JP2015093322A - 表面形状定量化方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 2次元要素の解析によっても十分な精度で形状痕の程度を定量化できる表面形状定量化方法を提供する。
【解決手段】プレス加工時に板素材が金型の角部と接触しながら流入することにより板素材が角部から受ける力をシミュレーションする段階(a)(S1203)と、段階(a)においてシミュレーションされた力に基づいて板素材に生じる形状痕の程度を定量化する段階(b)(S1204)と、を有する。
【選択図】図12

Description

本発明は表面形状定量化方法に関し、特に、板素材のプレス加工において板素材表面に生じる形状痕の程度を定量化する表面形状定量化方法に関する。
プレス加工製品の外観不具合に、いわゆるショックラインと呼ばれる形状痕がある。ショックラインとは、静摩擦状態での引っ張り曲げ加工により加工硬化した跡、または金型の角部(R部)で引っ張り曲げ加工を受け加工硬化した跡である。
プレス加工前に素材表面に生じる形状痕をシミュレーションし、シミュレーション結果に基づいて当該形状痕を定量化することで当該形状痕を評価する技術としては次のものがある。
すなわち、プレス加工により素材表面に生じる形状痕をシミュレーションし、シミュレーション結果に基づいて、形状痕と形状痕以外の領域との段差および当該段差の傾斜角を算出する。そして、当該段差および当該傾斜角を変数とする評価式に基づいて形状痕を定量化する。これにより、定量化による形状痕の評価結果を金型のパラメータにフィードバックすることで金型の作製前に製品表面を客観的に評価可能とし、プレス加工後の金型の変更および再作製を不要とすることにより、製品の製造コストの低減および歩留向上を実現するというものがある(特許文献1)。
特開2007−245162号公報
しかし、上記従来技術において形状痕を定量化するための基礎となる当該段差および当該傾斜角は、現在一般的に成形性評価に用いられている2次元要素(SHELL要素)による解析によっては形状痕の評価に必要な精度で算出することができない。従って、当該段差および当該傾斜角を必要な精度で算出するためには、より高精度な3次元要素(SOLID要素)による解析が必要となる。そして、このような3次元要素による解析を現在の一般的なコンピュータにより行うと、1部品かつ1条件の解析であっても膨大な時間を要する。従って、特に、複数部品について形状痕を評価する場合、複数条件において形状痕を評価する場合、および部品の構造が複雑なため金型の修正頻度が高い場合等においては、評価時間が増大し形状痕の評価が困難になるという問題がある。
本願はこのような問題を解決するためになされたものである。すなわち、プレス加工時に金型の角部と接触しながら板素材流入することにより板素材が受ける力をシミュレーションし、シミュレーションにより得られた当該力に基づいて板素材に生じる形状痕の程度を定量化する。これにより、プレス加工における形状の変化と比較して変化量が大きく明確に変化が確認できる板素材が受ける力を利用することで、通常の2次元要素の解析によっても十分な精度で形状痕の程度を定量化することを目的とする。
上記課題は、次の手段により実現される。
表面形状定量化方法であって、プレス加工時に板素材が金型の角部と接触しつつ流入することで当該角部から受ける力をシミュレーションする段階と、シミュレーションした力に基づいて板素材に生じる形状痕の程度を定量化する段階とを有する。
本発明に係る表面形状定量化方法によれば、プレス加工時に金型の角部と接触しながら板素材流入することにより当該板素材が受ける力をシミュレーションし、シミュレーションにより得られた当該力に基づいて板素材に生じる形状痕の程度を定量化する。これにより、プレス加工における形状の変化と比較して変化量が大きく明確に変化が確認できる板素材が受ける力を利用することで、通常の2次元要素の解析によっても十分な精度で形状痕の程度を定量化することができる。
プレス加工時の板素材の流入の様子を示す概略断面図である。 プレス加工時の板素材の流入の様子を示す概略断面図である。 プレス加工後の板素材の状態を示す説明図である。 2次元要素のシミュレーションにより、図3のポイントBからポイントCの方向に板素材の表面面沿いに、ダイの角部との接触により板素材が受ける力Fを計算した結果を示すグラフである。 図4のグラフのポイントAの付近を模式化したグラフである。 プレス加工後の板素材表面におけるショックラインの内外における断面形状の比較を示す概略図である。 プレス加工後の板素材の表面の面沿い距離と板厚減少率との関係のシミュレーション結果を示す図である。 実際の成形部品で発生したショックラインにおける段差Ptの実測値と、成形部品の2次元シミュレーションにより算出したショックラインのZ値との関係を示すグラフである。 実際の成形部品で発生したショックラインにおける段差Ptの実測値と、当該成形部品を塗装した後の官能評価である外観品質評価による判定結果との関係を示すグラフである。 シミュレーションによるZ値と、ショックラインにおける段差Ptの実測値との関係を示すグラフである。 ショックラインを評価する箇所の例を示す図である。 本発明の実施形態に係る表面形状定量化方法のフローチャートを示す図である。 製品である車体の歩留決定ポイントの例を示す図である。
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施形態に係る表面形状定量化方法について詳細に説明する。
本実施形態においては、製品のプレス加工工程において板素材に生じる形状痕の程度を定量化する。定量化はシミュレーションにより行う。すなわち、本実施形態は、実際に金型を製作し、板素材をプレス加工する前に実施する。なお、説明の容易化のために、形状痕の例として、ショックラインを定量化する場合について説明する。
本実施形態に係る表面形状定量化方法の定量化の対象を明確化するために、まず、ショックラインが板素材の表面に形成される過程について説明する。
図1および図2は、プレス加工時の板素材の流入の様子を示す概略断面図である。
板素材30が、金型であるダイ10およびポンチ20によってプレスされることによって、板素材30が所望の形状に加工される。
図1に示すように、プレスが開始されると、板素材30は、ダイ10およびポンチ20によって挟まれ、ダイ10の形状に沿ってダイ10とポンチ20との隙間内に流入する。流入に伴って、板素材30は、まず初期接触部であるポイントAにおいてダイ20の角部Rと接触することによりダイ20の角部Rから力Fを受ける。ここで、板素材30の左端部分は、ホルダー40とダイ10との間に適当な一定のしわ抑え力で挟持されることにより固定されている。
図2に示すように、ポンチ20が下死点に近づけられると、板素材30の成形が進み、ポイントAの部位が図面中右の方向に引き込まれる。すなわち、板素材30は、初期接触部であるポイントAからダイ10の角部と接触しながら流入する。
図3は、プレス加工後の板素材の状態を示す説明図である。
ポンチ20が下死点に到達すると、ポイントAは、例えば、金型の中腹まで移動する。従って、板素材30は、ポンチ20が下死点に到達したときにダイ10の角部と接触しているところからポイントAまで形状痕であるドローマークが形成される。そして、ドローマークが形成される部分は金型から受ける力により板厚が減少する。その結果、ドローマークが形成される部分とドローマークが形成されない部分の境界であるポイントAにおいて線状のショックラインが形成される。形成されるショックラインは、例えば、ポイントAを含み紙面に対し略垂直の線状のショックラインである。
図3に示すように、製品部分と廃棄部分が決められている場合は、製品上のポイントAにおいてショックラインが存在する。このように、製品上にショックラインを存在させることにより、製品内にショックラインが入らないように余分に深く金型を設計してショックラインが存在する余肉部分を廃棄する必要がないため、歩留向上を図ることができる。しかし、製品上にショックラインを存在させる場合は、そのショクラインの程度を官能評価である外観品質評価に合格する程度に抑える必要がある。
本実施形態においては、ショックラインの程度を定量化する。そこで、ショックラインを定量化するための要素について説明する。
図3に示すポイントBは、プレス加工工程においてポンチ20が下死点に到達するまでダイ10と接触しない部分を示している。また。ポイントCは、ホルダー40とダイ10との間において固定される部分を示している。そして、ポイントAは初期接触部を示している。詳細には、ポイントAは、初期接触部がプレス加工によって移動することによりプレス加工終了時において到達する初期接触部の最終到達地点を示している。ポイントAを含む初期接触部の最終到達地点においてショックラインが形成される。
図4は、2次元要素のシミュレーションにより、図3のポイントBからポイントCの方向に板素材の表面面沿いに、ダイの角部との接触により板素材が受ける力Fを計算した結果を示すグラフである。
図4の横軸はプレス加工後の板素材の表面の面沿い距離を示しており、縦軸は板素材がダイの角部Rとの接触により板素材が受ける力Fを示している。ここで、板素材30が受ける力Fは、プレス加工の過程において板素材30がダイ10の角部Rから受ける力の、板素材30の表面沿いの各部分の最大値を表示している。
図4に示すように、ポイントBはポンチ20が下死点に至るまでダイ10と接触しないため、板素材30が受ける力Fは0である。一方、板素材30がダイ10に最初に接触する初期接触部であるポイントAから板素材30が受ける力Fは急に上昇し、以降、ダイ10が接触する部分は概ね一定の力を受ける。ポイントCにおいては、板素材30は、板素材30がホルダー40とダイ10との間において固定されるため、一定のシワ押さえ荷重を受ける。
図5は、図4のグラフのポイントAの付近を模式化したグラフである。図6は、プレス加工後の板素材表面におけるショックラインの内外における断面形状の比較を示す概略図である。
図6に示すように、ショックラインの程度を示す各寸法要素として、次のものがある。すなわち、ショックライン内とショックライン外との間の段差Pt、当該段差の幅Pw、および当該段差の傾斜角Poである。ここで、段差Ptが生じるのは、板素材30がダイ10の角部Rから受ける力Fによりショックライン内の板厚が減少するからである。
板素材30がダイ10の角部Rから受ける力Fの強さによって板素材30の表面が変形する。このため、ショックラインにおいて生じる段差(板厚減少量)Pt、当該段差の幅Pw、および当該段差の傾斜角Poといったショックラインの程度を示す各寸法要素は、板素材30がダイ10の角部Rから受ける力Fと相関関係がある。よって、板素材30がダイ10の角部Rから受ける力Fをショックラインの定量化に用いることができる。
また、板素材30がダイ10の角部Rから受ける力Fは、ショックラインの寸法要素である段差Pt、当該段差の幅Pw、および当該段差の傾斜角Poに比べ変化量が大きく、ショックラインの程度を明瞭に見分けられる。従って、板素材30がダイ10の角部Rから受ける力Fに基づいてショックラインの程度を定量化することにより、ショックラインの各寸法要素に対する精度が十分でない2次元要素の解析によるシミュレーションによっても十分な精度でショックラインの程度を定量化することができる。
本実施形態においては、板素材30がダイ10の角部Rから受ける力Fをシミュレーションし、初期接触部であるポイントAに対し所定距離ΔL離れた部分において板素材30が受ける力Fの増分ΔFを算出し、これをショックラインの定量化に用いる。すなわち、次の定量化式によりショックラインの定量化を行う。
Z=ΔF/ΔL
本定量化式は、板素材30の初期接触部であるポイントAがダイ10の角部Rから受ける力を、ポイントAから板素材30の表面沿いに所定距離ΔL離れた部分が受ける力から減じて得た力の増分ΔFを、当該所定距離ΔLで除することで定量化値Zを与えるものである。以下、ショックラインの定量化値Zを単に「Z値」と称する。
このように、ショックラインの程度の定量化において、初期接触部であるポイントAに対し所定距離ΔL離れた部分において板素材30が受ける力Fの増分ΔFを用いるのは次の理由による。すなわち、ポイントAから板素材30が受ける力Fは急に上昇するが、板素材30の表面沿いの距離Lに対する板素材30が受ける力Fの上昇率が急になるほどショックラインが深くなり、ショックラインが外観上より顕著となるからである。
定量化式に用いられる所定距離ΔLは、板素材のプレス加工による板厚減少率が所定値以上である距離とすることができる。なお、所定距離ΔLは、例えば、ポイントAから板素材30が受ける力Fが急に上昇した後、力Fが一定となるまでの距離であってもよい。
図7は、プレス加工後の板素材の表面の面沿い距離と板厚減少率との関係のシミュレーション結果を示す図である。
図7に示すように、例えば、定量化式に用いられる所定距離ΔLは、ショックラインの発生位置に対し板素材30の板厚減少率が0.72%となる距離である2mmを所定距離ΔLとすることができる。なお、所定距離ΔLは、実験に基づき、ショックラインの定量化の観点から適当な一定の距離としてもよい。
所定距離ΔLを、板素材30の板厚減少率が所定値以上である距離とすることにより、定量化式によるショックラインの程度の定量化の感度をより向上させることができる。
図8は、実際の成形部品で発生したショックラインにおける段差Ptの実測値と、成形部品の2次元シミュレーションにより算出したショックラインのZ値との関係を示すグラフである。
図8に示すように、ショックラインにおける段差Ptの実測値とシミュレーションによるZ値とは良好な相関を有する。
図9は、実際の成形部品で発生したショックラインにおける段差Ptの実測値と、当該成形部品を塗装した後の官能評価である外観品質評価による判定結果との関係を示すグラフである。
図9に示すように、ショックラインにおける段差Ptの実測値と外観品質評価による判定結果とは良好な相関を有する。
このように、ショックラインにおける段差Ptの実測値とシミュレーションによるZ値とは良好な相関があり、かつショックラインにおける段差Ptの実測値と外観品質評価による判定結果とも良好な相関がある。このため、シミュレーションによりZ値を算出することにより、ショックラインの程度を定量化することができる。
図10は、シミュレーションによるZ値と、ショックラインにおける段差Ptの実測値との関係を示すグラフである。
図10に示すように、シミュレーションによるZ値と、ショックラインにおける段差Ptの実測値とは良好な相関がある。このため、ショックラインにおける段差Ptの実測値に対する良否判定閾値に基づき、シミュレーションによるZ値に対する良否判定閾値を設定することができる。
ショックラインの定量化値であるZ値は、ショックラインの寸法要素であるショックラインにおける段差Pt、当該段差の幅Pw、および当該段差の傾斜角Poに比べ変化量が大きく、ショックラインの程度を明瞭に見分けられる。従って、Z値でショックラインの程度を定量化することにより、ショックラインの各寸法要素に対する精度が十分でない2次元要素の解析によるシミュレーションによっても十分な精度でショックラインの発生および程度をより適切かつ正確に定量化することができる。
図11は、ショックラインを評価する箇所の例を示す図である。
ショックラインの評価を必要とする箇所については、例えば、製品が車体の場合、図11の番号1〜15に示すような箇所が考えられる。
図11に示すように、車体全体の外表面パネルについてもシミュレーションによりZ値を算出してショックラインの定量化および評価を行い、製品として許容されるショックラインしか現れないように、プレス加工の加工条件および金型の形状を設計することができる。これにより、プレス加工後の金型の変更および再作製を不要とし、製品の製造コストの低減および歩留向上を実現するとともに、2次元要素の解析によるシミュレーションによっても十分な精度でショックラインの程度を客観的に定量化できるため金型作製の設計工数を低減することができる。
図12は、本実施形態に係る表面形状定量化方法のフローチャートを示す図である。本フローチャートは、ステップS1207を除き、例えば、コンピュータおよびプログラムにより実施されることができる。
図12におけるステップS1203は本発明の段階(a)に、ステップS1204は段階(b)、(c)にそれぞれ相当する。また、ステップS1205は本発明の段階(d)に、ステップS1206、S1202〜S1204は段階(e)にそれぞれ相当する。
まず、歩留決定ポイントを選別する(S1201)。ここで、歩留決定ポイントとは、板素材30の余肉を削減することによって歩留向上が図れるポイントである。歩留決定ポイントにおいて、製品表面に許容できるショックラインしか残らないように金型を設計することにより板素材の余肉を削減することができる。従って、歩留決定ポイントには、ショックラインが発生すると想定されるポイントが選別される。
図13は、製品である車体の歩留決定ポイントの例を示す図である。図13には、車体ボディの一部が歩留決定ポイントの例として示されている。
プレス加工の加工条件、金型形状および歩留決定ポイントの断面形状を、あらかじめ用意されているデータベースから取得する(S1202)。ここで、プレス加工の加工条件(以下、単に「加工条件」と称する)にはショックラインの程度に影響するあらゆる加工条件が含まれ、例えば、板素材30がダイ10とポンチ20との隙間内に流入する流入速度が該当する。金型形状とは、例えば、図13にダイ10、ポンチ20、およびホルダー40の各形状である。
データベースから取得された加工条件、金型形状、および歩留決定ポイントの断面形状に基づいて、板素材30が金型であるダイ10の角Rから受ける力Fをシミュレーションする(S1203)。ステップS1203においてシミュレーションされる力Fは、プレス加工の過程において板素材30が角部Rから受ける力の、板素材30の表面沿いの部分ごとの最大値とすることができる。この際、例えば、歩留決定ポイントの断面形状に基づいて、プレス加工後の板素材30の表面沿いにメッシュを設定し、メッシュ単位で板素材30が角部Rから受ける力の最大値をシミュレーションすることができる。
ステップS1203におけるシミュレーションは、一般的に成形性評価に用いられている2次元要素による解析ツールを用いることができる。板素材30がダイ10の角Rから受ける力Fは、一般的に3次元要素による解析ツールより精度が劣る2次元要素による解析ツールを用いても十分な精度でシミュレーションすることができるため、2次元要素による解析ツールを用いることで金型の設計工数を削減することができる。
板素材30がダイ10の角Rから受ける力Fに基づいてショックラインを定量化する(S1204)。ショックラインの定量化は、上述したZ値を算出することにより行う。
Z値に基づいて、歩留決定ポイントに現れるショックラインの程度が製品の表面として許容されるか否かを判断する(S1205)。ステップS1205における判断は、Z値が事前の実験により決定された閾値との比較により行う。すなわち、Z値が閾値以下の場合は、ショックラインの程度が製品の表面として許容される程度であり、Z値が閾値を超える場合は、ショックラインの程度が製品の表面として許容されない程度であると判断する。
ステップS1205においてZ値に基づきショックラインの程度が製品の表面として許容されると判断された場合は(S1205:YES)、許容されるショクラインが達成される現在の金型形状により製品に適用される実際の金型が作製される(S1207)。また、実際の製品のプレス加工において、許容されるショクラインが達成される現在の加工条件が適用される。
ステップS1205においてZ値に基づきショックラインの程度が製品の表面として許容されないと判断された場合は(S1205:NO)、加工条件および金型の形状の少なくともいずれかを変更する(S1206)。
ステップS1206における加工条件の変更としては、例えば、板素材30がダイ10とポンチ20との隙間内に流入する流入速度を低下させることや、ホルダー40によるしわ抑え力を小さくすることが考えられる。また、金型の形状の変更としては、例えば、金型の角部Rの曲率半径を大きくすることが考えられる。
そして、変更された加工条件および金型の形状によりステップS1202〜ステップS1204において再度シミュレーションによるショックラインの定量化を行い、ステップS1205においてショックラインの程度が製品の表面として許容されるか否かを判断する。
ステップS1206、およびS1202〜S1205のループは、ステップS1205においてZ値に基づきショックラインの程度が製品の表面として許容されると判断されるまで繰り返し行われる。
本実施形態は次の効果を奏する。
プレス加工時に金型の角部と接触しながら板素材流入することにより当該板素材が受ける力をシミュレーションし、シミュレーションにより得られた当該力に基づいて板素材に生じるショックラインの程度を定量化する。これにより、プレス加工における形状の変化と比較して変化量が大きく明確に変化が確認できる板素材が受ける力を利用することで、通常の2次元要素の解析によっても十分な精度でショックラインの程度を定量化することができる。
さらに、ショックラインの程度の定量化に用いる板素材が受ける力を、プレス加工の過程において板素材が金型の角部から受ける力の、板素材の表面沿いの部分ごとの最大値とすることにより、より高精度かつ的確にショックラインの程度の定量化することができる。
さらに、板素材の金型が前記板素材に最初に接触する初期接触部が金型の角部から受ける力を、初期接触部から板素材の表面沿いに所定距離離れた部分が受ける力から減じて、所定距離で除する定量化式によりショックラインの程度を定量化する。これにより、ショックラインの深さに影響する、板素材の表面沿いの距離に対する板素材が受ける力Fの上昇率によりショックラインの程度を定量化することでより高精度かつ客観的にショックラインの程度の定量化することができる。
さらに、プレス加工時に板素材が金型の角部と接触しながら流入することにより減少する板素材の板厚減少率を板素材の表面沿いの部分ごとにシミュレーションし、上記定量化式に用いる所定距離を、シミュレーションした板厚減少率が所定値以上となる距離とする。これにより、定量化式によりショックラインの程度をより高感度で定量化することができる。
さらに、当該定量化の結果に基づいてショックラインが許容されるか否かを判定することにより、金型作製前に、当該定量化の結果を金型の形状および加工条件により的確にフィードバックすることができる。これにより、金型の設計工数の削減、製品の製造コストの低減、および歩留向上を実現することができる。
さらに、当該定量化の結果によるショックラインの程度の判定が「非」であった場合、当該力が小さくなるようにプレス加工の加工条件および金型の形状の少なくともいずれかを変更して再度の当該定量化にフィードバックする。これにより、金型の形状の他、プレス加工の加工条件によっても、金型作製前に、当該定量化によるショックラインの程度が評価可能となり、より柔軟にショックラインの程度の最適化が可能となるとともに、金型の設計工数の削減、製品の製造コストの低減、および歩留向上を実現することができる。
以上、本発明の実施形態に係る表面形状定量化方法について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されない。
例えば、図12のフローチャートのステップS1207を除くステップは、プログラムを用いずにハードウェアのみにより実施されてもよい。
10 ダイ、
20 ポンチ、
30 板素材、
40 ホルダー。

Claims (6)

  1. プレス加工時に板素材が金型の角部と接触しながら流入することにより前記板素材が前記角部から受ける力をシミュレーションする段階(a)と、
    前記段階(a)においてシミュレーションされた前記力に基づいて前記板素材に生じる形状痕の程度を定量化する段階(b)と、
    を有することを特徴とする表面形状定量化方法。
  2. 前記段階(b)は、前記段階(a)においてシミュレーションされた、前記金型が前記板素材に最初に接触する初期接触部が前記角部から受ける前記力を、前記初期接触部から前記板素材の表面沿いに所定距離離れた部分が受ける力から減じて、前記所定距離で除する定量化式により前記形状痕の程度を定量化することを特徴とする請求項1に記載の表面形状定量化方法。
  3. 前記段階(a)においてシミュレーションされる前記力は、プレス加工の過程において前記板素材が前記角部から受ける力の、前記板素材の表面沿いの部分ごとの最大値であることを特徴とする請求項1または2に記載の表面形状定量化方法。
  4. プレス加工時に前記板素材が前記角部と接触しながら流入することにより減少する前記板素材の板厚減少率を前記板素材の表面沿いの部分ごとにシミュレーションする段階(c)をさらに有し、
    前記段階(b)における前記所定距離は、前記段階(c)においてシミュレーションされた前記板厚減少率が所定値以上となる距離であることを特徴とする請求項2または3に記載の表面形状定量化方法。
  5. 前記段階(b)において定量化された定量化値に基づいて、前記板素材の表面に生じる形状痕が許容されるか否かを判定する段階(d)をさらに有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の表面形状定量化方法。
  6. 前記段階(d)において前記形状痕が「否」と判定された場合、前記力が小さくなるようにプレス加工の加工条件および前記金型の形状の少なくともいずれかを変更し、再度、シミュレーションした前記力に基づいて前記板基材表面に生じる形状痕の程度を定量化する段階(e)をさらに有することを特徴とする請求項5に記載の表面形状定量化方法。
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