を形成する成膜方法と
しては任意であるが、例えば直流(マグネトロン)スパ
ッタリング法、高周波(マグネトロン)スパッタリング
法、ECRスパッタリング法、真空蒸着法などの物理的
蒸着法が挙げられる。又、成膜時の条件としても特に制
限はなく、到達真空度、基板加熱の方式と基板温度、ス
パッタリングガス圧、バイアス電圧等は、成膜装置によ
り適宜決定すればよい。例えば、スパッタリング成膜で
は、通常の場合、到達真空度は1×10-6Torr以
下、基板温度は室温〜400℃、スパッタリングガス圧
は1×10-3〜20×10-3Torr、バイアス電圧は
一般的には0〜−500Vである。
【0049】成膜に当たっては、磁性層のCrの偏析を
促進するために、一般に非磁性基板を100〜350℃
程度に加熱することが好ましい。基板加熱は、下地層形
成前に行っても良いし、熱吸収率が低い透明な基板を使
用する場合には、熱吸収率を高くするため、下地層を形
成してから基板を加熱しても良い。
【0050】
【実施例】以下に実施例を示し本発明を更に具体的に説
明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実
施例に制限されるものではない。また実施例に於いては
表面粗さ(Ra)は、テンコール(P−10)を使用し
た。またピットの観察は、セイコーインスメンツ社製の
AFMを使用して、測定したものである。 実施例1 以下に示した基板及び感光性ゾルゲル溶液を用い、該基
板上にゾルゲル溶液を回転数1800rpm、乾燥後の
金属酸化物層膜厚が0.3μmとなるようにスピンコー
ト塗布し、塗布後に80℃0.5時間乾燥し、金属酸化
物層を設けた。
【0051】次いでこれにピットパターンに対応したマ
スクを用い、紫外線(波長:320nm)を用いて露光
し(露光時間:1分)、1.2重量%硝酸水溶液で現像
した後、450℃、10分間乾燥してピットを形成
し、、記録媒体用基板を得た。この記録媒体用基板の表
面粗さ(Ra)は、1nmで、AFM観察した結果、表
面のピットの凹凸パターンがマスク通りの1μm/1μ
mのライン/グルーブとして形成されていた。 基板 :ソーダライムガラス 外径φ65 内径φ24 厚さ0.65mm 表面粗さRa=10nm、縦弾性率 72GPa ゾルゲル液:アルミニウム−sec−ブトキシド 14.7重量部 化学修飾剤: ベンゾイルアセトン 4.8重量部 増感剤 : ベンゾフェノン 8.7重量部 溶媒 : イソプロピルアルコール 71.8重量部
【0052】実施例2 以下に示した基板及び感光性ゾルゲル溶液を用い、該基
板上にゾルゲル溶液を回転数1800rpm、乾燥後の
金属酸化物層膜厚が0.3μmとなるようにスピンコー
ト塗布し、塗布後に80℃0.5時間乾燥し、金属酸化
物層を設けた。次いでこれにピットパターンに対応した
マスクを用い、紫外線(波長:320nm)を用いて露
光し(露光時間:1分)、1.2重量%硝酸水溶液で現
像した後、450℃、10分間乾燥してピットを形成
し、記録媒体用基板を得た。この記録媒体用基板の表面
粗さ(Ra)は0.5nmで、AFM観察した結果、表
面のピットの凹凸パターンがマスク通りの1μm/1μ
mのライン/グルーブとして形成されていた。 基板 :結晶化ガラス 外径φ65 内径φ24 厚さ0.65mm 表面粗さRa=2nm、縦弾性率 85GPa ゾルゲル液:テトラ(n−ブトキシ)ジルコニウム 15.9重量部 化学修飾剤: アセチルアセトン 4.1重量部 増感剤 : ベンゾフェノン 3.8重量部 溶媒 : エタノール 76.2重量部
【0053】実施例3 実施例2と同様に、まず基板片面にピットパターンを形
成し、その後、このパターンを形成した基板反対面に
も、スピンコートによりゾルゲル溶液を塗布し、乾燥
後、基板の反対面から紫外線(波長:320nm)を用
いて同様に露光し現像、乾燥し)ピットパターンを形成
した。AFMで観察したところ、表裏の2面共、マスク
通りの1μm/1μmのライン/グルーブが形成されて
いることを確認した。
【0054】
【発明の効果】本発明によって、記録媒体用基板上に微
小な凹凸を短時間で且つ安価に製造することが可能とな
り、又その表面性はニアフィールド方式等の高密度記録
媒体にも適した優れたものとなり、工業的に極めて有効
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 11/10 541 G11B 11/10 541D (72)発明者 栗和田 健 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内 Fターム(参考) 5D029 HA04 KA23 KA24 KB11 KB14 KC01 KC17 LB01 5D075 EE03 FG17 FH02 GG12 GG16 5D112 AA02 AA05 AA07 BA03 BA06 BB01 BC03 BC07 FA04 GA02 GA19 GB02 5D121 AA02 GG02 GG11 GG16 GG28

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面粗さ(Ra)0.1nm〜1000
    nmの基板上に化学修飾剤を含む金属アルコキシド溶液
    を塗布し、次いでエネルギー線を照射し現像し焼成し、
    微小凹凸部を有する金属酸化物層を形成することを特徴
    とする記録媒体用基板の製造方法。
  2. 【請求項2】 記録媒体用基板の縦弾性率が60GPa
    以上であることを特徴とする請求項1に記載の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の製造方法によ
    り得られる記録媒体用基板であって、金属酸化物層の表
    面粗さ(Ra)が0.01nm〜10nmであることを
    特徴とする記録媒体用基板。
  4. 【請求項4】 基板の表裏両面上に微小凹凸部を有する
    金属酸化物層を有することを特徴とする請求項3に記載
    の記録媒体用基板。
  5. 【請求項5】 請求項3または4に記載の記録媒体用基
    板上に少なくとも記録層および保護層をこの順に設けて
    なる記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2014136643A1 (ja) * 2013-03-04 2017-02-09 出光興産株式会社 潤滑油組成物

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