JP3687369B2 - 光記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は光記録媒体に関する。特に、いわゆる膜面入射により記録、再生を行う方式に適した光記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンピューター技術の発展に伴い、記録装置の容量は拡大の一途をたどっている。従来の光ディスクには、読み出し専用型(ROM)、書き換え型(RAM)、ライトワンス型等があり、これらの媒体では光ディスク基板の記録面と反対側に光ヘッドが設けられているため、光ヘッドから出射した読み出し光、或いは記録光が基板を通過して記録面に到達する、いわゆる基板面入射方式が採られている。これらの光が記録面で焦点を結ぶよう、光ヘッドにはアクチュエーターによって焦点軸方向に可動な対物レンズが設けられているため、光ヘッドとディスクとの距離は通常1mm程度である。
一方、近年では、大容量かつ高速アクセス可能な記録再生装置として、既存の各種光ディスクをハードディスク的に用いる装置が提案されている。
【0003】
すなわち、1枚或いは同軸に固定された2枚以上の光ディスクを内蔵し、各記録面に対し光ヘッドを対向させて設け、基板を介さずに記録面側から光を照射する、いわゆる膜面入射により記録再生を行う。従来の基板入射方式では基板の傾きや基板厚さの誤差等により光スポットの収差が増大するために、対物レンズの開口数を大きくすることができなかったが、膜面入射により対物レンズの開口数を大きくし、光スポットを小さくすることで、光ディスクの大容量化とハードディスクのような高速アクセスが可能となるのである。
【0004】
図3にそのような記録再生装置の一例を示す。複数の両面記録型光ディスク11〜11″が同軸に固定されており、各光ディスクを挟むようにそれぞれ2個の光ヘッドが支持アーム12,13〜12″,13″の先端に配置される。これら光ヘッドは、同じ支持アーム上に配置されており、同軸14に固定され、連動して移動する。光ヘッドの移動方向は、半径方向に移動しても、これらのヘッドが支持される軸を中心に回転しても良い。
【0005】
光ディスクとヘッドとの距離はそれぞれのヘッドにより異なるが、通常3μm以下に設定される。浮上式のスライダにレンズや反射鏡、或いは光ファイバーなどを設置した浮上型ヘッドでは、この距離を保つために、スライダ部をディスクに押しつけるアーム部のバネ圧と浮上に必要な浮力を得るためのスライダ部の面積や形状が設定される。また、スライダ部とディスク面が一部接触している接触型ヘッドなども提案されている。
外部から送られてきた情報を記録する場合には、各ヘッドは、予め記録されているピットや溝などのプリフォーマットを元に、アドレス(基板上の物理的な位置)情報を検出し、対向する光ディスクの記録層に情報を記録する。情報を記録する方法は、片方のヘッドのみを使っても、両方のヘッドを同時に使っても構わない。
【0006】
ディスク上に記録された情報を読み出す場合は、記録されている情報の位置をヘッドにより検索し、読み出す。この時に、再生信号強度を最大にするように各々のヘッドは、記録されている情報に対して、サーボ調整は独自に行うと良い。ディスクの回転が停止したときのヘッドの位置は、いわゆるCSS方式のようにディスクに接触した状態になっていても、ダイナミックローディング方式のようにディスクの回転時のみディスクと近接或いは接しており、ディスクの停止時にはディスクから十分離れた状態になっていてもよい。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかして、本発明者の検討に依れば、上記膜面入射方式の記録再生装置に光ディスクを用いる際には、以下のような問題点があることがわかった。
すなわち、従来の光ディスクでは光ヘッドと基板との距離は通常1mm或いはそれ以上であったのに対し、上記記録再生装置に光ディスクを用いる場合、光ヘッドと基板との距離は極めて近接し、通常5μm以内となるため、光ヘッドが光ディスクと衝突し、媒体を傷つけたりヘッドが損傷したりする可能性があった。特にダイナミックローディング時に衝突が起こりやすい。
【0008】
この対策としては、光記録層上に硬度が高く滑性も大きい中間層を設け、さらに潤滑剤を塗布して潤滑層を設ける構造とすることが考えられる。
しかしながら、通常使用される高分子系潤滑剤は蒸気圧が低く、室温程度ではほとんど蒸発しない物質であるが、記録、再生時にレーザーが照射される時、特に記録時のレーザーパワーは、記録層がキュリー温度以上に達するよう調節されているため、最表面の潤滑層の温度も上昇し、一部の潤滑剤分子が蒸発し、光ヘッドの光学系、すなわち直近のレンズに付着・汚染する原因となる。レンズの汚染が進行すると、実効的なレーザーパワーの減衰や、光散乱が生じ、記録再生に支障を来すこととなる。すなわちノイズが上昇したり、ひいては記録ができなくなるといった致命的な問題が発生する可能性があり、ドライブの寿命を縮ませることになりかねない。
本発明はかかる事情に鑑み成されたものであって、膜面入射方式の記録再生装置に使用した場合であっても、光ヘッドと衝突して、損傷する惧れがなく、且つ、光ヘッドの光学系を汚染することなく、記録再生を良好に行うことの出来る光記録媒体を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記目的を達成するため検討を重ね、光記録媒体の層構造と、使用する潤滑剤を改良することにより、目的を達成し得ることを知った。即ち本発明の要旨は、ピット及び/又は溝を設けた基板上に少なくとも反射層、光記録層、透明中間層、透明潤滑層をこの順に設けた、浮上型或いは接触型ヘッドにより記録再生される光記録媒体であって、該透明潤滑層が、数平均分子量3000〜10000で、且つ、分子量2000以下の成分の含有量が5重量%以下のパーフルオロポリエーテルからなる潤滑剤で形成されることを特徴とする光記録媒体に存する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の光記録媒体にはピットや溝を設けた樹脂基板が好ましく用いられる。使用される樹脂としては、アクリル系樹脂、ノルボルネン系などのポリオレフィン樹脂、液晶ポリマー、ポリカーボネート等が挙げられ、具体的には、例えばポリメチルメタクリレート(PMMA)、ARTON(日本合成ゴム社 ノルボルネン系エステル置換環状オレフィン開環重合体水添物)、ZEONEX(日本ゼオン社 ノルボルネン系環状オレフィン開環重合体水添物)、芳香族ポリエステル系液晶ポリマー、ポリカーボネートなどが挙げられる。
【0011】
ピット/溝を設けたスタンバーをもとに、これら樹脂を用いて射出成形、射出圧縮成型、放射線硬化などによりピット/溝を転写形成して樹脂基板とする。
基板材料として樹脂を用いることは、幅または長さが2μm以下、深さが100nm以下の微細なピットや溝が精密かつ安価に形成できるという利点を有する。本発明の基板材料としてはガラス、金属、セラミック等も使用できる。
基板の厚みは0.4〜2mm程度が一般的である。あまり薄すぎると、基板が自重により撓んで平面性が出にくくなるが、2mmを超えると強度面では大差がなくなる。
【0012】
基板上に形成する光記録層としては、各種のものを採用することができ、例えば光磁気記録層や相変化型記録層、色素型記録層が挙げられる。また、層構成としても特に制限はなく、各種層構成を採用することができる。
光磁気記録層としては、例えばTbFe、TbFeCo、TbCo、GdFeCo、DyTbFeCo等の希土類と遷移金属との非晶質磁性膜、MnBi、MnCuBi等の多結晶垂直磁化膜、Pt/Co多層膜等が用いられる。
【0013】
光磁気記録層は単層であっても良いし、オーバーライトやMSRを可能とするために、GdTbFe/TbFeのように2層以上の磁性層を重ねて用いても良い。
相変化形記録層としては、例えばGeSbTeやInSbTe、AgSbTe、AgInSbTe等の化合物が使用できる。好ましくは、{(Sb2 Te3 )1-x (GeTe)x }1-y Sby (0.2<x<0.9、0≦y<0.1)合金、及び該3元合金に10原子%程度までのIn、Ga、Zn、Sn、Si、Cu、Au、Ag、Pd、Pt、Pb、Cr、Co、O、S、Se、Ta、Nb、Vのうち少なくとも1種を含む合金薄膜が挙げられる。
【0014】
あるいは高速でのオーバーライトが可能な材料として、Sb70Te30共晶点近傍のSbTe合金を主成分とする、MSbTe(M=In、Ga、Zn、Ge、Sn、Si、Cu、Au、Ag、Pd、Pt、Pb、Cr、Co、O、S、Se、Ta、Nb、Vのうち少なくとも1種)合金薄膜が好ましい。
必要に応じ、基板と記録層との間に反射層を設けることが好ましい。反射層としては高反射率の金属または合金が用いられる。例えばAl、Ag、Au、Cuやこれを主成分とする合金である。
【0015】
光記録層上には耐候性、高硬度、高滑性などの性質を備えた透明中間層を設ける。中間層の材質はこれら性質を考慮の上選ばれる。耐候性、高硬度といった点では誘電体が好ましい。
誘電体として金属酸化物、窒化物、カルコゲン化物、炭化物、フッ化物、及びその混合物などが用いられる。
金属酸化物としてはAl2 O3 、Ta2 O5 、SiO2 、SiO、TiO2 等の金属酸化物単独又はこれらの混合物、或いはAl−Ta−Oの複合酸化物等が挙げられる。
金属窒化物としては、窒化ケイ素、窒化アルミニウム等が挙げられる。
【0016】
カルコゲン化物としては、ZnS、ZnSe等のカルコゲン化亜鉛、CdS、CdSe等のII−V族化合物、La2 S3 、Ce2 S3 等の希土類硫化物、TaS2 、MgS、CaS等があげられる。カルコゲン化亜鉛は化学的にも安定で、その中でも特にZnSは毒性も低く最も好ましい。これら誘電体層の形成方法としては、蒸着やスパッタリングが挙げられるが、スパッタリングがより好ましい。
滑性に優れた材質としては炭素膜、水素化カーボン膜、窒素化カーボン膜、TiC、SiC等の炭化膜、SiN、TiN等の窒化膜、SiO、Al2 O3 、ZrO等の酸化物膜等によって構成され、通常、スパッタ法等により形成される。好ましくは、炭素膜、水素化カーボン膜及び窒素化カーボン膜である。
【0017】
水素化カーボン膜は、水素と炭素を含有する膜であればよく、特に限定されるものではなく、例えばカーボンターゲットを用いて、スパッタガス(通常は、アルゴンなどの不活性ガスを用いる。)と水素ガスを含むプラズマ中でスパッタリングする方法により形成することができる。
窒素化カーボン膜は、窒素と炭素を含有する膜であればよく、特に限定されるものではなく、例えばカーボンターゲットを用いて、スパッタガスと窒素ガス一酸化窒素ガス、二酸化窒素ガス、アンモニアガスなどの窒素含有あるいは空気などの窒素ガス含有ガスを含むプラズマ中でスパッタリングすることにより形成することができる。例えば空気を用いた場合、スパッタ雰囲気中の空気の含有量は、通常、2〜20体積%である。
【0018】
また、例えば、スパッタガス中に水素ガス及び窒素(含有)ガスを同時に混入させることにより、水素化かつ窒素化したカーボン膜を形成することもできる。中間層は保護層及び滑性層としての役割を有するが、これを複数層としてもよい。例えば記録層に接する側に耐候性に優れ硬度の高い保護層を、潤滑層に接する側に滑性に優れた滑性層を設けると、全体として両方に優れた性質を得ることができ、好ましい。光磁気ディスクの場合、中間層は記録再生に使用するレーザー波長の吸収係数が小さい光学的に透明なものを採用することが好ましい。
水素化カーボン膜は、炭素膜、窒素化カーボン膜に比べて吸収係数が小さいため、最も好ましく用いられる。少くとも中間層の最表面層を水素化カーボン層とすることが好ましい。
【0019】
光磁気記録層に接する層としては、窒化シリコン、SiO2 、Ta2 O5 などが好適に用いられる。
相変化型記録層に接する層としては、ZnSと金属酸化物の混合物が好適に用いられる。
さらに、基板あるいは反射層と、記録層との間に、光を干渉させ増幅させる目的や記録層保護の目的等で透明中間層を設けても良い。この場合の材質としては、上述した誘電体等が好ましく用いられる。
基板、記録層、透明中間層の上に、潤滑剤を塗布して透明潤滑層を形成する。本発明は、潤滑剤として、数平均分子量3000〜10000で、且つ、分子量2000以下の成分の含有量が5重量%以下のポリマーを使用する。
【0020】
潤滑剤の塗布方法は、ディップコート法、スピンコート法、ロールコート法など様々なものが適用できるが、塗布の容易さやタクトタイムの短縮を考慮すると潤滑剤溶液に浸漬して潤滑剤を塗布するディップコート法が好ましい。
なお、樹脂基板は比重が軽く潤滑剤溶液との比重差により媒体が浮上するのを防止するため、基板を保持する装置を工夫する必要がある。例えば、基板を外周部または内周部で支持した状態でディップコートを行うのが好ましい。
【0021】
潤滑剤としては、パーフルオロポリエーテル、パークロロポリエーテル等が挙げられ、特に主鎖に−Cn F2nO−単位(但し、nは1〜4の整数)を有し、末端に−OHやエステル結合の官能基を有するパーフルオロポリエーテルが好ましい。
例えば、アウジモント社製Fomblin−ZdolタイプはCF2 CF2 OとCF2 Oの重合体で直鎖構造を有し、両末端にヒドロキシル基−OHを有する。
潤滑剤の平均分子量としては3000以上であることが必要である。3000以下では、レーザー照射による蒸発が生じやすく、レーザー光を集光するディスク近傍のレンズを汚染し、実効的レーザーパワーの低下や、再生信号のノイズ上昇を招くといった問題があるため好ましくない。また平均分子量が10000を超える高分子では粘度が必要以上に高く耐久性が悪化するので好ましくない。
【0022】
潤滑剤の分子量が2000以下の成分の含有量は5重量%以下であり、少しでも少ない方がより好ましい。分子量が2000以下の成分は蒸発性が高いためレンズ汚染の問題が発生し好ましくない。特に5重量%を超えると蒸発成分による汚染が顕在化し、好ましくない。
潤滑層の厚みとしては0.5〜20nm、好ましくは0.5〜10nmである。膜厚が0.5nmに満たないと潤滑性が不足し、ヘッドがディスクに接触した際に損傷する可能性が高く好ましくない。また膜厚が20nmを越えるとヘッドがディスクに接触した時に、潤滑剤のヘッドへの転写が避けられず、その結果ヘッドが汚染するため好ましくない。
【0023】
潤滑剤の減量温度としては200℃を越えることが好ましい。ここで減量温度とは、大気圧の状態で温度を上昇させていったときに、蒸発・分解等で重量が減じる温度のことである。一般的に分子量が大きいほど高い値を示す。潤滑剤においては末端官能基が同一のものであれば、主鎖が長いほど分子量並びに減量温度は高い。減量温度の具体的な測定方法としては、市販のTG−DTAと呼ばれる分析装置、例えばセイコー社TG−DTA320を用いて、温度−潤滑剤重量比曲線から求められる。
減量温度が200℃に満たない場合は記録再生時のレーザー照射による潤滑剤の蒸発が活発に生じ、蒸発した潤滑剤分子が光ヘッドに付着・汚染するため好ましくない。
【0024】
またこれら潤滑剤を溶解させる溶媒としては例えばフロン系、アルコール系、炭化水素系、ケトン系、エーテル系、フッ素系、芳香族系等の溶媒のうちディップ法に適した溶媒が好ましく用いられる。
本発明の光記録媒体は、浮上型あるいは接触型のヘッドを有する記録装置、例えば図3に示す様な記録装置に好適に使用される。
【0025】
【実施例】
以下本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。ただし、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1
1.2mm厚のポリカーボネート基板を射出成形法により作製した。表面には深さ約50nm、幅約1μm、長さ約1μmのピット列が設けられている。
この上に、順次、AlTa反射層(厚さ350Å)/SiNx誘電体層(厚さ100Å)/TbFeCo(厚さ300Å)記録層/SiNx誘電体層(厚さ800Å)/水素化カーボン層(厚さ100Å)をスパッタリングにより成膜した。
次に潤滑剤として下記構造
【0026】
【化1】
HOCH2CF2[(OCF2CF2)p -(OCF2) q ]OCF2CH2OH
【0027】
で示されるポリフルオロエーテル系の潤滑剤(数平均分子量4000、分子量が2000以下の成分の含有量が3.5重量%)を、ハイドロフルオロエーテル(商品名HFE7200、住友スリーエム社製)に対し、1g/lの割合に溶かした溶液を調製し、長さ350mm×幅200mm×高さ200mmのステンレス容器に150mmの高さまで充たした。
光ディスク3枚をマンドリルに取り付けて容器に浸漬塗布した。
【0028】
塗布方法は、図4に示すように、光ディスク1を保持したマンドリル2は支柱3に固定され、薬液容器4は自動昇降台5にあらかじめ乗せておき、浸漬後3分経過したところで3mm/秒の速度で昇降台を下げた。
こうして潤滑剤を塗布した光ディスクを、フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR、商品名JIR−5300、日本電子社製)を用いて潤滑剤の膜厚測定を行った。
【0029】
次いでレーザー初期化装置(光ディスクバルクイレーザー LK101A シバソク社製)を用いて初期化を10、20、30、50回行った後に潤滑剤の膜厚を測定し、初期化回数と膜厚の関係を求めた。初期化条件は、レーザーパワー:125mW、レーザー波長:810nm、ディスク回転速度:6m/s、レーザーヘッド送り速度:40μであった。結果を図1に示した。図1に示す様に、レーザー蒸発による膜厚の減少比率はレーザー初期化回数10回の時点で約3.5%であった。
なお使用した潤滑剤の減量温度をセイコーTG−DTA320で測定したところ267℃であった。
【0030】
比較例1
実施例1で使用した潤滑剤と同種で、数平均分子量が3700、分子量2000以下の成分の含有量10重量%である潤滑剤を使用した以外は、実施例1と同条件で光ディスクを作成し、初期化回数と膜厚の関係を求めた。結果を図1に示した。図1から明らかなように、初期化回数10回後に膜厚は11%減少した。また潤滑剤の減量温度は、260℃であった。
【0031】
比較例2
潤滑剤としてFomblin−Zdol 2000(アウジモント社製、数平均分子量2000、分子量2000以下の成分の含有量55重量%)を使用した以外は、実施例1と同条件で光ディスクを作成し、初期化回路と膜厚の関係を求めた。結果を図1に示した。図1から明らかなように、初期化回数10回後に膜厚は27%減少した。
また潤滑剤の減量温度は、185℃であった。
【0032】
実施例2
実施例1で使用した潤滑剤と同種で、数平均分子量が5000、分子量2000以下の成分の含有量0.9重量%である潤滑剤を使用した以外は、実施例1と同条件で光ディスクを作成し、初期化回数と膜厚の関係を求めた。結果を図2に示した。図2から明らかなように、初期化回数30回で膜厚は殆ど変わっていなかった。
また潤滑剤の減量温度は、293℃であった。
【0033】
【発明の効果】
実施例及び比較例から明らかなように、本発明に従って、特定の潤滑剤を使用した光記録媒体は、潤滑剤の蒸発量が低く、光ヘッドの光学系を汚染する惧れがなく、且つ、長期間使用しても、良好な潤滑特性を示し、浮上ヘッドなどの近接型ヘッドでの記録再生が良好に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1、比較例1及び比較例2で作成した光ディスクの初期化回数と膜厚の関係を示す図。
【図2】実施例2で作成した光ディスクの初期化回数と膜厚の関係を示す図。
【図3】膜面入射方式による記録再生装置の1例を示す図。
【図4】実施例で使用した潤滑剤塗布装置
【符号の説明】
1 光ディスク
2 マンドリル
3 支柱
4 薬液容器
5 昇降台
11〜11″ 両面記録型光ディスク
12〜12″,13〜13″ 光ヘッド
Claims (4)
- ピット及び/又は溝を設けた基板上に少なくとも反射層、光記録層、透明中間層、透明潤滑層をこの順に設けた、浮上型或いは接触型ヘッドにより記録再生される光記録媒体であって、該透明潤滑層が、数平均分子量3000〜10000で、且つ、分子量2000以下の成分の含有量が5重量%以下のパーフルオロポリエーテルからなる潤滑剤で形成されることを特徴とする光記録媒体。
- 透明潤滑層の厚みが、0.5〜20nmであることを特徴とする請求項1記載の光記録媒体。
- 透明中間層が、少なくとも最表面層が水素化カーボン層からなる1層以上の層からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の光記録媒体。
- 基板が樹脂基板であることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の光記録媒体。
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