JP2000315866A - 多層配線板およびその製造方法 - Google Patents
多層配線板およびその製造方法Info
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- JP2000315866A JP2000315866A JP11124861A JP12486199A JP2000315866A JP 2000315866 A JP2000315866 A JP 2000315866A JP 11124861 A JP11124861 A JP 11124861A JP 12486199 A JP12486199 A JP 12486199A JP 2000315866 A JP2000315866 A JP 2000315866A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 層間剥離や高周波数帯域でのノイズ発生を防
止し、チップ部品等の実装性に優れた多層プリント配線
基板およびその製造方法を提案すること。 【解決手段】 硬質材料から形成された絶縁性基材10の
片面または両面に導体層22が設けられ、それらの導体層
間がスルーホール15で電気的に接続され、その導体層に
突起または柱状導体26が形成されたユニット配線基板の
複数枚( 30、31、32) が、所定の間隔をおいて結合され
ている多層配線板であり、隣接する配線基板の各導体層
間に、なんらの絶縁材料を介在させることなく、その各
導体層間の電気的接続を突起または柱状導体26を溶融固
化させることで行うことができる。
止し、チップ部品等の実装性に優れた多層プリント配線
基板およびその製造方法を提案すること。 【解決手段】 硬質材料から形成された絶縁性基材10の
片面または両面に導体層22が設けられ、それらの導体層
間がスルーホール15で電気的に接続され、その導体層に
突起または柱状導体26が形成されたユニット配線基板の
複数枚( 30、31、32) が、所定の間隔をおいて結合され
ている多層配線板であり、隣接する配線基板の各導体層
間に、なんらの絶縁材料を介在させることなく、その各
導体層間の電気的接続を突起または柱状導体26を溶融固
化させることで行うことができる。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、片面または両面配
線基板の複数枚を積層した多層配線板およびその製造方
法に関し、とくに、複数の配線基板を層間樹脂絶縁層を
介在させないで、所定間隔のスペースをおいて積層した
多層配線板およびその製造方法についての提案である。 【0002】 【従来の技術】片面または両面に導体回路が形成された
配線基板を複数枚積層して形成する従来の多層配線板
は、例えば特公平4−55555号のようなビルドアッ
プ多層プリント配線板が提案されており、層間樹脂絶縁
層を介して導体回路を積層している。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】このような従来の多層
配線板は、導体回路と層間樹脂絶縁層との密着が必要に
なるため、導体回路表面を粗化処理したり、金属との密
着性に優れた樹脂を層間樹脂として使用するなどの工夫
をする必要があった。ところが、導体回路表面を粗化処
理すると、高周波帯域の信号では表皮効果により導体回
路表面を伝搬するため、伝搬遅延やノイズの原因とな
る。また、金属との密着性に優れる樹脂は一般的に柔ら
かく、電子部品の実装段階において変形してしまうとい
う問題がある。本発明の目的は、上記従来技術が抱える
問題点を解消した、特に、導体回路表面を必要以上に粗
化することなく、高周波数帯域でのノイズ発生を阻止し
た、実装信頼性に優れた多層配線基板とその製造方法を
提案することにある。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明者は、上掲の目的
を実現するために鋭意研究した結果、以下の内容を要旨
構成とする発明を開発した。すなわち、本発明の多層配
線板は、硬質材料から形成された絶縁性基材の片面また
は両面に導体層が設けられ、それらの導体層間がスルー
ホールで電気的に接続され、その導体層には、突起また
は柱状導体を形成したユニット配線基板の複数枚が、所
定の間隔をおいて結合されていることを特徴とする。 【0005】かかる構成によれば、隣接する配線基板の
各導体層間に、なんらの絶縁材料を介在させることな
く、その各導体層間の電気的接続を突起または柱状導体
によって行うことができるので、従来のような、導体層
間に層間樹脂絶縁層を介在させた構造に起因するノイズ
等に関する諸問題が解決される。また、ユニット配線基
板間の空間にコンデンサや抵抗などのチップ部品を搭載
することができるため、多層プリント配線基板をデバイ
ス化できる。 【0006】上記多層配線板におけるスルーホールは、
めっきスルーホールもしくは、導電性ペーストまたはめ
っき導体が充填された充填スルーホールが好ましく、上
記突起または柱状導体は、導電性ペースト、低融点金
属、導電性樹脂、めっき金属から形成されることが好ま
しい。前記導電性ペーストとしては、銅ペースト、銀ペ
ースト、金ペーストなどが使用される。また、低融点金
属としては、Pb/Sn、Ag/Sn、Sb/Sn/C
uなどの各種半田合金を使用することができる。めっき
金属としては、無電解銅めっき、無電解ニッケルめっ
き、電気銅めっきなどを使用できる。また、スペーサと
しては、樹脂、低融点金属、めっき金属などを使用する
ことができる。 【0007】さらに、上記結合された配線基板のうち、
隣接する2つの配線基板の少なくとも一方には、互いを
所定の間隔に保持するためのスペーサが配設されている
ことが好ましく、そのスペーサは導体層に設けられ、突
起状導体よりも高い融点を有する導電性ペーストまたは
低融点金属から形成されることが望ましい。例えば、突
起または柱状導体は、Pb40%−Sn60%の半田合
金で構成し、スペーサはPb10%−Sn90%の半田
合金で構成する。このように構成した場合、200℃の
加熱によって、Pb40%−Sn60%の半田合金は溶
融してユニット配線基板同士を接続するが、Pb10%
−Sn90%の半田合金は溶融しないため、スペーサと
して機能する。このようにスペーサに比べて相対的に融
点が低い低融点金属を突起または柱状導体とし、スペー
サを突起または柱状導体に比べて融点が高い低融点金属
を使用することにより、所定の間隔を保ったままユニッ
ト配線基板同士の電気的、物理的な結合を実現できる。 【0008】上記ユニット配線基板同士が離間される距
離は、5〜1000μmの範囲が望ましい。1000μ
mを越えるとユニット配線基板同士の電気的、物理的な
結合が難しくなり、5μm未満では電気的絶縁信頼性が
低下するからである。また、上記結合された配線基板
が、樹脂フィルムによってパッケージ化されていること
が好ましい実施の態様であり、配線基板と樹脂フィルム
との間には接着フィルムが介設されていることが望まし
い。パッケージ化する場合は、減圧または真空下でパッ
ケージ化することが望ましい。このようにパッケージ化
された配線基板において、その最も外側の導体層の一部
は、上記スルーホールに対応した部分において、真空状
態を保持されたまま、樹脂フィルムから外側に露出して
形成され、その露出した導体層にはバンプが形成されて
いることが好ましい。 【0009】また、上記多層配線板において、各配線基
板を形成する硬質材料は、実装時に変形しない材料であ
れば使用でき、セラミック、セメント、コンクリート、
製紙スラッジ成形品またはパルプ繊維とセメントとの複
合材などを使用することができる。特に、製紙スラッジ
を原料とした成形品やパルプ繊維とSiO2−Al2O3 −CaO
セメントとの複合材料等の無機硬質材料であることが好
ましい。 【0010】さらに、本発明の多層配線板の製造方法
は、少なくとも、下記a)〜c)の工程を含むことを特
徴とする。 a)硬質材料から形成された絶縁性基材の片面または両
面に導体層および該導体層間を電気的に接続するスルー
ホールを形成する工程、 b)前記導体層の表面に、突起または柱状導体を形成し
てユニット配線基板を製造する工程、および c)ユニット配線基板を複数枚を対向配置させて、隣接
する配線基板のうちの一方の突起または柱状導体が他方
の配線基板の導体層にほぼ一致するように位置合わせし
た後、前記突起または柱状導体の溶融温度で加熱して、
各配線基板を所定の間隔で離間した状態に結合させる工
程。また、上記多層配線板の製造方法において、 d)前記結合された複数枚のユニット配線基板を、接着
用フィルムを介在させた状態で樹脂フィルムを用いてパ
ッケージ化する工程、を含むことを特徴とする。さらに
また、上記多層配線板の製造方法において、 e)工程(d)の後に、さらに、上記パッケージの外側
からのレーザ照射によって、前記スルーホール位置に対
応して上記樹脂フィルムおよび接着用フィルムを貫通す
る開口を設けて、上記導体層の一部を露出させる工程
と、 f)上記露出した導体層の一部にバンプを形成する工程
と、を含むことを特徴とする。また、樹脂フィルムでパ
ッケージ化する以外に、ユニット配線基板間の外周部分
のみ樹脂で封止してもよく、ICチップ等の電子部品を
搭載した後、金属容器、樹脂容器内に格納して封止して
もよい。 【0011】 【発明の実施の形態】本発明にかかる多層配線基板は、
基板上に導体層と層間樹脂絶縁層とを交互に積層した従
来のタイプのものではなく、絶縁性基材の片面または両
面に導体層を形成し、それらの導体層をスルーホールに
よって接続したユニット配線基板の複数枚を、所定の隙
間を持たせて積載し、導体層上に形成した突起または柱
状導体を介して、隣接するユニット配線基板の導体層間
の接続を行うようにしたことが特徴である。以下、本発
明の多層配線板の製造方法について説明する。 【0012】(1)まず、硬質材料から形成される絶縁性
基材を用意する。この絶縁性基材としては、セラミッ
ク、セメント、コンクリートなどを使用することができ
るが、特に製紙スラッジ(たとえば、丸董窯材が扱う商
品名「生スラッジ」)を加圧、加熱、乾燥させて製造し
た絶縁性基材がよい。このような絶縁性基材は、Si、A
l、Caの酸化物の複雑な非晶質体であり、その中にパル
プ繊維が分散しているものである。廃材を利用した材料
であるためコストも安く、機械的強度および電気的絶縁
性等の基板に要求される特性は、従来の有機材料に比べ
ても優れている。このような絶縁性基材の厚さは0.1
mm〜5mmの範囲に選択されることが好ましい。その
理由は、0.1mm未満の厚さでは電気的絶縁性に対す
る信頼性が低くなり、5mmを超える厚さでは、スルー
ホール用の貫通孔が形成し難くなると共に、基板そのも
のが厚くなるためである。 【0013】(2)その絶縁基材にレーザ加工によってス
ルーホール用の貫通孔を形成する。このようなスルーホ
ール貫通孔の開口径は、10〜300μmであることが
望ましく、また、このようなスルーホール形成は、ドリ
ル加工、炭酸ガスレーザ加工、エキシマレーザ加工、紫
外線レーザ加工を使用できる。このような加工条件は、
絶縁性基材の種類、材質、あるいはその厚みや、形成さ
れるべきスルーホールの形状、開口径等に応じて決定さ
れ、このような加工条件を採用すると、絶縁性基材への
熱的影響を最小限にすることができる。炭酸ガスレーザ
を採用した場合は、パルスエネルギーが1〜1000m
J、パルス幅が1〜100μ秒、ショット数が1〜50
の照射条件下で開口径が10〜300μmの貫通孔を形
成できる。 【0014】(3)その貫通孔にデスミア処理を施した
後、導電性ペーストを充填する。このデスミア処理は、
貫通孔の内壁面に付着する残留物を取り除くために行な
われ、酸素プラズマ放電処理、コロナ放電処理等のデス
ミア処理を行うことが、接続信頼性確保の点で望まし
い。そして、デスミア処理された貫通孔内に充填される
導電性ペーストは、銀、銅、金、ニッケル、半田から選
ばれる少なくとも1 種以上の金属粒子からなる導電性ペ
ーストを使用できる。また、前記金属粒子としては、金
属粒子の表面に異種金属をコーティングしたものも使用
できる。具体的には銅粒子の表面に金、銀から選ばれる
貴金属を被覆した金属粒子を使用することができる。ま
た、上記導電性ペーストとしては、金属粒子に、エポキ
シ樹脂、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂、ポリフェ
ニレンスルフイド(PPS)などの熱可塑性樹脂を加え
た有機系導電性ペーストを用いることもできる。さらに
必要に応じて、絶縁性基材上にはみ出した導電性ペース
トをベルトサンダー研磨によって除去し、さらにバフ研
磨を行って基板表面を平坦化することが望ましい。上記
スルーホール形成は、貫通孔内へ導電性ペーストを充填
する代わりに、貫通孔内のほとんど全ての隙間に電解め
っきを充填することにより行うこともできる。この場
合、電解めっきを施す前に、無電解めっきを施し、その
後、電解めっきを施してめっき充填する。例えば、銅、
金、ニッケル、ハンダめっきを使用できるが、特に、電
解銅めっきが最適である。なお、無電解めっきの代わり
にスパッタリング処理を行ってもよい。 【0015】(4)絶縁性基材の両面に無電解めっき処
理、スパッタリング処理を施して、スルーホールを覆う
無電解めっき層を形成する。この無電解めっきは、銅め
っきが最適であるが、銅スパッタリングでもよい。無電
解めっき層、スパッタリング層の厚みは、0.1〜5μ
mの厚みとする。この理由は、後に行う電解めっきの導
電層としての機能を損なうことなく、エッチング除去で
きるようにするためである。 (5)次に、めっきレジストを形成する。めっきレジスト
は、感光性ドライフィルムをラミネートして露光、現像
処理して行う。 (6)次に、無電解めっき膜をめっきリードとして電解め
っきを行い、導体回路を厚付けする。電解めっきは銅め
っきが最適であり、1〜30μmの厚みとする。 (7)さらに、めっきレジストを剥離した後、めっきレジ
スト下の無電解めっき膜をエッチング除去して独立した
導体回路とする。そのエッチング液としては、硫酸−過
酸化水素水溶液、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウ
ム、過硫酸カリウムなどの過硫酸塩水溶液、塩化第二
鉄、塩化第二銅の水溶液、塩酸、硝酸、熱希硫酸などを
使用できる。 (8)上記(7)の処理で得た導体回路上に、突起状または柱
状導体を形成すべき個所に対応して、めっき処理によっ
てニッケル−金層を形成する。このニッケル−金層は、
導体回路上にドライフィルムを貼り付け、露光、現像処
理によってめっきレジストを設けて、その後、無電解め
っきを施すことによって形成される。 【0016】(9)次に、上記(8)の処理で形成したニッケ
ル−金層上に突起状または柱状導体を形成する。この突
起状導体は、ニッケル−金層上にはんだペースト印刷を
施した後に、リフロー処理を行うことによって形成され
る。上記突起状導体は、融点が180〜200℃の℃の
6/4はんだから形成されるのが好ましい。また、スペ
ーサとしては、融点が350〜400℃の9/1はんだ
から構成されることが望ましい。溶融温度が比較的低い
6/4はんだからなる突起状導体は、導体回路間を接続
する機能を有し、溶融温度が比較的高い9/1はんだか
らなるスペーサは、積載される配線基板間の隙間を形成
する機能を有している。これらの直径は1〜1000μ
m、高さは、1〜1000μmであることが好ましい。
これらの範囲に限定する理由は、1000μmを越える
とユニット配線基板間の接続が困難になり、また突起状
または柱状導体の直径を大きくしなければならず、デッ
ドスペースが増えてしまうからであり、1μm未満では
電気的絶縁性を確保することが困難になるからである。 【0017】(10) 上記(1)〜(9) の処理にしたがって、
同様に複数のユニット配線基板を作製する。 (11) 上記(10)の処理にしたがって作製したユニット配
線基板を重ね合わせ、比較的溶融温度の低いはんだから
なる突起状導体の溶融温度で加熱して、複数枚を結合さ
せる。上記(1)から(11)の処理にしたがって形成された
多層配線板は、従来のような導体層間を絶縁するための
層間樹脂絶縁層が存在しておらず、空間(空気層)が絶
縁層として機能する。また、この隙間は、チップコンデ
ンサ、チップ抵抗体などのチップ部品を搭載するスペー
スとして利用することができるので有益である。 (12) さらに、上記(11)の処理によって結合された複数
の配線基板の全体を、樹脂フィルムを用いて真空または
減圧してパッケージ化する。このパッケージに用いる樹
脂フィルムは、熱可塑性樹脂から形成され、その厚さ
は、0.1〜100μmであることが好ましい。このよ
うなパッケージ化することで、水や水蒸気の侵入を防止
して絶縁破壊やマイグレーションの発生を抑制できる。 (13)ついで、パッケージフィルム上から炭酸ガスレーザ
照射によって、導体層に達する開口を設ける。バンプ形
成のための開口である。このような開口の直径は、50
〜500μmであることが望ましい。 【0018】(14)上記(13)の処理にしたがって形成した
開口から露出する導体層上にはんだバンプを形成する。
このはんだバンプは、積載された複数のユニット基板の
うち、最も外側に位置するユニット基板の導体層上に設
けられるが、予め(8)の処理によって導体層上にニッ
ケル‐金層を設けておけば、そのニッケル‐金層上には
んだペースト印刷を施した後に、リフロー処理を行うこ
とによって形成される。予め(8)の処理を行わない場
合には、上記開口を形成した後に、(8)の処理を行っ
てニッケル−金層を設けた後、その上にはんだバンプを
形成する。 【0019】以上の(1) 〜(14)の処理によって、真空パ
ッケージ化した多層配線板が製造されるが、このパッケ
ージ化は、ユニット配線基板の隙間に樹脂を埋めてもよ
く、多層配線基板を樹脂製や金属製の容器の中に入れて
封止してもよい。 【0020】 【実施例】(実施例1) (1)製紙スラッジ(丸董窯材:製品名「生スラッジ」)
を30kg/cm2の圧力で100℃で加熱プレスして
340×200mm、厚さ1mmのSi、AlおよびCaの酸
化物からなる非晶質の絶縁性基材10を得た(図1
(a))。 (2)この絶縁性基材10に炭酸ガスレーザ(三菱電機
ML605GTL)でパルスエネルギーが30mJ、
パルス幅が52×10−6秒、ショット数15の照射条
件で穴明加工し、直径150μmのスルーホール用貫通
孔12を得た(図1(b))。 (3)上記貫通孔12が削孔された絶縁基板10を1N
の水酸化ナトリウム水溶液に浸漬して表面を改質した。
さらに、上記貫通孔12にスクリーン印刷機を用いて銅
ペースト14(タツタ電線製:DDペースト)を印刷・
充填した後、150℃で2時間硬化させて、スルーホー
ル15を形成した(図1(c))。さらに、下記条件の
無電解銅めっき処理を施し、スルーホール15を覆って
無電解めっき膜16を形成した(図1(d))。 〔無電解めっき水溶液〕 EDTA 150 g/l 硫酸銅 20 g/l HCHO 30 ml/l NaOH 40 g/l α、α’−ビピリジル 80 mg/l ポリエチレングリコール(PEG) 0.1 g/l 〔無電解めっき条件〕70℃の液温度で30分 【0021】(4)市販の感光性ドライフィルムを無電
解銅めっき膜16に貼り付け、マスクを載置して、10
0mJ/cm2で露光し、0.8%炭酸ナトリウム水溶
液で現像処理することにより、めっきレジスト18を設
けた(図1(e))。 (5)ついで、基板を50℃の水で洗浄して脱脂し、2
5℃の水で水洗後、さらに硫酸で洗浄してから、以下の
条件で電解銅めっきを施し、厚さ15μmの電解銅めっ
き膜20を形成した。 〔電解めっき水溶液〕 硫酸 180 g/l 硫酸銅 80 g/l 添加剤 1 ml/l (アトテックジャパン社製、カパラシドGL) 〔電解めっき条件〕 電流密度 1 A/dm2 時間 30 分 温度 室温 【0022】(6)めっきレジスト18を5%KOHで
剥離除去した後、そのめっきレジスト下の無電解めっき
膜を硫酸と過酸化水素の混合液でエッチング処理して溶
解除去し、無電解銅めっき膜16と電解銅めっき膜20
からなる厚さ15μmの導体回路22を形成した(図1
(f))。 (7)さらに、市販の感光性ドライフィルムを無電解銅
めっき膜16に貼り付け、マスクを載置して、100m
J/cm2で露光し、0.8%炭酸ナトリウム水溶液で
現像処理することにより、ニッケル−金めっき用レジス
トを設けた。 【0023】(8)導体回路上に塩化ニッケル(30g
/l)、次亜リン酸ナトリウム(10g/l)、クエン
酸ナトリウム(10g/l)を含むpH=5の無電解ニ
ッケルめっき液に20分間浸漬して、開口部に厚さ5μ
mのニッケルめっき層を形成した。さらに、その基板を
シアン化金カリウム(2g/l)、塩化アンモニウム
(75g/l)、クエン酸ナトリウム(50g/l)、
次亜リン酸ナトリウム(10g/l)を含む無電解めっ
き液に93℃の条件で23秒間浸漬して、ニッケルめっ
き層上に、厚さ0.03μmの金めっき層24を形成し
た(図1(g))。 (9)めっきレジストを5%KOHで剥離除去した後、
6/4半田ペーストと9/1半田ペーストをスクリーン
印刷した後、300℃でリフロー処理を施して、高さ1
00μmの突起状導体26とスペーサ28を形成し、ユ
ニット配線基板30とした(図1(h))。 (10)基本的には上記(1)〜(9)と同様の処理を施
して、9/1半田のみをスクリーン印刷してユニット配
線基板31とした。 (11)基本的には(1)〜(9)と同様の処理を施し
て、6/4半田のみをスクリーン印刷してユニット配線
基板32とした。 (12)ついで、ユニット配線基板30、31、32を図
2のように積層して200℃でリフロー処理を施し、図
3に示すような多層配線基板を得た。 (13)さらに、アクリル系粘着剤シート40(アクリル
酸2−エチルヘキシン78重量%、アクリル酸メチル2
0重量%、無水マレイン酸2重量%からなる。これらの
化合物をアセトンに溶解させてテフロン(商標名)シー
トに塗布してフィルム化する)を多層配線基板上に貼り
付けた後、ラミネータ(大成ラミネータ製:FV−70
0)を用いてポリエチレテレフタレート(PET)フィ
ルム42を減圧下にてラミネートして、多層配線板全体
を図4に示すように真空パッケージ化した。 【0024】(14)上記(2)の処理における炭酸ガス
レーザを2ショットの条件でPETフィルム42上から照
射して、多層配線板外側のユニット配線基板31および
32の電解めっき膜に達する開口44を設け、さらに
(8)の処理と同様の処理を施してニッケル−金層46
を設けた。 (15)上記ニッケル−金層46上に6/4半田をスクリ
ーン印刷した後、200℃加熱でリフロー処理を施し
て、はんだバンプ48を形成し、図5に示すような多層
配線基板を得た。 【0025】(比較例1) A.無電解めっき用接着剤層の調整 (1) クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬
社製、分子量:2500)の25%アクリル化物を80
重量%の濃度でジエチレングリコールジメチルエーテル
(DMDG)に溶解させた樹脂液400重量部、感光性
モノマー(東亜合成社製、アロニックスM325)60
重量部、消泡剤(サンノプコ社製 S−65)5重量部
およびN−メチルピロリドン(NMP)35重量部を容
器にとり、攪拌混合することにより混合組成物を調製し
た。 ポリエーテルスルフォン(PES)80重量部、エポ
キシ樹脂粒子(三洋化成社製、ポリマーポール)の平均
粒径1.0μmのもの72重量部および平均粒径0.5
μmのもの31重量部を別の容器にとり、攪拌混合した
後、さらにNMP257重量部を添加し、ビーズミルで
攪拌混合し、別の混合組成物を調製した。 イミダゾール硬化剤(四国化成社製、2E4MZ−C
N)20重量部、光重合開始剤(ベンゾフェノン)20
重量部、光増感剤(チバガイギー社製、EAB)4重量
部およびNMP16重量部をさらに別の容器にとり、攪
拌混合することにより混合組成物を調製した。そして、
、およびで調製した混合組成物を混合することに
より粗化面形成用樹脂組成物を得た。 【0026】B.樹脂充填剤の調製 ビスフェノールF型エポキシモノマー(油化シェル社
製、分子量:310、YL983U)100重量部、表
面にシランカップリング剤がコーティングされた平均粒
径が1.6μmで、最大粒子の直径が15μm以下のSi
O2球状粒子(アドテック社製、CRS 1101−C
E)170重量部およびレベリング剤(サンノプコ社製
ペレノールS4)1.5重量部を容器にとり、攪拌混
合することにより、粘度が23±1℃で45〜49Pa
・sの樹脂充填剤を調製した。なお、硬化剤として、イ
ミダゾール硬化剤(四国化成社製、2E4MZ−CN)
6.5重量部を用いた。 【0027】C.プリント配線板の製造方法 (1) 厚さ0.6mmのガラスエポキシ樹脂またはBT(ビ
スマレイミドトリアジン)樹脂からなる基板の両面に1
8μmの銅箔がラミネートされている銅張積層板を出発
材料とした。まず、この銅貼積層板をドリル削孔し、無
電解めっき処理を施し、パターン状にエッチングするこ
とにより、基板の両面に下層導体回路とスルーホールを
形成した。 (2) ついで、スルーホールおよび下層導体回路を形成し
た基板を水洗いし、乾燥した後、NaOH(10g/l)、
NaClO2(40g/l)、Na3PO4(16g/l)を含む水
溶液を黒化浴(酸化浴)とする黒化処理、および、NaOH
(19g/l)、NaBH4(5g/l)を含む水溶液を還
元浴とする還元処理を行い、そのスルーホールを含む下
層導体回路の全表面に粗化面を形成した。 (3) さらに、樹脂充填剤を基板の片面にロールコータを
用いて塗布することにより、下層導体回路間あるいはス
ルーホール内に充填し、加熱乾燥させた後、他方の面に
ついても同様に樹脂充填剤を導体回路間あるいはスルー
ホール内に充填し、加熱乾燥させた。 【0028】(4) 上記(3) の処理を終えた基板の片面
を、#600のベルト研磨紙(三共理化学製)を用いた
ベルトサンダー研磨により、内層銅パターンの表面やス
ルーホールのランド表面に樹脂充填剤が残らないように
研磨し、次いで、上記ベルトサンダー研磨による傷を取
り除くためのバフ研磨を行った。このような一連の研磨
を基板の他方の面についても同様に行った。次いで、1
00℃で1時間、120℃で3時間、150℃で1時
間、180℃で7時間の加熱処理を行って樹脂充填剤を
硬化した。このようにして、スルーホールや導体回路非
形成部に形成された樹脂充填材の表層部および下層導体
回路の表面を平坦化し、樹脂充填材と下層導体回路の側
面とが粗化面を介して強固に密着し、またスルーホール
の内壁面と樹脂充填材とが粗化面を介して強固に密着し
た絶縁性基板を得た。 【0029】(5) 上記(4) の処理で露出した下層導体回
路およびスルーホールのランド上面に、厚さ2.5μm
のCu−Ni−P合金からなる粗化層(凹凸層)を形成
した。その形成方法は以下のようである。即ち、硫酸銅
(8g/l)、硫酸ニッケル(0.6g/l)、クエン
酸(15g/l)、次亜リン酸ナトリウム(29g/
l)、ホウ酸(31g/l)、界面活性剤(日信化学工
業社製、サーフィノール465)(0.1g/l)を含
む水溶液からなるpH=9の無電解銅めっき浴に基板を
浸漬し、浸漬1分後に、4秒あたりに1回の割合で縦お
よび横方向に振動させて、下層導体回路およびスルーホ
ールのランドの表面に、Cu−Ni−Pからなる針状合
金の粗化層を設けた。 【0030】(6) 次に、基板の両面に、無電解めっき用
接着剤(粘度:1.5Pa・s)をロールコータで塗布
し、水平状態で20分間放置してから、60℃で30分
の乾燥を行い、無電解めっき用接着剤層を形成した。さ
らにこの無電解めっき用接着剤層の上に無電解めっき用
接着剤(粘度:7Pa・s)をロールコータを用いて塗
布し、水平状態で20分間放置してから、60℃で30
分の乾燥を行い、接着剤層を形成し、厚さ35μmの無
電解めっき用接着剤層を形成した。 【0031】(7) 上記(6) で無電解めっき用接着剤層を
形成した基板の両面に、直径85μmの黒円が印刷され
たフォトマスクフィルムを密着させ、超高圧水銀灯によ
り500mJ/cm2の強度で露光した後、DMDG溶
液でスプレー現像した。この後、さらに、この基板を超
高圧水銀灯により3000mJ/cm2の強度で露光
し、100℃で1時間、150℃で5時間の加熱処理を
施し、フォトマスクフィルムに相当する寸法精度に優れ
た直径85μmのバイアホール用開口を有する厚さ35
μmの層間樹脂絶縁層を形成した。 (8) 上記バイアホール用開口を形成した基板を、800
g/lのクロム酸を含む70℃の溶液に19分間浸漬
し、層間樹脂絶縁層の表面に存在するエポキシ樹脂粒子
を溶解除去することにより、層間樹脂絶縁層の表面を粗
面(深さ3μm)とした。 (9) 次に、上記処理を終えた基板を、中和溶液(シプレ
イ社製)に浸漬してから水洗いした。さらに、粗面化処
理した該基板の表面に、パラジウム触媒(アトテック
製)を付与することにより、層間樹脂絶縁層の表面およ
びバイアホール用開口の内壁面に触媒核を付着させた。 【0032】(10) 次に、以下の組成の無電解銅めっき
水溶液中に基板を浸漬して、粗面全体に厚さ0.8μm
の無電解銅めっき膜を形成した。このとき、めっき膜が
薄いため無電解めっき膜表面には、凹凸が観察された。 〔無電解めっき水溶液〕 EDTA 150 g/l 硫酸銅 20 g/l HCHO 30 ml/l NaOH 40 g/l α、α’−ビピリジル 80 mg/l ポリエチレングリコール(PEG) 0.1 g/l 〔無電解めっき条件〕70℃の液温度で30分 (11) 市販の感光性ドライフィルムを無電解銅めっき膜
に貼り付け、マスクを載置して、100mJ/cm2で
露光し、0.8%炭酸ナトリウム水溶液で現像処理する
ことにより、めっきレジストを設けた。 (12) ついで、基板を50℃の水で洗浄して脱脂し、2
5℃の水で水洗後、さらに硫酸で洗浄してから、以下の
条件で電解銅めっきを施し、厚さ15μmの電解銅めっ
き膜を形成した。 〔電解めっき水溶液〕 硫酸 180 g/l 硫酸銅 80 g/l 添加剤 1 ml/l (アトテックジャパン社製、カパラシドGL) 〔電解めっき条件〕 電流密度 1 A/dm2 時間 30 分 温度 室温 【0033】(13) めっきレジストを5%KOHで剥離
除去した後、そのめっきレジスト下の無電解めっき膜を
硫酸と過酸化水素の混合液でエッチング処理して溶解除
去し、無電解銅めっき膜と電解銅めっき膜からなる厚さ
18μmの導体回路(バイアホールを含む)を形成し
た。さらに、800g/lのクロム酸を含む70℃の溶
液に3分間浸漬して、導体回路非形成部分に位置する導
体回路間の層間樹脂絶縁層の表面を1μmエッチング処
理し、その表面に残存するパラジウム触媒を除去した。 【0034】(14) 導体回路を形成した基板を、硫酸銅
(8g/l)、硫酸ニッケル(0.6g/l)、クエン
酸(15g/l)、次亜リン酸ナトリウム(29g/
l)、ホウ酸(31g/l)、界面活性剤(日信化学工
業社製、サーフィノール465)(0.1g/l)を含
む水溶液からなるpH=9の無電解銅めっき浴に基板を
浸漬し、浸漬1分後に、4秒あたりに1回の割合で縦お
よび横方向に振動させて、下層導体回路およびスルーホ
ールのランドの表面に、Cu−Ni−Pからなる針状合
金の粗化層を設けた。このとき、形成した粗化層をEP
MA(蛍光X線分析装装置で分析したところ、Cu:9
8モル%、Ni:1.5モル%、P:0.5モル%の組
成比であった。 (15) 上記 (6)〜(15)の処理を繰り返すことにより、さ
らに上層の導体回路を形成し、多層配線板を得た。ただ
し、Sn置換は行わなかった。 【0035】(16) 次に、ジエチレングリコールジメチ
ルエーテル(DMDG)に60重量%の濃度になるよう
に溶解させた、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂
(日本化薬社製)のエポキシ基50%をアクリル化した
感光性付与のオリゴマー(分子量:4000)46.6
7重量部、メチルエチルケトンに溶解させた80重量%
のビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェル社製、
商品名:エピコート1001)6.67重量部、同じく
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェル社製、商
品名:エピコートE−1001−B80)6.67重量
部、イミダゾール硬化剤(四国化成社製、商品名:2E
4MZ−CN)1.6重量部、感光性モノマーである2
官能アクリルモノマー(日本化薬社製、商品名:R60
4)4.5重量部、同じく多価アクリルモノマー(共栄
化学社製、商品名:DPE6A)1.5重量部、アクリ
ル酸エステル重合物からなるレベリング剤(共栄化学社
製、商品名:ポリフローNo.75)0.36重量部を
容器にとり、攪拌、混合して混合組成物を調製し、この
混合組成物に対して光重合開始剤としてイルガキュアI
−907(チバガイギー社製)2.0重量部、光増感剤
としてのDETX−S(日本化薬社製)0.2重量部、
DMDG0.6重量部を加えることにより、粘度を25
℃で1.4±0.3Pa・sに調整したソルダーレジス
ト組成物を得た。なお、粘度測定はB型粘度計(東京計
器社製、DVL−B型)で行い、60rpmの場合はロ
ーターNo.4で、6rpmの場合はローターNo.3
によった。 【0036】(17) 次に、多層配線基板の両面に、上記
ソルダーレジスト組成物を20μmの厚さで塗布し、7
0℃で20分間、70℃で30分間の条件で乾燥処理を
行った後、ソルダーレジスト開口部のパターンが描画さ
れた厚さ5mmのフォトマスクをソルダーレジスト層に
密着させて1000mJ/cm2の紫外線で露光し、D
MTG溶液で現像処理し、200μmの直径の開口を形
成した。そして、さらに、80℃で1時間、100℃で
1時間、120℃で1時間、150℃で3時間の条件で
それぞれ加熱処理を行ってソルダーレジスト層を硬化さ
せ、開口を有し、その厚さが20μmのソルダーレジス
トパターン層を形成した。 (18) 次に、ソルダーレジスト層を形成した基板を、塩
化ニッケル(30g/l)、次亜リン酸ナトリウム(1
0g/l)、クエン酸ナトリウム(10g/l)を含む
pH=5の無電解ニッケルめっき液に20分間浸漬し
て、開口部に厚さ5μmのニッケルめっき層15を形成
した。さらに、その基板をシアン化金カリウム(2g/
l)、塩化アンモニウム(75g/l)、クエン酸ナト
リウム(50g/l)、次亜リン酸ナトリウム(10g
/l)を含む無電解めっき液に93℃の条件で23秒間
浸漬して、ニッケルめっき層上に、厚さ0.03μmの
金めっき層を形成した。 (19) この後、ソルダーレジスト層の開口に、はんだペ
ーストを印刷した後、200℃でリフロー処理を施して
はんだバンプ(はんだ体)を形成し、はんだバンプを有
する多層配線プリント基板を製造した。 【0037】(比較例2) (1) 厚さ0.6mmのガラスエポキシ樹脂またはBT
(ビスマレイミドトリアジン)樹脂からなる基板の両面
に18μmの銅箔がラミネートされている銅張積層板を
出発材料とした。まず、この銅貼積層板をドリル削孔
し、無電解めっき処理を施し、パターン状にエッチング
することにより、基板の両面に下層導体回路とスルーホ
ールを形成した。樹脂充填剤を、基板の片面にロールコ
ータを用いて塗布することにより、下層導体回路間ある
いはスルーホール内に充填し、加熱乾燥させた後、他方
の面についても同様に樹脂充填剤を導体回路間あるいは
スルーホール内に充填し、加熱乾燥させた。上記処理を
終えた基板の片面を、#600のベルト研磨紙(三共理
化学製)を用いたベルトサンダー研磨により、内層銅パ
ターンの表面やスルーホールのランド表面に樹脂充填剤
が残らないように研磨し、次いで、上記ベルトサンダー
研磨による傷を取り除くためのバフ研磨を行った。この
ような一連の研磨を基板の他方の面についても同様に行
った。次いで、100℃で1時間、120℃で3時間、
150℃で1時間、180℃で7時間の加熱処理を行っ
て樹脂充填剤を硬化した。 【0038】(2) この基板に厚さ50μmのポリオレフ
ィン樹脂フィルムを積層し、ラミネータでラミネートし
た。 (3) この樹脂層に炭酸ガスレーザ加工機(三菱電機 M
L605GTL)でパルスエネルギーが30mJ、パル
ス幅が52×10−6秒、ショット数が2の照射条件で
穴明加工し、直径50μmのバイアホール用開口を得
た。 (4) 樹脂層にニッケルおよび銅のスパッタリング処理を
施して、厚さ0.6 μmのニッケル−銅層を形成した。 (5) 市販の感光性ドライフィルムを無電解銅めっき膜に
貼り付け、マスクを載置して、100mJ/cm2で露
光し、0.8%炭酸ナトリウム水溶液で現像処理するこ
とにより、レジストを設けた。 (6) 無電解銅めっきを施した後、めっきレジストを5%
KOHで剥離除去した後、そのめっきレジスト下のニッ
ケル−銅層を硫酸と過酸化水素の混合液でエッチング処
理して溶解除去し、厚さ18μmの導体回路(バイアホ
ールを含む)を形成した。 【0039】(7) 上記比較例1における(17)〜(20)の処
理と同様の処理を施して、ソルダーレジストおよびはん
だバンプを形成した。上記実施例1 、比較例1および比
較例2で得られた多層配線板について、実装信頼性の
有無、ヒートサイクル試験による剥離の有無、ノイ
ズ発生の有無について調べた。その結果を表1に示す。
なお、実装信頼性については、多層配線基板を200℃
に加熱し、パッドに直径1mmの金属針を押しつけて、
凹みが生じるか否かを調べ、ヒートサイクル試験による
剥離の有無は、各多層配線基板を−55℃〜125℃の
温度範囲でヒートサイクル試験を行い、層間樹脂絶縁層
と導体層が剥離するかどうかを調べ、さらにノイズ発生
の有無については、50GHzの高周波数の信号を入力
し、入力波形と出力波形との間で変化があるか否かを調
べた。 【0040】 【表1】 【0041】 【発明の効果】以上説明したように、本発明による多層
配線板によれば、隣接する配線基板の各導体層間に、な
んらの絶縁材料を介在させることなく、その各導体層間
の電気的接続を突起または柱状導体によって行うことが
できるので、従来のような、導体層間に層間樹脂絶縁層
を介在させた構造に起因する層間剥離やノイズ発生を完
全に防止することができるとともに、優れた実装信頼性
を有するという効果がある。
線基板の複数枚を積層した多層配線板およびその製造方
法に関し、とくに、複数の配線基板を層間樹脂絶縁層を
介在させないで、所定間隔のスペースをおいて積層した
多層配線板およびその製造方法についての提案である。 【0002】 【従来の技術】片面または両面に導体回路が形成された
配線基板を複数枚積層して形成する従来の多層配線板
は、例えば特公平4−55555号のようなビルドアッ
プ多層プリント配線板が提案されており、層間樹脂絶縁
層を介して導体回路を積層している。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】このような従来の多層
配線板は、導体回路と層間樹脂絶縁層との密着が必要に
なるため、導体回路表面を粗化処理したり、金属との密
着性に優れた樹脂を層間樹脂として使用するなどの工夫
をする必要があった。ところが、導体回路表面を粗化処
理すると、高周波帯域の信号では表皮効果により導体回
路表面を伝搬するため、伝搬遅延やノイズの原因とな
る。また、金属との密着性に優れる樹脂は一般的に柔ら
かく、電子部品の実装段階において変形してしまうとい
う問題がある。本発明の目的は、上記従来技術が抱える
問題点を解消した、特に、導体回路表面を必要以上に粗
化することなく、高周波数帯域でのノイズ発生を阻止し
た、実装信頼性に優れた多層配線基板とその製造方法を
提案することにある。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明者は、上掲の目的
を実現するために鋭意研究した結果、以下の内容を要旨
構成とする発明を開発した。すなわち、本発明の多層配
線板は、硬質材料から形成された絶縁性基材の片面また
は両面に導体層が設けられ、それらの導体層間がスルー
ホールで電気的に接続され、その導体層には、突起また
は柱状導体を形成したユニット配線基板の複数枚が、所
定の間隔をおいて結合されていることを特徴とする。 【0005】かかる構成によれば、隣接する配線基板の
各導体層間に、なんらの絶縁材料を介在させることな
く、その各導体層間の電気的接続を突起または柱状導体
によって行うことができるので、従来のような、導体層
間に層間樹脂絶縁層を介在させた構造に起因するノイズ
等に関する諸問題が解決される。また、ユニット配線基
板間の空間にコンデンサや抵抗などのチップ部品を搭載
することができるため、多層プリント配線基板をデバイ
ス化できる。 【0006】上記多層配線板におけるスルーホールは、
めっきスルーホールもしくは、導電性ペーストまたはめ
っき導体が充填された充填スルーホールが好ましく、上
記突起または柱状導体は、導電性ペースト、低融点金
属、導電性樹脂、めっき金属から形成されることが好ま
しい。前記導電性ペーストとしては、銅ペースト、銀ペ
ースト、金ペーストなどが使用される。また、低融点金
属としては、Pb/Sn、Ag/Sn、Sb/Sn/C
uなどの各種半田合金を使用することができる。めっき
金属としては、無電解銅めっき、無電解ニッケルめっ
き、電気銅めっきなどを使用できる。また、スペーサと
しては、樹脂、低融点金属、めっき金属などを使用する
ことができる。 【0007】さらに、上記結合された配線基板のうち、
隣接する2つの配線基板の少なくとも一方には、互いを
所定の間隔に保持するためのスペーサが配設されている
ことが好ましく、そのスペーサは導体層に設けられ、突
起状導体よりも高い融点を有する導電性ペーストまたは
低融点金属から形成されることが望ましい。例えば、突
起または柱状導体は、Pb40%−Sn60%の半田合
金で構成し、スペーサはPb10%−Sn90%の半田
合金で構成する。このように構成した場合、200℃の
加熱によって、Pb40%−Sn60%の半田合金は溶
融してユニット配線基板同士を接続するが、Pb10%
−Sn90%の半田合金は溶融しないため、スペーサと
して機能する。このようにスペーサに比べて相対的に融
点が低い低融点金属を突起または柱状導体とし、スペー
サを突起または柱状導体に比べて融点が高い低融点金属
を使用することにより、所定の間隔を保ったままユニッ
ト配線基板同士の電気的、物理的な結合を実現できる。 【0008】上記ユニット配線基板同士が離間される距
離は、5〜1000μmの範囲が望ましい。1000μ
mを越えるとユニット配線基板同士の電気的、物理的な
結合が難しくなり、5μm未満では電気的絶縁信頼性が
低下するからである。また、上記結合された配線基板
が、樹脂フィルムによってパッケージ化されていること
が好ましい実施の態様であり、配線基板と樹脂フィルム
との間には接着フィルムが介設されていることが望まし
い。パッケージ化する場合は、減圧または真空下でパッ
ケージ化することが望ましい。このようにパッケージ化
された配線基板において、その最も外側の導体層の一部
は、上記スルーホールに対応した部分において、真空状
態を保持されたまま、樹脂フィルムから外側に露出して
形成され、その露出した導体層にはバンプが形成されて
いることが好ましい。 【0009】また、上記多層配線板において、各配線基
板を形成する硬質材料は、実装時に変形しない材料であ
れば使用でき、セラミック、セメント、コンクリート、
製紙スラッジ成形品またはパルプ繊維とセメントとの複
合材などを使用することができる。特に、製紙スラッジ
を原料とした成形品やパルプ繊維とSiO2−Al2O3 −CaO
セメントとの複合材料等の無機硬質材料であることが好
ましい。 【0010】さらに、本発明の多層配線板の製造方法
は、少なくとも、下記a)〜c)の工程を含むことを特
徴とする。 a)硬質材料から形成された絶縁性基材の片面または両
面に導体層および該導体層間を電気的に接続するスルー
ホールを形成する工程、 b)前記導体層の表面に、突起または柱状導体を形成し
てユニット配線基板を製造する工程、および c)ユニット配線基板を複数枚を対向配置させて、隣接
する配線基板のうちの一方の突起または柱状導体が他方
の配線基板の導体層にほぼ一致するように位置合わせし
た後、前記突起または柱状導体の溶融温度で加熱して、
各配線基板を所定の間隔で離間した状態に結合させる工
程。また、上記多層配線板の製造方法において、 d)前記結合された複数枚のユニット配線基板を、接着
用フィルムを介在させた状態で樹脂フィルムを用いてパ
ッケージ化する工程、を含むことを特徴とする。さらに
また、上記多層配線板の製造方法において、 e)工程(d)の後に、さらに、上記パッケージの外側
からのレーザ照射によって、前記スルーホール位置に対
応して上記樹脂フィルムおよび接着用フィルムを貫通す
る開口を設けて、上記導体層の一部を露出させる工程
と、 f)上記露出した導体層の一部にバンプを形成する工程
と、を含むことを特徴とする。また、樹脂フィルムでパ
ッケージ化する以外に、ユニット配線基板間の外周部分
のみ樹脂で封止してもよく、ICチップ等の電子部品を
搭載した後、金属容器、樹脂容器内に格納して封止して
もよい。 【0011】 【発明の実施の形態】本発明にかかる多層配線基板は、
基板上に導体層と層間樹脂絶縁層とを交互に積層した従
来のタイプのものではなく、絶縁性基材の片面または両
面に導体層を形成し、それらの導体層をスルーホールに
よって接続したユニット配線基板の複数枚を、所定の隙
間を持たせて積載し、導体層上に形成した突起または柱
状導体を介して、隣接するユニット配線基板の導体層間
の接続を行うようにしたことが特徴である。以下、本発
明の多層配線板の製造方法について説明する。 【0012】(1)まず、硬質材料から形成される絶縁性
基材を用意する。この絶縁性基材としては、セラミッ
ク、セメント、コンクリートなどを使用することができ
るが、特に製紙スラッジ(たとえば、丸董窯材が扱う商
品名「生スラッジ」)を加圧、加熱、乾燥させて製造し
た絶縁性基材がよい。このような絶縁性基材は、Si、A
l、Caの酸化物の複雑な非晶質体であり、その中にパル
プ繊維が分散しているものである。廃材を利用した材料
であるためコストも安く、機械的強度および電気的絶縁
性等の基板に要求される特性は、従来の有機材料に比べ
ても優れている。このような絶縁性基材の厚さは0.1
mm〜5mmの範囲に選択されることが好ましい。その
理由は、0.1mm未満の厚さでは電気的絶縁性に対す
る信頼性が低くなり、5mmを超える厚さでは、スルー
ホール用の貫通孔が形成し難くなると共に、基板そのも
のが厚くなるためである。 【0013】(2)その絶縁基材にレーザ加工によってス
ルーホール用の貫通孔を形成する。このようなスルーホ
ール貫通孔の開口径は、10〜300μmであることが
望ましく、また、このようなスルーホール形成は、ドリ
ル加工、炭酸ガスレーザ加工、エキシマレーザ加工、紫
外線レーザ加工を使用できる。このような加工条件は、
絶縁性基材の種類、材質、あるいはその厚みや、形成さ
れるべきスルーホールの形状、開口径等に応じて決定さ
れ、このような加工条件を採用すると、絶縁性基材への
熱的影響を最小限にすることができる。炭酸ガスレーザ
を採用した場合は、パルスエネルギーが1〜1000m
J、パルス幅が1〜100μ秒、ショット数が1〜50
の照射条件下で開口径が10〜300μmの貫通孔を形
成できる。 【0014】(3)その貫通孔にデスミア処理を施した
後、導電性ペーストを充填する。このデスミア処理は、
貫通孔の内壁面に付着する残留物を取り除くために行な
われ、酸素プラズマ放電処理、コロナ放電処理等のデス
ミア処理を行うことが、接続信頼性確保の点で望まし
い。そして、デスミア処理された貫通孔内に充填される
導電性ペーストは、銀、銅、金、ニッケル、半田から選
ばれる少なくとも1 種以上の金属粒子からなる導電性ペ
ーストを使用できる。また、前記金属粒子としては、金
属粒子の表面に異種金属をコーティングしたものも使用
できる。具体的には銅粒子の表面に金、銀から選ばれる
貴金属を被覆した金属粒子を使用することができる。ま
た、上記導電性ペーストとしては、金属粒子に、エポキ
シ樹脂、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂、ポリフェ
ニレンスルフイド(PPS)などの熱可塑性樹脂を加え
た有機系導電性ペーストを用いることもできる。さらに
必要に応じて、絶縁性基材上にはみ出した導電性ペース
トをベルトサンダー研磨によって除去し、さらにバフ研
磨を行って基板表面を平坦化することが望ましい。上記
スルーホール形成は、貫通孔内へ導電性ペーストを充填
する代わりに、貫通孔内のほとんど全ての隙間に電解め
っきを充填することにより行うこともできる。この場
合、電解めっきを施す前に、無電解めっきを施し、その
後、電解めっきを施してめっき充填する。例えば、銅、
金、ニッケル、ハンダめっきを使用できるが、特に、電
解銅めっきが最適である。なお、無電解めっきの代わり
にスパッタリング処理を行ってもよい。 【0015】(4)絶縁性基材の両面に無電解めっき処
理、スパッタリング処理を施して、スルーホールを覆う
無電解めっき層を形成する。この無電解めっきは、銅め
っきが最適であるが、銅スパッタリングでもよい。無電
解めっき層、スパッタリング層の厚みは、0.1〜5μ
mの厚みとする。この理由は、後に行う電解めっきの導
電層としての機能を損なうことなく、エッチング除去で
きるようにするためである。 (5)次に、めっきレジストを形成する。めっきレジスト
は、感光性ドライフィルムをラミネートして露光、現像
処理して行う。 (6)次に、無電解めっき膜をめっきリードとして電解め
っきを行い、導体回路を厚付けする。電解めっきは銅め
っきが最適であり、1〜30μmの厚みとする。 (7)さらに、めっきレジストを剥離した後、めっきレジ
スト下の無電解めっき膜をエッチング除去して独立した
導体回路とする。そのエッチング液としては、硫酸−過
酸化水素水溶液、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウ
ム、過硫酸カリウムなどの過硫酸塩水溶液、塩化第二
鉄、塩化第二銅の水溶液、塩酸、硝酸、熱希硫酸などを
使用できる。 (8)上記(7)の処理で得た導体回路上に、突起状または柱
状導体を形成すべき個所に対応して、めっき処理によっ
てニッケル−金層を形成する。このニッケル−金層は、
導体回路上にドライフィルムを貼り付け、露光、現像処
理によってめっきレジストを設けて、その後、無電解め
っきを施すことによって形成される。 【0016】(9)次に、上記(8)の処理で形成したニッケ
ル−金層上に突起状または柱状導体を形成する。この突
起状導体は、ニッケル−金層上にはんだペースト印刷を
施した後に、リフロー処理を行うことによって形成され
る。上記突起状導体は、融点が180〜200℃の℃の
6/4はんだから形成されるのが好ましい。また、スペ
ーサとしては、融点が350〜400℃の9/1はんだ
から構成されることが望ましい。溶融温度が比較的低い
6/4はんだからなる突起状導体は、導体回路間を接続
する機能を有し、溶融温度が比較的高い9/1はんだか
らなるスペーサは、積載される配線基板間の隙間を形成
する機能を有している。これらの直径は1〜1000μ
m、高さは、1〜1000μmであることが好ましい。
これらの範囲に限定する理由は、1000μmを越える
とユニット配線基板間の接続が困難になり、また突起状
または柱状導体の直径を大きくしなければならず、デッ
ドスペースが増えてしまうからであり、1μm未満では
電気的絶縁性を確保することが困難になるからである。 【0017】(10) 上記(1)〜(9) の処理にしたがって、
同様に複数のユニット配線基板を作製する。 (11) 上記(10)の処理にしたがって作製したユニット配
線基板を重ね合わせ、比較的溶融温度の低いはんだから
なる突起状導体の溶融温度で加熱して、複数枚を結合さ
せる。上記(1)から(11)の処理にしたがって形成された
多層配線板は、従来のような導体層間を絶縁するための
層間樹脂絶縁層が存在しておらず、空間(空気層)が絶
縁層として機能する。また、この隙間は、チップコンデ
ンサ、チップ抵抗体などのチップ部品を搭載するスペー
スとして利用することができるので有益である。 (12) さらに、上記(11)の処理によって結合された複数
の配線基板の全体を、樹脂フィルムを用いて真空または
減圧してパッケージ化する。このパッケージに用いる樹
脂フィルムは、熱可塑性樹脂から形成され、その厚さ
は、0.1〜100μmであることが好ましい。このよ
うなパッケージ化することで、水や水蒸気の侵入を防止
して絶縁破壊やマイグレーションの発生を抑制できる。 (13)ついで、パッケージフィルム上から炭酸ガスレーザ
照射によって、導体層に達する開口を設ける。バンプ形
成のための開口である。このような開口の直径は、50
〜500μmであることが望ましい。 【0018】(14)上記(13)の処理にしたがって形成した
開口から露出する導体層上にはんだバンプを形成する。
このはんだバンプは、積載された複数のユニット基板の
うち、最も外側に位置するユニット基板の導体層上に設
けられるが、予め(8)の処理によって導体層上にニッ
ケル‐金層を設けておけば、そのニッケル‐金層上には
んだペースト印刷を施した後に、リフロー処理を行うこ
とによって形成される。予め(8)の処理を行わない場
合には、上記開口を形成した後に、(8)の処理を行っ
てニッケル−金層を設けた後、その上にはんだバンプを
形成する。 【0019】以上の(1) 〜(14)の処理によって、真空パ
ッケージ化した多層配線板が製造されるが、このパッケ
ージ化は、ユニット配線基板の隙間に樹脂を埋めてもよ
く、多層配線基板を樹脂製や金属製の容器の中に入れて
封止してもよい。 【0020】 【実施例】(実施例1) (1)製紙スラッジ(丸董窯材:製品名「生スラッジ」)
を30kg/cm2の圧力で100℃で加熱プレスして
340×200mm、厚さ1mmのSi、AlおよびCaの酸
化物からなる非晶質の絶縁性基材10を得た(図1
(a))。 (2)この絶縁性基材10に炭酸ガスレーザ(三菱電機
ML605GTL)でパルスエネルギーが30mJ、
パルス幅が52×10−6秒、ショット数15の照射条
件で穴明加工し、直径150μmのスルーホール用貫通
孔12を得た(図1(b))。 (3)上記貫通孔12が削孔された絶縁基板10を1N
の水酸化ナトリウム水溶液に浸漬して表面を改質した。
さらに、上記貫通孔12にスクリーン印刷機を用いて銅
ペースト14(タツタ電線製:DDペースト)を印刷・
充填した後、150℃で2時間硬化させて、スルーホー
ル15を形成した(図1(c))。さらに、下記条件の
無電解銅めっき処理を施し、スルーホール15を覆って
無電解めっき膜16を形成した(図1(d))。 〔無電解めっき水溶液〕 EDTA 150 g/l 硫酸銅 20 g/l HCHO 30 ml/l NaOH 40 g/l α、α’−ビピリジル 80 mg/l ポリエチレングリコール(PEG) 0.1 g/l 〔無電解めっき条件〕70℃の液温度で30分 【0021】(4)市販の感光性ドライフィルムを無電
解銅めっき膜16に貼り付け、マスクを載置して、10
0mJ/cm2で露光し、0.8%炭酸ナトリウム水溶
液で現像処理することにより、めっきレジスト18を設
けた(図1(e))。 (5)ついで、基板を50℃の水で洗浄して脱脂し、2
5℃の水で水洗後、さらに硫酸で洗浄してから、以下の
条件で電解銅めっきを施し、厚さ15μmの電解銅めっ
き膜20を形成した。 〔電解めっき水溶液〕 硫酸 180 g/l 硫酸銅 80 g/l 添加剤 1 ml/l (アトテックジャパン社製、カパラシドGL) 〔電解めっき条件〕 電流密度 1 A/dm2 時間 30 分 温度 室温 【0022】(6)めっきレジスト18を5%KOHで
剥離除去した後、そのめっきレジスト下の無電解めっき
膜を硫酸と過酸化水素の混合液でエッチング処理して溶
解除去し、無電解銅めっき膜16と電解銅めっき膜20
からなる厚さ15μmの導体回路22を形成した(図1
(f))。 (7)さらに、市販の感光性ドライフィルムを無電解銅
めっき膜16に貼り付け、マスクを載置して、100m
J/cm2で露光し、0.8%炭酸ナトリウム水溶液で
現像処理することにより、ニッケル−金めっき用レジス
トを設けた。 【0023】(8)導体回路上に塩化ニッケル(30g
/l)、次亜リン酸ナトリウム(10g/l)、クエン
酸ナトリウム(10g/l)を含むpH=5の無電解ニ
ッケルめっき液に20分間浸漬して、開口部に厚さ5μ
mのニッケルめっき層を形成した。さらに、その基板を
シアン化金カリウム(2g/l)、塩化アンモニウム
(75g/l)、クエン酸ナトリウム(50g/l)、
次亜リン酸ナトリウム(10g/l)を含む無電解めっ
き液に93℃の条件で23秒間浸漬して、ニッケルめっ
き層上に、厚さ0.03μmの金めっき層24を形成し
た(図1(g))。 (9)めっきレジストを5%KOHで剥離除去した後、
6/4半田ペーストと9/1半田ペーストをスクリーン
印刷した後、300℃でリフロー処理を施して、高さ1
00μmの突起状導体26とスペーサ28を形成し、ユ
ニット配線基板30とした(図1(h))。 (10)基本的には上記(1)〜(9)と同様の処理を施
して、9/1半田のみをスクリーン印刷してユニット配
線基板31とした。 (11)基本的には(1)〜(9)と同様の処理を施し
て、6/4半田のみをスクリーン印刷してユニット配線
基板32とした。 (12)ついで、ユニット配線基板30、31、32を図
2のように積層して200℃でリフロー処理を施し、図
3に示すような多層配線基板を得た。 (13)さらに、アクリル系粘着剤シート40(アクリル
酸2−エチルヘキシン78重量%、アクリル酸メチル2
0重量%、無水マレイン酸2重量%からなる。これらの
化合物をアセトンに溶解させてテフロン(商標名)シー
トに塗布してフィルム化する)を多層配線基板上に貼り
付けた後、ラミネータ(大成ラミネータ製:FV−70
0)を用いてポリエチレテレフタレート(PET)フィ
ルム42を減圧下にてラミネートして、多層配線板全体
を図4に示すように真空パッケージ化した。 【0024】(14)上記(2)の処理における炭酸ガス
レーザを2ショットの条件でPETフィルム42上から照
射して、多層配線板外側のユニット配線基板31および
32の電解めっき膜に達する開口44を設け、さらに
(8)の処理と同様の処理を施してニッケル−金層46
を設けた。 (15)上記ニッケル−金層46上に6/4半田をスクリ
ーン印刷した後、200℃加熱でリフロー処理を施し
て、はんだバンプ48を形成し、図5に示すような多層
配線基板を得た。 【0025】(比較例1) A.無電解めっき用接着剤層の調整 (1) クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬
社製、分子量:2500)の25%アクリル化物を80
重量%の濃度でジエチレングリコールジメチルエーテル
(DMDG)に溶解させた樹脂液400重量部、感光性
モノマー(東亜合成社製、アロニックスM325)60
重量部、消泡剤(サンノプコ社製 S−65)5重量部
およびN−メチルピロリドン(NMP)35重量部を容
器にとり、攪拌混合することにより混合組成物を調製し
た。 ポリエーテルスルフォン(PES)80重量部、エポ
キシ樹脂粒子(三洋化成社製、ポリマーポール)の平均
粒径1.0μmのもの72重量部および平均粒径0.5
μmのもの31重量部を別の容器にとり、攪拌混合した
後、さらにNMP257重量部を添加し、ビーズミルで
攪拌混合し、別の混合組成物を調製した。 イミダゾール硬化剤(四国化成社製、2E4MZ−C
N)20重量部、光重合開始剤(ベンゾフェノン)20
重量部、光増感剤(チバガイギー社製、EAB)4重量
部およびNMP16重量部をさらに別の容器にとり、攪
拌混合することにより混合組成物を調製した。そして、
、およびで調製した混合組成物を混合することに
より粗化面形成用樹脂組成物を得た。 【0026】B.樹脂充填剤の調製 ビスフェノールF型エポキシモノマー(油化シェル社
製、分子量:310、YL983U)100重量部、表
面にシランカップリング剤がコーティングされた平均粒
径が1.6μmで、最大粒子の直径が15μm以下のSi
O2球状粒子(アドテック社製、CRS 1101−C
E)170重量部およびレベリング剤(サンノプコ社製
ペレノールS4)1.5重量部を容器にとり、攪拌混
合することにより、粘度が23±1℃で45〜49Pa
・sの樹脂充填剤を調製した。なお、硬化剤として、イ
ミダゾール硬化剤(四国化成社製、2E4MZ−CN)
6.5重量部を用いた。 【0027】C.プリント配線板の製造方法 (1) 厚さ0.6mmのガラスエポキシ樹脂またはBT(ビ
スマレイミドトリアジン)樹脂からなる基板の両面に1
8μmの銅箔がラミネートされている銅張積層板を出発
材料とした。まず、この銅貼積層板をドリル削孔し、無
電解めっき処理を施し、パターン状にエッチングするこ
とにより、基板の両面に下層導体回路とスルーホールを
形成した。 (2) ついで、スルーホールおよび下層導体回路を形成し
た基板を水洗いし、乾燥した後、NaOH(10g/l)、
NaClO2(40g/l)、Na3PO4(16g/l)を含む水
溶液を黒化浴(酸化浴)とする黒化処理、および、NaOH
(19g/l)、NaBH4(5g/l)を含む水溶液を還
元浴とする還元処理を行い、そのスルーホールを含む下
層導体回路の全表面に粗化面を形成した。 (3) さらに、樹脂充填剤を基板の片面にロールコータを
用いて塗布することにより、下層導体回路間あるいはス
ルーホール内に充填し、加熱乾燥させた後、他方の面に
ついても同様に樹脂充填剤を導体回路間あるいはスルー
ホール内に充填し、加熱乾燥させた。 【0028】(4) 上記(3) の処理を終えた基板の片面
を、#600のベルト研磨紙(三共理化学製)を用いた
ベルトサンダー研磨により、内層銅パターンの表面やス
ルーホールのランド表面に樹脂充填剤が残らないように
研磨し、次いで、上記ベルトサンダー研磨による傷を取
り除くためのバフ研磨を行った。このような一連の研磨
を基板の他方の面についても同様に行った。次いで、1
00℃で1時間、120℃で3時間、150℃で1時
間、180℃で7時間の加熱処理を行って樹脂充填剤を
硬化した。このようにして、スルーホールや導体回路非
形成部に形成された樹脂充填材の表層部および下層導体
回路の表面を平坦化し、樹脂充填材と下層導体回路の側
面とが粗化面を介して強固に密着し、またスルーホール
の内壁面と樹脂充填材とが粗化面を介して強固に密着し
た絶縁性基板を得た。 【0029】(5) 上記(4) の処理で露出した下層導体回
路およびスルーホールのランド上面に、厚さ2.5μm
のCu−Ni−P合金からなる粗化層(凹凸層)を形成
した。その形成方法は以下のようである。即ち、硫酸銅
(8g/l)、硫酸ニッケル(0.6g/l)、クエン
酸(15g/l)、次亜リン酸ナトリウム(29g/
l)、ホウ酸(31g/l)、界面活性剤(日信化学工
業社製、サーフィノール465)(0.1g/l)を含
む水溶液からなるpH=9の無電解銅めっき浴に基板を
浸漬し、浸漬1分後に、4秒あたりに1回の割合で縦お
よび横方向に振動させて、下層導体回路およびスルーホ
ールのランドの表面に、Cu−Ni−Pからなる針状合
金の粗化層を設けた。 【0030】(6) 次に、基板の両面に、無電解めっき用
接着剤(粘度:1.5Pa・s)をロールコータで塗布
し、水平状態で20分間放置してから、60℃で30分
の乾燥を行い、無電解めっき用接着剤層を形成した。さ
らにこの無電解めっき用接着剤層の上に無電解めっき用
接着剤(粘度:7Pa・s)をロールコータを用いて塗
布し、水平状態で20分間放置してから、60℃で30
分の乾燥を行い、接着剤層を形成し、厚さ35μmの無
電解めっき用接着剤層を形成した。 【0031】(7) 上記(6) で無電解めっき用接着剤層を
形成した基板の両面に、直径85μmの黒円が印刷され
たフォトマスクフィルムを密着させ、超高圧水銀灯によ
り500mJ/cm2の強度で露光した後、DMDG溶
液でスプレー現像した。この後、さらに、この基板を超
高圧水銀灯により3000mJ/cm2の強度で露光
し、100℃で1時間、150℃で5時間の加熱処理を
施し、フォトマスクフィルムに相当する寸法精度に優れ
た直径85μmのバイアホール用開口を有する厚さ35
μmの層間樹脂絶縁層を形成した。 (8) 上記バイアホール用開口を形成した基板を、800
g/lのクロム酸を含む70℃の溶液に19分間浸漬
し、層間樹脂絶縁層の表面に存在するエポキシ樹脂粒子
を溶解除去することにより、層間樹脂絶縁層の表面を粗
面(深さ3μm)とした。 (9) 次に、上記処理を終えた基板を、中和溶液(シプレ
イ社製)に浸漬してから水洗いした。さらに、粗面化処
理した該基板の表面に、パラジウム触媒(アトテック
製)を付与することにより、層間樹脂絶縁層の表面およ
びバイアホール用開口の内壁面に触媒核を付着させた。 【0032】(10) 次に、以下の組成の無電解銅めっき
水溶液中に基板を浸漬して、粗面全体に厚さ0.8μm
の無電解銅めっき膜を形成した。このとき、めっき膜が
薄いため無電解めっき膜表面には、凹凸が観察された。 〔無電解めっき水溶液〕 EDTA 150 g/l 硫酸銅 20 g/l HCHO 30 ml/l NaOH 40 g/l α、α’−ビピリジル 80 mg/l ポリエチレングリコール(PEG) 0.1 g/l 〔無電解めっき条件〕70℃の液温度で30分 (11) 市販の感光性ドライフィルムを無電解銅めっき膜
に貼り付け、マスクを載置して、100mJ/cm2で
露光し、0.8%炭酸ナトリウム水溶液で現像処理する
ことにより、めっきレジストを設けた。 (12) ついで、基板を50℃の水で洗浄して脱脂し、2
5℃の水で水洗後、さらに硫酸で洗浄してから、以下の
条件で電解銅めっきを施し、厚さ15μmの電解銅めっ
き膜を形成した。 〔電解めっき水溶液〕 硫酸 180 g/l 硫酸銅 80 g/l 添加剤 1 ml/l (アトテックジャパン社製、カパラシドGL) 〔電解めっき条件〕 電流密度 1 A/dm2 時間 30 分 温度 室温 【0033】(13) めっきレジストを5%KOHで剥離
除去した後、そのめっきレジスト下の無電解めっき膜を
硫酸と過酸化水素の混合液でエッチング処理して溶解除
去し、無電解銅めっき膜と電解銅めっき膜からなる厚さ
18μmの導体回路(バイアホールを含む)を形成し
た。さらに、800g/lのクロム酸を含む70℃の溶
液に3分間浸漬して、導体回路非形成部分に位置する導
体回路間の層間樹脂絶縁層の表面を1μmエッチング処
理し、その表面に残存するパラジウム触媒を除去した。 【0034】(14) 導体回路を形成した基板を、硫酸銅
(8g/l)、硫酸ニッケル(0.6g/l)、クエン
酸(15g/l)、次亜リン酸ナトリウム(29g/
l)、ホウ酸(31g/l)、界面活性剤(日信化学工
業社製、サーフィノール465)(0.1g/l)を含
む水溶液からなるpH=9の無電解銅めっき浴に基板を
浸漬し、浸漬1分後に、4秒あたりに1回の割合で縦お
よび横方向に振動させて、下層導体回路およびスルーホ
ールのランドの表面に、Cu−Ni−Pからなる針状合
金の粗化層を設けた。このとき、形成した粗化層をEP
MA(蛍光X線分析装装置で分析したところ、Cu:9
8モル%、Ni:1.5モル%、P:0.5モル%の組
成比であった。 (15) 上記 (6)〜(15)の処理を繰り返すことにより、さ
らに上層の導体回路を形成し、多層配線板を得た。ただ
し、Sn置換は行わなかった。 【0035】(16) 次に、ジエチレングリコールジメチ
ルエーテル(DMDG)に60重量%の濃度になるよう
に溶解させた、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂
(日本化薬社製)のエポキシ基50%をアクリル化した
感光性付与のオリゴマー(分子量:4000)46.6
7重量部、メチルエチルケトンに溶解させた80重量%
のビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェル社製、
商品名:エピコート1001)6.67重量部、同じく
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェル社製、商
品名:エピコートE−1001−B80)6.67重量
部、イミダゾール硬化剤(四国化成社製、商品名:2E
4MZ−CN)1.6重量部、感光性モノマーである2
官能アクリルモノマー(日本化薬社製、商品名:R60
4)4.5重量部、同じく多価アクリルモノマー(共栄
化学社製、商品名:DPE6A)1.5重量部、アクリ
ル酸エステル重合物からなるレベリング剤(共栄化学社
製、商品名:ポリフローNo.75)0.36重量部を
容器にとり、攪拌、混合して混合組成物を調製し、この
混合組成物に対して光重合開始剤としてイルガキュアI
−907(チバガイギー社製)2.0重量部、光増感剤
としてのDETX−S(日本化薬社製)0.2重量部、
DMDG0.6重量部を加えることにより、粘度を25
℃で1.4±0.3Pa・sに調整したソルダーレジス
ト組成物を得た。なお、粘度測定はB型粘度計(東京計
器社製、DVL−B型)で行い、60rpmの場合はロ
ーターNo.4で、6rpmの場合はローターNo.3
によった。 【0036】(17) 次に、多層配線基板の両面に、上記
ソルダーレジスト組成物を20μmの厚さで塗布し、7
0℃で20分間、70℃で30分間の条件で乾燥処理を
行った後、ソルダーレジスト開口部のパターンが描画さ
れた厚さ5mmのフォトマスクをソルダーレジスト層に
密着させて1000mJ/cm2の紫外線で露光し、D
MTG溶液で現像処理し、200μmの直径の開口を形
成した。そして、さらに、80℃で1時間、100℃で
1時間、120℃で1時間、150℃で3時間の条件で
それぞれ加熱処理を行ってソルダーレジスト層を硬化さ
せ、開口を有し、その厚さが20μmのソルダーレジス
トパターン層を形成した。 (18) 次に、ソルダーレジスト層を形成した基板を、塩
化ニッケル(30g/l)、次亜リン酸ナトリウム(1
0g/l)、クエン酸ナトリウム(10g/l)を含む
pH=5の無電解ニッケルめっき液に20分間浸漬し
て、開口部に厚さ5μmのニッケルめっき層15を形成
した。さらに、その基板をシアン化金カリウム(2g/
l)、塩化アンモニウム(75g/l)、クエン酸ナト
リウム(50g/l)、次亜リン酸ナトリウム(10g
/l)を含む無電解めっき液に93℃の条件で23秒間
浸漬して、ニッケルめっき層上に、厚さ0.03μmの
金めっき層を形成した。 (19) この後、ソルダーレジスト層の開口に、はんだペ
ーストを印刷した後、200℃でリフロー処理を施して
はんだバンプ(はんだ体)を形成し、はんだバンプを有
する多層配線プリント基板を製造した。 【0037】(比較例2) (1) 厚さ0.6mmのガラスエポキシ樹脂またはBT
(ビスマレイミドトリアジン)樹脂からなる基板の両面
に18μmの銅箔がラミネートされている銅張積層板を
出発材料とした。まず、この銅貼積層板をドリル削孔
し、無電解めっき処理を施し、パターン状にエッチング
することにより、基板の両面に下層導体回路とスルーホ
ールを形成した。樹脂充填剤を、基板の片面にロールコ
ータを用いて塗布することにより、下層導体回路間ある
いはスルーホール内に充填し、加熱乾燥させた後、他方
の面についても同様に樹脂充填剤を導体回路間あるいは
スルーホール内に充填し、加熱乾燥させた。上記処理を
終えた基板の片面を、#600のベルト研磨紙(三共理
化学製)を用いたベルトサンダー研磨により、内層銅パ
ターンの表面やスルーホールのランド表面に樹脂充填剤
が残らないように研磨し、次いで、上記ベルトサンダー
研磨による傷を取り除くためのバフ研磨を行った。この
ような一連の研磨を基板の他方の面についても同様に行
った。次いで、100℃で1時間、120℃で3時間、
150℃で1時間、180℃で7時間の加熱処理を行っ
て樹脂充填剤を硬化した。 【0038】(2) この基板に厚さ50μmのポリオレフ
ィン樹脂フィルムを積層し、ラミネータでラミネートし
た。 (3) この樹脂層に炭酸ガスレーザ加工機(三菱電機 M
L605GTL)でパルスエネルギーが30mJ、パル
ス幅が52×10−6秒、ショット数が2の照射条件で
穴明加工し、直径50μmのバイアホール用開口を得
た。 (4) 樹脂層にニッケルおよび銅のスパッタリング処理を
施して、厚さ0.6 μmのニッケル−銅層を形成した。 (5) 市販の感光性ドライフィルムを無電解銅めっき膜に
貼り付け、マスクを載置して、100mJ/cm2で露
光し、0.8%炭酸ナトリウム水溶液で現像処理するこ
とにより、レジストを設けた。 (6) 無電解銅めっきを施した後、めっきレジストを5%
KOHで剥離除去した後、そのめっきレジスト下のニッ
ケル−銅層を硫酸と過酸化水素の混合液でエッチング処
理して溶解除去し、厚さ18μmの導体回路(バイアホ
ールを含む)を形成した。 【0039】(7) 上記比較例1における(17)〜(20)の処
理と同様の処理を施して、ソルダーレジストおよびはん
だバンプを形成した。上記実施例1 、比較例1および比
較例2で得られた多層配線板について、実装信頼性の
有無、ヒートサイクル試験による剥離の有無、ノイ
ズ発生の有無について調べた。その結果を表1に示す。
なお、実装信頼性については、多層配線基板を200℃
に加熱し、パッドに直径1mmの金属針を押しつけて、
凹みが生じるか否かを調べ、ヒートサイクル試験による
剥離の有無は、各多層配線基板を−55℃〜125℃の
温度範囲でヒートサイクル試験を行い、層間樹脂絶縁層
と導体層が剥離するかどうかを調べ、さらにノイズ発生
の有無については、50GHzの高周波数の信号を入力
し、入力波形と出力波形との間で変化があるか否かを調
べた。 【0040】 【表1】 【0041】 【発明の効果】以上説明したように、本発明による多層
配線板によれば、隣接する配線基板の各導体層間に、な
んらの絶縁材料を介在させることなく、その各導体層間
の電気的接続を突起または柱状導体によって行うことが
できるので、従来のような、導体層間に層間樹脂絶縁層
を介在させた構造に起因する層間剥離やノイズ発生を完
全に防止することができるとともに、優れた実装信頼性
を有するという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる多層配線板の製造工程の一部を
示す図である。 【図2】本発明にかかる多層配線板の製造工程の一部を
示す図である。 【図3】本発明にかかる多層配線板の製造工程の一部を
示す図である。 【図4】本発明にかかる多層配線板の製造工程の一部を
示す図である。 【図5】本発明にかかる多層配線板の製造工程の一部を
示す図である。 【符号の説明】 10 絶縁性基材 12 スルーホール用貫通孔 14 銅ペースト 15 スルーホール 16 無電解銅めっき膜 18 めっきレジスト 20 電解銅めっき膜 22 導体回路 24 ニッケル‐金層 26 突起状導体 28 スペーサ 30,31,32 ユニット配線基板 40 粘着剤シート 42 PETフィルム 44 開口 46 ニッケル−金層 48 はんだバンプ
示す図である。 【図2】本発明にかかる多層配線板の製造工程の一部を
示す図である。 【図3】本発明にかかる多層配線板の製造工程の一部を
示す図である。 【図4】本発明にかかる多層配線板の製造工程の一部を
示す図である。 【図5】本発明にかかる多層配線板の製造工程の一部を
示す図である。 【符号の説明】 10 絶縁性基材 12 スルーホール用貫通孔 14 銅ペースト 15 スルーホール 16 無電解銅めっき膜 18 めっきレジスト 20 電解銅めっき膜 22 導体回路 24 ニッケル‐金層 26 突起状導体 28 スペーサ 30,31,32 ユニット配線基板 40 粘着剤シート 42 PETフィルム 44 開口 46 ニッケル−金層 48 はんだバンプ
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Fターム(参考) 5E344 AA01 AA16 AA22 BB01 BB06
BB07 BB08 CC09 CC14 CC24
CD09 DD03 DD11 EE08 EE17
5E346 AA42 CC32 CC37 CC40 CC54
DD23 DD24 DD44 EE38 FF07
FF10 FF13 FF19 FF24 FF37
GG15 GG17 GG18 GG22 GG28
HH31
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 硬質材料から形成された絶縁性基板の片
面または両面に導体層が設けられ、それらの導体層間が
スルーホールで電気的に接続され、その導体層には、突
起または柱状導体を形成したユニット配線基板の複数枚
が、所定の間隔をおいて結合されている多層配線板。 【請求項2】 上記スルーホールは、めっきスルーホー
ルまたは、導電性ペーストもしくはめっき導体が充填さ
れた充填スルーホールであることを特徴とする請求項1
に記載の多層配線板。 【請求項3】 上記突起または柱状導体は、導電性ペー
ストまたは低融点金属から形成されることを特徴とする
請求項1に記載の多層配線板。 【請求項4】 上記結合された配線基板のうち、隣接す
る2つの配線基板の少なくとも一方には、互いを所定の
間隔に保持するためのスペーサが配設されていることを
特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の多層配
線板。 【請求項5】 上記スペーサは導体層に設けられ、上記
突起または柱状導体よりも高い融点を有する導電性ペー
ストあるいは低融点金属から形成されることを特徴とす
る請求項4に記載の多層配線板。 【請求項6】 上記結合された配線基板が、樹脂フィル
ムによってパッケージ化されていることを特徴とする請
求項1ないし5のいずれかに記載の多層配線板。 【請求項7】 上記パッケージ化された配線基板の最も
外側の導体層の一部は、樹フィルムから外側に露出して
形成され、その露出導体層にはバンプが形成されている
ことを特徴とする請求項6に記載の多層配線板。 【請求項8】 前記配線基板と樹脂フィルムとの間に、
接着フィルムが介設されていることを特徴とする請求項
6または7に記載の多層配線板。 【請求項9】 前記硬質材料は、セラミック、コンクリ
ート、セメント、製紙スラッジ成形品またはパルプ繊維
とセメントとの複合材から選ばれることを特徴とする請
求項1ないし8のいずれかに記載の多層配線板。 【請求項10】 下記a)〜c)の工程、 a)硬質材料から形成された絶縁性基板の片面または両
面に導体層および該導体層間を電気的に接続するスルー
ホールを形成する工程、 b)前記導体層の表面に、突起または柱状導体を形成し
てユニット配線基板を製造する工程、 c)ユニット配線基板を複数枚を対向配置させて、隣接
する配線基板のうちの一方の突起または柱状導体が他方
の配線基板の導体層にほぼ一致するように位置合わせし
た後、前記突起または柱状導体の溶融温度で加熱して、
各配線基板を所定の間隔で離間した状態に結合させる工
程、を少なくとも含むことを特徴とする多層配線板の製
造方法。 【請求項11】 上記請求項10に記載の多層配線板の
製造方法において、さらに、下記の工程、 (d)前記結合された複数枚の配線基板を、接着用フィ
ルムを介在させた状態で樹脂フィルムを用いてパッケー
ジ化する工程、を含むことを特徴とする製造方法。 【請求項12】 上記請求項11に記載の多層配線板の
製造方法において、さらに、下記の工程、 (e)前記パッケージの外側からのレーザ照射によっ
て、前記スルーホール位置に対応して上記樹脂フィルム
および接着用フィルムを貫通する開口を設けて、上記導
体層の一部を露出させる工程、 (f)上記露出した導体層の一部にバンプを形成する工
程、を含むことを特徴とする多層配線板の製造方法。 【請求項14】 上記スルーホールは、導電性ペースト
またはめっき導体を充填することにより形成されること
を特徴とする請求項10に記載の多層プリント配線板の
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11124861A JP2000315866A (ja) | 1999-04-30 | 1999-04-30 | 多層配線板およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11124861A JP2000315866A (ja) | 1999-04-30 | 1999-04-30 | 多層配線板およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000315866A true JP2000315866A (ja) | 2000-11-14 |
Family
ID=14895924
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11124861A Pending JP2000315866A (ja) | 1999-04-30 | 1999-04-30 | 多層配線板およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000315866A (ja) |
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-
1999
- 1999-04-30 JP JP11124861A patent/JP2000315866A/ja active Pending
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