JPH05223788A - 薄板の溶接部の健全性診断方法 - Google Patents

薄板の溶接部の健全性診断方法

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JPH05223788A
JPH05223788A JP4025257A JP2525792A JPH05223788A JP H05223788 A JPH05223788 A JP H05223788A JP 4025257 A JP4025257 A JP 4025257A JP 2525792 A JP2525792 A JP 2525792A JP H05223788 A JPH05223788 A JP H05223788A
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welding
diagnosing
welded part
soundness
electrode
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JP4025257A
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Katsuhiro Terai
克浩 寺井
Katsuro Dejima
勝郎 出島
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Kobe Steel Ltd
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Kobe Steel Ltd
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  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Magnetic Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 連続溶融亜鉛メッキライン等の薄板の連続処
理プロセスにおける溶接用電極7A,7Bの後方位置に渦電
流センサ9又は固体撮像素子カメラを設け、これを溶接
後の接合部に向けて走査させながらインピーダンス又は
色に係る出力を検出し、このときのインピーダンス変化
又は色変化より溶接熱影響部の幅又は変色幅の範囲を求
め、それに基づいて溶接部の溶接の健全性を溶接オンラ
イン下で迅速に診断することを特徴とする薄板の溶接部
の健全性診断方法。 【効果】 溶接を続けながらオンライン下でその直後に
即座に、非破壊・非接触方式で且つ簡単な構造で、溶接
部に悪影響を及ぼすことなく、溶接部分の健全性診断を
し得るようになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、薄板の溶接部の健全性
診断方法に関し、詳細には、鉄鋼圧延工程の連続焼鈍ラ
イン、連続溶融亜鉛メッキライン等の連続処理プロセス
において抵抗加熱等を利用した溶接機による薄板の溶接
工程に随伴しながら薄板溶接部の健全性をオンライン下
で迅速に診断する薄板の溶接部の健全性診断方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】鉄鋼業、アルミなど非鉄金属業、金属加
工メーカーの各業種での溶接工程における溶接部分の溶
接条件、溶接状態をチェックすることは、製品の品質管
理の点から重要である。そのチェック手段として、オン
ライン下で溶接部を連続的に検査し、溶接部の健全性を
診断する手段が広く採用されている。
【0003】鉄鋼圧延工程の連続焼鈍ラインや、連続溶
融亜鉛メッキライン等の如く、薄板を走行させながら連
続処理するプロセスにおいては、該プロセスの途中に薄
板同士(先行板と後続板)をつなぐために溶接され、そ
の溶接部の健全性が診断されるが、この溶接部診断はオ
ンライン下で迅速に行われなければならない。
【0004】例えば、連続溶融亜鉛メッキラインの場
合、図1に示す如く、ペイオフリール1から供給された
鋼板5(後続板)は、溶接機2部で処理中の先行板と溶
接して搬送されるが、この溶接のための許容時間は、焼
鈍炉4の手前に設けられた入り側ループカー3に備蓄さ
れたものが吐き出される迄という制約を受ける。そのた
め、溶接部診断はオンライン下で迅速に行う必要があ
る。
【0005】この場合の溶接は、図2に例示する如く切
断機(シャー)で薄板5の先端を切断した後、その先端
部を僅かに重ね合わせてクランプ18で固定し、その重合
部分Dを上下の電極輪7Aで加圧しながら幅方向に溶接す
ることにより行われる。
【0006】オンライン下での溶接部診断は、現状では
大半が、作業者がA点において溶接部分にハンマー等で
打撃を与えて、溶接部Kの変質が生じていないか何うか
を目視で判断する方法(以降、ハンマリング法という)
により行われており、このことは上記メッキライン以外
の薄板の連続処理プロセスにおいても同様である。
【0007】一方、図3に概要示する如く、所謂エリク
セン試験法を適用した溶接部診断法がある。本法は、溶
接条件を設定するために溶接部分を切り取り、該溶接部
分に治具を当て力を加えて変形させ、破断Eが生じるか
否かを見分けるものである。しかし、本法はオンライン
下では使用不可能である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前記従来のハンマリン
グ法は一種の破壊試験であって、 正常な溶接部に変
形を与えてしまうこと、 当然ながら省力化を阻害す
ること、 実際には全面に至る精密な診断は行い難い
こと、定量的な評価が行えないこと、 ライン停止
時間が長くなること等の諸問題点が依然として残ってい
る。更には、溶接機の構造が元来複雑であって、その周
辺には必要なセンサを設置するスペースが確保し難いこ
ともあって、簡単な構造でしかも非破壊、非接触型で診
断できる技術の開発が強く望まれているのが実状であ
る。
【0009】ところで、従来より材料欠陥の非破壊検査
方法として、(A) 超音波探傷試験、(B) 放射線透過試験
(X線透過撮影)、(C) 磁気探傷試験(漏洩磁束・磁粉
探傷試験)があるが、(A) は超音波プローブと被検査材
との間に接触媒質が必要であり、それを溶接直後に塗布
するのは接合部が急冷されるため、焼き入れされて変質
することから不適切であり、(B), (C)に関しては検査時
間が長く、又、感度が低い等の問題で適用が困難であ
り、これら従来の検査方法は実用に際しては種々の問題
がある。
【0010】本発明は、このような事情に着目してなさ
れたものであり、その目的は前記の如き問題点を解消
し、溶接を続けながらオンライン下でその直後に即座に
非破壊、非接触方式で溶接部分の健全性診断を可能と
し、更には接触媒質が不要であって溶接部急冷による変
質の不具合を招かず、しかも簡単な構造で行えて実用性
に優れると共に汎用に適する薄板の溶接部の健全性診断
方法を提供しようとすることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するため以下に述べる構成としたものである。即
ち、本発明は、鉄鋼圧延工程の連続焼鈍ライン、連続溶
融亜鉛メッキライン等の連続処理プロセスでの薄板の溶
接工程のオンライン下で行われる溶接部の診断方法であ
って、渦電流センサを溶接用電極の後方位置に設けて、
前記溶接用電極と一体にまた単独に移動可能となし、溶
接後の接合部分に近接対向し走査させながら接合部分の
インピーダンスを測定することにより、前記インピーダ
ンスの変化から溶接により生じた薄板の焼入れ硬化部分
の範囲を求め、その焼入れ硬化部分の範囲に基づいて溶
接部分の溶接の健全性を溶接オンライン下で迅速に診断
することを特徴とする薄板の溶接部の健全性診断方法で
ある。
【0012】また本発明は、鉄鋼圧延工程の連続焼鈍ラ
イン、連続溶融亜鉛メッキライン等の連続処理プロセス
での薄板の溶接工程のオンライン下で行われる溶接部の
診断方法であって、固体撮像素子カメラを溶接用電極の
後方位置に設けて、前記溶接用電極と一体にまた単独に
移動可能となし、溶接後の接合部に指向させて表面状況
を観察することにより、鋼板表面上の変色幅の範囲を求
め、その変色幅の範囲から溶接部分の溶接の健全性を溶
接オンライン下で迅速に診断することを特徴とする薄板
の溶接部の健全性診断方法である。
【0013】
【作用】本発明方法の適用対象である溶接部を図4に例
示する。溶接部Kの左右両側には、溶接熱影響部F(斜
線部)及び表面変色部Gが存在する。尚、かかる溶接熱
影響部が焼入れ硬化部分(以降、熱影響部という)であ
る。溶接条件が不的確な場合の不完全接合状態として
は、未接着部分I、割れH等がある。この不完全接合状
態の発生原因としては、(1) 所定の溶接電流値が得られ
ず、十分な熱影響部Fの幅が保持出来ないこと、(2) 接
合部分に存在する酸化膜、圧下不足等が原因となる表面
・内部における未接着部分Iが存在すること、(3) 図2
のA,B,C各断面状態からも判る如く重合部分が押し
潰されて大きく変形を受け、その際に生じる母材部割れ
H等が存在すること、などが挙げられる。
【0014】一方、溶接による接合部(ナゲット部)
は、内部組織の粒度変化、硬化により電磁気的には抵抗
・透磁率・導電率が周囲部とは若干異なる。又、ナゲッ
ト部の表面は、溶接電流の熱影響により周辺母材部表面
に比べて、見掛け上黒っぽく変色することが判ってい
る。従って、この部分に渦電流センサを作用させると該
センサに備えられる検出コイルのインピーダンスが変わ
り、センサ出力である検出コイルの出力電圧が変化す
る。例えば、この状態は図10に示される。以上のことか
ら、渦電流センサによりナゲット部における熱影響部の
領域を知ることが出来る。他方、この熱影響部の大きさ
は、溶接条件である電流、ラップ量、圧下量、速度によ
り大きく左右される。
【0015】又、ナゲット部を含む鋼板表面を適当な視
野で CCDラインカメラ等の固体撮像素子カメラを用いて
観察すると、表面の明るさの違いによりカメラの出力電
圧が変化する。例えば、図12に示すようになる。故に、
CCDラインカメラにより接合部表面の変色幅の領域を知
ることが出来る。他方、この変色幅の領域は図7に例示
するように、前記溶接条件により大きく左右される。例
えば、正常な溶接電流値が得られない場合や、電流値が
正常であっても電極輪速度が速くなり接合部への入熱不
足が生じた場合等である。
【0016】ナローラップシーム溶接機等の抵抗溶接機
はその電極に高電流を通電させて溶接を行っていること
に着目すると、図4に示す如き熱影響部Fの大きさ、表
面変色部Gの幅は、溶接電流値に比例することが図6,
7に例示する溶接サンプルでの試験結果から判ってい
る。但し、電極輪速度は一定である。一方、この熱影響
部Fの大きさ、表面変色部Gの幅による接合部の強度の
問題については、図3に示す如き前記エリクセン試験の
結果から判断すると、所定の溶接電流値より約5%低い
電流値で溶接したものが、接合界面から割れが入ったこ
とからして、溶接電流が大きい影響を及ぼすものである
ことは明らかである。尚、接合状態の良好なものでは、
エリクセン試験を行うと接合界面に対して垂直に割れが
入る。
【0017】以上説明した溶接部における接合状態に関
して、本発明方法を実施することによって、溶接を続け
ながらオンライン下でその直後に即座に、非破壊、非接
触方式で溶接部分の健全性診断をし得、又、このとき接
触媒質が不要であって溶接部焼き入れ等による変質の不
具合を招かず、しかも簡単な構造で健全性診断が行える
ので、実用性に優れると共に汎用に適する。
【0018】即ち、溶接直後の接合部分についてのイン
ピーダンスを渦電流センサによって非接触下で測定し、
又は、溶接後の接合部に指向させた固体撮像素子カメラ
によって表面状況を観察することにより、熱影響部Fの
幅(範囲)、表面変色部Gの幅を検出電流又は電圧の大
きさとして非接触下で求めることができ、求めた熱影響
部Fの大きさ、表面変色部Gの幅に基づいて所定の溶接
電流値が接合部に供給されているかどうか、又、電極輪
の速度が正常であるかどうかを判断し得、従って、薄板
溶接部の健全性を溶接オンライン下で迅速に診断し得
る。かかる診断方法は、非破壊方式且つ非接触方式であ
り、又、接触媒質が不要であって溶接部焼き入れ等によ
る変質の不具合を招かず、しかも簡単な構造で行えるの
で、実用性に優れると共に汎用に適する。
【0019】加えるに、本発明方法を実施することによ
って、図4に示された鋼板表面上の割れHについても、
検出した出力電圧等の急激な変化状態を知ることによっ
て精度良く検出することも可能である。尚、代表的な割
れHのサイズとしては、開口幅・割れ深さ共に約 100μ
m 程度であることが判っている。但し、図5に示す例の
如く厚さの異なる鋼板同士を溶接した場合は、接合部の
うちで段差部の表面に生じる割れJに関して、 CCDライ
ンカメラ等の固体撮像素子カメラでは検出が容易ではな
く、渦電流センサにより検出する方が適している。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。 (実施例1)実施例1に係る溶接機における渦電流セン
サの取付け部の略示立面図を図8、上記渦電流センサの
検出端部の斜視図を図9に示す。この例の溶接機はナロ
ーラップシーム溶接機であって、本体のハウジング6に
対し、溶接方向(白抜き矢示線の方向)を基準とし前後
に、上下一対の電極輪7A, 7Bで実現される溶接用電極及
び圧下ロール8A,8Bがそれぞれ取付けられている。圧下
ロール8A,8Bに対してその後方の溶接線上50乃至200mm
の位置において渦電流センサ9が溶接機に設けられてい
る。渦電流センサ9は回転型プローブに形成され、ハウ
ジング6に取付けられた溶接部倣い機構10の先端部に取
付けられている。
【0021】渦電流センサ9は、回転型プローブを備え
ていて、このプローブは直径1mmのコアに励磁コイル12
と検出コイル13とが巻付けられてなる差動形のコイル11
を構成要素として有し、プローブの回転半径は9mm、回
転数は280rpmに設定されて、単独に又は前記電極輪7A,
7Bと一体に移動可能に設けられている。
【0022】渦電流センサは、通常、渦電流試験と称さ
れる電磁誘導試験法に使用されるものであって、本発明
は、この原理を応用したものである。即ち、交流を流し
たコイルを使用して時間的に変化する磁場を金属等導体
からなる試験品に加えたとき、試験品に生じる渦電流あ
るいは磁化が、試験品に存在する割れなどの欠陥、電気
伝導率、透磁率、形状,寸法により変化する原理を利用
したものである。この場合、コイルと被検査材との間隔
であるリフトオフは、渦電流センサの出力特性に影響す
る重要なパラメータである。従って、リフトオフを一定
に保つために、一対のガイドロール14を有するセンサ治
具15を渦電流センサ9に付設して、ガイドロール14,14
の下面に対して 0.4乃至1.0 mm上方に底面が位置するよ
うに回転型プローブを固定している。
【0023】前記溶接部倣い機構10、一対のガイドロー
ル14を有するセンサ治具15及び渦電流センサ9の全体
は、基礎部分を溶接機のハウジング6に一体させてい
て、その移動は、上下一対の電極輪7A, 7B及び圧下ロー
ル8A,8Bに同期させるようにしている。
【0024】渦電流センサ9の励磁コイル12に流す交流
の周波数は100 乃至400KHzとした。図10に、渦電流セン
サの出力電圧とその走査状況との関係を示す。図10に示
す出力波形は、熱影響部Fに対して、プローブを例えば
25mmのピッチで溶接線方向に前進する毎に、1回転させ
ながら測定したときの出力波形である。これから判る如
く、熱影響部Fと鋼板5母材部との境界をコイル11が通
過するときに明確な出力変化が見られる。こうして得ら
れる渦電流センサ9からの信号に基づいて、熱影響部F
の幅を求めて、その際の溶接電流値等の溶接条件と比較
して健全性を診断することが可能である。この場合の基
準値となる接合強度は、予め前述の如きエリクセン試験
で確認して決定する。
【0025】以上説明する実施例は、スポット溶接部の
健全性診断に関しても適用が可能であって、スポット溶
接を行った接合部に所定の入熱量が得られているかどう
かの診断を渦電流センサ9によって容易に行うことがで
きる。又、上記実施例1では渦電流センサと被試験材と
の間に適当なリフトオフを設けているが、プローブを鋼
板表面に軽く接触させて診断することも可能であり、ス
ポット溶接部の健全性診断の場合は、回転型のプローブ
に替えてペンシル型等点接触型のプローブを使用し微小
圧力で点接触させながら診断する方法が適当であるが、
コイルに関しては当然、差動形でコア直径の小さい形式
のものが有効である。
【0026】(実施例2)実施例2に係る溶接機におけ
る固体撮像素子カメラ部の略示立面図を図11に示す。こ
の実施例2に係る装置は、前記実施例1に係る装置にお
ける渦電流センサに代えて、 CCDラインカメラで実現さ
れる固体撮像素子カメラ16を設け、更に、照明器17を設
けてなる構成を特徴としている。この場合、視野は15乃
至40mmにとり、画素数は1024乃至5000画素(主には2048
画素で使用)とし、照明の波長は約200 乃至1000nmの範
囲で使用できるが、図示例では700 nm付近の波長の照明
を使用した。
【0027】図12に、 CCDラインカメラ16の出力電圧と
その走査状況との関係を示す。鋼板5の溶接部の接合界
面の両側に生じる表面変色域Gと、測定された出力波形
との関係から判る如く、変色した幅の部分だけが明るさ
(出力電圧)が減じている。こうして得られる CCDライ
ンカメラ16からの信号に基づき、溶接による接合部表面
の変色幅(表面変色域Gの幅)を求め、そのときの溶接
電流値等の溶接条件を参考にして健全性を診断すること
が可能である。この場合に基準値となる接合強度は、予
めエリクセン試験で確認して決定する。
【0028】以上説明する実施例2も、スポット溶接部
の健全性診断に関して適用が可能であって、所定の溶接
入熱量が得られているか否の診断を CCDラインカメラ16
によって容易に行い得る。又、本実施例では図13,14の
平面図、立面図で示す CCDラインカメラ設置状況第1例
や、図15,16の平面図、立面図で示される CCDラインカ
メラ設置状況第2例の如く、 CCDラインカメラ16及び照
明器17を配置することにより、図5に示される如き面一
な表面の部分に生じる割れIを検出することも可能であ
る。
【0029】尚、実施例1では、リフトオフを一定に保
つようにするが、これが比較的難しく、又、鋼板エッジ
部への渦電流センサ部の引っ掛かりや、ガイドロール14
の接触による鋼板表面の荒れ等が生じる可能性がある。
実施例2は、かかる困難性や可能性がなく、従って、そ
の点では実施例2の如き固体撮像素子カメラによる方法
の方が好適である。但し、前述の如く段差部表面の割れ
Jの検出に対しては、実施例1の如き渦電流センサによ
る方法の方が好適である。
【0030】
【発明の効果】本発明に係る薄板の溶接部の健全性診断
方法は、溶接を続けながらオンライン下でその直後に即
座に非破壊、非接触方式で溶接部分の健全性診断をし得
るようになる。更には、接触媒質が不要であって溶接部
急冷による変質の不具合を招かず、しかも簡単な構造で
溶接部分の健全性診断を行えるようになるという効果を
奏し、実用性に優れると共に汎用に適するものである。
【0031】従って、鉄鋼圧延工程の連続焼鈍ライン、
連続溶融亜鉛メッキライン等の連続処理プロセスにおい
て薄板の溶接工程に随伴しながら溶接電流不足、未接着
部分の存在、割れ等をオンライン下で迅速に検出して、
それに対する適切な処置をとることができ、それにより
溶接不良による通板中の板破断を未然に防止し得る。
又、従来のハンマリング法よりも検査所要時間を短縮し
得る。更に、検査の自動化が可能となることにより、生
産プロセスの自動化を推進し得ると共に、作業負担を著
しく軽減し得て生産合理化に寄与するところ多大であ
り、又、非破壊検査の実現により鋼板に傷が付かなく品
質向上につながる効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】連続溶融亜鉛めっきラインの工程概要図であ
る。
【図2】図1に示すライン中の溶接工程における溶接状
況を、鋼板重ね合せ部、接合部の断面と併せて示して説
明するための斜視図である。
【図3】溶接部の耐破断性評価のためのエリクセン試験
法の順序的説明図である。
【図4】溶接部の接合部分の拡大断面図である。
【図5】溶接部の接合部分の拡大断面図である。
【図6】溶接電流と熱影響部の幅との関係を示す線図で
ある。
【図7】溶接電流と変色部の幅との関係を示す線図であ
る。
【図8】実施例1に係る溶接機における渦電流センサの
取付け部の略示立面図である。
【図9】渦電流センサの検出端部の斜視図である。
【図10】渦電流センサの走査状況と出力電圧との関係
を示す図である。
【図11】実施例2に係る溶接機での CCDラインカメラ
取付け部の略示立面図である。
【図12】CCD ラインカメラの走査状況と出力電圧との
関係を示す図である。
【図13】本発明の実施例に係る CCDラインカメラの設
置状況第1例の平面図である。
【図14】本発明の実施例に係る CCDラインカメラの設
置状況第1例の立面図である。
【図15】本発明の実施例に係る CCDラインカメラの設
置状況第2例の平面図である。
【図16】本発明の実施例に係る CCDラインカメラの設
置状況第2例の立面図である。
【符号の説明】
5--鋼板、 7A,7B--溶接用電極輪、
8A,8B--圧下ロール、9--渦電流センサ、 11--差
動型のコイル、 14--ガイドロール、16--固体撮像
素子カメラ、 K--溶接部。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄鋼圧延工程の連続焼鈍ライン、連続溶
    融亜鉛メッキライン等の連続処理プロセスでの薄板の溶
    接工程のオンライン下で行われる溶接部の診断方法であ
    って、渦電流センサを溶接用電極の後方位置に設けて、
    前記溶接用電極と一体にまた単独に移動可能となし、溶
    接後の接合部分に近接対向し走査させながら接合部分の
    インピーダンスを測定することにより、前記インピーダ
    ンスの変化から溶接により生じた薄板の焼入れ硬化部分
    の範囲を求め、その焼入れ硬化部分の範囲に基づいて溶
    接部分の溶接の健全性を溶接オンライン下で迅速に診断
    することを特徴とする薄板の溶接部の健全性診断方法。
  2. 【請求項2】 鉄鋼圧延工程の連続焼鈍ライン、連続溶
    融亜鉛メッキライン等の連続処理プロセスでの薄板の溶
    接工程のオンライン下で行われる溶接部の診断方法であ
    って、固体撮像素子カメラを溶接用電極の後方位置に設
    けて、前記溶接用電極と一体にまた単独に移動可能とな
    し、溶接後の接合部に指向させて表面状況を観察するこ
    とにより、鋼板表面上の変色幅の範囲を求め、その変色
    幅の範囲から溶接部分の溶接の健全性を溶接オンライン
    下で迅速に診断することを特徴とする薄板の溶接部の健
    全性診断方法。
JP4025257A 1992-02-12 1992-02-12 薄板の溶接部の健全性診断方法 Pending JPH05223788A (ja)

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