JPH0972721A - 連続処理ラインにおける薄板材の溶接部診断方法及び装置 - Google Patents

連続処理ラインにおける薄板材の溶接部診断方法及び装置

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JPH0972721A
JPH0972721A JP7228194A JP22819495A JPH0972721A JP H0972721 A JPH0972721 A JP H0972721A JP 7228194 A JP7228194 A JP 7228194A JP 22819495 A JP22819495 A JP 22819495A JP H0972721 A JPH0972721 A JP H0972721A
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Katsuhiro Terai
克浩 寺井
Jun Azuma
洵 東
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Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鉄鋼製造プロセスにおける連続溶融めっきラ
イン等の薄板材の連続処理ラインにおいて、連続的に通
板を行うために、搬送基側の薄板材の先端部と搬送先側
の薄板材の尾端部とを板幅方向に沿って重ね合わせ、一
対の上下電極輪により薄板材重ね合わせ部をナローラッ
プシーム溶接する際に、オンライン状態においてナロー
ラップシーム溶接部の健全性の診断を、溶接部に損傷を
与えることのない非破壊方式にて、精度良く、かつ短時
間で行えること。 【解決手段】 通電中の上下電極輪による薄板材通電接
触部位より溶接方向前方の近傍位置における薄板材重ね
合わせ部の重ねしろを、板幅方向に沿って光切断法を利
用して測定し、その重ねしろ測定値が予め定めた重ねし
ろ適正範囲内にあるか否かを判定することにより、オン
ライン状態において溶接部の健全性を診断する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば鉄鋼製造
プロセスの連続焼鈍ライン、連続溶融めっきライン等の
薄鋼板(ストリップ)の連続処理ラインにおいて、連続
的に通板を行うために、搬送基側の薄鋼板の先端部と搬
送先側の薄鋼板の尾端部とを重ね合わせ、その薄鋼板重
ね合わせ部をナローラップシーム溶接する際に、オンラ
イン状態においてナローラップシーム溶接部の健全性を
診断する方法及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】薄板材の連続処理ライン、例えば鋼製造
プロセスにおける周知の連続溶融めっきラインにおいて
は、その概略説明図の図9に示すように、連続的に通板
を行うため、ぺイオフリール51から供給される搬送基
側の薄鋼板Sr(後行材)は、搬送先側の薄鋼板Sf
(先行材)にナローラップシーム溶接機60によりシー
ム溶接される。このとき溶接のための許容時間は、連続
焼鈍炉53の入側に配設された入側ルーパー52に蓄え
られたものが吐き出されるまでという制約を受けるた
め、薄鋼板ナローラップシーム溶接部の健全性の診断を
迅速に行わなければならない。
【0003】前記ナローラップシーム溶接機60は、薄
鋼板の溶接状況説明図の図10に示すように、シャー
(切断機)で搬送基側の薄鋼板Srの先端部と搬送先側
の薄鋼板Sfの尾端部とを切断した後に、それら端部を
わずかに重ね合わせ、その薄鋼板重ね合わせ部を上側電
極輪61Aと下側電極輪61B(図示省略)により挟持
し加圧通電しながら板幅方向にナローラップシーム溶接
している。この場合、薄鋼板Sr,Sfの板厚をtとす
ると、一般に、薄鋼板重ね合わせ部の重ねしろは、板厚
tの半分程度である。
【0004】なお、上下電極輪61A,61Bの近傍の
輪状のものは、上下電極輪61A,61Bに追従して溶
接部が面一になるように通電直後の薄鋼板重ね合わせ部
を挟圧する上側の圧下ロール62A(図10では下側の
圧下ロール62Bは図示省略)である。また、薄鋼板重
ね合わせ部を挟んで搬送基側の薄鋼板Srと搬送先側の
薄鋼板Sfとをそれぞれ上下から挟持し固定しているも
のはクランプ63,63である。
【0005】オンライン下でのナローラップシーム溶接
部の健全性の診断は、現状ではその大半が、検査員が溶
接部にハンマー等で打撃を与えて、溶接部の変質が生じ
ないか否かを目視で判定する方法(以下、ハンマリング
試験法という)により行われている。
【0006】一方、図11に示すように、エリクセン試
験法による溶接部診断法がある。エリクセン試験法は、
溶接条件を設定するためにナローラップシーム溶接によ
る溶接部分を切り出し、その溶接部分に治具を当て力を
加えて変形させ、破断が生じるか否かを調べるようにし
たものである。しかし、このエリクセン試験法は、破壊
試験法であり、オンライン状態においては使用不可能で
ある。なお、図11中、Kは板幅方向における接合界面
である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記従来のハンマリン
グ試験法では、一種の破壊試験であり、正常な溶接部
に変形を与えてしまうこと、省力化・省人化を阻害す
ること、実際には溶接部全体にわたる精密な診断は行
い難いこと、目視による診断のため、定量的な診断が
行えず、個人差があって診断結果の信頼性に差が生じる
こと、人手による診断のため、診断に時間がかかり、
溶接不良による再溶接の場合にはライン停止時間が長く
なること、などの問題点がある。
【0008】そこでこの発明は、鉄鋼製造プロセスにお
ける連続焼鈍ラインや連続溶融めっきライン等の薄板材
の連続処理ラインにおいて、連続的に通板を行うため
に、搬送基側の薄板材と搬送先側の薄板材とをナローラ
ップシーム溶接する際に、オンライン状態においてナロ
ーラップシーム溶接部の健全性の診断を、溶接部に損傷
を与えることのない非破壊方式にて、精度良く、かつ短
時間で行うことができる連続処理ラインにおける薄板材
の溶接部診断方法及びその装置を提供することを課題と
する。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するこ
の発明による連続処理ラインにおける薄板材の溶接部診
断方法は、搬送基側の薄板材の先端部と搬送先側の薄板
材の尾端部とを板幅方向に沿って重ね合わせ、板幅方向
に移動可能な一対の上下電極輪により薄板材重ね合わせ
部を挟持し加圧通電してナローラップシーム溶接し、そ
の接合した薄板材を搬送しながら連続的に処理する薄板
材の連続処理ラインで、オンライン状態において薄板材
のナローラップシーム溶接部の健全性を診断する方法で
あって、通電中の上下電極輪による薄板材通電接触部位
より溶接方向前方の近傍位置における薄板材重ね合わせ
部の重ねしろを、板幅方向に沿って光切断法を利用して
測定し、その重ねしろ測定値が予め定めた重ねしろ適正
範囲内にあるか否かを判定することにより、オンライン
状態において溶接部の健全性を診断することを特徴とす
るものである。
【0010】また、この発明による連続処理ラインにお
ける薄板材の溶接部診断装置は、搬送基側の薄板材の先
端部と搬送先側の薄板材の尾端部とを板幅方向に沿って
重ね合わせ、板幅方向に移動可能な一対の上下電極輪に
より薄板材重ね合わせ部を挟持し加圧通電してナローラ
ップシーム溶接し、その接合した薄板材を搬送しながら
連続的に処理する薄板材の連続処理ラインで、オンライ
ン状態において薄板材のナローラップシーム溶接部の健
全性を診断する装置であって、重ね合わせ部位置の上方
に配設され、通電中の上側電極輪による薄板材通電接触
部位より溶接方向前方の近傍位置における重ね合わせ部
に、この重ね合わせ部と交差し、かつ薄板材平面に対し
て傾斜させたスリット光を照射し、上側から見た重ね合
わせ部上のスリット光による光切断線を撮像する上側の
光学式検出ヘッドと、重ね合わせ部位置の下方に前記上
側の光学式検出ヘッドに相対向して配設され、スリット
光を照射して下側から見た重ね合わせ部上のスリット光
による光切断線を撮像する下側の光学式検出ヘッドと、
前記両電極輪の板幅方向への移動に同期して前記上側及
び下側の各光学式検出ヘッドを両者一体に移動させる検
出ヘッド移動手段と、前記上側及び下側の各光学式検出
ヘッドにより得られた画像から、上側から見た重ね合わ
せ部の薄板材エッジ位置と下側から見た重ね合わせ部の
薄板材エッジ位置とを検出し、これにより板幅方向に沿
って薄板材重ね合わせ部の重ねしろを求める重ねしろ測
定装置と、前記重ねしろ測定装置により得られた重ねし
ろ測定値を予め定めた重ねしろ適正範囲値と比較して溶
接部の健全性の良否を判定する判定装置と、を備えたこ
とを特徴とするものである。溶接部診断装置は、前記判
定装置の判定結果に基づき溶接不良が発生した際には警
報を発する警報装置を備えることができる。
【0011】図7はナローラップシーム溶接における溶
接部の抵抗発熱を説明するための説明図、図8はナロー
ラップシーム溶接による溶接部断面を示す模式図であ
る。薄板材重ね合わせ部の重ねしろが適正である場合に
は、図7における上下薄板材間の接触抵抗r1 ,r3
5 及び薄板材内部抵抗r2 ,r4 による抵抗発熱(ジ
ュール熱)が十分発生し、図8の(a)に示すように、
適正な拡がりの熱影響部が形成され所要の引張強さ(接
合強度)を持つ溶接部が得られる。これに対して重ねし
ろが適正範囲より小さい場合には、図7における接触抵
抗r3 が小さいため、電極輪と薄板材間の接触抵抗
1 ,r5 による抵抗発熱で火花が多発して薄板材表面
での発熱が多くなり、重ね合わせ部内部での抵抗発熱が
不足し、図8の(b)に示すように、熱影響部が狭く引
張強さが不足した溶接部が形成されてしまう。
【0012】このように、ナローラップシーム溶接で
は、所要の引張強さを持つ健全な溶接部を得るには、薄
板材重ね合わせ部において適正な抵抗発熱量が必要であ
り、この適正な抵抗発熱量を得るためには、溶接中にお
ける重ね合わせ部の重ねしろが適正範囲内にあることが
必要である。なお、重ね合わせ部の重ねしろは、ナロー
ラップシーム溶接機に生じる機械的ガタなどによって溶
接中に変動することから、溶接中における値を精度良く
管理することが必要とされる。
【0013】この発明による溶接部診断方法及び装置に
よると、通電中の上下電極輪による薄板材通電接触部位
より溶接方向前方の近傍位置における薄板材重ね合わせ
部の重ねしろを、重ね合わせ部にスリット光を照射する
光切断法を利用して板幅方向に沿って測定し、その重ね
しろ測定値が予め定めた重ねしろ適正範囲内にあるか否
かを判定するようにしたものであるから、オンライン状
態においてナローラップシーム溶接部の健全性の診断
を、溶接部に損傷を与えることのない非破壊方式にて、
誤判定を生じることなく精度良く、かつ短時間で行うこ
とができる。
【0014】
【発明の実施の形態】図1はこの発明による溶接部診断
方法を実施する装置を備えたナローラップシーム溶接機
の要部を示す構成説明図、図2は図1に示す上側の光学
式検出ヘッドの概略構成図、図3は図1においてD矢視
方向から見た場合における薄鋼板重ね合わせ部に照射さ
れる上側及び下側からのスリット光の様子を示す図であ
る。
【0015】図1において、64は薄鋼板に対して板幅
方向(溶接方向)に移動するナローラップシーム溶接機
60の溶接機本体フレームであり、この溶接機本体フレ
ーム64に、上・下電極輪61A,61B、及び、上・
下圧下ロール62A,62Bがそれぞれ回転可能に取り
付けられている。そして、上側電極輪61Aの溶接方向
前方の位置において上側の光学式検出ヘッド1が溶接機
本体フレーム64に取り付けられるとともに、下側電極
輪61Bの溶接方向前方の位置において前記上側の光学
式検出ヘッド1に相対向して下側の光学式検出ヘッド2
が溶接機本体フレーム64に取り付けられている。溶接
機本体フレーム64は、両電極輪61A,61Bの板幅
方向への移動に同期して上側及び下側の各光学式検出ヘ
ッド1,2を両者一体に移動させる検出ヘッド移動手段
をも兼ねている。
【0016】前記上側の光学式検出ヘッド1は、図2〜
図4に示すように、通電中の上側電極輪61Aによる薄
鋼板通電接触部位より溶接方向前方の近傍位置における
重ね合わせ部に、この重ね合わせ部と略直角に交差し、
かつ薄鋼板平面に対して傾斜させたスリット光14を照
射するスリット光源13と、カメラ光軸がスリット光1
4の光軸に対して斜め方向かつ薄鋼板平面に対して略垂
直になるように配置され、上側から見た重ね合わせ部上
のスリット光14による光切断線15aを撮像するCC
Dカメラ11とにより構成されている。
【0017】扇形に拡がる平板状のスリット光14を照
射する前記スリット光源13は、可視光を発するHe−
Ne半導体レーザ発振器13aと円筒レンズ13bで構
成されている。撮像装置であるCCDカメラ11は、二
次元配列された固体撮像素子であるCCD(Charge Cou
pled Device )撮像素子を備えたもので、この実施例で
は視野を50×50mm程度に設定し、画素数が約35
万画素であって後述する重ね合わせ部の薄板材エッジ位
置検出分解能が約70μmのものである。CCDカメラ
11の前方には集光レンズ12が配置されている。
【0018】下側の光学式検出ヘッド2は、下側電極輪
61Bによる薄鋼板通電接触部位より溶接方向前方の近
傍位置における重ね合わせ部にスリット光24を照射
し、下側から見た重ね合わせ部上の光切断線25a(図
示省略)を撮像するものであり、上側の光学式検出ヘッ
ド1と同構成であるから、その説明を省略する。なお、
上側の光学式検出ヘッド1のCCDカメラ11による位
置座標系と下側の光学式検出ヘッド2のCCDカメラ2
1による位置座標系とを一致させるために、両CCDカ
メラ11,21のカメラ光軸は一致させてある。
【0019】3は重ねしろ測定装置であり、上側及び下
側の各光学式検出ヘッド1,2により得た画像から、上
側から見た重ね合わせ部の薄鋼板エッジ位置と下側から
見た重ね合わせ部の薄鋼板エッジ位置とを検出し、これ
により板幅方向に沿って薄鋼板重ね合わせ部の重ねしろ
を求める装置である。4は判定装置としてのパーソナル
コンピュータであり、重ねしろ測定装置3により得られ
た重ねしろ測定値を予め定めた重ねしろ適正範囲値と比
較して溶接部の健全性の良否の判定を行うものである。
5はパーソナルコンピュータ4による判定結果に基づき
溶接不良が発生したときに警報を発する警報装置として
のブザーである。
【0020】図4は薄鋼板重ね合わせ部の重ねしろの測
定原理を説明するための説明図、図5は上側及び下側の
各CCDカメラにより得られる光切断線像をそれぞれ示
す図である。
【0021】次に前記構成になる溶接部診断装置を用い
て行うこの発明による方法を説明する。薄鋼板Sr,S
fの端部同士が重ね合わされてセットされ、溶接機本体
フレーム64が溶接方向に移動開始すると、上・下光学
式検出ヘッド1,2が、上・下電極輪61A,61B及
び上・下圧下ロール62A,62Bとともに溶接方向に
移動を開始し、図4に示すように、上側の光学式検出ヘ
ッド1のスリット光源13により、通電中の上側電極輪
61Aによる薄鋼板通電接触部位より溶接方向前方に一
定距離d離れた電極輪近傍位置における重ね合わせ部
に、スリット光14を照射する。そして、CCDカメラ
11により、上側から見た重ね合わせ部上のスリット光
14による光切断線15aを撮像し、図4の下部、図5
の上部に示すように、その光切断線像15bを得る。
【0022】同様にして、下側の光学式検出ヘッド2の
スリット光源23により、通電中の下側電極輪61Bに
よる薄鋼板通電接触部位より溶接方向前方に一定距離d
離れた電極輪近傍位置における重ね合わせ部に、スリッ
ト光24を照射し、CCDカメラ21により、下側から
見た重ね合わせ部上の光切断線25a(図示省略)を撮
像し、図5の下部に示すように、その光切断線像25b
を得る。
【0023】重ねしろ測定装置3は、上側のCCDカメ
ラ11により得られた光切断線像15bから、上側から
見た薄鋼板重ね合わせ部の薄鋼板Srエッジ位置を検出
してその位置座標PA を求めるとともに、下側のCCD
カメラ21により得られた光切断線像25bから、下側
から見た薄鋼板重ね合わせ部の薄鋼板Sfエッジ位置を
検出してその位置座標PB を求める。そして、位置座標
B のX座標値から位置座標PA のX座標値を減算し、
重ね合わせ部の重ねしろを求める。重ねしろ測定装置3
は、このような重ねしろ測定動作を短い所定周期にて繰
り返し行い、溶接中における薄鋼板重ね合わせ部の板幅
方向に沿う重ねしろLを測定し、その重ねしろ測定値L
をパーソナルコンピュータ4に与える。
【0024】溶接が終了し、板幅方向に沿う重ねしろ測
定値Lが与えられると、パーソナルコンピュータ4は、
重ねしろ測定値Lを予め定めた重ねしろ適正範囲値と比
較して溶接部の健全性の良否の判定を行う。比較の結
果、重ねしろ測定値Lが重ねしろ適正範囲値を超えてい
る場合には、ブザー5を鳴動させて警報を発する。これ
により作業者は溶接不良が発生したことを知り、直ちに
再溶接が行われることになる。
【0025】図6は重ねしろを板幅方向途中で小さくし
たテスト用試験材のナローラップシーム溶接にこの発明
方法を適用した場合の結果を模式的に示す図である。薄
鋼板の板厚は1.2mmであり、溶接開始部分の重ねし
ろは0.8mmである。同図に示すように、重ねしろ測
定値Lがその適正範囲値より小さくなった箇所では、そ
の溶接部断面を観察したところ、板厚方向における接合
界面がほぼ垂直となり、熱影響部が狭く引張強さが不足
した溶接部が形成されていることが確認された。
【0026】
【発明の効果】以上述べたように、この発明による連続
処理ラインにおける薄板材の溶接部診断方法及びその装
置によると、鉄鋼製造プロセスにおける連続焼鈍ライン
や連続溶融めっきライン等の薄板材の連続処理ラインに
おいて、連続的に通板を行うために、搬送基側の薄板材
と搬送先側の薄板材とをナローラップシーム溶接する際
に、通電中の上下電極輪による薄板材通電接触部位より
溶接方向前方の近傍位置における薄板材重ね合わせ部の
重ねしろを、スリット光による光切断法を利用して板幅
方向に沿って測定し、その重ねしろ測定値が予め定めた
重ねしろ適正範囲内にあるか否かを判定するようにした
ものであるから、オンライン状態においてナローラップ
シーム溶接部の健全性の診断を、溶接部に損傷を与える
ことのない非破壊方式にて、誤判定を生じることなく精
度良く、かつ短時間で行うことができる。さらに、重ね
しろ測定値を蓄積し、その重ねしろ測定値の経時的な変
化より、ナローラップシーム溶接機において薄板材の重
ね合わせを行うためのクランプやクランプ移動機構の機
械的劣化の度合いを間接的に診断でき、それらのメンテ
ナンス時期を的確に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による溶接部診断方法を実施する装置
を備えたナローラップシーム溶接機の要部を示す構成説
明図である。
【図2】図1に示す上側の光学式検出ヘッドの概略構成
図である。
【図3】図1においてD矢視方向から見た場合における
薄鋼板重ね合わせ部に照射される上側及び下側からのス
リット光の様子を示す図である。
【図4】薄鋼板重ね合わせ部の重ねしろの測定原理を説
明するための説明図である。
【図5】上側及び下側の各CCDカメラにより得られる
光切断線像をそれぞれ示す図である。
【図6】重ねしろを板幅方向途中で小さくしたテスト用
試験材のナローラップシーム溶接に本発明方法を適用し
た場合の結果を模式的に示す図である。
【図7】ナローラップシーム溶接における溶接部の抵抗
発熱を説明するための説明図である。
【図8】ナローラップシーム溶接による溶接部断面を示
す模式図であり、その(a)は重ねしろが適正である場
合の溶接部断面を示す模式図、その(b)は重ねしろが
適正範囲より小さい場合の溶接部断面を示す模式図であ
る。
【図9】連続溶融めっきラインの概略説明図である。
【図10】薄鋼板のナローラップシーム溶接の説明図
【図11】エリクセン試験法による溶接部の診断を順序
的に示す説明図である。
【符号の説明】
1…上側の光学式検出ヘッド 11…CCDカメラ 1
2…集光レンズ 13…スリット光源 13a…He−
Ne半導体レーザ発振器 13b…円筒レンズ 14…スリット光 15a…光切断線 15b…光切断
線像 2…下側の光学式検出ヘッド 21…CCDカメ
ラ 23…スリット光源 24…スリット光 25b…光切断線像 3…重ねしろ測定装置 4…パー
ソナルコンピュータ 5…ブザー 60…ナローラップ
シーム溶接機 61A…上側電極輪 61B…下側電極
輪 62A,62B…圧下ロール 63…クランプ 6
4…溶接機本体フレーム Sr,Sf…薄鋼板

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 搬送基側の薄板材の先端部と搬送先側の
    薄板材の尾端部とを板幅方向に沿って重ね合わせ、板幅
    方向に移動可能な一対の上下電極輪により薄板材重ね合
    わせ部を挟持し加圧通電してナローラップシーム溶接
    し、その接合した薄板材を搬送しながら連続的に処理す
    る薄板材の連続処理ラインで、オンライン状態において
    薄板材のナローラップシーム溶接部の健全性を診断する
    方法であって、通電中の上下電極輪による薄板材通電接
    触部位より溶接方向前方の近傍位置における薄板材重ね
    合わせ部の重ねしろを、板幅方向に沿って光切断法を利
    用して測定し、その重ねしろ測定値が予め定めた重ねし
    ろ適正範囲内にあるか否かを判定することにより、オン
    ライン状態において溶接部の健全性を診断することを特
    徴とする連続処理ラインにおける薄板材の溶接部診断方
    法。
  2. 【請求項2】 搬送基側の薄板材の先端部と搬送先側の
    薄板材の尾端部とを板幅方向に沿って重ね合わせ、板幅
    方向に移動可能な一対の上下電極輪により薄板材重ね合
    わせ部を挟持し加圧通電してナローラップシーム溶接
    し、その接合した薄板材を搬送しながら連続的に処理す
    る薄板材の連続処理ラインで、オンライン状態において
    薄板材のナローラップシーム溶接部の健全性を診断する
    装置であって、 重ね合わせ部位置の上方に配設され、通電中の上側電極
    輪による薄板材通電接触部位より溶接方向前方の近傍位
    置における重ね合わせ部に、この重ね合わせ部と交差
    し、かつ薄板材平面に対して傾斜させたスリット光を照
    射し、上側から見た重ね合わせ部上のスリット光による
    光切断線を撮像する上側の光学式検出ヘッドと、 重ね合わせ部位置の下方に前記上側の光学式検出ヘッド
    に相対向して配設され、スリット光を照射して下側から
    見た重ね合わせ部上のスリット光による光切断線を撮像
    する下側の光学式検出ヘッドと、 前記両電極輪の板幅方向への移動に同期して前記上側及
    び下側の各光学式検出ヘッドを両者一体に移動させる検
    出ヘッド移動手段と、 前記上側及び下側の各光学式検出ヘッドにより得られた
    画像から、上側から見た重ね合わせ部の薄板材エッジ位
    置と下側から見た重ね合わせ部の薄板材エッジ位置とを
    検出し、これにより板幅方向に沿って薄板材重ね合わせ
    部の重ねしろを求める重ねしろ測定装置と、 前記重ねしろ測定装置により得られた重ねしろ測定値を
    予め定めた重ねしろ適正範囲値と比較して溶接部の健全
    性の良否を判定する判定装置と、を備えたことを特徴と
    する連続処理ラインにおける薄板材の溶接部診断装置。
  3. 【請求項3】 前記判定装置の判定結果に基づき溶接不
    良が発生した際には警報を発する警報装置を備えた請求
    項2記載の連続処理ラインにおける薄板材の溶接部診断
    装置。
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