JP2020142286A - ショックラインの評価方法および評価装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】プレス成形品の良否判定項目の一つであるショックラインについて、適確なデータベースを生成できる評価方法を提供する。【解決手段】本発明は、引張曲げ変形によりショックラインが発生する試験片に実際に作用している荷重を特定する荷重特定工程と、試験片のショックライン前後の変形量を特定する変形量特定工程と、荷重と変形量に基づいて、作用応力とショックラインの度合との関係を示す評価情報を作成する情報生成工程とを備えるショックライン評価方法である。荷重は、例えば、試験片に作用する後方張力または面圧力(ダイス荷重)である。変形量は、例えば、試験片の板厚減少量である。ショックラインの度合は、例えば、ショックライン前後にできる段差量である。こうして得られた評価情報を活用すると、ショックラインに関する高精度な数値解析が可能となる。【選択図】図4A

Description

本発明は、プレス成形時に生じるショックラインに関する評価情報(データベース)を得ることができるショックライン評価方法等に関する。
自動車や家電製品等に多くのプレス成形品が用いられている。プレス成形品は、割れ、皺、かじり(傷)等がないことに加えて、目立つショックラインがないことが望まれる。ショックラインは、プレス成形される板材(素材)が金型の角丸部(例えばダイスの肩アール部)等と接触して引張曲げ変形されるときに、引張応力が作用する内周側において板厚減少により生じる筋状の疵(線状傷)である。
ショックライン(段差)の許容範囲はプレス成形品の要求品質により異なる。例えば、ショックラインがあるプレス成形品でも、その段差が極僅かなら、官能評価により良品とされ得る。このため、プレス成形したときに、どの程度のショックラインが発生するか、定量的な評価が予め可能になると、金型や工程の設計等を効率的に行える。そこで、ショックラインを定量的に評価する方法が提案されており、関連する記載が下記の特許文献にある。
特許第5028831号公報 特許第6236297号公報
特許文献1、2では、シミュレーション結果を特定式(評価式、定量化式)に当てはめて、その算出値によりショックラインの定量化を行っている。しかし、ショックラインに影響を及ぼす力(例えば後方張力)等をシミュレーションで適確に算出することは困難である。このため、上記の特許文献の方法では、ショックラインを高精度に評価できない。
本発明はこのような事情に鑑みて為されたものであり、ショックラインの高精度な定量化に必要となる評価情報を得ることができる評価方法等を提供することを目的とする。
本発明者はこの課題を解決すべく鋭意研究した結果、先ず、試験片を引張曲げ変形させてショックラインを発生させると共に、その変形時に試験片に作用する荷重を実測できる評価装置を開発した。そして、ショックラインに発生に関与する荷重とショックラインの度合(板厚減少量)との関係(評価情報)を実測に基づいて明らかにした。このような成果を発展させることにより、以降に述べる本発明を完成するに至った。
《ショックライン評価方法》
本発明は、先ず、引張曲げ変形によりショックラインが発生する試験片に実際に作用している荷重を特定する荷重特定工程と、該試験片のショックライン前後の変形量を特定する変形量特定工程と、該荷重と該変形量に基づいて、作用応力とショックラインの度合との関係を示す評価情報を作成する情報生成工程と、を備えるショックライン評価方法として把握される。
本発明のショックライン評価方法(単に「評価方法」という。)によれば、プレス成形に用いる金型やその工程等を設計する際に行う数値解析(例えばCAE:Computer Aided Engineering)等で活用できる適確な評価情報(データベース)が得られる。
上述した荷重は、例えば、試験片に作用する後方張力または面圧力である。後方張力は、素材(板材)に作用する皺抑え力(ダイスとホルダーによる挟持力)等を反映する。面圧力は、素材が摺接するダイスの肩部等から受ける反力等を反映する。変形量は、例えば、試験片の板厚減少量である。ショックラインの度合は、例えば、ショックライン前後にできる段差量である。
《ショックライン評価装置》
本発明は、上述した評価方法の実施に用いることができるショックライン評価装置(単に「評価装置」という。)としても把握できる。すなわち、本発明は、所定角をなす第1平面部および第2平面部と、該第1平面部と該第2平面部の間を滑らかに接続する凸状の曲面部とを有する摺接型と、該第1平面部の後方側にあり該摺接型に張架された試験片の後端側を把持すると共に該試験片に後方張力を印加できる把持手段と、該第2平面部側にあり該摺接型に張架された該試験片の先端側を把持すると共に該試験片を牽引する牽引手段と、該試験片に作用している荷重を特定できる荷重特定手段とを備え、該摺接型の曲面部に当接させた該試験片に該把持手段により後方張力を印加させつつ、該試験片を該牽引手段により牽引して、該曲面部上を摺動する試験片にショックラインを発生させると共に該荷重特定手段により該試験片に作用する荷重を特定できるショックライン評価装置でもよい。
《その他》
特に断らない限り、本明細書でいう「x〜y」は下限値xおよび上限値yを含む。本明細書に記載した種々の数値または数値範囲に含まれる任意の数値を新たな下限値または上限値として「a〜b」のような範囲を新設し得る。また、本明細書でいう「x〜ymm」はxmm〜ymmを意味する。他の単位系(kN、MPa等)についても同様である。
評価装置の一例を模式的に示す概要図である。 ショックラインが発生した試験片例を示す写真である。 そのショックラインの前後を拡大して示す写真である。 パンチ変位と各荷重の関係を示すグラフである。 パンチ変位と試験片の摺接型に対する接触面積との関係を示すグラフである。 パンチ変位と試験片に作用するダイス面圧との関係を示すグラフである。 そのダイス面圧とショックラインの段差量との関係を示すグラフである。 後方引張応力とショックラインの段差量との関係を示すグラフである。
上述した本発明の構成要素に、本明細書中から任意に選択した一つまたは二つ以上の構成要素を付加し得る。本明細書で説明する内容は、本発明の評価方法のみならず、評価装置等にも適宜該当する。いずれの実施形態が最良であるか否かは、対象、要求性能等によって異なる。
《評価装置》
(1)摺接型
摺接型は、所定角をなす二つの平面部とそれらの間を滑らかに接続する凸状の曲面部を有する。試験片は、それらの表面上に押し付けられて摺動しつつ、引張曲げ、さらには曲げ戻しされる。このような変形過程中(特に引張曲げの初期)に、試験片の内周面側に板厚が減少した筋状の領域(ショックライン)が発生し得る。
両平面部がなす所定角(内角)は、例えば、略直角とするとよい。所定角は、厳密に90°でなくてもよく、90°前後(例えば85°〜95°さらには88°〜92°)でもよい。曲面部は、それら両平面部により形成される仮想的な角部を丸め面取りした部分(いわゆる角アール部/肩アール部)であるとよい。両平面部と曲面部により、実際のプレス成形型(金型)の肩部(ダイスの開口内周縁部やパンチの頭部外周縁部等)が模擬的に再現され得る。
(2)把持手段
把持手段は、摺接型の第1平面部の後方側にあり、摺接型に張架された試験片の後端側を把持する。把持手段は、通常、第1平面部上に接触(摺接)する試験片に、その第1平面部の方向に沿って、所定の後方張力を印加する。後方張力は、試験片を摺動(引張曲げ変形)させる評価試験中、ほぼ一定値に維持されるとよい。これにより、後方張力(応力)によるショックラインへの影響を適切に評価できる。後方張力の付与により、実際のプレス成形型(ダイスとホルダーの間)で生じる皺抑え力やビードの影響が模擬的に再現される。後方張力は、例えば、油圧装置(油圧シリンダー、油圧制御装置)を用いて調整される。
(3)牽引手段
牽引手段は、摺接型の第2平面部側にあり、摺接型に張架された試験片の先端側を把持して、その試験片を牽引する。牽引手段により、実際のプレス成形型のパンチが模擬的に再現される。
牽引手段は、第2平面部(その一部)に接触(摺接)する試験片に、その第2平面部に沿って、所定の牽引力(先方張力/パンチによる成形荷重に相当)を印加してもよい。もっとも、実際のプレス成形で素材(板材)に発生するショックライン(段差)は、通常、ダイス肩丸め(アール)部に接触して引張曲げ変形を受ける領域と、そのアール部に接触せず引張曲げ変形を受けない領域との境界付近にできる。このような状況を適切に模擬するため、牽引手段は、第2平面部から離間して試験片を牽引するとよい。つまり、第2平面部と、牽引手段(パンチ)の把持端部との間に所定のクリアランス(C)が設けられるとよい。クリアランス(C/mm)は、試験片の板厚をt(mm)として、例えば、t+1〜150mm、t+5〜100mmさらにはt+10〜80mmとなる範囲で調整可能であるとよい。
(4)荷重特定手段
荷重測定手段により、試験片に作用している荷重が特定される。荷重測定手段は、例えば、試験片へ印加する荷重を予め設定した所定範囲とする荷重調整手段でもよいし、評価試験中の試験片に作用する荷重を測定する荷重測定手段でもよい。
試験片に作用する荷重として、把持手段により印加される後方張力、牽引手段により印加される牽引力(パンチの押込み力/先方張力)、接触(摺動)する摺接型から受ける面圧力(抗力)等がある。各荷重はロードセル等により測定可能である。なお、摺接型の移動方向を規制することにより、特定方向にのみ作用する面圧力を測定することもできる。
(5)その他
試験片の移動量(変位量)、牽引手段のストローク量(パンチ変位)等を測定(計測)できる変位測定手段を備えてもよい。これにより、ショックラインに関連する変位と荷重の関係等を求めることもできる。
評価装置は、摺接型や試験片の温度を調整する温度管理手段(例えばヒータ等)を備えるとよい。これにより、冷間、温間または熱間でプレス成形される場合や、冷間プレス成形の繰り返しにより型温度が上昇する場合等が模擬的に再現される。
《評価方法》
先ず、荷重特定工程により、試験片を実際に引張曲げ変形させて、ショックラインが発生するときに試験片に作用している荷重が特定(例えば測定)される。次に、変形量特定工程により、実際にショックラインが発生した試験片について、ショックライン前後の変形量が特定(例えば測定)される。情報生成工程では、実際に特定された荷重と変形量に基づいて、例えば、作用応力とショックラインの度合との関係を示す評価情報(データベース)が作成される。このように、現実の荷重と変形量に基づいて作成された評価情報を活用すれば、高精度な解析が可能となり、プレス成形用金型の設計効率化、生産準備期間の短縮化等が図られる。
荷重は、試験片に作用していた後方張力(長手方向の力)や面圧力(例えば主面の法線方向の力)等である。ショックライン前後(境界付近)にできる変形量は、板厚減少量(段差量)の他、板厚の変化長(板厚の減少開始から減少終了までの長さ)、板厚の減少率(傾斜具合)等でもよい。評価情報は、作用応力(例えば、試験片に作用する面圧や引張応力)とショックラインの度合(例えば、段差量)との相関を示すデータである。
試験条件を変更して上述した評価方法を繰り返し、多様な評価情報が用意されると好ましい。変更する試験条件には、例えば、試験片の材質、摺接型の材質、摺接型の曲面部の形状(曲率半径等)、摺接型と牽引手段のクリアランス(C)等がある。これらは、例えば、プレス成形される素材の材質、金型の材質、金型の形状等に対応している。
評価装置を用いて試験片にショックラインを発生させると共に、その試験片に作用する荷重を測定した。そして、その荷重から算出した面圧とショックラインの段差量との相関(評価情報)を明らかにした。このような具体例を挙げつつ、本発明をさらに詳しく説明する。
《評価装置》
評価装置Sの模式図を図1に示した。評価装置Sは、把持手段1と、牽引手段2と、摺接型3と、保持手段4と、基台5を備える。なお、説明の便宜上、図1示す矢印方向を、上下方向または左右方向という。
把持手段1は、金属の薄板(鋼板等)からなる帯状(帯板状)の試験片Tの後端部をビード111を介して把持する把持具11と、把持具11に所定の後方張力(F1)を印加できる油圧シリンダー12と、油圧シリンダー12と把持具11を仲介するロッド121と、油圧シリンダー12により駆動されるロッド121を後方へ案内する水平スライダー13と、把持具11とロッド121の間に配設されて試験片Tに作用している後方張力を検出する引張ロードセル14(荷重特定手段)とを備える。
牽引手段2は、試験片Tの先端部をビード211を介して把持する把持具21と、把持具21に先方張力(牽引力/押込み力)を印加できる油圧シリンダー22と、油圧シリンダー22により駆動されて把持具21を先方へ押し込むパンチ221と、パンチ221を先方(下方)へ案内する垂直スライダー23と、油圧シリンダー22とパンチ221の間に配設され試験片Tに作用する先方張力(F2)を検出する圧縮ロードセル24(荷重特定手段)とを備える。なお、本実施例では、パンチ221を単に「パンチ」ともいう。
摺接型3は、平面部31(第1平面部)、平面部32(第2平面部)、曲面部33とを備える略角柱状をしている。摺接型3を単に「ダイス」ともいう。
平面部31と平面部32は、なす角が90°であり、図1に示す45°の中心線(面)に沿って対称となっている。本実施例では、その45°方向の作用荷重を「荷重(45°)」と表記する。また、平面部32が延在する上下方向を90°方向ともいい、90°方向の作用荷重を「荷重(90°)」と表記する。そして、摺接型3(ダイス)と試験片Tの間で作用する45°方向の荷重(F3)または90°方向の荷重(F4)をそれぞれ、「ダイス荷重(45°)」または「ダイス荷重(90°)」と表記する。
保持手段4は、固定具41と、棒状ヒータを内蔵した加熱体42(温度調整手段)と、断熱体43と、受圧体44、47と、圧縮ロードセル45、48(荷重特定手段)、リニアガイド46、49とを備える。
固定具41は水冷され得る。固定具41と加熱体42の間は断熱体43により遮熱され得る。摺接型3は、加熱体42により所定温度に設定可能である。
摺接型3に作用する試験片Tからの押付力は、ダイス荷重(45°)またはダイス荷重(90°)として測定される。ダイス荷重(45°)は、受圧体44と圧縮ロードセル45により検出される。ダイス荷重(90°)は、受圧体47と圧縮ロードセル48により検出される。リニアガイド46、49は、45°方向と90°方向に作用する摩擦力を低減して、各方向の荷重を精度良く測定するために設けられる。なお、ダイス荷重(45°)またはダイス荷重(90°)の反力が、試験片Tに作用する面圧力となる。
基台5は、水平支持台51と、垂直支持台52、54と、傾斜支持台53とを備える。摺接型3および保持手段4は、水平支持台51上に設けられた傾斜支持台53と垂直支持台54により支持されている。牽引手段2は、垂直支持台52により支持されている。
垂直支持台52と垂直支持台54の間隔を変更することで、図1に示すクリアランス(C:第1平面部32とパンチ221の左端部(把持具21の左端部)との間隔)を調整できるようにした。本実施例では、Cを0〜90mmの範囲で調整可能とした。
なお、試験片Tの左右方向の変位と、その上下方向の変位(パンチ221による押込量)は、それぞれ、レーザー変位計(図略)とインダクタンス式変位計(図略)により測定した。
《評価試験》
(1)試験条件
評価装置Sを用いたショックラインの評価試験は、下記に示す試験条件下で行った。
試験片 … 材質:軟鋼板(JIS SPC270)、
サイズ:335mm×15mm×t0.65mm
摺接型 … 材質:合金工具鋼(JIS SKD11)、曲面部の曲率半径:5mm
表面粗さ(Rz):0.3μm、加熱なし、
パンチ …変位幅:0〜70mm、下降速度:50mm/s
(0mmのとき、試験片Tは水平支持台51と平行(水平)な状態となる。)
クリアランス… C:67mm
試験片と摺接型の接触面における潤滑 … 洗浄防錆油
後方張力(F1)… 0.5〜3kN
(2)荷重測定(荷重特定工程)
把持手段1により後方張力(F1)が印加された試験片Tを、牽引手段2で牽引(パンチで押込み)した。これにより、試験片Tは、摺接型3(主に平面部31と曲面部33)上を摺動し、引張曲げ変形、さらには曲げ戻し変形された。このときの試験片Tに作用する各荷重(F1〜F4)を測定した。なお、油圧シリンダー12により印加する後方張力の初期設定値は2kNとした。また、試験後の試験片Tの全体を観察した写真を図2Aに、その一部を拡大観察した写真を図2Bにそれぞれ示した。これら写真から明らかなように、試験片Tにはショックライン(L)の発生が確認された。
測定された各荷重とパンチ変位(パンチ221の下降量)の相関を図3Aにまとめて示した。図3Aからわかるように、後方張力(F1)は、パンチ変位に拘わらず略一定であった。一方、パンチ荷重(F2)、ダイス荷重(45°/F3)およびダイス荷重(90°/F4)は、パンチ変位にほぼ比例して増加した。
パンチ変位に対して試験片Tと摺接型3の接触面積が変化する様子を、パンチ変位に基づいて幾何学的に算出したグラフを図3Bに示した。図3Bから明らかなように、その接触面積がパンチ変位に対して、ほぼ比例的に増加することがわかった。
図3Aに示すダイス荷重(45°/F3)と図3Bに示す接触面積(S)に基づいて、パンチ変位に対するダイス面圧(F3/S)を算出した。そのグラフを図3Cに示した。図3Cから明らかなように、試験片Tに作用する面圧力を指標するダイス面圧は、パンチ変位に拘わらずほぼ一定となることがわかった。
(3)段差量測定(変位量特定工程)
試験後の試験片Tに発生したショックライン(L)の前後における板厚をポイントマイクロメータでそれぞれ測定した。実測した両板厚から求まる板厚減少量を、ショックラインの段差量とした。
(4)評価情報作成(情報生成工程)
後方張力を変更した評価試験を繰り返し実施して、上述した荷重測定と段差量測定を各評価試験毎に行った。こうして、試験中に作用していた荷重(ダイス荷重、後方張力)と、試験中に発生したショックラインの段差量との相関を明らかにした。そして、図4A、図4B(両者を併せて単に「図4」という。)に示すように、ダイス面圧とショックラインの段差量との関係(評価情報)、また後方引張応力とショックラインの段差量との関係(評価情報)を得た。なお、各ショックラインの段差量に対応するダイス面圧には、パンチ変位が5〜60mm(パンチの降下速度が安定する範囲)のパンチ面圧の平均値を採用した。また、各ショックラインの段差量に対応する後方引張応力には、パンチ変位が5〜60mmとなる範囲の後方引張応力の平均値を採用した。ちなみに、後方引張応力は、試験片の初期断面(15mm×t0.65mm)で後方張力を除して求めた。
図4から明らかなように、ショックラインの段差量は、ダイス面圧または後方引張応力に対して、ほぼ二次関数的に変化することもわかった。
後方張力、試験片の材質、クリアランス(C)、摺接型の形状(特に曲面部の曲率半径)、摺接型の材質、摺接型の温度等を種々変更して、上述した評価試験を同様に繰り返し行えば、ショックラインに関する豊富なデータベースを構築できる。このようなデータベース(評価情報)をCAE等に活用すれば、ショックラインに関する高精度な解析(予測)が可能となる。
1 把持手段
2 牽引手段
3 摺接型
31 第1平面部
32 第2平面部
33 曲面部
T 試験片

Claims (5)

  1. 引張曲げ変形によりショックラインが発生する試験片に実際に作用している荷重を特定する荷重特定工程と、
    該試験片のショックライン前後の変形量を特定する変形量特定工程と、
    該荷重と該変形量に基づいて、作用応力とショックラインの度合との関係を示す評価情報を作成する情報生成工程と、
    を備えるショックライン評価方法。
  2. 前記荷重は、前記試験片に作用する後方張力または面圧力であり、
    前記変形量は、前記試験片の板厚減少量であり、
    前記ショックラインの度合は、該ショックライン前後にできる段差量である請求項1に記載のショックライン評価方法。
  3. 所定角をなす第1平面部および第2平面部と、該第1平面部と該第2平面部の間を滑らかに接続する凸状の曲面部とを有する摺接型と、
    該第1平面部の後方側にあり該摺接型に張架された試験片の後端側を把持すると共に該試験片に後方張力を印加できる把持手段と、
    該第2平面部側にあり該摺接型に張架された該試験片の先端側を把持すると共に該試験片を牽引する牽引手段と、
    該試験片に作用している荷重を特定できる荷重特定手段とを備え、
    該摺接型の曲面部に当接させた該試験片に該把持手段により後方張力を印加させつつ、該試験片を該牽引手段により牽引して、該曲面部上を摺動する試験片にショックラインを発生させると共に該荷重特定手段により該試験片に作用する荷重を特定できるショックライン評価装置。
  4. 請求項3に記載のショックライン評価装置を用いて、前記荷重特定工程がなされる請求項1または2に記載のショックライン評価方法。
  5. 前記荷重は、前記把持手段により前記試験片へ印加される後方張力または前記摺接型から該試験片へ作用する面圧力である請求項4に記載のショックライン評価方法。
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