JP2001009606A - スローアウェイチップ - Google Patents

スローアウェイチップ

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JP2001009606A
JP2001009606A JP11180951A JP18095199A JP2001009606A JP 2001009606 A JP2001009606 A JP 2001009606A JP 11180951 A JP11180951 A JP 11180951A JP 18095199 A JP18095199 A JP 18095199A JP 2001009606 A JP2001009606 A JP 2001009606A
Authority
JP
Japan
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cutting edge
recess
tip
chip
rake face
Prior art date
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Pending
Application number
JP11180951A
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English (en)
Inventor
Yasunori Murakami
靖典 村上
Mitsumasa Bessho
光正 別所
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Publication date
Application filed by Mitsubishi Materials Corp filed Critical Mitsubishi Materials Corp
Priority to JP11180951A priority Critical patent/JP2001009606A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 切刃に正のすくい角を与えながらも、超高硬
度焼結体の研磨による加工コストの増大を抑え、しかも
左右両加工勝手のチップを安価に提供でき、さらに研磨
時のクラックの発生を防止できるとともに、送りや切り
込みが低い条件でも円滑な切屑処理を行うことが可能な
スローアウェイチップ11を提供する。 【解決手段】 チップ本体12のすくい面13のコーナ
部Cに、このすくい面13に対向する方向からみてコー
ナ部Cで折れ曲がるV字状をなす凹所14を形成し、こ
の凹所14の底面14Aをコーナ部C側から離間するに
従い漸次陥没するように傾斜させるとともに、この凹所
14に、超高硬度焼結体よりなる切刃19を備えたV字
形平板状をなす切刃チップ15を、この切刃19をすく
い面13側に向けるとともに下面15Bを凹所14の底
面14Aに密着させて取り付ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、チップ本体の切刃
部分に立方晶窒化ホウ素(CBN)やダイヤモンドを主
成分とする超高硬度焼結体が取り付けられたスローアウ
ェイチップ(以下、チップと称する。)に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】例えば焼き入れ鋼の旋削加工などにおい
て切屑処理が困難となる内径加工や取り代が変化する加
工には、チップ本体の切刃部分に上述のような超高硬度
焼結体が取り付けられ、しかもこの切刃に連なる超高硬
度焼結体の上面部分に凹溝状のチップブレーカが形成さ
れて切刃に正のすくい角が与えられたチップが用いられ
ている。ここで、図11および図12は、この種のチッ
プとして特開平4−217404号公報に提案されたも
のであり、このチップ1においては、超硬合金や鋼等か
らなる多角形平板状のチップ本体2のすくい面3のコー
ナ部Cに、このすくい面3に平行な底面4Aとこれら底
面4Aおよびすくい面3に直交する壁面4Bとを備えた
凹所4が形成されている。
【0003】そして、この凹所4には、超高硬度焼結体
5と超硬合金等の高硬度焼結体6とを層状に形成した層
状焼結体よりなる切刃チップ7が、上記超高硬度焼結体
5の部分に形成された切刃8をすくい面3側に向けると
ともに、高硬度焼結体6の部分を上記底面4Aに密着さ
せて、ろう付けにより取り付けられており、この切刃チ
ップ7の超高硬度焼結体5部分のすくい面3側を向く上
面には、コーナ部Cからすくい面3の辺稜部に沿ってチ
ップ本体2側に連続して延びる凹溝状のチップブレーカ
9が形成されている。さらに、このチップブレーカ9
は、図12に示すように切刃8から離間するに従い漸次
陥没するように傾斜させられた後、すくい面3側に凹円
弧をなして切れ上がる断面形状に形成されていて、これ
により切刃8に正のすくい角が与えられるようになされ
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
切刃チップ7からチップ本体2に連続するチップブレー
カ9は、上記切刃チップ7を凹所4にろう付けした上
で、すくい面3を研削砥石によって研磨することにより
形成されており、逃げ面の研磨とも合わせてきわめて硬
質な超高硬度焼結体5の部分を研磨しなければならない
ため、チップブレーカ9の加工に多くの時間と労力が費
やされ、従ってチップ1当たりのコストも高くなってし
まうという問題がある。また、上記チップ1では、チッ
プブレーカ9がコーナ部Cからすくい面3の一の辺稜部
に沿って一方向に延びるように形成されており、このた
め当該チップ1の加工勝手も右方向か左方向かの一方向
に制限されてしまうが、これを加工勝手が左右両方向に
兼用できるように、チップブレーカ9をコーナ部Cから
該コーナ部Cに交差する両辺稜部に沿って延びるV字状
に形成しようとすると、チップブレーカ9の加工にさら
に多くの時間と労力とが費やされて一層のコスト高を招
く結果となる。
【0005】さらに、上記チップ1では、このようなチ
ップブレーカ9を形成することにより、上記超高硬度焼
結体5は図12に示すようにチップブレーカ9が切り上
がる部分でその肉厚が大きく削り取られてしまい、この
部分から研磨時にクラックが発生してしまうという問題
もある。さらにまた、このようなチップブレーカ9の加
工は上述のように研削砥石による研磨によって行われる
ため、このチップブレーカ9がすくい面3側に切り上が
る部分がなす凹円弧の曲率半径をあまり小さくすること
はできず、送りや切り込みが低い切削条件では切屑の円
滑な処理ができなくなってホルダへの切屑の絡まりが生
じたりするおそれもあった。
【0006】本発明は、このような背景の下になされた
もので、切刃に正のすくい角を与えながらも、超高硬度
焼結体の研磨による加工コストの増大を抑え、しかも左
右両加工勝手のチップを安価に提供でき、さらに研磨時
のクラックの発生を防止できるとともに、送りや切り込
みが低い条件でも円滑な切屑処理を行うことが可能な超
高硬度焼結体付きのチップを提供することを目的として
いる。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決して、こ
のような目的を達成するために、本発明は、チップ本体
のすくい面のコーナ部に、上記すくい面に対向する方向
からみて該コーナ部で折れ曲がるV字状をなす凹所を形
成し、この凹所の底面を上記コーナ部側から離間するに
従い漸次陥没するように傾斜させるとともに、この凹所
に、超高硬度焼結体よりなる切刃を備えたV字形平板状
をなす切刃チップを、この切刃を上記すくい面側に向け
るとともに下面を上記凹所の底面に密着させて取り付け
たことを特徴とする。
【0008】従って、このように構成されたチップにお
いては、チップ本体の傾斜する凹所の底面に、上下面が
平行となる平板状の切刃チップが取り付けられるため、
この切刃チップの切刃に正のすくい角を与えることがで
きる一方、切刃チップのすくい面自体は研磨する必要が
なく、従って切刃チップの肉厚が損なわれることもな
く、しかも切刃チップはV字形であるので左右両方の加
工勝手を与えることができる。さらに、かかるチップで
は、この切刃チップの上面と上記凹所の壁面とを急角度
で折れ曲がるように配設することができるので、送りや
切り込みが小さくて伸び気味の切屑が生成される場合で
も、これを上記壁面に衝突させて確実に処理することが
可能となる。
【0009】ここで、チップ本体の上記凹所の底面がな
す傾斜角は5〜20°の範囲に設定されるのが望まし
い。これは、この傾斜角が5°を下回るほど小さいと、
切刃チップの切刃に与えられるすくい角も小さくなると
ともに、凹所の上記壁面による切刃チップの上面とチッ
プ本体のすくい面との間の段差も小さくなり、円滑な切
屑処理を阻害するおそれがある一方、傾斜角が20°を
上回るほど大きいと、切刃チップの特にコーナ部におけ
る切刃の刃先角が小さくなって、この部分に欠け等が生
じ易くなるおそれがあるからである。また、上記切刃チ
ップの上面の幅は0.5〜2.0mmの範囲に設定される
のが望ましく、この幅が0.5mmを下回るほど小さい
と、過大な切削負荷が作用した場合に切刃チップの特に
V字に折れ曲がる部分でクラックが生じ易くなるおそれ
がある一方、上記幅が2.0mmを上回るほど大きいと、
上述のような切屑が伸び気味となるような切削条件下で
は、この切刃チップの上面を擦過して流れる切屑を速や
かに上記壁面に衝突させて処理することができなくなる
おそれが生じる。
【0010】
【発明の実施の形態】図1ないし図4は、本発明の第1
の実施形態のチップ11を示すものである。本実施形態
においてチップ本体12は、超硬合金等の硬質材料によ
り略正三角形の平板状に形成されており、そのすくい面
13とされる上面の1のコーナ部Cには凹所14が形成
されていて、この凹所14に切刃チップ15が取り付け
られている。ここで、このチップ11は、その逃げ面と
されるチップ本体12の側面16がすくい面13に直交
するように形成されたネガティブチップであり、また上
記コーナ部Cを含めて各側面16…同士が交差する角部
は、図1に示すように凸円弧状に面取りされている。ま
た、チップ本体12の上記すくい面13の中央には、当
該チップ11をスローアウェイ式バイトのホルダ等に取
り付けるための取付孔17が、チップ本体12の下面1
8に貫通するように形成されている。
【0011】上記凹所14は、図1に示すようにすくい
面13に直交する方向から見て、上記コーナ部Cを2等
分する平面Pについて対称に形成されるとともに、該コ
ーナ部Cからこのコーナ部Cに交差する側面16,16
とすくい面13との交差稜線部にそれぞれ沿って延びる
ように形成されており、すなわちコーナ部Cで折れ曲が
るV字状をなしていて、この凹所14がなすV字の挟角
はチップ本体12のコーナ角と等しく本実施形態では6
0°とされる。また、この凹所14は、すくい面13か
ら下面18側に凹んで該すくい面13側を向き、上記す
くい面13に直交する方向から見て一定幅のV字状をな
す底面14Aと、この底面14AがなすV字の両端から
該底面14Aに対して垂直にすくい面13側に延びてコ
ーナ部C側を向く壁面14B,14Bと、底面14Aが
なすV字の内側縁部から底面14Aおよび壁面14B,
14Bに垂直にすくい面13側に延びて側面16,16
側を向き、上記すくい面13に対向する方向から見て図
1に示すようにコーナ部C側でV字状に交差する壁面1
4C,14Cとにより画成されており、このうち上記底
面14Aは、図2および図3に示すようにコーナ部C側
から離間して上記壁面14B,14B側に向かうに従
い、すくい面13に対して5〜20°の範囲内の所定の
傾斜角θで漸次下面18側に陥没するように傾斜させら
れている。
【0012】一方、このような凹所14に取り付けられ
る上記切刃チップ15は、本実施形態ではCBNやダイ
ヤモンドを主成分とする超高硬度焼結体により、やはり
V字形の平板状に形成されていて、すなわちそのV字形
をなす上下面15A,15Bが互いに平行に形成されて
いる。ただし、この切刃チップ15がなすV字は、上記
凹所14がなすV字よりもその両辺がやや短くされてお
り、この辺の長さLは2〜4mmの範囲に設定されてい
る。また、この切刃チップ15の両端面15C,15C
と内側を向いてV字に交差する側面15D,15Dとは
上下面15A,15Bに垂直に形成されているのに対
し、該切刃チップ15の外側を向いてV字に交差する側
面15E,15Eは、凹所14に取り付けた状態におい
てチップ本体12の側面16,16と面一になるように
形成されており、従ってこれら側面15E,15E同士
が交差するコーナ部C側の角部も、チップ本体12のす
くい面13に直交する方向からみて凸円弧状に形成され
ていて、これら側面15E,15Eと上面15Aとの交
差稜線部に、上記すくい面13側を向くように切刃19
が形成されている。
【0013】ここで、この切刃チップ15の上面15A
の幅Wは、凹所14の上記底面14Aの幅と略等しく、
本実施形態では0.5〜2.0mmの範囲内の所定の幅に
設定されるとともに、その厚さは、切刃チップ15を凹
所14に取り付けた状態において、切刃19と上記平面
Pとの交点、すなわち切刃19の突端がチップ本体12
のすくい面13の延長平面上に位置するように設定され
ている。そして、このような切刃チップ14は、その下
面15Bを凹所14の底面14Aに密着させるととも
に、上記側面15D,15Dを壁面14C,14Cに当
接させ、ろう付けにより該凹所14に接合されて取り付
けられている。
【0014】なお、本実施形態では、このろう付けに際
して、CuとTiとを適当な比率で含有するAg合金ろ
う材(活性銀ろう材)を用いるのが望ましく、より具体
的には重量%でCuを10〜40%、望ましくは20〜
30%含有するとともに、Tiを1〜20%、望ましく
は1〜5%含有し、残りがAgと不可避不純物からなる
組成を有するろう材を用いるのが望ましい。また、この
切刃チップ15の側面15E,15Eとチップ本体12
の側面16,16とを面一に成形するには、上記の幅W
および厚さで側面15E,15Eが上下面15A,15
Bに垂直な切刃チップ15を形成しておいて凹所14に
取り付け、側面15E,15Eと側面16,16とをま
とめて研磨して面一に形成すればよい。さらに、必要に
応じて上記切刃19の刃先部にチャンファー加工等を施
してもよい。
【0015】このように構成されたチップ11において
は、上下面15A,15Bが平行とされた切刃チップ1
5が、その下面15Bを傾斜角θで傾斜した凹所14の
底面14Aに密着させて取り付けられているため、切刃
チップ15の上面15Aの辺稜部に形成された切刃19
には、上記傾斜角θと等しい正のすくい角が与えられる
こととなる。そして、この切刃19に連なる切刃チップ
15の上面15Aの奥には、凹所14の壁面14B,1
4Cがチップ本体12のすくい面13に向かって延びて
いて、これら切刃チップ15の上面15Aと凹所14の
壁面14B,14Cとによって凹溝状のチップブレーカ
が画成されることとなるので、例えば焼き入れ鋼の旋削
加工における内径加工や取り代が変化する加工などにお
いて、送りや切り込みが低く、伸び気味の切屑が生成さ
れる場合であっても、これを上記壁面14B,14Cに
衝突させることにより確実に分断して処理することが可
能となり、このような切屑がスローアウェイ式バイトの
ホルダに絡まったりするのを未然に防止することができ
る。
【0016】しかも、上記構成のチップ11では、凹所
14の上記壁面14B,14Cが底面14Aに対して垂
直にすくい面13側に延びるように形成されており、従
ってこれら壁面14B,14Cは切刃チップ15の上面
15Aに対しても垂直な方向に延びるように配設される
こととなるので、切刃19から上記上面15Aに沿って
流出した切屑がこれら壁面14B,14Cに衝突した際
に、より大きな抵抗をこの切屑に与えて該切屑を一層確
実に分断することが可能となり、さらに効率的な切屑処
理を図ることが可能となる。特に本実施形態では、切刃
チップ15がその側面15Dを凹所14の壁面14Cに
当接させて取り付けられているため、この壁面14Cは
切刃チップ15の上面15Aに垂直に交差して切屑の流
出方向に立ちはだかるように配設させられることとな
り、これにより切屑はその流出方向を急激に変えられて
しまうので、さらに確実な切屑の分断処理を促すことが
可能となる。
【0017】その一方で、上記構成のチップ11では、
超高硬度焼結体よりなる切刃チップ15は、その側面1
5E,15Eが上述のようにチップ本体12の側面16
…を研磨する際に同時に研磨されるだけであって、この
側面15Eの研磨のほかには従来のように切刃チップ7
の超高硬度焼結体よりなる上面部分をチップブレーカ形
成のために研磨したりする必要がなく、すなわち他の上
下面15A,15Bや側面15C,15Dは当該切刃チ
ップ15を焼結成形したままの状態でよいので、硬質の
超高硬度焼結体を研磨するのに要する労力や時間を大幅
に削減してチップ11のコストの低減を図ることができ
る。しかも、このように切刃チップ15の上面15Aが
研磨されることがなくなるのに伴い、この切刃チップ1
5の肉厚がそがれるようなこともなくなるので、これに
より切刃チップ15にクラックが生じたりするような事
態も未然に防止することが可能となる。
【0018】また、本実施形態では上記凹所14がチッ
プ本体12のコーナ部Cを2等分する平面Pに対称にV
字状に形成されるとともに、切刃チップ15も同じく平
面Pに対称なV字形平板状に形成されていて、コーナ部
Cの左右いずれの側でも等しい状態で切刃19を使用す
ることが可能であり、すなわちチップ11に左右両方の
加工勝手を与えることができて高い汎用性を得ることが
できる。しかも、本実施形態ではこのようにV字形平板
状に形成された切刃チップ15が、その内側を向いてV
字に交差する側面15D,15Dを壁面14C,14C
に当接させて凹所14にろう付けにより取り付けられて
おり、左右いずれの加工勝手の場合でも切刃チップ15
は切削負荷によってどちらか一方の側面15Dが壁面1
4Cに押し付けられて保持されることとなるので、切刃
チップ15に高い取付剛性を確保することが可能とな
る。
【0019】ただし、本実施形態ではこのように凹所1
4および切刃チップ15を上記平面Pに対して対称とな
るように形成しているが、例えばチップ11の左右の加
工勝手が限定されているような場合などには、このよう
に凹所14や切刃チップ15を上述のような平面Pに対
称として厳密にV字状に形成しなくても、コーナ部Cを
挟んで一方の側と他方の側とで長さが異なるL字状等に
これら凹所14や切刃チップ15を形成するようにして
もよい。また、このような場合にあっては、底面14A
が平面状に形成されるのであれば、上記傾斜角θもコー
ナ部Cを挟んで一方の側と他方の側とで異なる角度とさ
れていてもよい。
【0020】ところで、本実施形態ではこの凹所14の
底面14Aの傾斜角θをすくい面13に対して5〜20
°の範囲内に設定しているが、これは、この傾斜角θが
5°を下回るほど小さいと、切刃チップ15の上面15
Aの傾斜角も小さくなって切刃19に与えられるすくい
角も小さくなるので、この切刃チップ15の上面15A
とチップ本体12のすくい面13との間に画成される上
記壁面14B,14Cによる段差も小さくなり、切屑が
これら壁面14B,14Cに衝突することなく上記段差
を乗り越えて流出してしまい、円滑な切屑処理を阻害す
るおそれが生じるからである。その一方で、この傾斜角
θが20°を上回るほど大きいと、切刃チップ15の上
面の傾斜も大きくなって、逆に切刃19の特にコーナ部
C周辺における刃先角が小さくなり、過大な切削負荷が
作用したりした場合にはこの刃先部に欠けが生じたりす
るおそれがあるので、上記傾斜角θは本実施形態のよう
に5〜20°の範囲に設定されるのが望ましい。
【0021】また、本実施形態では上記切刃チップ15
の幅Wを0.5〜2.0mmの範囲内に設定しているが、
これは、この幅Wが0.5mmを下回るほど小さいと、切
刃チップ15の絶対的強度が小さくなり、例えば過大な
切削負荷が作用した場合に、切刃チップ15がV字形に
折れ曲がるコーナ部Cの周辺で該切刃チップ15にクラ
ックが生じたりするおそれがあるからである。その一方
で、逆にこの切刃チップ15の幅Wが2.0mmを上回る
ほど大きいと、切刃19により生成された切屑が上記壁
面14B,14Cに衝突するまでの間隔が大きくなって
しまい、これらの壁面14B,14Cに切屑を速やかに
衝突させて分断処理することができなくなるおそれがあ
るので、上記幅Wはやはり本実施形態のように0.5〜
2.0mmの範囲内に設定されるのが望ましい。
【0022】一方、本実施形態のチップ11では、上記
切刃チップ15がなすV字が、凹所14がなすV字より
もその両辺がやや短くされており、従って該切刃チップ
15を凹所14に取り付けた状態で、切刃チップ15の
両端面15C,15Cと凹所14の壁面14B,14B
との間には僅かな隙間Cが画成されることとなる。この
ため、本実施形態によれば、上記凹所14の形成に際し
て、この壁面14B,14Bの位置設定についてはそれ
ほど厳密さが要求されることはなく、チップ本体12の
成形を容易にすることができるとともに、例えばこれら
端面15Cと壁面14Bとを密着させて切刃チップ15
を凹所14にろう付けする場合に比べ、超高硬度焼結体
製の切刃チップ15と超硬合金製のチップ本体12との
熱膨張率の違いに伴い、ろう付け時の熱による熱応力が
切刃チップ15に残留してクラックが発生し易くなった
りするような事態を防止することが可能となる。ただ
し、この隙間Cが小さすぎるとこのような効果が十分に
奏功されない一方、隙間Cが大きすぎると、分断された
切屑がこの隙間Cに入り込んでしまうおそれがあるの
で、この隙間Cは0.8〜1.3mm程度の範囲に設定さ
れるのが望ましい。
【0023】なお、上述のような凹所14をチップ本体
12に形成するに際しては、正三角形平板状等のチップ
本体12を成形した上で、そのコーナ部Cに研削砥石に
よる研磨や放電加工などによって凹所14を削り込むよ
うにしてもよいが、例えばチップ本体12を超硬合金等
の焼結体により形成する場合には、その圧粉体を成形す
る成形型(モールド)に上記凹所14となるべき凸部を
形成しておき、こうして成形された圧粉体を焼結して上
記凹所14が形成されたチップ本体12を成形するよう
にしてもよく、この場合、凹所14の底面14Aは、特
に研磨を施したりすることなく、焼結肌のままでよい。
また、本実施形態では上述のように切刃チップ15を凹
所14に取り付けた上で、チップ本体12の側面16と
切刃チップ15の側面15Eとをまとめて研磨すること
により、これら側面15E,16を面一となるように形
成しているが、例えば予め上面15Aに対して所定の角
度で傾斜した側面15Eを有する切刃チップ15を形成
して、これを凹所14に取り付けるようにしてもよい。
【0024】次に、図5ないし図10は本発明の第2,
第3の実施形態のチップ21,22を示すものであり、
図1ないし図4に示した第1の実施形態のチップ11と
共通する要素には同一の符号を配して説明を省略する。
このうち、図5ないし図8に示す第2の実施形態のチッ
プ21において、そのチップ本体12は、図5に示すよ
うに略正方形の平板状に形成されており、そのすくい面
13とされる上面の1のコーナ部Cに、該すくい面13
に直交する方向から見て挟角が90°のV字状をなす凹
所14が形成され、この凹所14にやはり挟角90°の
V字形平板状をなす切刃チップ15が取り付けられてい
る。また、図9および図10に示す第3の実施形態のチ
ップ22では、チップ本体12が菱形平板状に形成され
ており、そのすくい面13の鋭角をなす1のコーナ部C
に形成されたV字状の凹所14にV字形平板状の切刃チ
ップ15が取り付けられている。
【0025】さらに、これら第2、第3の実施形態にお
ける上記切刃チップ15は、CBNやダイヤモンドを主
成分とする超高硬度焼結体層23と超硬合金層24とを
一体焼結した層状焼結体であって、切刃19が形成され
る上面15A側に超高硬度焼結体層23が、下面15B
側に超硬合金層24がそれぞれ配設されており、この超
高硬度焼結体層23をチップ本体12のすくい面13側
に向けるとともに、超硬合金層24を凹所14の底面1
4Aに密着させ、やはりろう付けにより接合されて凹所
14に取り付けられている。なお、このように多層状に
形成されることにより、切刃チップ15はその厚さが第
1の実施形態よりも厚く形成されるが、その上下面15
A,15Bは第1の実施形態と同様に互いに平行とさ
れ、また凹所14も第1の実施形態よりは深く形成され
るが、その底面14Aは第1の実施形態と同様に傾斜角
θでコーナ部Cから離間するに従い漸次陥没するように
傾斜させられている。
【0026】従って、このように構成された第2、第3
の実施形態のチップ21,22においても、上記第1の
実施形態と同様に、切刃チップ15の超高硬度焼結体層
23よりなる上面15A部分に研磨を施したりすること
なく、切刃19に正のすくい角を与えて、切刃チップ1
5の上面15Aに沿って流れ出た切屑を凹所14の壁面
14B,14Cに衝突させて確実に処理できるととも
に、左右両加工勝手のチップ21、22を安価に提供す
ることができ、さらには切刃チップ15の肉厚がそがれ
ることによるクラックの発生なども未然に防止すること
ができる。また、このように超高硬度焼結体層23に超
硬合金層24が一体焼結された切刃チップ15では、同
じ超硬合金よりなるチップ本体12とのろう付けによる
接合性が高いので、切刃チップ15の取付剛性の一層の
向上を図ることができるという利点も得られる。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
超高硬度焼結体よりなる切刃を備えた切刃チップ上に凹
溝状のチップブレーカを画成するに際して、この超高硬
度焼結体部分に研磨を施したりする必要がなく、このた
め研磨に要する時間や労力を軽減してチップのコストの
低下を図ることができる。また、左右両加工勝手のチッ
プも安価に提供できるとともに、研磨によるクラックも
防止することができ、さらには伸び気味の切屑が生成さ
れる場合であっても、これを確実に分断して処理するこ
とが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態のチップ11を示す
平面図である。
【図2】 図1における矢線X方向視の側面図である。
【図3】 図1における矢線Y方向視の側面図である。
【図4】 図1におけるZZ断面図である。
【図5】 本発明の第2の実施形態のチップ21を示す
平面図である。
【図6】 図5における矢線X方向視の側面図である。
【図7】 図5における矢線Y方向視の側面図である。
【図8】 図5におけるZZ断面図である。
【図9】 本発明の第3の実施形態のチップ22を示す
平面図である。
【図10】 図9における矢線X方向視の側面図であ
る。
【図11】 従来のスローアウェイチップ1を示す平面
図である。
【図12】 図11における矢線X方向視の側面図であ
る。
【符号の説明】
11,21,22 スローアウェイチップ 12 チップ本体 13 すくい面 14 凹所 14A 凹所14の底面 14B,14C 凹所14の壁面 15 切刃チップ 15A 切刃チップ15の上面 23 超高硬度焼結体層 24 超硬合金層 C すくい面13のコーナ部 θ 凹所14の底面14Aの傾斜角 W 切刃チップ15の幅
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3C046 CC01 CC06 EE16 FF12 FF35 HH04 HH08 4K018 AD14 AD18 KA16

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チップ本体のすくい面のコーナ部に、上
    記すくい面に対向する方向からみて該コーナ部で折れ曲
    がるV字状をなす凹所が形成され、この凹所の底面は上
    記コーナ部側から離間するに従い漸次陥没するように傾
    斜させられているとともに、この凹所には、超高硬度焼
    結体よりなる切刃を備えたV字形平板状をなす切刃チッ
    プが、この切刃を上記すくい面側に向けるとともに下面
    を上記凹所の底面に密着させて取り付けられていること
    を特徴とするスローアウェイチップ。
  2. 【請求項2】 上記凹所の底面がなす傾斜角が5〜20
    °の範囲に設定されていることを特徴とする請求項1に
    記載のスローアウェイチップ。
  3. 【請求項3】 上記切刃チップの上面の幅が0.5〜
    2.0mmの範囲に設定されていることを特徴とする請求
    項1または請求項2に記載のスローアウェイチップ。
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