JP2000312976A - プロジェクション溶接の非破壊検査方法、非破壊検査装置、溶接装置及び溶接加工品の生産方法 - Google Patents

プロジェクション溶接の非破壊検査方法、非破壊検査装置、溶接装置及び溶接加工品の生産方法

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JP2000312976A
JP2000312976A JP22991899A JP22991899A JP2000312976A JP 2000312976 A JP2000312976 A JP 2000312976A JP 22991899 A JP22991899 A JP 22991899A JP 22991899 A JP22991899 A JP 22991899A JP 2000312976 A JP2000312976 A JP 2000312976A
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displacement
voltage
projection
strength
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Kotaro Nagai
高太郎 永井
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 適正に溶接が行われて必要溶接強度が出てい
るかどうかを破壊することなく適正迅速に判定できるプ
ロジェクション溶接の非破壊検査装置を提供する。 【解決手段】 通電開始から設定時間までの電圧データ
の合計値ΣVで判定する第一判定工程と、通電から最大
電圧までの最大電圧到達時間で判定する第二判定工程
と、通電から所定電極間変位までの所定変位到達時間で
判定する第三判定工程と、電極間変位の最大値で判定す
る第四判定工程との四判定工程のいずれか一つの判定工
程を演算処理する演算処理装置を備えたプロジェクショ
ン溶接の非破壊検査装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プロジェクション
溶接において適正に溶接が行われているかどうかを破壊
することなく適正迅速に判定できるプロジェクション溶
接の非破壊検査方法、非破壊検査装置、溶接装置及び溶
接加工品の生産方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の電気溶接における溶接部
位の適正判断をする抵抗溶接の溶接品質監視装置として
は、特開平6−170552号公報が開示されている。
【0003】この溶接品質監視装置では、チップ間電圧
と、トロイダルコイルと積分機により検出した溶接電流
を用いて、熱伝導モデルによる被溶接材の温度分布と推
定ナゲット径を推定算出するもので、被溶接材の形状と
材質を入力する入力手段と、溶接電流とチップ間電圧を
検出する手段と、両検出値から熱伝導モデルに基づいて
被溶接材温度を算出すると共に、この算出された温度分
布に基づいて推定ナゲット径を入力する手段と、被溶接
物の溶接強度確保に必要な基準ナゲット径を入力する手
段と、推定ナゲット径と基準ナゲット径とを比較し、比
較結果を出力する手段を備えている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この装
置は、実際の使用が複雑ではあったが、抵抗溶接の内、
スポット溶接に全数非破壊検査の実用化を成した点で評
価されていた。しかし、プロジェクション溶接には依然
として実用化が成されていなかった。
【0005】そのためプロジェクション溶接の溶接強度
検査は、抜き取りでの引張強度試験による判定が一般的
で、全数検査できないのが実状であった。
【0006】本発明は、このような問題に着目したもの
であり、適正に溶接が行われて必要溶接強度が出ている
かどうかを全数破壊することなく適正迅速に判定できる
プロジェクション溶接の非破壊検査方法、非破壊検査装
置、溶接装置及び溶接加工品の生産方法を提供すること
を目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本願の請求項1にかかる発明は、プロジェクション
を介して当接された二枚の鋼板の前記プロジェクション
部位を溶接機本体の電極で加圧通電し、溶融して形成し
たナゲットの溶接強度を非破壊で検査するプロジェクシ
ョン溶接の非破壊検査装置において、通電開始から設定
された時間までの所定サイクル毎の電圧データの合計値
が、溶接強度判定閾値電圧以上のときは必要溶接強度以
上と判定し、前記溶接強度判定閾値電圧未満のときは必
要溶接強度未満と判定する第一判定工程と、通電から最
大電圧を示すまでの最大電圧到達時間が、溶接強度判定
閾値電圧時間を超えるとき必要溶接強度未満と判定し、
前記溶接強度判定閾値電圧時間以下のとき必要溶接強度
以上と判定する第二判定工程と、通電から所定電極間変
位を示すまでの所定変位到達時間が、溶接強度判定閾値
変位時間を超えるとき必要溶接強度未満と判定し、前記
溶接強度判定閾値変位時間以下のとき必要溶接強度以上
と判定する第三判定工程と、電極間変位の最大値が、溶
接強度判定閾値変位以上のとき必要溶接強度以上と判定
し、前記溶接強度判定閾値変位未満のとき必要溶接強度
未満と判定する第四判定工程との四判定工程のいずれか
一つの判定工程を演算処理する演算処理部を備えたこと
を特徴とするプロジェクション溶接の非破壊検査装置と
している。
【0008】請求項2にかかる発明は、プロジェクショ
ンを介して当接された二枚の鋼板の前記プロジェクショ
ン部位を溶接機本体の電極で加圧通電し、溶融して形成
したナゲットの溶接強度を非破壊で検査するプロジェク
ション溶接の非破壊検査装置において、通電開始から設
定された時間までの所定サイクル毎の電圧データの合計
値が、溶接強度判定閾値電圧以上のときは必要溶接強度
以上と判定し、前記溶接強度判定閾値電圧未満のときは
必要溶接強度未満と判定する第一判定工程と、通電から
最大電圧を示すまでの最大電圧到達時間が、溶接強度判
定閾値電圧時間を超えるとき必要溶接強度未満と判定
し、前記溶接強度判定閾値電圧時間以下のとき必要溶接
強度以上と判定する第二判定工程と、通電から所定電極
間変位を示すまでの所定変位到達時間が、溶接強度判定
閾値変位時間を超えるとき必要溶接強度未満と判定し、
前記溶接強度判定閾値変位時間以下のとき必要溶接強度
以上と判定する第三判定工程と、電極間変位の最大値
が、溶接強度判定閾値変位以上のとき必要溶接強度以上
と判定し、前記溶接強度判定閾値変位未満のとき必要溶
接強度未満と判定する第四判定工程との四判定工程の少
なくともいずれか二つの判定工程を、演算処理する演算
処理部を備えたことを特徴とするプロジェクション溶接
の非破壊検査装置としている。
【0009】請求項3にかかる発明は、プロジェクショ
ンを介して当接された二枚の鋼板の前記プロジェクショ
ン部位を溶接機本体の電極で加圧通電し、溶融して形成
したナゲットの溶接強度を非破壊で検査するプロジェク
ション溶接の非破壊検査装置において、前記溶接機本体
の電極間変位を検出する変位検出器と、前記溶接機本体
の電極間にかかる電圧を検出する電圧検出器と、前記変
位検出器からの電極間変位データ及び前記電圧検出器か
らの電圧データを受けて前記ナゲットの溶接強度が基準
以上か否かを判定するまでの演算処理を行う演算処理装
置とを有することを特徴とするプロジェクション溶接の
非破壊検査装置としている。
【0010】請求項4にかかる発明は、プロジェクショ
ンを介して当接された二枚の鋼板の前記プロジェクショ
ン部位を溶接機本体の電極で加圧通電し、溶融して形成
したナゲットの溶接強度を非破壊で検査し、前記ナゲッ
トの良否を判定して溶接するプロジェクション溶接の非
破壊検査装置において、溶接機本体を、インプットされ
た溶接諸条件をアウトプットして制御するとともに、溶
接不良の際には警告を発する溶接制御装置と、該溶接制
御装置からの溶接条件で溶接した前記溶接機本体の電極
間変位を検出する変位検出器と、前記溶接制御装置から
の溶接条件で溶接した前記溶接機本体の電極間にかかる
電圧を検出する電圧検出器と、前記変位検出器からの電
極間変位データ及び前記電圧検出器からの電圧データを
受けて前記ナゲットの溶接強度が基準以上か否かを判定
するまでの演算処理を行い、溶接強度が基準以下である
とき溶接不良信号を前記溶接制御装置に送信する演算処
理装置とを有することを特徴とするプロジェクション溶
接の非破壊検査装置としている。
【0011】請求項5にかかる発明は、請求項3または
4において、前記演算処理装置は、前記電極間変位デー
タ及び前記電圧データから判定因子計算をするととも
に、板厚データ及び溶接打点数から判定グラフを選択し
て前記ナゲットの良否を判定することを特徴とするプロ
ジェクション溶接の非破壊検査装置としている。
【0012】請求項6にかかる発明は、プロジェクショ
ンを介して当接された二枚の鋼板の前記プロジェクショ
ン部位を電極で加圧通電し、溶融させてナゲットを形成
する溶接機本体と、該溶接機本体の加圧通電を制御する
溶接制御装置とを備えた溶接機並びに、前記溶接機本体
の電極間変位を検出する変位検出器と、前記溶接機本体
の電極間にかかる電圧を検出する電圧検出器と、前記変
位検出器からの電極間変位データ及び前記電圧検出器か
らの電圧データを受けて前記ナゲットの溶接強度が基準
以上か否かを判定するまでの演算処理を行うとともに、
判定結果を前記溶接制御装置に送信する演算処理装置を
有することを特徴とするプロジェクション溶接装置とし
ている。
【0013】請求項7にかかる発明は、プロジェクショ
ン部位を溶接機本体の電極で加圧通電し、溶融させて形
成したナゲットの溶接強度を非破壊で検査して溶接加工
品を生産する溶接加工品の生産方法において、前記溶接
機本体で溶接制御装置からアウトプットされた溶接諸条
件で前記プロジェクション部位を溶接し、変位検出器及
び電圧検出器でそれぞれ、前記溶接機本体の電極間変位
及び電極間電圧を検出し、演算処理装置で前記変位検出
器からの電極間変位データ及び前記電圧検出器からの溶
接電圧データを受けて前記ナゲットの溶接強度が基準以
上か否かを判定するまでの演算処理を行い、溶接強度が
基準以下であるとき溶接不良信号を発信し、前記溶接機
本体で溶接不良に該当するナゲットのプロジェクション
部位を再溶接して前記溶接加工品を生産することを特徴
とする溶接加工品の生産方法としている。
【0014】請求項8にかかる発明は、プロジェクショ
ンを介して当接された二枚の鋼板の前記プロジェクショ
ン部位を溶接機本体の電極で加圧通電し、溶融して形成
したナゲットの溶接強度を非破壊で検査するプロジェク
ション溶接の非破壊検査方法において、一台の演算処理
装置に対し複数の前記溶接機本体が接続されており、そ
のうちの一台の前記溶接機本体の変位検出器からの電極
間変位データ及び電圧検出器からの電圧データを受けて
前記ナゲットの溶接強度が基準以上か否かを判定するま
での演算処理を前記演算処理装置で行った後、他の前記
溶接機本体を同様に前記演算処理装置で順次演算処理を
行うことを特徴とするプロジェクション溶接の非破壊検
査方法としている。
【0015】請求項9にかかる発明は、請求項8におい
て、複数の前記溶接機本体の演算処理を順次行うことを
一サイクルとしてこれを繰り返し行うことを特徴とする
プロジェクション溶接の非破壊検査方法としている。
【0016】請求項10にかかる発明は、請求項8また
は9において、一台の前記溶接機本体の演算処理を行っ
ている間、他の前記溶接機本体は溶接を行っていること
を特徴とするプロジェクション溶接の非破壊検査方法と
している。
【0017】請求項11にかかる発明は、プロジェクシ
ョンを介して当接された二枚の鋼板の前記プロジェクシ
ョン部位を溶接機本体の電極で加圧通電し、溶融して形
成したナゲットの溶接強度を非破壊で検査するプロジェ
クション溶接の非破壊検査装置において、複数の前記溶
接機本体の電極間変位を検出する複数の変位検出器と、
複数の前記溶接機本体の電極間にかかる電圧を検出する
一乃至複数の電圧検出器と、前記各変位検出器からの電
極間変位データ及び前記各電圧検出器からの電圧データ
を受けて前記ナゲットの溶接強度が基準以上か否かを判
定するまでの演算処理を行う一台の演算処理装置とを有
することを特徴とするプロジェクション溶接の非破壊検
査装置としている。
【0018】請求項12にかかる発明は、プロジェクシ
ョンを介して当接された二枚の鋼板の前記プロジェクシ
ョン部位を溶接機本体の電極で加圧通電し、溶融して形
成したナゲットの溶接強度を非破壊で検査し、前記ナゲ
ットの良否を判定して溶接をするプロジェクション溶接
の非破壊検査装置において、複数の前記溶接機本体を、
インプットされた溶接諸条件をアウトプットして制御す
るとともに、溶接不良の際には警告を発する一台の溶接
制御装置と、該溶接制御装置からの溶接条件で溶接した
複数の前記溶接機本体の電極間変位を検出する複数の変
位検出器と、前記溶接制御装置からの溶接条件で溶接し
た複数の前記溶接機本体の電極間にかかる電圧を検出す
る一乃至複数の電圧検出器と、前記各変位検出器からの
電極間変位データ及び前記各電圧検出器からの電圧デー
タを受けて前記ナゲットの溶接強度が基準以上か否かを
判定するまでの演算処理を行い、溶接強度が基準以下で
あるとき溶接不良信号を前記溶接制御装置に送信する一
台の演算処理装置とを有することを特徴とするプロジェ
クション溶接の非破壊検査装置としている。
【0019】請求項13にかかる発明は、請求項11ま
たは12において、前記演算処理装置は、前記各電極間
変位データ及び前記各電圧データから判定因子計算をす
るとともに、板厚データ及び溶接打点数から判定グラフ
を選択して前記ナゲットの良否を判定することを特徴と
するプロジェクション溶接の非破壊検査装置としてい
る。
【0020】請求項14にかかる発明は、プロジェクシ
ョンを介して当接された二枚の鋼板の前記プロジェクシ
ョン部位を電極で加圧通電し、溶融させてナゲットを形
成する複数の溶接機本体と、該各溶接機本体の加圧通電
を制御する一台の溶接制御装置とを備えた溶接機並び
に、前記各溶接機本体の電極間変位を検出する複数の変
位検出器と、前記各溶接機本体の電極間にかかる電圧を
検出する一乃至複数の電圧検出器と、前記各変位検出器
からの電極間変位データ及び前記各電圧検出器からの電
圧データを受けて前記ナゲットの溶接強度が基準以上か
否かを判定するまでの演算処理を行うとともに、判定結
果を前記溶接制御装置に送信する一台の演算処理装置と
を備えた非破壊検査装置を有することを特徴とするプロ
ジェクション溶接装置としている。
【0021】請求項15にかかる発明は、プロジェクシ
ョン部位を溶接機本体の電極で加圧通電し、溶融させて
形成したナゲットの溶接強度を非破壊で検査して溶接加
工品を生産する溶接加工品の生産方法において、前記各
溶接機本体で一台の溶接制御装置からアウトプットされ
た溶接諸条件で前記プロジェクション部位を溶接し、変
位検出器及び電圧検出器でそれぞれ、前記各溶接機本体
の電極間変位及び電極間電圧を検出し、一台の演算処理
装置で前記各変位検出器からの電極間変位データ及び前
記各電圧検出器からの電圧データを受けて前記ナゲット
の溶接強度が基準以上か否かを判定するまでの演算処理
を行い、溶接強度が基準以下であるとき溶接不良信号を
発信し、前記各溶接機本体で溶接不良に該当するナゲッ
トのプロジェクション部位を再溶接して前記溶接加工品
を生産することを特徴とする溶接加工品の生産方法とし
ている。
【0022】
【作用】本発明の請求項1のプロジェクション溶接の非
破壊検査装置は、以下の第一から第四判定工程の四判定
工程のいずれか一つの判定工程を演算処理する。
【0023】すなわち、その第一判定工程においては、
通電開始から設定された時間までの所定サイクル毎の電
圧データの合計値が、溶接強度判定閾値電圧以上のとき
は十分な電流が流れ、二枚の鋼板間の抵抗によって発熱
溶融し適正なナゲットができたと想定し、必要溶接強度
以上と判定し、その部位の溶接品質を合格とする。その
逆に前記溶接強度判定閾値電圧未満のときは必要溶接強
度未満と判定し、不合格とする。不合格となれば溶接不
良として製品をはねる。
【0024】第二判定工程においては、通電から最大電
圧を示すまでの最大電圧到達時間が、溶接強度判定閾値
電圧時間を超えるとき十分な熱容量が得られず、適正な
ナゲットが形成されなかったとして必要溶接強度未満と
判定し、製品をはね、前記溶接強度判定閾値電圧時間以
下のとき必要溶接強度以上と判定する。
【0025】第三判定工程においては、通電から所定電
極間変位を示すまでの所定変位到達時間が、溶接強度判
定閾値変位時間を超えるとき十分な熱容量が得られず、
適正なナゲットが形成されなかったとして必要溶接強度
未満と判定し、製品をはね、前記溶接強度判定閾値変位
時間以下のとき必要溶接強度以上と判定する。
【0026】第四判定工程においては、電極間変位の最
大値が、溶接強度判定閾値変位未満のとき十分な熱容量
が得られず、適正なナゲットが形成されなかったとして
必要溶接強度未満と判定し、製品をはね、前記溶接強度
判定閾値変位以上のとき必要溶接強度以上と判定し、正
確な精度で溶接品質の合格の認定をする。
【0027】このため、上記判定工程を適宜に選択する
ことにより、設備、時間、現場に応じた検査を行うこと
ができる。
【0028】また、請求項2の発明は、第一から第四判
定工程の四判定工程のうち少なくともいずれか二つの判
定工程の判定を行うのでより精度の高い判定が出来る。
【0029】また、請求項3の発明は、行った溶接にお
いて、変位検出器からの電極間変位及び電圧検出器から
の電圧データを受けて演算処理装置で溶接の良否を判定
する。
【0030】また、請求項4の発明は、溶接制御装置か
ら溶接諸条件を受けて溶接機本体を制御し、この溶接機
本体の電極間変位、電極間電圧をそれぞれ変位検出器、
電圧検出器で検出し、これらデータをもとに溶接の良否
を演算処理装置で判定し、溶接不良の際には溶接不良の
警告を発する。
【0031】また、請求項5の発明は、上記演算装置
で、電極間変位データ、電圧データから判定因子計算を
し、板厚データ、溶接打点数から判定グラフを選択して
ナゲット、すなわち溶接の良否を判定する。
【0032】また、請求項6の発明は、溶接機では、溶
接機本体を溶接制御装置で制御して加圧通電してプロジ
ェクション部位を溶接し、検査装置で変位検出器からの
電極間変位データ及び電圧検出器からの電圧データを受
けて形成されたナゲットの溶接強度が基準以上か否かを
演算処理装置で判定し、判定結果を溶接制御装置に送信
する。
【0033】また、請求項7の発明は、溶接機本体を溶
接制御装置で制御してプロジェクション部位を溶接し、
変位検出器及び電圧検出器からのデータを演算処理装置
で演算処理し、形成されたナゲットの良否を判定し、溶
接不良の場合は信号を発し、再溶接して溶接加工品を生
産する。
【0034】また、請求項8の発明は、一台の演算処理
装置でもって、複数の溶接機本体で形成されるナゲット
の溶接強度が基準以上か否かを順次演算処理を行う。
【0035】また、請求項9の発明は、一台の演算処理
装置でもって、複数の溶接機本体で形成されるナゲット
の溶接強度が基準以上か否かを順次演算処理を行うサイ
クルを、さらに繰り返し行う。
【0036】また、請求項10の発明は、溶接機本体が
溶接して稼働している間に、順次各溶接機本体での溶接
状況を平行して検査することができる。
【0037】また、請求項11の発明は、一台の溶接制
御装置から受ける溶接条件に基づいて複数の溶接機本体
で行った溶接について、各変位検出器からの電極間変位
データ及び各電圧検出器からの電圧データを受けて一台
の演算処理装置で溶接の良否を判定する。
【0038】また、請求項12の発明は、一台の溶接制
御装置から溶接諸条件を受けて各溶接機本体を制御し、
これらの溶接機本体の電極間変位、電極間電圧をそれぞ
れ各変位検出器、各電圧検出器で検出し、これらデータ
をもとに溶接の良否を一台の演算処理装置で判定し、溶
接不良の際には溶接不良の警告を発する。
【0039】また、請求項13の発明は、上記一台の演
算処理装置で、電極間変位データ、電圧データから判定
因子計算をし、板厚データ、溶接打点数から判定グラフ
を選択してナゲット、すなわち溶接の良否を判定する。
【0040】また、請求項14の発明は、溶接機では、
複数の溶接機本体を一台の溶接制御装置で制御して加圧
通電してプロジェクション部位を溶接し、該当する溶接
機本体の変位検出器からの電極間変位データ及び電圧検
出器からの電圧データを非破壊検査装置で受けて形成さ
れたナゲットの溶接強度が基準以上か否かを一台の演算
処理装置で判定し、判定結果を一台の溶接制御装置に送
信する。
【0041】また、請求項15の発明は、複数の溶接機
本体を一台の溶接制御装置で制御してプロジェクション
部位を溶接し、各溶接機本体の変位検出器及び電圧検出
器からのデータを一台の演算処理装置で演算処理し、形
成されたナゲットの良否を判定し、溶接不良の場合は信
号を発し、再溶接して溶接加工品を生産する。
【0042】
【発明の実施の形態】次に、本発明の好ましい実施形態
にかかるプロジェクション溶接の非破壊検査方法、非破
壊検査装置、溶接装置及び溶接加工品の生産方法を図面
に基づいて説明する。
【0043】図1は、本発明の第一実施形態にかかるプ
ロジェクション溶接の非破壊検査装置の検査方法を示す
フローチャート(A)、プロジェクション溶接の溶接デ
ータ測定装置の概略図(B)及び時間電圧曲線図(C)
を示している。
【0044】図中、1、2は電極、例えば溶接電極チッ
プで、プロジェクション3が突起状に形成された厚板鋼
板4と、板厚が薄い鋼板5とを、プロジェクション3を
介して当接させた状態でこのプロジェクション部位を加
圧通電し、ナゲットを形成している。一般に、プロジェ
クション溶接は、溶接する板厚の差が極端に違う、すな
わち溶融熱容量が異なるときに、または電流を必要なと
ころ(ナゲットを作りたいところ)に集中させるために
行われる溶接方法である。
【0045】非破壊検査装置6は、電極1と線7で接続
されるとともに、電極2と電圧検出線8及び電流検出線
9とで接続され、あるいは関連付けられていて、必要な
データを一プロジェクション溶接毎に測定し、得られた
データを演算処理して溶接強度を判定し、溶接の合否を
表示する。
【0046】図1(A)のフローチャート及び図1
(C)の時間電圧曲線図で非破壊検査の第一判定工程を
説明する。「開始」によって、非破壊検査装置6で「測
定」を開始する。次に通電開始から設定された時間(溶
け込み開始までの時間であるが、外見から判断できない
ので実験結果などから決定)の所定サイクル、ここでは
0.5サイクル毎の電圧データ(VχーVo)の「電圧
データ合計値ΣVが、溶接強度判定閾値電圧VL以上か
否かを判断」する。判断の結果、以上である場合には、
「必要溶接強度FR以上を表示」する。一方、未満の場
合には、「必要溶接強度FR未満を表示」して、溶接品
質に不良が発生したことを知らせ、製品からはねる。こ
のようにして測定、検査を「終了」する。
【0047】図2は本発明の第二実施形態にかかるプロ
ジェクション溶接の非破壊検査装置6の検査方法を示す
フローチャートである。このフローチャートと、先述し
たプロジェクション溶接の溶接データ測定装置を示す図
1(B)、時間電圧曲線の図1(C)、時間電極間変位
曲線の図3とでプロジェクション溶接の非破壊検査方法
を説明する。
【0048】「開始」によって、非破壊検査装置6で
「測定」を開始する。次に通電開始から溶け込み開始で
ある設定された時間までの所定サイクル、ここでは0.
5サイクル毎の電圧データ(VχーVo)の「電圧デー
タ合計値ΣVが、溶接強度判定閾値電圧VL以上か否か
を判断」する。判断の結果、未満の場合には、「必要溶
接強度FR未満を表示」して、溶接品質に不良が発生し
たことを知らせ、製品からはねる。
【0049】また、判断の結果、以上である場合には、
電圧データの合計値を用いた第一判定工程で必要溶接強
度以上と判定されたナゲットについて、図1(C)に示
すように通電から最大電圧を示すまでの最大電圧到達時
間Tvmaxが、溶接強度判定閾値電圧時間TvLを超える
とき十分な熱容量が得られず、適正なナゲットが形成さ
れなかったとして必要溶接強度FR未満と判定し、「必
要溶接強度FR未満を表示」し、製品をはね、前記溶接
強度判定閾値電圧時間TvL以下のとき必要溶接強度FR
以上と判定し、「必要溶接強度FR以上を表示」する第
二判定工程とをなし、より正確な精度で溶接品質の合格
の認定をする。以上のようにして、測定、検査を「終
了」する。
【0050】図4は本発明の第三実施形態にかかるプロ
ジェクション溶接の非破壊検査装置6の検査方法を示す
フローチャートである。このフローチャートと、先述し
たプロジェクション溶接の溶接データ測定装置を示す図
1(B)、時間電圧曲線の図1(C)、時間電極間変位
曲線の図3とでプロジェクション溶接の非破壊検査方法
を説明する。
【0051】「開始」によって、非破壊検査装置6で
「測定」を開始する。次に通電開始から溶け込み開始で
ある設定された時間までの所定サイクル、ここでは0.
5サイクル毎の電圧データ(VχーVo)の「電圧デー
タ合計値ΣVが、溶接強度判定閾値電圧VL以上か否か
を判断」する。判断の結果、未満の場合には、「必要溶
接強度FR未満を表示」して、溶接品質に不良が発生し
たことを知らせ、製品からはねる。
【0052】また、判断の結果、以上である場合には、
電圧データの合計値を用いた第一判定工程で必要溶接強
度FR以上と判定されたナゲットについて、さらなる
「測定」をする。図1(B)には二枚の鋼板4,5がプ
ロジェクション3を介して当接しており、その厚み、す
なわち溶接電極間距離X0が示されている。
【0053】この状態で、加圧通電をすることによって
プロジェクション3が溶け込みで潰れ、溶接電極間距離
X0は変化する。溶接電極間距離X0は、初期加圧でゼロ
設定がなされ、通電による溶け込みで変位が始まり、通
電から所定電極間変位HSを示すまでの「所定変位到達
時間TSが、閾値変位HLの時の溶接強度判定閾値変位時
間TL以下か否か」を判断する。以下でなく超えるとき
十分な熱容量が得られず、適正なナゲットが形成されな
かったとして「必要溶接強度FR未満表示」をして製品
をはね、一方溶接強度判定閾値変位時間TL以下のとき
「必要溶接強度FR以上表示」をして第三判定工程とを
なし、測定を「終了」する。この第三判定工程までする
ことにより、より正確な精度で溶接品質の合格の認定を
する。
【0054】第三実施形態同様、電極間変位Hを測定し
て検査を行う方法として、本発明の第四実施形態にかか
るプロジェクション溶接の非破壊検査装置6の検査方法
がある。図5はそのフローチャートを示している。この
フローチャートと、先述したプロジェクション溶接の溶
接データ測定装置を示す図1(B)、時間電極間変位曲
線の図3、時間電圧曲線の図1(C)とでプロジェクシ
ョン溶接の非破壊検査方法を説明する。
【0055】「開始」によって、溶接強度判定器6で
「測定」を開始する。次に通電開始から溶け込み開始で
ある設定された時間までの所定サイクル、ここでは0.
5サイクル毎の電圧データVχの「電圧データ合計値Σ
Vが、溶接強度判定閾値電圧VL’以上か否かを判断」
する。この電圧データをVχとする図6に示す方法は、
電圧データを(VχーVo)とする図1(C)に示す方
法に対して、同等の精度を持ちながら演算処理が簡略化
されている。
【0056】判断の結果、未満の場合には、「必要溶接
強度FR未満を表示」して、溶接品質に不良が発生した
ことを知らせ、製品からはねる。
【0057】また、判断の結果、以上である場合には、
電圧データの合計値を用いた第一判定工程で必要溶接強
度FR以上と判定されたナゲットについて、さらなる
「測定」をする。
【0058】図1(B)に示す状態で、加圧通電をする
ことによってプロジェクション3が溶け込みで潰れ、溶
接電極間距離X0は変化する。溶接電極間距離X0は、初
期加圧でゼロ設定がなされ、通電による溶け込みで変位
が始まり、「電極間変位の最大値Hmaxが、溶接強度判
定閾値変位HL’以上か否か」を判断する。以上でなく
未満のとき十分な熱容量が得られず、適正なナゲットが
形成されなかったとして「必要溶接強度FR未満を表
示」して製品をはね、一方溶接強度判定閾値変位HL’
以上のとき「必要溶接強度FR以上を表示」して第四判
定工程とをなし、測定を「終了」する。この第四判定工
程まですることにより、より正確な精度で溶接品質の合
格の認定をする。さらに、この第四判定工程によれば、
以下に述べるように第三判定工程に比べて判定誤差が生
じにくい。
【0059】すなわち、図3に示す時間電極間変位曲線
からもわかるように、第三判定工程が対象とする変位開
始時期の領域においては、電極間変位Hは溶接強度差に
よって大きく変化しないため、例えば図7に拡大して示
すようなノイズが測定された場合には、そのノイズに基
づき変位開始時期がTSfと認定され、実際の変位開始時
期TSとの間にずれを生じて判定誤差が生じることがあ
る。一方、第四判定工程が対象とする最大変位付近の領
域においては、電極間変位Hは溶接強度差によって大き
く変化するけれど、電極間変位Hの測定精度が高くその
ような判定誤差は生じにくい。
【0060】本発明の第五実施形態にかかるプロジェク
ション溶接の非破壊検査装置6の検査方法では、電極
1,2の使用回数が基準回数以下である場合には、図5
に示す第四実施形態のフローチャートに沿って検査が行
われ、電極1,2の使用回数が基準回数を超える場合に
は、図4に示す第三実施形態のフローチャートに沿って
検査が行われ、その第四実施形態の第四判定工程と第三
実施形態の第三判定工程とが排他的に選択されることに
よって判定工程選択工程を構成している。
【0061】電極1,2が新しいうちは、第四判定工程
は先述のように第三判定工程に比べて判定誤差を生じに
くいという長所を有するが、繰り返しの使用を経て電極
1,2が傷んでくると、電圧V、電極間変位Hの測定デ
ータに変化が起こり第四実施形態の判定精度が低下する
ことがある。この判定精度の低下を回避するには電極
1,2を早期に交換する必要があり、例えば電極寿命に
至る半分の使用回数でその交換を要することもある。
【0062】そこで、この第五実施形態では、第三実施
形態と第四実施形態との優位性が逆転する電極1,2の
使用回数を基準回数と設定し、第四判定工程の判定精度
が低下するより前に第三判定工程に切り換えることによ
って、検査精度の維持と電極1,2の交換サイクルの延
長とを両立させている。なお、その基準回数の具体的な
設定法としては、経験値に基づく所定の使用回数を予め
基準回数と定めておくとか、あるいは、観測されるノイ
ズのピークがある一定値を超えたときから所定回数を経
た後に第四判定工程から第三判定工程に切り換える場合
の、その所定回数を基準回数とする等の方法が挙げられ
る。
【0063】また、電極チップの使用回数が小の場合と
大の場合とで異なる判定工程を選択する判定工程選択工
程を有するので、この判定工程選択工程において、電極
チップの繰り返し使用による劣化に応じて適切な判定工
程を用いることにより、検査精度の維持と電極チップの
交換サイクル延長との両立を図ることができる。その電
極チップの使用回数が小の場合と大の場合とは、例え
ば、予め定められた所定の使用回数で区分したり、ある
いは、判定工程中における測定状態等を観測して、それ
が基準に達したときに一の判定工程から他の判定工程に
切り換わるように区分すればよい。
【0064】以上の第三、第五の各実施形態においては
第三判定工程が含まれているが、鋼板4,5が図1
(B)に示す水平状態からθだけ傾いた図8に示すよう
な状態で溶接される場合には、測定される電極間変位H
が所定電極間変位HSに達したときに実際の電極間変位
HはHS/sinθとなっており、決定される所定変位
到達時間TSが図9に示すように実際の所定変位到達時
間TStよりも大きくなる。
【0065】このため、その決定される所定変位到達時
間TSと実際の所定変位到達時間TStとの間に溶接強度
判定閾値変位時間TLがあるときは、本来合格と判定さ
れるべき製品が不合格と判定されて無用に不良品の数が
増加することになる。
【0066】かかる事態を防止するため、所定電極間変
位HSを固定値とはせず、電極間変位Hの最大値Hmaxと
最小値Hminとの差に所定係数αを乗じて、これにその
最小値Hminを加えて決定される次式のものとすること
が望ましい。
【0067】HS=(Hmax−Hmin)×α+Hmin これにより、溶接時の鋼板4,5の傾きに応じて(Hma
x−Hmin)の値が変化し、所定電極間変位HSに基づき
決定される所定変位到達時間TSが適宜に修正されるの
で、たとえ鋼板4,5が傾いた状態で溶接される場合で
あっても、その所定変位到達時間TSと溶接強度判定閾
値変位時間TLとの大小比較が有効なものとなる。
【0068】なお、本発明は上述した各実施形態に限ら
れるものではなく、第一から第四判定工程の四判定工程
のいずれか一つの判定工程を演算処理するようにしても
よい。例えば第四判定工程のみの判定結果によって合否
を認定してもよい。また、第一から第四判定工程の四判
定工程の少なくともいずれか二つの判定工程を、その順
序を問わずにその状況に応じて演算処理して行うことと
してもよい。例えば、各判定工程を並列的に行い、いず
れか一つでも不合格とされたら不合格として測定検査を
終了することによって、検査時間を短縮することができ
る。
【0069】また、第五実施形態においては、第一判定
工程の後に判定工程選択工程を行うこととしたが、判定
工程選択工程を他の判定工程に先行して行うこととして
もかまわない。
【0070】次に、溶接加工品の例であるユニットの総
組立ていわゆるユニット総組のステージにおける溶接及
び溶接の良否の判定について説明する。
【0071】図10は、プロジェクション溶接の非破壊
検査装置6を備えた溶接装置の概略構成図である。この
溶接装置は、二点鎖線で画成した溶接機とプロジェクシ
ョン溶接の非破壊検査装置6とから構成されている。
【0072】溶接機は、溶接機本体20と溶接制御装置
13とを有している。溶接機本体20には、固定側アー
ム21と、溶接加工材料であるプロジェクションが形成
された鋼板を挟む空間を介して対向する移動側アーム2
2と、移動側アーム22の溶接時の変位を測定するため
移動側アーム22に取りつけられた変位計23とが設け
られており、固定側アーム21及び移動側アーム22の
それぞれには、先述のプロジェクション部位を加圧通電
して溶接しナゲットを形成させる電極1,2が設けられ
ている。
【0073】そして、溶接機本体20に対して溶接時
間、電圧、電流、加圧力等々の条件を設定して制御する
溶接制御装置13がある。この溶接制御装置13は、非
破壊検査装置6とも関連させられている。
【0074】図10における非破壊検査装置6は、図1
(B)の非破壊検査装置6をより具体的に示すもので、
変位検出器10,電圧検出器11及び演算処理装置12
を備えている。変位検出器10は、固定側アーム21に
取り付けられたトロイダルコイル25から電流検出線9
を介しての電流の検出をトリガーとして移動アーム22
に取りつけられた変位計23で変位量の測定を開始し電
極間変位データを得る。電圧検出器11は、それぞれの
電極1,2と電圧検出線8で連結されており、また固定
側アーム21に取り付けられたトロイダルコイル25と
も電流検出線9で連結されている。電圧検出器11は、
トロイダルコイル25からの電流の検出をトリガーとし
て電極24間の溶接開始時期からの電極間溶接電圧を検
出し、溶接電圧データを得る。演算処理装置12は、変
位検出器10及び電圧検出器11にそれぞれ接続されて
おり、さらに、溶接機の溶接制御装置13にも接続され
ている。
【0075】演算処理装置12は、変位検出器10から
の電極間変位データ及び電圧検出器11からの溶接電圧
データを受けてナゲットの溶接強度が基準以上か否かを
判定するまでのデータ処理を行い、溶接強度が基準以下
であるとき溶接不良信号を発して該当する溶接加工品を
はねる。それは、溶接不良が発生したときでもよいし、
不良個所が分かるようにして終了したときでもよい。
【0076】また、図11に示すような、溶接加工品で
あるユニットの総組立ての場合も同じで、溶接制御装置
13は、ユニット総組ステージでの組立部材、溶接箇
所、溶接すべき板厚、溶接点数、溶接電流、電圧、時間
等のデータがインプットされており、前記溶接諸条件が
アウトプットされ、溶接機本体20を制御する。また、
演算装置12からの溶接不良信号を受けたとき、このプ
ロジェクション溶接装置では、溶接が不良であるとの警
告信号を作業者に発するとともに、ユニット総組を次工
程に搬出しないで停止させる。
【0077】ところで、ユニットの総組立ての工程は、
図11の様であり、組み付け仕口の一例の分解斜視図は
図12の様であり、図13に図12に示す仕口が組み付
けられ、プロジェクション溶接により組み付けられてい
く状態を示す。
【0078】ユニット総組ステージで組み付けられる部
材、ここでは予め組み付けられている下枠18,上枠1
9,コ字状断面を呈する4本の梁16、コ字状断面を呈
する接続ブラケットを両端にそれぞれ90度開いて取り
付けられた4本の支柱17が搬入され、図示省略のジグ
によりこれら部材が組み付けられ、矢印で示す8カ所の
仕口でプロジェクション溶接がなされる。この矢印は、
溶接機本体20の電極1,2の挟む方向を示しており、
仕口一カ所づつ、四カ所同時に、さらには八カ所同時に
溶接する。溶接の仕方によっては、当然に溶接機の数は
それに応じた数を用意しなければならない。
【0079】溶接箇所では、予め部材の一方に必要個数
のプロジェクションが形成されており、溶接機の能力に
より一プロジェクションづつ、または数個のプロジェク
ションを同時に溶接することが出来る。図13の最後の
図は、図11の三工程目に示される図の仕口を溶接して
いる状態図と対応している。
【0080】総組作業に伴う、検出器10,11、演算
処理装置12及び溶接制御装置13の間の通信フローを
次に参照して説明する。溶接制御装置13には、総組立
てする溶接加工品の組み付けに関する板厚、溶接箇所、
打点数、溶接の良否等の情報を授受する総組制御装置を
内蔵している。
【0081】ここに、非破壊検査装置6の演算処理装置
12で第一判定工程から第四判定工程までの四判定工程
のうち少なくとも二つの判定工程を行う場合の具体的な
事例として第一判定工程と第四判定工程との判定工程を
行う場合の溶接装置、溶接加工品の生産方法について説
明する。
【0082】図10に示す溶接機本体20の電極2,2
間に、溶接加工品の一部鋼板4,5のプロジェクション
3部位を位置させ、溶接制御装置13に予めインプット
されている溶接諸条件のうち、その部位に対応した条件
で加圧通電を行う。非破壊検査装置6の電圧検出器11
によって通電開始から所定サイクル毎に電圧データを取
り、この電圧データを演算処理装置12に送り、「電圧
データ合計値ΣVが、溶接強度判定閾値電圧VL以上か
否かを判断」する。判断の結果、未満の場合には、「必
要溶接強度FR未満を表示」して、溶接品質に不良が発
生したことを知らせ、製品からはねる。
【0083】また、判断の結果、以上である場合には、
電圧データの合計値を用いた第一判定工程で必要溶接強
度FR以上と判定されたナゲットについて、さらなる
「測定」をする。
【0084】図10の溶接装置において電極間変位を知
るために、移動側アーム22を移動して電極1,2間に
鋼板4,5のプロジェクション3の部位を位置させ、図
1(B)に示す基準状態まで加圧して溶接電極間距離X
0にする。溶接制御装置13の指令で加圧通電をするこ
とによってプロジェクション3が溶け込みで潰れ、溶接
電極間距離X0は変化する。
【0085】この変位データは、電圧データと同時に検
出されており、移動側アーム22に取り付けた変位計2
3で変位検出器10に読みとられ、演算処理装置12へ
送られている。ここで、「電極間変位の最大値Hmax
が、溶接強度判定閾値変位HL’以上か否か」を第一判
定工程の判断に加えて判断する。以上でなく未満のとき
十分な熱容量が得られず、適正なナゲットが形成されな
かったとして「必要溶接強度FR未満を表示」して製品
をはね、一方溶接強度判定閾値変位HL’以上のとき
「必要溶接強度FR以上を表示」して第四判定工程とを
なし、一プロジェクションの溶接に関し測定を「終了」
する。
【0086】この様な測定を一プロジェクションの溶接
終了毎に溶接加工途中に全数二重チェックを行って溶接
信頼性の高い良好な溶接加工品を製作する。
【0087】以下、溶接加工品の一例であるユニット総
組立てについて説明する。
【0088】「ユニット部材搬入と部材セット作業
時。」 板厚データ信号、溶接打点数を、溶接制御装置13から
演算処理装置12へインプットする。また溶接打点数に
は、溶接機本体20の電極24が実際に溶接を行った情
報である規定打点数経過有無信号を溶接制御装置13か
ら演算処理装置12へインプットし、検査装置、すなわ
ちプロジェクション溶接の非破壊検査装置6で板厚条件
と規定打点数経過有無信号を受信する。次の仕口へ移る
という仕口交換信号を溶接制御装置13から演算処理装
置12へインプットし、検査装置では一仕口での溶接打
点数をリセットする。
【0089】「溶接開始時。」 検査装置では、トロイダルコイル25での電流検出をト
リガ−とした電圧立ち上がりで溶接開始と判断し、溶接
打点数をカウントし、電圧データ及び電極間変位データ
を検出する。
【0090】「溶接途中。」 検査装置では、電圧設定時間で検出を終了し、電圧デー
タ数値を積算する。
【0091】「溶接終了。」 検査装置では、電圧降下で溶接終了と判断し、溶接終了
後、設定時間で電極間変位検出を終了する。
【0092】「次の溶接位置へアームの移動時。」 板厚信号と規定打点数経過有無信号を、溶接制御装置1
3から演算処理装置12へインプットし、検査装置で
は、電極間変位から溶け込み開始時期、最大変位を計算
し、判定グラフ選択と溶接不良判定をし、判定結果表示
及び保存をし、板厚条件と規定打点数経過有無信号を受
信する。
【0093】溶接開始時から次の溶接位置へのアーム移
動時までの作業の繰り返し。
【0094】「ユニット総組作業の終了時。」 総組作業終了信号を、総組制御装置を備えた溶接制御装
置13から演算処理装置12へインプットし、検査装置
では、総組作業終了信号を受信し、溶接不良有、無判定
の信号を溶接制御装置13へ出力する。溶接制御装置1
3では、不良有のときは搬出を停止し、不良無のときは
搬出を許容する。
【0095】次に、プロジェクション溶接の非破壊検査
装置6の処理内容を図14に基づいて説明する。
【0096】演算処理装置12へ、検査に必要なデータ
として、板厚データ及び溶接打点数が溶接制御装置13
から、電極間変位データ及び溶接電圧データが溶接制御
装置13から検出器10,11を経て送られる。ここに
板厚データは、板厚の組み合わせにより溶接条件が異な
るため、それに伴い溶接不良判定も変更している。溶接
打点数(規定打点数経過有無信号)は、各板厚毎に設定
された規定打点数を境に溶接不良判定方法を変更してい
る。電極間変位データ及び溶接電圧データは、それぞ
れ、溶接開始から溶接終了後設定時間まで、設定サイク
ル毎の電極間変位及び溶接電圧値を入力する。ここに溶
接開始、溶接終了の判定は溶接電流値のしきい値で判断
する。
【0097】この演算処理装置12では、さらに、判定
に必要な前処理として、判定グラフ選択が板厚データ及
び溶接打点数に基づいて行われ、判定因子計算がそれぞ
れ電極間変位データ、溶接電圧データに基づいて行われ
る。
【0098】これら判定グラフ選択、判定因子計算によ
って、溶接強度が基準以上であるかどうか、すなわち溶
接の良否を判定する。
【0099】さらに、判定後の処理として、溶接不良有
無の出力が演算処理装置12でなされ、溶接制御装置1
3に伝達される。
【0100】溶接制御装置13は、溶接不良無の信号の
ときは、ユニットを次工程に送り、溶接不良有の信号の
ときは、ユニットの搬出を止め、これら処理内容を繰り
返す。
【0101】判定に必要な前処理内容を図15から図1
7で説明する。
【0102】 溶接電圧データから判定因子1の計算 溶接電圧データは、横軸に溶接時間、縦軸に電圧を取っ
た図15に示され、急激な立ち上がりの後小さな振幅の
上下を繰り返し、全体として徐々に下がるカーブを描い
ている。判定因子1は、設定サイクル毎のデータ設定数
の積算値とするもので、判定因子1の値が大きいほど強
度が高い傾向がある。図中の斜線の面積は、設定時間内
の電圧データ積算値である。
【0103】データ取り込み範囲、計算方法は設定モー
ドで変更可能にしておく。
【0104】電極間変位データから判定因子2(最大
変位)の計算 電極間変位データは、横軸に溶接時間、縦軸に電極間変
位を取った図16に示されている。判定因子2は、通電
開始から通電終了後、設定時間までの間の変位最大値と
し、判定因子2の値が大きいほど強度が高い傾向があ
る。
【0105】データ取り込み範囲、計算方法は設定モー
ドで変更可能にしておく。
【0106】電極間変位データから判定因子3(溶接
開始時期)の計算 電極間変位データは、横軸に溶接時間、縦軸に電極間変
位を取った図17に示されている。判定因子3は、通電
開始から通電終了の間で変位のカーブの立ち上がりが実
験データの平均値として与えられているしきい値に当た
るまでの時間とし、判定因子3の値が小さいほど強度が
高い傾向がある。
【0107】データ取り込み範囲、計算方法は設定モー
ドで変更可能にしておく。なお、最大値、最小値の検査
範囲を個別に設定可能にすることが必要である。
【0108】判定グラフの選択 判定グラフ選択は、板厚データ(板厚組合せ)と溶接打
点数により、判定に用いる判定グラフを選択する。判定
グラフは、それぞれ判定に用いる因子や判定しきい値が
異なる。
【0109】
【表1】
【0110】ここに示す表では、板厚の組合せが3組と
溶接打点数が0から500打点と501から1000打
点の2組の組合せがあり、選択される判定グラフが1か
ら6まである。判定グラフ1,3,5,6は、判定因子
1の溶接電圧積分値と判定因子2の電極間変位最大値と
の2つの判定因子を使用する。また、判定グラフ2,4
は、判定因子1の溶接電圧積分値と判定因子3の電極間
変位溶け込み開始時期との2つの判定因子を使用する。
【0111】判定グラフのしきい値は設定モードで変更
できるようにしている。
【0112】(判定方法)判定には、板厚組合せと溶接
打点数から選択された判定グラフと判定因子を用いる。
判定グラフ内のしきい値は、溶接良品領域と溶接不良品
領域とに分けており、判定因子の位置により、溶接不良
品の判定を行う。
【0113】図18は、判定グラフ1を用いて溶接の良
否の判定例を示すものである。判定グラフ1では、判定
因子1の電圧データ積分値:aと判定因子2の電極間変
位最大値:bとを用いる。ここでの電圧データ積分値
は、電圧10サイクルデータ積分値である。この判定因
子(a,b)が図18中でどの領域にあるかで溶接の良
否を判断する。すなわち、判定因子(a,b)が、しき
い値線より左にあれば溶接不良品領域であり、溶接不良
と判定し、右にあれば溶接良品領域であり、溶接良好と
判定する。
【0114】他の判定グラフを使用するときも同様であ
る。
【0115】(判定結果出力)ユニット総組ステージで
の1ユニットの溶接作業終了後、溶接制御装置13から
演算処理装置12へ終了信号を送信する。この信号を受
信後、演算処理装置12は、仕口単位で溶接不良の有無
を総組制御装置を内蔵した溶接制御装置13に送信す
る。溶接不良有のときは、警報を発し、ユニットの搬送
を阻止して溶接不良個所を溶接し直す。一方、溶接不良
無のときは、ユニットを次工程に搬送することは前述し
た通りである。
【0116】さらに、プロジェクション溶接の非破壊検
査装置6に、自動モード、実験モードを加えたフローチ
ャートを図19に示す。
【0117】本装置は、スタート後、モード選択をす
る。使用用途に応じて自動モード、実験モード、設定モ
ードのいずれかのモード、あるいは処理操作を終了させ
るときは装置終了を選択する。
【0118】選択された自動モードは、工場ラインに
て、管理者が監視せずに自動で溶接不良判定を行うとき
に用いるもので、取り込み待機中信号が入ることによ
り、実行した溶接データを計測、計算、保存し、また取
り込み待機する。管理者が常に判定装置を監視している
わけではないので最小限必要なデータを2,3日保存し
ておく必要がある。
【0119】(保存内容(下記項目を1セットとして5
000打点程度保存)) *溶接打点数 *仕口AorB *1仕口の中での溶接
打点数 *板厚組合せ *判定グラフ番号 *判定因子1(設定時間内の電圧積
算値データ) *判定因子2(電極間変位最大値) *判定因子3(溶
け込み開始時期) (判定結果(良品or不良品)) 次に選択された実験モードは、溶接時の計測データと溶
接強度の関係を把握し、しきい値等の判定方法を設計す
ることを目的として用いられるもので、判定前提条件入
力方法を自動か手動か選択する。自動の場合は、前述の
自動モードと同じで、手動の場合は、必要データを入力
し、取り込ませ、計測、計算、保存をし、判定条件を変
える。計測データをすべて取り込むため、1打点毎に取
り込み操作が必要である。検査に必要なデータ内容は自
動モードと同じである。工場ラインで使用する場合は、
このデータが自動入力させられるが、実験室で行う場合
は、板厚データと規定打点経過有無信号が入力されない
ので手入力しなければならない。データ保存形式はテキ
ストファイルとする。
【0120】この様にモード選択することが出来るた
め、溶接時の計測データと溶接強度との関係を把握した
り、しきい値等判定方法を再設計することが出来る。さ
らに溶接時に収集したデータを保存できる。
【0121】(保存内容(下記項目を1セット保存でき
ればよい)) *電圧データ(溶接開始から溶接終了までのデータ全
て) *電極間変位データ(溶接開始から溶接終了後設定した
時間までのデータ全て) *板厚組合せ *判定グラフ番号 *判定因子1(設定
時間内の電圧積算値データ) *判定因子2(電極間変位最大値) *判定因子3(溶
け込み開始時期) *判定結果(良品or不良品) さらに選択された設定モードは、既に述べたように溶接
不良判定のための計算条件を設定するときに用いる。
【0122】これまでの説明では、図10に示すよう
に、一台の溶接機本体20に対し、一台の演算処理装置
12で変位検出器10及び電圧検出器11からのデータ
を取り込んで演算処理し、ナゲットの良否を判定してい
た。
【0123】これを新しい態様では、図20〜図22に
示すように、複数の溶接機本体20をそれぞれの溶接部
所に一台づつ配設し、一台の演算処理装置12で全ての
溶接機本体20を演算処理しようとするものである。こ
のような新しい構成以外は、これまでに説明していたも
のと同様であるので、構成や作用等の説明は省略する。
【0124】図20には、仕口における溶接機本体20
と非破壊検査装置6との配置例が示されている。この例
では、2台の非破壊検査装置6がユニット総組縦長手方
向の両側に検査機1(6a)、検査機2(6b)として
配置されている。ユニット総組立ての工程中、縦長方向
から溶接する仕口部A溶接で、複数、すなわち4台の溶
接機本体20が各コーナーにそれぞれ溶接機1号機20
a、2号機20b、3号機20c、4号機20dとして
設けられ、一台の、総組制御装置を含む溶接制御装置1
3にそれぞれ接続されて溶接機を構成している。
【0125】また、非破壊検査装置6の一つである検査
機1(6a)は、一台の電圧検出器11と4台の変位検
出器10が一台の演算処理装置12にそれぞれ接続され
て構成されている。さらに、一台の電圧検出器11は、
溶接機1号機〜4号機20a〜20dのそれぞれに接続
されており、4台の変位検出器10はそれぞれ溶接機1
号機〜4号機20a〜20dのそれぞれに接続されてい
る(図21参照)。
【0126】検査機1(6a)と反対側に位置する検査
機2(6b)を構成する複数の溶接機本体20は、同様
に、溶接機5号機〜8号機20e〜20hとして設けら
れている。また、仕口B溶接は、図20の右側に示すも
ので、仕口A溶接と直交をなす方向から溶接を行う。仕
口の溶接方向が変わっても溶接機1号機〜8号機20a
〜20hの位置は変わらず、電極の加圧方向を変えて溶
接するようにしている。
【0127】電圧検出器11は、必ずしも一台である必
要はなく溶接機本体20の幾つかをまとめることもでき
る。すなわち、非破壊検査装置6は、複数の溶接機本体
20の電極間変位を検出する複数の変位検出器10と、
複数の溶接機本体20の電極間にかかる電圧を検出する
一乃至複数の電圧検出器11と、各変位検出器10から
の電極間変位データ及び各電圧検出器11からの電圧デ
ータを受けてナゲットの溶接強度が基準以上か否かを判
定するまでの演算処理を行う一台の演算処理装置12と
から構成されている。
【0128】また、さらにナゲットの良否を判定して溶
接をするプロジェクション溶接の非破壊検査装置6は、
複数の溶接機本体20を、インプットされた溶接諸条件
をアウトプットして制御するとともに、溶接不良の際に
は警告を発する一台の溶接制御装置13と、溶接制御装
置13からの溶接条件で溶接した複数の溶接機本体20
の電極間変位を検出する複数の変位検出器10と、溶接
制御装置13からの溶接条件で溶接した複数の溶接機本
体20の電極間にかかる電圧を検出する一乃至複数の電
圧検出器11と、各変位検出器10からの電極間変位デ
ータ及び各電圧検出器11からの電圧データを受けてナ
ゲットの溶接強度が基準以上か否かを判定するまでの演
算処理を行い、溶接強度が基準以下であるとき溶接不良
信号を溶接制御装置13に送信する一台の演算処理装置
12とから構成されている。
【0129】このような構成から、溶接機本体20で溶
接不良に該当するナゲットのプロジェクション部位を再
溶接して生産工程の流れの中で溶接不良の発生しない溶
接加工品を生産することができる。
【0130】次に、プロジェクション溶接の非破壊検査
装置6の処理内容を図22に基づいて説明する。
【0131】溶接制御装置13から溶接機本体20の各
溶接機1号機20a〜4号機20dに溶接順序や条件信
号が送られ、溶接が行われ、板厚データ、溶接打点数、
電極間変位データ、溶接電圧データが保持される。
【0132】一台の演算処理装置12で複数の溶接機本
体20の演算処理をするため、各データ選択で溶接機1
号機20a〜4号機20dのうち該当する溶接機本体2
0のデータを選択する。従って、演算処理装置12へ、
検査に必要なデータとして、板厚データが溶接制御装置
13から、溶接打点数が溶接機本体20から、電極間変
位データ及び溶接電圧データがそれぞれ変位検出器10
及び電圧検出器11から送られる。
【0133】ここに板厚データは、板厚の組み合わせに
より溶接条件が異なるため、それに伴い溶接不良判定も
変更している。溶接打点数(規定打点数経過有無信号)
は、各板厚毎に設定された規定打点数を境に溶接不良判
定方法を変更している。電極間変位データ及び溶接電圧
データは、それぞれ、溶接開始から溶接終了後設定時間
まで、設定サイクル(例えば0.5サイクル)毎の電極
間変位及び溶接電圧値を入力する。ここに溶接開始、溶
接終了の判定は溶接電流値のしきい値で判断する。
【0134】この演算処理装置12では、さらに、判定
に必要な前処理として、判定グラフ選択が板厚データ及
び溶接打点数に基づいて行われ、判定因子計算がそれぞ
れ電極間変位データ、溶接電圧データに基づいて行われ
る。
【0135】これら判定グラフ選択、判定因子計算によ
って、溶接強度が基準以上であるかどうか、すなわち溶
接の良否を判定する。
【0136】さらに、判定後の処理として、溶接不良有
無の出力が演算処理装置12でなされ、溶接制御装置1
3に伝達される。
【0137】溶接制御装置13は、溶接不良無の信号の
ときは、ユニットを次工程に送り、溶接不良有の信号の
ときは、ユニットの搬出を止め、これら処理内容を繰り
返す。そして次の溶接機本体20のデータを選択して同
様なことが順次繰り返して行われる。
【0138】
【発明の効果】以上説明してきたように、請求項1の発
明は、四判定工程から一判定工程を適宜に選択すること
により、プロジェクション部位の溶接全数に渡り検査を
行うことが出来、設備、時間、現場に応じた検査を行う
プロジェクション溶接の非破壊検査装置を提供すること
が出来る。
【0139】また、請求項2の発明は、第一から第四判
定工程の四判定工程のうち少なくともいずれか二つの判
定工程の判定を、その判定工程の順序を問わずになし、
必要溶接強度未満の判定がでた時点で検査を中止するの
で、問題のありそうな判定工程から判定をすることによ
って無駄になる時間を省くことができる。
【0140】また、請求項3の発明は、プロジェクショ
ン溶接されたものを破壊することなく、溶接の不良を発
見することが出来、溶接の安全性を保証することが出来
るプロジェクション溶接の非破壊検査装置を提供するこ
とが出来る。
【0141】また、請求項4の発明は、工場組立てライ
ンで自動的に溶接全数非破壊検査を行い、かつ溶接不良
を発見し、不良溶接物を次工程に搬出しないようにし、
より溶接の安全性を保証しうるプロジェクション溶接の
非破壊検査装置を提供することが出来る。
【0142】また、請求項5の発明は、請求項3,4の
効果に加え、板厚データや溶接打点数から判定グラフや
判定因子を決定し、よりきめ細かな溶接の良否を判定を
しうるプロジェクション溶接の非破壊検査装置を提供す
ることが出来る。
【0143】また、請求項6の発明は、溶接機本体を溶
接制御装置で制御して加圧通電してプロジェクション部
位を溶接し、検査装置で変位検出器からの電極間変位デ
ータ及び電圧検出器からの電圧データを受けて形成され
たナゲットの溶接強度が基準以上か否かを演算処理装置
で判定し、判定結果を溶接制御装置に送信し、溶接を続
行するか否か全点のプロジェクションについて検査しな
がら溶接を進め得る溶接機を提供出来る。
【0144】さらに、請求項7の発明は、溶接機本体を
溶接制御装置で制御してプロジェクション部位を溶接
し、変位検出器及び電圧検出器からのデータを演算処理
装置で演算処理し、形成されたナゲットの良否を判定
し、溶接不良の場合は信号を発し、次工程への搬出を阻
止し、再溶接して全溶接の良好な溶接加工品を生産する
ことが出来る。
【0145】また、請求項8の発明は、一台の演算処理
装置で順次複数の溶接機本体のナゲットの良否を判定す
るので装置自体が安価にできる。
【0146】また、請求項9の発明は、請求項8の効果
に加えて複数の溶接機本体の検査を一巡する一サイクル
を繰り返し行うことができる。
【0147】また、請求項10の発明は、請求項8の効
果に加えて溶接と検査とを同時並行して行えるので時間
的無駄がない。
【0148】また、請求項11の発明は、プロジェクシ
ョン溶接されたものを破壊することなく、溶接の不良を
発見することが出来、溶接の安全性を保証することが出
来るプロジェクション溶接の非破壊検査装置を提供する
ことが出来、さらに演算処理装置を一台にすることがで
き安価な装置とすることが出来る。
【0149】また、請求項12の発明は、工場組立てラ
インで自動的に溶接全数非破壊検査を行い、かつ溶接不
良を発見し、不良溶接物を次工程に搬出しないように
し、より溶接の安全性を保証しうるプロジェクション溶
接の非破壊検査装置を提供することが出来、さらに安価
な装置にすることが出来る。
【0150】また、請求項13の発明は、請求項11,
12の効果に加え、板厚データや溶接打点数から判定グ
ラフや判定因子を決定し、よりきめ細かな溶接の良否を
判定をしうるプロジェクション溶接の非破壊検査装置を
提供することが出来る。
【0151】また、請求項14の発明は、溶接機本体を
溶接制御装置で制御して加圧通電してプロジェクション
部位を溶接し、検査装置で変位検出器からの電極間変位
データ及び電圧検出器からの電圧データを受けて形成さ
れたナゲットの溶接強度が基準以上か否かを演算処理装
置で判定し、判定結果を溶接制御装置に送信し、溶接を
続行するか否か全点のプロジェクションについて検査し
ながら溶接を進め得ると共に安価な溶接機を提供出来
る。
【0152】さらに、請求項15の発明は、溶接機本体
を溶接制御装置で制御してプロジェクション部位を溶接
し、変位検出器及び電圧検出器からのデータを演算処理
装置で演算処理し、形成されたナゲットの良否を判定
し、溶接不良の場合は信号を発し、次工程への搬出を阻
止し、再溶接して全溶接の良好な溶接加工品を生産する
ことが出来、さらに安価にすることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態のプロジェクション溶接
の非破壊検査装置の検査方法を示すフローチャート
(A)、プロジェクション溶接の非破壊検査方法を実施
するための測定装置の概略構成図(B)、非破壊検査方
法の判定に用いる溶接時間−電圧曲線図(C)である。
【図2】本発明の第二実施形態のプロジェクション溶接
の非破壊検査装置の検査方法を示すフローチャートであ
る。
【図3】本発明の非破壊検査装置の検査方法の判定に用
いる溶接時間−電極間変位曲線図である。
【図4】本発明の第三実施形態のプロジェクション溶接
の非破壊検査装置の検査方法を示すフローチャートであ
る。
【図5】本発明の第四実施形態のプロジェクション溶接
の非破壊検査装置の検査方法を示すフローチャートであ
る。
【図6】本発明の非破壊検査方法の判定に用いる溶接時
間−電圧曲線図である。
【図7】図3の溶接時間−電極間変位曲線図の部分拡大
図である。
【図8】図1(B)の測定装置の概略構成図において、
鋼板が傾いて溶接される状態を示す図である。
【図9】鋼板が水平状態で溶接されるときの溶接時間−
電極間変位曲線図(A)、鋼板が傾いた状態で溶接され
るときの溶接時間−電極間変位曲線図(B)である。
【図10】本発明の他のプロジェクション溶接の非破壊
検査装置の概略構成図である。
【図11】ユニットの総組立て工程図である。
【図12】ユニットの組み付け仕口の一例の分解斜視図
である。
【図13】図12に示す仕口の組み付け状態図である。
【図14】本発明の非破壊検査装置の処理内容を示すフ
ローチャート図である。
【図15】溶接電圧データから判定因子1を求める計算
グラフである。
【図16】判定因子2を求める計算グラフである。
【図17】判定因子3を求める計算グラフである。
【図18】溶接不良品か溶接良品かを判定する判定グラ
フである。
【図19】モード選択を組み込んだ本装置のフローチャ
ートである。
【図20】ユニットの総組立てにおける中間2工程の検
査装置及び溶接機本体の配置図である。
【図21】本発明のさらに他のプロジェクション溶接の
非破壊検査装置の概略構成図である。
【図22】本発明の他の非破壊検査装置の処理内容を示
すフローチャート図である。
【符号の説明】
1,2 電極 3 プロジェクション 4,5 鋼板 6 非破壊検査装置 7 線 8 電圧検出線 9 電流検出線 10 変位検出器 11 電圧検出器 12 演算処理装置 13 溶接制御装置 20 溶接機本体 ΣV 電圧データの合計値 VL ,VL’ 溶接強度判定閾値電圧 Tvmax 最大電圧到達時間 TvL 溶接強度判定閾値電圧時間 TS 所定変位到達時間 TL 溶接強度判定閾値変位時間 H 電極間変位 HS 所定電極間変位 HL’ 溶接強度判定閾値変位 Hmax 電極間変位の最大値 Hmin 電極間変位の最小値

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プロジェクションを介して当接された二枚
    の鋼板の前記プロジェクション部位を溶接機本体の電極
    で加圧通電し、溶融して形成したナゲットの溶接強度を
    非破壊で検査するプロジェクション溶接の非破壊検査装
    置において、 通電開始から設定された時間までの所定サイクル毎の電
    圧データの合計値が、溶接強度判定閾値電圧以上のとき
    は必要溶接強度以上と判定し、前記溶接強度判定閾値電
    圧未満のときは必要溶接強度未満と判定する第一判定工
    程と、 通電から最大電圧を示すまでの最大電圧到達時間が、溶
    接強度判定閾値電圧時間を超えるとき必要溶接強度未満
    と判定し、前記溶接強度判定閾値電圧時間以下のとき必
    要溶接強度以上と判定する第二判定工程と、 通電から所定電極間変位を示すまでの所定変位到達時間
    が、溶接強度判定閾値変位時間を超えるとき必要溶接強
    度未満と判定し、前記溶接強度判定閾値変位時間以下の
    とき必要溶接強度以上と判定する第三判定工程と、 電極間変位の最大値が、溶接強度判定閾値変位以上のと
    き必要溶接強度以上と判定し、前記溶接強度判定閾値変
    位未満のとき必要溶接強度未満と判定する第四判定工程
    との四判定工程のいずれか一つの判定工程を演算処理す
    る演算処理装置を備えたことを特徴とするプロジェクシ
    ョン溶接の非破壊検査装置。
  2. 【請求項2】プロジェクションを介して当接された二枚
    の鋼板の前記プロジェクション部位を溶接機本体の電極
    で加圧通電し、溶融して形成したナゲットの溶接強度を
    非破壊で検査するプロジェクション溶接の非破壊検査装
    置において、 通電開始から設定された時間までの所定サイクル毎の電
    圧データの合計値が、溶接強度判定閾値電圧以上のとき
    は必要溶接強度以上と判定し、前記溶接強度判定閾値電
    圧未満のときは必要溶接強度未満と判定する第一判定工
    程と、 通電から最大電圧を示すまでの最大電圧到達時間が、溶
    接強度判定閾値電圧時間を超えるとき必要溶接強度未満
    と判定し、前記溶接強度判定閾値電圧時間以下のとき必
    要溶接強度以上と判定する第二判定工程と、 通電から所定電極間変位を示すまでの所定変位到達時間
    が、溶接強度判定閾値変位時間を超えるとき必要溶接強
    度未満と判定し、前記溶接強度判定閾値変位時間以下の
    とき必要溶接強度以上と判定する第三判定工程と、 電極間変位の最大値が、溶接強度判定閾値変位以上のと
    き必要溶接強度以上と判定し、前記溶接強度判定閾値変
    位未満のとき必要溶接強度未満と判定する第四判定工程
    との四判定工程の少なくともいずれか二つの判定工程
    を、演算処理する演算処理装置を備えたことを特徴とす
    るプロジェクション溶接の非破壊検査装置。
  3. 【請求項3】プロジェクションを介して当接された二枚
    の鋼板の前記プロジェクション部位を溶接機本体の電極
    で加圧通電し、溶融して形成したナゲットの溶接強度を
    非破壊で検査するプロジェクション溶接の非破壊検査装
    置において、 前記溶接機本体の電極間変位を検出する変位検出器と、 前記溶接機本体の電極間にかかる電圧を検出する電圧検
    出器と、 前記変位検出器からの電極間変位データ及び前記電圧検
    出器からの電圧データを受けて前記ナゲットの溶接強度
    が基準以上か否かを判定するまでの演算処理を行う演算
    処理装置とを有することを特徴とするプロジェクション
    溶接の非破壊検査装置。
  4. 【請求項4】プロジェクションを介して当接された二枚
    の鋼板の前記プロジェクション部位を溶接機本体の電極
    で加圧通電し、溶融して形成したナゲットの溶接強度を
    非破壊で検査し、前記ナゲットの良否を判定して溶接を
    するプロジェクション溶接の非破壊検査装置において、 前記溶接機本体を、インプットされた溶接諸条件をアウ
    トプットして制御するとともに、溶接不良の際には警告
    を発する溶接制御装置と、 該溶接制御装置からの溶接条件で溶接した前記溶接機本
    体の電極間変位を検出する変位検出器と、 前記溶接制御装置からの溶接条件で溶接した前記溶接機
    本体の電極間にかかる電圧を検出する電圧検出器と、 前記変位検出器からの電極間変位データ及び前記電圧検
    出器からの電圧データを受けて前記ナゲットの溶接強度
    が基準以上か否かを判定するまでの演算処理を行い、溶
    接強度が基準以下であるとき溶接不良信号を前記溶接制
    御装置に送信する演算処理装置とを有することを特徴と
    するプロジェクション溶接の非破壊検査装置。
  5. 【請求項5】請求項3または4において、前記演算処理
    装置は、前記電極間変位データ及び前記電圧データから
    判定因子計算をするとともに、板厚データ及び溶接打点
    数から判定グラフを選択して前記ナゲットの良否を判定
    することを特徴とするプロジェクション溶接の非破壊検
    査装置。
  6. 【請求項6】プロジェクションを介して当接された二枚
    の鋼板の前記プロジェクション部位を電極で加圧通電
    し、溶融させてナゲットを形成する溶接機本体と、該溶
    接機本体の加圧通電を制御する溶接制御装置とを備えた
    溶接機並びに、 前記溶接機本体の電極間変位を検出する変位検出器と、
    前記溶接機本体の電極間にかかる電圧を検出する電圧検
    出器と、前記変位検出器からの電極間変位データ及び前
    記電圧検出器からの電圧データを受けて前記ナゲットの
    溶接強度が基準以上か否かを判定するまでの演算処理を
    行うとともに、判定結果を前記溶接制御装置に送信する
    演算処理装置とを備えた検査装置を有することを特徴と
    するプロジェクション溶接装置。
  7. 【請求項7】プロジェクション部位を溶接機本体の電極
    で加圧通電し、溶融させて形成したナゲットの溶接強度
    を非破壊で検査して溶接加工品を生産する溶接加工品の
    生産方法において、 前記溶接機本体で溶接制御装置からアウトプットされた
    溶接諸条件で前記プロジェクション部位を溶接し、 変位検出器及び電圧検出器でそれぞれ、前記溶接機本体
    の電極間変位及び電極間電圧を検出し、 演算処理装置で前記変位検出器からの電極間変位データ
    及び前記電圧検出器からの電圧データを受けて前記ナゲ
    ットの溶接強度が基準以上か否かを判定するまでの演算
    処理を行い、溶接強度が基準以下であるとき溶接不良信
    号を発信し、 前記溶接機本体で溶接不良に該当するナゲットのプロジ
    ェクション部位を再溶接して前記溶接加工品を生産する
    ことを特徴とする溶接加工品の生産方法。
  8. 【請求項8】プロジェクションを介して当接された二枚
    の鋼板の前記プロジェクション部位を溶接機本体の電極
    で加圧通電し、溶融して形成したナゲットの溶接強度を
    非破壊で検査するプロジェクション溶接の非破壊検査方
    法において、 一台の演算処理装置に対し複数の前記溶接機本体が接続
    されており、 そのうちの一台の前記溶接機本体の変位検出器からの電
    極間変位データ及び電圧検出器からの電圧データを受け
    て前記ナゲットの溶接強度が基準以上か否かを判定する
    までの演算処理を前記演算処理装置で行った後、他の前
    記溶接機本体を同様に前記演算処理装置で順次演算処理
    を行うことを特徴とするプロジェクション溶接の非破壊
    検査方法。
  9. 【請求項9】請求項8において、複数の前記溶接機本体
    の演算処理を順次行うことを一サイクルとしてこれを繰
    り返し行うことを特徴とするプロジェクション溶接の非
    破壊検査方法。
  10. 【請求項10】請求項8または9において、一台の前記
    溶接機本体の演算処理を行っている間、他の前記溶接機
    本体は溶接を行っていることを特徴とするプロジェクシ
    ョン溶接の非破壊検査方法。
  11. 【請求項11】プロジェクションを介して当接された二
    枚の鋼板の前記プロジェクション部位を溶接機本体の電
    極で加圧通電し、溶融して形成したナゲットの溶接強度
    を非破壊で検査するプロジェクション溶接の非破壊検査
    装置において、 複数の前記溶接機本体の電極間変位を検出する複数の変
    位検出器と、 複数の前記溶接機本体の電極間にかかる電圧を検出する
    一乃至複数の電圧検出器と、 前記各変位検出器からの電極間変位データ及び前記各電
    圧検出器からの電圧データを受けて前記ナゲットの溶接
    強度が基準以上か否かを判定するまでの演算処理を行う
    一台の演算処理装置とを有することを特徴とするプロジ
    ェクション溶接の非破壊検査装置。
  12. 【請求項12】プロジェクションを介して当接された二
    枚の鋼板の前記プロジェクション部位を溶接機本体の電
    極で加圧通電し、溶融して形成したナゲットの溶接強度
    を非破壊で検査し、前記ナゲットの良否を判定して溶接
    をするプロジェクション溶接の非破壊検査装置におい
    て、 複数の前記溶接機本体を、インプットされた溶接諸条件
    をアウトプットして制御するとともに、溶接不良の際に
    は警告を発する一台の溶接制御装置と、 該溶接制御装置からの溶接条件で溶接した複数の前記溶
    接機本体の電極間変位を検出する複数の変位検出器と、 前記溶接制御装置からの溶接条件で溶接した複数の前記
    溶接機本体の電極間にかかる電圧を検出する一乃至複数
    の電圧検出器と、 前記各変位検出器からの電極間変位データ及び前記各電
    圧検出器からの電圧データを受けて前記ナゲットの溶接
    強度が基準以上か否かを判定するまでの演算処理を行
    い、溶接強度が基準以下であるとき溶接不良信号を前記
    溶接制御装置に送信する一台の演算処理装置とを有する
    ことを特徴とするプロジェクション溶接の非破壊検査装
    置。
  13. 【請求項13】請求項11または12において、前記演
    算処理装置は、前記各電極間変位データ及び前記各電圧
    データから判定因子計算をするとともに、板厚データ及
    び溶接打点数から判定グラフを選択して前記ナゲットの
    良否を判定することを特徴とするプロジェクション溶接
    の非破壊検査装置。
  14. 【請求項14】プロジェクションを介して当接された二
    枚の鋼板の前記プロジェクション部位を電極で加圧通電
    し、溶融させてナゲットを形成する複数の溶接機本体
    と、該各溶接機本体の加圧通電を制御する一台の溶接制
    御装置とを備えた溶接機並びに、 前記各溶接機本体の電極間変位を検出する複数の変位検
    出器と、前記各溶接機本体の電極間にかかる電圧を検出
    する一乃至複数の電圧検出器と、前記各変位検出器から
    の電極間変位データ及び前記各電圧検出器からの電圧デ
    ータを受けて前記ナゲットの溶接強度が基準以上か否か
    を判定するまでの演算処理を行うとともに、判定結果を
    前記溶接制御装置に送信する一台の演算処理装置とを備
    えた非破壊検査装置を有することを特徴とするプロジェ
    クション溶接装置。
  15. 【請求項15】プロジェクション部位を溶接機本体の電
    極で加圧通電し、溶融させて形成したナゲットの溶接強
    度を非破壊で検査して溶接加工品を生産する溶接加工品
    の生産方法において、 前記各溶接機本体で一台の溶接制御装置からアウトプッ
    トされた溶接諸条件で前記プロジェクション部位を溶接
    し、 変位検出器及び電圧検出器でそれぞれ、前記各溶接機本
    体の電極間変位及び電極間電圧を検出し、 一台の演算処理装置で前記各変位検出器からの電極間変
    位データ及び前記各電圧検出器からの電圧データを受け
    て前記ナゲットの溶接強度が基準以上か否かを判定する
    までの演算処理を行い、溶接強度が基準以下であるとき
    溶接不良信号を発信し、 前記各溶接機本体で溶接不良に該当するナゲットのプロ
    ジェクション部位を再溶接して前記溶接加工品を生産す
    ることを特徴とする溶接加工品の生産方法。
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