JP2000315725A - クリーンボックス、クリーン搬送方法及びシステム - Google Patents

クリーンボックス、クリーン搬送方法及びシステム

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JP2000315725A
JP2000315725A JP11124167A JP12416799A JP2000315725A JP 2000315725 A JP2000315725 A JP 2000315725A JP 11124167 A JP11124167 A JP 11124167A JP 12416799 A JP12416799 A JP 12416799A JP 2000315725 A JP2000315725 A JP 2000315725A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】シール性能が高く、かつロードポートに取り付
ける際の位置合わせも簡単なクリーンボックス、及びそ
のようなクリーンボックスを用いたクリーン搬送方法及
びシステムを提供する。 【解決手段】クリーンボックスを、一面に開口を有する
ボックス本体と、該開口を閉鎖するための蓋部材とで構
成し、ボックス本体又は蓋部材の一方に前記開口を取り
囲むように形成された、蓋部材がボックス本体に装着さ
れた状態で蓋部材とボックス本体との間で密閉された吸
着用空間を画成する環状溝と、蓋部材に形成された、前
記環状溝を外部から真空排気/真空解除するための吸排
気口手段と設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体、電子部品
関連製品、光ディスク等の製造プロセスにおける半導体
ウエハ等の種々の被処理物品をクリーンな環境で搬送す
ることに関わり、特に、物品(以下、被搬送物)を様々
な処理装置間で汚染物質のないクリーン状態で移送する
こと可能とするクリーンボックス、及びそのようなクリ
ーンボックスを用いたクリーン搬送方法、およびクリー
ン搬送システムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年半導体デバイス製造等の高度のクリ
ーン環境を必要とする製造工程において、工場全体をク
リーンルーム化するのではなく、製品の周囲環境のみを
クリーンな状態にするというミニエンバイロンメント
(微小環境)あるいは局所クリーン空間という手法が行
われている。これは簡単に言えば、製造工程内のそれぞ
れの処理装置内部のみをクリーン環境とし、各処理装置
(クリーン装置)どうしの間での被処理物品の運搬及び
保管を、内部をクリーンにした容器(クリーンボックス
あるいはポッドと称される)を用いて行う、というもの
である。
【0003】本発明の実施例を説明する図でもある図1
を用いて、半導体製造におけるこのような局所クリーン
空間システムの一例を説明する。図1は局所クリーン空
間(クリーン装置)としての半導体ウエハ処理装置10
にクリーンボックス40が取り付けられている状態を示
す。
【0004】半導体ウエハ処理装置10は装置本体30
と、装置本体30による処理が施される被処理物である
半導体ウエハを装置外部から装置内にロードするための
ロードポート20とからなる。図1において直線Aの左
側が装置本体30、右側がロードポートである。これら
ロードポート20と装置本体30をあわせた装置10内
の空間が局所クリーン空間になされる。
【0005】このような局所クリーン空間システムで
は、異なる処理装置間でクリーン状態を保ったまま半導
体ウエハを移送するために、内部をクリーンに保った容
器であるクリーンボックス(ポッドとも呼ばれる)を用
いる。図1ではロードポート20に下面開口式のクリー
ンボックス40が取り付けられた状態を示している。ク
リーンボックス40はボックス本体41と開閉蓋42か
らなる。クリーンボックス40をロードポート20上に
置いた状態で、開閉蓋42を下方に取り外し、内部のウ
エハを取り出して処理装置にロードする。
【0006】従来用いられているクリーンボックスで
は、開閉蓋のボックス本体への固定をメカニカルなロッ
ク機構により行っていた。このような機構として例え
ば、蓋部材に金属性の可動つめ(爪)と、該可動つめを
蓋の外周から所定量突き出るロック位置と蓋の外周から
引っ込んだ解除位置との間で移動させる回転カム部材か
らなるロック機構が用いられている。開閉蓋をボックス
本体に固定する場合には、回転カム部材を回転させて可
動つめをロック位置とし、この位置で可動つめがボック
ス本体に設けられた孔と係合することで開閉蓋がボック
ス本体にロックされる。クリーンボックスのこのような
ロック機構は、ロードポートに取り付けられた状態で、
ロードポートに備えた開閉装置により上記回転カム部材
を回転させることにより作動され、蓋の本体に対するロ
ックおよび解除を行う。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】クリーンボックスは内
部をクリーンに保つために外界と遮断した密閉状態とす
る必要があるため、開閉蓋と本体ボックスとの間をシー
ルするOリング等のシール手段を設けている。しかし従
来のクリーンボックスに用いられていた上記のようなメ
カニカルなロック機構では高々数N(ニュートン)程度
の押さえ力しか与えられず、Oリングを十分つぶすこと
ができない。このため塵埃、その他の無機物・有機物の
侵入を十分防ぐことができず、クリーンな空間を維持で
きない。
【0008】また、半導体ウエーハの処理待機時間中の
自然酸化を防止するためにボックス内部空気を窒素N2
や不活性ガス等の非酸化性気体で置換することも行われ
ているが、従来のメカニカルな蓋ロック機構では密閉力
が弱く、このような非酸化性気体の置換状態を維持する
こともできない。
【0009】本発明の発明者は、先に特願平9−147
205号(特開平10−321696号)において、ク
リーンボックスとその開口を塞ぐ蓋との間のシールを、
両者の間に形成される開口まわりを一周する環状溝を排
気して吸着させることによって行うことを提案してい
る。しかしこの特許出願に開示された機構では、ボック
スの開口面即ち蓋を取り付ける面とは異なる面から環状
溝を排気しているため、クリーンボックスと半導体処理
装置のロードポートとの間で、2つの面についての位置
合わせを行わなければならない。即ちクリーンボックス
の蓋をロードポート側から開けるための機構とボックス
の蓋との位置合わせ、およびボックスの吸着用環状溝の
吸排気口とロードポート側のそれに対応する吸排気手段
との位置合わせ、の2つである。このように複数の面に
ついての位置合わせが必要であるため、クリーンボック
スを自動搬送する場合には位置合わせ機構が複雑化し、
またボックスを人力によって搬送する場合にも位置合わ
せ作業が煩雑になる。
【0010】本発明はメカニカルなロック機構に比べて
シール性能が高く、かつロードポートに取り付ける際の
位置合わせも簡単なクリーンボックス、及びそのような
クリーンボックスを用いたクリーン搬送方法及びシステ
ムを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のクリーンボックスは、一面に開口を有する
ボックス本体と、該開口を閉鎖するための蓋部材と、ボ
ックス本体又は蓋部材の一方に前記開口を取り囲むよう
に形成された、蓋部材がボックス本体に装着された状態
で蓋部材とボックス本体との間で密閉された吸着用空間
を画成する環状溝と、蓋部材に形成された、前記環状溝
を外部から真空排気/真空解除するための吸排気口手段
とを有する構成とする。
【0012】このようにボックス本体と蓋部材との間で
密閉された吸着用空間を画成する環状溝を設け、該環状
溝を真空排気することで、環状溝と外部との圧力差によ
り蓋部材がボックス本体に強く吸着される。これにより
メカニカルなロック機構と比べて強くかつ均一な力で蓋
部材とボックス本体との間を気密封止できる。加えて環
状溝の真空排気・真空解除のための吸排気口を蓋部材側
に設けているので、クリーンボックスを半導体処理装置
等のクリーン装置のロードポートに設置する場合、クリ
ーンボックスの蓋側の面のみをロードポートに位置合わ
せすればよい。
【0013】上記環状溝はボックス本体側、蓋部材側の
どちらに形成してもよく、また両方に形成してもよい。
いずれにしても本発明の実施に当たってはボックス本体
の開口まわりをフランジ状に形成し、環状溝を該フラン
ジ上に形成するかまたは蓋部材上の該フランジと対接す
る部分に形成するのが好適である。該環状溝をシールす
るために溝に沿ってOリング等のシール手段を設ける。
【0014】本発明では、このように形成した環状溝の
吸着空間を外部から排気して蓋部材とボックス本体との
真空吸着を実現するわけであるが、環状溝を外部から真
空排気/真空解除するための吸排気口手段は蓋部材を貫
いて蓋部材の外側(即ち外界に面する側)に開口する通
路手段と該通路手段を開閉する弁機構とにより構成する
ことができる。ロードポート側には該弁機構を開閉する
ための手段を設ける。
【0015】上記の本発明のクリーンボックスにおいて
は、環状溝の排気により、気密封止状態で蓋部材はボッ
クス本体に固定される。しかし何らかの事故により環状
溝の真空状態が破壊された場合に備え、ボックス本体か
らの蓋部材の脱落を防止するための機械的なラッチを設
ければ更に好適である。
【0016】また上にも述べたが、半導体ウエハは空気
中に置かれていると、表面に酸化膜が自然成長し、不都
合である。これを防止するためにクリーンボックス内を
窒素あるいは不活性ガス等の非酸化性の気体で置換する
ことが行われている。
【0017】本発明の一態様のクリーンボックスでは、
蓋部材にボックス内部の気体の置換を可能とするため、
気体の出入りを許容するバルブ手段を設ける。
【0018】ボックス内部をガス置換するためのバルブ
手段は、非酸化性のガスをボックス内部に導入するため
の、弁を有するガス入力バルブと、ボックス内のガスを
外に排出するための、弁を有するガス出力バルブとから
構成すると好適である。
【0019】このバルブ手段も蓋部材上に設けること
で、ロードポートとクリーンボックスの蓋側との位置合
わせのみ行えば、該バルブ手段と協動するロードポート
側のガス置換手段との位置合わせも達成される。この場
合ロードポート側からボックス内へのガスの導入・排出
を行う機構もボックス蓋開閉機構と一体化して設けるこ
とができる。
【0020】即ち本発明のクリーンボックスを用いてク
リーン搬送システムを構築した場合、ロードポートの諸
機構は全て、例えば下面に開口を有するボックスに下方
から(即ち蓋部材側から)アクセスするように構成でき
る。従ってボックスの蓋開閉機構(環状溝の真空排気・
真空解除を行う機構を含む)及び内部をガス置換するた
めの機構とを共に単一の昇降機構内に設ければよいの
で、構成が簡略化できる。
【0021】また本発明のクリーンボックスを用いたク
リーン搬送システムにおいては、クリーンボックスの蓋
部材とロードポートとの間で位置合わせを行う手段を設
けるとよい。この位置合わせ手段は例えばクリーンボッ
クスの蓋部材とロードポート上に設けた複数の位置決め
ピンと該ピンと嵌合する孔の組み合わせとして構成する
ことができる。
【0022】ロードポート側のガスの導入排出を行う機
構は、好適には上記ガス入力バルブと協動する手段とし
てガス入力バルブを開閉する手段及び該バルブにガスを
導入するガス供給管路を供え、ガス出力バルブと協動す
る手段としてガス出力バルブを開閉する手段及び該バル
ブからガスを排出するガス排出管路を備えるように構成
する。そして両バルブを開いた状態でガス供給管路より
ガスを導入し、同時にガス排気管路から排気するガスパ
ージにより、ボックス内を非酸化性ガスで置換すること
ができる。
【0023】本発明のクリーンボックスを半導体デバイ
ス製造における半導体ウエハの搬送に用いる場合、蓋部
材に固定された棚上のウエハキャリアを設けると好適で
ある。
【0024】本発明のクリーン搬送方法は、上記の本発
明のクリーンボックス、即ち、一面に開口を有するボッ
クス本体と、該開口を閉鎖するための蓋部材と、ボック
ス本体又は蓋部材の一方に前記開口を取り囲むように形
成された、蓋部材がボックス本体に装着された状態で蓋
部材とボックスとの間で密閉された吸着用空間を画成す
る環状溝と、蓋部材に形成された、前記環状溝を外部か
ら真空排気/真空解除するための吸排気口手段とを有す
るクリーンボックスを用い、前記環状溝を真空排気して
吸着させた該クリーンボックスを、内部がクリーン環境
になされているクリーン装置のロードポートであってク
リーンボックスの蓋部材を開閉するためのボックス蓋開
閉機構を有するロードポート上に、前記蓋部材とロード
ポート側のボックス蓋開閉機構とが対面するように位置
合わせして設置し、ロードポートのボックス蓋開閉機構
により、クリーンボックスの蓋部材上に形成された前記
吸排気口手段を通じて前記吸着用空間の真空を解除し、
蓋部材を開けてクリーンボックス内部の被搬送物を取り
出してクリーン装置に移送することを特徴とする。
【0025】またクリーン装置で処理を終えた被搬送物
をクリーンボックス内に戻した後には、前記ボックス蓋
開閉機構はクリーンボックスの蓋部材を閉じ、前記吸排
気機構を通じて前記吸着用空間を排気して蓋部材とボッ
クス本体とを吸着させる。
【0026】本発明のクリーン搬送方法において、クリ
ーンボックスが機械的ラッチを有する場合には、ボック
ス蓋開閉機構は吸着空間の真空を解除する前に該機械的
ラッチを解除する。またクリーン装置で処理を終えた被
搬送物をクリーンボックスに戻した後には、前記吸着用
空間を排気して蓋部材とボックス本体とを吸着させた後
に機械的ラッチをかける。
【0027】また本発明のクリーン搬送方法において、
クリーンボックスがボックス内部の気体の置換を許容す
るためのバルブ手段を有し、ボックス内を非酸化性の気
体で置換する場合には、クリーン装置で処理を終えた被
搬送物をクリーンボックス内に戻し、クリーンボックス
の蓋部材を閉じ、前記吸排気機構を通じて前記吸着用空
間を排気して蓋部材とボックス本体とを吸着させた後
に、バルブ手段を通じてボックス内部空間の気体の置換
を行う。
【0028】本発明のクリーン搬送システムは、一面に
開口を有するボックス本体と、該開口を閉鎖するための
蓋部材と、ボックス本体又は蓋部材の一方に前記開口を
取り囲むように形成された、蓋部材がボックス本体に装
着された状態で蓋部材とボックスとの間で密閉された吸
着用空間を画成する環状溝と、蓋部材に形成された、前
記環状溝を外部から真空排気/真空解除するための吸排
気口手段とを有するクリーンボックスと、内部がクリー
ン環境になされているクリーン装置のロードポートであ
ってクリーンボックスの蓋部材を開閉するためのボック
ス蓋開閉機構を有するロードポートとを有し、前記クリ
ーンボックスは前記蓋部材とロードポート側のボックス
蓋開閉機構とが対面するように位置合わせして設置さ
れ、ロードポートのボックス蓋開閉機構は、クリーンボ
ックスの蓋部材上に形成された前記吸排気口手段を通じ
て前記吸着用空間の真空を解除し、蓋部材を開けてクリ
ーンボックス内部の被搬送物を取り出してクリーン装置
に移送することを特徴とする。
【0029】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明の実施
形態を説明する。図1は本発明によるクリーン搬送シス
テムの一実施形態としての、クリーンボックスを含む半
導体製造装置の局所クリーン空間システムを概略的に示
す。
【0030】図1で半導体ウエハ処理装置10は装置本
体30とクリーンボックス40内の半導体ウエハを処理
装置内にロードするためのロードポート20よりなる。
装置本体30とロードポート20との境界は図1におい
て線Aで示されている。ロードポート20は通常装置本
体30に対して着脱可能な別装置として構成されるが、
装置本体と一体であってもよい。装置本体30とロード
ポート20との間は図1の線A上の破線で示される部分
に設けられた開口により連絡しており、該開口37を通
してロードポートと装置本体間での半導体ウエハの受け
渡しが行われる。
【0031】装置本体30内の空間とロードポート20
内の空間は、上記の開口37により連通しており、両者
を含めた装置10全体の内部が局所クリーン空間を形成
する。該空間をクリーンに保つために、装置10の上部
にはフィルタを有するファン吸気装置32を設ける。こ
のファン吸気装置32によって装置内に下降空気流を発
生して装置10内の空間をクリーン状態に保つ。該下降
流は装置下面から外部に排気される。
【0032】図1において更に、本発明に係るクリーン
ボックス(以下ポッドと称する)40がロードポート2
1の上面のテーブル21上に置かれている。ポッド40
は下面に開口した箱形のポッド本体41と本体下面の開
口を塞ぐ開閉蓋42からなる密閉式の容器である。後に
詳しく述べるが、ポッド40がロードポート20のテー
ブル21上に置かれてポッド内のウエハWが出し入れさ
れる際には、ポッド本体41とテーブル21との間はテ
ーブル21に設けた環状溝(図2の参照符号26)を用
いた真空吸着によりシールされ、外界に対してクリーン
空間を維持する。
【0033】ポッド40は異なる処理装置間でのウエハ
の移送、及びウエハの一時的保管に用いられる容器であ
る。ポッド40は蓋42上に固定されたキャリア43を
有する。キャリア43は複数のウエハWを平行かつ等間
隔に収納するラック(棚)式の構造体である。
【0034】ロードポート20はポッド40の開閉蓋4
2を開閉し、かつ開閉蓋42をキャリア43共に下方に
移動させ、キャリア内のウエハを取り出せるようにする
昇降式のポッド開閉機構23を有する。後に詳しく説明
するが、該ポッド開閉機構23は更に、ポッド内の空間
をガス置換するための機構を有している。
【0035】ポッド40は工場内のオーバーヘッドトラ
ンスファー(OHT)システム等の移送手段により運ば
れ、ロードポート20のテーブル21上に置かれる。場
合によってはポッドの移送は作業員が直に(手持ちで)
行ってもよい。
【0036】まず図2、図3を参照してポッド40の詳
細を説明する。図2はロードポート20に取り付けられ
た状態でのポッド40とロードポートのポッド開閉機構
23の上部を一部断面で示す側面図であり、図3はポッ
ド40の底面図である。
【0037】ポッド本体41はほぼ方形の容器であり、
その周囲部分に2段階のフランジ部、即ち第1フランジ
部41aと第2フランジ部41bが設けられている。ポ
ッドの開閉蓋42の上面の周辺部分で、ポッド本体の第
1フランジ部41aに対接する部分に溝46が設けられ
ている。該溝46はポッドの第1フランジ部に対接する
開閉蓋42の周辺部分を1周するように形成された環状
溝46である。開閉蓋42上の環状溝46の内側と外側
には該環状溝をシールするためのOリングが、これも環
状に蓋周辺部を1周するように周知の方法で取り付けら
れている。
【0038】本発明のポッドでは、この環状溝46を真
空排気して、ポッド本体41と開閉蓋42との間を真空
吸着により気密シールする。即ち環状溝46内の真空と
外部の大気圧との差圧によりシール力を得る。環状溝4
6の真空排気は開閉蓋42の底面(即ち外側の面)に設
けた吸排気口である真空ポート57(図3)を通じて行
う。真空排気の詳細については後述する。
【0039】なお本明細書において、「真空排気」、
「真空吸着」あるいは単に「真空」という用語を便宜上
用いて説明しているが、これらはもちろん完全な真空を
意味するものではなく、大気圧に対して相対的に低い有
意の圧力差を有する状態を意味するものである。
【0040】開閉蓋42には容器内部を非酸化性ガス
(窒素ガス、不活性ガス等)で置換するためのガスポー
ト55、56が設けられている。その一方がガスを導入
するガス入力ポート55、他方がガスを排出する出力ポ
ート56である。開閉蓋42は更に、ポッド本体41の
タブ110と協動して蓋の脱落を防止する機械的ラッチ
103、104とその駆動のためのラッチ駆動部109
有している。これについても後述する。
【0041】以上に説明したようなポッド40は半導体
ウエハW等の被搬送物をキャリア43上に載置して、窒
素等の非酸化性のクリーン気体を、環状溝46による吸
着によりポッド内に封止した状態で搬送、及び保管する
ことができる。
【0042】続いてポッド40とロードポート20の関
係について説明する。ポッドにより搬送される半導体ウ
エハ等の被搬送物を半導体ウエハ処理装置にロードする
場合、図2に示すようにポッド40はロードポート20
のテーブル21上に置かれる。ポッド底面の位置決め孔
54a,54b,54c(図3)とロードポートのポッ
ド開閉機構上部の昇降台22上面に設けられた位置決め
ピン(不図示)とを嵌合させることにより、ポッドの開
閉蓋42とロードポートの昇降台22とが整列するよう
に位置決めされる。昇降台22は昇降式のポッド開閉機
構23の最上面に取り付けられており、不図示の機構に
よりポッド開閉機構23と共に上下に移動可能である。
【0043】このように位置決めされた状態でロードポ
ートテーブル21の上面のポッド本体41の第2フラン
ジ部41bと対面する位置に、昇降台22の周囲を取り
囲む環状の溝26とそれをシールする2つの環状Oリン
グ25が設けられている。この溝26を真空排気するこ
とによりポッド本体41とロードポートテーブルとの間
を気密シールする。また昇降台22にもテーブル21と
の間をシールするためのOリング27を設ける。これは
ポッドがおかれていない時に半導体ウエハ処理装置10
内部のクリーン空間を外部空間に対してシールするもの
である。
【0044】ポッド開閉機構23の昇降台22には、上
記のように位置決めされた状態で開閉蓋42の真空ポー
ト57と整列する位置に真空排気/真空解除機構(以下
真空機構と称する)53が設置され、同じくガス入力ポ
ート55と整列する位置にガス供給機構51が、ガス出
力ポート56と整列する位置にガス排気機構52がそれ
ぞれ設置されている。
【0045】開閉蓋42に設けられた真空ポート57に
ついて図4を用いて説明する。図4は開閉蓋の真空ポー
ト部分57とそれに関連するロードポートのポッド開閉
機構23側の真空機構53とを一部断面で示す側面図で
ある。図4に示すように開閉蓋42の内部には環状溝4
6の真空排気を行うためのバルブ機構が設けられてい
る。該バルブ機構は上下方向に可動に設置された弁体6
1を含む。弁体61は環状溝46に連通する通路60を
塞ぐ閉鎖フランジ部61aと、その反対側の係合用フラ
ンジ部61c及び両フランジ部をつなぐ円筒軸部61b
からなる。閉鎖フランジ部61aの下面(通路60に面
する面の反対側)は、コイルバネ62により上方に付勢
されている。即ち、通常は弁体61は通路60を塞ぐ方
向に押圧され、閉鎖フランジ部61aにより通路60を
気密封止している。気密性を確保するために閉鎖フラン
ジ部61aの上面にはOリング63が設けられている。
【0046】ロードポート20側のポッド開閉機構23
の真空機構53は上記弁体61による通路60の閉鎖を
解除するためのアクチュエータ(エアシリンダ)66を
有している。アクチュエータ66のシリンダ部66aは
空気圧により、上下方向に直動可能及び軸まわりに枢動
可能である。該シリンダ部66aの上部には引っかけア
ーム67が設けてあり、ポッド40がロードポートテー
ブル21上に置かれたときに、引っかけアーム67は図
4に実線で示すように開閉蓋42の真空ポート57に入
り込む。この状態での引っかけアームの位置は、図4の
線V−Vに沿った矢視図である図5にも実線で示されて
いる。
【0047】アクチュエータ66を作動させて、引っか
けアーム67を図4、図5の2点鎖線で描かれた位置へ
と枢動させることにより、引っかけアームの先端と弁体
61の係合用フランジ部61cとが軸方向に重なりあ
う。この状態でアクチュエータ66を直動方向に作動さ
せて引っかけアーム67を下方に引き下げると、引っか
けアーム67が係合用フランジ61cに係合し、弁体6
1全体がバネ62の伸長力に抗して引き下げられる。こ
れにより閉鎖フランジ61aによる通路60の閉鎖が解
除され、環状溝46が通路60を介して空間S1に連通
する。こうして空間S1に通じた管路65により環状溝
46を真空排気すること、また逆に真空状態にあった環
状溝46に気体を導入して真空を解除することが可能と
なる。
【0048】なお昇降台22の上面には真空機構53を
取り囲んでOリング68が配設され、開閉蓋42との間
のシールを与えている。
【0049】真空ポート57および真空排気手段の構成
は上に述べた通りであるが、実際にはポッドの開閉蓋4
2は環状溝46及び通路60内が真空化された状態でロ
ードポートに設置される。従って内外の圧力差、即ち通
路60側の空間と空間S1との圧力差により弁体61の
閉鎖フランジ61aは通路60側に強く押しつけられて
おり、そのままでは引っかけアーム67により弁体61
を下方に引き下げるのは困難である。
【0050】よってポッド40の開閉蓋42を開く場合
には、以下のプロセスをとる。まず管路65を通じて空
間S1を真空排気して閉鎖フランジ61a内外の圧力差
をなくす、あるいは小さくする。これにより上述の手順
で引っかけアームにより弁体61(閉鎖フランジ61
a)による通路60の閉鎖を解除することが可能とな
る。通路60の閉鎖を解除した後、管路65を通して大
気開放してあるいは気体を導入して、空間S1、通路6
0および環状溝46を大気圧と等しくする。これにより
開閉蓋42とポッド本体41との間の真空吸着シールが
解除され、開閉蓋42を開くことができるようになる。
【0051】逆に環状溝46を真空排気して開閉蓋42
とポッド本体41とを吸着させるプロセスは以下の通り
である。まず閉鎖フランジ61aを開いた状態で、管路
65を真空源に接続し、空間S1および通路60を介し
て、環状溝46を真空排気する。次にアクチュエータ6
6を作動させて先ほどと逆の手順で引っかけアームと係
合用フランジ61cとの係合を解除する。これにより弁
体61はバネ62の力によって上方に移動し、閉鎖フラ
ンジ61aが通路60を閉鎖する。しかる後に管路65
を大気開放すれば、通路60側が真空、空間S1が大気
圧となり、内外の気圧差によって閉鎖フランジ61がし
っかりと通路60を閉鎖する。
【0052】続いてポッド40の内部の気体を置換する
ための機構について説明する。前に述べたように開閉蓋
42にはポッド内に気体を導入しまた排出するためのガ
ス入力ポート55、ガス出力ポート56が更に設けられ
ている。以下においてこれらガスポート55、56とそ
れらに関連するロードポート側のガス供給機構51、ガ
ス排気機構52の詳細を説明する。ガス入力ポート55
とガス出力ポート56およびガス供給機構51とガス排
気機構52はそれぞれ全く同一の構造であり、気体の流
れる方向が違うのみである。ここでは入力側、即ちガス
入力ポート55とガス供給機構51を例にとって説明す
る。
【0053】図6は開閉蓋のガス入力ポート55とそれ
に関連するロードポートのポッド開閉機構23のガス供
給機構51とを一部断面で示す側面図である。ガス入力
ポートはネジ78により開閉蓋42に固定されたバルブ
アセンブリ70を有している。バルブアセンブリ70内
には弁体71が上下方向に可動に設置されている。弁体
71はその周囲に設置された2つのコイルバネ72aお
よび72bにより下方に向かって付勢されている。通常
はこの付勢状態で弁体71の下面71aの周辺部分がバ
ルブアセンブリの内面70aと当接し、バルブアセンブ
リの下部開口70bを閉鎖している。弁体下面71aの
周辺部にはこの閉鎖の気密性を確保するためにOリング
74が設けられている。バルブアセンブリの上部開口に
はフィルタ73が取り付けられており、外部からポッド
に汚染物質が入り込むことを阻止している。
【0054】ポッド40がロードポートテーブル21に
置かれた状態で、ガス入力ポート55とガス供給機構5
1とが向き合う。ガス供給機構51はガス入力ポート5
5のバルブアセンブリ70を開くためのエアシリンダ7
6を有している。エアシリンダは空気圧により上下方向
に直動可能なシリンダピン77を有している。シリンダ
ピン77はバルブアセンブリ70の弁体71と整列して
いる。
【0055】ポッド内に非酸化性の窒素ガス等を導入す
る場合には、エアシリンダを作動させて、シリンダピン
77を上方に動かし、弁体71をコイルバネ72a、7
2bの付勢力に抗して上方に押し上げてバルブアセンブ
リ70の下部開口70bを開く。そしてガス源に接続さ
れた管路79、空間S2を介してポッド内にガスを供給
する。
【0056】ガス出力側のガス出力ポート56およびガ
ス排気機構52の構成は、入力側では管路79を通して
ガスが流入するのに対して、出力側ではガスが流出する
(排気される)、という点を除いてはガス入力側と同じ
であるので説明は省略する。
【0057】ガス供給機構51とガス排気機構52とに
よりガス入力ポート、ガス出力ポート両方のバルブアセ
ンブリを同時に開状態とし、ガス供給機構51の管路7
9から非酸化性ガスを供給することで、ポッド40内を
ガスパージし、非酸化性ガスで置換することができる。
【0058】ポッドの開閉蓋42には開閉蓋42のポッ
ド本体41からの脱落を防止するための機械式ラッチが
設けられている。この機構は、ポッドの搬送中などに何
らかの理由により環状溝46によるポッド本体41と開
閉蓋42との間の真空吸着が破綻した場合に開閉蓋42
が脱落するのを防止するものである。このラッチ機構を
図7を用いて説明する。
【0059】ラッチ機構は開閉蓋42の内部のほぼ中心
に、回動可能に設置された円形の回転カム板101を含
む。回転カム板には2つのカム溝101aおよび101
bが形成されている。ラッチ機構はまたスライド式のラ
ッチ部材103および104を含む。ラッチ部材10
3、104はそれぞれガイド部材106、107にガイ
ドされて図の上下方向にスライド可能である。ラッチ部
材103及び104にはそれぞれカムピン105および
106が植設されており、該カムピン105、106は
それぞれ回転カム板101のカム溝101a、101b
とカム係合している。
【0060】図7に示すように、それぞれのカム溝10
1a、101bは周方向位置に応じて回転カム板101
の中心からの距離が変化するような形状に形成されてい
る。このカム形状により、回転カム板101を左回りに
一杯に回転して図7に示された位置としたとき、それぞ
れのラッチ部材103、104は最も外側位置にスライ
ドし、それぞれの先端部103a、104aが開閉蓋4
2の周囲から突出する。開閉蓋がポッド本体41に取り
付けられている場合、この突出した先端部103a、1
04aがポッド本体41に設けたタブ110と重なり合
って開閉蓋41をポッド本体42にラッチする。逆に回
転カム板101を右回りに一杯に回転すると、ラッチ部
材103及び104は最内側位置にスライドし、図の2
点鎖線の位置となる。このときはラッチ部材の先端10
3a,104aは開閉蓋の周囲より引っ込んでおり、ポ
ッド本体のタブ110と協動しない状態となる。
【0061】なお、このラッチ機構は緊急時の開閉蓋の
脱落防止用であるにすぎない。つまり実際には通常は開
閉蓋42とボックス本体は環状溝46の排気により互い
に強く吸着しているのであって、このラッチ機構によっ
て蓋が係止されるわけではない。従ってここでこのラッ
チ部材103、104とタブ110の協動は非接触の協
動でよい。即ち開閉蓋42が吸着された状態で、下方向
から見てラッチの先端部103a,104aが重なるよ
うになっていればよい。このように非接触とすれば、ラ
ッチ機構を作動させたときのラッチ部材103、104
とタブ110との間の摩擦がなく、パーティクルが発生
しないので好適である。
【0062】回転カム板101の中心には、カム板10
1を回転駆動するためのラッチ駆動部109を設けてい
る。ラッチ駆動部109には周孔101cが形成されて
いる。
【0063】ロードポート20の昇降台22上には、ポ
ッド40をロードポートテーブル21の所定位置に置い
たときに上記ラッチ駆動部109と整列するラッチ開閉
機構120が設けてある。これを図8に示す。ラッチ開
閉機構120は軸Aを中心に回動可能な回転部材122
と回転部材122を空気圧により回転駆動するエアアク
チュエータ121を有する。回転部材の上部には2本の
ピン123が突出しており、ポッド40が所定位置に置
かれると、これらのピン123がポッド側のラッチ駆動
部109の周孔101cに嵌合する。この状態でエアア
クチュエータを作動させ、回転部材122を回転させる
ことで、ラッチ駆動部を介して回転カム板101を回転
し、開閉蓋42のラッチをかけ外しできる。
【0064】続いて以下において本実施形態のクリーン
搬送システムにおいてポッド40による半導体ウエハの
搬送と半導体ウエハ処理装置10への移送がどのように
行われるかを説明する。なお本実施形態において、搬送
されてくるポッド40は、その開閉蓋が環状溝46の真
空排気によりポッド本体に吸着されて気密シールされ、
またポッド内部は大気圧にほぼ等しい非酸化性の置換気
体で満たされている状態にあるとする。
【0065】OHT等の搬送系あるいは人力により他の
場所あるいは他の処理装置から搬送されてきたポッド4
0は、ポッドの底面の開閉蓋42に形成された位置決め
孔54a、54b、54cとロードポートの昇降台上に
設けられた位置決めピンとが嵌合するようにロードポー
ト20上に置かれる。
【0066】以降のプロセスは半導体ウエハ処理装置1
0のコンピュータ制御により自動的に行われる。以下の
プロセスの個々についての詳細は既に説明している。
【0067】ポッドが所定位置に置かれるとポッド本体
41の第2フランジ部41bに対接するロードポートテ
ーブル21の上面の環状溝26を不図示の手段により真
空排気して、ポッド本体41とロードポートテーブルと
を気密シールする。これによりポッド40及び装置10
の内部からなる系が外界に対して気密シールされ、この
系がクリーン空間として確保される。
【0068】同時に不図示の手段を用いてロードポート
の昇降台22の上面によりポッドの開閉蓋42を吸着す
る。この吸着は真空吸着でもよいし、機械的な手段を設
けてキャッチするようにしてもよい。
【0069】続いてロードポートはポッド開閉機構23
のラッチ開閉機構120によりポッドの開閉蓋42のメ
カニカルラッチを解除する。
【0070】次にポッド開閉機構23の真空機構53に
より、開閉蓋42の環状溝46を大気開放してあるいは
気体を導入して、開閉蓋42とポッド本体41との間の
真空吸着を解除する。
【0071】以上2つのプロセスにより開閉蓋42はポ
ッド本体からとり外し可能となる。そこで昇降台22を
下降させ、昇降台22に吸着されているポッドの開閉蓋
42をその上に固定されているウエハキャリア43と共
に下方に図1に示した位置まで移動する。
【0072】そこで装置本体30の移送ロボット31は
そのスイングアーム31bにより装置本体30とロード
ポート20の間の開口37を介してキャリア43からウ
エハWを一枚ずつ取り出す。移送ロボットは昇降台31
aにより昇降可能であり、高さを変えることによりキャ
リア43内のウエハを順次取り出すことができる。
【0073】昇降台31aの上下動とスイングアーム3
1bのスイング移動により、移送ロボット31はキャリ
アから取り出したウエハWを処理装置10のステージ3
5に載置する。
【0074】ステージ35で半導体ウエハ処理装置によ
る処理を受けた処理済みウエハWは、移送ロボット31
により、先程と逆の手順でキャリア43に置き戻され
る。
【0075】キャリア43内のすべてのウエハ、あるい
は所望数のウエハWの処理が終わると、ロードポート2
0の昇降台22を最上部の所定位置まで、即ち開閉蓋4
2が再びポッド本体41を閉じる所定位置となるまで上
昇させる。
【0076】ここでロードポートの真空機構53によ
り、開閉蓋42の環状溝46を真空排気して開閉蓋42
とポッド本体41との気密シールを行う。
【0077】続いてラッチ開閉機構120により開閉蓋
42のラッチ駆動部109を駆動して、開閉蓋のラッチ
103、104をかける。ポッドが気密シールされた後
にラッチをかけるので、ラッチをかける際にそれに関連
する諸機構の摩擦によりパーティクルが生じたとして
も、それがボックス内に侵入することはない。
【0078】次にロードポートのガス供給機構51及び
ガス排気機構52を作動させて、ポッド内を窒素等の非
酸化性ガスで置換する。なお、半導体ウエハ処理装置内
部が非酸化性ガス雰囲気となっている場合にはこのガス
置換プロセスは不要である。
【0079】次に昇降台22による開閉蓋42の吸着、
およびロードポートテーブル21とポッドの第2フラン
ジ41bとの間の真空吸着を解除する。これによりポッ
ド40は次の処理装置あるいは保管場所へと移送可能と
なる。
【0080】以上に説明した実施形態において、ポッド
本体41と開閉蓋42との間の気密シールを行うための
環状溝46は開閉蓋41側に設けているが、これをポッ
ド本体側の蓋との対接面である第1フランジ41a側に
設けてもよい。この場合、開閉蓋側には蓋をポッドに取
り付けた状態で、ポッド本体側の環状溝に連通する通路
60のみを設ければよい。
【0081】この本発明のポッドでは開閉蓋を真空吸着
することにより、メカニカルロックに比して数十倍のシ
ール力を得ることが可能である。我々が、本発明に従っ
て作成したポッドを用いて実験したところ、内部を窒素
ガス置換したボックスで、168時間後の酸素濃度を1
000ppmに維持することができ、ウエハ上の酸化膜
の増加を完全に抑えることができた。
【0082】またボックス内のパーティクルの侵入も有
効に抑制できることが見い出されている。
【0083】以上では半導体製造工程における半導体ウ
エハ処理装置に関連して本発明のクリーンボックス及び
クリーン搬送方法を説明したが、本発明はこれに限定さ
れるものではなく、その他のクリーンな環境で搬送され
るべき様々な物品の搬送に適用できる。
【0084】
【発明の効果】本発明のクリーンボックスは、蓋部材と
ボックス本体の一方にボックス開口を取り囲んで環状溝
を形成し、ボックス本体と蓋部材の間に画成される密閉
空間を排気して真空吸着させることにより、従来のメカ
ニカルな蓋ロックに比して数十倍のシール力が得られ
る。これによりボックス内部を非酸化性気体などで置換
した場合でも、気体の漏洩がなく、長時間にわたって有
効なシールを与える。また、パーティクルの侵入も有効
に防ぐことができる。
【0085】また本発明では吸着用の環状溝の吸排気口
を蓋部材に設けているので、クリーン装置のロードポー
ト等によりボックスの蓋部材を開閉する場合に一方向、
即ち蓋の方向からのみアクセスすればよいのでシステム
の構成上好都合である。またクリーンボックスをロード
ポートに設置する場合にボックスの一面のみを位置合わ
せすればよいので簡便である。
【0086】更に、本発明の一態様のクリーンボックス
は、ボックス内部の気体の置換を可能とするための気体
の出入りを許容するバルブ手段を蓋部材上に設けてい
る。バルブ手段も蓋部材上に設けることにより、ロード
ポート側からのこのバルブへのアクセスも蓋側のみとす
ることができ、上と同様にクリーンボックスの位置合わ
せも一面だけでよい。
【0087】また本発明のクリーンボックスは吸排気口
あるいはバルブ手段を蓋部材側に設けているので、ボッ
クス本体側の構成が単純である。即ちボックス本体側を
一体に成形できるので、壊れにくいボックスとすること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のクリーンボックス(ポッド)を用いた
局所クリーンシステムの実施形態としての半導体ウエハ
処理装置を図式的に示す図である。
【図2】図1のクリーンボックスの詳細を示す側面図で
ある。
【図3】同じくクリーンボックスの底面図である。
【図4】クリーンボックスの開閉蓋の真空ポート及びそ
れに関連する真空機構を一部断面で示す側面図である。
【図5】図4の線V−Vに沿った矢視図である。
【図6】クリーンボックスの開閉蓋のガス入力ポートお
よびそれに関連するガス供給機構とを一部断面図で示す
側面図である。
【図7】クリーンボックスの開閉蓋のラッチ機構を示す
底面図である。
【図8】ロードポートのラッチ開閉機構を示す側面図で
ある。
【符号の説明】
10 半導体ウエハ処理装置 20 ロードポート 21 ロードポートテーブル 22 昇降台 23 ポッド開閉機構 25 Oリング 26 溝 27 Oリング 30 装置本体 31 移送ロボット 32 ファン吸気装置 35 ステージ 37 開口 40 ポッド(クリーンボックス) 41 ポッド本体 42 開閉蓋 43 キャリア 45 Oリング 46 環状溝 51 ガス供給機構 52 ガス排気機構 53 真空機構 54a、54b、54c 位置あわせ孔 55 ガス入力ポート 56 ガス出力ポート 57 真空ポート 60 通路 61 弁体 62 コイルバネ 63 Oリング 65 管路 66 アクチュエータ 67 引っかけアーム 70 バルブアセンブリ 71 弁体 72a、72b コイルバネ 73 フィルタ 76 エアシリンダ 77 シリンダピン 79 管路 101 回転カム板 101a、101b カム溝 103、104 ラッチ部材 106、107 ガイド部材 109 ラッチ駆動部 110 タブ 120 ラッチ開閉機構 121 エアアクチュエータ 122 回転部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3E084 AA05 AA14 AB10 BA02 EA01 EB03 FA09 FD20 GA08 GB19 GB30 HA03 HA04 HB04 HD01 JA20 5F031 CA02 DA08 EA11 EA12 EA14 GA43 NA05

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一面に開口を有するボックス本体と、該
    開口を閉鎖するための蓋部材と、ボックス本体又は蓋部
    材の少なくとも一方に前記開口を取り囲むように形成さ
    れた、蓋部材がボックス本体に装着された状態で蓋部材
    とボックス本体との間で密閉された吸着用空間を画成す
    る環状溝と、蓋部材に形成された、前記環状溝を外部か
    ら真空排気/真空解除するための吸排気口手段とを有す
    るクリーンボックス。
  2. 【請求項2】 前記蓋部材にボックス内部の気体の置換
    のために気体の出入りを許容するバルブ手段を更に有す
    る請求項1記載のクリーンボックス。
  3. 【請求項3】 ボックス本体からの蓋部材の脱落を防止
    するための機械的なラッチを更に有する請求項1又は2
    記載のクリーンボックス。
  4. 【請求項4】 前記機械的ラッチは前記蓋部材側の外部
    から該ラッチを開閉するための機構を有する請求項3記
    載のクリーンボックス。
  5. 【請求項5】 下面に開口を有するボックス本体と、該
    開口を閉鎖するための蓋部材と、ボックス本体又は蓋部
    材の少なくとも一方に前記開口を取り囲むように形成さ
    れた、蓋部材がボックス本体に装着された状態で蓋部材
    とボックスとの間で密閉された吸着用空間を画成する環
    状溝と、蓋部材に形成された、前記環状溝を外部から真
    空排気/真空解除するための吸排気口手段とを有するク
    リーンボックスを用い、 前記環状溝を真空排気して吸着させた該クリーンボック
    スを、内部がクリーン環境になされているクリーン装置
    のロードポートであってクリーンボックスの蓋部材を開
    閉するためのボックス蓋開閉機構を有するロードポート
    上に、前記蓋部材とロードポート側のボックス蓋開閉機
    構とが対面するように位置合わせして設置し、 ロードポートのボックス蓋開閉機構により、クリーンボ
    ックスの蓋部材上に形成された前記吸排気口手段を通じ
    て前記吸着用空間の真空を解除し、蓋部材を開けてクリ
    ーンボックス内部の被搬送物を取り出してクリーン装置
    に移送するクリーン搬送方法。
  6. 【請求項6】 クリーン装置で処理を終えた被搬送物を
    クリーンボックス内に戻した後に、前記ボックス蓋開閉
    機構によりクリーンボックスの蓋部材を閉じ、前記吸排
    気機構を通じて前記吸着用空間を排気して蓋部材とボッ
    クス本体とを吸着させることを特徴とする請求項5記載
    クリーン搬送方法。
  7. 【請求項7】 前記クリーンボックスがボックス内部の
    気体の置換を許容するためのバルブ手段を有し、クリー
    ン装置で処理を終えた被搬送物をクリーンボックス内に
    戻し、クリーンボックスの蓋部材を閉じ、前記吸排気機
    構を通じて前記吸着用空間を排気して蓋部材とボックス
    本体とを吸着させた後に、バルブ手段を通じてボックス
    内部空間の気体の置換を行うことを特徴とする請求項5
    記載のクリーン搬送方法。
  8. 【請求項8】 前記クリーンボックスが蓋部材がボック
    ス本体から脱落することを防止する機械的ラッチを有
    し、ボックス蓋開閉機構は吸着空間の真空を解除する前
    に該機械的ラッチを解除することを特徴とする請求項5
    乃至7のいずれかに記載のクリーン搬送方法。
  9. 【請求項9】 クリーン装置で処理を終えた被搬送物を
    クリーンボックスに戻した後には、前記吸着用空間を排
    気して蓋部材とボックス本体とを吸着させた後に前記機
    械的ラッチをかけることを特徴とする請求項8記載のク
    リーン搬送方法。
  10. 【請求項10】 一面に開口を有するボックス本体と、
    該開口を閉鎖するための蓋部材と、ボックス本体又は蓋
    部材の少なくとも一方に前記開口を取り囲むように形成
    された、蓋部材がボックス本体に装着された状態で蓋部
    材とボックスとの間で密閉された吸着用空間を画成する
    環状溝と、蓋部材に形成された、前記環状溝を外部から
    真空排気/真空解除するための吸排気口手段とを有する
    クリーンボックスと、 内部がクリーン環境になされているクリーン装置のロー
    ドポートであってクリーンボックスの蓋部材を開閉する
    ためのボックス蓋開閉機構を有するロードポートとを有
    し、 前記クリーンボックスは前記蓋部材とロードポート側の
    ボックス蓋開閉機構とが対面するように位置合わせして
    設置され、 ロードポートのボックス蓋開閉機構は、クリーンボック
    スの蓋部材上に形成された前記吸排気口手段を通じて前
    記吸着用空間の真空を解除し、蓋部材を開けてクリーン
    ボックス内部の被搬送物を取り出すことを特徴とするク
    リーン搬送システム。
  11. 【請求項11】 クリーン装置で処理を終えた被搬送物
    をクリーンボックス内に戻した後に、前記ボックス蓋開
    閉機構はクリーンボックスの蓋部材を閉じ、前記吸排気
    機構を通じて前記吸着用空間を排気して蓋部材とボック
    ス本体とを吸着させることを特徴とする請求項10記載
    クリーン搬送システム。
  12. 【請求項12】 前記クリーンボックスがボックス内部
    の気体の置換を許容するためのバルブ手段を有し、前記
    ロードポートは前記バルブ手段を通じてクリーンボック
    ス内の気体を置換する気体置換手段を更に有し、該気体
    置換手段は、前記ボックス蓋開閉機構はクリーン装置で
    処理を終えた被搬送物をクリーンボックス内に戻し、ク
    リーンボックスの蓋部材を閉じ、前記吸排気機構を通じ
    て前記吸着用空間を排気して蓋部材とボックス本体とを
    吸着させた後に、バルブ手段を通じてボックス内部空間
    の気体の置換を行うことを特徴とする請求項10記載の
    クリーン搬送システム。
  13. 【請求項13】 前記クリーンボックスが蓋部材がボッ
    クス本体から脱落することを防止する機械的ラッチを有
    し、ボックス蓋開閉機構は該ラッチを蓋部材側から開閉
    するラッチ開閉機構を更に有し、該ラッチ開閉機構によ
    り吸着空間の真空を解除する前に該機械的ラッチを解除
    することを特徴とする請求項10乃至12のいずれかに
    記載のクリーン搬送システム。
  14. 【請求項14】 クリーン装置で処理を終えた被搬送物
    をクリーンボックスに戻した後、前記吸着用空間を排気
    して蓋部材とボックス本体とを吸着させた後にラッチ開
    閉機構は前記機械的ラッチをかけることを特徴とする請
    求項15記載のクリーン搬送方法。
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