JP2000312956A - 連続鋳造設備におけるロールセグメント装置および連続鋳造設備用のロールセグメント装置の分割用治具 - Google Patents

連続鋳造設備におけるロールセグメント装置および連続鋳造設備用のロールセグメント装置の分割用治具

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JP2000312956A
JP2000312956A JP11118865A JP11886599A JP2000312956A JP 2000312956 A JP2000312956 A JP 2000312956A JP 11118865 A JP11118865 A JP 11118865A JP 11886599 A JP11886599 A JP 11886599A JP 2000312956 A JP2000312956 A JP 2000312956A
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Hiroshi Shamoto
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Hitachi Zosen Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 螺合形式からなる間隔調整手段でありながら
大荷重が加わる軽圧下セグメントに容易に採用でき、圧
下力作用手段は4隅作用形式を採用できる連続鋳造設備
におけるロールセグメント装置を提供する。 【解決手段】 下フレーム11から上方へ連設したコラ
ム13群を、上フレーム15の4隅部分に挿通した。両
フレーム11,15間に、鋳片2の厚さ変更に伴って両
ロール12,16間の間隔を調整する間隔調整手段20
と、調整した間隔においてロール12,16間に圧下力
を作用させる圧下力作用手段35を設けた。間隔調整手
段20は螺合形式であり、螺合部が両フレーム11,1
5間に位置している。圧下力作用手段35は、上フレー
ム15の4隅部分に下向きのシリンダー37を設けた4
隅作用形式からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、連続鋳造設備にお
けるロールセグメント装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の連続鋳造設備において、図11に
示すようにモールド90からの鋳造ライン91は、複数
のロールセグメント装置70によりL字円弧状に形成さ
れていた。そしてロールセグメント装置70は、下ロー
ル72群が配設された下フレーム71と、上ロール77
群が配設された上フレーム76とを有していた。さらに
上下のフレーム76,71間には、鋳片92の厚さ変更
に伴って上下のロール77,72間の間隔を調整するた
めの間隔調整手段や、調整した間隔においてロール7
7,72間に圧下力を作用させる圧下力作用手段が設け
られていた。
【0003】従来、この種のロールセグメント装置70
において、上ロール77群を圧下させるための圧下力作
用手段としては、左右一対(合計2本)のサーボ付き油
圧シリンダーを配設した2本シリンダー形式や、4隅に
圧下用ばねを配設した4隅作用形式が提供されている。
すなわち2本シリンダー形式は、図12、図13に示さ
れるように、基礎フレーム側に下フレーム71が取り付
けられ、そして下フレーム71上には鋳造ライン92の
方向で複数の下ロール72が配設されている。また下フ
レーム71の左右両側からはボルト・ナットの連結構造
73により前後一対のコラム74が立設され、前後のコ
ラム74の上端間がコラムフレーム75により連結され
ている。
【0004】コラム74群に昇降案内される状態で上フ
レーム76が配設され、この上フレーム76下には、鋳
造ライン91の方向で複数の上ロール77が配設されて
いる。そして両コラムフレーム75の前後方向中間部に
は、それぞれ下向きのサーボ付き油圧シリンダー78が
設けられ、これら左右一対のサーボ付き油圧シリンダー
78の下向きピストンロッド間に、前記上フレーム76
が連結されている。
【0005】このような2本シリンダー形式によると、
サーボ付き油圧シリンダー78が、ロール72,77間
の間隔調整手段と、ロール72,77間に圧下力を作用
させる圧下力作用手段とを兼ねている。また4隅作用形
式は、図14〜図16に示されるように、コラム74の
下部には螺子部74aが形成され、この螺子部74aに
螺合されるウオームホイール81が、下フレーム71の
下面側に設けられたウオームケース体82内に回転のみ
自在に設けられている。そして各コラム74の上部に
は、上フレーム76の支持を行うコラムブッシュ83が
設けられ、さらに各コラム74の上部と上フレーム76
との間には、この上フレーム76を押し下げる方向に作
用する皿ばね(圧下用ばね)84が設けられている。な
お各コラム74が下フレーム71を貫通している箇所に
は、キー溝(コラム側)85とキー(下フレーム側)8
6が設けられている。
【0006】このような4隅作用形式によると、駆動装
置、駆動軸、ウオームギヤなどからなるウオーム駆動装
置87により各ウオームホイール81を同期回転させた
とき、キー溝85とキー86によってコラム74の回転
が阻止されていることで、螺子部74aを介してコラム
74群を昇降させ得る。このようなコラム74群の昇降
により、コラムブッシュ83により支持された上フレー
ム76の上下位置を調節することになり、以てロール7
2,77間の間隔調整を行える。また鋳造時には皿ばね
84によって、ロール72,77間に圧下力を作用させ
得る。
【0007】ところで、上述した4隅作用形式のロール
セグメント装置70を採用した連続鋳造設備は、鋳片9
2が溶湯圧(鋼圧)により膨出するのを押さえたり、鋳
片92をガイドしたり、鋳片92を引き抜いたりする機
能を有していた。そのため、鋳片92を押さえるのに大
きな圧下力は必要としなかった。したがって、上フレー
ム76には大きな力がかからなかったために大きくする
必要がなかった(1セグメント当たり約200tであ
る。)。
【0008】これに対して軽圧下(単に「圧下」ともい
う)連続鋳造設備は、凝固端部を上下から押し付けるこ
とにより、上下の凝固壁同士が圧着されて鋳巣のない良
好な鋳片92を鋳造することができる特徴を持ってい
る。したがって軽圧下鋳造は、上記の大きさ程度の鋳片
92を圧下しようとすると、1セグメント当たり1,2
00t程度の圧下力が必要となる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来構成のう
ちで、前者の2本シリンダー形式によると、サーボ付き
油圧シリンダー78は非常に高価であることから、全体
の高価格化を招くことになる。また2本のサーボ付き油
圧シリンダー78で上フレーム76の中央を押して圧下
する構成であることから、この上フレーム76の変形が
大きくなって上ロール77群による鋳造が好適に行われ
なくなる。
【0010】この変形を小さくするためには、上フレー
ム76をより剛体化しなければならず、そのため上フレ
ーム76の高さ(厚さ)が大きくなってロールセグメン
ト装置70自体の重量が大きくなる。さらにロールセグ
メント装置70のみならず、セグメント交換用のクレー
ンまで更新する必要がある。また後者の4隅作用形式に
よると、コラム74の螺子部74aとウオームホイール
81との螺合部分(螺合長さ)が短いことから、上述の
ように大荷重が加わる軽圧下セグメントにはそのままで
は採用できない。すなわち、螺合部分を十分に長くする
ことで採用できるが、この場合には下フレーム71の下
方へ突出される螺合部分が大きくなって、全体が大きな
構造になるという問題がある。
【0011】そこで本発明のうち請求項1記載の発明
は、螺合形式からなる間隔調整手段でありながら大荷重
が加わる軽圧下セグメントに容易に採用し得、しかも圧
下力作用手段は4隅作用形式を採用し得る連続鋳造設備
におけるロールセグメント装置を提供することを目的と
したものである。また請求項4記載の発明は、上下のフ
レーム間の分割を容易にかつ迅速に行える連続鋳造設備
におけるロールセグメント装置の分割用治具を提供する
ことを目的としたものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ために、本発明のうちで請求項1記載の連続鋳造設備に
おけるロールセグメント装置は、下ロール群が配設され
た下フレームと、上ロール群が配設された上フレームと
を有し、下フレームの左右両側からはそれぞれ前後一対
のコラムが上方へと連設されるとともに、これらコラム
は上フレームの4隅部分に挿通され、上下のフレーム間
には、鋳片の厚さ変更に伴って上下のロール間の間隔を
調整するための間隔調整手段と、調整した間隔において
ロール間に圧下力を作用させる圧下力作用手段が設けら
れ、前記間隔調整手段は、その螺合部が上下のフレーム
間に位置された螺合形式からなり、前記圧下力作用手段
は、上フレームの4隅部分にそれぞれ下向きのシリンダ
ーを設けた4隅作用形式からなることを特徴としたもの
である。
【0013】したがって請求項1の発明によると、間隔
調整手段における螺合作用によって、上フレームの上下
位置を調節することになり、以て鋳片の厚さ変更に伴っ
て上下のロール間の間隔を調整し得る。そして所期の鋳
造時においては、シリンダー群を収縮動させて上フレー
ムに押し下げ力を作用させることで、4隅作用形式の圧
下力作用手段によってロール間に圧下力を作用させ得
る。
【0014】また本発明の請求項2記載の連続鋳造設備
におけるロールセグメント装置は、上記した請求項1記
載の構成において、間隔調整手段は、両フレーム間に位
置される状態で下フレーム側から立設された固定筒体
と、この固定筒体の内周面側に形成された雌螺子と、こ
の雌螺子に螺合すべくコラムに形成された雄螺子と、前
記コラムの下端部分にキーを介して連結されたウオーム
ホイールと、これらウオームホイールを同期回転させる
べく下フレーム側に設けられたウオーム駆動装置とによ
り構成されていることを特徴としたものである。
【0015】したがって請求項2の発明によると、ウオ
ーム駆動装置により各ウオームホイールを同期回転させ
たとき、このウオームホイールにキーを介して連結され
ているコラムを回転させ、この回転により、固定筒体の
雌螺子に雄螺子を介して螺合しているコラムを昇降(上
下移動)させ得る。これによって、上フレームの上下位
置を調節することになり、以て鋳片の厚さ変更に伴って
上下のロール間の間隔を調整し得る。
【0016】そして本発明の請求項3記載の連続鋳造設
備におけるロールセグメント装置は、上記した請求項1
または2記載の構成において、圧下力作用手段は、上フ
レームの4隅部分にそれぞれ設けられた下向きの環状シ
リンダーを有し、これら環状シリンダーは、コラムの上
端部分に外嵌自在な環状本体と下向きの環状ピストンと
により構成され、前記環状本体が前記コラム側に取り付
けられるとともに、環状ピストンの下端面は環状ブッシ
ュを介して上フレームの上面側に当接自在に構成されて
いることを特徴としたものである。
【0017】したがって請求項3の発明によると、ロー
ル間の間隔調整を行ったのちの、所期の鋳造時において
は、環状シリンダー群を伸展動させて、下降される環状
ピストンを、環状ブッシュを介して上フレームの上面側
に当接させて、上フレームに押し下げ力を作用させるこ
とで、4隅作用形式の圧下力作用手段によってロール間
に圧下力を作用させ得る。
【0018】さらに本発明の請求項4記載の連続鋳造設
備用のロールセグメント装置の分割用治具は、下ロール
群が配設された下フレームと、上ロール群が配設された
上フレームとを有し、下フレームからはコラムが上方へ
と連設されるとともに、これらコラムは上フレームに挿
通され、各コラムの上端部分は螺子部に形成されるとと
もに、この螺子部に螺合されるナットが設けられて構成
された連続鋳造設備用のロールセグメント装置の分割用
治具であって、治具本体には、回転操作具が回転自在に
嵌め込まれるとともに、この回転操作具に連動される回
転駆動装置が設けられ、前記回転操作具には、前記ナッ
トに対して上方から密状に外嵌自在な角状内面が形成さ
れるとともに、角状内面の下開放部に対して出退自在な
受け体が設けられていることを特徴としたものである。
【0019】したがって請求項4の発明によると、吊り
クレーンなどを作用させることで、ナットに対して回転
操作具を上方から外嵌させ、その際に受け体は、角状内
面の開放部から外に位置されている。次いで、回転駆動
装置により回転操作具を回転させ、以て回転操作具に一
体状のナットを螺脱回転させる。この螺脱回転を十分に
行った状態で、受け体を角状内面の開放部の内側、すな
わちナットの下方に位置させて、螺脱したナットを受け
体により受け止め得る状態とする。そして、締結解除後
においては、天井クレーンや交換クレーンにより上フレ
ーム側と下フレーム側とを搬出し得、そして上フレーム
側と下フレーム側とを搬入(組み込み)し得る。
【0020】また本発明の請求項5記載の連続鋳造設備
用のロールセグメント装置の分割用治具は、上記した請
求項4記載の構成において、ロールセグメント装置にお
ける各コラムの上端部分には、圧下力作用手段を構成す
る環状シリンダーが下向きに外嵌されるとともに、この
環状シリンダーの外側においてコラムの螺子部にナット
が螺合され、治具本体には、環状シリンダーの保持具が
装着されることを特徴特徴としたものである。
【0021】したがって請求項5の発明によると、各環
状シリンダーの圧力を開放させたのち、回転操作具を介
しての螺脱回転を十分に行って、受け体をナットの下方
に位置させるとともに、回転受け部側に環状シリンダー
の保持具を装着させて、この保持具の保持作用部を環状
シリンダー側に係止作用させる。これにより、螺脱させ
たナットを受け体により受け止め得ると同時に、保持具
を介して環状シリンダーをコラムに対して上方へ引き抜
き得る。
【0022】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を、
図1〜図4に基づいて説明する。ロールセグメント装置
10は、下ロール12群が配設された下フレーム11
と、上ロール16群が配設された上フレーム15とを有
している。すなわち、基礎フレーム側には下フレーム1
1が取り付けられ、そして下フレーム11上には鋳造ラ
イン1の方向で複数の下ロール12が配設されている。
【0023】この下フレーム12の左右両側からは、そ
れぞれ前後一対(合計4本)のコラム13が、回転自在
かつ昇降自在として上方へと配設される。これらコラム
13が上フレーム15の4隅部分に挿通されることで、
上フレーム15は、コラム13群に昇降案内される状態
で配設される。この上フレーム15下には、鋳造ライン
1の方向で複数の上ロール16が配設されている。
【0024】そして上下のフレーム15,11間には、
鋳片2の厚さ変更に伴って上下のロール16,12間の
間隔を調整するための螺合形式からなる間隔調整手段2
0や、調整した間隔においてロール16,12間に圧下
力を作用させる4隅作用形式の圧下力作用手段35が設
けられる。すなわち、上フレーム15の4隅でコラム1
3が挿通される部分にはガイド筒体21が上下方向に配
設され、このガイド筒体21は、その上下長さを上フレ
ーム15の上下厚さと同等状とされて上フレーム15側
に固定されている。そしてガイド筒体21に対して、コ
ラム13の上半部が回転自在かつ昇降自在として挿通さ
れている。
【0025】両フレーム15,11間に位置される状態
で、下フレーム11上からは固定筒体22が立設され、
この固定筒体22にはコラム13の下半部が挿通されて
いる。その際に、固定筒体22の内周面側には雌螺子2
3が形成され、そしてコラム13の下半部には、この雌
螺子23に螺合される雄螺子13aが形成されている。
これにより、螺合部が上下のフレーム15,11間に位
置される。
【0026】前記固定筒体22上には、コラム13を外
嵌する受けリング枠25が固定され、この受けリング枠
25の上面に対して、前記ガイド筒体21の下面が当接
されている。そしてコラム13の上下方向の中間部分に
は、受けリング枠25内に位置されて鍔部13bが形成
され、この鍔部13bと受けリング枠25の下向き面と
の間には球面ブッシュ26が配設されている。
【0027】前記コラム13の下端部分は下フレーム1
1のから下方へ突出し、この突出部分には、ウオームホ
イール27がキー28を介して連結され、そしてウオー
ムホイール27は、下フレーム11の下面側に設けられ
たウオームケース体29内に、軸受装置30などを介し
て回転のみ自在に設けられている。これにより、ウオー
ムホイール27の回転はキー28を介してコラム13に
伝達され、そしてコラム13の昇降は、キー28に対す
るキー溝の移動構造によって許容される。
【0028】前記下フレーム11には各ウオームホイー
ル27を同期回転させるウオーム駆動装置31が配設さ
れ、このウオーム駆動装置31は、駆動装置、駆動軸3
2、ウオームギヤ33などにより構成される。以上の1
3、21〜33などにより間隔調整手段20の一例が構
成される。前記コラム13の上端部分と前記ガイド筒体
21の上面との間に前記圧下力作用手段35が設けられ
ている。すなわち、前記コラム13の上端部分に外嵌自
在な環状シリンダー36が設けられ、この環状シリンダ
ー36は環状本体37と下向きの環状ピストン38とに
より構成され、環状座板39の下面側に環状本体37が
固定されている。
【0029】そして環状ピストン38の下端面は環状ブ
ッシュ40を介して前記ガイド筒体21の上面に当接自
在に構成されている。また前記コラム13の上端部分は
螺子部13cに形成され、前記環状座板39の上におい
て螺子部13cに螺合されるナット41が設けられてい
る。以上の36〜41などにより圧下力作用手段35の
一例が構成される。
【0030】以下に、上記した実施の形態における作用
を説明する。間隔調整手段20において、駆動装置、駆
動軸32、ウオームギヤ33などからなるウオーム駆動
装置31により各ウオームホイール27を同期回転させ
たとき、このウオームホイール27にキー28を介して
連結されているコラム13が、ガイド筒体21や固定筒
体22の内側で回転される。このときコラム13の雄螺
子13aが固定筒体22の雌螺子23に螺合されている
ことで、このコラム13は、その回転に伴って昇降動
(上下移動)を行う。
【0031】これによって、上フレーム15の上下位置
を調節することになり、以て鋳片2の厚さ変更に伴って
上下のロール16,12間の間隔を調整し得る。その際
にコラム13の回転は、球面ブッシュ26や軸受装置3
0などにより安定して行われ、またコラム13と一体状
で回転される環状シリンダー36も、環状ブッシュ40
により安定して支持される。さらにコラム13の昇降
は、キー28に対するキー溝の移動構造によって許容さ
れる。
【0032】このようにしてロール16,12間の間隔
調整を行ったのち、所期の鋳造時においては、4隅作用
形式の圧下力作用手段35によってロール16,12間
に圧下力を作用させる。すなわち、環状シリンダー36
群を伸展動させて環状ピストン38を下方へ突出動させ
ることで上フレーム15に押し下げ力が作用され、以て
ガイド筒体21の下端面を受けリング枠25の上面に圧
接状とすることで、ロール16,12間に圧下力を作用
させ得る。
【0033】このとき間隔調整手段20による圧下作用
に対する環状シリンダー36群の反力は、環状座板39
とナット41とを介してコラム13側に受け止められ、
そしてガイド筒体21を介して下フレーム11側に受け
止められることで、ウオームホイール27などのコラム
駆動系には圧下反力は負荷されないことになる。その際
にコラム13の雄螺子13aと固定筒体22の雌螺子2
3とによる螺合部が、上下のフレーム15,11間に位
置されかつ螺合長さが両フレーム15,11間の上下間
隔と同等状とされた螺合形式からなることで、螺合部分
(螺合長さ)を十分に長く取れることになり、したがっ
て、全体を大きな構造とすることなく、大荷重が加わる
軽圧下セグメントに容易に採用し得る。なお、非常時に
は環状シリンダー36を収縮(開放)させて上フレーム
15を上昇させることで、腹ごもりスラグを開放でき
る。
【0034】さらに圧下力作用手段35は、上フレーム
15の4隅部分にそれぞれ下向きの環状シリンダー36
を設けた4隅作用形式からなることで、上フレーム15
を変形させることなく所期の圧下力を作用させ得るとと
もに、環状シリンダー36は安価なものを使用し得、か
つ上フレーム15の大型、剛体化は不要とし得る。次
に、たとえば上記構成からなるロールセグメント装置1
0における上下のフレーム15,11間の分割を、容易
にかつ迅速に行える分割用治具50を、図5〜図10に
基づいて説明する。
【0035】すなわち図5、図6において、治具本体5
1は、下部の回転受け部52と上部の架台部53との一
体物により構成される。前記回転受け部52は、下面開
放の有底筒体からなり、その凹部の内周面により回転支
持面52aが形成され、そして天板部分には貫通孔52
bが形成されている。また架台部53も下面開放の有底
筒体状に形成され、その下端縁が回転受け部52の天板
部分に固定されている。
【0036】前記回転受け部52の凹部内には回転操作
具54が縦軸心Aの周りに回転自在に嵌め込まれ、この
回転操作具54は、回転受け部52に対して着脱自在な
止めリング体55により脱落が防止されている。そして
回転操作具54は、下面開放の有底筒体であって、その
凹部の内周面は、前記圧下力作用手段35におけるナッ
ト41に対して上方から密状に外嵌自在な六角状内面
(角状内面)54aに形成されている。なお、回転操作
具54の天板部分には、前記コラム13における上端部
分の螺子部13cが挿通自在な貫通孔54bが形成され
ている。
【0037】前記回転操作具54の天板部分上には、下
面開放の有底筒体状からなる回転伝達部材56が設けら
れ、この回転伝達部材56の下端縁は、前記貫通孔52
bに挿通されて回転操作具54の天板部分に固定されて
いる。そして回転操作具54の下面上には、それぞれ連
結ピン57を介して一対(単数または複数)の受け体5
8が回動自在に設けられ、この受け体58はリンク状で
あって、回転操作具54の下開放部に対して出退自在に
構成されている。
【0038】前記架台部53側には、エアモータ(回転
駆動装置)59と、これに連動されたギア形式の変速装
置60とが設けられ、この変速装置60から下方へ突出
される出力軸61に前記回転伝達部材56が連動されて
いる。以上の51〜61などにより分割用治具50の一
例が構成される。ここで分割用治具50は図7に示され
るように、コラム13の配置に応じて、すなわち、上フ
レーム15に対する4隅部分の配置に応じて4個が配置
され、そして連結材65を介して一体化されている。こ
の連結材65側には、各エアモータ59に連通されてそ
れぞれエア配管66が設けられ、これらエア配管66中
には制御弁67が設けられている。そして各エア配管6
6の始端部分は開閉弁装置68に接続され、この開閉弁
装置68は供給配管69を介して、工場側の空気供給部
Bに接続自在とされている。
【0039】次に、たとえば上記構成からなる分割用治
具50を用いたロールセグメント装置10における上下
のフレーム15,11間の分割作業を説明する。まず、
各環状シリンダー36の圧力を開放させたのち、図7、
図8に示すように、4隅部分に配置されているナット4
1に対して回転操作具54を上方から外嵌させる。この
ナット41群の外嵌は連結材65に吊りクレーンなどを
作用させることで行われ、その際に受け体58は、図6
の実線に示されるように六角状内面54aの開放部から
外に位置されていることで、その外嵌は円滑かつスムー
スに行われる。
【0040】このようにナット41群に対して回転操作
具54群を上方から外嵌させて状態で、空気供給部B、
供給配管69、開閉弁装置68、エア配管66などを介
してエアモータ59にエアを供給して、このエアモータ
59を回転させる。これにより、変速装置60、出力軸
61、回転伝達部材56を介して、回転操作具54が縦
軸心Aの周りに回転され、以て回転操作具54に一体状
のナット41が螺脱回転される。
【0041】この螺脱回転が十分に行われた状態で、受
け体58を連結ピン57の周りに回動させて、図6の仮
想線に示されるように六角状内面54aの開放部の内側
に位置させ、以て図9に示すように、受け体58をナッ
ト41の下方に位置させて、このナット41を受け止め
得る状態とする。さらに図9に示すように、回転受け部
52側に環状シリンダー36の保持具63を装着させ、
この保持具63の保持作用部を環状シリンダー36にお
ける環状本体37に下面側から係止作用させる。
【0042】これにより図10に示すように、螺脱させ
たナット41を受け体58により受け止め得ると同時
に、保持具63を介して環状シリンダー36をコラム1
3に対して上方へ引き抜くことになる。このようにし
て、ナット41群の締結解除を容易にかつ迅速に行える
とともに、ナット41群と環状シリンダー36群とを、
一括して吊り上げ(引上げ)得る。
【0043】したがって、その後においては、天井クレ
ーンや交換クレーンにより上フレーム15側を搬出し
得、そして下フレーム11側を搬出し得る。その際に7
0t程度の重量があるロールセグメント装置10であり
ながら、分割しての搬出は、小容量の簡易な天井クレー
ンや交換クレーンを用いたとしても容易に迅速にかつ安
定して行える。
【0044】なお、上述とは逆の作用を行うことで、下
フレーム11側の搬入(組み込み)、上フレーム15側
の搬入も同様に、容易に迅速にかつ安定して行える。さ
らに、環状シリンダー36の組み込みやナット41によ
る締結も、容易に迅速に行える。
【0045】
【発明の効果】上記した本発明の請求項1によると、間
隔調整手段における螺合作用によって、上フレームの上
下位置を調節することになり、以て鋳片の厚さ変更に伴
って上下のロール間の間隔を調整できる。その際に間隔
調整手段は、螺合部が上下のフレーム間に位置した形式
であることで、螺合部分(螺合長さ)を十分に長く取る
ことができ、したがって、全体を大きな構造とすること
なく、大荷重が加わる軽圧下セグメントに容易に採用で
きる。
【0046】そして所期の鋳造時においては、シリンダ
ー群を収縮動させて上フレームに押し下げ力を作用させ
ることで、4隅作用形式の圧下力作用手段によってロー
ル間に圧下力を作用できる。その際に圧下力作用手段
は、上フレームの4隅部分にそれぞれ下向きのシリンダ
ーを設けた4隅作用形式からなることで、上フレームを
変形させることなく所期の圧下力を作用できるととも
に、シリンダーは安価なものを使用でき、かつ上フレー
ムの大型、剛体化は不要にできる。
【0047】また上記した本発明の請求項2によると、
ウオーム駆動装置により各ウオームホイールを同期回転
させることで、ウオームホイールにキーを介して連結し
ているコラムを回転させて、この回転により、固定筒体
の雌螺子に雄螺子を介して螺合しているコラムを昇降
(上下移動)でき、以て上フレームの上下位置を調節し
て、鋳片の厚さ変更に伴って上下のロール間の間隔を調
整できる。
【0048】そして上記した本発明の請求項3による
と、ロール間の間隔調整を行ったのちの、所期の鋳造時
においては、環状シリンダー群を伸展動させ、下降する
環状ピストンを、環状ブッシュを介して上フレームの上
面側に当接させて、上フレームに押し下げ力を作用させ
ることで、4隅作用形式の圧下力作用手段によってロー
ル間に圧下力を作用できる。
【0049】さらに上記した本発明の請求項4による
と、吊りクレーンなどを作用させて、ナットに対して回
転操作具を上方から外嵌でき、その際に受け体を角状内
面の開放部から外に位置させることで、その外嵌は円滑
かつスムースに行うことができる。次いで回転駆動装置
により回転操作具を回転させて、回転操作具に一体状の
ナットを螺脱回転させた状態で、受け体を角状内面の開
放部の内側でナットの下方に位置させて、螺脱したナッ
トを受け止め得る状態にすることにより、ナット群の締
結解除を容易にかつ迅速に行うことができ、また逆の作
用を行うことで、ナットによる締結も容易に迅速に行う
ことができる。
【0050】したがって、締結解除後においては、天井
クレーンや交換クレーンにより上フレーム側と下フレー
ム側とを搬出できるとともに、上フレーム側と下フレー
ム側とを搬入(組み込み)でき、その際に重量があるロ
ールセグメント装置でありながら、分割しての搬出は、
小容量の簡易な天井クレーンや交換クレーンを用いたと
しても容易に迅速にかつ安定して行うことができる。
【0051】また上記した本発明の請求項5によると、
各環状シリンダーの圧力を開放させたのち、回転操作具
を介しての螺脱回転を十分に行って、受け体をナットの
下方に位置させるとともに、回転受け部側に環状シリン
ダーの保持具を装着させて、この保持具の保持作用部を
環状シリンダー側に係止作用させることにより、螺脱さ
せたナットを受け体により受け止めることができると同
時に、保持具を介して環状シリンダーをコラムに対して
上方へ引き抜くことができる。したがって、ナット群の
締結解除を容易にかつ迅速に行うことができるととも
に、ナット群と環状シリンダー群とを、一括して吊り上
げ(引上げ)ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示し、連続鋳造設
備におけるロールセグメント装置の一部切り欠き正面図
である。
【図2】同連続鋳造設備におけるロールセグメント装置
の一部切り欠き側面図である。
【図3】同連続鋳造設備におけるロールセグメント装置
の一部切り欠き平面図である。
【図4】同連続鋳造設備におけるロールセグメント装置
の要部の一部切り欠き正面図である。
【図5】同連続鋳造設備用のロールセグメント装置の分
割用治具における一部切り欠き正面図である。
【図6】同連続鋳造設備用のロールセグメント装置の分
割用治具における回転操作具の底面図である。
【図7】同連続鋳造設備用のロールセグメント装置の分
割用治具における全体の概略平面図である。
【図8】同連続鋳造設備用のロールセグメント装置の分
割用治具における嵌合時の要部の縦断正面図である。
【図9】同連続鋳造設備用のロールセグメント装置の分
割用治具における離脱操作時の要部の縦断正面図であ
る。
【図10】同連続鋳造設備用のロールセグメント装置の
分割用治具における離脱終了時の要部の縦断正面図であ
る。
【図11】従来例を示し、連続鋳造設備の概略説明図で
ある。
【図12】同連続鋳造設備におけるロールセグメント装
置の一部切り欠き正面図である。
【図13】同連続鋳造設備におけるロールセグメント装
置の一部切り欠き側面図である。
【図14】別の従来例を示し、同連続鋳造設備における
ロールセグメント装置の一部切り欠き正面図である。
【図15】同連続鋳造設備におけるロールセグメント装
置の一部切り欠き平面図である。
【図16】同連続鋳造設備におけるロールセグメント装
置の要部の一部切り欠き正面図である。
【符号の説明】
2 鋳片 10 ロールセグメント装置 11 下フレーム 12 下ロール 13 コラム 13a 雄螺子 13b 鍔部 13c 螺子部 15 上フレーム 16 上ロール 20 間隔調整手段 22 固定筒体 23 雌螺子 25 受けリング枠 27 ウオームホイール 28 キー 31 ウオーム駆動装置 33 ウオームギヤ 35 圧下力作用手段 36 環状シリンダー 37 環状本体 38 環状ピストン 40 環状ブッシュ 41 ナット 50 分割用治具 51 治具本体 52 回転受け部 53 架台部 54 回転操作具 54a 六角状内面(角状内面) 58 受け体 59 エアモータ(回転駆動装置) 60 変速装置 63 保持具

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下ロール群が配設された下フレームと、
    上ロール群が配設された上フレームとを有し、下フレー
    ムの左右両側からはそれぞれ前後一対のコラムが上方へ
    と連設されるとともに、これらコラムは上フレームの4
    隅部分に挿通され、上下のフレーム間には、鋳片の厚さ
    変更に伴って上下のロール間の間隔を調整するための間
    隔調整手段と、調整した間隔においてロール間に圧下力
    を作用させる圧下力作用手段が設けられ、前記間隔調整
    手段は、その螺合部が上下のフレーム間に位置された螺
    合形式からなり、前記圧下力作用手段は、上フレームの
    4隅部分にそれぞれ下向きのシリンダーを設けた4隅作
    用形式からなることを特徴とする連続鋳造設備における
    ロールセグメント装置。
  2. 【請求項2】 間隔調整手段は、両フレーム間に位置さ
    れる状態で下フレーム側から立設された固定筒体と、こ
    の固定筒体の内周面側に形成された雌螺子と、この雌螺
    子に螺合すべくコラムに形成された雄螺子と、前記コラ
    ムの下端部分にキーを介して連結されたウオームホイー
    ルと、これらウオームホイールを同期回転させるべく下
    フレーム側に設けられたウオーム駆動装置とにより構成
    されていることを特徴とする請求項1記載の連続鋳造設
    備におけるロールセグメント装置。
  3. 【請求項3】 圧下力作用手段は、上フレームの4隅部
    分にそれぞれ設けられた下向きの環状シリンダーを有
    し、これら環状シリンダーは、コラムの上端部分に外嵌
    自在な環状本体と下向きの環状ピストンとにより構成さ
    れ、前記環状本体が前記コラム側に取り付けられるとと
    もに、環状ピストンの下端面は環状ブッシュを介して上
    フレームの上面側に当接自在に構成されていることを特
    徴とする請求項1または2記載の連続鋳造設備における
    ロールセグメント装置。
  4. 【請求項4】 下ロール群が配設された下フレームと、
    上ロール群が配設された上フレームとを有し、下フレー
    ムからはコラムが上方へと連設されるとともに、これら
    コラムは上フレームに挿通され、各コラムの上端部分は
    螺子部に形成されるとともに、この螺子部に螺合される
    ナットが設けられて構成された連続鋳造設備用のロール
    セグメント装置の分割用治具であって、治具本体には、
    回転操作具が回転自在に嵌め込まれるとともに、この回
    転操作具に連動される回転駆動装置が設けられ、前記回
    転操作具には、前記ナットに対して上方から密状に外嵌
    自在な角状内面が形成されるとともに、角状内面の下開
    放部に対して出退自在な受け体が設けられていることを
    特徴とする連続鋳造設備用のロールセグメント装置の分
    割用治具。
  5. 【請求項5】 ロールセグメント装置における各コラム
    の上端部分には、圧下力作用手段を構成する環状シリン
    ダーが下向きに外嵌されるとともに、この環状シリンダ
    ーの外側においてコラムの螺子部にナットが螺合され、
    治具本体には、環状シリンダーの保持具が装着されるこ
    とを特徴とする請求項4記載の連続鋳造設備用のロール
    セグメント装置の分割用治具。
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