JP2001202661A - 情報記録媒体用原盤、スタンパー及び情報記録媒体の製造方法 - Google Patents

情報記録媒体用原盤、スタンパー及び情報記録媒体の製造方法

Info

Publication number
JP2001202661A
JP2001202661A JP2000318699A JP2000318699A JP2001202661A JP 2001202661 A JP2001202661 A JP 2001202661A JP 2000318699 A JP2000318699 A JP 2000318699A JP 2000318699 A JP2000318699 A JP 2000318699A JP 2001202661 A JP2001202661 A JP 2001202661A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
groove
recording medium
substrate
layer
information recording
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000318699A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3873605B2 (ja
Inventor
Toshifumi Kawano
敏史 川野
Shigenobu Harada
重信 原田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP2000318699A priority Critical patent/JP3873605B2/ja
Publication of JP2001202661A publication Critical patent/JP2001202661A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3873605B2 publication Critical patent/JP3873605B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
  • Manufacturing Optical Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 基板への紫外線照射で問題となる、基板と情
報層との低密着性及び低処理効率を解消し、シャドウイ
ングが小さくノイズが著しく低い情報記録媒体の大量生
産が低コスト、高効率で達成できる製造方法を提供す
る。 【解決手段】 基体上に、所定の凹凸パターンが設けら
れてなるフォトレジスト層を有する情報記録媒体用原盤
に、エネルギー線を照射して該凹凸パターンの形状を変
化させる情報記録媒体用原盤の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光記録媒体などの
情報記録媒体を作製するに用いる原盤、スタンパー及び
情報記録媒体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光磁気ディスク、相変化ディスク、無機
穴あけ型ディスク、色素ディスク等の光ディスクに代表
される光記録媒体は、ユーザーが記録可能な大容量情報
記録媒体であり、コンピュータの外部記憶装置に用いる
媒体として広く普及している。また音楽や写真、画像、
動画などの情報を記録するため音楽プレーヤーやデジタ
ルカメラ、ビデオ、セットトップボックスなどの記録再
生装置に用いる媒体としても急速に普及しつつある。光
磁気ディスクとしては3.5インチ型の640MB製
品、230MB製品、128MB製品、GIGAMO、
5.25インチ型の650MB〜4.8GBの製品、ミ
ニディスク等が知られ、相変化ディスクとしてはCD−
RW、DVD−RAM等が製品化され、DVD+RW、
DVD−RWなども開発されている。また、色素ディス
クとしては、CD−R、DVD−Rといった製品が知ら
れている。
【0003】これらの光記録媒体には一般に記録トラッ
クが設けられ、記録再生装置の光ヘッドなどの記録再生
系がトラックに沿って移動し(トラッキング)、記録再
生光を照射することにより、上記の各種情報(データ)
を記録トラックに記録し、再生し、あるいは消去する。
トラッキングは、通常、光記録媒体上に設けられた凹凸
溝あるいは凹凸ピットを頼りに行われる。多くの記録可
能な光ディスクには螺旋状又は同心円状の凹凸溝が設け
られ、該溝に沿って記録トラックが形成されている。こ
れには、溝部(基板の凹部)を記録トラックとして記録
を行う溝記録タイプと、隣接する溝部の間に位置する溝
間部(基板の凸部)を記録トラックとして記録を行うラ
ンド記録タイプと、両方を記録トラックとして記録を行
うランド&グルーブ記録(L&G記録)タイプとがあ
る。一般的に、このような凹凸溝は基板に設けられ、そ
の基板上に、記録層、保護層、反射層などの薄膜が形成
される。各層の形成にはスパッタリングや真空蒸着等の
真空プロセスや、スピンコートによる塗布法が用いられ
る。
【0004】なお、以下では、実際に情報を蓄える層
(以下、記録層と称する)、及びその前後に設けられる
保護層、反射層等の薄膜を全て含んだものを情報層と総
称する。光磁気ディスクや相変化ディスク等、無機材料
系の情報層を用いる場合は通常スパッタリング法あるい
は真空蒸着法(電子ビーム蒸着、熱蒸着等)が用いられ
る。緻密で良好な膜質が得られることからスパッタリン
グ法が用いられることが多い。さて、従来主流であった
ランド記録タイプの光ディスクに加えて、近年、溝記録
タイプも用いられるようになった。さらにはランド&グ
ルーブ記録タイプも実用化され始めた。ランド&グルー
ブ記録は、記録トラックピッチを極めて高密度にするこ
とが可能であり、高密度記録に有用である。しかしなが
ら、溝部を記録トラックとして情報を記録する媒体に
は、溝の内部に均一に情報層が付着しにくいという問題
点があった。
【0005】以下、図を用いて説明する。図2の(a)
は従来の光記録媒体の基板の溝形状と、成膜中の斜め入
射粒子との関係を示す図であり、(b)は成膜後の膜付
着状態を示す図である。従来、溝の形状としてV字型及
び矩形型が知られており、溝部を記録トラックとする場
合は、高い再生信号を得るためやトラッキング特性の面
などから矩形型が用いられることが多い。ここで、矩形
型には台形型も含まれる。図2(a)に示すように、従
来の溝記録タイプの光ディスクは、光ディスク基板1に
溝部2、溝間部3及びそれらを結合する溝壁面6よりな
る矩形溝が形成されている。基板1にスパッタリング法
或いは真空蒸着法により情報層5の成膜を行うと、成膜
粒子は様々な角度から基板に向かって飛来する。基板直
上から垂直に飛来した垂直入射粒子(図示せず)は、溝
部2、溝間部3、溝壁面6に均一に付着する。
【0006】しかし、基板に向かって斜め方向から飛来
した粒子(斜め入射粒子)4は、溝壁面の影響で斜め入
射成膜粒子の到達が妨げられるシャドウイングにより、
溝部の底部の一部及び溝壁面の一部(シャドウイング領
域)7には到達できない。このため図2(b)に示すよ
うに、情報層5の膜厚は溝部2が溝間部3に比べ著しく
薄くなってしまう。従って、シャドウイングがあまり大
きいと、溝部の膜厚が不十分となり良好な記録が行えな
いという問題がある。
【0007】また、シャドウイングにより溝底部への到
達が遮られた成膜粒子は、そのまま溝壁面上部に付着し
てしまうため、その部分の膜厚が厚くなり、成膜が進む
に従い溝幅は狭くなっていく。また溝間部に比べて溝底
部への膜付着が少ないため、溝深さはより深くなり、ラ
ンド&グルーブ記録では記録感度や特性が異なってしま
う。なお、シャドウイングの影響は溝中心よりも壁面に
近い方が強いので、成膜後の溝部の形状は壁面に近い細
い部分が深くなる。つまり細い凹部が形成される。この
細い凹部からは信号が再生し難くなるので、溝部からの
信号は溝間部に比べより大きく劣化してしまう。
【0008】さらに、本発明者の検討によれば、シャド
ウイングは再生信号のノイズ上昇の原因ともなることが
分かった。通常、基板表面にはある程度の荒れ(微細な
凹凸)が存在するが、溝壁面の荒れ、すなわち斜面の角
度の変化はシャドウイングの状態を変動させ成膜速度を
変化させるため、成膜が進むに従い、壁面の荒れは著し
く強調されていくのである。この結果、溝幅、溝深さが
局所的に変わり、これが再生信号の変動をもたらすので
結果として大きなノイズを発生させることがわかった。
【0009】さて、光記録媒体の記録再生方式には、基
板を通して記録再生光を入射させ記録再生を行う基板面
入射方式と、基板を通さずに(記録層側から)記録再生
光を入射させる膜面入射方式とがあるが、膜面入射方式
の光記録媒体では、シャドウイングによる特性悪化がよ
り大きな問題となる。一般に、基板面入射方式の光記録
媒体の層構成は、基板/第1誘電体層/記録層/第2誘
電体層(/反射層)であり、膜面入射方式の光記録媒体
の層構成は、基板(/反射層)/第1誘電体層/記録層
/第2誘電体層となっている。いずれの方式でも、再生
光は記録層表面において反射され、この光が検出器によ
り検出されて再生信号となる。つまり、基板面入射方式
では、再生光は第1誘電体層/記録層の界面で反射さ
れ、膜面入射方式では、再生光は記録層/第2誘電体層
の界面で反射される。ここで、シャドウイングによる溝
壁面荒れの増幅、変形は、成膜が進むほど大きくなるか
ら、基板から離れた膜の表面ほどその変形は顕著にな
る。膜面入射方式では、再生光は、より変形の大きい記
録層表面で反射されるため、ノイズが大きくなりやすい
のである。
【0010】また、上述したように、成膜に伴い膜表面
の溝形状はより狭く深くなっていくという溝形状の変形
そのものも、基板から離れた膜表面ほど大きくなるた
め、ランド&グルーブ記録タイプでの溝部と溝間部の特
性差といった問題もやはり膜面入射方式のほうが大き
い。シャドウイングを小さくするために、基板とターゲ
ット(ないし蒸着源)の距離を離す方法(ロングスロ
ー)や、基板とターゲット(ないし蒸着源)との間に垂
直方向に飛来する粒子のみを基板に到達するようにする
筒状の格子(コリメーター)を挿入する方法がある。し
かし、いずれの方法でもターゲットないし蒸着源の利用
効率が著しく低下し、製造コストを増加させる。また成
膜速度が低下するので製造に要する時間も長くなってし
まう。溝の深さを非常に浅くすれば、シャドウイングを
低減できる。しかし、この場合はトラック追随(トラッ
キング)のために信号(溝信号)が著しく低下してしま
う。また、ランド&グルーブ記録タイプでは、光学的な
干渉効果によってクロストーク(隣接記録トラックから
の漏洩信号)を低減させているため、溝をあまり浅くす
るとクロストークの増加を招き、再生信号特性が悪化し
てしまう。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らの検討の結
果、溝部及び溝間部の両方の大部分を曲面とすることで
シャドウイングを低減できることが分かった。溝部及び
溝間部の両方を曲面とするための方法としては、例え
ば、樹脂基板に紫外線を照射し基板を変形させる方法が
ある。
【0012】しかしながら、我々の検討では、通常光デ
ィスクに使用されるポリカーボネート樹脂基板を紫外線
処理した場合、樹脂の極性基の部分が優先的に分解され
るので表面は極性の小さい状態となってしまうことがわ
かった。情報層は、自身の極性と基板の極性基との結合
により基板と密着しているため、処理後の基板は情報層
との密着性が極めて悪いものとなってしまい、高温、高
湿の環境化等では容易に膜剥離を起こしてしまう。ま
た、この方法では、大量に生産される基板全てに処理を
行わなければならないため、処理コストが膨大になる
上、生産タクトが著しく低下するという問題がある。
【0013】本発明の目的は、基板への紫外線照射で問
題となる、基板と情報層との低密着性及び低処理効率を
解消し、シャドウイングが小さくノイズが著しく低い情
報記録媒体の大量生産が低コスト、高効率で達成できる
製造方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、基体上
に、所定の凹凸パターンが設けられてなるフォトレジス
ト層を有する情報記録媒体用原盤に、エネルギー線を照
射して該凹凸パターンの形状を変化させることを特徴と
する情報記録媒体用原盤の製造方法に存する。本発明の
他の要旨は、上記方法により製造した情報記録媒体用原
盤上に、金属層を形成したのち剥離してスタンパーとす
る工程を含むことを特徴とするスタンパーの製造方法に
存する。さらに本発明の他の要旨は、上記方法により製
造した情報記録媒体用原盤上に、金属層を形成したのち
剥離してスタンパーを作製する工程と、該スタンパーの
表面形状を転写した基板を作製する工程と、該基板上に
少なくとも記録層を含む情報層を形成する工程を含むこ
とを特徴とする情報記録媒体の製造方法に存する。
【0015】
【発明の実施の形態】以下では、情報記録媒体として代
表的な光記録媒体を例として説明を行う。まず、光ディ
スクの一般的な製造工程について説明する。精密に研磨
された、表面の清浄なガラス板(基体)に、フォトレジ
ストをスピンコート法などにより塗布し、所定厚さのフ
ォトレジスト層を形成する。こののち適当な温度でベー
キングを行い、フォトレジスト中の残留溶媒を飛ばす。
次にフォトレジスト層に所定の信号に従いレーザー露光
を行ったのち現像し、再度ベーキングののち、表面に溝
やピットなどの所定の凹凸パターンが形成されたフォト
レジスト層を有する光記録媒体用原盤を得る。なお、本
発明においては、情報記録媒体用原盤としてガラス原盤
を例に説明するが、原盤の基体はガラスに限られるもの
ではなく、平滑で所定の固さがあれば金属、セラミッ
ク、樹脂等でも良い。
【0016】次に、ガラス原盤からフォトレジスト層表
面にNiなどの金属薄膜をスパッタリング成膜し、これ
を電極としてNiなどの金属の電解メッキを行う。その
後、金属部分をガラス原盤から剥離し、フォトレジスト
層の凹凸パターンが逆に転写されたスタンパーを得る。
スタンパーを形成する金属はNi以外であってもよい。
スタンパーをもとに、ポリカーボネート等の樹脂による
射出成形を実施することで、スタンパー表面の凹凸パタ
ーンが正確に逆に転写された基板を得、続いて誘電体
層、記録層、誘電体層、反射層などの情報層をスパッタ
リングなどの方法で成膜し、さらに紫外線硬化性樹脂か
らなる保護コート層を形成し、光記録媒体を得る。
【0017】なお、上述のように作製したスタンパーを
マスタースタンパーとし、剥離処理ののち電解メッキを
行い金属層を形成し剥離して凹凸パターンの転写された
マザースタンパーを作製し、さらにもう一度電解メッキ
で凹凸の転写を行うことで最終的なサンスタンパーを
得、これをもとに射出成形を行うこともできる。こうい
った複製技術を用いることで、一枚のガラス原盤から、
より多くのスタンパーが作製できる。
【0018】本発明は、基体上に、所定の凹凸パターン
が設けられてなるフォトレジスト層を有する情報記録媒
体用原盤に、エネルギー線を照射して該凹凸パターンの
形状を変化させ所望の凹凸パターンを形成する。こうす
ることで基板表面の性状を変化させることなく、また全
ての基板を一々処理することなく、容易に良好な溝形状
の基板を得ることが可能となる。これに対して、全ての
樹脂基板をエネルギー線処理する方法は、製造ラインに
数分間に及ぶ処理時間を持った紫外線照射装置等を導入
する必要がある。通常の連続製造ラインは数秒の製造タ
クトで稼働するため、この流れの中で数分間の処理を行
うには大量の基板を導入できる巨大な照射装置を必要と
し、コストが膨大なものとなる。さらに紫外線ランプの
連続照射を行うのでランプ交換等のメンテナンスが頻繁
となり稼働コストの上昇及び稼働率の低下を招く。処理
時間によっては製造タクトが長くなり、生産性を低下さ
せてしまう。また処理した樹脂基板は、先に述べたよう
に情報層との密着性の低下も大きな問題となる。
【0019】本発明では、原盤の状態でエネルギー線処
理を行うので、処理後の原盤からスタンパーを製造する
ことで、わずか一回の処理により大量の良好な基板を作
製できる。紫外線照射装置もガラス原盤が一枚乃至数枚
入る程度のもので良く低コストですむ上、基板を全て処
理するのに比べて遥かに使用時間が短くて済むので稼働
コストも小さい。さらに、情報層を成膜する基板自体に
は処理を行わないので、情報層の密着性が低下すること
もない。
【0020】次に、本発明について図を用いて説明を行
う。図4は本発明の一実施形態の説明図である。ガラス
などの基体10上に溝部2と溝間部3を有するフォトレ
ジスト層9が形成されてなる。ここにエネルギー線8を
照射する。エネルギー線8は、波長300nm以下の紫
外線を含むことが好ましい。300nm以下の光はフォ
トレジストのような樹脂表面の原子間の結合を切断する
と共に、大気中の酸素を励起することで、表面をエッチ
ングするとされている。このとき、体積あたりの表面積
の大きい角部や突起部はエッチング速度が大きく、優先
的に削れる。
【0021】この結果フォトレジスト層表面は全体の表
面積を減少させるように溝などの凹凸パターンの角部が
削れ、滑らかな曲面形状となるように変化する。エネル
ギー線源としては、波長300nm以下の紫外線を含む
低圧水銀ランプやエキシマランプが使用可能である。低
圧水銀ランプは185nm及び254nmの波長を含ん
でいる。エキシマランプを用いることは低圧水銀ランプ
に比べ処理時間が短縮されて好ましい。例えば172n
mの波長の低圧水銀ランプを用いることができる。
【0022】原盤の処理は空気中で行って良いが、処理
速度を遅くし処理時間を長めにして凹凸パターン形状の
制御を行い易くするために、窒素やアルゴン等を雰囲気
中に導入することもできる。逆に、処理を高速で行うた
めには、酸素を雰囲気中に導入することも可能である。
処理中の、ランプなどのエネルギー線源と原盤の距離は
15mm以下であることが好ましい。また2mm以上で
あることが好ましい。距離が遠過ぎると紫外線が空気中
で吸収されてしまい効果が小さくなる。また近すぎると
ランプの輻射熱でフォトレジスト層が加熱される上、光
強度にむらが生じやすい。照射時間はエネルギー線源と
原盤の距離や元々の溝形状等によるが、1分以上である
ことが好ましい。さらに好ましくは2分以上である。ま
た、照射時間が長すぎると溝が全て削れてしまうので、
30分以下であることが好ましい。
【0023】照射する紫外線のパワーは、0.5W/c
2 以上であることが好ましい。さらに好ましくは0.
8W/cm2 である。ただし強すぎると反応の制御が困
難になる上、フォトレジスト層が加熱されてしまうので
5W/cm2 以下であることが好ましい。さらに好まし
くは4W/cm2 以下である。全面均一に処理を行うた
めに、紫外線を照射しながら原盤を回転させるのは好ま
しい手法である。複数の原盤をホルダーに載せ、回転さ
せながら全て同時に処理を行うこともできる。紫外線処
理を行うと、一旦処理前より溝やピットなどの凹凸パタ
ーンの深さが深くなり、処理が進行するとまた浅くなっ
ていく傾向がある。従って、処理後に最適な形状をとる
ように、処理前の溝やピットの形状を調整しておくこと
が好ましい。
【0024】さて、上述のシャドウイングは溝部と溝間
部の角部において大きく発生するため、本発明は、溝部
及び互いに隣接する溝部の間に位置する溝間部を有する
原盤に用いて効果が大きい。処理後の溝形状は、溝部及
び溝間部が両方とも、その大部分が曲面で構成されてい
ることが好ましい。即ち、一組の溝部及び溝間部の平坦
な部分の合計を平坦部F、溝部の中心と隣接する溝部の
中心の間隔TP(すなわち溝ピッチ)とすると(図3参
照)。そして、断面溝形状には、エッジや切り立った溝
壁面がほとんど無く、滑らかである。そして、平坦部F
を溝ピッチTPの45%以下とするのが好ましい。以
下、このような溝形状の溝を「波状溝」と称する。ここ
で、平坦部とは、基板の溝の形成されていない領域の面
に実質的に平行である平坦な領域である。より厳密に
は、基板表面の高さ変動が、溝深さの1%以内である連
続した領域を平坦部とみなすことができる。ただし、微
小な表面荒れや突起等による変動は高さ変動とはみなさ
ない。また、溝形状の測定は、例えば原子間力顕微鏡
(AFM)などにより行うことができる。
【0025】或いは波状溝は、次のように捉えることも
できる。断面溝形状が、凹状の曲面と凸状の曲面とが交
互に連続し、かつ、平坦部Fが溝ピッチTPの45%以
下の形状である。つまり、図3に示すごとく、基準線に
対して凹状の曲面と凸状の曲面とが連続している。ここ
では、連続している様子がTP1個分しか示していない
が、実際の媒体では遥かに多くの凹凸が連続している。
そして、溝部の平坦部と溝間部の平坦部の合計が、溝ピ
ッチTPの45%以下と小さい。凹状の曲面とは大部分
が凹状の曲面のことを、凸状の曲面とは大部分が凸状の
曲面のことを言い、いずれも多少であれば平坦部Fを含
んでいても良い(図3参照)。ランド&グルーブ記録方
式の光記録媒体の場合は、溝間部の平坦部を溝ピッチの
半分より若干広めにしておくことが好ましい。これは平
坦部と溝部の境界の位置が最もフォトレジストが削れや
すく、処理後に溝間部の幅が減少してしまうためであ
る。
【0026】ところで、原盤を上述のようにエネルギー
線で処理する場合、処理前の溝の底部にフォトレジスト
層がなくガラスなどの基体面が露出していると、この部
分はエッチングされないので完全な波状溝とはならな
い。しかしながらこのときも溝の角部が除去されること
によるノイズ低減の効果は得られる。溝底部にフォトレ
ジスト層が残っている、いわゆるV溝(溝断面が略V字
形状の溝)を用いることもできる。V溝は溝底部に平坦
部がほとんど無いので、溝部を記録トラックとして記録
層に情報を記録する溝記録方式ないしランド&グルーブ
記録方式には通常は用いられないが、本発明によれば、
V溝はエネルギー線処理後に曲面となるため溝部への記
録も可能となる。ただし、一般には、溝記録方式ないし
ランド&グルーブ記録方式に用いる光記録媒体には、フ
ォトレジスト層を底まで露光し現像後に台形状或いは矩
形状の溝断面形状を得る、いわゆるU溝が用いられる。
このとき、通常、溝の底部にはガラスなどの基体面が現
れている。このような場合、フォトレジスト層を樹脂か
らなる下地層に接して設けることが好ましい。
【0027】図5に、本発明の他の実施例を示す。基体
10上に、樹脂からなる下地層11が形成され、さらに
溝部2と溝間部3を有するフォトレジスト層9が設けら
れてなる。下地層11は樹脂からなるため、溝の底部も
フォトレジスト層と同様にエネルギー線によりエッチン
グされ、溝底部も曲面とすることができる。下地層に用
いる樹脂としては、フォトレジストの露光や現像により
影響を受けないこと、フォトレジスト層と反応しないこ
と、フォトレジストとの密着性がよいことなどを考慮し
て選ぶことができる。例えば、ポリカーボネート、ポリ
イミド、アクリル系樹脂等でもよく、あるいはフォトレ
ジストを変性させ露光や現像で影響を受けなくしたもの
でもよい。
【0028】また、形成後の下地層表面は充分に平滑で
あることが好ましい。基体10と下地層11のあいだに
は必要に応じて他の層を設けてもよい。下地層の形成に
はさまざまな手法を用いうる。例えば、ポリカーボネー
ト、ポリイミド、ポリアクリレート等の樹脂を溶媒に溶
解させたのち塗布、乾燥させてもよい。或いは同樹脂を
加熱溶融させたのち塗布、冷却してもよい。塗布方法と
してはスピンコート等がある。又は、フォトレジストを
塗布したのちに露光感度が低下するように熱処理などを
施して変性させたものを下地層としてもよい。ただし、
下地層上にフォトレジストを塗布する際には、下地層樹
脂とフォトレジストとが混ざらないように、溶媒を揮発
させるなり、冷却するなりしてフィルム状に固化してお
くことが好ましい。
【0029】あるいは、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹
脂等の硬化性樹脂を用い、塗布後に硬化させても良い。
フィルム状の樹脂を基体上に接着することもできる。下
地層は薄すぎると紫外線処理により基体面が露出してし
まうので、厚さは50nm以上であることが好ましい。
さらに好ましくは100nm以上である。一方、厚過ぎ
ると平坦性が低下するので10μm以下であることが好
ましい。さらに好ましくは5μm以下である。
【0030】ユーザーへの配布情報ないしアドレス情
報、光記録媒体の記録再生に関する情報等があらかじめ
記録されている凹凸ピットの形状に関しては、エネルギ
ー線処理による形状変化を考慮して最適化されているこ
とが好ましい。より具体的には、エネルギー線処理によ
り一般にピットは拡大するので、あらかじめ最適値より
小さめのピットを作製しておくことが好ましい。凹凸ピ
ットの形状を変化させたくない場合には、凹凸ピットの
入った領域を何らかの方法でエネルギー線から遮蔽して
もよい。例えば紫外線でエッチングする際に紫外線を局
所的にカットするマスク板を紫外線ランプと基板の間に
挿入しても良い。このようにして作製した情報記録媒体
用原盤上に、Niなどの金属層を形成したのち剥離して
スタンパーを得、さらにこのスタンパーをもとに、その
表面形状を転写した基板を射出成形などにより作製す
る。
【0031】以上のようにして作製した基板に情報層を
成膜する。成膜にはスパッタリング法ないし真空蒸着法
などを用いることができる。これらの方法では粒子が蒸
発源から直線的に基板に到達するためシャドウイングの
影響が強く、本発明の適用による改善効果が大きい。た
だしこれら以外にも、例えばスピンコーティング法でも
従来は溝部に塗布液がたまり、溝間部よりも厚く塗布さ
れるという問題があったが、本発明を適用することで改
善することができる。
【0032】本発明の製造方法は、ユーザーが記録可能
である情報記録媒体に好ましく適用できる。記録層とし
ては、各種のものを用いることができ、例えば光磁気記
録層や相変化型記録層、色素型記録層、無機追記型記録
層が用いられる。また、層構成としても各種のものを採
用することができる。光磁気記録層としては、例えばT
bFe、TbFeCo、TbCo、GdFeCo、Dy
TbFeCo等の希土類と遷移金属との非晶質磁性層、
MnBi、MnCuBi等の多結晶垂直磁化層、Pt/
Co多層膜等が用いられる。
【0033】光磁気記録層は単層であっても良いし、オ
ーバーライトやMSR(磁気超解像)を可能とするため
にGdTbFe/TbFeのように2層以上の磁性層を
重ねて用いても良い。相変化型記録層としては、例えば
GeSbTeやInSbTe、AgSbTe、AgIn
SbTe、GeInSbTeといった化合物が使用でき
る。好ましくは、{(Sb2 Te3 1-x (GeTe)
x 1-y Sby (0.2<x<0.9、0≦y<0.
1)合金、及び該3元合金に10原子%程度までのI
n、Ga、Zn、Sn、Si、Cu、Au、Ag、P
d、Pt、Pb、Cr、Co、O、S、Se、Ta、N
b、Vのうち少なくとも1種を含む合金薄膜があげられ
る。
【0034】あるいは、高速でのオーバーライトが可能
な材料として、Sb70Te30共晶点近傍のSbTe合金
を主成分とする、MSbTe(M=In、Ga、Zn、
Ge、Sn、Si、Cu、Au、Ag、Pd、Pt、P
b、Cr、Co、O、S、Se、Ta、Nb、Vのうち
少なくとも1種)合金薄膜が好ましい。無機追記型記録
層としてはTeSe等、色素型記録層としては、シアニ
ン色素、フタロシアニン色素、含金属アゾ色素、又はそ
れらの混合物などを用いることができる。
【0035】記録層の上部及び/又は下部には耐候性、
高硬度、高滑性などの性質を備えた透明中間層を設ける
のが好ましい。中間層の材質はこれら性質を考慮の上選
ばれる。耐候性、高硬度といった点では誘電体が好まし
い。誘電体としては金属酸化物、窒化物、カルコゲン化
物、炭化物、フッ化物、およびその混合物などが用いら
れる。金属酸化物としてはAl2 3 、Ta2 5 、S
iO2 、SiO、TiO2 等の金属酸化物単独又はこれ
らの混合物、或いはAl−Ta−Oの複合酸化物等が挙
げられる。金属窒素物としては、窒化ケイ素、窒化アル
ミニウム等が挙げられる。
【0036】カルコゲン化物としては、ZnS、ZnS
e等のカルコゲン化亜鉛、CdS、CdSe等のII−
V族化合物、La2 3 、Ce2 3 等の希土類硫化
物、TaS2 、MgS、CaS等があげられる。カルコ
ゲン化亜鉛は化学的にも安定で、その中でも特にZnS
は毒性も低く最も好ましい。さらに、高反射率の金属又
は合金からなる反射層を設けても良い。反射層材料とし
ては、Al、Ag、Au、Pt又はこれらの合金、或い
はこれらの一種以上を主成分とする合金などが用いられ
る。
【0037】本発明においては、上記の層を総称して情
報層と称する。以下、情報層の形成とシャドウイング、
及び溝形状の関係についてより詳細に説明する。図2
(a)は従来の光記録媒体の基板の溝形状と、成膜中の
斜め入射粒子との関係を示す図である。溝形状は、溝の
延在方向に垂直な断面の溝形状である。なお、実際の成
膜粒子は様々な角度から飛来するが、図2(a)には便
宜上一方向の斜め入射粒子しか記載していない。図2
(b)は成膜後の膜付着状態を示す図である。従来の断
面が台形に近い溝形状の場合、シャドウイングのため溝
底部には成膜されにくいので溝深さは深くなる。また壁
面部にはシャドウイングされた粒子が付着するので溝幅
は狭くなる。さらに溝深さは溝底部の壁面に近接した部
分で最も深くなる。
【0038】従って成膜後の溝形状は基板本来のものと
はかなり異なったものとなる。こういったシャドウイン
グによる溝形状変化は溝部、溝間部の特性変化を生じ、
またその局所的ばらつきによりノイズを発生させてい
た。例えば光磁気記録媒体の場合、信号強度は反射率、
カー回転角及び楕円率によって決まる。溝部と溝間部か
らの各々の反射光は、その光路長の違いから位相の違い
を持つ。従って全体の楕円率はそれらの合成によって決
定される。溝幅、深さが変化すると反射光の楕円率は変
動し、反射率変動と相まって大きなノイズを発生する。
【0039】このように光磁気記録媒体の場合は反射率
変動、楕円率変動ともにノイズを発生させるのでシャド
ウイングに伴うノイズは特に大きくなってしまう。もち
ろん、他の光記録媒体であっても、反射率変化を検出す
る媒体であれば溝形状変化は反射率変動を引き起こし、
ノイズを発生させる。例えば、相変化媒体や色素型媒
体、無機ライトワンス媒体などである。一方、図1
(a)は本発明の方法により作製した光記録媒体の一実
施例の基板の溝形状と、成膜中の斜め入射粒子との関係
を示す図である。溝形状は、溝の延在方向に垂直な断面
の溝形状である。なお、実際の成膜粒子は様々な角度か
ら飛来するが、図2(a)には便宜上一方向の斜め入射
粒子しか記載していない。
【0040】本発明においては溝部及び溝間部が両方と
も、その大部分が曲面で構成されていることが好まし
い。即ち、本発明においては、一組の溝部及び溝間部の
平坦な部分の合計を平坦部F、溝部の中心と隣接する溝
部の中心の間隔TP(すなわち溝ピッチ)とすると(図
3参照)、平坦部Fを溝ピッチTPの45%以下とした
波状溝とするのが好ましい。波状溝では溝壁面がほとん
ど存在しないので、図1(a)に示すように溝壁面によ
る成膜粒子のシャドウイングは著しく低減される。より
好ましくは平坦部Fを溝ピッチTPの30%以下とし、
さらに好ましくは20%以下とする。溝形状の測定は、
例えば原子間力顕微鏡(AFM)などにより行うことが
できる。
【0041】ここで、平坦部とは、基板の溝の形成され
ていない領域の面に実質的に平行である平坦な領域であ
る。より厳密には、基板表面の高さ変動が、溝深さの1
%以内である連続した領域を平坦部とみなすことができ
る。ただし、微小な表面荒れや突起等による変動は高さ
変動とはみなさない。
【0042】本発明の波状溝は、溝部と溝間部全体を曲
面により滑らかに結合させることが望ましい。これによ
り効果的にシャドウイングを防止することができる。こ
こで、溝部は凹状であり、溝間部は凸状の曲面を有して
いる。このような波状溝を用いることにより成膜後の溝
形状は図1(b)に示すように、本来の基板溝形状と大
変類似したものとなる。この結果、溝部と溝間部での膜
厚差が非常に小さくなり、均一な特性を得ることができ
る。しかも、溝部内での膜厚むらも無くなるので、溝部
からの再生信号特性が大きく改良される。またシャドウ
イングに伴う溝形状の微視的、巨視的な変形がともに小
さいので、ノイズを小さくすることができる。
【0043】上記したように光磁気記録媒体ではシャド
ウイングによるノイズが特に大きいため、本発明を適用
することによるノイズ低減効果が特に著しい。また、シ
ャドウイングを大きく受けるスパッタリング法ないし真
空蒸着法により情報層の少なくとも一部が成膜される媒
体に用いて効果が高い。
【0044】さらに、本発明は、溝部を記録トラックと
して情報記録を行う方式の媒体に用いて顕著な効果があ
る。特に、溝部と溝間部の両方に記録を行うランド&グ
ルーブ記録用媒体に用いると、溝部と溝間部の特性差が
小さくなり好ましい。この場合波状溝は、凸状の溝間部
と凹状の溝部とが、ほぼ反転した同一形状となることが
望ましい。
【0045】本発明において特に好ましくは、平坦部F
が存在せず、溝部及び溝間部が全て曲面より構成される
ことである。これにより、ランド&グルーブ記録におい
て、溝部と溝間部の両方の特性差をほとんどなくすこと
ができる。なお、ユーザーが記録に使用しない領域で
は、溝形状は必ずしも曲面でなくてもよい。例えば、基
板上の凹凸ピットによりアドレス情報等が記録されてい
る領域のピットの断面形状が曲面でなくてもよい。
【0046】以下では、本発明においてより好ましい溝
形状について説明する。溝が極端に浅ければシャドウイ
ングの影響が少ないのは前述のとおりである。しかし、
溝が浅すぎると記録再生時に充分なトラック追随信号が
とりにくくなる。また、溝が浅くなることで、隣り合う
トラック間を熱が伝わっていく距離が短くなるので、記
録又は消去時の加熱がその隣接トラックに干渉を及ぼす
可能性が高くなる。つまり記録、消去の光パワーの許容
範囲が狭くなる傾向がある。
【0047】さらに、ランド&グルーブ記録では、溝深
さを適度な範囲とすることにより、溝部からの反射光と
溝間部からの反射光との光干渉によってクロストークを
軽減する「クロストークキャンセル」という方法が用い
られている。一般に、この効果を出すためには溝部に入
射する光の波長λに対し、少なくともλ/6の溝深さを
必要とする。ただしλ/3以下が好ましい。ここで、膜
面入射方式の場合、λは空気中での波長であり、基板面
入射方式の場合は、基板中での波長である。従来は、溝
深さを深くするとシャドウイングの影響が大きくなって
しまうために、溝記録、或いはランド&グルーブ記録に
おいても、必ずしも最適な溝形状とすることができない
場合があった。
【0048】本発明によれば、シャドウイングを低減で
きるため、上記のような点のみを考慮して溝形状の最適
化を実施できる。好ましい溝深さは、下限がλ/20以
上であり、より好ましくはλ/15以上である。また上
限はλ/4以下であり、より好ましくはλ/5以下であ
る。また、溝幅0.7μm以下と狭い光記録媒体はシャ
ドウイングの影響が大きいので、本発明の適用効果は特
に高い。溝深さと溝幅の比(アスペクト比)が大きい
と、溝部に再生光が侵入しにくく再生信号が低下しやす
い。従って
【0049】
【数1】d/w < 0.3
【0050】であることが好ましい。さらに好ましく
は、
【0051】
【数2】d/w < 0.2
【0052】である。ここで、図3に、本発明における
溝形状のパラメータの定義を示す。溝深さdは、溝断面
形状で見て溝部と最凹部と溝間部の最凸部の垂直方向の
距離により定義される。溝幅wは溝深さがd/2となる
位置を結んだ溝部の幅である。ランド&グルーブ記録の
場合、溝幅wは溝ピッチTPに対し、好ましくは35%
以上とし、より好ましくは40%以上とする。ただし、
65%以下が好ましく、より好ましくは60%以下であ
る。この範囲とすることにより、ランドと溝(グルー
ブ)の両方の特性をバランスよく良好に保つことができ
る。
【0053】また本発明は、成膜にともなう溝形状変動
を抑えるので、特に膜面入射方式に用いて効果が高い。
このような方式では、基板に伴う収差の発生が無いの
で、基板面入射方式と比べ高い開口数のレンズを使用可
能である。また対物レンズを膜面に近接可能であるた
め、SIL(Solid Immersion Lens)を用いることで1
を越える大きな開口数を得ることができる。対物レンズ
を膜面に近接させる記録再生方法としてはまた、例えば
対物レンズを浮上型ヘッドに搭載する方法もある。本発
明によればこのような膜面入射方式の媒体のCNRを大
きく向上させることができるため、非常に高密度の情報
記録が可能となる。
【0054】膜厚が厚いほどシャドウイングによる溝形
状変動は激しいため、本発明は、記録層を厚く設ける媒
体、例えば光磁気記録媒体における光変調オーバーライ
ト媒体、磁気超解像(MSR)媒体等に用いて特に好ま
しい。好ましくはスパッタリングないし真空蒸着により
作製される記録層の膜厚が100nm以上の媒体であ
り、さらに好ましくは200nm以上の媒体である。膜
の低付着効率が大きな問題とならない場合、波状溝とロ
ングスロースパッタリング、あるいはコリメーター等を
組み合わせることで、シャドウイングに関してはより低
減が可能である。
【0055】
【実施例】以下に実施例をもって本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実
施例に限定されるものではない。
【0056】(実施例1〜5、比較例1)円盤状のガラ
スの基体上にフォトレジストを厚さ180nmに塗布
し、レーザー露光機で所定の信号に従い露光しさらに現
像し、螺旋状に溝を形成した。溝ピッチTPは1.2μ
mであり、溝の延在する方向に垂直な断面の溝形状は、
溝幅0.42μm、溝深さ65nm、溝間部の平坦部が
0.58μmのV溝であった。V溝であるため溝部の平
坦部はない。溝は原盤の内径30mmから60mmまで
形成されている。これらガラス原盤に対し、一枚を除
き、出力300Wの低圧水銀ランプで紫外線照射を行っ
た。用いた低圧水銀ランプの発光は185nmと254
nmの波長を含んでいる。ガラス原盤とランプの距離は
5mmであった。紫外線照射ののち、溝形状をAFM
(原子間力顕微鏡)で観察した。照射時間と溝形状の関
係を表−1に示す。
【0057】
【表1】
【0058】表−1から分かるとおり、照射とともに平
坦部は減少していき、10分以上の照射で、平坦部が存
在せず全体が曲面より構成される溝形状となった。処理
時間が15分では、溝間部の減少に伴って溝幅が広くな
り溝部の一部が平坦となった。次に、これらガラス原盤
上にNi薄膜をスパッタリングした後、これを電極とし
て電解メッキで300μmの厚みまでNiを堆積させ
た。この後ガラス原盤からNiを剥離してスタンパーと
した。これを射出成形機に取り付け、ポリカーボネート
樹脂により、1.2mm厚、直径130mmの基板を射
出成形した。これら基板上に、スパッタリングにより膜
厚70nmの酸化Ta、膜厚100nmのTb21(Fe
80Co20)89 、膜厚80nmの窒化Siを成膜し、光磁
気ディスクを作製した。酸化Taと窒化Siは直流反応
性スパッタリング、TbFeCoは直流スパッタリング
により成膜した。波長680nm、対物レンズの開口数
NA=0.55の評価機で、これらディスクを線速8m
/sで回転させながら、膜面入射方式及び基板面入射方
式の両方で評価を行った。いずれのディスクでも充分な
トラック追随信号(トラッキング信号)が得られた。
【0059】なお、評価機の対物レンズが1.2mmの
基板を介して用いるように最適化されて設計されていた
ため、膜面入射方式での評価の際は、ディスクと対物レ
ンズのあいだに1.2mmのガラス板を挿入した。各々
に1.52μmのマーク長で記録し、再生した信号特性
CNR(dB)を表−1に示す。CNRは40dB以上
得られるのが好ましく、より好ましくは45dB以上で
ある。また、溝部と溝間部との差が小さいほど好まし
い。紫外線照射時間が3分の実施例1でも、溝部におい
てCNRに改善が見られ、実施例2〜5は溝部でも溝間
部でもCNR40dB以上が得られるようになった。こ
れらの媒体に対し、セロハンテープを用いて情報層のテ
ープ剥離試験を行ったところ、全ての媒体において情報
層の基板からの剥離は見られなかった。
【0060】(実施例6)実施例1と同様に溝を作製し
たガラス原盤に対し、出力200W、波長172nmの
エキシマランプ(ウシオ電機製)で紫外線照射を行っ
た。原盤とランプの距離は5mmであった。紫外線照射
ののち、溝形状をAFM(原子間力顕微鏡)で観察し
た。表−1に結果を示す。1.5分の照射では平坦部が
TPの8%まで減少し、2分の照射で平坦部が存在しな
い、全体が曲面より構成される溝形状となった。
【0061】次にこの原盤より実施例1と同様にスタン
パーを得、さらにこれより光ディスクを得た。実施例1
と同様の評価を行った結果を表−1に示す。いずれもC
NR45dB以上が得られている。この媒体に対し、セ
ロハンテープを用いて情報層のテープ剥離試験を行った
ところ、情報層の基板からの剥離は見られなかった。
【0062】(実施例7〜9、比較例2)円盤状のガラ
スの基体上にフォトレジストを厚さ70nmに塗布し、
レーザー露光機で所定の信号に従い露光しさらに現像
し、螺旋状に溝を形成した。溝ピッチTPは1.2μm
であり、溝の延在する方向に垂直な断面の溝形状は、溝
幅0.60μm、溝深さ70nm、溝間部と溝部の平坦
部がともに0.55μmのU溝であった。溝は原盤の内
径30mmから60mmまで形成されている。これらガ
ラス原盤に対し、一枚を除き、出力300Wの低圧水銀
ランプで紫外線照射を行った。用いた低圧水銀ランプの
発光は185nmと254nmの波長を含んでいる。ガ
ラス原盤とランプの距離は5mmであった。紫外線照射
ののち、溝形状をAFM(原子間力顕微鏡)で観察し
た。照射時間と溝形状の関係を表−2に示す。
【0063】
【表2】
【0064】紫外線照射とともに溝間部の平坦部が減少
した。また溝深さも減少した。次にこれら原盤より実施
例1と同様にスタンパーを得、さらにこれより光ディス
クを得た。実施例1と同様の評価を行った結果を表−2
に示す。紫外線照射を行ったものはほぼCNR45dB
以上が得られている。これらの媒体に対し、セロハンテ
ープを用いて情報層のテープ剥離試験を行ったところ、
全ての媒体において情報層の基板からの剥離は見られな
かった。
【0065】(実施例10〜14、比較例3)円盤状の
ガラスの基体上にフォトレジストを厚さ200nm塗布
し、130℃で2時間加熱することで硬化させ、また光
への反応性を失わせ、下地層とした。続いてフォトレジ
ストを厚さ60nmに塗布し、レーザー露光機で所定の
信号に従い露光しさらに現像し、螺旋状に溝を形成し
た。溝ピッチTPは1.2μmであり、溝の延在する方
向に垂直な断面の溝形状は、溝幅0.60μm、溝深さ
60nm、溝間部と溝部の平坦部がともに0.55μm
のU溝であった。平坦部合計は1.1μmであり、溝ピ
ッチの92%であった。溝は原盤の内径30mmから6
0mmまで形成されている。これらガラス原盤に対し、
一枚を除き、出力300Wの低圧水銀ランプで紫外線照
射を行った。用いた低圧水銀ランプの発光は185nm
と254nmの波長を含んでいる。ガラス原盤とランプ
の距離は5mmであった。紫外線照射ののち、溝形状を
AFM(原子間力顕微鏡)で観察した。照射時間と溝形
状の関係を表−3に示す。
【0066】
【表3】
【0067】紫外線照射とともに溝間部の平坦部が減少
し、10分以上の照射で平坦部が存在しない、全体が曲
面より構成される溝となった。このとき溝底部がエッチ
ングされることにより、溝深さは65nmまで増加し
た。処理時間が15分の場合は溝間部の減少に伴って溝
幅が広くなり、溝部での平坦部が増加した。
【0068】次にこれら原盤より実施例1と同様にスタ
ンパーを得、さらにこれより光ディスクを得た。実施例
1と同様の評価を行った結果を表−3に示す。紫外線照
射時間が3分の実施例10でも溝部においてCNRに改
善が見られ、実施例11〜14は溝部でも溝間部でもC
NR45dB以上が得られるようになった。これらの媒
体に対し、セロハンテープを用いて情報層のテープ剥離
試験を行ったところ、全ての媒体において情報層の基板
からの剥離は見られなかった。
【0069】(比較例4)比較例3において作製したポ
リカーボネート基板を、出力300Wの低圧水銀ランプ
で10分間、紫外線照射を行った。用いた低圧水銀ラン
プの発光は185nmと254nmの波長を含んでい
る。基板とランプの距離は3mmであった。本基板上
に、実施例1と同様にして情報層を形成後、実施例1と
同様の評価を行った。膜面入射方式での評価で、溝部及
び溝間部のCNRは各々51.2dB、51.5dBで
あった。次に、この媒体に対し、セロハンテープを用い
て情報層のテープ剥離試験を行ったところ、情報層は基
板から容易に剥離した。
【0070】
【発明の効果】本発明によれば、基板への紫外線照射で
問題となる、基板と情報層との低密着性及び低処理効率
を解消し、シャドウイングが小さくノイズが著しく低い
情報記録媒体の大量生産が低コスト、高効率で達成でき
る製造方法を提供することにある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は本発明により作製した光記録媒体の
一実施例の基板の溝形状と、成膜中の斜め入射粒子との
関係を示す図であり、(b)は成膜後の膜付着状態を示
す図である。
【図2】 (a)は従来の光記録媒体の基板の溝形状
と、成膜中の斜め入射粒子との関係を示す図であり、
(b)は成膜後の膜付着状態を示す図である。
【図3】 溝形状のパラメータの定義を示す説明図であ
る。
【図4】 本発明のエネルギー線処理方法の一実施例の
説明図である。
【図5】 本発明のエネルギー線処理方法の他の実施例
の説明図である。
【符号の説明】
1 基板 2 溝部 3 溝間部 4 斜め入射粒子 5 情報層 6 溝壁面 7 シャドウイング領域 8 エネルギー線 9 フォトレジスト層 10 基体 11 下地層

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体上に、所定の凹凸パターンが設けら
    れてなるフォトレジスト層を有する情報記録媒体用原盤
    に、エネルギー線を照射して該凹凸パターンの形状を変
    化させることを特徴とする情報記録媒体用原盤の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 上記フォトレジスト層は、溝部及び互い
    に隣接する溝部の間に位置する溝間部を有する、請求項
    1に記載の情報記録媒体用原盤の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記フォトレジスト層が、樹脂からなる
    下地層に接して設けられてなる請求項1又は2に記載の
    情報記録媒体用原盤の製造方法。
  4. 【請求項4】 上記エネルギー線が、波長300nm以
    下の紫外線を含んでいる請求項1乃至3のいずれかに記
    載の情報記録媒体用原盤の製造方法。
  5. 【請求項5】 上記エネルギー線の照射により上記フォ
    トレジスト層表面がエッチングされる請求項1乃至4の
    いずれかに記載の情報記録媒体用原盤の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれかに記載の方法
    により製造した情報記録媒体用原盤上に、金属層を形成
    したのち剥離してスタンパーとする工程を含むことを特
    徴とするスタンパーの製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至5のいずれかに記載の方法
    により製造した情報記録媒体用原盤上に、金属層を形成
    したのち剥離してスタンパーを作製する工程と、該スタ
    ンパーの表面形状を転写した基板を作製する工程と、該
    基板上に少なくとも記録層を含む情報層を形成する工程
    を含むことを特徴とする情報記録媒体の製造方法。
  8. 【請求項8】 上記情報記録媒体が、溝部及び互いに隣
    接する溝部の間に位置する溝間部を有する基板上に少な
    くとも記録層を含む情報層が設けられてなり、かつ少な
    くとも該溝部を記録トラックとして記録層に情報を記録
    するために用いられる媒体である請求項7に記載の情報
    記録媒体の製造方法。
JP2000318699A 1999-11-11 2000-10-19 情報記録媒体用原盤、スタンパー及び情報記録媒体の製造方法 Expired - Lifetime JP3873605B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000318699A JP3873605B2 (ja) 1999-11-11 2000-10-19 情報記録媒体用原盤、スタンパー及び情報記録媒体の製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11-321124 1999-11-11
JP32112499 1999-11-11
JP2000318699A JP3873605B2 (ja) 1999-11-11 2000-10-19 情報記録媒体用原盤、スタンパー及び情報記録媒体の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001202661A true JP2001202661A (ja) 2001-07-27
JP3873605B2 JP3873605B2 (ja) 2007-01-24

Family

ID=26570372

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000318699A Expired - Lifetime JP3873605B2 (ja) 1999-11-11 2000-10-19 情報記録媒体用原盤、スタンパー及び情報記録媒体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3873605B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003023775A1 (fr) * 2001-09-05 2003-03-20 Sony Corporation Procede de fabrication d'un disque original destine a la fabrication d'un support d'enregistrement et procede de fabrication d'une matrice
WO2003058614A1 (fr) * 2002-01-08 2003-07-17 Tdk Corporation Procede de fabrication de matrice pour faconnage de support d'information, matrice et disque maitre de photoresine
WO2003058616A1 (fr) * 2002-01-08 2003-07-17 Tdk Corporation Procede de production d'une matrice de pressage destinee la production d'un support de donnees, matrice de donnees et matrice de pressage intermediaire dotee d'un disque maitre
WO2003058615A1 (fr) * 2002-01-08 2003-07-17 Tdk Corporation Procede de fabrication d'une matrice de pressage pour la fabrication d'un support d'informations, matrice de pressage et disque matrice en resine photosensible
US6927016B2 (en) 2001-10-23 2005-08-09 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Blank disc and direct stamper and its manufacturing method
US7297472B2 (en) 2002-03-11 2007-11-20 Tdk Corporation Processing method for photoresist master, production method for recording medium-use mater, production method for recording medium, photoresist master, recording medium-use master and recording medium

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003023775A1 (fr) * 2001-09-05 2003-03-20 Sony Corporation Procede de fabrication d'un disque original destine a la fabrication d'un support d'enregistrement et procede de fabrication d'une matrice
US6927016B2 (en) 2001-10-23 2005-08-09 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Blank disc and direct stamper and its manufacturing method
WO2003058614A1 (fr) * 2002-01-08 2003-07-17 Tdk Corporation Procede de fabrication de matrice pour faconnage de support d'information, matrice et disque maitre de photoresine
WO2003058616A1 (fr) * 2002-01-08 2003-07-17 Tdk Corporation Procede de production d'une matrice de pressage destinee la production d'un support de donnees, matrice de donnees et matrice de pressage intermediaire dotee d'un disque maitre
WO2003058615A1 (fr) * 2002-01-08 2003-07-17 Tdk Corporation Procede de fabrication d'une matrice de pressage pour la fabrication d'un support d'informations, matrice de pressage et disque matrice en resine photosensible
US7204188B2 (en) 2002-01-08 2007-04-17 Tdk Corporation Method of manufacturing stamper for manufacturing information medium, stamper, and photoresist master
US7297472B2 (en) 2002-03-11 2007-11-20 Tdk Corporation Processing method for photoresist master, production method for recording medium-use mater, production method for recording medium, photoresist master, recording medium-use master and recording medium

Also Published As

Publication number Publication date
JP3873605B2 (ja) 2007-01-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1158504B1 (en) Rewritable compact disk and method for manufacturing the same
JP3284744B2 (ja) 光学的情報記録媒体
JPH09326136A (ja) 光記録媒体及びその製造方法
JP2001023244A (ja) 光記録媒体およびその製造方法と、光記録装置
JP3873605B2 (ja) 情報記録媒体用原盤、スタンパー及び情報記録媒体の製造方法
US20050079313A1 (en) High density readable only optical disc and method of preparing the same
US20010012265A1 (en) Optical disk having increased erasure efficiency
EP1784827B1 (en) Optical-recording medium, method for producing the same, and method for recording and reproducing optical-recording medium
JP4062872B2 (ja) 光記録媒体及びその記録再生方法
JPWO2005088628A1 (ja) ダイレクトマスタリングのスタンパを製造する方法、その方法により製造されるスタンパ及び光ディスク
JP2002063745A (ja) 情報記録媒体の製造方法
JPH08329528A (ja) 光記録媒体および記録再生方法
JP2002251778A (ja) 光学的情報記録媒体、その製造方法、その記録方法及び記録装置
WO2005015555A1 (ja) 光学情報記録媒体及びその製造方法
JP2001148140A (ja) 書換え可能型コンパクトディスク及びその製造方法
JPH06274941A (ja) 光記録媒体
JP4496689B2 (ja) 近接場光記録再生方法及び光記録媒体
JP2002352474A (ja) 光記録媒体及びその製造方法
JP2780589B2 (ja) 光ディスク
KR100595189B1 (ko) 디스크 타입 기록 매체의 제조 방법
JPH1153763A (ja) 光ディスク
JP2737401B2 (ja) 光学的情報記録用媒体
JPH0714229A (ja) 光磁気記録媒体及びその製造方法
Sabi et al. Noise Improvement for a High NA MO System
JPH11328738A (ja) 光情報記録媒体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040226

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050929

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051004

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051121

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20061003

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20061016

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 3873605

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101102

Year of fee payment: 4

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101102

Year of fee payment: 4

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111102

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121102

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131102

Year of fee payment: 7

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350