JP2000317729A - 鋸 刃 - Google Patents

鋸 刃

Info

Publication number
JP2000317729A
JP2000317729A JP11128737A JP12873799A JP2000317729A JP 2000317729 A JP2000317729 A JP 2000317729A JP 11128737 A JP11128737 A JP 11128737A JP 12873799 A JP12873799 A JP 12873799A JP 2000317729 A JP2000317729 A JP 2000317729A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tooth
spur
saw blade
teeth
trapezoidal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11128737A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsuhiro Horiguchi
勝弘 堀口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Amada Co Ltd
Original Assignee
Amada Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Amada Co Ltd filed Critical Amada Co Ltd
Priority to JP11128737A priority Critical patent/JP2000317729A/ja
Publication of JP2000317729A publication Critical patent/JP2000317729A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Processing Of Stones Or Stones Resemblance Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 鋸刃を構成する台形歯と平歯の欠けや摩耗を
抑制して鋸刃の寿命のばらつきを減少させて安定した高
寿命を図る。 【解決手段】 帯鋸刃1を構成する平歯15と台形歯1
7とを比較した場合、平歯コーナ部25と台形歯17の
欠けや摩耗は異なる傾向にあるので、欠けや摩耗が抑制
されるように台形歯17と平歯15との超硬材種を変更
することにより、鋸刃寿命のバラツキが小さくなり、安
定した高寿命の鋸刃が得られる。例えば、平歯コーナ部
25が欠ける場合、台形歯17よりも硬度が低いもの、
Co量の多いもの、WC結晶粒が大きいものを平歯歯材
に使用することにより、切断中に起こる平歯コーナ部2
5の大きな欠けの減少が図られる。平歯コーナ部25が
大きく摩耗する場合は、台形歯17よりも硬度が高いも
の、Co量の少ないもの、WC結晶粒が小さいものを平
歯歯材に使用することにより、平歯コーナ部25の大き
な摩耗の減少が図られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超硬を歯材として
持つ帯鋸刃や丸鋸刃等の鋸刃に関し、特に金属切削用の
超硬帯鋸刃の全般に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、金属切削用の超硬帯鋸刃101に
おいては、図14(A),(B)に示されているように
直歯103と左右アサリ歯105a,105bが配列し
ているタイプ(以後「アサリタイプ」という)及び図1
4(C),(D)に示されているように平歯107と台
形歯109が配列している(以後「バチタイプ」とい
う)があり、歯先111の状態としては、全く歯先11
1に面取りが施されていないタイプの一般的な超硬帯鋸
刃101と、歯先111に面取りが施されている高速切
断用とが知られている。
【0003】上述した超硬帯鋸刃101の鋸刃歯材の超
硬材種は歯形形状に関わらず、一本の鋸刃の中ではすべ
て同じ超硬材種になっている。
【0004】なお、アサリタイプの帯鋸刃101で直歯
103の歯材硬度を硬くして、直歯103の摩耗を減少
させ直進性を向上させるという帯鋸刃1が、特許番号2
616925号(特開昭64−11709号公報)に登
録されている。
【0005】なお、図19(A),(B)に示されてい
る構造の帯鋸刃101は、台金Fに平歯107及び台形
歯109が交互に配列されているバチタイプであり、D
は面取り角度を表し、Cは面取り量、Eは二番角度、K
−K線は面取り角度Dの基準となる垂直線を示してい
る。なお、111は歯先を示している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以下、1つの例として
鋸刃の縦断面の歯形形状が図19(A),(B)に示さ
れている構造の帯鋸刃101で、SCM440 φ25
0を切断材とし、鋸速80m/min,一歯当たりの切
り込み量f=0.025mm/歯で切削する際、鋸刃の
二番角度Eを20度とし、面取り角度Dを45度,面取
り量Cを0.03mm,帯鋸刃101の板厚tの台金F
の側面から台形歯歯先のコーナまでの寸法Aを0.2m
mとして前述したアサリタイプとバチタイプの帯鋸刃1
01で切断を行った。その結果は図14〜図18に示さ
れている。
【0007】アサリタイプの帯鋸刃101では、図14
(A)に示されているように左右アサリ歯105a,1
05bにより切断材へ突入の際に帯鋸刃101が左右へ
振られるために直歯103の直進性が重要となる。
【0008】バチタイプの帯鋸刃101では、平歯10
7のように振出歯が左右同時に振り出しているので、図
14(C)に示されているように材料突入時に左右に振
られることなく切断するので、平歯107の左右バラン
スの崩れにより帯鋸刃101の直進性に与える影響はア
サリタイプの帯鋸刃101に比べて大きいものである。
【0009】また、上述した図14(A)〜(D)に示
されている超硬帯鋸刃101においては、歯先111に
面取りが施されていない帯鋸刃101は高速での切削の
際に平歯107の歯先コーナ部113に欠けが発生し切
削不可となるという問題点があった。なお、歯先コーナ
部113は図19(B)において図示されている部分で
ある。
【0010】なお、歯先111に面取りが施された図1
8に示されている超硬帯鋸刃101についても、図15
のように硬度が高いHv1730の場合、平歯107の
歯先コーナ部113が切削初期に微少欠けが発生し、大
きな欠け(図18中で塗り潰しの部分)へと繋がる結果
になることが多いという問題点があった。
【0011】なお、上記の欠けが発生しない場合は、図
16に示されているように摩耗量が小さいので高寿命が
得られる。
【0012】図18に示されているような平歯107の
歯先コーナ部113の欠けを避けるために、歯先硬度を
Hv1480と低くした場合は、歯先コーナ部113の
欠け数は図15に示されているようになくなるが、台形
歯109の摩耗は図16に示されているように大きくな
るという問題点があった。これは切断中における抵抗が
増大するために高寿命が得られないという結果である。
【0013】図17には、ビッカース硬度別の平均切断
寿命面積とそのデータのバラツキが示されている。硬度
が高いほど歯先コーナ部113に欠けが発生するために
寿命のバラツキが大きくなり、硬度が低いほど寿命のバ
ラツキが小さくなり安定している。
【0014】他の例としては、直径φ250のSCM4
40材を切削初期に比較的軽い切削条件、例えば鋸速5
0m/min,一歯当たりの切り込み量f=0.015
mm/歯の切削条件で切削を行って歯先111を慣らし
た後に高速切削が行われている。この作業では切断に時
間がかかることと、超硬帯鋸刃101の場合では摩耗の
進行がHSSに比べて遅いので、大変煩わしい作業であ
る。
【0015】このように慣らし切断をしたにもかかわら
ず、直径φ250のSCM440材を高速切断したとき
は、平歯107の歯先コーナ部113に欠けが生じてし
まい早期寿命になるという問題が発生する場合がある。
【0016】また、欠けを防止するために切断条件(鋸
速,一歯当たりの切り込み)を低くして切断した場合
は、台形歯109がほとんど摩耗していないにもかかわ
らず平歯コーナ部113が異常に摩耗してしまうので、
早期切れ曲がり寿命となるという問題点もあった。
【0017】本発明は上述の課題を解決するためになさ
れたもので、その目的は、鋸刃を構成する台形歯と平歯
の欠けや摩耗を抑制して鋸刃の寿命のばらつきを減少さ
せて安定した高寿命化を図り得る鋸刃を提供することに
ある。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1によるこの発明の鋸刃は、平歯と台形歯を備
え持つ鋸刃において、平歯と台形歯が超硬材種からなる
と共に、前記両者の超硬材種が異なっていることを特徴
とするものである。
【0019】したがって、平歯と台形歯を比較した場
合、欠けや摩耗に関して平歯歯先のコーナ部(以下、
「平歯コーナ部」という)は台形歯とは異なった傾向が
みられることから、欠けや摩耗が抑制されるように台形
歯と平歯の超硬材種が異なっていることにより、鋸刃寿
命のバラツキが小さくなり、安定した高寿命の鋸刃が得
られる。
【0020】例えば、鋸刃で平歯コーナ部が欠ける場
合、台形歯よりも耐衝撃性の優れた超硬材種を平歯歯材
に使用することにより、切断中に起こる平歯コーナ部の
欠けの減少が図られる。また、鋸刃で平歯コーナ部が大
きく摩耗する場合、台形歯よりも耐摩耗性の優れた超硬
材種を平歯歯材に使用することにより切断中に起こる平
歯コーナ部の摩耗の減少を図る。
【0021】請求項2によるこの発明の鋸刃は、請求項
1記載の鋸刃において、前記平歯の超硬材種の硬度が、
前記台形歯の超硬材種の硬度に対して異なっていること
を特徴とするものである。
【0022】したがって、例えば、鋸刃で平歯コーナ部
が欠ける場合、台形歯よりも耐衝撃性の優れた超硬材
種、すなわち硬度が低いものを平歯歯材に使用すること
により、切断中に起こる平歯コーナ部の大きな欠けの減
少が図られる。
【0023】また、平歯コーナ部が大きく摩耗する場合
は、台形歯よりも耐摩耗性の優れた材種、すなわち硬度
が高いものを平歯歯材に使用することにより、平歯コー
ナ部の大きな摩耗の減少が図られる。
【0024】請求項3によるこの発明の鋸刃は、請求項
1記載の鋸刃において、前記平歯の超硬材種の硬度が前
記台形歯の超硬材種の硬度とほぼ同じであると共に前記
平歯の超硬材種の含有Co量が前記台形歯の超硬材種の
含有Co量に対して異なっていることを特徴とするもの
である。
【0025】したがって、平歯と台形歯の超硬材種の硬
度が同じであっても,例えば、鋸刃で平歯コーナ部が欠
ける場合、台形歯よりもCo量の多い超硬材種を平歯歯
材に使用することにより、切断中に起こる平歯コーナ部
の大きな欠けの減少が図られる。
【0026】また、平歯コーナ部が大きく摩耗する場合
は、台形歯よりもCo量の少ない超硬材種を平歯歯材に
使用することにより、平歯コーナ部の大きな摩耗の減少
が図られる。
【0027】請求項4によるこの発明の鋸刃は、請求項
1記載の鋸刃において、前記平歯の超硬材種の硬度及び
含有Co量が前記台形歯の超硬材種の硬度及び含有Co
量とほぼ同じであると共に前記平歯の超硬材種のWC結
晶粒の大きさが前記台形歯の超硬材種のWC結晶粒の大
きさに対して異なっていることを特徴とするものであ
る。
【0028】したがって、平歯と台形歯の超硬材種の硬
度及びCo量が同じであっても,例えば、鋸刃で平歯コ
ーナ部が欠ける場合、台形歯よりもWC結晶粒が大きい
超硬材種を平歯歯材に使用することにより、切断中に起
こる平歯コーナ部の大きな欠けの減少が図られる。
【0029】また、平歯コーナ部が大きく摩耗する場合
は、台形歯よりもWC結晶粒が小さい超硬材種を平歯歯
材に使用することにより、平歯コーナ部の大きな摩耗の
減少が図られる。
【0030】請求項5によるこの発明の鋸刃は、請求項
1〜4のうちのいずれか一つに記載の鋸刃において、前
記平歯が、前記台形歯の切れ歯となる部分の稜線より幅
方向において左右外側に振り出されていることを特徴と
するものである。
【0031】したがって、平歯が台形歯の切れ歯となる
部分の稜線より同時に両外側に突出しているので、切断
加工効率が向上する。
【0032】請求項6によるこの発明の鋸刃は、請求項
1〜4のうちのいずれか一つに記載の鋸刃において、前
記平歯が、前記台形歯の切れ歯となる部分の稜線より幅
方向において右方の外側に振り出された右方平歯と、前
記台形歯の切れ歯となる部分の稜線より幅方向において
左方の外側に振り出された左方平歯と、からなることを
特徴とするものである。
【0033】したがって、右方平歯と左方平歯との2つ
で、請求項5に記載した両方平歯と同じ作用となるの
で、切断抵抗の減少が図られる。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、超硬材質による帯鋸刃を例にとって図面を参照して
説明する。
【0035】図3及び図6を参照するに、帯鋸刃1の歯
先部3は、歯底面5と、この歯底面5に延長した掬い面
7と二番角面9と、前記掬い面7と二番面9との交点に
設けた面取り部11とR形状をなした各稜線Rとから形
成されている。このように形成された帯鋸刃1は図3及
び図6において、Dは面取り角度を表し、Cは面取り
量、Eは二番角度、rは稜線Rの半径を表していて、K
−K線は面取り角度の基準となる垂直線を示している。
【0036】また、超硬帯鋸刃1としては、図1,図2
および図3に示されているように、台金13に平歯15
及び台形歯17が交互に配列されている。平歯15の稜
線は15a〜15hで表されており、台形歯17の稜線
は17a〜17jで表されている。
【0037】さらに、台形歯17の切り幅がB、平歯1
5の振出量がS、台金厚みt、台形歯17の稜線17
g,17hと台金13の各表面からなる寸法がA、平歯
15の歯先先端から台形歯17の歯先先端までの寸法差
がHで表されている。
【0038】他の超硬帯鋸刃1としては、図4,図5お
よび図6に示されているように、台金13に右方平歯1
9及び台形歯21、左方平歯23とが順に繰り返して配
列されている。右方平歯19の稜線は19a〜19hで
表されており、台形歯21の稜線は21a〜21jで表
されており、左方平歯23の稜線は23a〜23hで表
されている。
【0039】さらに、図4に示されているように、台形
歯21の切り幅がB、右方平歯19及び左方平歯23の
振出量がS、台金厚みt、台形歯21の稜線21g,2
1hと台金13の表面からなる寸法がA、右方平歯19
及び左方平歯23の歯先先端から台形歯21の歯先先端
までの寸法差がHで表されている。
【0040】上記構成により、上記の2つの帯鋸刃1を
用いて種々の実験を行ったところ、以下に示す結果が得
られた。
【0041】図1〜図3の超硬帯鋸刃1で説明すると、
硬度については、5ヶ所の測定平均,Co量については
Wt%表示、結晶粒度の結晶粒径については組織内に以
下に示す結晶粒径のWCが明らかに含まれていると判断
できるものとする。
【0042】すなわち、各合金におけるWC結晶粒径の
大きさは、超微粒合金では0.5〜0.8μmで、微粒
合金では0.9〜1.2μmで、中粒合金では1.3〜
2.5μmで、粗粒合金では2.6〜4.0μmであ
る。
【0043】本実施の形態に係わる歯形形状の超硬帯鋸
刃1は、まず平歯歯材に使用する超硬チップが台形歯歯
材の超硬材種と同じものと、台形歯歯材に使用する超硬
材種と違うものとして、含有Co量,WC結晶粒の大き
さともに違い、台形歯歯材に使用する超硬材種と比較し
て硬度が高いものと低いものと、合わせて5種類の鋸刃
を試作し切断テストを行った。
【0044】平歯歯材と台形歯歯材の超硬材種が同じも
のとしては、ビッカーズ硬度Hv1600,含有Co量
8.0%,WC結晶粒の大きさを微粒約1.2μmであ
る1種類の鋸刃であり、平歯歯材と台形歯歯材の超硬材
種とが異なるものとしては、含有Co量,WC結晶粒の
大きさがともに異なり、平歯歯材の超硬材種の硬度が台
形歯歯材の超硬材種の硬度より高いものと低いものとし
て、例えばHv1730−Co6%−WC結晶粒度超微
粒約0.5μmと,Hv1650−Co7%−WC結晶
粒度微粒約0.9μmと,HV1550−Co10%−
WC結晶粒度中粒約2.0μmと,Hv1480−Co
11%−WC結晶粒度粗粒約3.0μmとの、4種類で
ある。
【0045】図7を参照するに、材質SCM440のφ
250を切断材とし被切削材を鋸速80m/min,一
歯当たりの切り込み量f=0.025mm/歯で切削す
る際、二番角度Eを20度とし、面取り角度Dを45
度,面取り量Cを0.03mm,寸法Aを0.2mmと
して上記帯鋸刃1で切断を行った。
【0046】図7のグラフは、その結果として10〜5
0CUT時における平歯15の歯先3のコーナ部(以
下、「平歯コーナ部25」という)の欠け数が各ビッカ
ーズ硬度別に示されたものである。SCM440は欠け
が発生しやすい切断材であり、台形歯歯材と同じ超硬材
種を平歯歯材に使用したものより欠け数が少なかったの
はビッカーズ硬度が低いもので、硬度が低いものほど欠
け数は少なかった。逆にビッカーズ硬度が高いものほど
平歯コーナ部25の欠け数が増加する傾向にある。
【0047】図8を参照するに、材質SKD11のφ2
50を切断材とし鋸速60m/min,一歯当たりの切
り込み量f=0.01 mm/歯で切削する際、二番角
度Eを20度とし、面取り角度Dを45度,面取り量C
を0.03mm,寸法Aを0.2mmとして上記帯鋸刃
1で切断を行った。
【0048】図8のグラフは、その結果として10〜5
0CUT時における平歯コーナ部25の摩耗量がビッカ
ーズ硬度別に示されたものである。SKD11は平歯コ
ーナ部25の摩耗量が大きい切断材であり、台形歯歯材
と同じ超硬材種を平歯歯材に使用したものより平歯コー
ナ部25の摩耗量が小さかったのはビッカーズ硬度が高
いものであり、ビッカーズ硬度が高いほど平歯コーナ部
25の摩耗量が小さく、ビッカーズ硬度が低いほど平歯
コーナ部25の摩耗量は大きくなっている。
【0049】ここでは、一例として硬度に関してはビッ
カーズ硬度について述べているが、その他の硬度測定方
法の例えばロックウェル,ブリネル,ショア等について
も同じである。
【0050】超硬材種としては、平歯歯材と台形歯歯材
に使用する超硬材種の含有Co量とWC結晶粒の大きさ
が共に違うものを例として述べているが、含有Co量が
同じでWC結晶粒の大きさが違うもの、またはWC結晶
粒の大きさが同じで含有Co量が違うものなどについて
も同じである。
【0051】次に、図1,図2および図3に示される歯
形形状の超硬帯鋸刃1を用いて、平歯歯材に使用する超
硬チップを台形歯歯材の超硬材種と同じもの,台形歯歯
材に使用している超硬材種と含有Co量が違って、硬
度,WC結晶粒の大きさがほぼ同じものの合わせて4種
類の鋸刃を試作し切断テストを行った。
【0052】図9を参照するに、材質SCM440のφ
250を切断材とし被切削材を鋸速80m/min,一
歯当たりの切り込み量f=0.025mm/歯で切削す
る際、二番角度Eを20度とし、面取り角度Dを45
度,面取り量Cを0.03mm,寸法Aを0.2mmと
して上記帯鋸刃1で切断を行った。
【0053】図9のグラフは、その結果として10〜5
0CUT時における平歯コーナ部25の欠け数が含有C
o量別に示されたものである。台形歯歯材と同じ超硬材
種を平歯歯材に使用したものより平歯コーナ部25の欠
け数が少なかったのは、含有Co量が多いものでCo量
が多いものほど欠け数は減少したがCo量が少なくなる
ほど平歯コーナ部25の欠け数は増加した。
【0054】図10を参照するに、材質SKD11のφ
250を切断材とし鋸速60m/min,一歯当たりの
切り込み量f=0.01 mm/歯で切削する際、二番
角度Eを20度とし、面取り角度Dを45度,面取り量
Cを0.03mm,寸法Aを0.2mmとして上記帯鋸
刃1で切断を行った。
【0055】図10のグラフは、その結果として10〜
50CUT時における平歯コーナ部25の摩耗量が示さ
れたものである。台形歯歯材の超硬材種と同じものより
平歯コーナ部25の摩耗量が小さかったのは含有Co量
が少ないものであり、Co量が少ないものほど平歯コー
ナ部25の摩耗量は小さい。しかし、Co量が多いほど
平歯コーナ部25の摩耗量は大きい。
【0056】ここでは硬度,平歯歯材と台形歯歯材に使
用する超硬材種のWC結晶粒の大きさがほぼ同じものに
ついて述べたが、平歯歯材の硬度が台形歯歯材の硬度と
同じで、含有Co量とWC結晶粒の大きさが共に違うも
のについても同じものである。
【0057】次に、平歯歯材に使用する超硬チップを台
形歯歯材と同じ超硬材種のもの,台形歯歯材と含有Co
量が同じでWC結晶粒の大きさが違う鋸刃を図1ないし
は図3に示される超硬帯鋸刃1の歯形形状を用いて合わ
せて4種類試作し切断テストを行った。
【0058】図11を参照するに、材質SCM440の
φ250を切断材とし被切削材を鋸速80m/min,
一歯当たりの切り込み量f=0.025mm/歯で切削
する際、二番角度Eを20度とし、面取り角度Dを45
度,面取り量Cを0.03mm,寸法Aを0.2mmと
して上記帯鋸刃1で切断を行った。
【0059】図11のグラフは、その結果として10〜
50CUT時における平歯コーナ部25に発生する欠け
数がWC結晶粒の大きさ別に示されたものである。台形
歯歯材と同じ超硬材種のものより平歯コーナ部25の欠
け数が少なかったのはWC結晶粒が大きいもので、WC
結晶粒が大きいものほど平歯コーナ部25の欠け数は少
なかった。WC結晶粒が小さいものは、小さいほど欠け
数は多く増加している。
【0060】図12を参照するに、材質SKD11のφ
250を切断材とし鋸速60m/min,一歯当たりの
切り込み量f=0.01 mm/歯で切削する際、二番
角度Eを20度とし、面取り角度Dを45度,面取り量
Cを0.03mm,寸法Aを0.2mmとして上記帯鋸
刃1で切断を行った。
【0061】図12のグラフは、その結果として10〜
50CUT時における平歯コーナ部25の摩耗量がWC
結晶粒の大きさ別に示されたものである。台形歯歯材に
使用している超硬材種と同じものより平歯コーナ部25
の摩耗量が小さかったのはWC結晶粒が小さいものであ
った。WC結晶粒が小さいものほど平歯コーナ部25の
摩耗量は小さく、また逆にWC結晶粒が大きい超硬材種
ほど平歯コーナ部25の摩耗量は大きい。
【0062】以上の結果からも分かるが、平歯コーナ部
25の欠けを減少させる要因としては、超硬材種の硬度
が低いもの,Co量の多いもの及びWC結晶粒の大きい
ものがあげられる。一方、平歯コーナ部25の摩耗量を
減少させる要因としては、超硬材種の硬度が高いもの,
Co量の少ないもの及びWC結晶粒の小さいものがあげ
られる。
【0063】しかしながら、欠けを減少させる要因と摩
耗を抑制させる要因は双方相反するものであるので、鋸
刃の寿命を延ばすためには材種の選定は重要であり、過
剰に欠け及び摩耗を減少させようとするとかえって寿命
を早めることになる。
【0064】平歯歯材と台形歯歯材に使用する超硬材種
の硬度,Co量及びWC結晶粒の大きさの各要因の詳細
な適正値については切断材料の材質材料の大きさ等によ
って変更しなければならない。
【0065】本実施の形態では、図1,図2および図3
に示される平歯15と台形歯17とが交互に配列した形
状の超硬帯鋸刃1を用いた例について説明してきたが、
図4,図5および図6に示されているように右方平歯1
9と左方平歯23が左右へ振り出したものと台形歯21
が配列してなるタイプ及びアサリタイプの超硬帯鋸刃1
についても使用可能であり、同様の結果が得られる。
【0066】以上のように、超硬を歯材に持つバチタイ
プ鋸刃で平歯コーナ部25が欠ける場合は、台形歯歯材
よりも耐衝撃性の優れた超硬材種、すなわち硬度が低い
もの,Co量の多いもの,またはWC結晶粒が大きいも
の等を平歯歯材に使用することにより、切断中に起こる
平歯コーナ部25の大きな欠けの減少を図ることができ
る。
【0067】また、平歯コーナ部25が大きく摩耗する
場合は、台形歯歯材よりも耐摩耗性の優れた材種、すな
わち硬度が高いもの、Co量の少ないもの、またはWC
結晶粒が小さいもの等を平歯歯材に使用することによ
り、平歯コーナ部25の大きな摩耗の減少を図ることが
できる。
【0068】したがって、台形歯17と平歯15との超
硬材種を異にすることによって、欠けや摩耗が抑制さ
れ、結果として、鋸刃の寿命のバラツキが小さくなる。
例えばSCM440で直径φ250を切断するときに鋸
刃の欠けが発生する場合は、硬度に関して図13に示さ
れているような組合せにすると安定して高寿命が得られ
るようになる。
【0069】なお、この発明は前述した実施の形態に限
定されることなく、適宜な変更を行うことによりその他
の態様で実施し得るものである。
【0070】
【発明の効果】以上のごとき発明の実施の形態の説明か
ら理解されるように、請求項1の発明によれば、平歯と
台形歯を比較した場合、欠けや摩耗に関して平歯コーナ
部は台形歯とは異なった傾向がみられることから、台形
歯と平歯の超硬材種が異なっていることにより欠けや摩
耗を抑制できるので、鋸刃寿命のバラツキを小さくで
き、安定した高寿命の鋸刃を得ることができる。
【0071】例えば、鋸刃で平歯コーナ部が欠ける場合
や大きく摩耗する場合に応じて、台形歯よりも耐衝撃性
の優れた超硬材種を平歯歯材に使用することにより、切
断中に起こる平歯コーナ部の大きな欠けの減少や大きな
摩耗の減少を図ることができる。
【0072】請求項2の発明によれば、例えば、鋸刃で
平歯コーナ部が欠ける場合、台形歯よりも耐衝撃性の優
れた超硬材種、すなわち硬度が低いものを平歯歯材に使
用することにより、切断中に起こる平歯コーナ部の大き
な欠けの減少を図ることができる。
【0073】また、平歯コーナ部が大きく摩耗する場合
は、台形歯よりも耐摩耗性の優れた材種、すなわち硬度
が高いものを平歯歯材に使用することにより、平歯コー
ナ部の大きな摩耗の減少を図ることができる。
【0074】請求項3の発明によれば、平歯と台形歯の
超硬材種の硬度が同じであっても,例えば、鋸刃で平歯
コーナ部が欠ける場合、台形歯よりもCo量の多い超硬
材種を平歯歯材に使用することにより、切断中に起こる
平歯コーナ部の大きな欠けの減少を図ることができる。
【0075】また、平歯コーナ部が大きく摩耗する場合
は、台形歯よりもCo量の少ない超硬材種を平歯歯材に
使用することにより、平歯コーナ部の大きな摩耗の減少
を図ることができる。
【0076】請求項4の発明によれば、平歯と台形歯の
超硬材種の硬度及びCo量が同じであっても,例えば、
鋸刃で平歯コーナ部が欠ける場合、台形歯よりもWC結
晶粒が大きい超硬材種を平歯歯材に使用することによ
り、切断中に起こる平歯コーナ部の大きな欠けの減少を
図ることができる。
【0077】また、平歯コーナ部が大きく摩耗する場合
は、台形歯よりもWC結晶粒が小さい超硬材種を平歯歯
材に使用することにより、平歯コーナ部の大きな摩耗の
減少を図ることができる。
【0078】請求項5の発明によれば、平歯が台形歯の
切れ歯となる部分の稜線より同時に両外側に突出してい
るので、切断加工効率の向上を図ることができる。
【0079】請求項6の発明によれば、右方平歯と左方
平歯との2つで、請求項5に記載した両方平歯と同じ効
果となるので、切断抵抗の減少を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の帯鋸刃を示すもので、歯
先における縦断面図である。
【図2】図1の帯鋸刃の平面図である。
【図3】図2の正面図である。
【図4】本発明の実施の形態の帯鋸刃を示すもので、歯
先における縦断面図である。
【図5】図4の帯鋸刃の平面図である。
【図6】図5の正面図である。
【図7】図1の帯鋸刃を用いて切断したときの硬度(H
v)の違いによる平歯コーナ部の欠け数を示すグラフで
ある。
【図8】図1の帯鋸刃を用いて切断したときの硬度(H
v)の違いによる平歯コーナ部の摩耗量を示すグラフで
ある。
【図9】図1の帯鋸刃を用いて切断したときのCo量の
違いによる平歯コーナ部の欠け数を示すグラフである。
【図10】図1の帯鋸刃を用いて切断したときのCo量
の違いによる平歯コーナ部の摩耗量を示すグラフであ
る。
【図11】図1の帯鋸刃を用いて切断したときのWC結
晶粒の大きさの違いによる平歯コーナ部の欠け数を示す
グラフである。
【図12】図1の帯鋸刃を用いて切断したときのWC結
晶粒の大きさの違いによる平歯コーナ部の摩耗量を示す
グラフである。
【図13】図1の帯鋸刃を用いて切断したときの硬度別
組合せ歯材による寿命面積の推移を示すグラフである。
【図14】従来の帯鋸刃のタイプを示すもので、(A)
はアサリタイプで、(B)は(A)の右側面図であり、
(C)はバチタイプで、(D)は(C)の右側面図であ
る。
【図15】従来の帯鋸刃を用いて切断したときの硬度
(Hv)の違いによる欠け数を示すグラフである。
【図16】従来の帯鋸刃を用いて切断したときの硬度
(Hv)の違いによるセンター部の摩耗量を示すグラフ
である。
【図17】従来の帯鋸刃を用いて切断したときの硬度別
組合せ歯材による寿命面積の推移を示すグラフである。
【図18】従来の帯鋸刃を用いて切断したときの平歯の
チッピングの状態を示す概略説明図である。
【図19】(A)は従来の帯鋸刃の縦断面の歯先形状を
示した模式的な概略図、(B)は(A)の右側面図であ
る。
【符号の説明】
1 帯鋸刃 3 歯先部 13 台金 15 平歯 15a〜15h,17a〜17j 稜線 17 台形歯 19 右方平歯 19a〜19h,21a〜21j,23a〜23h 稜
線 21 台形歯 23 左方平歯 25 平歯コーナ部 A 寸法 B 台形歯の切り幅 C 面取り量 D 面取り角度 E 二番角度 R 歯先稜線 t 台金厚み

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平歯と台形歯を備え持つ鋸刃において、
    平歯と台形歯が超硬材種からなると共に、前記両者の超
    硬材種が異なっていることを特徴とする鋸刃。
  2. 【請求項2】 前記平歯の超硬材種の硬度が、前記台形
    歯の超硬材種の硬度に対して異なっていることを特徴と
    する請求項1記載の鋸刃。
  3. 【請求項3】 前記平歯の超硬材種の硬度が前記台形歯
    の超硬材種の硬度とほぼ同じであると共に前記平歯の超
    硬材種の含有Co量が前記台形歯の超硬材種の含有Co
    量に対して異なっていることを特徴とする請求項1記載
    の鋸刃。
  4. 【請求項4】 前記平歯の超硬材種の硬度及び含有Co
    量が前記台形歯の超硬材種の硬度及び含有Co量とほぼ
    同じであると共に前記平歯の超硬材種のWC結晶粒の大
    きさが前記台形歯の超硬材種のWC結晶粒の大きさに対
    して異なっていることを特徴とする請求項1記載の鋸
    刃。
  5. 【請求項5】 前記平歯が、前記台形歯の切れ歯となる
    部分の稜線より幅方向において左右外側に振り出されて
    いることを特徴とする請求項1〜4のうちのいずれか一
    つに記載の鋸刃。
  6. 【請求項6】 前記平歯が、前記台形歯の切れ歯となる
    部分の稜線より幅方向において右方の外側に振り出され
    た右方平歯と、前記台形歯の切れ歯となる部分の稜線よ
    り幅方向において左方の外側に振り出された左方平歯
    と、からなることを特徴とする請求項1〜4のうちのい
    ずれか一つに記載の鋸刃。
JP11128737A 1999-05-10 1999-05-10 鋸 刃 Pending JP2000317729A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11128737A JP2000317729A (ja) 1999-05-10 1999-05-10 鋸 刃

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11128737A JP2000317729A (ja) 1999-05-10 1999-05-10 鋸 刃

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000317729A true JP2000317729A (ja) 2000-11-21

Family

ID=14992219

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11128737A Pending JP2000317729A (ja) 1999-05-10 1999-05-10 鋸 刃

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000317729A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004033138A1 (ja) * 2002-10-10 2004-04-22 Amada Company, Limited 鋸刃
WO2012020702A1 (ja) * 2010-08-10 2012-02-16 株式会社 アマダ 帯鋸刃の製造方法及び帯鋸刃
CN103273542A (zh) * 2013-05-19 2013-09-04 李传信 具有预切削刃的木工锯子

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004033138A1 (ja) * 2002-10-10 2004-04-22 Amada Company, Limited 鋸刃
KR100703145B1 (ko) * 2002-10-10 2007-04-06 아마다 컴패니 리미티드 톱날
US7661347B2 (en) 2002-10-10 2010-02-16 Amada Company, Limited Saw blade
DE10393472B4 (de) * 2002-10-10 2016-06-02 Amada Company Limited Sägeblatt
WO2012020702A1 (ja) * 2010-08-10 2012-02-16 株式会社 アマダ 帯鋸刃の製造方法及び帯鋸刃
JP2012035383A (ja) * 2010-08-10 2012-02-23 Amada Co Ltd 帯鋸刃の製造方法及び帯鋸刃
US9038512B2 (en) 2010-08-10 2015-05-26 Amanda Company, Limited Method for manufacturing bandsaw blade, and bandsaw blade
CN103273542A (zh) * 2013-05-19 2013-09-04 李传信 具有预切削刃的木工锯子

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3215429B2 (ja) オフセット切削エッジを有する螺旋状切削差し込み工具
JP2002301605A (ja) スローアウェイチップ
US20060067797A1 (en) End mill
JPWO2013099954A1 (ja) ラジアスエンドミル
JP2003532546A (ja) 真っ直ぐな歯とあさり歯とを備える金属切削用鋸、及びその製造方法
WO2014157135A1 (ja) ドリル用インサートおよび刃先交換式ドリル
JP2017024173A (ja) 切削インサート、及び刃先交換式回転切削工具
JPH10109210A (ja) スペードドリル用スローアウェイチップ
EP1559493A2 (en) Ballnose end mill
JP2007075992A (ja) ボールカッターまたはトロイドカッター
JP6337573B2 (ja) 切削インサート、及び刃先交換式回転切削工具
JPH07112311A (ja) 高硬度鋼用ドリル
JP5173336B2 (ja) 鋸刃
JP2000317729A (ja) 鋸 刃
JP2004268230A (ja) ドリル
JP4829197B2 (ja) ロウ付けバイト
JP2007001011A (ja) 穴明け工具
JP2003136319A (ja) 刃先交換式ツイストドリル
JP2003266225A (ja) 穴明け工具
JP5612382B2 (ja) 切削インサート
JP2001009606A (ja) スローアウェイチップ
JP2000288829A (ja) エンドミル
JP2002126932A (ja) エンドミル
JP7534724B1 (ja) チップ及び切削工具
JP2000190120A (ja) 強ねじれエンドミル

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060427

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080430

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080509

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080924