JP2000322706A - 磁気ヘッド用封着ガラス及び磁気ヘッド - Google Patents
磁気ヘッド用封着ガラス及び磁気ヘッドInfo
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- JP2000322706A JP2000322706A JP13325799A JP13325799A JP2000322706A JP 2000322706 A JP2000322706 A JP 2000322706A JP 13325799 A JP13325799 A JP 13325799A JP 13325799 A JP13325799 A JP 13325799A JP 2000322706 A JP2000322706 A JP 2000322706A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 耐水性化学的耐久性に優れ、かつ失透しない
磁気ヘッド用低作業温度封着ガラスと、それを使用し切
断加工時にガラスの割れが発生し難く、加工歩留りの高
い磁気ヘッドの提供。 【解決手段】 SiO2を4重量%以上7重量%以下、B2O3
を13重量%以上19重量%以下、PbOを73重量%以
上79重量%以下、Al2O3およびZnOを合わせて3重量%
以上9重量%以下(但し、このうちAl2O3は0重量%よ
り大きく、ZnOは3重量%以下である)を含む、30℃
以上300℃以下での平均熱膨張係数が93×10-7/
℃以上98×10-7/℃以下で、且つ作業温度、すなわ
ち粘度が103Pa・秒となる温度が505℃以上52
0℃以下である磁気ヘッド用封着ガラス。
磁気ヘッド用低作業温度封着ガラスと、それを使用し切
断加工時にガラスの割れが発生し難く、加工歩留りの高
い磁気ヘッドの提供。 【解決手段】 SiO2を4重量%以上7重量%以下、B2O3
を13重量%以上19重量%以下、PbOを73重量%以
上79重量%以下、Al2O3およびZnOを合わせて3重量%
以上9重量%以下(但し、このうちAl2O3は0重量%よ
り大きく、ZnOは3重量%以下である)を含む、30℃
以上300℃以下での平均熱膨張係数が93×10-7/
℃以上98×10-7/℃以下で、且つ作業温度、すなわ
ち粘度が103Pa・秒となる温度が505℃以上52
0℃以下である磁気ヘッド用封着ガラス。
Description
【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ビデオテープ、オ
ーディオテープ、DAT、フロッピーデイスク、ハード
ディスク、磁気カードなどの磁気記録媒体を用いる記録
再生装置において使用される磁気ヘッドのガラス融着等
に用いられる磁気ヘッド用封着ガラスに関し、また、前
記封着ガラスをコアの固着あるいは埋め込み等に用いた
磁気ヘッドに関する。 【0002】 【従来の技術】フェライト等に膜付けした軟磁性金属
(例えば Fe-Ta-N、Fe-Al-Si、Fe-Ga-Si-Ru など)の薄
膜間に作動ギャップが形成された、いわゆるメタル・イ
ン・ギャップ型ヘッド(以下 MIGヘッドと略称す
る)では擬似ギャップの発生、膜剥離、軟磁性金属膜の
磁気特性劣化が生じやすい。それを防止するため、ガラ
ス融着工程は通常フェライトを主体とする磁気ヘッドと
比較して、より一層低温で行う必要がある。例えばフェ
ライトを主体とする磁気ヘッドに用いられる封着ガラス
の作業温度(後述するように、ガラスの粘度が103P
a・秒となる温度を指す)が690℃であるが、軟磁性
金属として Fe-Ta-N合金を使用したMIGヘッドの場
合、封着ガラスの作業温度は、500℃程度である。 【0003】ところで、500℃程度のように低い作業
温度を有するガラスは一般に B2O3やPbO 等のガラスの
信頼性を劣化させる成分を多く含んでいる。例えば B2O
3 を多量に含むガラスは耐水性に難があり、また、PbO
を多量に含むガラスは酸やアルカリに対する耐久性(化
学的耐久性)に劣る。したがって、このような作業温度
の低いガラスを用いた磁気ヘッドは、たとえば次のよう
な不都合な点がある。1)加工時に研削液によりガラス
表面が侵食されて段差が生じることがある。2)磁気ヘ
ッドがビデオテープレコーダーに実装されてビデオテー
プが摺動している時、ビデオテープの表面に塗布されて
いる潤滑剤との化学反応によりガラス表面に段差が生じ
ることがある。また、3)潤滑剤との反応生成物の付着
によりビデオテープを傷つけたりすることがある。これ
らの解決手段として ZnOを添加して耐水性ならびに化学
的耐久性の改善を図る方法がある。しかしながらPbOを
多く含むガラスにZnOを添加すると溶融後の冷却段階で
ガラスが結晶化、つまり失透しやすくなる。たとえば、
このようなZnOを含む作業温度の低いガラスを用いて加
工した磁気ヘッドでは、ガラス中に微細な結晶がしばし
ば観察される。特にMIGヘッドにおける融着ガラス中
に微細な結晶が生じた場合、ギャップの深さを計測し難
いことがあった。また、結晶が発生していないヘッドと
比較して、切断加工時にガラスの割れがより高率に発生
することがあった。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】このように、従来の低
い作業温度を有する封着ガラスでは、結晶性の点で問題
を残しており、特にMIGヘッドのコアの接合に用いた
場合に、封着ガラス中に微細な結晶が生じ(失透現象)、
加工時のガラス割れ発生の原因となる。対策として、あ
らかじめ封着ガラスのロット検査で加熱試験を行い、封
着ガラス中に結晶が有るかどうかを検査して、結晶が発
生している封着ガラスは排除している。このため加工歩
留まりが低下することが大きな問題となっている。 【0005】本発明は、このような従来の実状に鑑みて
提案されたものであって、作業温度が低く、しかも耐水
性及び化学的耐久性に優れた封着ガラスを提供すること
を目的とする。また、本発明は、主として単層の軟磁性
金属薄膜を使用した磁気ヘッドの封着ガラスに用いた場
合、ガラス中に結晶の発生がなく切断加工工程における
ガラスの割れの発生が少ない封着ガラスを提供すること
を目的とする。さらに本発明は、切断加工工程における
ガラスの割れの発生を押さえて、加工歩留りを高くした
磁気ヘッドを提供することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、PbOを多
量に含有する低融点ガラスの化学的耐久性を向上する成
分のうち、Al2O3はZnOよりガラス化を促す性質に優れて
いるということを見出し、ZnOの量をできるだけ少なく
して、その分をAl2O3で置換した。その結果、作業温度
を520℃以下に保ちながら化学的耐久性を向上させる
ことに成功した。なお本明細書中で、作業温度とは、磁
気ヘッド用封着ガラスの粘度が103Pa・秒となる温
度をいう。 【0007】上記課題を解決する本発明に係る磁気ヘッ
ド用封着ガラスは、30℃以上300℃以下での平均熱
膨張係数が93×10-7/℃以上98×10-7/℃以下
であり、且つ作業温度(つまり粘度が103Pa・秒と
なる温度)が505℃以上520℃以下であつて、SiO2
を4重量%以上7重量%以下、B2O3を13重量%以上1
9重量%以下、PbOを73重量%以上79重量%以下、
ならびにAl2O3及びZnOを合わせて3重量%以上9重量%
以下、含んでいる。言うまでもないが、SiO2等の封着ガ
ラスに含まれる成分の合計が100重量%を越えること
はない。なお、本明細書においては、磁気ヘッド用封着
ガラスを単に「封着ガラス」という場合がある。Al2O3
は1重量%以上4重量%以下、ZnOは3重量%以下であ
ることが好ましい。 【0008】本発明に係る磁気ヘッドは、ギャップ部を
介して突き合わせた一対の磁気コア半体間に磁気ヘッド
用封着ガラスを充填して接合した磁気ヘッドであって、
当該磁気ヘッド用封着ガラスが上述のような本発明に係
る封着ガラスであることを特徴とする。また、本発明に
係る磁気ヘッドは、少なくとも一方の接合面に金属磁性
膜が形成され、且つ前記金属磁性膜を向かい合わせに突
き合わせて配置されることによりギャップ部を形成する
一対の磁気コア半体と、前記突き合わせ配置により生じ
た空間に前記一対の磁気コア半体を接合するために充填
されたフロントギャップ封着ガラス及びバックギャップ
封着ガラスとを備えたメタル・イン・ギャップ型磁気ヘ
ッドであって、前記フロントギャップ封着ガラス及びバ
ックギャップ封着ガラスのうち少なくとも一方が上述の
ような本発明に係る封着ガラスであることを特徴とす
る。封着ガラスの平均熱膨張係数が93×10-7/℃に
満たない場合または98×10-7/℃を超える場合に
は、組み合わせる部材の平均熱膨張係数との整合上、適
切でない。 【0009】 【発明の実施の形態】本発明に係る封着ガラスにおい
て、SiO2はガラスの網目構造を形成しガラスの耐水性、
化学的耐久性を向上する役割を果たす。しかしながら、
SiO2は作業温度を上昇させる働きがあるので自ずからそ
の含有量の上限が制限される。それゆえ本発明では、Si
O2の含有量を4重量%以上7重量%以下とする。SiO
2の含有量が4重量%未満であると、30℃以上300
℃以下での平均熱膨張係数が98×10-7
/℃より大きくなり、7重量%を越えると作業温度が5
20℃より高くなってしまう。 【0010】PbOはガラスの作業温度を低下させるが、
熱膨張係数を増加させる。また、B 2 O3 は作業温度を低
下させ、且つ熱膨張係数も減少させる。従って、作業温
度を低下させ、30℃以上300℃以下での平均熱膨張
係数を93×10-7/℃以上98×10-7/℃以下の範
囲とするために、PbO を73重量%以上、79重量%以
下とし、B2O3 を13重量%以上、19重量%以下とす
る。PbO が73重量%未満では作業温度が十分に低下せ
ず、79重量%を超える場合には、熱膨張係数の増加が
大きすぎる。B2O3 が13重量%未満では、上記効果が
不十分であり、19重量%を超えると、平均熱膨張係数
が93×10-7/℃未満となるため不適切である。 【0011】Al2O3及びZnOはガラスの化学的耐久性、耐
水性を改善し熱膨張係数を低下させる成分であり、かか
る観点から、これら両者を合わせて3重量%以上9重量
%以下添加する。3重量%未満では、上記効果が不十分
であり、9重量%を超えると、熱膨張係数の低下が大き
すぎる。これら両者の内、ZnOはAl2O3よりガラスの化学
的耐久性、耐水性を改善し熱膨張係数を低下させる効果
が大きいが、その含有量が3重量%を超えるとガラスの
冷却段階でガラス中に結晶を析出させる作用がある。し
たがって、ZnOは任意成分であり(つまり0重量%であ
っても良く)、封着ガラスに含まれる場合であってもそ
の含有量は3重量%を超えないようにする。すなわち、
同様の役割を有するが結晶を析出させる作用の小さい、
好ましくは1重量%以上4重量%以下で含有させる必須
成分のAl2O3との和として上記合計量を決定する。Al2O3
が4重量%を越えると、熱膨張係数を低下させ過ぎるこ
ととなり、また作業温度を上昇させる。 【0012】発明者の実験により、以上の条件をすべて
満足するように構成された封着ガラスは、作業温度が低
いにもかかわらず耐水性並びに化学的耐久性に優れ、且
つこれまでの低融点封着ガラスと比べてガラス冷却時の
結晶の発生を少なくでき、従って切断工程における割れ
の発生が少なくなることが見出された。一方、上記のよ
うに構成された本発明の主として単層の軟磁性金属薄膜
を使用した磁気ヘッドは、前述の封着ガラスによって、
磁気コア半体を接合したり、あるいは磁気コアを埋め込
んだりしたものであって、磁気ヘッド製造時の歩留まり
を著しく改善することができる。 【0013】なお、上記の封着ガラスは、これらの特性
を損なわない限り、上記以外のほかの成分を含むもので
あっても良い。但し、上記、ほかの成分を含めて合計は
100重量%とする。この封着ガラスは、作業温度が低
いにもかかわらず耐水性並びに化学的耐久性に優れ、且
つ失透し難いという作用を有する。 【0014】本発明に係る封着ガラスを用いて作製され
た磁気ヘッドは、低い作業温度で封着して作製されるに
もかかわらず、耐水性並びに化学的耐久性に優れてい
る。さらに、この磁気ヘッドでは、封着時にガラスの失
透が生じにくい為、ヘッド製造時にガラス割れが発生し
難いという利点がある。また、本発明に係る封着ガラス
を用いて作製されたメタル・イン・ギャップ型磁気ヘッ
ドにおいては、上記の失透およびガラス割れが生じにく
いだけでなく、封着ガラスの作業温度が低いため、融着
時の擬似ギャップの発生,膜剥離、磁性金属膜の劣化が
生じない。さらに、低い作業温度で封着できるにも拘わ
らず、耐水性および化学的耐久性に優れた信頼性が高い
磁気ヘッドを提供できる。なお、フロントギャップ封着
ガラスおよびバックギャップ封着ガラスは互いに異なる
組成のガラスであってもよい。 【0015】(実施例)以下、図面を参照しながら本発
明の封着ガラス及びそれを使用した磁気ヘッドの好まし
い実施例を詳細に説明する。なお、本発明はこれらの実
施例に限定されると解釈されるべきではない。図1は、
磁気ヘッドの一例を示し、フェライトコア半体1、2
同士をヘッド封着ガラス4で接合して作製される。ここ
で、ヘッド封着ガラス4として上述の本発明に係る封着
ガラスを使用する。図2は、メタル・イン・ギャップ型
磁気ヘッドの一例を示す。突き合わせたフェライトコア
半体 5、6同士の間にバックギャップ封着ガラス8、
フロントギャップ封着ガラス9を充填して接合してい
る。ここでバックギャップ封着ガラス8として、本発明
に係る上述の封着ガラスを使用する。一方、フロントギ
ャップ封着ガラス9にも、本発明に係る上述の封着ガラ
スを使用する。図3は、図2に示した磁気ヘッド11を
用いて磁気ヘッド装置としたものである。 【0016】[実施例1、2及び3]及び[比較例1] SiO2 、B2O3 、PbO、Al2O3、及びZnOを、表1に示す組
成比率で混合し、封着ガラスを作成した。このうちB2O3
、PbO、及びAl2O3原料としては、各々当量のH3BO3、Pb
3O4、Al(OH)3を使用した。H3BO3、Pb3O4、Al(OH)3を使
用することは,熔解の容易さの点で好ましい。まず、表
1の組成を基に合計量が 200 gとなるよう、計算により
求めたSiO2 、B2O3、H3BO3、Pb3O4、Al(OH)3、およびZn
Oの必要量を秤量し、乳鉢を用いて混合した。次に、原料
混合物の半分の量を白金製るつぼに入れ、雰囲気を1000
℃に保った炉で20分間加熱した。更に、残り半分の量の原
料混合物をるつぼに投入し1000℃で20分間加熱した。る
つぼ中の溶融混合物を撹拌後、更に1000℃で20分間放置
した。溶融混合物をツインローラーで急冷しガラスカレ
ットを得た。 【0017】 【表1】 【0018】得られた各封着ガラスのガラス転移点、変
形温度、作業温度、及び平均熱膨張係数(30℃〜300℃)
を測定した。その結果を表2に示す。 【0019】また、封着ガラスに対して、下記に説明す
る結晶性試験、及び鉛溶出試験を行った。 [結晶性試験]各封着ガラスを粉砕しふるい分けること
によって直径約45μmから約75μm程度の粉末状に
する。各ガラス粉末をフェライト板上にのせ、チッ素雰
囲気下で515℃に加熱した後、冷却速度を−2℃/分
に制御しながら室温まで冷却する。冷却後、ガラス中の
結晶発生の有無を光学顕微鏡で確認する。 [鉛溶出試験]各封着ガラスを粉砕しふるい分けること
によって直径約45μmから約75μm程度の粉末状に
する。各ガラス粉末を容量200mlの三角フラスコ中に
入れ、純水100mlを加えて沸騰状態を保った水浴中で
1時間加熱する。濾紙でガラスと水溶液を分離し、水溶
液中の鉛濃度を測定する。その結果を表2に示す。 【0020】 【表2】 【0021】表2から明らかなように、実施例のガラス
はいずれも、30℃以上300℃以下での平均熱膨張係
数が93×10-7/℃以上98×10-7/℃以下であ
り、且つ作業温度が505℃以上520℃以下であっ
た。また、結晶の発生はなかった。更に、実施例1、
2、3のガラスの鉛溶出量と比較例1のガラスの鉛溶出
量とを比較すると、実施例1、2、3のガラスの方が鉛
溶出量が少なく、より耐水性に優れているといえる。 【0022】[実施例4]次に本願発明の封着ガラスを
使用してメタル・イン・ギャップ型(以下MIG)磁気
ヘッドを作成した。図2はMIGヘッドの模式斜視図で
ある。磁性金属膜10を形成されたフェライトコア半体
5、6 同士は、前方に所定寸法のフロントギャップ7
を設けつつ、後部側にはバックギャップ封着ガラス8
を、また前方にはフロントギャップ封着ガラス9を充填
して接合されている。ここでバックギャップ封着ガラス
8には実施例1のガラスを使用した。また、フロントギ
ャップ封着ガラス9にも同じガラスを使用した。まず、
所定形状に成形したフェライト製短冊に保護膜、磁性膜
(Fe-Ta-N合金)10、保護膜、ギャップ材(保護膜、
ギャップ材は、図示及び符号省略)の順にスパッタリン
グし、フェライト製磁気コア半体5、6を作成した。次
に、フェライトコア半体5、6を互いに突き合わせ、治
具で保持した。フロントギャップ封着ガラス9及びバッ
クギャップ封着ガラス8として前述の実施例1のガラス
を所定の位置にそれぞれ配置し、505℃で封入した。
さらに、外形を所定の寸法、形状に加工した後、切断し
てヘッド11を作製した。 【0023】次に、上記のように作製した磁気ヘッド1
1を用いて磁気ヘッド装置を作成した。磁気ヘッド11
を、配線基板17を貼り付けた真鍮板のヘッドベース1
2に装着した。ヘッドベース12には、ビス穴16が設
けられ、配線基板17には接点14、はんだ付けランド
15が設けられている。次いで、導線13を磁気ヘッド
11に巻回した後、導線13の両端を前述のヘッドベー
ス12上にある配線基板にはんだ付けし、図3に示すM
IGヘッドを完成した。実験によると、バックギャップ
封着ガラス中に結晶の発生がなかった。即ち、実施例4
の磁気ヘッドにおけるバックギャップ封着ガラスの結晶
発生率は0%であった。比較例1のガラスをバックギャ
ップ封着ガラスに使用した場合の結晶発生率は1.7%
であったので、本発明に係る封着ガラスにより加工歩留
まりが向上したことが理解される。さらに、加工時の研
削液によるバックギャップ封着ガラスの侵食も0.1μ
m以下であり、比較例1の2μmと比較して非常に小さ
かった。なお、実施例4では本発明の請求項4の磁気ヘ
ッドの例を説明したが、その他の構造を有する磁気ヘッ
ドについても同様の効果が得られることは自明である。 【0024】 【発明の効果】以上のように、本発明によれば、低い作
業温度にも係わらず優れた化学的耐久性を有する磁気ヘ
ッド用封着ガラスを提供することができる。また、本発
明によれば、前記ガラスを磁気ヘッド用の封着ガラスと
して使用した場合、ガラス中に結晶の発生がなく切断工
程におけるガラスの割れの発生が少ない磁気ヘッド用封
着ガラスを提供することができる。さらに、本発明によ
れば、封着ガラス中に結晶の発生がなく、切断加工時の
ガラス割れが少ない、従って加工歩留りの高い磁気ヘッ
ドを提供することができる。また、本発明によれば、作
業温度が低いため、融着時に熱拡散反応による擬似ギャ
ップの発生、膜剥離、及び磁性金属膜の劣化などの不都
合が起こらず、従って信頼性の高いMIGヘッドを提供
することができる。
ーディオテープ、DAT、フロッピーデイスク、ハード
ディスク、磁気カードなどの磁気記録媒体を用いる記録
再生装置において使用される磁気ヘッドのガラス融着等
に用いられる磁気ヘッド用封着ガラスに関し、また、前
記封着ガラスをコアの固着あるいは埋め込み等に用いた
磁気ヘッドに関する。 【0002】 【従来の技術】フェライト等に膜付けした軟磁性金属
(例えば Fe-Ta-N、Fe-Al-Si、Fe-Ga-Si-Ru など)の薄
膜間に作動ギャップが形成された、いわゆるメタル・イ
ン・ギャップ型ヘッド(以下 MIGヘッドと略称す
る)では擬似ギャップの発生、膜剥離、軟磁性金属膜の
磁気特性劣化が生じやすい。それを防止するため、ガラ
ス融着工程は通常フェライトを主体とする磁気ヘッドと
比較して、より一層低温で行う必要がある。例えばフェ
ライトを主体とする磁気ヘッドに用いられる封着ガラス
の作業温度(後述するように、ガラスの粘度が103P
a・秒となる温度を指す)が690℃であるが、軟磁性
金属として Fe-Ta-N合金を使用したMIGヘッドの場
合、封着ガラスの作業温度は、500℃程度である。 【0003】ところで、500℃程度のように低い作業
温度を有するガラスは一般に B2O3やPbO 等のガラスの
信頼性を劣化させる成分を多く含んでいる。例えば B2O
3 を多量に含むガラスは耐水性に難があり、また、PbO
を多量に含むガラスは酸やアルカリに対する耐久性(化
学的耐久性)に劣る。したがって、このような作業温度
の低いガラスを用いた磁気ヘッドは、たとえば次のよう
な不都合な点がある。1)加工時に研削液によりガラス
表面が侵食されて段差が生じることがある。2)磁気ヘ
ッドがビデオテープレコーダーに実装されてビデオテー
プが摺動している時、ビデオテープの表面に塗布されて
いる潤滑剤との化学反応によりガラス表面に段差が生じ
ることがある。また、3)潤滑剤との反応生成物の付着
によりビデオテープを傷つけたりすることがある。これ
らの解決手段として ZnOを添加して耐水性ならびに化学
的耐久性の改善を図る方法がある。しかしながらPbOを
多く含むガラスにZnOを添加すると溶融後の冷却段階で
ガラスが結晶化、つまり失透しやすくなる。たとえば、
このようなZnOを含む作業温度の低いガラスを用いて加
工した磁気ヘッドでは、ガラス中に微細な結晶がしばし
ば観察される。特にMIGヘッドにおける融着ガラス中
に微細な結晶が生じた場合、ギャップの深さを計測し難
いことがあった。また、結晶が発生していないヘッドと
比較して、切断加工時にガラスの割れがより高率に発生
することがあった。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】このように、従来の低
い作業温度を有する封着ガラスでは、結晶性の点で問題
を残しており、特にMIGヘッドのコアの接合に用いた
場合に、封着ガラス中に微細な結晶が生じ(失透現象)、
加工時のガラス割れ発生の原因となる。対策として、あ
らかじめ封着ガラスのロット検査で加熱試験を行い、封
着ガラス中に結晶が有るかどうかを検査して、結晶が発
生している封着ガラスは排除している。このため加工歩
留まりが低下することが大きな問題となっている。 【0005】本発明は、このような従来の実状に鑑みて
提案されたものであって、作業温度が低く、しかも耐水
性及び化学的耐久性に優れた封着ガラスを提供すること
を目的とする。また、本発明は、主として単層の軟磁性
金属薄膜を使用した磁気ヘッドの封着ガラスに用いた場
合、ガラス中に結晶の発生がなく切断加工工程における
ガラスの割れの発生が少ない封着ガラスを提供すること
を目的とする。さらに本発明は、切断加工工程における
ガラスの割れの発生を押さえて、加工歩留りを高くした
磁気ヘッドを提供することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、PbOを多
量に含有する低融点ガラスの化学的耐久性を向上する成
分のうち、Al2O3はZnOよりガラス化を促す性質に優れて
いるということを見出し、ZnOの量をできるだけ少なく
して、その分をAl2O3で置換した。その結果、作業温度
を520℃以下に保ちながら化学的耐久性を向上させる
ことに成功した。なお本明細書中で、作業温度とは、磁
気ヘッド用封着ガラスの粘度が103Pa・秒となる温
度をいう。 【0007】上記課題を解決する本発明に係る磁気ヘッ
ド用封着ガラスは、30℃以上300℃以下での平均熱
膨張係数が93×10-7/℃以上98×10-7/℃以下
であり、且つ作業温度(つまり粘度が103Pa・秒と
なる温度)が505℃以上520℃以下であつて、SiO2
を4重量%以上7重量%以下、B2O3を13重量%以上1
9重量%以下、PbOを73重量%以上79重量%以下、
ならびにAl2O3及びZnOを合わせて3重量%以上9重量%
以下、含んでいる。言うまでもないが、SiO2等の封着ガ
ラスに含まれる成分の合計が100重量%を越えること
はない。なお、本明細書においては、磁気ヘッド用封着
ガラスを単に「封着ガラス」という場合がある。Al2O3
は1重量%以上4重量%以下、ZnOは3重量%以下であ
ることが好ましい。 【0008】本発明に係る磁気ヘッドは、ギャップ部を
介して突き合わせた一対の磁気コア半体間に磁気ヘッド
用封着ガラスを充填して接合した磁気ヘッドであって、
当該磁気ヘッド用封着ガラスが上述のような本発明に係
る封着ガラスであることを特徴とする。また、本発明に
係る磁気ヘッドは、少なくとも一方の接合面に金属磁性
膜が形成され、且つ前記金属磁性膜を向かい合わせに突
き合わせて配置されることによりギャップ部を形成する
一対の磁気コア半体と、前記突き合わせ配置により生じ
た空間に前記一対の磁気コア半体を接合するために充填
されたフロントギャップ封着ガラス及びバックギャップ
封着ガラスとを備えたメタル・イン・ギャップ型磁気ヘ
ッドであって、前記フロントギャップ封着ガラス及びバ
ックギャップ封着ガラスのうち少なくとも一方が上述の
ような本発明に係る封着ガラスであることを特徴とす
る。封着ガラスの平均熱膨張係数が93×10-7/℃に
満たない場合または98×10-7/℃を超える場合に
は、組み合わせる部材の平均熱膨張係数との整合上、適
切でない。 【0009】 【発明の実施の形態】本発明に係る封着ガラスにおい
て、SiO2はガラスの網目構造を形成しガラスの耐水性、
化学的耐久性を向上する役割を果たす。しかしながら、
SiO2は作業温度を上昇させる働きがあるので自ずからそ
の含有量の上限が制限される。それゆえ本発明では、Si
O2の含有量を4重量%以上7重量%以下とする。SiO
2の含有量が4重量%未満であると、30℃以上300
℃以下での平均熱膨張係数が98×10-7
/℃より大きくなり、7重量%を越えると作業温度が5
20℃より高くなってしまう。 【0010】PbOはガラスの作業温度を低下させるが、
熱膨張係数を増加させる。また、B 2 O3 は作業温度を低
下させ、且つ熱膨張係数も減少させる。従って、作業温
度を低下させ、30℃以上300℃以下での平均熱膨張
係数を93×10-7/℃以上98×10-7/℃以下の範
囲とするために、PbO を73重量%以上、79重量%以
下とし、B2O3 を13重量%以上、19重量%以下とす
る。PbO が73重量%未満では作業温度が十分に低下せ
ず、79重量%を超える場合には、熱膨張係数の増加が
大きすぎる。B2O3 が13重量%未満では、上記効果が
不十分であり、19重量%を超えると、平均熱膨張係数
が93×10-7/℃未満となるため不適切である。 【0011】Al2O3及びZnOはガラスの化学的耐久性、耐
水性を改善し熱膨張係数を低下させる成分であり、かか
る観点から、これら両者を合わせて3重量%以上9重量
%以下添加する。3重量%未満では、上記効果が不十分
であり、9重量%を超えると、熱膨張係数の低下が大き
すぎる。これら両者の内、ZnOはAl2O3よりガラスの化学
的耐久性、耐水性を改善し熱膨張係数を低下させる効果
が大きいが、その含有量が3重量%を超えるとガラスの
冷却段階でガラス中に結晶を析出させる作用がある。し
たがって、ZnOは任意成分であり(つまり0重量%であ
っても良く)、封着ガラスに含まれる場合であってもそ
の含有量は3重量%を超えないようにする。すなわち、
同様の役割を有するが結晶を析出させる作用の小さい、
好ましくは1重量%以上4重量%以下で含有させる必須
成分のAl2O3との和として上記合計量を決定する。Al2O3
が4重量%を越えると、熱膨張係数を低下させ過ぎるこ
ととなり、また作業温度を上昇させる。 【0012】発明者の実験により、以上の条件をすべて
満足するように構成された封着ガラスは、作業温度が低
いにもかかわらず耐水性並びに化学的耐久性に優れ、且
つこれまでの低融点封着ガラスと比べてガラス冷却時の
結晶の発生を少なくでき、従って切断工程における割れ
の発生が少なくなることが見出された。一方、上記のよ
うに構成された本発明の主として単層の軟磁性金属薄膜
を使用した磁気ヘッドは、前述の封着ガラスによって、
磁気コア半体を接合したり、あるいは磁気コアを埋め込
んだりしたものであって、磁気ヘッド製造時の歩留まり
を著しく改善することができる。 【0013】なお、上記の封着ガラスは、これらの特性
を損なわない限り、上記以外のほかの成分を含むもので
あっても良い。但し、上記、ほかの成分を含めて合計は
100重量%とする。この封着ガラスは、作業温度が低
いにもかかわらず耐水性並びに化学的耐久性に優れ、且
つ失透し難いという作用を有する。 【0014】本発明に係る封着ガラスを用いて作製され
た磁気ヘッドは、低い作業温度で封着して作製されるに
もかかわらず、耐水性並びに化学的耐久性に優れてい
る。さらに、この磁気ヘッドでは、封着時にガラスの失
透が生じにくい為、ヘッド製造時にガラス割れが発生し
難いという利点がある。また、本発明に係る封着ガラス
を用いて作製されたメタル・イン・ギャップ型磁気ヘッ
ドにおいては、上記の失透およびガラス割れが生じにく
いだけでなく、封着ガラスの作業温度が低いため、融着
時の擬似ギャップの発生,膜剥離、磁性金属膜の劣化が
生じない。さらに、低い作業温度で封着できるにも拘わ
らず、耐水性および化学的耐久性に優れた信頼性が高い
磁気ヘッドを提供できる。なお、フロントギャップ封着
ガラスおよびバックギャップ封着ガラスは互いに異なる
組成のガラスであってもよい。 【0015】(実施例)以下、図面を参照しながら本発
明の封着ガラス及びそれを使用した磁気ヘッドの好まし
い実施例を詳細に説明する。なお、本発明はこれらの実
施例に限定されると解釈されるべきではない。図1は、
磁気ヘッドの一例を示し、フェライトコア半体1、2
同士をヘッド封着ガラス4で接合して作製される。ここ
で、ヘッド封着ガラス4として上述の本発明に係る封着
ガラスを使用する。図2は、メタル・イン・ギャップ型
磁気ヘッドの一例を示す。突き合わせたフェライトコア
半体 5、6同士の間にバックギャップ封着ガラス8、
フロントギャップ封着ガラス9を充填して接合してい
る。ここでバックギャップ封着ガラス8として、本発明
に係る上述の封着ガラスを使用する。一方、フロントギ
ャップ封着ガラス9にも、本発明に係る上述の封着ガラ
スを使用する。図3は、図2に示した磁気ヘッド11を
用いて磁気ヘッド装置としたものである。 【0016】[実施例1、2及び3]及び[比較例1] SiO2 、B2O3 、PbO、Al2O3、及びZnOを、表1に示す組
成比率で混合し、封着ガラスを作成した。このうちB2O3
、PbO、及びAl2O3原料としては、各々当量のH3BO3、Pb
3O4、Al(OH)3を使用した。H3BO3、Pb3O4、Al(OH)3を使
用することは,熔解の容易さの点で好ましい。まず、表
1の組成を基に合計量が 200 gとなるよう、計算により
求めたSiO2 、B2O3、H3BO3、Pb3O4、Al(OH)3、およびZn
Oの必要量を秤量し、乳鉢を用いて混合した。次に、原料
混合物の半分の量を白金製るつぼに入れ、雰囲気を1000
℃に保った炉で20分間加熱した。更に、残り半分の量の原
料混合物をるつぼに投入し1000℃で20分間加熱した。る
つぼ中の溶融混合物を撹拌後、更に1000℃で20分間放置
した。溶融混合物をツインローラーで急冷しガラスカレ
ットを得た。 【0017】 【表1】 【0018】得られた各封着ガラスのガラス転移点、変
形温度、作業温度、及び平均熱膨張係数(30℃〜300℃)
を測定した。その結果を表2に示す。 【0019】また、封着ガラスに対して、下記に説明す
る結晶性試験、及び鉛溶出試験を行った。 [結晶性試験]各封着ガラスを粉砕しふるい分けること
によって直径約45μmから約75μm程度の粉末状に
する。各ガラス粉末をフェライト板上にのせ、チッ素雰
囲気下で515℃に加熱した後、冷却速度を−2℃/分
に制御しながら室温まで冷却する。冷却後、ガラス中の
結晶発生の有無を光学顕微鏡で確認する。 [鉛溶出試験]各封着ガラスを粉砕しふるい分けること
によって直径約45μmから約75μm程度の粉末状に
する。各ガラス粉末を容量200mlの三角フラスコ中に
入れ、純水100mlを加えて沸騰状態を保った水浴中で
1時間加熱する。濾紙でガラスと水溶液を分離し、水溶
液中の鉛濃度を測定する。その結果を表2に示す。 【0020】 【表2】 【0021】表2から明らかなように、実施例のガラス
はいずれも、30℃以上300℃以下での平均熱膨張係
数が93×10-7/℃以上98×10-7/℃以下であ
り、且つ作業温度が505℃以上520℃以下であっ
た。また、結晶の発生はなかった。更に、実施例1、
2、3のガラスの鉛溶出量と比較例1のガラスの鉛溶出
量とを比較すると、実施例1、2、3のガラスの方が鉛
溶出量が少なく、より耐水性に優れているといえる。 【0022】[実施例4]次に本願発明の封着ガラスを
使用してメタル・イン・ギャップ型(以下MIG)磁気
ヘッドを作成した。図2はMIGヘッドの模式斜視図で
ある。磁性金属膜10を形成されたフェライトコア半体
5、6 同士は、前方に所定寸法のフロントギャップ7
を設けつつ、後部側にはバックギャップ封着ガラス8
を、また前方にはフロントギャップ封着ガラス9を充填
して接合されている。ここでバックギャップ封着ガラス
8には実施例1のガラスを使用した。また、フロントギ
ャップ封着ガラス9にも同じガラスを使用した。まず、
所定形状に成形したフェライト製短冊に保護膜、磁性膜
(Fe-Ta-N合金)10、保護膜、ギャップ材(保護膜、
ギャップ材は、図示及び符号省略)の順にスパッタリン
グし、フェライト製磁気コア半体5、6を作成した。次
に、フェライトコア半体5、6を互いに突き合わせ、治
具で保持した。フロントギャップ封着ガラス9及びバッ
クギャップ封着ガラス8として前述の実施例1のガラス
を所定の位置にそれぞれ配置し、505℃で封入した。
さらに、外形を所定の寸法、形状に加工した後、切断し
てヘッド11を作製した。 【0023】次に、上記のように作製した磁気ヘッド1
1を用いて磁気ヘッド装置を作成した。磁気ヘッド11
を、配線基板17を貼り付けた真鍮板のヘッドベース1
2に装着した。ヘッドベース12には、ビス穴16が設
けられ、配線基板17には接点14、はんだ付けランド
15が設けられている。次いで、導線13を磁気ヘッド
11に巻回した後、導線13の両端を前述のヘッドベー
ス12上にある配線基板にはんだ付けし、図3に示すM
IGヘッドを完成した。実験によると、バックギャップ
封着ガラス中に結晶の発生がなかった。即ち、実施例4
の磁気ヘッドにおけるバックギャップ封着ガラスの結晶
発生率は0%であった。比較例1のガラスをバックギャ
ップ封着ガラスに使用した場合の結晶発生率は1.7%
であったので、本発明に係る封着ガラスにより加工歩留
まりが向上したことが理解される。さらに、加工時の研
削液によるバックギャップ封着ガラスの侵食も0.1μ
m以下であり、比較例1の2μmと比較して非常に小さ
かった。なお、実施例4では本発明の請求項4の磁気ヘ
ッドの例を説明したが、その他の構造を有する磁気ヘッ
ドについても同様の効果が得られることは自明である。 【0024】 【発明の効果】以上のように、本発明によれば、低い作
業温度にも係わらず優れた化学的耐久性を有する磁気ヘ
ッド用封着ガラスを提供することができる。また、本発
明によれば、前記ガラスを磁気ヘッド用の封着ガラスと
して使用した場合、ガラス中に結晶の発生がなく切断工
程におけるガラスの割れの発生が少ない磁気ヘッド用封
着ガラスを提供することができる。さらに、本発明によ
れば、封着ガラス中に結晶の発生がなく、切断加工時の
ガラス割れが少ない、従って加工歩留りの高い磁気ヘッ
ドを提供することができる。また、本発明によれば、作
業温度が低いため、融着時に熱拡散反応による擬似ギャ
ップの発生、膜剥離、及び磁性金属膜の劣化などの不都
合が起こらず、従って信頼性の高いMIGヘッドを提供
することができる。
【図1】 本願発明の磁気ヘッドの代表的な構造を示し
た斜視図
た斜視図
【図2】 本願発明のメタル・イン・ギャップ型磁気ヘ
ッドの代表的な構造を示した斜視図
ッドの代表的な構造を示した斜視図
【図3】 本願発明のメタル・イン・ギャップ型磁気ヘ
ッドを用いて作製されたメタル・イン・ギャップ型磁気
ヘッド装置の代表的な構造を示した概略図
ッドを用いて作製されたメタル・イン・ギャップ型磁気
ヘッド装置の代表的な構造を示した概略図
1、2、5、6 コア半体 3、7 ギャップ 4 封着ガラス 8 バックギャップ封着ガラス 9 フロントギャップ封着ガラス 10 磁性金属膜 11 磁気ヘッド 12 ヘッドベース 13 導線 14 接点 15 はんだ付けランド 16 ビス穴 17 配線基板
Claims (4)
- 【請求項1】 4重量%以上7重量%以下のSiO2、13
重量%以上19重量%以下のB2O3、73重量%以上79
重量%以下のPbO、ならびに合わせて3重量%以上9重
量%以下のAl2O3及びZnOを含み、30℃以上300℃以
下での平均熱膨張係数が93×10-7/℃以上98×1
0-7/℃以下であり、且つ粘度が103Pa・秒となる
温度が505℃以上520℃以下である、磁気ヘッド用
封着ガラス。 - 【請求項2】 1重量%以上4重量%以下のAl2O3およ
び3重量%以下のZnOを含む、請求項1に記載の磁気ヘ
ッド用封着ガラス。 - 【請求項3】 ギャップ部を介して突き合わせた一対の
磁気コア半体間に磁気ヘッド用封着ガラスを充填して接
合した磁気ヘッドにおいて、前記磁気ヘッド用封着ガラ
スとして請求項1または2に記載の磁気ヘッド用封着ガ
ラスを用いたことを特徴とする磁気ヘッド。 - 【請求項4】 一対の磁気コア半体の少なくとも一方の
磁気コア半体の接合面に金属磁性膜が形成された前記一
対の磁気コア半体をギャップ部を介してフロントギャッ
プ封着ガラスとバックギャップ封着ガラスとで互いに接
合したメタル・イン・ギャップ型磁気ヘッドにおいて、
前記フロントギャップ封着ガラス及びバックギャップ封
着ガラスのうち少なくとも一方に請求項1または2に記
載の磁気ヘッド用封着ガラスを用いたことを特徴とする
メタル・イン・ギャップ型磁気ヘッド。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13325799A JP2000322706A (ja) | 1999-05-13 | 1999-05-13 | 磁気ヘッド用封着ガラス及び磁気ヘッド |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13325799A JP2000322706A (ja) | 1999-05-13 | 1999-05-13 | 磁気ヘッド用封着ガラス及び磁気ヘッド |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000322706A true JP2000322706A (ja) | 2000-11-24 |
Family
ID=15100396
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13325799A Pending JP2000322706A (ja) | 1999-05-13 | 1999-05-13 | 磁気ヘッド用封着ガラス及び磁気ヘッド |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000322706A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112645614A (zh) * | 2020-12-23 | 2021-04-13 | 钢铁研究总院 | 一种烧结钐钴永磁体的玻璃熔接方法 |
-
1999
- 1999-05-13 JP JP13325799A patent/JP2000322706A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112645614A (zh) * | 2020-12-23 | 2021-04-13 | 钢铁研究总院 | 一种烧结钐钴永磁体的玻璃熔接方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20040426 |