JP2005288459A - プレス成形品形状の予測方法、予測プログラム及び該プログラムを記録した記録媒体並びにプレス成形方法 - Google Patents

プレス成形品形状の予測方法、予測プログラム及び該プログラムを記録した記録媒体並びにプレス成形方法 Download PDF

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【課題】 板状のプレス成形品の形状予測を行うに際して、比較的短時間で、より精度の高い予測を行えるようにする。
【解決手段】 パンチ6の加圧により、板状素材Mの一部をダイ2の角R部2kを通過させることで、素材の一部に板厚方向の圧縮応力を作用させつつプレス成形を行うことにより得られるプレス成形品Wの形状を予測する、プレス成形品形状の予測方法であって、上記プレス成形品の材料モデルについて、上記角R部を通過する部分と通過しない部分とで異なる特性の材料モデルを設定し、上記パンチの加圧の進行に伴う材料移動過程において発生する各部位毎の応力を、上記材料移動に伴って随時演算するステップと、演算された上記各部位毎の応力の釣り合いを解くことにより、弾性回復後のプレス成形品の形状を予測演算するステップと、を備えたことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

この発明は、プレス成形品の形状を予測する予測方法、その予測のためのプログラム及び該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体、並びにかかる予測方法を用いたプレス成形方法に関する。
板状の素材をプレス成形して所定形状の成形品(ワーク)を製造する場合、従来では、金型試作と試し打ちを繰り返して行い、その都度金型モデルを修正して、最終的に設計通りの所定形状が安定して得られるように、プレス金型を完成させるのが、従来、一般的である。
近年では、このような試作工程での多大の時間および労力の負担をできるだけ軽減するものとして、プレス成形品の形状予測に弾塑性有限要素法を適用し、コンピュータを利用した解析を行うことで成形品の形状を予測するシミュレーション手法(例えば特許文献1参照)が注目されている。
しかしながら、従来の形状予測方法では、一般に、実用に供するには、予測精度が未だ十分ではなく、また、解析にも時間がかかるという難点があった。
ところで、例えば、平板状の金属素材をダイとホルダとの間に固定し、ダイの凹部内にパンチを進行させることで、平板の一部(例えば中央部分)に凹部を有する成形品(ワーク)を得る場合、素材はダイの凹部入り口の角R部で、該角R部の曲率半径に沿うようにして曲げられることとなるが、このとき、凹部の縦壁を形成する部分は、ダイとホルダとで挟持された金属素材が絞り込まれるようにして形成される。
すなわち、上記凹部の縦壁の一部(上部)は、ダイとホルダの間の金属素材が塑性流動し、ダイの角R部を通過し流入するようにして形成される。このようにして形成された縦壁上部では、ダイの角R部通過時に板厚方向に圧縮応力が作用しながら成形され、成形後ダイから取り出された際に曲げ戻しが生じ、弾性回復による反りが大きくなる。この現象が、形状予測精度を低下させる大きな要因の一つになっている。
特開2003−33828号公報
上述のワークにおける縦壁上部のように、板厚方向に圧縮応力が作用しながら成形される部分での形状予測精度を向上させるためには、板厚方向の応力をも考慮に入れて弾塑性有限要素法を適用すれば良いのであるが、従来では、プレス成形品など薄板状ワークの形状予測に弾塑性有限要素法を適用する場合、平面的な所謂シェル要素を用いる方法が一般的であり、この場合には、面内方向の応力は計算されるが、通常、板厚は仮想的に無視されるため、板厚方向の応力は計算することができない。
このような板厚方向の応力計算を行う方法としては、上記シェル要素に代えて所謂ソリッド要素を用いる方法があるが、この場合には、解析結果を得るのに非常に時間がかかるという難点があった。
この発明は、かかる技術的課題に鑑みてなされたもので、板状のプレス成形品の形状予測を行うに際して、比較的短時間で、より精度の高い予測を行えるようにすることを目的とする。
このため、本願発明に係るプレス成形品形状の予測方法は、型パンチ部の加圧により、板状素材の一部を型の角R部を通過させることで、上記素材の一部に板厚方向の圧縮応力を作用させつつプレス成形を行うことにより得られるプレス成形品の形状を予測する、プレス成形品形状の予測方法であって、上記プレス成形品の材料モデルについて、上記角R部を通過する部分と通過しない部分とで異なる特性の材料モデルを設定し、上記型パンチ部の加圧の進行に伴う材料移動過程において発生する各部位毎の応力を、上記材料移動に伴って随時演算するステップと、演算された上記各部位毎の応力の釣り合いを解くことにより、弾性回復後のプレス成形品の形状を予測演算するステップと、を備えたことを特徴としたものである。
また、本願発明に係るプレス成形品形状の予測プログラムは、型パンチ部の加圧により、板状素材の一部を型の角R部を通過させることで、上記素材の一部に板厚方向の圧縮応力を作用させつつプレス成形を行うことにより得られるプレス成形品の形状を、コンピュータに予測させるプレス成形品形状の予測プログラムであって、上記コンピュータに、上記プレス成形品の材料モデルについて、上記角R部を通過する部分と通過しない部分とで異なる特性の材料モデルを設定し、上記型パンチ部の加圧の進行に伴う材料移動過程において発生する各部位毎の応力を、上記材料移動に伴って随時演算する機能と、演算された上記各部位毎の応力の釣り合いを解くことにより、弾性回復後のプレス成形品の形状を予測演算する機能と、を実現させるものである。
更に、本願発明に係るコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、上記プレス成形品形状の予測プログラムを記録したものである。
この記録媒体としては、例えば、コンパクトディスク(CD)やDVD等の光ディスク媒体や磁気テープ媒体など、周知の種々の記録媒体を適用することができる。
また更に、本願発明に係るプレス成形方法は、型パンチ部の加圧により、板状素材の一部を型の角R部を通過させることで、上記素材の一部に板厚方向の圧縮応力を作用させつつプレス成形を行うことにより得られるプレス成形品の成形方法であって、請求項1に記載されたプレス成形品の形状予測方法にて予測演算された成形品の形状と、当該成形品の正規形状との形状差を演算するステップと、該演算結果に基づいて、上記正規形状となるようにプレス成形を行うステップと、を備えたことを特徴としたものである。
この場合において、上記形状差の演算結果に基づいてプレス成形金型を修正し、この修正後の金型を用いてプレス成形を行うことが好ましい。
或いは、上記プレス成形品の形状予測演算に用いたプレス成形金型を用いてプレス成形を行い、その後に、上記形状差の演算結果に基づいたプレス加工量で後プレス成形を行うようにしても良い。
本願発明に係るプレス成形品形状の予測方法によれば、プレス成形品の材料モデルについて、型の角R部を通過する部分と通過しない部分とで異なる特性の材料モデルを設定し、型パンチ部の加圧の進行に伴う材料移動過程において発生する各部位毎の応力を、上記材料移動に伴って随時演算することで、上記角R部を通過することにより素材に作用する板厚方向の圧縮応力を考慮した演算を行うことができる。すなわち、比較的簡単な方法で、且つ、比較的短時間で、より精度の高い予測を行うことができる。
また、本願発明に係るプレス成形品形状の予測プログラムによれば、プレス成形品の材料モデルについて、型の角R部を通過する部分と通過しない部分とで異なる特性の材料モデルを設定する機能と、型パンチ部の加圧の進行に伴う材料移動過程において発生する各部位毎の応力を、上記材料移動に伴って随時演算する機能とを、コンピュータに実現させることで、上記角R部を通過することにより素材に作用する板厚方向の圧縮応力を考慮した演算を行うことができる。すなわち、比較的簡単な方法で、且つ、比較的短時間で、より精度の高い予測を行うことができる。
更に、本願発明に係るコンピュータ読み取り可能な記録媒体によれば、上記プレス成形品形状の予測プログラムをコンピュータに読み取らせることで、プレス成形品の材料モデルについて、型の角R部を通過する部分と通過しない部分とで異なる特性の材料モデルを設定し、型パンチ部の加圧の進行に伴う材料移動過程において発生する素材の各部位毎の応力を、上記材料移動に伴って随時演算する機能を、コンピュータに実現させることができ、上記角R部を通過することにより素材に作用する板厚方向の圧縮応力を考慮した演算を行うことができる。すなわち、比較的簡単な方法で、且つ、比較的短時間で、より精度の高い予測を行うことができる。
また、本願発明に係るプレス成形方法によれば、上記プレス成形品の形状予測方法にて予測演算された成形品の形状と、当該成形品の正規形状との形状差を演算する演算結果に基づいて、上記正規形状となるようにプレス成形を行うことで、型の角R部を通過することにより素材に作用する板厚方向の圧縮応力を考慮した演算結果に基づいた、形状精度がより高いプレス成形を行うことができる。
このプレス成形方法において、上記形状差の演算結果に基づいてプレス成形金型を修正し、この修正後の金型を用いてプレス成形を行うことで、形状精度がより高いプレス成形を行うことができる。
或いは、上記プレス成形方法において、上記プレス成形品の形状予測演算に用いたプレス成形金型を用いてプレス成形を行い、その後に、上記形状差の演算結果に基づいたプレス加工量で後プレス成形を行うことで、形状精度がより高いプレス成形品を得ることができる。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係るプレス成形方法に用いられるプレス成形型の一例および成形素材を示す断面説明図である。また、図2は図1の要部を拡大して示した断面説明図である。尚、これらプレス成形型および成形素材は、従来公知のものと同様のものである。
これらの図に示すように、上記プレス成形型は、中央部分に所定深さの凹部2cを有するダイ2と、該ダイ2と組み合わされて平板状の金属素材Mを挟持し固定するホルダ4と、該ホルダ4の内周面4dにより外周部6dが上下方向へ摺動自在にガイドされたパンチ6とを備えている。
ダイ2の凹部2cの入り口の角部2k(つまり、ダイ2の上面2fと凹部2cの縦壁2dとが交差して形成される角部)は、所定の曲率半径を有する曲面状に形成されている。以下、この角部2kを「角R部2k」と称する。尚、上記凹部2cの底面2bの周縁の角部2j(つまり、凹部2cの底面2bと縦壁2dとが交差して形成される角部)も所定の曲率半径を有する曲面状に形成されている。
上記プレス成形型を用いてプレス成形を行う際には、平板状の金属素材Mをダイ2の上面2fとホルダ4の下面4fとの間に挟持して固定し、パンチ6をダイ2の凹部2c内に向って進行させることで、図1において2点鎖線で示されるように、平板部Wfの中央部分に、縦壁Wdと底壁Wbで形成された凹部Wcを有する(断面形状が略ハット状の)プレス成形品W(ワーク)が得られる。
このとき、素材Mはダイ2の凹部2cの入り口の角R部2kで、該角R部2kの曲面に沿うようにして曲げられることとなるが、このとき、ワーク凹部Wcの縦壁Wdを形成する部分は、ダイ2とホルダ4とで挟持された金属素材Mが絞り込まれるようにして形成される。すなわち、ワーク縦壁Wdの一部(上部)は、ダイ2の上面2fとホルダ4の下面4fの間に挟持された金属素材Mが塑性流動し、ダイ2の角R部2kを通過し流入するようにして形成される。
このようにして形成されたワーク縦壁Wdの上部では、ダイ2の角R部2k通過時に板厚方向に圧縮応力が作用しながら成形され、成形後にダイ2から取り出された際に曲げ戻しが生じ、弾性回復による反りが大きくなる。この現象が、ワークWの形状予測精度を低下させる大きな要因の一つになっているのである。
図3は、ワークW(プレス成形品)について板厚方向に圧縮応力の作用を受けながら成形される領域を模式的に示した部分説明図である。この図に示されるように、ワークWの凹部縦壁Wdのほぼ上半分までの上部領域Luについては、ダイ2の上面2fとホルダ4の下面4fの間に挟持された金属素材Mが塑性流動し、ダイ2の角R部2kを通過し流入するようにして(図3の1点鎖線矢印参照)形成されることにより、ダイ2の角R部2k通過時に板厚方向に圧縮応力が作用しながら成形されることになる。
一方、ワークWの凹部縦壁Wdの下部領域Lsについては、このような板厚方向の圧縮応力が作用することなく成形される。
以上のようなプレス成形品Wの形状を予測する予測方法について説明する。
ここでは、非線形有限要素法を用いた成形シミュレーションにより形状予測を行う。かかる成形シミュレーションでは、成形過程で発生するワークの各部位毎の応力を弾塑性計算により計算し、その後、弾性計算を用いて応力の釣り合いを解くことで、弾性回復(所謂、スプリングバック)後のワーク形状が予測できる。
図4は弾塑性計算結果に基づく弾性回復前のワーク要部の予測形状を模式的に示す説明図であり、図5は弾性計算結果に基づく弾性回復後のワーク要部の予測形状を模式的に示す説明図である。また、図6は、弾性回復前(破線曲線参照)と弾性回復後(実線曲線参照)のワーク要部の予測形状を併せて模式的に示す説明図である。
本実施形態では、成形シミュレーションの形状予測精度をより高めるため、ワークWの成形時に板厚方向の圧縮応力が作用する領域Lu(つまり、ダイ2の角R部2kを通過する部分)と、成形時に板厚方向の圧縮応力が作用しない領域Ls(つまり、ダイ2の角R部2kを通過しない部分)とで、異なる特性の材料モデルを設定するようにした。
図11は上記ワークWの成形に用いた素材金属Mの応力−歪特性を示すグラフであり、曲線N1は、圧縮応力が作用していない当該材料の本来の応力−歪特性を示し、その硬化式(硬化式1)は、σ=εn1(σ:応力,ε:歪,n1:定数)で表される。一方、曲線N2は、圧縮応力が作用した場合の応力−歪特性を示している。この場合には、周知のように、実降伏点が低下し、その硬化式(硬化式2)は、σ=εn2(σ:応力,ε:歪,n2:定数)で表される。
本実施形態では、成形時に板厚方向の圧縮応力が作用しない領域Lsに対しては、曲線N1(硬化式1)で表される特性を有する材料モデル(以下、これを材料モデル1と称する。)を適用し、成形時に板厚方向の圧縮応力が作用する領域Luに対しては、曲線N2(硬化式2)で表される特性を有する材料モデル(以下、これを材料モデル2と称する。)を適用するようにした。
これにより、解析に多大な時間を要するソリッド要素を用いた方法に依ることなく、比較的短時間で解析可能なシェル要素を用いた方法でも、板厚方向の圧縮応力を考慮した演算を行うことができる。
また、成形時における板厚方向の圧縮応力の作用の有無、つまり、成形時におけるダイ2の角R部2k通過の有無は、有限要素法のメッシュモデルにおいて、ダイ角R部のメッシュと材料メッシュの節点との接触の有無を判定する接触判定法により、判定するようにした。
この接触判定法は、図10に模式的に示すように、ダイ角R部のメッシュDmと材料メッシュWmの節点Fとの距離を演算し、この距離がゼロ(零:0)になると、接触があったと判定するものである。
次に、本実施形態に係るプレス成形品形状の予測方法について、図9のフローチャートを参照しながら説明する。
予測システムがスタートすると、まず、成形素材Mの材料モデルとして材料モデル1が設定入力され(ステップ#1)、次いで、弾塑性演算が開始される(ステップ#2)。そして、ステップ#3で、ダイ2の角R部2kの通過(ダイR通過)の有無を判定する。この判定は、前述の接触判定法により行われる。このスッテプ#3での判定の結果、通過無しの場合には、そのまま材料モデル1が適用され(ステップ#4)、通過有りの場合には、材料モデル1に代えて材料モデル2が適用される(ステップ#5)。そして、ステップ#6で、弾塑性計算が実行される。
次に、ステップ#7で、パンチ6のストロークが所定量に達した(過達)か、達していない(未達)かを判定し、未達の場合には、ステップ#3に戻り、それ以降同様のステップ(ステップ#3〜#7)を繰り返して実行する。一方、ストローク過達の場合には、弾塑性計算が終了する(ステップ#8)。
以上のステップ#3〜#7の一連のステップは、パンチ6のストローク進行中に随時実行される随時演算領域を構成しており、これにより、成形過程における材料移動に伴う各シェル要素の応力状態の算出,適切な材料モデル(硬化式)の選択が可能となり、応力履歴を考慮することが可能になる。
その後、より好ましくは、材料の残留応力値が算出され(ステップ#9)、この残留応力値も考慮して弾性計算が実行される(ステップ#10)ようになっている。この弾性計算で応力の釣り合いを解く演算を行うことにより、弾性回復後の形状の予測が得られる。
図7は、従来の形状予測法による予測形状(破線曲線参照)と本実施形態に係る形状予測方法による予測形状(実線曲線参照)とを対比して示すワーク要部の説明図である。また、図8は、図7の要部Y8を拡大して示す拡大説明図である。
これらの図に示すように、従来の形状予測法では、板厚方向の圧縮応力が考慮されていないため、変形(反り)が比較的小さく予測されるが、本実施形態に係る形状予測方法によれば、板厚方向の圧縮応力が考慮されているので、変形(反り)が比較的大きく予測される。
以上の形状予測ステップは全て、形状予測プログラムとしてプログラム化されており、このプログラムをコンピュータに実行させることによって行われる。かかる形状予測プログラムは、例えば光ディスク媒体や磁気テープ媒体など、コンピュータ読み取り可能な種々の周知の記録媒体に記録させておくことができ、かかる記録媒体をコンピュータの読み出し装置に装着してプログラムを読み出すことにより実行可能である。
以上のようにして予測演算が行われた後、ここで予測演算されたワークWの形状と、当該ワークWの正規形状(設計形状)との形状差が演算され、この該演算結果に基づいて、上記正規形状となるようにワークWがプレス成形される。
具体的には、上記形状差の演算結果に基づいてプレス成形金型を修正し、この修正後の金型を用いてプレス成形が行われる。このような修正後の金型を用いてプレス成形を行うことで、形状精度がより高いプレス成形を行うことができる。
或いは、その代わりに、上記予測演算に用いたプレス成形金型を用いてプレス成形を行い、その後に、上記形状差の演算結果に基づいたプレス加工量で後プレス成形を行うようにしても良い。このような後プレス成形を行うことで、形状精度がより高いプレス成形品を得ることができる。
以上、説明したように、本実施形態に係るプレス成形品形状の予測方法によれば、ワークWの材料モデルについて、ダイ2の角R部2kを通過する部分Luと通過しない部分Lsとで異なる特性の材料モデルを設定しておき、パンチ6の加圧の進行に伴う材料移動過程において発生するワークの各部位毎の応力を、上記材料移動に伴って随時演算することで、上記角R部2kを通過することにより素材に作用する板厚方向の圧縮応力を考慮した演算を行うことができる。すなわち、比較的簡単な方法で、且つ、比較的短時間で、より精度の高い予測を行うことができるのである。
尚、本発明は、以上の実施態様に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々の変更や改良を加え得るものであることは言うまでもない。
本発明の実施形態に係るプレス成形方法に用いられるプレス成形型および成形素材を示す断面説明図である。 図1の要部を拡大して示した断面説明図である。 プレス成形品の要部を模式的に示す部分説明図である。 弾塑性計算結果に基づく弾性回復前のワーク要部の予測形状を模式的に示す説明図である。 弾性計算結果に基づく弾性回復後のワーク要部の予測形状を模式的に示す説明図である。 弾性回復前と弾性回復後のワーク要部の予測形状を併せて模式的に示す説明図である。 従来の形状予測法による予測形状と本実施形態に係る形状予測方法による予測形状とを対比して示すワーク要部の説明図である。 図7の要部Y8を拡大して示す拡大説明図である。 本実施形態に係るプレス成形品形状の予測方法を説明するためのフローチャートである。 ダイ角R部のメッシュと材料メッシュの節点との接触の有無を判定する接触判定法の説明図である。 素材金属の応力−歪特性を示すグラフである。
符号の説明
2 ダイ
2k 角R部
4 ホルダ
6 パンチ
W プレス成形品
Wc 凹部
Wd 縦壁
Lu 縦壁の上部領域
Ls 縦壁の下部領域
M 板状素材

Claims (6)

  1. 型パンチ部の加圧により、板状素材の一部を型の角R部を通過させることで、上記素材の一部に板厚方向の圧縮応力を作用させつつプレス成形を行うことにより得られるプレス成形品の形状を予測する、プレス成形品形状の予測方法であって、
    上記プレス成形品の材料モデルについて、上記角R部を通過する部分と通過しない部分とで異なる特性の材料モデルを設定し、上記型パンチ部の加圧の進行に伴う材料移動過程において発生する各部位毎の応力を、上記材料移動に伴って随時演算するステップと、
    演算された上記各部位毎の応力の釣り合いを解くことにより、弾性回復後のプレス成形品の形状を予測演算するステップと、
    を備えたことを特徴とするプレス成形品形状の予測方法。
  2. 型パンチ部の加圧により、板状素材の一部を型の角R部を通過させることで、上記素材の一部に板厚方向の圧縮応力を作用させつつプレス成形を行うことにより得られるプレス成形品の形状を、コンピュータに予測させるプレス成形品形状の予測プログラムであって、
    上記コンピュータに、
    上記プレス成形品の材料モデルについて、上記角R部を通過する部分と通過しない部分とで異なる特性の材料モデルを設定し、上記型パンチ部の加圧の進行に伴う材料移動過程において発生する各部位毎の応力を、上記材料移動に伴って随時演算する機能と、
    演算された上記各部位毎の応力の釣り合いを解くことにより、弾性回復後のプレス成形品の形状を予測演算する機能と、
    を実現させるためのプレス成形品形状の予測プログラム。
  3. 請求項2に記載されたプレス成形品形状の予測プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  4. 型パンチ部の加圧により、板状素材の一部を型の角R部を通過させることで、上記素材の一部に板厚方向の圧縮応力を作用させつつプレス成形を行うことにより得られるプレス成形品の成形方法であって、
    請求項1に記載されたプレス成形品の形状予測方法にて予測演算された成形品の形状と、当該成形品の正規形状との形状差を演算するステップと、
    該演算結果に基づいて、上記正規形状となるようにプレス成形を行うステップと、
    を備えたことを特徴とするプレス成形方法。
  5. 請求項4に記載のプレス成形方法において、
    上記形状差の演算結果に基づいてプレス成形金型を修正し、この修正後の金型を用いてプレス成形を行うことを特徴とするプレス成形方法。
  6. 請求項4に記載のプレス成形方法において、
    上記プレス成形品の形状予測演算に用いたプレス成形金型を用いてプレス成形を行い、その後に、上記形状差の演算結果に基づいたプレス加工量で後プレス成形を行うことを特徴とするプレス成形方法。
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