JP2000312933A - スプリングバック量予測方法 - Google Patents

スプリングバック量予測方法

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JP2000312933A JP11122246A JP12224699A JP2000312933A JP 2000312933 A JP2000312933 A JP 2000312933A JP 11122246 A JP11122246 A JP 11122246A JP 12224699 A JP12224699 A JP 12224699A JP 2000312933 A JP2000312933 A JP 2000312933A
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秀夫 蔦森
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光司 金子
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秀樹 池田
Susumu Kato
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Shingo Nishimura
信吾 西村
Noritoshi Iwata
徳利 岩田
Masao Matsui
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Abstract

(57)【要約】 【課題】材料が塑性加工の終了後に弾性回復する量であ
るスプリングバック量を予測する方法において、スプリ
ングバック量の予測精度を向上させる。 【解決手段】引張−圧縮試験により試験片について応力
−ひずみ関係の実験値を、除荷開始時における塑性ひず
みである与ひずみに関連付けて取得し(S1)、その取
得された実験値に基づき、応力−ひずみ関係を線形の材
料硬化モデルで近似することにより、スプリングバック
量を予測するのに必要な材料特性値を与ひずみに関連付
けて取得し(S2)、材料が仮想的に分割された各要素
について塑性加工の直後に存在する塑性ひずみである初
期ひずみを予測し(S4)、与ひずみに関連付けて取得
された材料特性値を用いることにより、予測された初期
ひずみに対応する材料特性値を決定し(S5)、その決
定された材料特性値に基づいてスプリングバック量を予
測する(S6)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、材料が塑性加工の
終了後に弾性回復する量であるスプリングバック量を予
測する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】プレス成形等、塑性加工においては、材
料が負荷された後に除荷されるが、除荷後に材料にスプ
リングバックが生じ、材料の除荷終了時における形状
(最終形状)が、負荷終了時(除荷開始時)における形
状とは異なったものとなる。そのため、材料の塑性加工
後の形状精度を確保するために、プレス型等、塑性加工
のための工具の形状を、材料の目標形状に対応する工具
形状にスプリングバック量を見込んだ工具形状に修正す
ることが必要となる。この工具修正は、形状が暫定的で
ある工具を用いて塑性加工を試行して材料のスプリング
バック量を実測することによって取得し、その実測値を
考慮して工具形状を修正することによって実現可能であ
るが、塑性加工の試行を行うことなく高い精度で予測す
ることができれば、工具修正に必要な時間が短縮され
る。工具修正に必要な時間が短縮されれば、生産準備リ
ードタイムが短縮され、生産効率が向上する。
【0003】このような事情を背景として、材料が塑性
加工の終了後に弾性回復する量であるスプリングバック
量を予測する方法が既に提案されている。この従来方法
の一例は、実験値取得工程と、材料特性値取得工程と、
スプリングバック量予測工程とを含むように構成されて
いる。実験値取得工程は、スプリングバック量を予測す
べき材料と材質が実質的に同じ試験片を引張方向に負荷
して塑性変形させた後に除荷し、さらに、逆方向すなわ
ち圧縮方向に負荷して塑性変形させるとともに、その間
にその試験片の応力−ひずみ関係について実験値を取得
する工程である。材料特性値取得工程は、取得された実
験値により表される応力−ひずみ関係を線形の材料硬化
モデルで近似することにより、スプリングバック量を予
測するのに必要な材料特性値を取得する工程である。ス
プリングバック量予測工程は、材料に塑性加工の直後に
存在する塑性ひずみである初期ひずみを予測するととも
に、その予測された初期ひずみに基づき、かつ、取得さ
れた材料特性値により特定された線形の材料硬化モデル
に従ってスプリングバック量を予測する工程である。そ
して、このスプリングバック量予測工程においては、同
じ材料の全体について同じ材料特性値が使用されること
により、スプリングバック量が予測される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題,課題解決手段および発
明の効果】同じ材料の全体について初期ひずみが一様で
あるということはほとんどなく、位置によって異なるの
が普通である。一方、材料の初期ひずみが異なれば、そ
の材料のバウシンガ効果も異なり、よって、その材料の
除荷および逆負荷時における材料特性値、すなわち、材
料に現れるバウシンガ効果を表現し得るものも異なる。
また、バウシンガ効果が異なれば、スプリングバック量
も異なる。
【0005】それらにもかかわらず、上記従来方法にお
いては、上述のように、同じ材料の全体について同じ材
料特性値が使用されることにより、スプリングバック量
が予測される。そのため、この従来方法では、同じ材料
であっても初期ひずみが異なればそれに応じてバウシン
ガ効果も異なるという事実を考慮してスプリングバック
量を予測することができない。よって、この従来方法に
は、スプリングバック量を十分には高い精度で予測する
ことができず、特に、バウシンガ効果を考慮することが
特に重要である高ひずみ領域、例えば、塑性ひずみが2
0%である如き領域においてスプリングバック量を精度
よく予測することができないという問題があった。
【0006】このような事情を背景として、本発明は、
材料の応力−ひずみ関係を線形の材料硬化モデルで近似
するにもかかわらず材料のスプリングバック量を精度よ
く予測することを課題としてなされたものであり、本発
明によって下記各態様が得られる。各態様は、請求項と
同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて
他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、本明
細書に記載の技術的特徴およびそれらの組合せのいくつ
かの理解を容易にするためであり、本明細書に記載の技
術的特徴やそれらの組合せが以下の態様に限定されると
解釈されるべきではない。
【0007】(1) 材料が塑性加工の終了後に弾性回復す
る量であるスプリングバック量を予測する方法であっ
て、前記材料と材質が実質的に同じ試験片を引張方向と
圧縮方向との一方向に負荷して塑性変形させた後に除荷
し、さらに、逆方向に負荷して塑性変形させるととも
に、その間にその試験片の応力−ひずみ関係について実
験値を取得することを、試験片の除荷開始時における塑
性ひずみである与ひずみを変化させるごとに繰り返す実
験値取得工程と、取得された実験値により表される前記
応力−ひずみ関係を線形の材料硬化モデルで近似するこ
とにより、前記スプリングバック量を予測するのに必要
な材料特性値を前記与ひずみに関連付けて取得する材料
特性値取得工程と、前記材料が仮想的に分割された複数
の要素の各々について前記塑性加工の直後に存在する塑
性ひずみである初期ひずみを予測するとともに、前記与
ひずみに関連付けて取得された材料特性値を用いること
により、各要素について予測された初期ひずみに対応す
る材料特性値を決定し、その後、各要素ごとに予測され
た初期ひずみに基づき、かつ、各初期ひずみごとに決定
された材料特性値により特定された前記線形の材料硬化
モデルに従って前記スプリングバック量を予測するスプ
リングバック量予測工程とを含むことを特徴とするスプ
リングバック量予測方法〔請求項1〕。この方法におい
ては、同じ材料の、初期ひずみが互いに異なる複数の部
分の各々について互いに異なる複数の材料特性値が使用
されることにより、材料のスプリングバック量が予測さ
れる。したがって、この方法によれば、同じ材料であっ
ても初期ひずみが異なればそれに応じてバウシンガ効果
も異なるという事実を考慮してスプリングバック量を予
測することが可能となる。よって、この方法によれば、
同じ材料の全体について同じ材料特性値が使用されてス
プリングバック量が予測される場合におけるより高い精
度でスプリングバック量を予測することが可能となる。
その結果、この方法によれば、材料の応力−ひずみ関係
を線形の材料硬化モデルで近似するにもかかわらず材料
のスプリングバック量を精度よく予測することが可能と
なる。ここに「塑性ひずみ」は、多軸応力状態における
各座標軸に関する塑性ひずみを意味する場合と、多軸応
力状態を一軸応力状態に変換した場合の相当塑性ひずみ
を意味する場合とがある。また「線形の材料硬化モデ
ル」は例えば、材料の応力−ひずみ関係を表すグラフを
四辺形で、かつ、正負荷時の弾性域における応力−ひず
み関係を表す直線部と、正負荷時の塑性域における応力
−ひずみ関係を表す直線部と、除荷時または逆負荷時の
弾性域における応力−ひずみ関係を表す直線部と、逆負
荷時の塑性域における応力−ひずみ関係を表す直線部と
を有するように近似するものとすることができる。ここ
に「四辺形」は、平行四辺形としたり、一対の直線部の
みが平行である四辺形としたり、二対の直線部がいずれ
も平行でない四辺形とすることができる。また「材料硬
化モデル」には、移動硬化モデルを選んだり、複合硬化
モデルを選ぶことができる。また「材料特性値」は、正
負荷時または逆負荷時の塑性域における応力−ひずみ関
係を近似的に表す直線グラフの勾配である塑性硬化係数
を含むように定義することができる。また、正負荷時,
除荷時または逆負荷時の弾性域における応力−ひずみ関
係を近似的に表す直線グラフの勾配である材料のヤング
率を含むように定義することもできる。また、再降伏点
が初期降伏点に対して低下する程度を規定する材料軟化
係数を含むように定義することもできる。また、初期降
伏点と再降伏点との少なくとも一方を含むように定義す
ることもできる。本項に記載のスプリングバック量予測
方法は、それ全体が人間により主体的に実行される態様
で実施したり、コンピュータにより主体的に実行される
態様で実施することができる。特に、「材料特性値取得
工程」または「スプリングバック量予測工程」は、人間
の介入を必要とするものとしたり、人間の介入を実質的
に必要とせずにコンピュータにより自動的に行うものと
することができる。 (2) 前記材料特性値取得工程が、前記取得された実験値
を表すグラフを平行四辺形で、かつ、前記試験片の、正
負荷時の弾性域における応力−ひずみ関係を表す第1直
線部と、除荷時または逆負荷時の弾性域における応力−
ひずみ関係を表す第2直線部とが互いに平行となるとと
もに、試験片の、正負荷時の塑性域における応力−ひず
み関係を表す第3直線部と、逆負荷時の塑性域における
応力−ひずみ関係を表す第4直線部とが互いに平行とな
るように近似するとともに、その平行四辺形の幾何学的
特徴に基づいて前記材料特性値を取得するものである
(1)項に記載のスプリングバック量予測方法。この方法
によれば、線形の材料硬化モデルとして応力−ひずみ関
係を平行四辺形で近似する材料硬化モデルが使用される
ため、スプリングバック量の予測原理を簡単化し得る。 (3) 前記材料特性値取得工程が、前記平行四辺形を規定
する4本の直線部のうちの少なくとも、前記第2直線部
と第4直線部とが互いに連結する部分の幾何学的特徴に
基づいて前記材料特性値を取得するものである(2) 項に
記載のスプリングバック量予測方法。前記(2) 項に記載
の平行四辺形の4本の直線部のうち、材料のバウシンガ
効果が現れるのは前記第2および第4直線部である。し
たがって、本項に記載の方法によれば、平行四辺形の4
本の直線部のうちバウシンガ効果が現れる部分の幾何学
的特徴に基づいて材料特性値が取得されるため、バウシ
ンガ効果ができる限り正確に表現されるように材料特性
値を取得し得る。 (4) 前記スプリングバック量予測工程が、前記与ひずみ
の変化領域を複数の区分である与ひずみ区分に分割し、
かつ、前記各要素ごとに、分割された複数の与ひずみ区
分のうち、その要素について予測された前記初期ひずみ
が属するものを選択するとともに、各要素ごとに選択さ
れた与ひずみ区分に対応する前記材料特性値と、各要素
ごとに予測された初期ひずみとに基づいて前記スプリン
グバック量を予測するものである(1) ないし(3) 項のい
ずれかに記載のスプリングバック量予測方法〔請求項
2〕。前記(1) 項に記載の方法は、与ひずみごとに取得
された複数の実験値に基づき、与ひずみと材料特性値と
の関係を、与ひずみが連続的に変化するのにつれて材料
特性値が連続的に変化する関係として取得する態様で実
施することが可能である。しかし、この態様で実施する
場合には、与ひずみと材料特性値との組合せの数が増加
する。これに対して、本項に記載の方法においては、与
ひずみの変化領域が複数の区分である与ひずみ区分に分
割されるとともに、各要素ごとに、分割された複数の与
ひずみ区分のうち、各要素について予測された初期ひず
みが属するものが選択され、その選択結果に応じて材料
特性値が決定される。したがって、この方法によれば、
与ひずみと材料特性値との関係が離散的なものとして取
得されることとなり、上記のように連続的なものとして
取得される場合に比較して、与ひずみと材料特性値との
組合せの数が減少する。よって、この方法によれば、ス
プリングバック量の予測原理を簡単化し得、例えば、そ
の予測を行うためにコンピュータにより実行されるプロ
グラムの構成の簡単化およびメモリの容量の小形化を容
易に図り得る。 (5) 前記スプリングバック量予測工程が、前記各要素ご
とに選択された材料特性値に厳密に対応する前記与ひず
みが、その要素について予測された前記初期ひずみに厳
密にまたは十分に一致しない場合に、その与ひずみに一
致するようにその初期ひずみを修正する初期ひずみ修正
工程を含む(4) 項に記載のスプリングバック量予測方
法。この方法においては、与ひずみと材料特性値との関
係が離散的なものとして取得されるにもかかわらず、各
要素についてスプリングバック量予測のために使用され
る材料特性値と初期ひずみとが整合される。したがっ
て、この方法によれば、与ひずみと材料特性値との関係
を離散化することに起因してスプリングバック量の予測
精度が大きく低下することを防止し得る。 (6) 材料が塑性加工の終了後に弾性回復する量であるス
プリングバック量を予測する方法であって、前記材料と
材質が実質的に同じ試験片を引張方向と圧縮方向との一
方向に負荷して塑性変形させた後に除荷し、さらに、逆
方向に負荷して塑性変形させるとともに、その間にその
試験片の応力−ひずみ関係について実験値を取得する実
験値取得工程と、取得された実験値に基づき、前記試験
片の、除荷開始点から再降伏点までの弾性域における応
力−ひずみ関係を近似的に表す第1直線と、その再降伏
点から逆負荷終了点までの塑性域における応力−ひずみ
関係を近似的に表す第2直線とが前記再降伏点において
互いに連結された折れ線の幾何学的特徴を取得し、その
取得された幾何学的特徴に基づき、前記スプリングバッ
ク量の予測に必要な材料特性値を取得する材料特性値取
得工程と、取得された材料特性値に基づき、前記スプリ
ングバック量を予測するスプリングバック量予測工程と
を含むことを特徴とするスプリングバック量予測方法。
応力−ひずみ関係を表すグラフのうち材料のバウシンガ
効果が現れるのは、除荷開始点から再降伏点までの弾性
域と、その再降伏点から逆負荷終了点までの塑性域とに
おいてである。したがって、本項に記載の方法によれ
ば、それら2つの領域における応力−ひずみ関係を近似
的に表す折れ線の幾何学的特徴に基づいて材料特性値が
取得されるため、バウシンガ効果ができる限り正確に表
現されるように材料特性値を取得し得る。本項に記載の
方法は、前記(2) ないし(5) 項のいずれかに記載の特徴
と共に実施することが可能である。 (7) (1) ないし(6) 項のいずれかに記載のスプリングバ
ック量予測方法を実施するためにコンピュータにより実
行されるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可
能な記録媒体〔請求項3〕。ここに、「記録媒体」には
例えば、フロッピーディスク,磁気テープ,磁気ディス
ク,磁気ドラム,磁気カード,光ディスク,光磁気ディ
スク,ROM,CD−ROM,ICカード,穿孔テープ
等がある。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明のさらに具体的な実
施の形態の一つを図面に基づいて詳細に説明する。
【0009】本発明の一実施形態はスプリングバック量
予測方法であり、図1には、そのスプリングバック量予
測方法を実施するのに好適なスプリングバック量予測装
置(以下、単に「予測装置」という)が示されている。
【0010】予測装置は、入力装置10とコンピュータ
12と出力装置14と外部記憶装置16とを備えてい
る。入力装置10はマウス,キーボード等を含むように
構成される。コンピュータ12はCPU等、プロセッサ
20と、ROM,RAM,ハードディスク等、メモリ2
2と、それらプロセッサ20とメモリ22とを接続する
バス24とを含むように構成される。出力装置14はデ
ィスプレイ,プリンタ,プロッタ等を含むように構成さ
れる。外部記憶装置16は、CD−ROM30,書き込
み可能なFD32(フレキシブルディスク)等、記録媒
体が装填可能となっていて、装填状態においては、記録
媒体に対するデータの読み取りおよび書き込みが必要に
応じて行われる。
【0011】本実施形態においては、上記スプリングバ
ック量の予測に必要なプログラムがCD−ROM30に
記憶され、また、その予測に必要なデータがFD32に
記憶されている。スプリングバック量の予測に必要なプ
ログラムには、材料特性値取得プログラムと、成形シミ
ュレーションプログラムと、材料特性値決定プログラム
と、バックストレス計算プログラムと、スプリングバッ
ク量予測プログラムとがある。そして、スプリングバッ
ク量の予測時には、それらCD−ROM30およびFD
32から必要なプログラムおよびデータが読み出されて
コンピュータ12のRAMまたはハードディスクに転送
され、その後、プロセッサ20によりそのプログラムが
実行される。
【0012】図2には、本実施形態であるスプリングバ
ック量予測方法が工程図で表されている。
【0013】概略的に説明すれば、スプリングバック量
予測方法は、鋼板である材料をプレス成形した後にその
材料に生じるスプリングバック量を予測するものであ
る。そのプレス成形は、塑性ひずみが0.15,0.2
0というように、比較的高い塑性ひずみが生じる部分が
存在するように行われる。また、このスプリングバック
量予測方法においては、プレス成形されるべき材料と材
質が実質的に同じ試験片を用いることにより、その材料
の応力−ひずみ関係の実験値が複数の離散値として取得
され、その取得された複数の実験値に基づき、その材料
のスプリングバック量を予測するのに必要な材料特性値
が取得される。この材料特性値は、材料のバウシンガ効
果が精度よく表現されるようにその材料の応力−ひずみ
関係を定義するのに必要な情報であるということもでき
る。また、このスプリングバック量予測方法において
は、有限要素法を用いることにより、プレス成形直後に
材料に残存する応力−ひずみ関係を予測するために、材
料のプレス成形をシミュレートする成形シミュレーショ
ンが行われ、その後、有限要素法を用いるとともに、取
得された材料特性値と、計算されたバックストレスとを
用いることにより、材料のスプリングバック量が予測さ
れる。
【0014】さらに具体的に説明すれば、本実施形態に
おいては、同図に示すように、まず、ステップS1にお
いて、作業者により、プレス成形されるべき材料と材質
が実質的に同じ試験片が準備され、その後、試験機を用
いることにより、その試験片に対して一軸応力状態にお
いて引張−圧縮試験が行われる。この試験は具体的に
は、試験片を引張方向に負荷して塑性変形させた後に除
荷し、さらに、逆方向すなわち圧縮方向に負荷して塑性
変形させるというものであり、その間にその試験片の応
力−ひずみ関係の実験値が複数の離散値として取得され
る。それら複数の実験値は、試験片の除荷開始時におけ
る塑性ひずみである与ひずみを変化させるごとに取得さ
れる。図3には、除荷および圧縮時における応力−ひず
み関係を表すグラフが5つの与ひずみについてそれぞれ
示されている。
【0015】次に、ステップS2において、コンピュー
タ12により、前記材料特性値取得プログラムが実行さ
れ、それにより、上記取得された複数の実験値に基づい
て材料特性値が上記与ひずみごとに決定される。材料特
性値取得プログラムの内容については、後に詳述する。
【0016】その後、ステップS3において、作業者に
より、前記成形シミュレーションを実行するのに必要な
データ、すなわち、数値解析用データが作成される。数
値解析用データは、プレス成形すべき材料を仮想的に複
数の要素に分割するためのデータと、プレス成形時に材
料に付与される応力に関する条件と、複数の要素に関す
る境界条件とを含んでいる。
【0017】続いて、ステップS4において、コンピュ
ータ12により、上記成形シミュレーションプログラム
が実行され、それにより、プレス成形直後に材料に残存
する応力−ひずみ関係が予測される。さらに、プレス成
形直後における材料の形状も予測される。この成形シミ
ュレーションプログラムは、材料の応力−ひずみ関係を
近似する材料硬化モデルとして等方硬化モデルを使用す
る形式である。この成形シミュレーションプログラム
は、材料の各要素の番号jに関連付けて、プレス成形直
後に各要素に存在する塑性ひずみである初期ひずみをメ
モリ22に格納する。この成形シミュレーションプログ
ラムの一例は、LSTC社により製造され、「LS−D
YNA3D」という名称で日本総合研究所により販売さ
れたものである。
【0018】その後、ステップS5において、コンピュ
ータ12により、前記材料特性値決定プログラムが実行
され、それにより、上記ステップS2において取得され
た複数の材料特性値を用いることにより、材料の各要素
に対応する材料特性値が決定される。材料特性値決定プ
ログラムの内容については、後に詳述する。
【0019】続いて、ステップS6において、コンピュ
ータ12により、前記バックストレス計算プログラムが
実行され、それにより、材料の各要素ごとにバックスト
レスαが計算される。バックストレス計算プログラムの
内容については、後に詳述する。
【0020】その後、ステップS7において、コンピュ
ータ12により、前記スプリングバック量予測プログラ
ムが実行され、それにより、スプリングバック量が予測
される。このスプリングバック量予測プログラムは、材
料の各要素ごとに決定された材料特性値と、各要素ごと
に計算されたバックストレスとを用いることにより、材
料のスプリングバック量を予測する。このスプリングバ
ック量予測プログラムの一例は、日本総合研究所により
製造され、同研究所により「JOH−NIKE3D」と
いう名称で販売されたものである。
【0021】以上で、スプリングバック量予測方法の一
回の実行が終了する。
【0022】上記スプリングバック量予測プログラム
は、スプリングバック量を予測すべき材料の応力−ひず
み関係を種々の方式で定義可能に設計されている。その
方式の一つに、応力−ひずみ関係を、平行四辺形を用い
た線形の材料硬化モデルで近似する方式がある。図4に
は、試験片を引張方向に負荷(正負荷)して塑性変形さ
せた後に除荷し、引き続いて逆向きすなわち圧縮方向に
負荷(逆負荷)して再度塑性変形させた場合に、塑性ひ
ずみεP と応力σとが変化する様子が平行四辺形で示さ
れている。
【0023】ここで、同図における各種記号を説明すれ
ば、「Y0 」は、材料が初めての塑性変形を開始すると
きの降伏応力である初期降伏応力を示している。
「Y1 」は、材料が再降伏するときの応力である再降伏
応力を示している。「H」は、塑性硬化係数を示してい
る。塑性硬化係数Hは、正負荷時および逆負荷時の塑性
域における応力−ひずみ関係を表す直線グラフ(後述の
第3直線部54)の勾配を角度φで表した場合にtan φ
で表される。「β」は、再降伏応力Y1 が初期降伏応力
0 に対して低下する程度を規定する材料軟化係数を示
している。「εP 0 」は、除荷開始時における塑性ひず
みεP である初期ひずみを示している。
【0024】スプリングバック量予測プログラムは、応
力−ひずみ関係を近似する材料硬化モデルとして、等方
硬化モデルと移動硬化モデルと複合硬化モデルとの中か
ら適当なものを選択できる。この選択は、上記材料軟化
係数βの値を決定することによって行われる。具体的に
は、β=0のときには、移動硬化モデルが選択され、こ
のとき、再降伏応力Y1 は、 Y1 =−Y0 +H・εP 0 なる式で定義される。また、β=1のときには、等方硬
化モデルが選択され、このとき、再降伏応力Y1 は、 Y1 =−Y0 −H・εP 0 なる式で定義される。また、0<β<1のときには、複
合硬化モデルが選択され、このとき、再降伏応力Y
1 は、 Y1 =−Y0 +H・(1−2β)εP 0 なる式で定義される。
【0025】同図のグラフは、プレス成形されるべき材
料に関するものであるが、試験片に関しても同じグラフ
が描かれることになる。そして、試験片の応力−ひずみ
関係を表すグラフを平行四辺形で近似する場合には、試
験片の、正負荷時の弾性域における応力−ひずみ関係を
表す第1直線部50と、除荷時または逆負荷時の弾性域
における応力−ひずみ関係を表す第2直線部52とが互
いに平行となるとともに、試験片の、正負荷時の塑性域
における応力−ひずみ関係を表す第3直線部54と、逆
負荷時の塑性域における応力−ひずみ関係を表す第4直
線部56とが互いに平行となるように応力−ひずみ関係
が近似される。一方、応力−ひずみ関係を表すグラフの
うちバウシンガ効果が現れるのは、除荷開始点PS から
再降伏点PY までの弾性域と、その再降伏点PY から逆
負荷終了点までの塑性域とにおいてである。したがっ
て、本実施形態においては、それら2つの領域における
応力−ひずみ関係を近似的に表す折れ線、すなわち、第
2直線部52と第4直線部56とが互いに連結されたも
のの幾何学的特徴が取得されるとともに、その取得され
た幾何学的特徴に基づき、直接的には試験片、間接的に
は材料につき、初期降伏応力Y0 と、再降伏応力Y
1 と、塑性硬化係数Hと、材料軟化係数βとが取得され
る。
【0026】具体的には、再降伏応力Y1 は、上記折れ
線の折れ点における応力σとして取得される。塑性硬化
係数Hは、第3直線部54が第4直線部56と平行であ
ることを利用することにより、第4直線部の勾配を角度
φで取得してそれのtan φを算出することによって取得
される。材料軟化係数βは、初期降伏応力Y0 と、再降
伏応力Y1 と、塑性硬化係数Hと、与ひずみεP g とを
前述の式に類似した、 Y1 =−Y0 +H・(1−2β)εP g なる式に代入してβについて解くことにより取得され
る。なお、初期降伏応力Y 0 は、正負荷時における実験
値に基づいて取得される。
【0027】このスプリングバック量予測プログラム
は、それら初期降伏応力Y0 ,再降伏応力Y1 ,塑性硬
化係数Hおよび材料軟化係数βの他に、材料のヤング率
Eを利用することにより、スプリングバック量を予測す
るように設計されている。すなわち、このスプリングバ
ック量予測プログラムにおいては、それら初期降伏応力
0 ,再降伏応力Y1 ,塑性硬化係数H,材料軟化係数
βおよびヤング率Eがそれぞれ「材料特性値」を構成し
ているのである。
【0028】ところで、図4のグラフの横軸に取られて
いるのは、弾性ひずみと塑性ひずみとの和である合計ひ
ずみεではなく、塑性ひずみεP である。したがって、
同図のグラフは、例えば、正負荷時の弾性域において、
応力σを表す軸に平行に延びている。これに対して、図
5のグラフの横軸に取られているのは、合計ひずみεで
ある。したがって、同図のグラフは、例えば、正負荷時
の弾性域において、応力σを表す軸に対して傾斜してい
る。よって、それら2つのグラフにおいて、第1ないし
第4直線部50,52,54,56の対応関係はそれら
2つの図に示すものとなる。
【0029】したがって、図5における第1直線部50
の勾配を角度γで表した場合にtanγとして求めた値
は、材料のヤング率Eを表すことになる。一方、第1直
線部50と第2直線部52とが互いに平行であると仮定
されている。したがって、本実施形態においては、第2
直線部52の勾配からヤング率Eが取得される。
【0030】応力−ひずみ関係は、材料の初期ひずみε
P 0 (試験片の与ひずみεP g に相当する)によって変
化する。応力−ひずみ関係を近似的に表す平行四辺形の
幾何学的特徴が初期ひずみεP 0 によって変化するので
あり、よって、上記材料特性値も初期ひずみεP 0 によ
って変化する。したがって、本実施形態においては、前
述のように、試験片の与ひずみεP g を変化させるごと
に引張−圧縮試験が繰り返される。
【0031】図6には、本実施形態で使用される線形の
材料硬化モデルが実線グラフで示され、前記従来方法で
使用される線形の材料硬化モデルが一点鎖線グラフで示
され、等方硬化モデルが二点鎖線グラフで示され、実際
の応力−ひずみ関係が破線グラフで示されている。その
実際の応力−ひずみ関係は、正負荷時の弾性域および塑
性域においては等方硬化モデルで表される関係(二点鎖
線)と一致し、逆負荷時の弾性域および初期の塑性域に
おいては本実施形態の材料硬化モデルで表される関係
(実線)と一致する。本実施形態で使用される材料硬化
モデルは、線形である点で、前記従来方法と共通する
が、与ひずみεP g に応じて形状が変化するように定義
される点では、与ひずみεP g とは無関係に形状が維持
される前記従来方法とは相違する。なお、本実施形態で
使用される線形の移動硬化モデルを表す平行四辺形は、
同図においては、それの2つの鋭角を含む一対の部分が
省略されている。
【0032】前記従来方法においては、前述のように、
初期ひずみεP 0 が材料の全体に一様に分布しないにも
かかわらず、一つの材料硬化モデルが使用される。した
がって、この従来方法を採用する場合には、材料の複数
の要素の中に、バウシンガ効果を精度よく表現していな
い材料特性値が使用される要素が生じてしまう。また、
等方硬化モデルでは、材料のバウシンガ効果すら表現す
ることができない。これに対して、本実施形態において
は、材料硬化モデルとして、バウシンガ効果を表現し得
る移動硬化モデルまたは複合硬化モデルを使用すること
ができるとともに、材料の各要素について予想される初
期ひずみεP 0 に応じて形状が異なる材料硬化モデルが
使用される。ただし、各要素について予想される初期ひ
ずみεP 0 が異なっても、材料硬化モデルが平行四辺形
で表現されることは維持される。
【0033】したがって、同図に示すように、本実施形
態で使用される線形の材料硬化モデルは、実際の応力−
ひずみ関係を表すグラフと全体において一致するわけで
はないが、バウシンガ効果が現れる領域、すなわち、除
荷後に弾性変形する領域と塑性変形する領域とについて
は、十分に高い精度で一致する。
【0034】このような理由から、本実施形態において
は、材料の応力−ひずみ関係が、平行四辺形を用いた線
形の材料硬化モデルで近似させられているのであり、よ
って、本実施形態によれば、低ひずみ領域のみならず高
ひずみ領域においてもバウシンガ効果を精度よくシミュ
レート可能となり、ひいては、スプリングバック量を精
度よく予測可能となる。
【0035】同図に示すように、前記折れ線は、除荷お
よび逆負荷時における実際の応力−ひずみ関係を表すグ
ラフにできる限り一致するように取得される。具体的に
は、そのグラフ上に、同一直線上に位置せず、かつ、相
互に一定距離以上離れた3点を暫定的に設定すること
を、そのグラフのうち折れ線として抽出される可能性の
ある部分の一方の端点から他方の端点に向かって順次行
い、それら暫定的な3点により構成される暫定的な折れ
線の角度が極大となったときに、それら3点を最終的な
3点に決定するとともに、それら最終的な3点により構
成される折れ線を最終的な折れ線に決定する。それら3
点は、除荷開始点に最も近い第1実測点60と、次に近
い第2実測点62と、最も遠い第3実測点64とから構
成される。それら3つの実測点60,62,64におけ
る各応力−ひずみ関係は、実際の応力−ひずみ関係を表
すグラフ上に位置することから、実測値と一致する。な
お、同図に示す例においては、折れ線を構成する2本の
直線部のうち、除荷開始点(図示しない)に近い方は、
前記平行四辺形の第2直線部52と完全にではなく部分
的に一致し、また、他方の直線は、平行四辺形の第4直
線部56と完全にではなく部分的に一致している。
【0036】ここで、前記材料特性値取得プログラムの
内容を詳述する。
【0037】図7には、この材料特性値取得プログラム
がフローチャートで表されている。まず、ステップS1
01(以下、単に「S101」で表す。他のステップに
ついても同じとする)において、実験値を表すデータが
FD32からコンピュータ12のメモリ22に取り込ま
れる。次に、S102において、与ひずみεP g に順に
付与すべき番号iが1に設定される。その後、S103
において、今回の与ひずみεP g(i)に関連する応力−ひ
ずみ関係を表すデータがメモリ22から取り込まれる。
【0038】続いて、S104において、その取り込ま
れたデータに基づき、今回の与ひずみεP g(i)に関連す
る応力−ひずみ関係を表すグラフが想定されるととも
に、そのグラフが折れ線で近似させられる。それによ
り、平行四辺形上の前記3つの実測点60,62,64
が前述のようにして抽出される。その後、S105にお
いて、第2実測点62と第3実測点64とを結ぶ第2直
線52の勾配を角度φで算出することにより、今回の与
ひずみεP g(i)に対応する塑性硬化係数H(i) (=tan
φ)が算出される。
【0039】続いて、S106において、前述の、 Y1 =−Y0 +H・(1−2β)εP g ・・・(1) なる式(1) を用いることにより、今回の与ひずみεP
g(i)に対応する材料軟化係数β(i) が算出される。本実
施形態においては、材料軟化係数βが0<β<1の範囲
内となること、すなわち、材料硬化モデルが複合硬化モ
デルとなることを前提に算出される。以下、その算出方
法を具体的に説明する。
【0040】上記式(1) を用いて材料軟化係数βを算出
する際、 0<β<1 ・・・(2) という第1条件と、すべての与ひずみεP g について、 Y0 >0 ・・・(3) が成立するという第2条件とが制約条件として採用され
る。また、上記式(1) における「Y1 」と「H」は、実
験値により取得されたものを採用することにする。
【0041】なお、再降伏応力Y1 については、種々の
実験により、与ひずみεP g に関して単調増加を示すこ
とが確認されており、与ひずみεP g =0のときには、 Y1 =−Y0 という関係が成立し、また、すべての与ひずみεP g
ついて、 Y1 >−Y0 という関係が成立する。
【0042】上記式(2) の第1条件を考慮し、かつ、上
記式(1) を用いると、 −1<(Y0 +Y1 )/(H・εP g(i))<1 ・・・(4) が得られる。この式(4) は、 −Y1 −H・εP g(i)<Y0 <−Y1 +H・εP g(i) ・・・(5) に変形できる。この式(5) を用い、かつ、上記式(3) の
第2条件を考慮すると、 0<−Y1 −H・εP g(i) ・・・(6) が得られ、この式(6) から、 εP g(i)>−Y1 /H ・・・(7) が得られる。
【0043】また、上記式(3) の第2条件を考慮し、か
つ、上記式(1) を「β」について解くと、 1/2[1−{Y1 /(H・εP g(i))}]>β ・・・(8) が得られる。
【0044】そして、本実施形態においては、上記式
(7) の条件が成立するか否かを判定し、成立しない場合
には、成立するように今回の与ひずみεP g(i)が修正さ
れる。この修正は例えば、今回の与ひずみεP g(i)を、 1.01×(−Y1 /H) として計算したり、実験値のうち上記(7) 式の条件を満
たすもののうち最も小さいものを選択することによって
行われる。
【0045】上記式(7) の条件が成立したならば、必要
に応じて修正された今回の与ひずみεP g(i)と、実験値
により取得された初期降伏応力Y0 ,再降伏応力Y1
よび塑性硬化係数H(i) とを上記式(1) に代入すること
により、今回の材料軟化係数β(i) を算出する。さら
に、その算出された材料軟化係数β(i) が、0<β<1
の範囲内にあるか否かを判定し、あればその算出された
材料軟化係数β(i) が最終値とされるが、なければ、0
<β<1の条件が成立するように材料軟化係数β (i)
修正され、さらに、それに合わせて初期降伏応力Y0
修正される。
【0046】材料軟化係数β(i) および初期降伏応力Y
0 の修正は例えば、もとの材料軟化係数β(i) が0以下
である場合には、材料軟化係数β(i) を0より大きい設
定値、例えば、0.1に変更するとともに、材料軟化係
数β(i) が0.1である場合の初期降伏応力Y0 を上記
式(1) を用いて計算する。その計算された初期降伏応力
0 が上記式(3) の条件を満たす場合には、最新の材料
軟化係数βの(i) 値および初期降伏応力Y0 がそれぞれ
そのまま最終値として採用される。これに対して、変更
された材料軟化係数β(i) の下での初期降伏応力Y0
上記式(3) の条件を満たさない場合には、材料軟化係数
β(i) が例えば0.1増加させられ、同様にして、新た
な初期降伏応力Y0 が計算される。このような処理は、
材料軟化係数βが1を超えない範囲内で繰り返され、そ
の結果、材料軟化係数β(i) が、上記式(1) ないし式
(3) を、実験値に基づく再降伏応力Y1 および塑性硬化
係数H(i) の下に満たすものとして修正されることにな
る。
【0047】以上、もとの材料軟化係数β(i) が0以下
である場合の修正方法を説明したが、1以上である場合
には、同様な方法で修正が行われる。
【0048】図8には、S106の詳細が材料軟化係数
算出ルーチンとしてフローチャートで表されている。
【0049】まず、S251において、前記抽出された
第2実測点62を用いることにより、再降伏応力Y1
決定される。次に、S252において、その決定された
再降伏応力Y1 と、前記算出された塑性硬化係数H(i)
と、今回の与ひずみεP g(i)とが前記式(7) の条件、す
なわち、 εP g(i)>−Y1 /H を満たすか否かが判定される。今回は、満たすと仮定す
れば、判定がYESとなり、S253において、上記決
定された再降伏応力Y1 と、前記算出された塑性硬化係
数H(i) と、実験値により取得された初期降伏応力Y0
とを前記式(1) に代入することにより、今回の材料軟化
係数β(i) が算出される。その後、S254に移行す
る。
【0050】これに対して、今回は、前記式(7) の条件
を満たさないと仮定すれば、S252の判定がNOとな
り、S255において、今回の与ひずみεP g(i)が、前
述のようにして、前記式(7) の条件を満たすように修正
される。
【0051】その後、S253において、修正された与
ひずみεP g(i)の下で前記式(1) を用いることにより今
回の材料軟化係数β(i) が算出される。続いて、S25
4に移行する。
【0052】いずれの場合にも、その後、S254にお
いて、その算出された材料軟化係数β(i) が、前記式
(2) の条件、すなわち、 0<β<1 を満たすか否かが判定される。今回は、満たすと仮定す
れば、判定がYESとなり、上記算出された材料軟化係
数β(i) と、実験値に基づく初期降伏応力Y0 とがその
まま最終値として採用される。以上で本ルーチンの一回
の実行が終了する。
【0053】これに対して、今回は、満たさないと仮定
すれば、判定がNOとなり、S256において、今回の
材料軟化係数β(i) が前述のようにして修正される。そ
の後、S257において、修正された材料軟化係数β
(i) の下に、前記式(1) を用いることにより、初期降伏
応力Y0 が算出される。続いて、S258において、そ
の算出された初期降伏応力Y0 が0より大きいか否かが
判定される。今回は、0より大きいと仮定すれば、判定
がYESとなり、その修正された材料軟化係数β
(i) と、その算出された初期降伏応力Y0 とがそれぞれ
最終値として採用される。以上で、本ルーチンの一回の
実行が終了する。また、今回は、その算出された初期降
伏応力Y0 が0以下であると仮定すれば、S258の判
定がNOとなり、S256に戻る。このS256におい
ては、材料軟化係数β(i) が再度、前述のようにして修
正され、その後、S257において、再度修正された材
料軟化係数β(i) の下に新たな初期降伏応力Y0 が算出
される。続いて、S258において、前記の場合と同様
にして、その算出された初期降伏応力Y0 が0より大き
いか否かが判定される。S256ないしS258の実行
が何回か繰り返された結果、S258の判定がYESと
なれば、最終的に修正された材料軟化係数β(i) と初期
降伏応力Y0 とがそれぞれ最終値として採用される。以
上で本ルーチンの一回の実行が終了する。
【0054】以上のようにしてS106の実行が終了す
れば、その後、S107において、第1実測点60と第
2実測点62とをつなぐ第2直線52の勾配が角度γで
算出され、さらに、tan γとして、今回の与ひずみεP
g(i)に対応するヤング率E(i ) が算出される。
【0055】続いて、S108において、番号iが最大
値iMAX 以上であるか否かが判定される。複数の実験値
のすべてが材料特性値を決定するために利用されたか否
かが判定されるのである。今回は、番号iが最大値i
MAX 以上ではないと仮定すれば、判定がNOとなり、S
109において、番号iが1増加させられ、その後、S
103に移行する。以下、S103ないしS108が、
新たな与ひずみεP g(i)に関連して実行されることにな
る。
【0056】S103ないしS109の実行が何回か繰
り返された結果、S108の判定がYESとなれば、S
110において、与ひずみεP g の変化領域が、設定さ
れた最小値と最大値との間において、一定間隔で複数の
区分に分割される。このとき、各区分に対応する与ひず
みεP g に対応する材料特性値が存在しない場合には、
材料特性値が存在しない与ひずみεP g に近接する複数
の与ひずみεP g であって材料特性値が存在するものを
内挿することにより、必要な材料特性値を生成する。そ
の結果、与ひずみεP g と材料特性値との関係が、図9
に表形式で表されるように、与ひずみεP g の複数の代
表値について離散的に取得されることになる。
【0057】以上でこの材料特性値取得プログラムの一
回の実行が終了する。
【0058】次に、前記材料特性値決定プログラムの内
容を詳述する。
【0059】図10には、この材料特性値決定プログラ
ムがフローチャートで示されている。まず、S201に
おいて、材料が仮想的に分割された複数の要素に順に付
与された番号jが1に設定される。次に、S202にお
いて、メモリ22から、今回の要素jに対応する初期ひ
ずみεP 0 (j) が読み出される。その後、S203にお
いて、その今回の初期ひずみεP 0 (j) が、前記複数の
ひずみ区分のいずれに属するかが判定され、さらに、そ
の属すると判定されたひずみ区分に対応する材料特性値
と、今回の要素の番号jとを互いに関連付けるデータが
メモリ22に格納される。したがって、前記スプリング
バック量予測プログラムは、そのデータを参照すること
により、各要素ごとに選択された材料特性値を用いるこ
とにより、材料のスプリングバック量を予測することが
できる。
【0060】続いて、S204において、今回の初期ひ
ずみεP 0 (j) に対して必要な修正が行われる。具体的
には、上記S203において選択された材料特性値に厳
密に対応する与ひずみεP g が厳密に今回の初期ひずみ
εP 0 (j) に一致するとは限らないという事情を考慮
し、一致しない場合には、一致するように今回の初期ひ
ずみεP 0 (j) が修正される。さらに、今回の要素の番
号jと、修正された初期ひずみεP 0 (j) とを互いに関
連付けるデータがメモリ22に格納される。したがっ
て、前記スプリングバック量予測プログラムは、そのデ
ータを参照することにより、各要素ごとに修正された材
料特性値を用いることにより、材料のスプリングバック
量を予測することができる。
【0061】その後、S205において、番号jが最大
値jMAX 以上であるか否か、すなわち、材料の複数の要
素についてすべて材料特性値が選択されたか否かが判定
される。今回は、番号jが最大値jMAX 以上ではないと
仮定すれば、判定がNOとなり、S206において、番
号jが1増加させられ、その後、S202に移行する。
以下、S202ないしS206が、新たな要素について
実行される。
【0062】S202ないしS206の実行が何回か繰
り返された結果、S205の判定がYESとなれば、こ
の材料特性値決定プログラムの一回の実行が終了する。
【0063】次に、前記バックストレス計算プログラム
の内容を詳述する。
【0064】図11には、このバックストレス計算プロ
グラムがフローチャートで示されている。まず、S30
1において、材料の前記複数の要素に順に付与された番
号kが1に設定される。次に、S302において、メモ
リ22から、今回の要素kに対応する初期応力−ひずみ
関係が読み出される。この初期応力−ひずみ関係は、材
料の今回の要素kにプレス成形直後に残存する応力とひ
ずみとの関係を意味しており、前記成形シミュレーショ
ンプログラムによりシミュレートされたものである。な
お、材料を仮想的に複数の要素に分割する仕方は、バッ
クストレスの計算と前記材料特性値の決定とで異ならな
いが、説明の便宜上、材料特性値の決定においては各要
素の番号がjで表されているに対して、バックストレス
αの計算においてはkで表されている。
【0065】その後、S303において、その読み出さ
れた初期応力−ひずみ関係に基づき、今回の要素kのバ
ックストレスαが計算される。さらに、その計算された
バックストレスαと今回の要素の番号kとを互いに関連
付けるデータがメモリ22に格納される。したがって、
前記スプリングバック量予測プログラムは、そのデータ
を参照することにより、前記材料特性値のみならず、各
要素ごとに計算されたバックストレスαをも用いること
により、材料のスプリングバック量を予測することがで
きる。
【0066】ここで、バックストレスαの計算手法を説
明する。
【0067】プレス成形シミュレーションにおいては、
プレス成形されるべき材料が仮想的に複数のシェル要素
に分割されるとともに、各シェル要素について平面応力
状態が仮定される。したがって、各シェル要素において
は、 σzz=τyz=τxz=0 ・・・(11) となる。ここに「σ」は垂直応力を意味し、「τ」はせ
ん断応力を意味している。
【0068】このように仮定された各シェル要素におい
ては、偏差応力ベクトル(σ’xx,σ’yy,σ’xy)の
方向と、求めるべきバックストレスαの偏差成分(α’
xx,α’yy,α’xy)の方向とが同じであると仮定する
と、 (α’xx,α’yy,α’xy)=A・(σ’xx,σ’yy,σ’xy)・・・(12) なる式が成立する。ここに「A」は定数を意味する。
【0069】一方、偏差応力ベクトルσ’ijについて
は、 σ’ij=σij−δijσm ・・・(13) なる式が成立する。ここに「σij」は応力(垂直応力の
みならずせん断応力も含む)、「δij」はクロネッカー
のデルタ、「σm 」は静水圧下における応力σijをそれ
ぞれ意味する。応力σm は、 σm =(σxx+σyy)/3 ・・・(14) なる式により求めることができる。
【0070】さらに、バックストレスαに関しては、 (3/2)(α’xx 2 +α’yy 2 +2α’xy 2 )=(1−β)2 ・H2 ・εP2 ・・・(15) なる式が成立する。したがって、上記定数Aが、 A2 ={(1−β)2 ・H2 ・εP2}/(σxx 2 −σxxσyy+σyy 2 +3σxy 2 ) ・・・(16) なる式により求められる。
【0071】一方、上記式(12)により、 α’xx=Aσ’xx α’yy=Aσ’yy ・・・(17) α’xy=Aσ’xy なる3式で表される関係が成立する。さらに、バックス
トレスαの偏差成分α’については、偏差応力ベクトル
σ’と同様に、 α’ij=αij−δijαm ・・・(18) なる式が成立する。ここに「αij」はバックストレス、
「δij」はクロネッカーのデルタ、「αm 」は静水圧下
におけるバックストレスαijをそれぞれ意味する。応力
αm は、 αm =(αxx+αyy)/3 ・・・(19) なる式により求めることができる。
【0072】したがって、それら式(16)ないし式(19)を
用いることにより、バックストレスαが計算される。図
12には、求めるべきバックストレスαの相当値が応力
σの相当値との関係においてグラフで示されている。
【0073】以上のようにしてバックストレスαが計算
された後、S304において、番号kが最大値kMAX
上であるか否か、すなわち、材料の複数の要素について
すべてバックストレスαが計算されたか否かが判定され
る。今回は、番号kが最大値kMAX 以上ではないと仮定
すれば、判定がNOとなり、S305において、番号k
が1増加させられ、その後、S302に移行する。以
下、S302ないしS305が、新たな要素について実
行される。
【0074】S302ないしS305の実行が何回か繰
り返された結果、S304の判定がYESとなれば、こ
のバックストレス計算プログラムの一回の実行が終了す
る。
【0075】図13には、本実施形態による予測値と、
前記従来方法による予測値と、実験値との関係が示され
ている。それら2種類の予測値および実験値は、平らな
薄板を絞り加工により、図14に断面図で示すように、
ハット状に成形する条件下で取得された。また、それら
予測値および実験値は、ハット状を成す材料の底部の肩
部の内側角θ1 と、フランジ部の肩部の外側角θ2 と、
側壁部の縦断面形状の曲率半径ρとについて取得され
た。実験は、その条件下で複数回行われ、よって、図1
3には実験値として、複数回の実験により取得された複
数の実験値の平均値である実験平均と、複数の実験値の
上限値および下限値と、複数の実験値の標準偏差とが示
されている。
【0076】同図の比較結果から明らかなように、本実
施形態による予測値は実験結果に十分に一致するの対し
て、従来方法による予測値は十分には一致しない。
【0077】以上の説明から明らかなように、本実施形
態においては、図2のステップS1が「実験値取得工
程」を構成し、ステップS2が「材料特性値取得工程」
を構成し、ステップS3ないしS7が互いに共同して
「スプリングバック量予測工程」を構成しているのであ
る。
【0078】なお付言すれば、本実施形態においては、
スプリングバック量を予測するために材料を近似する材
料硬化モデルとして線形のものが用いられており、その
線形の材料硬化モデルは、非線形の材料硬化モデルであ
って一般に関数式により定義されるものと比べて、実験
値により容易に定義可能である。線形の材料硬化モデル
は、比較的少数の実験値に対して複雑な計算を行うこと
なく定義可能であるのに対して、非線形の材料硬化モデ
ルは、比較的多数の実験値に対して複雑な計算を行うこ
とによって定義可能なのである。したがって、本実施形
態によれば、材料硬化モデルを定義するために実験値に
対して複雑な計算を行うことが不可欠ではなくなり、比
較的簡単にスプリングバック量を予測し得る。
【0079】以上、本発明の一実施形態を図面に基づい
て詳細に説明したが、これは例示であり、前記〔発明が
解決しようとする課題,課題解決手段および発明の効
果〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識
に基づいて種々の変形,改良を施した形態で本発明を実
施することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態であるスプリングバック量
予測方法を実施するのに好適なスプリングバック量予測
装置を示す系統図である。
【図2】上記スプリングバック量予測方法を示す工程図
である。
【図3】上記スプリングバック量予測方法において応力
−ひずみ関係の実験値が与ひずみごとに取得される様子
を説明するためのグラフである。
【図4】図2のスプリングバック量予測に使用される材
料硬化モデルおよびそのスプリングバック量予測に必要
な材料特性値を説明するためのグラフである。
【図5】上記スプリングバック量予測に必要な材料特性
値を説明するための別のグラフである。
【図6】上記スプリングバック量予測に使用される材料
硬化モデルを、従来の材料硬化モデル,等方硬化モデル
および実際の応力−ひずみ関係と対比しつつ説明するた
めのグラフである。
【図7】図2の材料特性値取得を行うためにコンピュー
タにより実行される材料特性値取得プログラムを示すフ
ローチャートである。
【図8】図7のS106の詳細を材料軟化係数算出ルー
チンとして示すフローチャートである。
【図9】図7の材料特性値取得プログラムにより、与ひ
ずみと材料特性値との関係が離散的に取得される様子を
表形式で示す図である。
【図10】図2の材料特性値決定を行うためにコンピュ
ータにより実行される材料特性値決定プログラムを示す
フローチャートである。
【図11】図2のバックストレス計算を行うためにコン
ピュータにより実行されるバックストレス計算プログラ
ムを示すフローチャートである。
【図12】図11のバックストレス計算プログラムの内
容を説明するためのグラフである。
【図13】材料をある条件で成形した場合にその成形後
にその材料に生じるスプリングバック量を、上記実施形
態により予測した値と、上記従来の材料硬化モデルを用
いて予測した値と、実験値とについて示すグラフであ
る。
【図14】図13において材料が成形される条件を説明
するとともに、成形後にその材料において上記予測値お
よび実験値が取得される部位を説明するための断面図で
ある。
【符号の説明】
12 コンピュータ 16 外部記憶装置 30 CD−ROM 32 FD 50 第1直線部 52 第2直線部 54 第3直線部 56 第4直線部 60 第1実測点 62 第2実測点 64 第3実測点
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金子 光司 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 池田 秀樹 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 加藤 享 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 西村 信吾 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 岩田 徳利 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 松居 正夫 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 Fターム(参考) 4E050 JD03 4E063 LA10 5B056 AA01 BB53 FF05 HH00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 材料が塑性加工の終了後に弾性回復する
    量であるスプリングバック量を予測する方法であって、 前記材料と材質が実質的に同じ試験片を引張方向と圧縮
    方向との一方向に負荷して塑性変形させた後に除荷し、
    さらに、逆方向に負荷して塑性変形させるとともに、そ
    の間にその試験片の応力−ひずみ関係について実験値を
    取得することを、試験片の除荷開始時における塑性ひず
    みである与ひずみを変化させるごとに繰り返す実験値取
    得工程と、 取得された実験値により表される前記応力−ひずみ関係
    を線形の材料硬化モデルで近似することにより、前記ス
    プリングバック量を予測するのに必要な材料特性値を前
    記与ひずみに関連付けて取得する材料特性値取得工程
    と、 前記材料が仮想的に分割された複数の要素の各々につい
    て前記塑性加工の直後に存在する塑性ひずみである初期
    ひずみを予測するとともに、前記与ひずみに関連付けて
    取得された材料特性値を用いることにより、各要素につ
    いて予測された初期ひずみに対応する材料特性値を決定
    し、その後、各要素ごとに予測された初期ひずみに基づ
    き、かつ、各初期ひずみごとに決定された材料特性値に
    より特定された前記線形の材料硬化モデルに従って前記
    スプリングバック量を予測するスプリングバック量予測
    工程とを含むことを特徴とするスプリングバック量予測
    方法。
  2. 【請求項2】 前記スプリングバック量予測工程が、前
    記与ひずみの変化領域を複数の区分である与ひずみ区分
    に分割し、かつ、前記各要素ごとに、分割された複数の
    与ひずみ区分のうち、その要素について予測された前記
    初期ひずみが属するものを選択するとともに、各要素ご
    とに選択された与ひずみ区分に対応する前記材料特性値
    と、各要素ごとに予測された初期ひずみとに基づいて前
    記スプリングバック量を予測するものである請求項1に
    記載のスプリングバック量予測方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載のスプリングバ
    ック量予測方法を実施するためにコンピュータにより実
    行されるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可
    能な記録媒体。
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