JP5868728B2 - スポット溶接固定強度評価方法およびスポット溶接固定強度評価装置 - Google Patents
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Description
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、金属材料のスポット溶接固定強度を簡易に、しかも精度よく非破壊検査するに有用なスポット溶接固定強度評価方法及び装置を提供することにある。
そこで、本発明者らは、上記の如く複数個の探針を配列した多探針ヘッドを用いてスポット溶接した金属材料の表面電位分布を測定し、測定された表面電位分布から正確なナゲット径を求めるとともに、この表面電位分布からスポット溶接固定強度を高精度に評価する手段について鋭意検討した。
[1] 複数個の探針を配列した多探針ヘッドをスポット溶接された金属材料のスポット溶接領域を含む表面に当接し、該金属材料の表面の2点間に所定の電流を加える一対の電流電極針用探針および前記電流により前記金属材料の表面に生じる電位を検出する一対の電圧検出用探針の4探針を、前記複数個の探針から選択するとともに、前記選択する4探針を前記複数の探針の配列方向に電気的に順次切り替え、選択した4探針毎に4探針法により前記金属材料の表面電位を測定することで前記金属材料の表面電位分布を測定し、該表面電位分布の半値巾から前記スポット溶接の有効ナゲット径および溶接固定強度を前記金属材料と同一材料について予め求められた表面電位分布の半値巾と最大引張せん断強さとの関係に基づいて非破壊的に評価することを特徴とするスポット溶接固定強度の評価方法。
該表面電位分布測定手段で測定された表面電位分布の半値巾を求める半値巾算出手段と、
該半値巾算出手段により求められた半値巾から前記スポット溶接の有効ナゲット径および予め求められたスポット溶接された金属材料の表面電位分布の半値巾と最大引張せん断強さとの相関関係を記憶する記憶手段を具え、前記半値巾算出手段により求められた半値巾と前記記憶手段に記憶された相関関係に基づき溶接固定強度を非破壊的に評価する評価手段と
を具えることを特徴とするスポット溶接固定強度評価装置。
本発明は、複数個の探針を配列した多探針ヘッドをスポット溶接された金属材料の表面に当接し、該金属材料の表面の2点間に所定の電流を加える一対の電流電極針用探針および前記電流により前記金属材料の表面に生じる電位を検出する一対の電圧検出用探針の4探針を、前記複数個の探針から選択するとともに、前記電流電極針用探針および前記電圧検出用探針として選択する4探針を前記複数の探針の配列方向に電気的に順次切り替え、選択した4探針毎に4探針法により前記金属材料の表面電位を測定することで前記金属材料の表面電位分布を測定し、該表面電位分布の半値巾から前記スポット溶接の有効ナゲット径および溶接固定強度を非破壊的に評価することを特徴とする。
以上のような接触圧力調整手段を具えることで、金属材料表面に対する探針の不均一接触に起因した測定精度の低下を防止することができる。
半値巾Hw=(Vmax+Vmin)/2
先述のとおり、本発明者らは、上記のようにして得られた表面電位分布の半値巾が、有効ナゲット径Deffとほぼ一致することを知見した。そして、スポット溶接固定強度とは有効ナゲット径Deffとの間に良好な相関関係が見られることから、半値巾算出手段120により求められた半値巾を有効ナゲット径Deffとみなし、スポット溶接固定強度を評価することができる。
尚、以下の実施例に示す結果は、スポット溶接された金属材料として、2枚の冷間圧延鋼板(SPCC)材をスポット溶接した試験片を用いた場合の結果であり、材料が異なれば勿論、図中の各種値も異なる。
図15に示すように、スポット溶接した金属材料(薄板)のナゲット形成部は、見かけ上は重ねられた裏側の材料(図中、2枚の薄板のうちの下側の薄板)の厚さだけ板厚が増加したことになる。したがって、スポット溶接した金属材料の表面電位分布を測定すると、ナゲット形成部分において、電路が増大することにより表面電位が低下するような谷型の分布が得られ、本発明では、このような谷型表面電位分布の半値巾を求めることでスポット溶接固定強度を評価する。
そこで、スポット溶接される金属材料の厚さ(図15に示す各々の薄板の板厚)と表面電位の関係について、以下の手法により調査した。
ナゲット形成部分において表面電位が低下することは先述のとおりであるが、ナゲット形成部分における表面電位低下量は、有効ナゲット径Deffの大きさにも依存することが予想される。そこで、有効ナゲット径Deffの大きさと表面電位の関係について調査すべく、以下の手法により模擬実験を行った。
用いたSPCC材は、長さ125 mm、幅40 mmであり、板厚tが0.5 mm、1.0 mm、1.5mm、2.0mm、2.6mm、3.2mmの6種類である。それぞれ同一の厚さ2枚を長さ方向に40mm重ね合わせてスポット溶接した。スポット溶接条件を表1に示す。スポット溶接で形成される有効ナゲット径Deffは、(1)式で示す範囲に収まるように電極チップ径、溶接電流値、加圧力などを調節し、Deffが5〜10 mmとなるようにした。なお、(1)式のtはSPCC材の板厚t(mm)である。
4√t ≦ Deff ≦ 6√t … (1)
スポット溶接された金属材料のスポット溶接固定強度を明らかにするために、実施例3で作製した試験片(表面電位分布を測定した各試験片)について、引張試験を行い、スポット溶接部の引張りせん断強さFを評価した。引張試験は、日本工業規格JIS Z 3136(抵抗スポット及びプロジェクション溶接継手のせん断試験に対する試験片寸法及び試験方法)に準拠して行った。また、引張試験を行った後の破断した試験片について、ナゲット部の破面を観察し、有効ナゲット径Deffを実測した。引張り試験の結果を図11に示す。
Fmax = 4.2Deff−11.3 … (2)
実施例3および実施例4で得られた各試験片のうち板厚tが2mm以下である試験片について、表面電位分布の半値巾Hwと最大引張りせん断強さFmaxとの関係を図13に示す。図13から明らかであるように、板厚2 mm以下であるSPCC材の場合、表面電位分布の半値幅Hw(mm)と最大引張りせん断強さFmax(kN)には良好な相関関係が認められ、(3)式の近似式で示すことができる。
Fmax = 4.2Hw−11.0 … (3)
自動車部材用鋼板の多くは、耐食性を確保する目的でめっき処理が施されて使用される。そこで、板厚0.65〜1.8mmのSPCC材(溶融亜鉛めっき材、および裸材)から幅40 mm×長さ125 mmの試験片を切り出し、これらの試験片を用いて上記実施例1と同様の測定・評価を行った。なお、溶融亜鉛めっき材の試験片は、SPCC材(裸材)にめっき厚さ約40μmの溶融亜鉛めっき処理を施して作製した。
N … ナゲット
C … コロナボンド
2 … 金属材料(薄鋼板)
20 … 多探針ヘッド
21 … 探針
30 … 4探針選択制御手段
40 … 4探針切替手段
50 … 電流供給手段
60 … 電位測定手段
100 … スポット溶接固定強度評価装置
120 … 半値巾算出手段
130 … 評価手段
Claims (7)
- 複数個の探針を配列した多探針ヘッドをスポット溶接された金属材料のスポット溶接領域を含む表面に当接し、該金属材料の表面の2点間に所定の電流を加える一対の電流電極針用探針および前記電流により前記金属材料の表面に生じる電位を検出する一対の電圧検出用探針の4探針を、前記複数個の探針から選択するとともに、前記選択する4探針を前記複数の探針の配列方向に電気的に順次切り替え、選択した4探針毎に4探針法により前記金属材料の表面電位を測定することで前記金属材料の表面電位分布を測定し、該表面電位分布の半値巾から前記スポット溶接の有効ナゲット径および溶接固定強度を前記金属材料と同一材料について予め求められた表面電位分布の半値巾と最大引張せん断強さとの関係に基づいて非破壊的に評価することを特徴とするスポット溶接固定強度の評価方法。
- 前記電流電極針用探針および前記電圧検出用探針の4探針を、前記電流電極針用探針と前記電圧検出用探針との間の距離が0.8mm以上であり、前記電圧検出用探針同士の間の距離が1.6mm以上となるように選択することを特徴とする請求項1に記載のスポット溶接固定強度の評価方法。
- スポット溶接された金属材料の表面に当接する複数個の探針を配列した多探針ヘッドと、前記金属材料の表面の2点間に所定の電流を加える一対の電流電極針用探針および前記電流により前記金属材料の表面に生じる電位を検出する一対の電圧検出用探針の4探針を前記複数個の探針から選択する4探針選択制御手段と、前記選択する4探針を前記複数の探針の配列方向に電気的に順次切り替える4探針切替手段と、前記選択した4探針の一対の電流電極用探針に電流を供給する電流供給手段と、前記選択した4探針毎に4探針法により前記金属材料の表面電位を測定する電位測定手段とを有する表面電位分布測定手段と、
該表面電位分布測定手段で測定された表面電位分布の半値巾を求める半値巾算出手段と、
該半値巾算出手段により求められた半値巾から前記スポット溶接の有効ナゲット径および予め求められたスポット溶接された金属材料の表面電位分布の半値巾と最大引張せん断強さとの相関関係を記憶する記憶手段を具え、前記半値巾算出手段により求められた半値巾と前記記憶手段に記憶された相関関係に基づき溶接固定強度を非破壊的に評価する評価手段と
を具えることを特徴とするスポット溶接固定強度評価装置。 - 前記4探針選択制御手段が、前記電流電極針用探針および前記電圧検出用探針の4探針を、前記電流電極針用探針と前記電圧検出用探針との間の距離が0.8mm以上であり、前記電圧検出用探針同士の間の距離が1.6mm以上となるように選択する機能を具えることを特徴とする請求項3に記載のスポット溶接固定強度評価装置。
- 前記多探針ヘッドが、前記複数個の探針を前記金属材料の表面に当接する際の接触圧力を均一にするための接触圧力調整手段を具えることを特徴とする請求項3または4に記載のスポット溶接固定強度評価装置。
- 前記評価手段により評価されたスポット溶接の固定強度を表示する溶接固定強度表示手段を具えることを特徴とする請求項3ないし5のいずれかに記載のスポット溶接固定強度評価装置。
- スポット溶接の固定強度の閾値を予め設定し、前記評価手段により評価されたスポット溶接の固定強度が前記閾値以上であるか否かを判定する判定手段と、該判定手段により得られた結果を表示する表示手段とを具えることを特徴とする請求項3ないし6のいずれかに記載のスポット溶接固定強度評価装置。
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