JP5504360B2 - 溶接不良の検知方法および溶接不良の検知装置 - Google Patents

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Description

本発明は、スポット溶接によって形成される溶接部(溶接金属部)での溶接不良を検知して溶接の健全性を確保するための溶接不良の検知方法、およびこうした方法を実施するために構成される有用な装置に関するものである。
スポット溶接法は、2枚の鋼板を重ね合わせ、一般に丸棒状の電極で加圧しながら通電することによって、ジュール熱で金属を溶融させて点状に圧接する方法であり、例えば自動車部品等の組み立てに広く用いられている。また、自動車の場合には、スポット溶接される箇所は1台につき、400〜1000箇所程度になる場合がある。
上記のようなスポット溶接では、溶接金属部(以下、「スポット溶接部」または単に「溶接部」と呼ぶことがある)は碁石状に形成され、これは一般にナゲットと呼ばれる。そしてスポット溶接部の引張せん断強さは、このナゲット径にほぼ比例することが知られている。そのためスポット溶接では、十分なナゲット径を確保することが求められる。ナゲット径が十分であるか否かの判定基準として、現在のところ少なくとも4√t(t:板厚)の大きさが必要であるとされている。
十分なナゲット径を確保しているかを検査するに際しては、超音波処理や電磁誘導等で非破壊的に検査するのが一般的であるが、こうした方法はインラインで(現場で)行なうことはできず、別の場所で検査しているのが実情である。
また、スポット溶接部の良否を判断する上においては、溶接によって形成されるナゲット内部に、空孔等の欠陥が存在しないことも重要な要件である。
このような空孔については、X線CT(X線計算断層像法)によって、非破壊的に検査できるが、こうした方法は上記した各方法と同様に、インラインで(現場で)行なうことはできず、別の場所で検査している。
スポット溶接部における良否(ナゲット径、空孔の有無)を現場で迅速に判断する方法は、これまで確立されておらす、また多数存在するスポット溶接部の全ての良否を判定することは困難である。こうしたことから、現状では、抜き打ち的にスポット溶接部をタガネで叩いて割れるかどうかによる破壊試験によって溶接部の良品を把握しているのが実情である。
しかしながら、こうした方法では、できるだけ多くの溶接部における良否を迅速に検査することは困難であり、また鋼板の高硬度・強度化に伴って、タガネによる試験方法そのものが適用できなくなるという問題が生じる。
こうしたことから、溶接部の良否をインラインでできるだけ迅速に、しかも非破壊で検査できる方法の確立が望まれているのが実情である。こうした要求に対応するべく、これまでにも様々な溶接分野で溶接部の良否を評価する方法が提案されている。
例えば、特許文献1には、レーザ溶接法において、レーザ溶接中に発生するプラズマや熱などの様々な代理信号を捕捉し、これらが均一に発生しているかどうかを監視することにより、また予め収集しておいた良好な溶接の場合の信号と比較することにより、リアルタイムの且つ非破壊で溶接部の良否を判定する方法が提案されている。
この技術では、紫外線強度に基づいて溶接部に発生したプラズマの強度を計測するプラズマセンサーを用いることを基本としており、レーザ溶接法によって形成される溶接部での良否を検知する方法としては有用であると言える。しかしながら、スポット溶接のように電気抵抗による発熱(ジュール熱)を利用して母材を溶解して溶接する方法には、原理的に適用できない。
一方、特許文献2には、薄鋼板を被溶接部材とし、重ね溶接若しくは突き合わせ溶接に対して行なう溶接加工において、溶接時に発生する溶接欠陥を検出するために、スポット走査方式のレーザスキャナ装置を用い、これを揺動させることにより1ラインの取り込みを行ない、且つ溶接線に沿って進行させることにより、座標データを取り込み、更に測定用レーザの反射光量の減衰や測定エラーを考慮することにより、溶接ビードの形状および溶接欠陥を高精度に計測するための検査方法について提案されている。
この技術は、溶接部の周りにスポット状のレーザ光を当ててその反射を解析することによって、溶接部の良否を判定するものである。しかしながら、この方法は、形成された溶接ビードの外観を外部から計測することによって、溶接部の良否を判断するものであり、スポット溶接のようにナゲット内部に形成される空孔を判定する方法としては適していない。しかも、レーザスキャナ装置は極めて高価なものであり、簡便に実施できる方法ではない。
特開2002−239761号公報 特開2005−014026号公報
本発明は上記のような事情に着目してなされたものであって、その目的は、スポット溶接によって形成される溶接部の良否(ナゲット中の空孔体積率、ナゲット径)を、インラインでできるだけ迅速に、しかも非破壊で検知し、溶接部の健全性を確保するための検知方法、およびそのための有用な検知装置を提供することにある。
上記目的を達成することのできた本発明方法とは、スポット溶接時に溶接部から発生するCOガスおよび/またはCO2ガスの量を測定して、ナゲット中の空孔体積率を決定する点に要旨を有するものである。上記本発明方法においては、スポット溶接時に溶接部から発生するスパッタ量を測定することも有用であり、こうした構成を採用することによってナゲット中の空孔体積率と共に、ナゲット径をも決定することができる。
上記方法におけるより具体的な構成としては、ガスの発生量とナゲット中の空孔体積率の関係、および/またはスパッタ量とナゲット径との関係を予め把握しておき、その合格基準を設定し、実溶接時のガスの発生量および/またはスパッタ量を測定し、予め把握した関係に従って空孔体積率および/またはナゲット径を決定し、前記設定した合格基準と照合することによって合否の判定を行なう構成が挙げられる。
上記目的を達成するための他の方法は、スポット溶接時に溶接部から発生するスパッタ量を測定して、ナゲット径を決定することを特徴とする。
一方、上記目的を達成することのできた本発明の検知装置とは、スポット溶接によって形成される溶接部の良否を検知するための装置であって、スポット溶接時に溶接部周囲から発生するCOガスおよび/またはCO2ガスを捕集する捕集孔に接続されたガス捕集器と、前記ガス捕集器に捕集されたCOガスおよび/またはCO2ガスの量を測定するガス分析器と、測定されたガスの量のデータを処理するための電子計算機を備え、この電子計算機は、予め把握した関係に従って空孔体積率を決定するように構成されたものが挙げられる。
上記目的を達成することのできた本発明装置の他の構成としては、スポット溶接時に溶接部周囲から発生するスパッタを捕集する捕集孔に接続されたスパッタ捕集器と、前記スパッタ捕集器に捕集されたスパッタの量を測定するスパッタ量測定器と、測定されたスパッタ量のデータを処理するための電子計算機を備え、この電子計算機は、予め把握した関係に従ってナゲット径を決定するように構成されたものが挙げられる。
上記目的を達成することのできた本発明装置の更に他の構成としては、スポット溶接時に溶接部周囲から発生するCOガスおよび/またはCO2ガスを捕集する捕集孔に接続されたガス捕集器と、スポット溶接時に溶接部周囲から発生するスパッタを捕集するスパッタ捕集孔に接続された捕集器と、前記ガス捕集器に捕集されたCOガスおよび/またはCO2ガスの量を測定するガス分析器と、前記スパッタ捕集器に捕集されたスパッタの量を測定するスパッタ量測定器と、測定されたガスの量のデータおよびスパッタ量のデータを処理するための電子計算機を備え、この電子計算機は、予め把握した関係に従って空孔体積率およびナゲット径を決定するように構成されたものが挙げられる。
本発明方法によれば、スポット溶接時に溶接部から発生するCOガスおよび/またはCO2ガスの量やスパッタ量等のデータを測定するだけで、スポット溶接によって形成されるナゲット中に存在する空孔の体積率やナゲット径を決定できるので、多数形成される溶接部の良否をインラインで迅速に、しかも非破壊で検査できるものとなる。また、こうした方法を実施するための装置構成においても、大規模とはならず、比較的簡便な構成とすることができる。
本発明の装置構成例を示す概略説明図である。 590MPa級鋼板同士をスポット溶接したときにおけるCOガス濃度と空孔体積率との関係を示すグラフである。 980MPa級鋼板同士をスポット溶接したときにおけるCOガス濃度と空孔体積率との関係を示すグラフである。 590MPa級鋼板同士をスポット溶接したときにおけるCO2ガス濃度と空孔体積率との関係を示すグラフである。 980MPa級鋼板同士をスポット溶接したときにおけるCO2ガス濃度と空孔体積率との関係を示すグラフである。 980MPa級鋼板同士をスポット溶接したときにおける空孔体積率が1.7%のときのナゲット断面構造を示す図面代用写真である。 980MPa級鋼板同士をスポット溶接したときにおける空孔体積率が5.1%のときのナゲット断面構造を示す図面代用写真である。 スポット溶接によって形成されるナゲット径を説明するための図面代用写真である。 590MPa級鋼板同士をスポット溶接したときにおけるスパッタ量とナゲット径との関係を示すグラフである。 980MPa級鋼板同士をスポット溶接したときにおけるスパッタ量とナゲット径との関係を示すグラフである。
本発明者らは、上記目的を達成するために、ナゲット中の空孔体積率やナゲット径と相関関係のある因子について、様々な角度から検討を重ねた。その結果、スポット溶接時に溶接部の周囲から発生するCOガスやCO2ガスの量(濃度)は、ナゲット中の空孔体積率と相関関係があることが判明した。
スポット溶接時に溶接部の周囲から発生するガスの種類としては、COガスやCO2ガスの他にも、NOx等も存在する。しかしながら、COガス、CO2ガス以外のガス成分については、その存在が希薄であること、およびその存在を測定する装置との関係から、測定精度の点から問題がある。これに対して、COガスやCO2ガスは、その濃度が少ない場合であっても、その変動を迅速にしかも高精度に把握できることになる。本発明で対象とするガス成分としては、COガスおよびCO2ガスのどちらか一方、或はその両方(合計量)を測定しても良く、これらの濃度は、ナゲット中の空孔体積率と強い相関関係が存在することになる(後記実施例参照)。即ち、本発明では、スポット溶接時に溶接部の周囲から発生するCOガスやCO2ガスの量(濃度)を測定することによって、ナゲット中の空孔体積率を把握できることになる。
尚、スポット溶接時に溶接部の周囲から発生するCOガスやCO2ガスの量は、溶接される鋼板によって異なる。すなわち鋼種を特定する毎に発生するガス量と空孔体積率と明らかな相関関係があるので、鋼板毎にその相関関係を予め把握しておけば、実溶接時のガス発生量を測定することによって、様々な鋼板に対しても対応できることになる。そして、各種鋼板において、夫々の合格基準を設定しておき、その合格基準と照合することによって、合否の判定を行なうことができる。
上記のような現象が生じる理由について、本発明者らはその全てを解明し得た訳ではないが、次のように考えることができた。即ち、鋼板中のC(炭素)が、スポット溶接時の熱によって気化し、これが溶接部の周囲から発生するガスとなるので、空孔の大小によってその濃度が異なってくるものと考えられる。このように理解することによって、スポット溶接時に溶接部の周囲から発生するCOガスやCO2ガスの量は、溶接される鋼板によっても異なるという現象も理解できる。
こうした方法によれば、測定に要する時間は溶接部毎に10秒程度であるが、多数の溶接部の存在を考慮しても、十分にインラインで迅速に測定するという要求を満足できるものとなる。
本発明では、基本的にCOガスやCO2ガスの量が或る設定値(合格基準)を超えたときに「欠陥有り」と評価するものであるが、こうした構成では、溶接が全く行なわれていない場合であっても、「欠陥無し」と評価される可能性がある。そこで、本発明者らは、溶接部の健全性の評価を別の要件からも把握できるように検討した。その結果、スポット溶接時に溶接部の周囲から発生するスパッタ量は、形成されるナゲットの大きさ(ナゲット径)と相関関係があることが判明したのである。
スポット溶接では、溶接時に溶接部周囲からはスパッタは目視確認できず、このようなスパッタは発生していないものと考えられていた。しかしながら、本発明者らが、溶接部周囲から発生するヒューム(蒸発したガス成分も含む気体状物質)を検討したところ、その中には溶接金属部から発生する金属成分(本発明では、これをスパッタと呼んでいる)が含まれており、この金属成分の量は形成されるナゲット径と相関関係があることが分かった。
従って、スポット溶接時に溶接部の周囲から発生するスパッタ量を測定することによって、上記した方法と同様にして、ナゲット径を決定できることになる。こうした方法を採用する場合においても、測定に要する時間は溶接部毎に5秒程度となり、多数の溶接点を考慮しても、十分にインラインで迅速に測定するという要求を満足できるものとなる。
スパッタ量によってナゲット径を決定する方法は、上記したCOガスやCO2ガスの量によって空孔体積率を決定する方法と併用することもできるが、この方法を単独で採用しても溶接部の健全性を十分把握できるものとなる。
本発明方法を実施するための装置構成を、図面に基づいて説明する。図1は、本発明の装置構成例を示す概略説明図であり、1はスポット溶接機、2a,2bは電極、3はガス捕集器、4はガス分析器、5はスパッタ捕集器、6はスパッタ量測定器、7は電子計算機、8a,8bは被溶接部材としての一対の鋼板、を夫々示している。また、図中3b,5bはガス捕集器3およびスパッタ捕集器5の夫々に接続される捕集孔(ガス捕集用捕集孔およびスパッタ捕集用捕集孔)を示しており、例えば直径:4mmのパイプ状物からなり、捕集の際に鋼板表面に対して傾斜角45°程度で、電極の側面から1mm程度離れた位置にその先端部が位置するように配置される。
まずCOガスやCO2ガス量によってナゲット中の空孔体積率を決定する場合には、一対の鋼板8a,8bのスポット溶接時に溶接部から発生するCOガスやCO2ガスを捕集孔3bから捕集し、それをガス捕集器3に送り、捕集したガスの量をガス分析器4で測定する。測定されたガスの量のデータは電子計算機7に送られ、この電子計算機7は、予め把握した関係(ガス量と空孔体積率の関係)に従って空孔体積率を決定するように処理する。そして、設定された合格基準と照合することによって、合否の判定を行なう。
一方、スパッタ量によってナゲット径を決定する場合には、一対の鋼板8a,8bのスポット溶接時に溶接部から発生するスパッタを捕集孔5bから捕集し、それをスパッタ捕集器5に送り、捕集したスパッタ量をスパッタ量測定器6で測定する。測定されたスパッタ量のデータは電子計算機7に送られ、この電子計算機7は、予め把握した関係(スパッタ量とナゲット径の関係)に従ってナゲット径を決定するように処理する。そして、設定された合格基準と照合することによって、合否の判定を行なう。
尚、図1に示した装置構成では、COガスやCO2ガス量によってナゲット中の空孔体積率を決定する構成と、スパッタ量によってナゲット径を決定する構成のいずれをも備えたものを示したが、必要によって、COガスやCO2ガス量によってナゲット中の空孔体積率を決定する構成だけ、或はスパッタ量によってナゲット径を決定する構成だけとすることもでき、夫々の装置構成に応じて、各本発明方法が実施できる。
スポット溶接の条件についても、通常行なわれている条件に従えば良く、何ら限定するものではないが、その条件によってガス発生量やスパッタ発生量が変化する場合があるので、溶接部の良否を評価する際には、予め設定しておく合格基準については、溶接条件等をも考慮する必要がある。
本発明で対象とする鋼板としては、低炭素鋼板、低合金鋼板、ステンレス鋼板等の各種鋼板が挙げられる。また、鋼板の厚みについてはその種類によっても異なるが、スポット溶接できる薄板であれば何ら限定するものでなく、通常の鋼板の場合には0.3〜2.5mm程度である。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
[実施例1]
様々な鋼板を用い、下記の条件で溶接を行なうと共に(同じ鋼種同士を溶接)、前記図1に示した装置構成に従って、溶接部周囲から発生するCOガス量およびCO2ガス量を測定した。また、各ガス量に対応するナゲット内の空孔体積率を、X線CT(「SMX−225−CT−SV」 商品名:島津製作所製)で測定した。尚、ガス量の測定に当たっては、前記図1に示したように、スポット溶接機1にガス分析器4を隣接して、時系列でガス量(ガス濃度)を測定し、或る測定タイミングでの最大値を採用した。また、捕集したガス量は4.0〜10.0L/分であり、測定間隔は1秒である。
[スポット溶接条件]
鋼板の種類:590MPa級溶融亜鉛めっき鋼板(C含有量:0.065質量%)
980MPa級溶融亜鉛めっき鋼板(C含有量:0.12質量%)
鋼板厚さ:1.4mm
電極先端部直径:6mm(ドーム形状)
溶接電流(印加電流):6〜12kA
溶接時間(通電時間):18サイクル/60Hz(590MPa級鋼)
20サイクル/60Hz(980MPa級鋼)
加圧力:380kgf(590MPa級鋼板)、440kgf(980MPa級鋼板)
その結果を下記表1(590MPa級鋼板)、および表2(980MPa級鋼板)の夫々に示す。尚、空孔体積率の合格基準は2.0%以下である。
表1、2に示した結果に基づいて、ガス濃度(COガス濃度またはCO2ガス濃度)と空孔体積率との関係を図2〜5に示す。このうち図2は、590MPa級鋼板同士をスポット溶接したときにおけるCOガス濃度と空孔体積率との関係を、図3は980MPa級鋼板同士をスポット溶接したときにおけるCOガス濃度と空孔体積率との関係を、図4は590MPa級鋼板同士をスポット溶接したときにおけるCO2ガス濃度と空孔体積率との関係を、図5は980MPa級鋼板同士をスポット溶接したときにおけるCO2ガス濃度と空孔体積率との関係を、夫々示すグラフである。
上記の結果に基づき、ガス濃度(COガスまたはCO2ガスの濃度)(x)と、空孔体積率(y)との関係を最小二乗法によって求めたところ、下記(1)〜(4)式の関係で示されることが判明した。
y=0.0765x−0.0458(図2) …(1)
y=0.0991x−0.2806(図3) …(2)
y=0.0238x−10.741(図4) …(3)
y=0.0451x−19.752(図5) …(4)
この結果から、溶接部から発生するガス濃度(x)は、ナゲット中の空孔体積率(y)と相関関係が認められることが明らかであり、それらは下記(5)式に示す一般式で与えられることになる。従って、これらの関係を各種鋼板毎に予め把握しておくことによって、ナゲット中の空孔体積率を容易に決定できることになる。
y=A×x+B …(5)
(但し、AおよびBは、溶接条件、鋼板の種類によって決定される定数)
980MPa級鋼板同士をスポット溶接したときにおける空孔体積率が1.7%のときのナゲット断面構造を図6(図面代用写真)に、980MPa級鋼板同士をスポット溶接したときにおける空孔体積率が5.1%のときのナゲット断面構造を図7(図面代用写真)に夫々示す。
[実施例2]
実施例1で用いたのと同じ鋼板を用い、同様の条件で溶接を行なうと共に(同じ鋼種同士を溶接)、前記図1に示した装置構成に従って、溶接部周囲から発生するスパッタ量を測定した。また、各ガス量に対応するナゲット径を、光学顕微鏡を用いて測定した。尚、スパッタ量の測定に当たっては、前記図1に示したように、スポット溶接機1にスパッタ量測定器6(「DUST TarkII Model8531」 商品名:TSI社製)を隣接して、時系列でスパッタ量を測定し、或る測定タイミングでの最大値を採用した。また、捕集したスパッタ粒子径:0.1〜1.0μm、スパッタ量:1.4〜3.0L/分であり、測定間隔は1秒である。
その結果を下記表3(590MPa級鋼板)、および表4(980MPa級鋼板)の夫々に示す。尚、このときのナゲット径とは、図8(図面代用写真)で示される長さである。また、ナゲット径の合格基準は4.7mm以上である。
表3、4に示した結果に基づいて、スパッタ量とナゲット径との関係を図9、10に示す。このうち図9は、590MPa級鋼板同士をスポット溶接したときにおけるスパッタ量とナゲット径との関係を、図10は980MPa級鋼板同士をスポット溶接したときにおけるスパッタ量とナゲット径との関係を、夫々示すグラフである。
上記の結果に基づき、スパッタ量(X)と、ナゲット径(Y)との相関関係を最小二乗法によって求めたところ、下記(6)式、(7)式の関係で示されることが判明した。
Y=0.0082X−3.7703(図9の場合) …(6)
Y=0.0077X+3.9410(図10の場合) …(7)
この結果から、溶接部から発生するスパッタ量(X)は、ナゲット径(Y)と相関関係が認められることが明らかであり、それらは下記(8)式に示す一般式で与えられることになる。従って、これらの関係を各種鋼板毎に予め把握しておくことによって、ナゲット径を容易に決定できることになる。
Y=C×X+D …(8)
(但し、CおよびDは、溶接条件、鋼板の種類によって決定される定数)
1 スポット溶接機
2a,2b 電極
3 ガス捕集器
4 ガス分析器
5 スパッタ捕集器
6 スパッタ量測定器
7 電子計算機
8a,8b 鋼板

Claims (2)

  1. 鋼板のスポット溶接時に溶接部から発生するスパッタ量を測定して、ナゲット径を決定することを特徴とする溶接不良の検知方法。
  2. 鋼板のスポット溶接によって形成される溶接部の良否を検知するための装置であって、スポット溶接時に溶接部周囲から発生するスパッタを捕集する捕集孔に接続されたスパッタ捕集器と、前記スパッタ捕集器に捕集されたスパッタの量を測定するスパッタ量測定器と、測定されたスパッタ量のデータを処理するための電子計算機を備え、この電子計算機は、予め把握した関係に従ってナゲット径を決定するように構成されたものであることを特徴とする溶接不良の検知装置。
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