JP2000317504A - 凸模様を形成した鋼板 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は表面に凸模様を有する鋼板の外観を改
良することを課題とする。 【解決手段】所定箇所に肉厚部分１Ａを盛上げ形成した
鋼板１の該肉厚部１Ａ表面に、表面に凹模様８を形成し
たロール７を押圧して、該凹模様８に対応する凸模様２
を形成する。この際該鋼板１の非肉厚部分１Ｂにロール
７が当接しないので、該肉厚部分１Ａの材料は非肉厚部
分１Ｂ側へ円滑に逃げることが出来る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は表面に主として滑り
止めの目的で凸模様を形成した鋼板に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】従来は、図１０に示すように表面に凹模
様(14)を設けたロール(13)によって鋼板(11)の表面を圧
延し、該鋼板(11)の表面に該ロール(13)の凹模様(14)に
対応する凸模様(12)を形成していた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記従来の方法では、
鋼板(11)の表面をロール(13)によって圧延する際、図１
０に示すように鋼板(11)の材料が矢印方向（端縁方向）
に逃げようとするが、該鋼板(11)の端縁部分も該ロール
(13)によって押圧されているので、該鋼板(11)の材料が
逃げ場を失って、その結果図１１に示すように該鋼板(1
1)の端縁部分にしわ(12A) が形成され、外観が損なわれ
ると云う不具合が存在した。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するための手段として、所定箇所に肉厚部分(1A)を盛上
げ形成した鋼板(1) の該肉厚部分(1A)表面に、表面に凹
模様(8) を形成したロール(7) を押圧して、該凹模様
(8) に対応する凸模様(2) を形成した鋼板(1) を提供す
るものであり、また鋼板(1) の表面を所定箇所に凸環部
(6) と設けたロール(5) で圧延し、該ロール(5) の凸環
部(6) と凸環部(6) との間の鋼板部分を肉厚部分(1A)と
し、次いで表面に凹模様(8) を形成したロール(7) で該
肉厚部分(1A)表面を圧延して該表面に該凹模様(8) に対
応する凸模様(2) を形成した鋼板(1) を提供するもので
ある。

【０００５】

【作用】表面に凹模様(8) を有するロール(7) は、該鋼
板(1) の盛上り肉厚部分(1A)のみを圧延し、該鋼板(1)
の該肉厚部分(1A)以外の部分（非肉厚部分(1B)）表面は
該ロール(7) に当接せず、該表面と該ロール(7) 間に若
干の隙間Ｓが出来ている。したがって該肉厚部分(1A)が
ロール(7) によって圧延された場合に、この部分の材料
はロール(7) に干渉されることなく非肉厚部分(1B)側へ
円滑に逃げることが出来るので、しわが出来ない。

【０００６】

【発明の実施の形態】本発明を図１〜図９に示す一実施
例によって以下に説明する。図に示す圧延鋼板(1) は例
えばＳＳ４００（ＪＩＳ Ｇ ３１０１）からなり、板
厚３．２mmのものである。該鋼板(1) の表面は図１に示
すように所定箇所に凸環部(6) を設けたロール(5) によ
って圧延され、図２に示すような盛上り肉厚部分(1A)が
形成される。

【０００７】該鋼板(1) の表面は次いで図３に示すよう
に表面に縞状の凹模様(8) を形成したロール(7) によっ
て圧延されるが、この場合には該鋼板(1) の肉厚部分(1
A)のみに該ロール(7) が当接し、この肉厚部分(1A)の表
面に該ロール(7) の凹模様(8) に対応する縞状の凸模様
(2) が形成され、同時に該肉厚部分(1A)は凸模様(2)間
の平坦部分(2A)の厚みが、該肉厚部分(1A)以外の部分
（非肉厚部分(1B)）の厚み（３．２mm）に略等しくなる
まで圧延される。

【０００８】上記ロール(7) の圧延力によって該鋼板
(1) の肉厚部分(1A)の材料は、図３矢印に示すように非
肉厚部分(1B)の方向に逃げる。この場合は該鋼板(1) の
非肉厚部分(1B)表面とロール(7) との間には隙間Ｓが形
成されているから、該肉厚部分(1A)の材料は該ロール
(7) に干渉されることなく、非肉厚部分(1B)側へ逃げる
ことが出来る。

【０００９】このようにして表面に縞状の凸模様(2) が
形成された鋼板(1) が製造され、凸模様(2) の付されて
いる部分が該鋼板(1) の元肉厚部分(1A)であり、凸模様
(2)の付されていない部分（非模様部分(2A)）が元非肉
厚部分(1B)である。

【００１０】該鋼板(1) は例えば中央の非模様部分(2A)
の中央線Ｌに沿って切断して二枚の鋼板(1C,1C) とす
る。そして該鋼板(1C)は例えば図６に示すように両端縁
の非模様部分(2A)を曲げ加工して成形鋼板(1D)とし、図
７に示すように該成形鋼板(1D)の一対を溶接で接合して
自動車(9) の駐車場の床材(3) に供する。

【００１１】更に該鋼板(1C)は図８に示すように両端縁
の非模様部分(2A)を曲げ加工して成形鋼板(1E)とし、図
９に示すように該成形鋼板(1E)の一対を溶接接合して、
一般倉庫の床材(4) 、あるいは溝やピットの蓋、重量物
用棚の棚板等に供する。

【００１２】

【発明の効果】本発明では、表面に凸模様を形成した鋼
板の端縁部分表面のしわの発生を確実に防止出来、外観
に優れた鋼板を提供することが出来る。

【図面の簡単な説明】

図１〜図９は本発明の一実施例を示すものである。

【図１】肉厚部分形成工程説明図

【図２】肉厚部分が形成された鋼板の断面図

【図３】凸模様形成工程説明図

【図４】凸模様が形成された鋼板の部分斜視図

【図５】凸模様が形成された鋼板の部分平面図

【図６】成形鋼板の部分斜視図

【図７】駐車場の床材としての使用状態説明図

【図８】他の成形鋼板の部分斜視図

【図９】倉庫の床材としての部分斜視図

【図１０】従来の凸模様形成工程説明図

【図１１】従来の凸模様を形成した鋼板の端部分断面図

【符号の説明】 1 鋼板 1A 肉厚部分 1B 非肉厚部分 2 凸模様 5 凸環部を設けたロール 6 凸環部 7 ロール 8 凹模様

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大関 昭夫 愛知県名古屋市中川区小碓通５丁目１番地 中部鋼鈑株式会社内 Ｆターム(参考） 4E002 AC11 AD10 AD11 BB09 CB03 4E016 AA02 DA13

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】所定箇所に肉厚部分を盛上げ形成した鋼板
   の該肉厚部分表面に、表面に凹模様を形成したロールを
   押圧して、該凹模様に対応する凸模様を形成した鋼板
2. 【請求項２】鋼板の表面を所定箇所に凸環部と設けたロ
   ールで圧延し、該ロールの凸環部と凸環部との間の鋼板
   部分を肉厚部分とし、次いで表面に凹模様を形成したロ
   ールで該肉厚部分表面を圧延して該表面に該凹模様に対
   応する凸模様を形成した鋼板