JP2003030899A - 情報記録媒体、情報の記録再生方法および情報の記録再生装置 - Google Patents

情報記録媒体、情報の記録再生方法および情報の記録再生装置

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JP2003030899A
JP2003030899A JP2001211274A JP2001211274A JP2003030899A JP 2003030899 A JP2003030899 A JP 2003030899A JP 2001211274 A JP2001211274 A JP 2001211274A JP 2001211274 A JP2001211274 A JP 2001211274A JP 2003030899 A JP2003030899 A JP 2003030899A
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Inventor
Hiroshi Shirai
寛 白井
Norihito Tamura
礼仁 田村
Kazuyo Umezawa
和代 梅澤
Makoto Iimura
誠 飯村
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Maxell Holdings Ltd
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Hitachi Maxell Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大容量化を実現する技術として、薄い基板を
採用することによって、ディスクのチルトに対する影響
を小さくする書換型の媒体が提案されており、積層の順
序として厚いPC基板上に反射層、誘電体層、相変化記
録層、誘電体層と、従来と逆の順序に積層し、薄い基板
を形成する方法によって作ることができる。しかしなが
ら、反射層の結晶粒の成長により表面に凹凸が生じ、誘
電体層や記録層の表面形状に反映されてノイズが大きく
なるという問題が生じ、さらには苛酷な環境に保持した
後、PC基板と反射層の間に剥離の生じた部分や反射層
の腐食が観察された。 【解決手段】 基板上に少なくとも反射層、記録層をこ
の順に設け、基板と反射層の間に下地層を形成すること
によって、上記問題点を一気に解決することができた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザ光、電子線
などの記録用ビームによって、映像、音声、コンピュー
タデータなどのディジタル情報を記録することが可能な
情報記録媒体、媒体の製造方法、情報記録再生方法およ
び情報記録再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピュータ用情報のみならず音
声や静止画像、動画像などの情報がディジタル化され、
取り扱う情報量がきわめて大きくなってきている。それ
に伴って、これらの情報を保存するための光記録媒体も
より大容量化する必要が生じてきている。それに応え
て、DVD−RAMやDVD−RWなどの光記録媒体が
製品化された。これらは直径120mmの片面4.7G
Bの大容量書換型媒体であり、0.6mmポリカーボネ
ート(PC)基板上に誘電体層、相変化記録層、誘電体
層、反射層の4層構造を基本とした積層構造を有し、最
上層である反射層の上に紫外線硬化樹脂からなる保護層
を約10μm形成した後、記録層などを内側にはさみこ
む形で0.6mm基板同士を貼り合せた構造を有してい
る。成膜方法としてはスパッタリング法などを用いるこ
とができ、基板上に誘電体層、相変化記録層、誘電体
層、反射層を順次積層していくことによって実現され
る。
【0003】さらに大容量化を実現する技術として、レ
ーザ光の波長を405nmと短波長化し、対物レンズN
Aを0.85と大きくすることによりレーザスポット径
を小さくしてより高密度の情報を記録する方法が提案さ
れている(Jpn.J.Appl.Phys.Vol.39(2000)pp.756-761、
Part1,No.2B,Feb.2000)。この方法では、従来より薄い
0.1mm基板を採用することによって、ディスクのチ
ルトに対する影響を小さくしている。書換型の媒体は、
従来と同様の積層構造をとることによって実現できる
が、積層の順序としては、0.1mm基板の剛性を保つ
ことが難しいため、厚い基板、例えば1.1mmのPC
基板上に反射層、誘電体層、相変化記録層、誘電体層
と、従来と逆の順序に積層し、最後に0.1mmカバー
層を形成する方法によって作ることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来と逆の順序で積層
する方法によってディスクを作製したところ、以下3点
の問題が新たに生じることが分かった。
【0005】(1)反射層の結晶粒の成長により表面に
凹凸が生じ、その凹凸が、その後に積層される誘電体層
や記録層の表面形状に反映されて、ノイズが大きくなる
ことが分かった。これは従来と逆の順序で積層する方法
によって作製されたディスクに固有の現象であって、従
来は問題にならなかった。
【0006】(2)苛酷な環境、例えば80℃90%の
環境下に24時間保持した後、PC基板と反射層の間に
剥離の生じた部分が観察された。これは、PC基板と反
射層との密着性が悪いために生じた現象であって、従来
の積層順で作製したディスクでは生じなかった現象であ
る。
【0007】(3)上記の環境に保持した後、剥離が生
じない個所であっても、反射層の腐食が観察された。こ
れはPC基板側から浸入した水分によって反射層が腐食
したためであって、従来の積層順で作製したディスクで
は生じなかった現象である。従来のDVD-RAMあるいはDVD
-RWの場合、反射層と接する側には約10μmの厚さの
紫外線硬化樹脂層が形成されており、その反対側は0.
6mmの厚さのPC基板が存在している。ここで、紫外線
硬化樹脂とPCの飽和吸水率はそれぞれ0.7%、0.3
4%であり、紫外線硬化樹脂層とPC基板の体積はそれぞ
れ約0.1cm 3、約6.7cm3となるため、反射層に
接する側の紫外線硬化樹脂層には最大約0.9mgの水
が含まれ、反対側の基板には最大約27mgの水が含ま
れ得る。つまり、反射層に接する側の水分量は非常に少
なく、その反対側の水分量に対して30分の1程度にし
かならない。なお、ここで紫外線硬化樹脂の比重を1.
13、PCの比重を1.20とした。一方、本発明のよ
うな逆積層構造の場合、反射層と接する側には1.1m
mの厚さのPC基板、その反対側は0.1mmの厚さのカ
バー層が形成されている。仮にカバー層が紫外線硬化樹
脂によって形成されているとすると、基板とカバー層の
体積はそれぞれ約12.2cm3、約1.1cm3となる
ため、反射層と接する側の基板には最大約50mgの水
が含まれ、反対側のカバー層には最大約9mgの水が含
まれ得る。したがって、従来とは逆に、反射層に接する
側の水分量は大変多く、その反対側の水分量と比較して
も5倍以上にも達することになる。
【0008】本発明の目的は上記3つの問題を解決し
て、ノイズが低くかつ耐環境性に優れた情報記録媒体、
およびそれを用いた方法の記録再生方法、情報の記録再
生装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の目的
を達成すべく種々の検討を行ったところ、基板上に少な
くとも反射層、記録層をこの順に設け、基板と反射層の
間に下地層を形成することによって、上記3つの問題点
を一気に解決することができた。
【0010】この方法において上記反射層表面の中心線
平均粗さをRa、記録再生に用いるレーザ光の波長を
λ、レーザ光を集光するためのレンズ開口数をNAとし
たときに、 Ra≦0.004×(λ/NA) の関係を満たしていることが望ましい。
【0011】本明細書において、「中心線平均粗さR
a」はJIS(日本工業規格)の規格(B 0601)
に基づく。上記不等式は情報記録媒体の所定の層上に形
成される光スポットのスポット径(λ/NA)に対して反
射層表面の中心線平均粗さRaの大きさを規定してい
る。
【0012】さて、レーザ光によって情報の再生を行う
場合においては、一般に、媒体表面のRaが大きい、す
なわち表面の凹凸の度合いが大きいと光の散乱が生じて
ノイズが高くなり、逆にRaが十分に小さいと散乱が少
なくなってノイズが低くなることが知られている。ここ
で、Raの大小の判定基準として重要なのは、その絶対
値ではなく、照射されるレーザ光のスポット径に対する
相対値であることを本発明者らは見出した。さらに、低
ノイズ媒体を実現するためには、レーザービームスポッ
ト径に比例した量(λ/NA)に対するRaの大きさがい
くら以下であればよいかを見極めることが重要である、
との考えに到達し、種々検討した結果、その値は0.0
04以下であることを見出した。
【0013】また、この方法は、上記反射層としてA
u、Ag、Cu、Alのうち少なくとも一元素を用いた
ときに有効であった。上記反射層としてはAgが好まし
く、さらに、反射層の膜厚方向の平均組成が一般式、 AgxMAαMBβMCγMDδMEεMFφ (ただし、x、α、β、γは原子%で、75≦x≦9
9、0≦α≦15、0≦β≦15、0≦γ≦10、0≦
δ≦10、0≦ε≦10、0≦φ≦10、MAはSc、
Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Y、Zr、
Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Hf、Ta、
W、Re、Os、Ir、Ptのうち少なくとも一元素、
MBはCu、Zn、Cd、Au、Hgのうちの少なくと
も一元素、MCはAl、Ga、In、Tl、Si、G
e、Sn、Pb、As、Sb、Bi、S、Se、Teの
うちの少なくとも一元素、MDはB、C、Pのうちの少
なくとも一元素、MEはN、O、Ar、F、Hのうちの
少なくとも一元素、MFはAg、MA、MB、MC、M
D、MEであらわされる元素以外の元素)で表される材
料がより好ましい。
【0014】上記下地層の材料としては、反射層の主成
分を含む材料を用いることができる。そのうち、反射層
の主成分元素単体もしくは反射層の主成分元素を含む合
金が好ましい。また、反射層の主成分元素を含む誘電体
も好ましい。また、上記反射層の主成分元素単体もしく
は主成分元素を含んだ合金と誘電体との混合物からなる
材料も好ましい。
【0015】下地層の材料としては上記のものが好まし
いが、反射層の主成分以外の元素を含む材料を用いるこ
とも可能である。この中には、金属単体、合金、誘電体
などを含む。
【0016】また、上記下地層として有機物を用いるこ
とができる。有機物を用いる場合、基板材料とほぼ同一
の材料からなり、基板材料と平均分子量、最大分子量、
最小分子量、分子配向の度合い、基板を構成する材料以
外の不純物濃度のいずれかが異なっているものが好まし
い。このような下地層は、基板成形のプロセス制御、例
えば樹脂温度、金型温度、冷却時間、圧縮の圧力やタイ
ミングなどを制御することによって作製することができ
る。あるいは成形後の基板を高温でベークしたり、紫外
線などのエネルギーを表面に与えたり、また基板表面を
不活性ガスなどによってエッチングすることによっても
作製可能である。
【0017】ディスク構造としては、記録層の反射層と
反対側に透明なカバー層を形成することができる。
【0018】また、記録を行うトラックの間隔が0.5
μm以下と高密度に記録を行うときにこの方法は特に有
効である。また、記録、再生のレーザ波長が500nm
以下のときに特に有効である。
【0019】上記のような媒体を用いれば、記録層の側
から波長500nm以下のレーザ光を照射して情報の記
録、再生を行う情報の記録再生方法、また情報の記録再
生装置を提供することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に本発明を実施例によって詳
細に説明する。図1、図2、図3、図4および図5は本
実施例の断面図、図6は比較例の断面図である。
【0021】<実施例1>図1は本発明の実施例1で得
られた情報記録媒体の構造を示す断面図である。直径1
20mm、厚さ1.1mmのポリカーボネート樹脂板の
表面に、幅0.16μm、深さ20nmの溝が0.32
μmピッチで形成された基板1を射出成形によって作製
した。この基板にはディスク認識情報やアドレス情報な
どを、溝のウォブルによってあらかじめ記録してある。
これらの情報はプリピットによっても形成可能である。
情報記録用のトラックとしては溝あるいは溝間のどちら
か一方を用いた。この基板1を、複数のスパッタ室を持
ち、膜厚の均一性および再現性に優れたスパッタ装置内
の第1スパッタ室に配置した。ターゲットとしてAg 50
−(Cr2350(モル%)を用い、アルゴンガス中で
厚さ1nmのAg50−(Cr2350下地層2を形成し
た。
【0022】次に、この基板を第2のスパッタ室に移動
した後、ターゲットとしてAg98Ru1Au1(原子%)
を用い、アルゴンガス中で厚さ50nmのAgRuAu
反射層3を形成した。次いで、この基板を第3のスパッ
タ室に移動した後、ターゲットとしてCr95−(Cr2
35(モル%)を用い、アルゴンガス中で厚さ20n
mのCr95−(Cr235吸収率補正層4を形成し
た。次いで、この基板を第4のスパッタ室に移動した
後、ターゲットとしてZnSとSiO2の混合物を用
い、アルゴンガス中で厚さ20nmの(ZnS)80(S
iO220(モル%)第1誘電体層5を形成した。次い
で、この基板を第5のスパッタ室に移動した後、ターゲ
ットとしてTaNを用い、アルゴンガス中で厚さ1nm
のTaN第1拡散防止層6を形成した。続いて、第6ス
パッタ室で、Ge33Sb13Te54(原子%)焼結体ター
ゲットを用いて、アルゴンガス中で記録層7を20nm
形成した。次いで、この基板を第7のスパッタ室に移動
した後、第1拡散防止層形成と同様の要領で厚さ1nm
のTaN第2拡散防止層8を形成した。次いで第8スパ
ッタ室に基板を移動し、第1誘電体層形成と同様の要領
で厚さ40nmの(ZnS)80(SiO220(モル
%)第2誘電体層9を形成した。積層された基板をスパ
ッタ装置から取り出し、最上層である(ZnS)80(S
iO220(モル%)第2誘電体層9の上に紫外線硬化
樹脂によってカバー層10を厚さ0.1mmに形成し
た。
【0023】上記のように作製したディスクを、波長8
10nm、ビーム長径50μm、短径1μmの楕円ビー
ムを持つレーザ光を照射することによって初期化をおこ
なった。初期化を行ったディスクを線速6m/sになる
ように回転させ、波長405nmの半導体レーザ光を開
口数0.85の対物レンズで集光させて、再生パワー
0.3mWで再生したときのノイズを測定した。ノイズ
は周波数12MHzでの再生信号のノイズレベルをスペ
クトラムアナライザーで測定した。ここでRBWは30
kHz、VBWは100Hzとした。ノイズレベルの測
定値は−75.0dBmとなった。
【0024】また、反射層の表面粗さRaを断面TEM
により測定したところ、Raは1.0nmとなった。断
面TEMによってRaを測定する方法は以下のようにし
て行った。まずディスクサンプルの断面が出るように超
音波カッターによって比較的大きな部分に切りだし、そ
の断面を収束イオンビーム(FIB)加工装置によって
処理することによって断面TEM観察用試料とした。こ
の方法の特徴は、観察対象である積層膜に機械的な応力
がほとんどかからないため、積層されたほぼそのままの
状態を観察することができることである。この試料をT
EM観察装置HF−2200(日立製作所製)に挿入し
加速電圧200kVで断面TEM観察を行い写真撮影を
行った。この写真から反射層表面の凹凸具合をトレース
し、この凹凸曲線からJIS規格に基づく方法によって
Raを測定した。
【0025】このディスクを温度80℃、相対湿度90
%の環境下に24時間保存したのち、室温に戻し、基板
側から剥離状態を光学顕微鏡により観察したが、剥離は
観察されなかった。ここで光学顕微鏡の倍率は400倍
とした。さらに、このディスクを温度80℃、相対湿度
90%の環境下に24時間保存したのち、室温に戻し、
反射層の腐食状態を光学顕微鏡により観察したが腐食は
観察されなかった。
【0026】よりミクロなレベルで剥離および腐食を調
べるために、温度80℃、相対湿度90%の環境下に2
4時間保存したディスクを線速6m/sで回転させ、波
長405nmの半導体レーザ光を開口数0.85の対物
レンズで集光させて、再生パワー0.3mWで再生した
ところ、反射率変化はなく、ノイズの上昇も認められな
かった。
【0027】このディスクの反射層として用いたAg−
Ru−AuのRuとAuの含有量を一定にしたまま、A
g含有量を種々変えて、上記ノイズ測定、剥離検査、腐
食検査を行ったところ表1に示す結果が得られた。
【0028】
【表1】
【0029】また、RuもしくはAuの含有量を15%
以上にするとディスク反射率が13%以下に低下した。
【0030】Ruの一部もしくは全部をSc、Ti、
V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Y、Zr、Nb、
Mo、Tc、Rh、Pd、Hf、Ta、W、Re、O
s、Ir、Ptのうち少なくとも一元素に置換しても良
く似た特性が得られた。これらのうち、Cr、Mo、T
a、Wはさらに長時間高温高湿環境に保持しても剥離が
全く生ずることがなく、密着性がより良い結果が得られ
た。Ti、Co、Ni、Zr、Nb、Pd、Ptはさら
に長時間高温高湿環境に保持しても腐食が全く生ずるこ
とがなく、より耐食性に優れるという結果が得られた。
Sc、V、Mn、Fe、Y、Tc、Rh、Hf、Re、
Os、IrはRuに比べて記録パワーが0.2〜0.5
mW低くなり、より高感度になるという結果が得られ
た。
【0031】Auの一部もしくは全部をCu、Zn、C
d、Hgのうちの少なくとも一元素に置換しても良く似
た特性が得られた。これらのうちCu、Znを用いると
Auに比べて記録パワーが0.2〜0.5mW低くな
り、より高感度になるという結果が得られた。
【0032】<実施例2>図2は実施例2で得られた情
報記録媒体の構造を示す断面図である。Ag98Ru1
1(原子%)ターゲットを装着しているスパッタ室で
厚さ50nmのAg 98Ru1Au1反射層を成膜する代わ
りにAg95Ru1Au1Si111(原子%)ターゲッ
トを装着しているスパッタ室で厚さ50nmのAg95Ru
1Au1Si111反射層11を成膜した以外は実施例
1と同様の方法でディスクを作製した。
【0033】このディスクを実施例1と同様の方法でノ
イズレベル、Raを測定したところ、ノイズは−75.
5dBm、Raは0.9nmとなった。ディスク反射率
は18%になった。また、このディスクを温度80℃、
相対湿度90%の環境下に24時間保存したのち、室温
に戻し、基板側から剥離状態と腐食を光学顕微鏡により
観察したが、剥離、腐食とも観察されなかった。
【0034】上記反射層のSiの一部もしくは全部をA
l、Ga、In、Tl、Ge、Sn、Pb、As、S
b、Bi、S、Se、Teのうちの少なくとも一元素に
置換しても良く似た特性が得られた。これらのうち、S
b、Bi、S、Se、Teはさらに長時間高温高湿環境
に保持しても腐食が全く生ずることがなく、より耐食性
に優れるという結果が得られた。In、Tl、Sn、P
b、AsはSiに比べて記録パワーが0.2〜0.4m
W低くなり、より高感度になるという結果が得られた。
In、Sn、Pb、AsのうちではIn、Snは毒性が
低いという利点を持つ。Al、Ga、GeはSiに比べ
て反射率が1〜2%高くなった。上記反射層のCの一部
もしくは全部をB、Pのうちの少なくとも一元素に置換
しても良く似た特性が得られた。また、上記反射層のN
の一部もしくは全部をO、Ar、F、Hのうちの少なく
とも一元素で置換しても良く似た特性が得られた。これ
らのうちF、Hを添加する時はCと一緒に添加すると記
録感度が向上した。
【0035】<実施例3>図3は実施例3で得られた情
報記録媒体の構造を示す断面図である。Ag50−(Cr
2350(原子%)ターゲットを装着しているスパッタ
室で厚さ1nmのAg50−(Cr2350下地層を成膜
する代わりにAg75Pt25(原子%)ターゲットを装着
しているスパッタ室で厚さ1nmのAg75Pt25下地層1
2を成膜した以外は実施例1と同様の方法でディスクを
作製した。
【0036】このディスクを実施例1と同様の方法でノ
イズレベル、Raを測定したところ、ノイズは−74.
5dBm、Raは1.2nmとなった。ディスク反射率
は22%になった。また、このディスクを温度80℃、
相対湿度90%の環境下に24時間保存したのち、室温
に戻し、基板側から剥離状態と腐食を光学顕微鏡により
観察したが、剥離、腐食とも観察されなかった。
【0037】<実施例4>図4は実施例4で得られた情
報記録媒体の構造を示す断面図である。Ag50−(Cr
2350(モル%)ターゲットを装着しているスパッタ
室で厚さ1nmのAg50−(Cr2350下地層を成膜
する代わりにTa25ターゲットを装着しているスパッ
タ室で厚さ1nmのTa25下地層13を成膜した以外
は実施例1と同様の方法でディスクを作製した。Ta2
5形成に用いた混合ガスの酸素含有量は10モル%と
した。
【0038】このディスクを実施例1と同様の方法でノ
イズレベル、Raを測定したところ、ノイズは−74.
5dBm、Raは1.1nmとなった。実施例1のディ
スクと比べると記録に必要なパワーが約0.5mW低く
なりより高感度な媒体となった。また、このディスクを
温度80℃、相対湿度90%の環境下に24時間保存し
たのち、室温に戻し、基板側から剥離状態と腐食を光学
顕微鏡により観察したが、剥離、腐食とも観察されなか
った。
【0039】<実施例5>図5は実施例5で得られた情
報記録媒体の構造を示す断面図である。成膜を開始する
前に基板表面にエッチング14を施すことおよびターゲ
ットとしてAg50−(Cr2350(モル%)ターゲッ
トを装着しているスパッタ室で厚さ1nmのAg50
(Cr2350下地層を成膜しないこと以外は実施例1
と同様の方法でディスクを作製した。
【0040】このディスクを実施例1と同様の方法でノ
イズレベル、Raを測定したところ、ノイズは−74d
Bm、Raは1.3nmとなった。実施例1のディスク
と比べると層数が1層減り成膜がやや容易になった。ま
た、このディスクを温度80℃、相対湿度90%の環境
下に24時間保存したのち、室温に戻し、基板側から剥
離状態と腐食を光学顕微鏡により観察したが、剥離、腐
食とも観察されなかった。
【0041】基板をエッチングする代わりに10mW/
cm2の強度密度の紫外線を120秒間基板表面に照射
することによっても同様の結果が得られた。
【0042】<比較例>図6は本発明の比較例で得られ
た情報記録媒体の構造を示す断面図である。Ag50
(Cr2350(モル%)ターゲットを装着しているス
パッタ室で厚さ1nmのAg50−(Cr2350下地層
を成膜しないこと以外は実施例1と同様の方法でディス
クを作製した。
【0043】このディスクを、実施例1と同様の方法で
ノイズレベル、Raを測定したところ、ノイズは−65
dBm、Raは3.2nmとなった。実施例1〜5のデ
ィスクと比べるとノイズが約10dB高く、Raは約3
倍と大きくなった。また、このディスクを温度80℃、
相対湿度90%の環境下に24時間保存したのち、室温
に戻し、基板側から剥離状態を光学顕微鏡により観察し
たところ、剥離が観察された。また、同様の方法で腐食
を観察したところ、変色し腐食している部分を数多く観
察することができた。
【0044】以上、本発明の情報記録媒体について実施
例により詳細に説明したが、本発明はこれらに限定され
るものではない。例えば、本発明では記録層としてGe
−Sb−Te系の相変化型記録材料を用いているが、光
磁気記録材料や色素材料を記録層として用いても同様の
効果が得られる。また、相変化型記録材料として、Ge
−Sb―Te系以外の材料、例えばAg−In−Sb−
Te系材料、In−Sb−Te系材料、Sb−Te系材
料、Te−O系材料、Ge−Te系材料、In―Se系
材料、In−Sb系材料などを用いても同様の効果が得
られる。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、ノイズが低くかつ耐環
境性に優れた情報記録媒体、およびそれを用いた方法の
記録再生方法、情報の記録再生装置を提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1で得られた情報記録媒体の構
造を示す断面図である。
【図2】本発明の実施例2で得られた情報記録媒体の構
造を示す断面図である。
【図3】本発明の実施例3で得られた情報記録媒体の構
造を示す断面図である。
【図4】本発明の実施例4で得られた情報記録媒体の構
造を示す断面図である。
【図5】本発明の実施例5で得られた情報記録媒体の構
造を示す断面図である。
【図6】本発明の比較例で得られた情報記録媒体の構造
を示す断面図である。
【符号の説明】
1 ポリカーボネート基板 2 Ag50−(Cr2350下地層 3 AgRuAu反射層 4 Cr95−(Cr235吸収率補正層 5 (ZnS)80(SiO220(モル%)第1誘電体
層 6 TaN第1拡散防止層 7 Ge33Sb13Te54(原子%)記録層 8 TaN第2拡散防止層 9 (ZnS)80(SiO220(モル%)第2誘電体
層 10 カバー層 11 Ag95Ru1Au1Si111反射層 12 Ag75Pt25下地層 13 Ta25下地層 14 エッチングにより形成された表面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 7/24 535 G11B 7/24 535A 535C 538 538E 538F 561 561N 7/0045 7/0045 Z 7/005 7/005 Z (72)発明者 梅澤 和代 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内 (72)発明者 飯村 誠 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内 Fターム(参考) 5D029 KC20 LC08 LC21 MA12 MA13 MA14 MA15 NA01 NA02 NA07 WB11 WC01 5D090 AA01 BB03 BB04 CC01 CC04 CC06 DD01

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に少なくとも反射層、記録層がこ
    の順に設けられ、記録層の側からエネルギーを与えるこ
    とによって情報の記録、再生を行う情報記録媒体におい
    て、前記基板と前記反射層の間に下地層を形成すること
    を特徴とする情報記録媒体。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の情報記録媒体において、
    前記エネルギーはレーザ光によって与えられ、前記レー
    ザ光の波長をλ、前記レーザ光を集光するためのレンズ
    の開口数をNA、前記反射層表面の中心線平均粗さをR
    aとしたときに、 Ra≦0.004×(λ/NA) としたことを特徴とする情報記録媒体。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の情報記録媒体におい
    て、前記反射層がAu、Ag、Cu、Alのうち少なく
    とも一元素を主成分とすることを特徴とする情報記録媒
    体。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の情報記録媒体におい
    て、前記反射層がAgを主成分とすることを特徴とする
    情報記録媒体。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の情報記録媒体におい
    て、前記反射層の膜厚方向の平均組成が一般式、Agx
    MAαMBβMCγMDδMEεMFφ(ただし、x、
    α、β、γは原子%で、75≦x≦99、0≦α≦1
    5、0≦β≦15、0≦γ≦10、0≦δ≦10、0≦
    ε≦10、0≦φ≦10、MAはSc、Ti、V、C
    r、Mn、Fe、Co、Ni、Y、Zr、Nb、Mo、
    Tc、Ru、Rh、Pd、Hf、Ta、W、Re、O
    s、Ir、Ptのうち少なくとも一元素、MBはCu、
    Zn、Cd、Au、Hgのうちの少なくとも一元素、M
    CはAl、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、P
    b、As、Sb、Bi、S、Se、Teのうちの少なく
    とも一元素、MDはB、C、Pのうちの少なくとも一元
    素、MEはN、O、Ar、F、Hのうちの少なくとも一
    元素、MFはAg、MA、MB、MC、MD、MEであ
    らわされる元素以外の元素)で表されること特徴とする
    情報記録媒体。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の情報記録媒体におい
    て、前記下地層が前記反射層の主成分である材料を含む
    ことを特徴とする情報記録媒体。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の情報記録媒体におい
    て、前記下地層が前記反射層の主成分元素単体もしくは
    主成分元素を含んだ合金からなることを特徴とする情報
    記録媒体。
  8. 【請求項8】 請求項6に記載の情報記録媒体におい
    て、前記下地層が前記反射層の主成分元素を含む誘電体
    からなることを特徴とする情報記録媒体。
  9. 【請求項9】 請求項6に記載の情報記録媒体におい
    て、前記下地層が前記反射層の主成分元素単体もしくは
    主成分元素を含んだ合金と誘電体との混合物からなるこ
    とを特徴とする情報記録媒体。
  10. 【請求項10】 請求項1に記載の情報記録媒体におい
    て、前記下地層が有機物からなることを特徴とする情報
    記録媒体。
  11. 【請求項11】 請求項1に記載の情報記録媒体におい
    て、前記記録層の反射層と反対側に直接もしくは誘電体
    層を介して透明なカバー層を形成することを特徴とする
    情報記録媒体。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載の情報記録媒体にお
    いて、前記基板の吸水率と前記基板の体積の積をa、前
    記カバー層の吸水率と前記カバー層の体積の積をbとし
    たとき、a/bを3以上としたことを特徴とする情報記
    録媒体。
  13. 【請求項13】 請求項1に記載の情報記録媒体におい
    て、記録を行うトラックの間隔が0.5μm以下である
    ことを特徴とする情報記録媒体。
  14. 【請求項14】 請求項1に記載の情報記録媒体におい
    て、記録、再生をレーザ光によって行い、レーザ光の波
    長が500nm以下であることを特徴とする情報記録媒
    体。
  15. 【請求項15】 基板上に少なくとも下地層、反射層、
    記録層がこの順に設けられた情報記録媒体に、記録層の
    側からレーザ光を照射して情報の記録、再生を行う情報
    の記録再生方法において、上記レーザ光の波長が500
    nm以下であることを特徴とする情報の記録再生方法。
  16. 【請求項16】 基板上に少なくとも下地層、反射層、
    記録層がこの順に設けられた情報記録媒体に、記録層の
    側からレーザ光を照射して情報の記録、再生を行う情報
    の記録再生装置において、上記レーザ光の波長が500
    nm以下であることを特徴とする情報の記録再生装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004280868A (ja) * 2003-03-12 2004-10-07 Toshiba Corp 光ディスク
WO2004102553A1 (ja) * 2003-05-16 2004-11-25 Mitsubishi Materials Corporation 光記録媒体の反射層形成用銀合金スパッタリングターゲット
CN100380484C (zh) * 2004-09-30 2008-04-09 太阳诱电株式会社 光信息记录介质

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