JP2000309569A - α,β−不飽和ニトリルの製造方法 - Google Patents
α,β−不飽和ニトリルの製造方法Info
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- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 アルカンの気相接触アンモ酸化反応により不
飽和ニトリルを製造するに当たり、従来の欠点を克服
し、高いニトリル収率が得られ、かつ、工業実施に有利
な製造プロセスを提供する。 【解決手段】 アルカンとアンモニアを複合金属酸化物
触媒の存在下気相接触酸化反応させるα,β−不飽和ニ
トリルの製造方法において、反応系ユニットが2個連結
された多段反応器を用い、第1段反応系ユニットにおい
て、反応生成ニトリルを分離・回収後のガス状流出物か
ら、未反応アルカンを主体とするガス状成分を分離・回
収しないで、該ガス状流出物の30〜92vol%をリ
サイクルし、残りの該ガス状流出物を第2段反応器に供
給して行う方法。
飽和ニトリルを製造するに当たり、従来の欠点を克服
し、高いニトリル収率が得られ、かつ、工業実施に有利
な製造プロセスを提供する。 【解決手段】 アルカンとアンモニアを複合金属酸化物
触媒の存在下気相接触酸化反応させるα,β−不飽和ニ
トリルの製造方法において、反応系ユニットが2個連結
された多段反応器を用い、第1段反応系ユニットにおい
て、反応生成ニトリルを分離・回収後のガス状流出物か
ら、未反応アルカンを主体とするガス状成分を分離・回
収しないで、該ガス状流出物の30〜92vol%をリ
サイクルし、残りの該ガス状流出物を第2段反応器に供
給して行う方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、α,β−不飽和二
トリル(以下、目的二トリルと略する)の製造方法に関
するものである。さらに詳しくは、アルカンを原料と
し、高生産性と高選択率をあわせ持つことにより、高収
率で目的二トリルを製造する改良された製造方法に関す
るものである。
トリル(以下、目的二トリルと略する)の製造方法に関
するものである。さらに詳しくは、アルカンを原料と
し、高生産性と高選択率をあわせ持つことにより、高収
率で目的二トリルを製造する改良された製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】アクリロニトリル、メタクリロニトリル
などの不飽和ニトリル類は、従来プロピレン、イソブチ
レンなどのオレフィン類を触媒の存在下、アンモニアお
よび酸素と気相接触酸化反応を行って得る方法が、最も
一般的な製法として工業的に実施されている。近年、プ
ロパンとプロピレン間等の対応するアルカンとアルケン
間の価格差などの理由により、アルカンを出発原料と
し、気相接触アンモ酸化反応を行い、対応する不飽和ニ
トリルを取得する方法が着目されており、この反応に用
いる触媒やプロセスに関する種々の報告がなされてい
る。
などの不飽和ニトリル類は、従来プロピレン、イソブチ
レンなどのオレフィン類を触媒の存在下、アンモニアお
よび酸素と気相接触酸化反応を行って得る方法が、最も
一般的な製法として工業的に実施されている。近年、プ
ロパンとプロピレン間等の対応するアルカンとアルケン
間の価格差などの理由により、アルカンを出発原料と
し、気相接触アンモ酸化反応を行い、対応する不飽和ニ
トリルを取得する方法が着目されており、この反応に用
いる触媒やプロセスに関する種々の報告がなされてい
る。
【0003】製造プロセスに関しては、循環法を中心に
多くの報告がなされている。米国特許第4609502
号は、プロパンを出発原料としプロパンの脱水素工程
と、これにより得られるプロピレンのアンモ酸化工程を
組み合わせたプロセスを提案している。まず、プロパン
を接触的に脱水素してプロピレンとプロパンおよび水素
他の混合ガスを得る。次いで、このガスを空気あるいは
純酸素とアンモニアと一緒に接触アンモ酸化反応器に送
り、低いアルカン転化率でアンモ酸化反応を行い目的ニ
トリルを合成した後、反応器流出物を急冷し反応生成ニ
トリルを分離・回収する。
多くの報告がなされている。米国特許第4609502
号は、プロパンを出発原料としプロパンの脱水素工程
と、これにより得られるプロピレンのアンモ酸化工程を
組み合わせたプロセスを提案している。まず、プロパン
を接触的に脱水素してプロピレンとプロパンおよび水素
他の混合ガスを得る。次いで、このガスを空気あるいは
純酸素とアンモニアと一緒に接触アンモ酸化反応器に送
り、低いアルカン転化率でアンモ酸化反応を行い目的ニ
トリルを合成した後、反応器流出物を急冷し反応生成ニ
トリルを分離・回収する。
【0004】次いで、反応生成二トリル分離・回収後の
未反応プロパンを含むガス状流出物を次の選択的酸化工
程に送り、ガス状流出物中に残存する酸素を水素との選
択的反応により除去する。次いで、選択的酸化後のガス
を最初の脱水素工程にリサイクルし、新たなプロパンを
補給することよりプロセスが完結する。該米国特許で
は、リサイクル系の不要分の蓄積防止のために、任意操
作として選択的酸化反応工程を出たガスが分割され、一
部が分離器に送られて二酸化炭素だけが除去され、ま
た、分離器からの流出物の一部がパージされ、脱水素工
程で副生した軽質炭化水素が除去される。
未反応プロパンを含むガス状流出物を次の選択的酸化工
程に送り、ガス状流出物中に残存する酸素を水素との選
択的反応により除去する。次いで、選択的酸化後のガス
を最初の脱水素工程にリサイクルし、新たなプロパンを
補給することよりプロセスが完結する。該米国特許で
は、リサイクル系の不要分の蓄積防止のために、任意操
作として選択的酸化反応工程を出たガスが分割され、一
部が分離器に送られて二酸化炭素だけが除去され、ま
た、分離器からの流出物の一部がパージされ、脱水素工
程で副生した軽質炭化水素が除去される。
【0005】しかし、上記プロセスはいくつかの欠点を
有する。脱水素工程のパス1回当たりのプロピレンに転
化するプロパンの割合は、通常は40%であり、約60
%のプロパンが系全体を循環する。このため、操作が複
雑であり、また、循環に係わる設備が大きくなってしま
う。さらに、該プロセスではプロパン脱水素反応の副生
軽質炭化水素を選択的に除去できないため、系中の蓄積
が問題となる。パージによりこれらの成分を除去する
と、同時に循環しているプロパンとプロピレンの一部が
失われるので、このような操作は、結局プロパンからア
クリロニトリルへの得量を大きく低下させることにな
る。この損失防止のため、プロパンとプロピレンを液化
させる装置や回収物の気化装置を設置すると、操作が複
雑となり、また、設備管理も複雑になってしまう。
有する。脱水素工程のパス1回当たりのプロピレンに転
化するプロパンの割合は、通常は40%であり、約60
%のプロパンが系全体を循環する。このため、操作が複
雑であり、また、循環に係わる設備が大きくなってしま
う。さらに、該プロセスではプロパン脱水素反応の副生
軽質炭化水素を選択的に除去できないため、系中の蓄積
が問題となる。パージによりこれらの成分を除去する
と、同時に循環しているプロパンとプロピレンの一部が
失われるので、このような操作は、結局プロパンからア
クリロニトリルへの得量を大きく低下させることにな
る。この損失防止のため、プロパンとプロピレンを液化
させる装置や回収物の気化装置を設置すると、操作が複
雑となり、また、設備管理も複雑になってしまう。
【0006】また、二トリル分離工程を出た目的二トリ
ル分離後の気相流出物を選択的酸化する前に加熱しなけ
ればならないが、ガス中に存在する酸素との反応で系の
温度コントロールが複雑になることがあり、この方法
は、適切な対応策をもっていない。さらに、このプロセ
スにおける酸化反応器は、貴金属を酸化触媒として使用
して操作されるが、オレフィン類および一酸化炭素は、
これらの触媒を不活性にすることが知られている。した
がって、触媒を頻繁に交換しなければならず、予備の反
応器に切換が必要となるため、プロセスが複雑となり操
作が煩雑となる。一方、アルカンの脱水素を行わずアル
カンを反応器に直接供給し、ニトリル選択率の高い低ア
ルカン転化率でアンモ酸化を行い、未反応アルカンを分
離し反応器にリサイクルする方法が提案されている。
ル分離後の気相流出物を選択的酸化する前に加熱しなけ
ればならないが、ガス中に存在する酸素との反応で系の
温度コントロールが複雑になることがあり、この方法
は、適切な対応策をもっていない。さらに、このプロセ
スにおける酸化反応器は、貴金属を酸化触媒として使用
して操作されるが、オレフィン類および一酸化炭素は、
これらの触媒を不活性にすることが知られている。した
がって、触媒を頻繁に交換しなければならず、予備の反
応器に切換が必要となるため、プロセスが複雑となり操
作が煩雑となる。一方、アルカンの脱水素を行わずアル
カンを反応器に直接供給し、ニトリル選択率の高い低ア
ルカン転化率でアンモ酸化を行い、未反応アルカンを分
離し反応器にリサイクルする方法が提案されている。
【0007】特開平3−27350号には、高ニトリル
選択率が得られる比較的低いアルカン転化率の条件下で
アルカンまたはアルケンをアンモ酸化し、得られた反応
ガスを急冷してニトリルを回収し、この時の目的二トリ
ル分離・回収後のガス状流出物を加圧下選択的分離器
(好ましくは圧力スイング吸着ユニット)に導き、未反
応アルカンまたはアルケンを分離するにあたって、分離
器導入ガスが規定範囲の不活性ガス(窒素、二酸化炭
素、不活性炭化水素)を含有するようにして、急激な酸
化反応を防止し、プロセスの操作性を確保した上で、分
離取得したアルカンまたはアルケンを加圧下反応器にリ
サイクルする方法が開示されている。
選択率が得られる比較的低いアルカン転化率の条件下で
アルカンまたはアルケンをアンモ酸化し、得られた反応
ガスを急冷してニトリルを回収し、この時の目的二トリ
ル分離・回収後のガス状流出物を加圧下選択的分離器
(好ましくは圧力スイング吸着ユニット)に導き、未反
応アルカンまたはアルケンを分離するにあたって、分離
器導入ガスが規定範囲の不活性ガス(窒素、二酸化炭
素、不活性炭化水素)を含有するようにして、急激な酸
化反応を防止し、プロセスの操作性を確保した上で、分
離取得したアルカンまたはアルケンを加圧下反応器にリ
サイクルする方法が開示されている。
【0008】また、特開平10−81660号には、反
応ガス組成モル比および供給ガス中のアルカン濃度範囲
を規定し、供給したアルカンの転化率を70%以下とし
ながら反応させ、反応生成ニトリルを分離・回収し、そ
の時得られる反応生成二トリルを分離・回収後のガス状
流出物から未反応アルカンを主体に選択分離し、得られ
たアルカンを再度反応器に供給する方法が開示されてい
る。また、同時に選択分離して得たアルカンを下流の反
応器に供給する方法も開示されている。
応ガス組成モル比および供給ガス中のアルカン濃度範囲
を規定し、供給したアルカンの転化率を70%以下とし
ながら反応させ、反応生成ニトリルを分離・回収し、そ
の時得られる反応生成二トリルを分離・回収後のガス状
流出物から未反応アルカンを主体に選択分離し、得られ
たアルカンを再度反応器に供給する方法が開示されてい
る。また、同時に選択分離して得たアルカンを下流の反
応器に供給する方法も開示されている。
【0009】上記の未反応アルカンを分離回収し、リサ
イクルする方法はいくつかの欠点を有する。すなわち、
上記方法では低アルカン転化率で反応を実施するため、
未反応アルカン量が多く、大規模な選択分離器およびリ
サイクルシステムを必要としプロセスが複雑化する。選
択分離器の好ましい態様である圧力スイング吸着ユニッ
ト(PSA)の場合、分離するアルカンに見合う大量の
吸着剤を必要とし、大きな設備が必要である。このシス
テムの吸着剤は、繰り返し使用により劣化することが知
られており、取り替えの操作を必要とする。PSA等の
選択分離器では、目的とする炭化水素を100%回収で
きず、損失が発生する。特開平3−27350号には、
選択分離器(好ましくはPSA)で未反応炭化水素の実
質的な部分を有効に取り出し、アンモ酸化反応器に再循
環する場合について述べられており、この実質的な部分
とは、アンモ酸化反応器への供給物中の酸素含有ガスが
空気である場合は少なくとも約80容量%を、高純度酸
素と空気の等重量部混合物の場合は少なくとも約90容
量%を、そして、高純度酸素の場合は少なくとも約95
容量%を意味すると説明している。
イクルする方法はいくつかの欠点を有する。すなわち、
上記方法では低アルカン転化率で反応を実施するため、
未反応アルカン量が多く、大規模な選択分離器およびリ
サイクルシステムを必要としプロセスが複雑化する。選
択分離器の好ましい態様である圧力スイング吸着ユニッ
ト(PSA)の場合、分離するアルカンに見合う大量の
吸着剤を必要とし、大きな設備が必要である。このシス
テムの吸着剤は、繰り返し使用により劣化することが知
られており、取り替えの操作を必要とする。PSA等の
選択分離器では、目的とする炭化水素を100%回収で
きず、損失が発生する。特開平3−27350号には、
選択分離器(好ましくはPSA)で未反応炭化水素の実
質的な部分を有効に取り出し、アンモ酸化反応器に再循
環する場合について述べられており、この実質的な部分
とは、アンモ酸化反応器への供給物中の酸素含有ガスが
空気である場合は少なくとも約80容量%を、高純度酸
素と空気の等重量部混合物の場合は少なくとも約90容
量%を、そして、高純度酸素の場合は少なくとも約95
容量%を意味すると説明している。
【0010】このようにアンモ酸化反応に使用する酸素
含有ガスの種類により、目的とする炭化水素の回収率が
大きく変化することを示している。選択分離器でのアル
カンの損失は、アルカンから目的とするニトリルの収率
低下に直結する。空気の代わりに酸素等を使用すること
で、系のアルカン濃度を高めた場合、アンモ酸化反応器
内のアルカン分圧が上昇し、ニトリル選択率の低下が生
じる。PSAを使用する場合、吸着効率を上げるために
加圧操作を必要とするが、この操作は、分離器供給ガス
中の酸素と可燃性ガスを原因物質として、加圧による爆
発範囲の拡大による異常酸化反応進行の誘因となるた
め、不活性ガスの濃度コントロール等を必要とする。
含有ガスの種類により、目的とする炭化水素の回収率が
大きく変化することを示している。選択分離器でのアル
カンの損失は、アルカンから目的とするニトリルの収率
低下に直結する。空気の代わりに酸素等を使用すること
で、系のアルカン濃度を高めた場合、アンモ酸化反応器
内のアルカン分圧が上昇し、ニトリル選択率の低下が生
じる。PSAを使用する場合、吸着効率を上げるために
加圧操作を必要とするが、この操作は、分離器供給ガス
中の酸素と可燃性ガスを原因物質として、加圧による爆
発範囲の拡大による異常酸化反応進行の誘因となるた
め、不活性ガスの濃度コントロール等を必要とする。
【0011】また、選択分離を行こなっても、目的物質
のみを分離することは実用上は難しく、不要成分が一部
混入する。このため、リサイクル方式では不要成分の蓄
積が問題になることがある。この場合、これに対する対
応を必要とする。このように、従来の製造プロセスや製
造方法では、リサイクル方式を採用すると、不要成分の
蓄積を防止するために設備が複雑となり、運転操作の煩
雑化、設備の保守管理の複雑化をまねくという問題があ
った。
のみを分離することは実用上は難しく、不要成分が一部
混入する。このため、リサイクル方式では不要成分の蓄
積が問題になることがある。この場合、これに対する対
応を必要とする。このように、従来の製造プロセスや製
造方法では、リサイクル方式を採用すると、不要成分の
蓄積を防止するために設備が複雑となり、運転操作の煩
雑化、設備の保守管理の複雑化をまねくという問題があ
った。
【0012】触媒に関しては、例えば、Sb−U−Ni
−V系触媒(特公昭47−14371号、USP3,8
16,506号)、Sb−U−W系触媒(USP3,6
70,006号)、Sb−U系触媒(USP4,00
0,178号)、Bi−Fe系触媒(USP3,67
0,008号)、Mo−B−Sn系触媒(USP3,6
70,009号)、Sb−In系触媒(USP3,67
8,090号)、Ga−Sb系触媒(ソ連特許5474
44号、ソ連特許698646号)、Sb−Sn系触
媒、Sb−U系触媒、As−Sn系触媒、As−U系触
媒、Sn−Ti系触媒、Mo−Sn系触媒、V−Cr系
触媒、V−Mo系触媒、Ti−Mo系触媒(以上、特公
昭50−28940号)、V−P系触媒(特開昭52−
148022号、特公昭58−5188号)、V−Sb
系触媒(特開昭47−33783号)、V−Sb−Ti
系触媒(特開昭54−95439号)、V−Sb−W系
触媒(特開平1−268668号、特開平2−9543
9号、特開平2−261544号)、V−Sb−Sn系
触媒(USP5,008,427号)、V−Sb−Bi
系触媒(特開平6−80620号)、V−Sb−Fe系
触媒(特開平6−135922号)、Mo−Bi−Al
−Mg系触媒(ソ連特許193484号)、Mo−Bi
−Fe−P系触媒(ソ連特許220982号)、Mo−
P−Bi系触媒(特開昭47−13312号、特開昭4
8−16887号)、Ga−Bi−Mo系触媒(特開平
3−58962号)、Bi−Fe−Mo−Al系触媒
(特開平3−157356号)、Mo−Cr−Bi系触
媒(特開平7−215925号)、Ca−Ni−P−M
o−Bi系触媒(特開昭50−69018号)、Nb−
Cr−Mo−Bi系触媒(特開平6−116225
号)、Bi−V系触媒(特開昭63−295545
号)、V−Sn−Sb−Cu系触媒(特開平4−275
266号)、V−P−W系触媒(USP4,918,2
14号)、Mo−V−Te−Nb系触媒(特開平2−2
57号、特開平2−279313号)、W−V−Te−
Nb系触媒(特開平6−228073号)、Mo−Te
系触媒(特開平7−215926号)、Mo−Cr−T
e系触媒(USP5,171,876号)、Ag−Bi
−V−Mo系触媒(特開平3−58961号)、Mo−
V−Mn系触媒(特開平6−135921号)、Mo−
Mg系触媒(特開平5−194347号)、Sn−V−
Bi−P系触媒(特開平4−247060号)、Ta−
Mo系触媒(特開平5−213848号)、P−Mo系
触媒(特開平6−199767号)、Cr−Sb−W系
触媒(特開平7−157461号)、Mo−Sb−W系
触媒(特開平7−157462号)、Te−Sb系触媒
(Applied Catalysis A:Gene
ral 136(1996)205−229)等が知ら
れている。
−V系触媒(特公昭47−14371号、USP3,8
16,506号)、Sb−U−W系触媒(USP3,6
70,006号)、Sb−U系触媒(USP4,00
0,178号)、Bi−Fe系触媒(USP3,67
0,008号)、Mo−B−Sn系触媒(USP3,6
70,009号)、Sb−In系触媒(USP3,67
8,090号)、Ga−Sb系触媒(ソ連特許5474
44号、ソ連特許698646号)、Sb−Sn系触
媒、Sb−U系触媒、As−Sn系触媒、As−U系触
媒、Sn−Ti系触媒、Mo−Sn系触媒、V−Cr系
触媒、V−Mo系触媒、Ti−Mo系触媒(以上、特公
昭50−28940号)、V−P系触媒(特開昭52−
148022号、特公昭58−5188号)、V−Sb
系触媒(特開昭47−33783号)、V−Sb−Ti
系触媒(特開昭54−95439号)、V−Sb−W系
触媒(特開平1−268668号、特開平2−9543
9号、特開平2−261544号)、V−Sb−Sn系
触媒(USP5,008,427号)、V−Sb−Bi
系触媒(特開平6−80620号)、V−Sb−Fe系
触媒(特開平6−135922号)、Mo−Bi−Al
−Mg系触媒(ソ連特許193484号)、Mo−Bi
−Fe−P系触媒(ソ連特許220982号)、Mo−
P−Bi系触媒(特開昭47−13312号、特開昭4
8−16887号)、Ga−Bi−Mo系触媒(特開平
3−58962号)、Bi−Fe−Mo−Al系触媒
(特開平3−157356号)、Mo−Cr−Bi系触
媒(特開平7−215925号)、Ca−Ni−P−M
o−Bi系触媒(特開昭50−69018号)、Nb−
Cr−Mo−Bi系触媒(特開平6−116225
号)、Bi−V系触媒(特開昭63−295545
号)、V−Sn−Sb−Cu系触媒(特開平4−275
266号)、V−P−W系触媒(USP4,918,2
14号)、Mo−V−Te−Nb系触媒(特開平2−2
57号、特開平2−279313号)、W−V−Te−
Nb系触媒(特開平6−228073号)、Mo−Te
系触媒(特開平7−215926号)、Mo−Cr−T
e系触媒(USP5,171,876号)、Ag−Bi
−V−Mo系触媒(特開平3−58961号)、Mo−
V−Mn系触媒(特開平6−135921号)、Mo−
Mg系触媒(特開平5−194347号)、Sn−V−
Bi−P系触媒(特開平4−247060号)、Ta−
Mo系触媒(特開平5−213848号)、P−Mo系
触媒(特開平6−199767号)、Cr−Sb−W系
触媒(特開平7−157461号)、Mo−Sb−W系
触媒(特開平7−157462号)、Te−Sb系触媒
(Applied Catalysis A:Gene
ral 136(1996)205−229)等が知ら
れている。
【0013】しかし、これらの触媒を用いた方法では、
従来のアルケンのアンモ酸化反応では、アルカン転化率
を高かめると、逐次分解反応の進行による目的ニトリル
の選択率低下が起こり、目的ニトリル選択率を高めよう
とすると、逆にアルカン転化率低下が起こり、未だこの
触媒の相反する性質を生かした方法が見い出されていな
かった。
従来のアルケンのアンモ酸化反応では、アルカン転化率
を高かめると、逐次分解反応の進行による目的ニトリル
の選択率低下が起こり、目的ニトリル選択率を高めよう
とすると、逆にアルカン転化率低下が起こり、未だこの
触媒の相反する性質を生かした方法が見い出されていな
かった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、アル
カンの気相接触アンモ酸化反応により不飽和ニトリルを
製造するに当たり、従来技術のプロセス面ではリサイク
ル時の設備を簡素化して、操作や設備の保守管理を容易
にし、触媒の面ではアルカン転化率とニトリル選択率の
相反する触媒の性質を有効に利用できる反応条件を見い
出し、従来の欠点を克服し、高いニトリル収率が得ら
れ、かつ、工業実施に有利な製造プロセスを提供するこ
とである。
カンの気相接触アンモ酸化反応により不飽和ニトリルを
製造するに当たり、従来技術のプロセス面ではリサイク
ル時の設備を簡素化して、操作や設備の保守管理を容易
にし、触媒の面ではアルカン転化率とニトリル選択率の
相反する触媒の性質を有効に利用できる反応条件を見い
出し、従来の欠点を克服し、高いニトリル収率が得ら
れ、かつ、工業実施に有利な製造プロセスを提供するこ
とである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために、本反応の特性を詳細に研究し、本反応
の特性を最大限に生かすプロセスの開発を進めた結果、
多段反応器を用い、リサイクル時にアルカンを主体とす
るガス状成分を分離・回収せずに不活性ガス等の不要成
分の蓄積を防止可能な運転条件を見い出し、また、触媒
のもつ相反する性質を有効に利用可能な運転条件も見い
出し、本発明に至った。
解決するために、本反応の特性を詳細に研究し、本反応
の特性を最大限に生かすプロセスの開発を進めた結果、
多段反応器を用い、リサイクル時にアルカンを主体とす
るガス状成分を分離・回収せずに不活性ガス等の不要成
分の蓄積を防止可能な運転条件を見い出し、また、触媒
のもつ相反する性質を有効に利用可能な運転条件も見い
出し、本発明に至った。
【0016】すなわち、本発明は、(1)アルカンとア
ンモニアを複合金属酸化物触媒の存在下気相接触酸化反
応させるα,β−不飽和ニトリルの製造方法において、
主として反応ガス各成分供給装置、気相接触酸化反応器
および反応生成物の回収装置により順次構成される反応
系ユニットが2個連結された多段反応系で、下記(a)
ないし(b)の工程によりα,β−不飽和ニトリルを製
造し、第1段反応系ユニットにおいては下記の工程
(c)によりガス状流出物を供給し、第2段反応系ユニ
ットでは下記の工程(d)によりガス状流出物を反応系
外に排出することを特徴とするα,β−不飽和ニトリル
の製造方法。 (a)複合金属酸化物触媒を有する反応器に、炭素数3
〜8個のアルカンを4〜50vol%含有し、下記の組
成モル分率からなる反応ガスを供給し、アンモニアと気
相接触酸化反応させる工程; アルカン:アンモニア:酸素:希釈ガス=1:0.1〜
1.5:0.5〜3.5:0〜20 (b)該反応器から流出する反応器流出物より、α,β
−不飽和ニトリルを分離・回収する工程; (c)α,β−不飽和ニトリルを分離・回収後のガス状
流出物から、未反応アルカンを主体とするガス状成分を
分離・回収しないで、第1段反応器の工程(a)には該
ガス状流出物の30〜92vol%を循環し、残りの該
ガス状流出物を第2段反応器の工程(a)に供給する工
程; (d)反応生成ニトリルを分離・回収後のガス状流出物
を反応系外に排出する工程;
ンモニアを複合金属酸化物触媒の存在下気相接触酸化反
応させるα,β−不飽和ニトリルの製造方法において、
主として反応ガス各成分供給装置、気相接触酸化反応器
および反応生成物の回収装置により順次構成される反応
系ユニットが2個連結された多段反応系で、下記(a)
ないし(b)の工程によりα,β−不飽和ニトリルを製
造し、第1段反応系ユニットにおいては下記の工程
(c)によりガス状流出物を供給し、第2段反応系ユニ
ットでは下記の工程(d)によりガス状流出物を反応系
外に排出することを特徴とするα,β−不飽和ニトリル
の製造方法。 (a)複合金属酸化物触媒を有する反応器に、炭素数3
〜8個のアルカンを4〜50vol%含有し、下記の組
成モル分率からなる反応ガスを供給し、アンモニアと気
相接触酸化反応させる工程; アルカン:アンモニア:酸素:希釈ガス=1:0.1〜
1.5:0.5〜3.5:0〜20 (b)該反応器から流出する反応器流出物より、α,β
−不飽和ニトリルを分離・回収する工程; (c)α,β−不飽和ニトリルを分離・回収後のガス状
流出物から、未反応アルカンを主体とするガス状成分を
分離・回収しないで、第1段反応器の工程(a)には該
ガス状流出物の30〜92vol%を循環し、残りの該
ガス状流出物を第2段反応器の工程(a)に供給する工
程; (d)反応生成ニトリルを分離・回収後のガス状流出物
を反応系外に排出する工程;
【0017】(2)上記(1)記載の(a)の工程が、
複合金属酸化物触媒を有する反応器に、炭素数3〜8個
のアルカンを4〜50vol%含有し、下記の組成モル
分率からなる反応ガスを供給し、かつ、供給した上流の
反応器のアルカンの反応量が下流の反応器のアルカンの
反応量よりも多くなる条件でアンモニアと気相接触酸化
反応させる工程であることを特徴とする上記(1)記載
のα,β−不飽和ニトリルの製造方法である。 アルカン:アンモニア:酸素:希釈ガス=1:0.1〜
1.5:0.5〜3.5:0〜20
複合金属酸化物触媒を有する反応器に、炭素数3〜8個
のアルカンを4〜50vol%含有し、下記の組成モル
分率からなる反応ガスを供給し、かつ、供給した上流の
反応器のアルカンの反応量が下流の反応器のアルカンの
反応量よりも多くなる条件でアンモニアと気相接触酸化
反応させる工程であることを特徴とする上記(1)記載
のα,β−不飽和ニトリルの製造方法である。 アルカン:アンモニア:酸素:希釈ガス=1:0.1〜
1.5:0.5〜3.5:0〜20
【0018】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
アルカンとは、ニトリル製造方法の原料として使用され
るアルカンであり、プロパン、ブタン、イソブタン、ペ
ンタン、ヘキサン、ヘプタン等が挙げられ、これらの混
合物も使用されるが、工業的有用性の観点からはプロパ
ンまたはイソブタンがより好ましい。アルカンおよびア
ンモニアの供給原料は必ずしも高純度である必要はな
く、工業グレードのものを使用できる。本発明の複合金
属酸化物触媒とは、金属および酸素を含む複合酸化物で
あって、好ましい例は次の5例である。
アルカンとは、ニトリル製造方法の原料として使用され
るアルカンであり、プロパン、ブタン、イソブタン、ペ
ンタン、ヘキサン、ヘプタン等が挙げられ、これらの混
合物も使用されるが、工業的有用性の観点からはプロパ
ンまたはイソブタンがより好ましい。アルカンおよびア
ンモニアの供給原料は必ずしも高純度である必要はな
く、工業グレードのものを使用できる。本発明の複合金
属酸化物触媒とは、金属および酸素を含む複合酸化物で
あって、好ましい例は次の5例である。
【0019】例1 モリブデン、バナジウム、ニオブ、X、Zおよび酸素か
らなる複合金属酸化物触媒であって、成分・組成が下記
の一般組成式(1)を満たすものが好ましい。 Mo1Va Nbb Xc Zd On (1) (式中、成分XはTeおよびSbから選ばれる少なくと
も1種類以上の元素、成分ZはW、Cr、Ta、Ti、
Zr、Hf、Mn、Re、Fe、Ru、Co、Rh、N
i、Pd、Pt、Cu、Ag、Zn、B、Al、Ga、
In、Ge、Sn、Pb、P、Bi、La、Ce、P
r、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、E
r、Tm、Yb、Lu、Sc、Yおよびアルカリ土類金
属から選ばれる少なくとも1種類以上の元素であり、
a、b、c、d、nはMo1原子当たりの原子比を表
し、0.1≦a≦1、0.01≦b≦1、0.01≦c
≦1、0≦d≦0.1、そして、nは構成金属の酸化状
態で決まる数である。)
らなる複合金属酸化物触媒であって、成分・組成が下記
の一般組成式(1)を満たすものが好ましい。 Mo1Va Nbb Xc Zd On (1) (式中、成分XはTeおよびSbから選ばれる少なくと
も1種類以上の元素、成分ZはW、Cr、Ta、Ti、
Zr、Hf、Mn、Re、Fe、Ru、Co、Rh、N
i、Pd、Pt、Cu、Ag、Zn、B、Al、Ga、
In、Ge、Sn、Pb、P、Bi、La、Ce、P
r、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、E
r、Tm、Yb、Lu、Sc、Yおよびアルカリ土類金
属から選ばれる少なくとも1種類以上の元素であり、
a、b、c、d、nはMo1原子当たりの原子比を表
し、0.1≦a≦1、0.01≦b≦1、0.01≦c
≦1、0≦d≦0.1、そして、nは構成金属の酸化状
態で決まる数である。)
【0020】本触媒に用いる担体シリカの含有量は、触
媒成分とシリカからなるシリカ担体触媒の全重量比25
〜70重量%、好ましくは30〜50重量%である。M
oの原料は、モリブデン酸化物またはヘプタモリブデン
酸アンモニウムを好適に用いることができる。Vの原料
は、メタバナジン酸アンモニウムを好適に用いることが
できる。Nbの原料は、ニオブ酸、ニオブ水酸化物、ニ
オブ酸塩を好適に用いることができる。TeとSbの原
料は、それぞれ、テルル酸とアンチモン酸化物を好適に
用いることができる。成分Zの原料は、それぞれの金属
の有機酸塩、硝酸塩、塩化物、水酸化物または酸化物な
どを用いることができる。シリカの原料は、シリカゾル
を好適に用いることができる。触媒調製は、例えば、下
記の原料調合、乾燥および焼成の3つの工程を経て行う
ことができる。
媒成分とシリカからなるシリカ担体触媒の全重量比25
〜70重量%、好ましくは30〜50重量%である。M
oの原料は、モリブデン酸化物またはヘプタモリブデン
酸アンモニウムを好適に用いることができる。Vの原料
は、メタバナジン酸アンモニウムを好適に用いることが
できる。Nbの原料は、ニオブ酸、ニオブ水酸化物、ニ
オブ酸塩を好適に用いることができる。TeとSbの原
料は、それぞれ、テルル酸とアンチモン酸化物を好適に
用いることができる。成分Zの原料は、それぞれの金属
の有機酸塩、硝酸塩、塩化物、水酸化物または酸化物な
どを用いることができる。シリカの原料は、シリカゾル
を好適に用いることができる。触媒調製は、例えば、下
記の原料調合、乾燥および焼成の3つの工程を経て行う
ことができる。
【0021】(原料調合工程)ヘプタモリブデン酸アン
モニウム、メタバナジン酸アンモニウムおよびテルル酸
の混合水溶液を調製する。アンチモンを用いる場合に
は、メタバナジン酸アンモニウム水溶液と酸化アンチモ
ンからなるスラリーをリフラックス条件下に加熱した
後、ヘプタモリブデン酸アンモニウムを添加し、場合に
応じてテルル酸を添加して混合水溶液を調製する。この
混合水溶液に、攪拌下、ニオブ酸とジカルボン酸を含む
液と、式(1)の成分Zを含む水溶液、例えば、酢酸イ
ッテルビウム水溶液およびシリカゾルを順次添加して原
料調合液を得ることができる。ニオブ酸およびジカルボ
ン酸を含む水溶液のジカルボン酸/ニオブのモル比は2
〜4、好ましくは2〜3.5である。ジカルボン酸はシ
ュウ酸が好ましい。
モニウム、メタバナジン酸アンモニウムおよびテルル酸
の混合水溶液を調製する。アンチモンを用いる場合に
は、メタバナジン酸アンモニウム水溶液と酸化アンチモ
ンからなるスラリーをリフラックス条件下に加熱した
後、ヘプタモリブデン酸アンモニウムを添加し、場合に
応じてテルル酸を添加して混合水溶液を調製する。この
混合水溶液に、攪拌下、ニオブ酸とジカルボン酸を含む
液と、式(1)の成分Zを含む水溶液、例えば、酢酸イ
ッテルビウム水溶液およびシリカゾルを順次添加して原
料調合液を得ることができる。ニオブ酸およびジカルボ
ン酸を含む水溶液のジカルボン酸/ニオブのモル比は2
〜4、好ましくは2〜3.5である。ジカルボン酸はシ
ュウ酸が好ましい。
【0022】(乾燥工程)原料調合工程で得られた調合
液を噴霧乾燥法によって乾燥させ、乾燥粉体を得ること
ができる。噴霧乾燥法における噴霧化は、遠心方式、二
流体ノズル方式または高圧ノズル方式によって行うこと
ができる。乾燥熱源は、スチーム、電気ヒーターなどに
よって加熱された空気を用いることができる。熱風の乾
燥機入口温度は150〜300℃が好ましい。 (焼成工程)乾燥工程で得られた乾燥粉体を焼成するこ
とによって酸化物触媒を得ることができる。焼成は窒素
などの実質的に酸素を含まないガス雰囲気下、500〜
700℃、好ましくは550〜650℃で実施すること
ができる。焼成時間は0.5〜20時間、好ましくは1
〜8時間である。焼成は回転炉、トンネル炉、管状炉、
流動焼成炉などを用いて、酸素を実質的に含まないガス
を流通させながら行うことができる。この焼成の前に大
気雰囲気下または大気流通下、200〜400℃、1〜
5時間、前焼成することができる。このようにして調製
された触媒の存在下、アルカンをアンモニアおよび酸素
と気相接触反応させて、対応する不飽和二トリルを製造
することができる。
液を噴霧乾燥法によって乾燥させ、乾燥粉体を得ること
ができる。噴霧乾燥法における噴霧化は、遠心方式、二
流体ノズル方式または高圧ノズル方式によって行うこと
ができる。乾燥熱源は、スチーム、電気ヒーターなどに
よって加熱された空気を用いることができる。熱風の乾
燥機入口温度は150〜300℃が好ましい。 (焼成工程)乾燥工程で得られた乾燥粉体を焼成するこ
とによって酸化物触媒を得ることができる。焼成は窒素
などの実質的に酸素を含まないガス雰囲気下、500〜
700℃、好ましくは550〜650℃で実施すること
ができる。焼成時間は0.5〜20時間、好ましくは1
〜8時間である。焼成は回転炉、トンネル炉、管状炉、
流動焼成炉などを用いて、酸素を実質的に含まないガス
を流通させながら行うことができる。この焼成の前に大
気雰囲気下または大気流通下、200〜400℃、1〜
5時間、前焼成することができる。このようにして調製
された触媒の存在下、アルカンをアンモニアおよび酸素
と気相接触反応させて、対応する不飽和二トリルを製造
することができる。
【0023】例2 モリブデン、アンチモン、タングステン、A、Bおよび
酸素からなる複合酸化物であって、その成分・組成が下
記の一般式(2)を満たすものが好ましい。 Moa Sbb Wc Ad Be On (2) (式中、成分AはNb、Cr、Mn、Fe、Coおよび
Niから選ばれる少なくても1種類以上の元素、成分B
はV、Nb、Cr、Mn、Fe、CoおよびNiから選
ばれる少なくても1種類以上の元素であり、a、b、
c、d、e、nは原子比を表し、a=1のとき、b=
0.5〜10、c=0.5〜10、d=0〜0.5、e
=0〜0.5であり、かつ、触媒構成元素のMoとWの
原子数の和に対する該元素の原子数の比が0を超え0.
05以下である。) 触媒の調製に用いられる原料に特に制限はなく、使用す
る元素の硝酸塩、酸化物、水酸化物、塩化物、炭酸塩、
酢酸塩、金属酸、金属酸アンモニウム塩などが使用でき
る。担体の原料としては、アルミナ、シリカ、シリカ−
アルミナなどの成型体のほか、酸化物、水酸化物の粉末
あるいはゲル、ゾルなど触媒の使用形態に応じて多様に
使いわけることができる。触媒調製は、例えば、下記の
原料調合、乾燥および焼成の3つの工程を経て行うこと
ができる。
酸素からなる複合酸化物であって、その成分・組成が下
記の一般式(2)を満たすものが好ましい。 Moa Sbb Wc Ad Be On (2) (式中、成分AはNb、Cr、Mn、Fe、Coおよび
Niから選ばれる少なくても1種類以上の元素、成分B
はV、Nb、Cr、Mn、Fe、CoおよびNiから選
ばれる少なくても1種類以上の元素であり、a、b、
c、d、e、nは原子比を表し、a=1のとき、b=
0.5〜10、c=0.5〜10、d=0〜0.5、e
=0〜0.5であり、かつ、触媒構成元素のMoとWの
原子数の和に対する該元素の原子数の比が0を超え0.
05以下である。) 触媒の調製に用いられる原料に特に制限はなく、使用す
る元素の硝酸塩、酸化物、水酸化物、塩化物、炭酸塩、
酢酸塩、金属酸、金属酸アンモニウム塩などが使用でき
る。担体の原料としては、アルミナ、シリカ、シリカ−
アルミナなどの成型体のほか、酸化物、水酸化物の粉末
あるいはゲル、ゾルなど触媒の使用形態に応じて多様に
使いわけることができる。触媒調製は、例えば、下記の
原料調合、乾燥および焼成の3つの工程を経て行うこと
ができる。
【0024】(原料調合工程)ヘプタモリブデン酸アン
モニウムを純水に加熱しながら溶解し、メタタングステ
ン酸アンモニウムの水溶液を加え、さらに、三酸化アン
チモンを粉末のまま添加し、また、必要に応じてV、N
b、Cr、Mn、Fe、CoおよびNiから選ばれる少
なくても1種類以上の元素の水溶液を加え、これにシリ
カ、アルミナなどの担体を加え、加熱下液量を一定に保
ちながら、一定時間混合攪拌し調製液を得る。 (乾燥工程)原料調合工程で得られた調製液を加熱濃縮
によって乾燥させ、乾燥粉体を得る。 (焼成工程)乾燥工程で得られた乾燥粉体を400〜8
00℃に焼成することによって酸化物触媒を得る。焼成
は大気中で行いうるが、高酸素濃度下でも低酸素濃度下
でも行いうる。最終焼成工程においては、低酸素濃度
(酸素濃度:1〜15%)の雰囲気で処理することが、
高い触媒性能を得る上で好ましい。 このようにして調製された触媒の存在下、アルカンをア
ンモニアおよび酸素と気相接触反応させて、対応する不
飽和二トリルを製造することができる。
モニウムを純水に加熱しながら溶解し、メタタングステ
ン酸アンモニウムの水溶液を加え、さらに、三酸化アン
チモンを粉末のまま添加し、また、必要に応じてV、N
b、Cr、Mn、Fe、CoおよびNiから選ばれる少
なくても1種類以上の元素の水溶液を加え、これにシリ
カ、アルミナなどの担体を加え、加熱下液量を一定に保
ちながら、一定時間混合攪拌し調製液を得る。 (乾燥工程)原料調合工程で得られた調製液を加熱濃縮
によって乾燥させ、乾燥粉体を得る。 (焼成工程)乾燥工程で得られた乾燥粉体を400〜8
00℃に焼成することによって酸化物触媒を得る。焼成
は大気中で行いうるが、高酸素濃度下でも低酸素濃度下
でも行いうる。最終焼成工程においては、低酸素濃度
(酸素濃度:1〜15%)の雰囲気で処理することが、
高い触媒性能を得る上で好ましい。 このようにして調製された触媒の存在下、アルカンをア
ンモニアおよび酸素と気相接触反応させて、対応する不
飽和二トリルを製造することができる。
【0025】例3 触媒はアルミナに担持され、ビスマスおよびテルルから
選ばれる少なくとも1種以上の元素とモリブデン、クロ
ムを必須成分とし、(単位重量当たりの担持触媒に含ま
れるアルミナ中のアルミニウムの原子数)/(単位重量
当たりの担持触媒に含まれるクロムの原子数)で表され
る比が特定領域にある酸化物であり、その組成は下記の
式(3)で表され、(単位重量当たりの担持触媒に含ま
れるアルミナ中のアルミニウムの原子数)/(単位重量
当たりの担持触媒に含まれるクロムの原子数)で表され
る比は下記式(4)で表される。 Moa Bib Tec Crd Ee On (3) (式中、Eはアルカリ金属、アルカリ土類金属、Al、
P、Sc、Ti、V、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、
Zn、Ga、Ge、Y、Zr、Nb、Ru、Rh、P
d、Ag、In、Sn、Sb、Hf、Ta、W、Pt、
Tl、Pb、希土類元素から選ばれる少なくとも1種以
上の元素を表し、a、b、c、d、eは各々Mo、B
i、Te、Cr、Xの原子数を表し、aを10とした
時、0≦b≦50、0≦c≦50、但し、0.01≦
(b+c)≦100、0.01≦d≦50、e ≦50で
あり、また、nは構成金属の酸化状態によって決まる数
である。)0.5≦(単位重量当たりの担持触媒に含ま
れるアルミナ中のアルミニウムの原子数)/(単位重量
当たりの担持触媒に含まれるクロムの原子数)≦5
(4)触媒原料には特に制限はない。モリブデンはヘプ
タモリブデン酸アンモニウム、モリブデン酸、モリブデ
ン酸化物、モリブデン塩化物などを用いることができ、
ヘプタモリブデン酸アンモニウムが好ましい。ビスマス
は硝酸塩、ビスマス酸化物などを用いることができ、硝
酸塩が好ましい。
選ばれる少なくとも1種以上の元素とモリブデン、クロ
ムを必須成分とし、(単位重量当たりの担持触媒に含ま
れるアルミナ中のアルミニウムの原子数)/(単位重量
当たりの担持触媒に含まれるクロムの原子数)で表され
る比が特定領域にある酸化物であり、その組成は下記の
式(3)で表され、(単位重量当たりの担持触媒に含ま
れるアルミナ中のアルミニウムの原子数)/(単位重量
当たりの担持触媒に含まれるクロムの原子数)で表され
る比は下記式(4)で表される。 Moa Bib Tec Crd Ee On (3) (式中、Eはアルカリ金属、アルカリ土類金属、Al、
P、Sc、Ti、V、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、
Zn、Ga、Ge、Y、Zr、Nb、Ru、Rh、P
d、Ag、In、Sn、Sb、Hf、Ta、W、Pt、
Tl、Pb、希土類元素から選ばれる少なくとも1種以
上の元素を表し、a、b、c、d、eは各々Mo、B
i、Te、Cr、Xの原子数を表し、aを10とした
時、0≦b≦50、0≦c≦50、但し、0.01≦
(b+c)≦100、0.01≦d≦50、e ≦50で
あり、また、nは構成金属の酸化状態によって決まる数
である。)0.5≦(単位重量当たりの担持触媒に含ま
れるアルミナ中のアルミニウムの原子数)/(単位重量
当たりの担持触媒に含まれるクロムの原子数)≦5
(4)触媒原料には特に制限はない。モリブデンはヘプ
タモリブデン酸アンモニウム、モリブデン酸、モリブデ
ン酸化物、モリブデン塩化物などを用いることができ、
ヘプタモリブデン酸アンモニウムが好ましい。ビスマス
は硝酸塩、ビスマス酸化物などを用いることができ、硝
酸塩が好ましい。
【0026】テルルはテルル酸、テルル酸化物などを用
いることができ、テルル酸が好ましい。クロムは硝酸
塩、クロム塩化物、酢酸クロムなどを用いることがで
き、硝酸塩が好ましい。その他のものについても、硝酸
塩、酸化物、塩化物、有機酸塩などを使用することがで
きる。担体のアルミナおよびシリカの原料は、ゾルが好
ましい。触媒中のアルミナに関して、(単位重量当たり
の担持触媒に含まれるアルミナ中のアルミニウムの原子
数)/(単位重量当たりの担持触媒に含まれるクロムの
原子数)で表される比を特定領域に調整することで、高
い活性および選択率を与えることができる。アルミナを
用いず、硝酸アルミニウムのように担体としてではな
く、触媒成分を構成する酸化物にアルミニウムが組み込
まれてしまうようなアルミニウム原料を用いることは好
ましくない。また、触媒に強度を持たせるためにシリカ
を添加することが好ましい。触媒調製方法については、
例えば次のようである。
いることができ、テルル酸が好ましい。クロムは硝酸
塩、クロム塩化物、酢酸クロムなどを用いることがで
き、硝酸塩が好ましい。その他のものについても、硝酸
塩、酸化物、塩化物、有機酸塩などを使用することがで
きる。担体のアルミナおよびシリカの原料は、ゾルが好
ましい。触媒中のアルミナに関して、(単位重量当たり
の担持触媒に含まれるアルミナ中のアルミニウムの原子
数)/(単位重量当たりの担持触媒に含まれるクロムの
原子数)で表される比を特定領域に調整することで、高
い活性および選択率を与えることができる。アルミナを
用いず、硝酸アルミニウムのように担体としてではな
く、触媒成分を構成する酸化物にアルミニウムが組み込
まれてしまうようなアルミニウム原料を用いることは好
ましくない。また、触媒に強度を持たせるためにシリカ
を添加することが好ましい。触媒調製方法については、
例えば次のようである。
【0027】(原料調合工程)シリカゾルに所定量のヘ
プタモリブデン酸アンモニウム水溶液を添加する。テル
ルを用いる場合は、テルル酸水溶液を添加する。次に、
硝酸クロムの硝酸溶液を添加する。ビスマスを用いる場
合は、硝酸ビスマスの硝酸溶液を併せて添加する。E成
分はこれらの液に適宜混合してかまわない。最後にアル
ミナゾルを添加して攪拌混合する。この時、前記式
(4)で表される(単位重量当たりの担持触媒に含まれ
るアルミナ中のアルミニウムの原子数)/(単位重量当
たりの担持触媒に含まれるクロムの原子数)の比を特定
の範囲にする必要がある。(乾燥工程)ここで得られた
混合液を噴霧乾燥法、蒸発乾固法、真空乾燥法などの方
法で乾燥させ、固体物を得る。 (焼成工程)これを400〜1000℃で焼成して目的
物を得る。本焼成の前に低温での予備焼成を行ってもよ
い。これらの焼成は一般に大気中で行われるが、高酸素
濃度下、低酸素濃度下でも行うことができるし、窒素や
ヘリウムなどの不活性ガス中や真空中でも行うことがで
きる。触媒製造の容易さを考えると、大気中が最も好ま
しい。焼成方法についても、固定焼成炉、流動焼成炉、
回転焼成炉などで実施することができる。これらの触媒
の形状については特に限定されない。乾燥後または焼成
後に打錠機、押し出し成型機、造粒機などで成形して使
用することができる。噴霧乾燥法で調製した場合は、特
に成形せずにそのまま使用することができる。このよう
にして調製された触媒の存在下、アルカンをアンモニア
および酸素と気相接触反応させて、対応する不飽和二ト
リルを製造することができる。
プタモリブデン酸アンモニウム水溶液を添加する。テル
ルを用いる場合は、テルル酸水溶液を添加する。次に、
硝酸クロムの硝酸溶液を添加する。ビスマスを用いる場
合は、硝酸ビスマスの硝酸溶液を併せて添加する。E成
分はこれらの液に適宜混合してかまわない。最後にアル
ミナゾルを添加して攪拌混合する。この時、前記式
(4)で表される(単位重量当たりの担持触媒に含まれ
るアルミナ中のアルミニウムの原子数)/(単位重量当
たりの担持触媒に含まれるクロムの原子数)の比を特定
の範囲にする必要がある。(乾燥工程)ここで得られた
混合液を噴霧乾燥法、蒸発乾固法、真空乾燥法などの方
法で乾燥させ、固体物を得る。 (焼成工程)これを400〜1000℃で焼成して目的
物を得る。本焼成の前に低温での予備焼成を行ってもよ
い。これらの焼成は一般に大気中で行われるが、高酸素
濃度下、低酸素濃度下でも行うことができるし、窒素や
ヘリウムなどの不活性ガス中や真空中でも行うことがで
きる。触媒製造の容易さを考えると、大気中が最も好ま
しい。焼成方法についても、固定焼成炉、流動焼成炉、
回転焼成炉などで実施することができる。これらの触媒
の形状については特に限定されない。乾燥後または焼成
後に打錠機、押し出し成型機、造粒機などで成形して使
用することができる。噴霧乾燥法で調製した場合は、特
に成形せずにそのまま使用することができる。このよう
にして調製された触媒の存在下、アルカンをアンモニア
および酸素と気相接触反応させて、対応する不飽和二ト
リルを製造することができる。
【0028】例4 モリブデン、アンチモン、クロム、Aおよび酸素からな
る複合酸化物であって、その成分・組成が下記の一般式
(5)を満たすものが好ましい。 Mo1 Sba Crb Jc On (5) (式中、Jはアルカリ金属、アルカリ土類金属、Tl、
Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Gd、Ti、M
n、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Nb、Ru、R
h、Pd、Ag、Cd、Ta、Re、Ir、Pt、B、
Al、Ga、In、Sn、Pb、Pから選ばれる少なく
とも1種以上の元素を表し、a、b、cは各々Sb、C
r、Zの原子数を表し、Moの原子数を1とした時、
0.01≦a≦50、0.01≦b≦50、0≦c≦5
0であり、また、nは存在元素の原子価により決定され
る値である。)
る複合酸化物であって、その成分・組成が下記の一般式
(5)を満たすものが好ましい。 Mo1 Sba Crb Jc On (5) (式中、Jはアルカリ金属、アルカリ土類金属、Tl、
Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Gd、Ti、M
n、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Nb、Ru、R
h、Pd、Ag、Cd、Ta、Re、Ir、Pt、B、
Al、Ga、In、Sn、Pb、Pから選ばれる少なく
とも1種以上の元素を表し、a、b、cは各々Sb、C
r、Zの原子数を表し、Moの原子数を1とした時、
0.01≦a≦50、0.01≦b≦50、0≦c≦5
0であり、また、nは存在元素の原子価により決定され
る値である。)
【0029】複合酸化物触媒の調製方法は、例えば次の
ようである。 Mo1 Sba Crb On の場合、 (原料調合工程)所定量のヘプタモリブデン酸アンモニ
ウム水溶液に硝酸クロム水溶液を加え、さらに、三酸化
アンチモンを懸濁させたスラリーを加える。次に、十分
に加熱攪拌混合する。 (乾燥工程)噴霧乾燥法、蒸発乾固法、真空乾燥法等の
方法で乾燥させ、固体物を得る。 (焼成工程)上記固体物を400〜1000℃で焼成し
て目的物を得る。焼成は一般に大気中で行われるが、高
酸素濃度下、低酸素濃度下でも行うことができるし、窒
素やヘリウム等の不活性ガス中や真空中でも行うことが
できる。焼成方法についても、固定焼成炉、流動焼成
炉、回転焼成炉、バンド焼成炉等で実施することができ
る。
ようである。 Mo1 Sba Crb On の場合、 (原料調合工程)所定量のヘプタモリブデン酸アンモニ
ウム水溶液に硝酸クロム水溶液を加え、さらに、三酸化
アンチモンを懸濁させたスラリーを加える。次に、十分
に加熱攪拌混合する。 (乾燥工程)噴霧乾燥法、蒸発乾固法、真空乾燥法等の
方法で乾燥させ、固体物を得る。 (焼成工程)上記固体物を400〜1000℃で焼成し
て目的物を得る。焼成は一般に大気中で行われるが、高
酸素濃度下、低酸素濃度下でも行うことができるし、窒
素やヘリウム等の不活性ガス中や真空中でも行うことが
できる。焼成方法についても、固定焼成炉、流動焼成
炉、回転焼成炉、バンド焼成炉等で実施することができ
る。
【0030】本発明で使用する触媒原料には特に制限は
ない。モリブデンはヘプタモリブデン酸アンモニウムの
他、三酸化モリブデン、三塩化モリブデン、リンモリブ
デン酸等を用いることができる。アンチモンは三酸化ア
ンチモンの他、四酸化アンチモン、五酸化アンチモン、
アンチモン酸、三塩化アンチモン、五塩化アンチモン等
を用いることができる。クロムは硝酸塩の他、塩化第二
クロム、酢酸クロム等を用いることができる。その他の
ものについても、硝酸塩、酸化物、塩化物、有機酸塩等
を使用することができる。また、シリカ、アルミナ、シ
リカアルミナ、マグネシア、酸化チタン、酸化ニオブを
使用する場合の原料にも制約はなく、成形体、酸化物、
水酸化物の粉末やゾル、ゲル等を使い分けることができ
る。これらの触媒の形状については特に限定されない。
乾燥後または焼成後に打錠機、押し出し成型機、造粒機
等で成形して使用することができる。噴霧乾燥法で調製
した場合は、特に成形せずにそのまま使用することがで
きる。このようにして調製された触媒の存在下、アルカ
ンをアンモニアおよび酸素と気相接触反応させて、対応
する不飽和二トリルを製造することができる。
ない。モリブデンはヘプタモリブデン酸アンモニウムの
他、三酸化モリブデン、三塩化モリブデン、リンモリブ
デン酸等を用いることができる。アンチモンは三酸化ア
ンチモンの他、四酸化アンチモン、五酸化アンチモン、
アンチモン酸、三塩化アンチモン、五塩化アンチモン等
を用いることができる。クロムは硝酸塩の他、塩化第二
クロム、酢酸クロム等を用いることができる。その他の
ものについても、硝酸塩、酸化物、塩化物、有機酸塩等
を使用することができる。また、シリカ、アルミナ、シ
リカアルミナ、マグネシア、酸化チタン、酸化ニオブを
使用する場合の原料にも制約はなく、成形体、酸化物、
水酸化物の粉末やゾル、ゲル等を使い分けることができ
る。これらの触媒の形状については特に限定されない。
乾燥後または焼成後に打錠機、押し出し成型機、造粒機
等で成形して使用することができる。噴霧乾燥法で調製
した場合は、特に成形せずにそのまま使用することがで
きる。このようにして調製された触媒の存在下、アルカ
ンをアンモニアおよび酸素と気相接触反応させて、対応
する不飽和二トリルを製造することができる。
【0031】例5 バナジュウム、アンチモン、α、βおよび酸素からなる
化合物であって、その成分・組成が下記の一般式(6)
を満たすものが好ましい。 Va Sbb αc βd Ox (6) (式中、a=0.01〜2、b=0.5〜4、c=0.
01〜3、d=0〜1、α=Sn、Ti、Fe、Cu、
Mn、Gaまたはそれらの混合物、β=Li、Mg、S
r、Ca、Ba、Co、Ni、Zn、Ge、Nb、Z
r、Mo、W、Cr、Te、Ta、Se、Bi、Ce、
In、Ar、Bまたはそれらの混合物、xは存在元素の
原子価により決定される値である。) バナジウムはメタバナジン酸アンモニウムを好適に使用
できる。アンチモンは酸化アンチモンを好適に使用でき
る。式(6)中の成分αおよびβの原料は、それぞれの
金属の有機酸塩、硝酸塩、アンモニウム塩、水酸化物ま
たは酸化物などを用いることができる。担体を用いる場
合は、シリカゾルおよびアルミナゾルが好ましい。この
ような複合酸化物触媒の調製方法は、以下の例に限定さ
れるものではないが、例えば、次のような手順で実施さ
れる。
化合物であって、その成分・組成が下記の一般式(6)
を満たすものが好ましい。 Va Sbb αc βd Ox (6) (式中、a=0.01〜2、b=0.5〜4、c=0.
01〜3、d=0〜1、α=Sn、Ti、Fe、Cu、
Mn、Gaまたはそれらの混合物、β=Li、Mg、S
r、Ca、Ba、Co、Ni、Zn、Ge、Nb、Z
r、Mo、W、Cr、Te、Ta、Se、Bi、Ce、
In、Ar、Bまたはそれらの混合物、xは存在元素の
原子価により決定される値である。) バナジウムはメタバナジン酸アンモニウムを好適に使用
できる。アンチモンは酸化アンチモンを好適に使用でき
る。式(6)中の成分αおよびβの原料は、それぞれの
金属の有機酸塩、硝酸塩、アンモニウム塩、水酸化物ま
たは酸化物などを用いることができる。担体を用いる場
合は、シリカゾルおよびアルミナゾルが好ましい。この
ような複合酸化物触媒の調製方法は、以下の例に限定さ
れるものではないが、例えば、次のような手順で実施さ
れる。
【0032】(原料調合工程)メタメタバナジン酸アン
モニウム水溶液と酸化アンチモンからなるスラリーをリ
フラックス条件下に加熱した後、必要に応じて成分αを
含む水溶液,スラリー,ゾルを、さらに、必要に応じて
成分βを含む水溶液,スラリー,ゾルを添加、混合し
て、触媒原料液を得る。 (乾燥工程)原料調合工程で得られた触媒原料液を、噴
霧乾燥法によって乾燥させ、乾燥粉体を得る。噴霧乾燥
法における噴霧化は、遠心方式、二流体ノズル方式また
は高圧ノズル方式によって行うことができる。乾燥熱源
は、スチーム、電気ヒーターなどによって加熱された空
気を用いることができる。熱風の乾燥機入口温度は15
0〜300℃が好ましい。 (焼成工程)乾燥工程で得られた乾燥粉体を焼成するこ
とによって酸化物触媒を得ることができる。焼成は大気
雰囲気下、500〜650℃で実施することができる。
焼成時間は0.5〜20時間、好ましくは1〜8時間で
ある。焼成には回転炉、トンネル炉、管状炉、流動焼成
炉、マッフル炉などを使用することができる。
モニウム水溶液と酸化アンチモンからなるスラリーをリ
フラックス条件下に加熱した後、必要に応じて成分αを
含む水溶液,スラリー,ゾルを、さらに、必要に応じて
成分βを含む水溶液,スラリー,ゾルを添加、混合し
て、触媒原料液を得る。 (乾燥工程)原料調合工程で得られた触媒原料液を、噴
霧乾燥法によって乾燥させ、乾燥粉体を得る。噴霧乾燥
法における噴霧化は、遠心方式、二流体ノズル方式また
は高圧ノズル方式によって行うことができる。乾燥熱源
は、スチーム、電気ヒーターなどによって加熱された空
気を用いることができる。熱風の乾燥機入口温度は15
0〜300℃が好ましい。 (焼成工程)乾燥工程で得られた乾燥粉体を焼成するこ
とによって酸化物触媒を得ることができる。焼成は大気
雰囲気下、500〜650℃で実施することができる。
焼成時間は0.5〜20時間、好ましくは1〜8時間で
ある。焼成には回転炉、トンネル炉、管状炉、流動焼成
炉、マッフル炉などを使用することができる。
【0033】このようにして調製された触媒の存在下、
アルカンをアンモニアおよび酸素と気相接触反応させ
て、対応する不飽和二トリルを製造することができる。
本発明のα,β−不飽和ニトリルとは、アクリロニトリ
ル、メタアクリロニトリル等のニトリル類のことをい
う。本発明の反応ガスとは、アルカン、アンモニア、酸
素、希釈ガスのことをいう。ここでいう希釈ガスとは、
気相接触酸化反応に実質的に関与しないガスを意味して
おり、窒素、二酸化炭素、アルゴン、ヘリウム、水蒸気
等があげられる。本発明の反応生成ニトリルとは、α,
β−不飽和ニトリルを主とし、青酸、アセトニトリルの
ことをいう。本発明のガス状流出物とは、工程(a)で
生成したα,β−不飽和ニトリルを工程(b)で分離・
回収した後に残ったガス状流出物であり、アルカン、ア
ルケン、二酸化炭素、一酸化炭素、窒素等の混合物のこ
とである。
アルカンをアンモニアおよび酸素と気相接触反応させ
て、対応する不飽和二トリルを製造することができる。
本発明のα,β−不飽和ニトリルとは、アクリロニトリ
ル、メタアクリロニトリル等のニトリル類のことをい
う。本発明の反応ガスとは、アルカン、アンモニア、酸
素、希釈ガスのことをいう。ここでいう希釈ガスとは、
気相接触酸化反応に実質的に関与しないガスを意味して
おり、窒素、二酸化炭素、アルゴン、ヘリウム、水蒸気
等があげられる。本発明の反応生成ニトリルとは、α,
β−不飽和ニトリルを主とし、青酸、アセトニトリルの
ことをいう。本発明のガス状流出物とは、工程(a)で
生成したα,β−不飽和ニトリルを工程(b)で分離・
回収した後に残ったガス状流出物であり、アルカン、ア
ルケン、二酸化炭素、一酸化炭素、窒素等の混合物のこ
とである。
【0034】本発明の未反応アルカンを主体とするガス
状成分を分離・回収しないとは、従来の技術では工程
(a)(b)の後にガス状流出物を(a)工程に循環す
る前に、圧力スイング吸着ユニット(PSA)等の選択
分離器に通してガス状流出物中のアルカン濃度を上げ、
不活性ガス濃度を下げていた操作をしないで、工程
(a)(b)の後にガス状流出物を未処理のままという
意味である。本発明の次位とは、下流と同義であり、本
発明の上流、下流とは、例えば、反応系ユニットが2個
連結された多段反応系で言うと、第1反応系ユニットか
ら見ると、第2反応系ユニットが下流に当たり、第2反
応系ユニットから見れば、第1反応系ユニットが上流に
当たる。
状成分を分離・回収しないとは、従来の技術では工程
(a)(b)の後にガス状流出物を(a)工程に循環す
る前に、圧力スイング吸着ユニット(PSA)等の選択
分離器に通してガス状流出物中のアルカン濃度を上げ、
不活性ガス濃度を下げていた操作をしないで、工程
(a)(b)の後にガス状流出物を未処理のままという
意味である。本発明の次位とは、下流と同義であり、本
発明の上流、下流とは、例えば、反応系ユニットが2個
連結された多段反応系で言うと、第1反応系ユニットか
ら見ると、第2反応系ユニットが下流に当たり、第2反
応系ユニットから見れば、第1反応系ユニットが上流に
当たる。
【0035】本発明のアルカン反応量とは、各反応器で
消費したアルカンの絶対量のことをいう。本発明の単流
反応とは、現行のアルケンをアンモ酸化して対応する
α,β−不飽和ニトリルを得る製法と同様に、アルカン
のアンモ酸化により1段でアルカン転化率を高めてα,
β−不飽和ニトリルを得る反応のことをいう。本発明の
供給酸素源としては、純酸素または純酸素で富化した空
気または酸素と不活性ガス、例えば、窒素、ヘリウム、
ネオン、アルゴン、炭酸ガス、水蒸気などを用いること
ができる。本発明は、例えば、酸化物触媒の存在下、2
段の反応器と反応生成ニトリルの回収装置からなるユニ
ットを2組連結し、第1段のユニットには第1のニトリ
ルの回収装置から流出する未反応アルカンを含有するガ
スを、第1段反応器にリサイクルし、残りを第2段反応
器に供給する装置を設置した2段反応設備を用いて実施
する。
消費したアルカンの絶対量のことをいう。本発明の単流
反応とは、現行のアルケンをアンモ酸化して対応する
α,β−不飽和ニトリルを得る製法と同様に、アルカン
のアンモ酸化により1段でアルカン転化率を高めてα,
β−不飽和ニトリルを得る反応のことをいう。本発明の
供給酸素源としては、純酸素または純酸素で富化した空
気または酸素と不活性ガス、例えば、窒素、ヘリウム、
ネオン、アルゴン、炭酸ガス、水蒸気などを用いること
ができる。本発明は、例えば、酸化物触媒の存在下、2
段の反応器と反応生成ニトリルの回収装置からなるユニ
ットを2組連結し、第1段のユニットには第1のニトリ
ルの回収装置から流出する未反応アルカンを含有するガ
スを、第1段反応器にリサイクルし、残りを第2段反応
器に供給する装置を設置した2段反応設備を用いて実施
する。
【0036】その際、第1段反応器では、第2段反応器
に新たに供給するアルカンに未反応アルカンを含むリサ
イクルガスを加えてアルカン濃度を高め、反応に必要な
アンモニアおよび分子状酸素を加えて、触媒の存在下、
接触酸化反応を行い目的ニトリルを製造する。次いで、
反応器流出物中の反応生成ニトリルを回収した後、回収
装置から流出するガス中に含まれる未反応アルカンを分
離・回収せずに、一部の量を第1段反応器にリサイクル
し、残りを第2段反応器に導入し、反応に必要なアンモ
ニア、酸素等を加えて、複合金属酸化物触媒の存在下、
接触酸化反応を行い、目的ニトリルを製造する。この時
のリサイクル(循環)するガス状流出物の割合を30〜
92vol%にし、残りの10〜70vol%の割合を
下流の反応器に供給することで、従来の技術で問題とな
っていた不要成分の蓄積を防止することができる。この
リサイクルするガス状流出物のより好ましい割合は、5
0〜90vol%である。
に新たに供給するアルカンに未反応アルカンを含むリサ
イクルガスを加えてアルカン濃度を高め、反応に必要な
アンモニアおよび分子状酸素を加えて、触媒の存在下、
接触酸化反応を行い目的ニトリルを製造する。次いで、
反応器流出物中の反応生成ニトリルを回収した後、回収
装置から流出するガス中に含まれる未反応アルカンを分
離・回収せずに、一部の量を第1段反応器にリサイクル
し、残りを第2段反応器に導入し、反応に必要なアンモ
ニア、酸素等を加えて、複合金属酸化物触媒の存在下、
接触酸化反応を行い、目的ニトリルを製造する。この時
のリサイクル(循環)するガス状流出物の割合を30〜
92vol%にし、残りの10〜70vol%の割合を
下流の反応器に供給することで、従来の技術で問題とな
っていた不要成分の蓄積を防止することができる。この
リサイクルするガス状流出物のより好ましい割合は、5
0〜90vol%である。
【0037】次に、本アルカンのアンモ酸化用の複合金
属酸化物触媒の相反する性質である、高いアルカン転化
率の時は低いニトリル選択率しか得られず、高いニトリ
ル選択率を得ようとすると、低いアルカン転化率の条件
となってしまう性質を両方生かした条件を記載する。例
えば、反応系ユニットを2個連結した多段反応系で説明
する。第1反応系ユニットの反応器では、低いアルカン
転化率で高い目的ニトリル選択率が得られる反応を行
う。次に、第2反応系ユニットの反応器では、目的ニト
リル選択率は低下するが、高いアルカン転化率で反応を
行う。この条件の2つの組み合わせにより、従来技術で
は到達できなかった、供給したアルカンを基準として高
いニトリル収率が得られることを見い出した。
属酸化物触媒の相反する性質である、高いアルカン転化
率の時は低いニトリル選択率しか得られず、高いニトリ
ル選択率を得ようとすると、低いアルカン転化率の条件
となってしまう性質を両方生かした条件を記載する。例
えば、反応系ユニットを2個連結した多段反応系で説明
する。第1反応系ユニットの反応器では、低いアルカン
転化率で高い目的ニトリル選択率が得られる反応を行
う。次に、第2反応系ユニットの反応器では、目的ニト
リル選択率は低下するが、高いアルカン転化率で反応を
行う。この条件の2つの組み合わせにより、従来技術で
は到達できなかった、供給したアルカンを基準として高
いニトリル収率が得られることを見い出した。
【0038】具体的条件としては、第1反応系ユニット
の反応器のアルカン転化率は20〜70%であり、好ま
しくは40〜60%である。本条件下での目的ニトリル
選択率は、用いる触媒によってその水準は変わるが、例
えば、Mo−V−Nb−Te系触媒では、アルカン転化
率20〜70%の条件下で55〜70%の選択率が望
め、好ましいアルカン転化率40〜60%の条件下では
60〜70%の選択率が望める。第2反応系ユニットの
反応器のアルカン転化率は70〜95%であり、好まし
くは80〜90%である。本条件下での目的ニトリル選
択率は、Mo−V−Nb−Te系触媒では、アルカン転
化率70〜95%の条件下で35〜65%の選択率であ
り、また、好ましいアルカン転化率80〜90%の条件
下では45〜65%の選択率であり、いずれも低いアル
カン転化率で反応を実施する第1反応系ユニットの反応
器の目的ニトリル選択率に比べ、これらの値は低い。
の反応器のアルカン転化率は20〜70%であり、好ま
しくは40〜60%である。本条件下での目的ニトリル
選択率は、用いる触媒によってその水準は変わるが、例
えば、Mo−V−Nb−Te系触媒では、アルカン転化
率20〜70%の条件下で55〜70%の選択率が望
め、好ましいアルカン転化率40〜60%の条件下では
60〜70%の選択率が望める。第2反応系ユニットの
反応器のアルカン転化率は70〜95%であり、好まし
くは80〜90%である。本条件下での目的ニトリル選
択率は、Mo−V−Nb−Te系触媒では、アルカン転
化率70〜95%の条件下で35〜65%の選択率であ
り、また、好ましいアルカン転化率80〜90%の条件
下では45〜65%の選択率であり、いずれも低いアル
カン転化率で反応を実施する第1反応系ユニットの反応
器の目的ニトリル選択率に比べ、これらの値は低い。
【0039】この際、2段反応系に新たに供給するアル
カン基準とした目的ニトリルの収率と工業的実施の観点
から、目的ニトリルの収量を高める意味で、高い目的ニ
トリル選択率が得られる第1段反応器のアルカン反応量
を、目的ニトリル選択率が低い第2段反応器より高くす
ることが必須要件である。好ましい条件としては、2倍
以上である。この要件を満足させる具体的な方法とし
て、第1段反応器ではアルカンのリサイクルを行うとと
もに、反応系全体に新たに供給するアルカン量の60m
ol%以上を、第1段反応器に供給することが有利な方
法である。これらにより、第1段反応器供給ガス中のア
ルカン濃度を第2段反応器の場合に対して高め、低アル
カン転化率であっても、第2段反応器の場合よりも多く
のアルカン反応量を確保することが可能となる。
カン基準とした目的ニトリルの収率と工業的実施の観点
から、目的ニトリルの収量を高める意味で、高い目的ニ
トリル選択率が得られる第1段反応器のアルカン反応量
を、目的ニトリル選択率が低い第2段反応器より高くす
ることが必須要件である。好ましい条件としては、2倍
以上である。この要件を満足させる具体的な方法とし
て、第1段反応器ではアルカンのリサイクルを行うとと
もに、反応系全体に新たに供給するアルカン量の60m
ol%以上を、第1段反応器に供給することが有利な方
法である。これらにより、第1段反応器供給ガス中のア
ルカン濃度を第2段反応器の場合に対して高め、低アル
カン転化率であっても、第2段反応器の場合よりも多く
のアルカン反応量を確保することが可能となる。
【0040】また、反応器に供給される酸素は、酸素ま
たは酸素濃度の高い酸素富化空気、酸素と不活性ガスを
用いることが、反応に関与しない窒素や炭酸ガス等を必
要以上に増大させることを防止し、各反応器のアルカン
濃度を必要以上に低下させないために重要である。特に
下流の反応器へ供給する酸素含有ガスは、酸素濃度が9
0vol%以上のものが好ましく、さらには98vol
%以上のものが特に好ましい。また、反応器供給ガス中
のアルカン濃度が、最終段反応器においては、最終段反
応器より高く8〜50%であり、また、最終段反応器で
は4〜25%であることが好ましい。また、第1段反応
器のアルカン転化率は20〜70%が好ましく、さらに
は40〜60%が特にに好ましい。
たは酸素濃度の高い酸素富化空気、酸素と不活性ガスを
用いることが、反応に関与しない窒素や炭酸ガス等を必
要以上に増大させることを防止し、各反応器のアルカン
濃度を必要以上に低下させないために重要である。特に
下流の反応器へ供給する酸素含有ガスは、酸素濃度が9
0vol%以上のものが好ましく、さらには98vol
%以上のものが特に好ましい。また、反応器供給ガス中
のアルカン濃度が、最終段反応器においては、最終段反
応器より高く8〜50%であり、また、最終段反応器で
は4〜25%であることが好ましい。また、第1段反応
器のアルカン転化率は20〜70%が好ましく、さらに
は40〜60%が特にに好ましい。
【0041】また、最終段反応器のアルカン転化率は7
0〜95%であることが好ましく、さらには80〜90
%が特に好ましい。また、新たに反応系全体に供給する
アルカンの60%以上を第1段反応器に供給することが
好ましい。ここでいう最終反応器とは、例えば、反応系
ユニットが2個連結された多段反応系では2個目の反応
器のことをいう。また、第1段反応器のアルカン:アン
モニア:酸素モル比は1:0.1〜1.0:0.5〜
2.5が好ましく、また、第2段反応器のアルカン:ア
ンモニア:酸素モル比は1:0.8〜1.5:2.5〜
3.5が好ましい。本反応圧力は0.1〜10atm、
好ましくは1〜3atmである。
0〜95%であることが好ましく、さらには80〜90
%が特に好ましい。また、新たに反応系全体に供給する
アルカンの60%以上を第1段反応器に供給することが
好ましい。ここでいう最終反応器とは、例えば、反応系
ユニットが2個連結された多段反応系では2個目の反応
器のことをいう。また、第1段反応器のアルカン:アン
モニア:酸素モル比は1:0.1〜1.0:0.5〜
2.5が好ましく、また、第2段反応器のアルカン:ア
ンモニア:酸素モル比は1:0.8〜1.5:2.5〜
3.5が好ましい。本反応圧力は0.1〜10atm、
好ましくは1〜3atmである。
【0042】反応温度は350〜550℃、好ましくは
380〜520℃である。接触時間は0.5〜10(s
ec・g/cc)、好ましくは1.0〜5(sec・g
/cc)である。反応方式は、固定床、流動床、移動床
などを採用できるが、反応熱の除熱が容易で触媒層の温
度がほぼ均一に保持できること、触媒を反応器から運転
中に抜き出したり添加することができるなどの理由か
ら、流動床反応が好ましい。本発明は、2段以外の多段
反応系に対しても、発明の思想を適用すれば実施が容易
である。本発明におけるプロセスの概略をブロックフロ
ーで示したものが図1であるが、本発明は、この実施態
様例に限定されるものではない。
380〜520℃である。接触時間は0.5〜10(s
ec・g/cc)、好ましくは1.0〜5(sec・g
/cc)である。反応方式は、固定床、流動床、移動床
などを採用できるが、反応熱の除熱が容易で触媒層の温
度がほぼ均一に保持できること、触媒を反応器から運転
中に抜き出したり添加することができるなどの理由か
ら、流動床反応が好ましい。本発明は、2段以外の多段
反応系に対しても、発明の思想を適用すれば実施が容易
である。本発明におけるプロセスの概略をブロックフロ
ーで示したものが図1であるが、本発明は、この実施態
様例に限定されるものではない。
【0043】図1は反応器への各ガス成分供給装置、気
相酸化反応器、反応器から流出する反応器流出物から反
応生成ニトリルを分離・回収する回収装置よりなる反応
系ユニットを、直列に2個連結し、第1段の反応系ユニ
ットには、反応生成ニトリルを分離・回収後のガス状流
出物を第1段反応器に循環する装置が設置されているこ
とを示すプロセスの概念図である。本発明では、第1段
反応器に全系に新たに供給するアルカンの60%以上の
量、好ましくは全量を供給し、また、反応により生成し
たニトリルを分離・回収後の未反応アルカンを含むガス
状流出物の30〜92%を第1段反応器にリサイクルす
ることにより、単流でアルカン、アンモニアおよび酸素
含有ガスを用いて高アルカン転化率で反応を行う場合の
反応器供給ガス中のアルカン濃度に対して、アルカン濃
度を高めることができる。
相酸化反応器、反応器から流出する反応器流出物から反
応生成ニトリルを分離・回収する回収装置よりなる反応
系ユニットを、直列に2個連結し、第1段の反応系ユニ
ットには、反応生成ニトリルを分離・回収後のガス状流
出物を第1段反応器に循環する装置が設置されているこ
とを示すプロセスの概念図である。本発明では、第1段
反応器に全系に新たに供給するアルカンの60%以上の
量、好ましくは全量を供給し、また、反応により生成し
たニトリルを分離・回収後の未反応アルカンを含むガス
状流出物の30〜92%を第1段反応器にリサイクルす
ることにより、単流でアルカン、アンモニアおよび酸素
含有ガスを用いて高アルカン転化率で反応を行う場合の
反応器供給ガス中のアルカン濃度に対して、アルカン濃
度を高めることができる。
【0044】例えば、アルカン濃度を約2倍に高めた場
合、上記1段で反応する場合の反応量が、通常アルカン
供給量の80〜90%であるのに対し、アルカン転化率
が約50%で、それ以上のアルカン反応量、約100%
の量(対1段反応の同一アルカン供給量)を確保でき
る。さらに、第1段反応器へのアルカン供給量を増や
し、アルカン反応量を第2段反応器に対し、より増やす
ことも可能である。以上述べた第1段反応器のアルカン
反応量を第2段反応器より多くすることが、本発明の必
須要件である。また、目的ニトリルの選択率に関して
は、このような低いアルカン転化率下では、2次分解が
少ないために高い目的ニトリル選択率を得ることができ
る。加えて、第1段反応器で生成したアルケンがリサイ
クルによって、その30〜92%が第1段反応器に戻
り、反応により目的ニトリルに変わるため、目的ニトリ
ル選択率を押し上げることができる。この結果、第1段
反応器で高い目的ニトリル収量が得られる。
合、上記1段で反応する場合の反応量が、通常アルカン
供給量の80〜90%であるのに対し、アルカン転化率
が約50%で、それ以上のアルカン反応量、約100%
の量(対1段反応の同一アルカン供給量)を確保でき
る。さらに、第1段反応器へのアルカン供給量を増や
し、アルカン反応量を第2段反応器に対し、より増やす
ことも可能である。以上述べた第1段反応器のアルカン
反応量を第2段反応器より多くすることが、本発明の必
須要件である。また、目的ニトリルの選択率に関して
は、このような低いアルカン転化率下では、2次分解が
少ないために高い目的ニトリル選択率を得ることができ
る。加えて、第1段反応器で生成したアルケンがリサイ
クルによって、その30〜92%が第1段反応器に戻
り、反応により目的ニトリルに変わるため、目的ニトリ
ル選択率を押し上げることができる。この結果、第1段
反応器で高い目的ニトリル収量が得られる。
【0045】反応器から流出する反応流出物から反応生
成ニトリルを分離・回収した後、未反応アルカンを含む
ガス状流出物の30〜92%を第1段反応器にリサイク
ルするとともに、残りのガス状流出物を第2段反応器
に、反応に必要なアンモニア、分子状酸素および必要に
応じてアルカンを加えて供給する。この第2段反応器で
の反応は、通常の単流反応時と同じように、最もニトリ
ル収率が高いアルカン転化率での実施が合理的である。
この第2段反応器でも、前段の副生アルケンの貢献があ
るため、1段反応の場合より目的ニトリル収率が向上す
る。
成ニトリルを分離・回収した後、未反応アルカンを含む
ガス状流出物の30〜92%を第1段反応器にリサイク
ルするとともに、残りのガス状流出物を第2段反応器
に、反応に必要なアンモニア、分子状酸素および必要に
応じてアルカンを加えて供給する。この第2段反応器で
の反応は、通常の単流反応時と同じように、最もニトリ
ル収率が高いアルカン転化率での実施が合理的である。
この第2段反応器でも、前段の副生アルケンの貢献があ
るため、1段反応の場合より目的ニトリル収率が向上す
る。
【0046】一方、反応器供給ガス中のアルカン濃度に
関連する酸素含有ガスは、第1段反応器ではリサイクル
により、また、第2段反応器では第1段反応器からの供
給により、窒素や二酸化炭素を主体とした不活性ガスが
持ち込まれるため、アルカン濃度を必要以上に下げない
意味で酸素が好ましいが、酸素富化空気や酸素と不活性
ガスの混合ガスの使用も目的を満たす範囲内で可能であ
る。反応により副生する二酸化炭素、一酸化炭素および
アンモニア燃焼により生成する窒素、および酸素含有ガ
ス中の酸素以外の成分は、各反応器のガスの容量増加お
よびアルカン濃度を必要以上に低下させる要因となる
が、第1段反応器および第2段反応器はともに、系外へ
のガス相抜き出し操作を有しており、この条件を調整す
ることにより、これら不要成分の蓄積を防止できる。
関連する酸素含有ガスは、第1段反応器ではリサイクル
により、また、第2段反応器では第1段反応器からの供
給により、窒素や二酸化炭素を主体とした不活性ガスが
持ち込まれるため、アルカン濃度を必要以上に下げない
意味で酸素が好ましいが、酸素富化空気や酸素と不活性
ガスの混合ガスの使用も目的を満たす範囲内で可能であ
る。反応により副生する二酸化炭素、一酸化炭素および
アンモニア燃焼により生成する窒素、および酸素含有ガ
ス中の酸素以外の成分は、各反応器のガスの容量増加お
よびアルカン濃度を必要以上に低下させる要因となる
が、第1段反応器および第2段反応器はともに、系外へ
のガス相抜き出し操作を有しており、この条件を調整す
ることにより、これら不要成分の蓄積を防止できる。
【0047】この本発明の方法を従来技術と比較した場
合、下記のことが言える。まず、反応器を単独で使用
し、高アルカン転化率で反応させる単流法に比し、ニト
リル収率は際だって高い。また、アルカンの利用率も、
損失は最終段で生じるのみなので明らかに高い。また、
アルカンを選択分離・回収して循環使用するリサイクル
法に対しても、煩雑なアルカンの分離・回収操作を必要
としない点、アルカンやアルケンの選択分離・回収時の
損失がない点、および異常な酸化反応防止のための不活
性ガスの濃度コントロール等の煩雑な操作を必要としな
い点で優れている。また、ニトリル製造に関連する、ア
ルカンの吸着剤による選択分離技術は、現状では開発途
上の技術であり工業化されていない。この点でも、本発
明の方法は、既存の技術の応用で実施可能であり優れて
いる。
合、下記のことが言える。まず、反応器を単独で使用
し、高アルカン転化率で反応させる単流法に比し、ニト
リル収率は際だって高い。また、アルカンの利用率も、
損失は最終段で生じるのみなので明らかに高い。また、
アルカンを選択分離・回収して循環使用するリサイクル
法に対しても、煩雑なアルカンの分離・回収操作を必要
としない点、アルカンやアルケンの選択分離・回収時の
損失がない点、および異常な酸化反応防止のための不活
性ガスの濃度コントロール等の煩雑な操作を必要としな
い点で優れている。また、ニトリル製造に関連する、ア
ルカンの吸着剤による選択分離技術は、現状では開発途
上の技術であり工業化されていない。この点でも、本発
明の方法は、既存の技術の応用で実施可能であり優れて
いる。
【0048】
【発明の実施の形態】以下に本発明に関し、プロパンを
用い気相接触アンモ酸化反応を行ってアクリロニトリル
を製造した場合の実施例を用いて説明するが、本発明
は、その要旨を越えない限りこれら実施例に限定される
ものではない。なお、以下の実施例におけるプロパンの
転化率、プロパンの損失率、アクリロニトリル選択率、
アクリロニトリル収率、接触時間は、それぞれ次式で計
算される。 1段反応反応器および各段の反応器単独の場合 プロパン転化率(%)=(該反応器で反応したプロパン
のモル数)/(該反応器に供給したプロパンのモル数)
×100 プロパン損失率(%)=(下流の工程で反応ガスとして
使用されないプロパンのモル数)/(該反応器に供給し
たプロパンのモル数)×100 アクリロニトリル選択率(%)=(該反応器で生成した
アクリロニトリルのモル数)/(該反応器で反応したプ
ロパンのモル数)×100 アクリロニトリル収率(%)=(該反応器で生成したア
クリロニトリルのモル数)/(該反応器に供給したプロ
パンのモル数)×100 接触時間(sec)=(W/F)×273/(273+
T) (ここで、W=充填触媒量(ml)、F=原料混合ガス
流量(Ncc/sec)、T=反応温度(℃)であ
る。)
用い気相接触アンモ酸化反応を行ってアクリロニトリル
を製造した場合の実施例を用いて説明するが、本発明
は、その要旨を越えない限りこれら実施例に限定される
ものではない。なお、以下の実施例におけるプロパンの
転化率、プロパンの損失率、アクリロニトリル選択率、
アクリロニトリル収率、接触時間は、それぞれ次式で計
算される。 1段反応反応器および各段の反応器単独の場合 プロパン転化率(%)=(該反応器で反応したプロパン
のモル数)/(該反応器に供給したプロパンのモル数)
×100 プロパン損失率(%)=(下流の工程で反応ガスとして
使用されないプロパンのモル数)/(該反応器に供給し
たプロパンのモル数)×100 アクリロニトリル選択率(%)=(該反応器で生成した
アクリロニトリルのモル数)/(該反応器で反応したプ
ロパンのモル数)×100 アクリロニトリル収率(%)=(該反応器で生成したア
クリロニトリルのモル数)/(該反応器に供給したプロ
パンのモル数)×100 接触時間(sec)=(W/F)×273/(273+
T) (ここで、W=充填触媒量(ml)、F=原料混合ガス
流量(Ncc/sec)、T=反応温度(℃)であ
る。)
【0049】多段反応反応器全体の場合 プロパン転化率(%)=(全系で反応したプロパンのモ
ル数)/(全系に新たに供給したプロパンのモル数)×
100 プロパン損失率(%)=(全反応系外に排出したプロパ
ンのモル数)/(全系に新たに供給したプロパンのモル
数)×100 アクリロニトリル選択率(%)=(全系で生成したアク
リロニトリルのモル数)/(全系で反応したプロパンの
モル数)×100 アクリロニトリル収率(%)=(全系で生成したアクリ
ロニトリルのモル数)/(全系に新たに供給したプロパ
ンのモル数)×100
ル数)/(全系に新たに供給したプロパンのモル数)×
100 プロパン損失率(%)=(全反応系外に排出したプロパ
ンのモル数)/(全系に新たに供給したプロパンのモル
数)×100 アクリロニトリル選択率(%)=(全系で生成したアク
リロニトリルのモル数)/(全系で反応したプロパンの
モル数)×100 アクリロニトリル収率(%)=(全系で生成したアクリ
ロニトリルのモル数)/(全系に新たに供給したプロパ
ンのモル数)×100
【0050】
【実施例1】(触媒の調製)触媒成分の組成式がMo1
V0.32Nb0.12Te0.22On であって、SiO2 含有量
30重量%のシリカ担持触媒を、次のようにして調製し
た。水6900gにヘプタモリブデン酸アンモニウム
〔(NH4)6MoO24 ・4H2O〕1630g、メタバナジン酸ア
ンモニウム〔NH4VO3〕345.6gおよびテルル酸〔Te
O6〕468.3gを順次加え、攪拌下、60℃に加熱し
て溶解した後、30℃まで冷却して混合水溶液を得た。
次に、この混合水溶液に、攪拌下、水1590gにNb2O
5 として76.6重量%を含有するニオブ酸192.0
gおよびシュウ酸二水和物〔H2C2O4・2H2O〕418.5
gを加え、60℃に加熱溶解させた後、30℃まで冷却
した液と、SiO2として30重量%を含有したシリカゾル
30000gを順次添加して混合し、触媒原料調合液を
得た。この原料混合液を遠心噴霧乾燥機にて入口温度が
240℃、出口温度が145℃で乾燥し、微小粒状の乾
燥粉体を得た。得られた大気雰囲気下、275℃で2時
間前焼成して酸化物を得た。この酸化物255gを直径
2インチのSUS製管に充填し、450Ncc/min
の窒素ガス流通下、600℃で2時間焼成して触媒を得
た。
V0.32Nb0.12Te0.22On であって、SiO2 含有量
30重量%のシリカ担持触媒を、次のようにして調製し
た。水6900gにヘプタモリブデン酸アンモニウム
〔(NH4)6MoO24 ・4H2O〕1630g、メタバナジン酸ア
ンモニウム〔NH4VO3〕345.6gおよびテルル酸〔Te
O6〕468.3gを順次加え、攪拌下、60℃に加熱し
て溶解した後、30℃まで冷却して混合水溶液を得た。
次に、この混合水溶液に、攪拌下、水1590gにNb2O
5 として76.6重量%を含有するニオブ酸192.0
gおよびシュウ酸二水和物〔H2C2O4・2H2O〕418.5
gを加え、60℃に加熱溶解させた後、30℃まで冷却
した液と、SiO2として30重量%を含有したシリカゾル
30000gを順次添加して混合し、触媒原料調合液を
得た。この原料混合液を遠心噴霧乾燥機にて入口温度が
240℃、出口温度が145℃で乾燥し、微小粒状の乾
燥粉体を得た。得られた大気雰囲気下、275℃で2時
間前焼成して酸化物を得た。この酸化物255gを直径
2インチのSUS製管に充填し、450Ncc/min
の窒素ガス流通下、600℃で2時間焼成して触媒を得
た。
【0051】(プロパンのアンモ酸化反応)内径55m
mおよび内径28mmのSUS製流動床型反応器を2基
用い、2基の反応器を直列につなぎ、上記反応器間に反
応器流出物中の未反応アンモニアを中和し、アクリロニ
トリルや青酸等のニトリルを水で吸収して分離・回収す
る設備を設置し、さらに、上記のニトリルを分離・回収
後のガス状流出物の一部を第1段反応器にリサイクル
し、かつ、残りのガス状流出物を第2段反応器に導入す
るためのガス圧縮機を設置した装置を用いて反応を行っ
た。第1段反応は、内径55mmのSUS製流動床反応
器に、上記の方法で得られた触媒135gを装填し、反
応温度425℃、反応圧力0.3kg/cm2 G下に、
後述のリサイクルガスに新たにプロパン、アンモニアお
よび酸素を加え、プロパン濃度が12.3%でプロパ
ン:アンモニア:酸素:窒素、二酸化炭素他=1:0.
6:1.5:バランスのモル比に調整した混合ガスを,
接触時間1.4(sec・g/cc)で通過させた。そ
の結果、プロパン転化率は50.2%、アクリロニトリ
ル収率33.4%であり、プロピレンが2.5%の収率
で生成した。アクリロニトリルの選択率は66.6%で
あり、プロピレンの選択率は5.0%であった。
mおよび内径28mmのSUS製流動床型反応器を2基
用い、2基の反応器を直列につなぎ、上記反応器間に反
応器流出物中の未反応アンモニアを中和し、アクリロニ
トリルや青酸等のニトリルを水で吸収して分離・回収す
る設備を設置し、さらに、上記のニトリルを分離・回収
後のガス状流出物の一部を第1段反応器にリサイクル
し、かつ、残りのガス状流出物を第2段反応器に導入す
るためのガス圧縮機を設置した装置を用いて反応を行っ
た。第1段反応は、内径55mmのSUS製流動床反応
器に、上記の方法で得られた触媒135gを装填し、反
応温度425℃、反応圧力0.3kg/cm2 G下に、
後述のリサイクルガスに新たにプロパン、アンモニアお
よび酸素を加え、プロパン濃度が12.3%でプロパ
ン:アンモニア:酸素:窒素、二酸化炭素他=1:0.
6:1.5:バランスのモル比に調整した混合ガスを,
接触時間1.4(sec・g/cc)で通過させた。そ
の結果、プロパン転化率は50.2%、アクリロニトリ
ル収率33.4%であり、プロピレンが2.5%の収率
で生成した。アクリロニトリルの選択率は66.6%で
あり、プロピレンの選択率は5.0%であった。
【0052】第1段反応器から流出した反応器流出物中
の未反応アンモニアを硫酸で中和し、アクリロニトリル
および青酸などのニトリルを水に吸収させて分離・回収
した後、排出されたガス状流出物(プロパン、窒素それ
に少量の二酸化炭素、一酸化炭素、微量の酸素等を含
む)の80vol%量を第1段反応器にリサイクル供給
した。また,上記ガス状流出物の残りの20vol%量
を第1段反応系より抜き出し、このガスにアンモニアお
よび酸素を加え、プロパン濃度が6.2%でプロパン:
アンモニア:酸素:窒素、二酸化炭素他=1:1. 1:
3.0:バランスのモル比の反応ガスを調製し、上記触
媒25gを装填した第2段目の内径25mmのSUS製
流動床反応器に導入し、反応温度430℃、反応圧力
0.3kg/cm2 G下に、接触時間3.5(sec・
g/cc)で反応させた。その結果、プロパン転化率は
85.0%であり、アクリロニトリル収率は52.3%
であり、プロピレンが0.9%の収率で生成した。結果
を表1示す。
の未反応アンモニアを硫酸で中和し、アクリロニトリル
および青酸などのニトリルを水に吸収させて分離・回収
した後、排出されたガス状流出物(プロパン、窒素それ
に少量の二酸化炭素、一酸化炭素、微量の酸素等を含
む)の80vol%量を第1段反応器にリサイクル供給
した。また,上記ガス状流出物の残りの20vol%量
を第1段反応系より抜き出し、このガスにアンモニアお
よび酸素を加え、プロパン濃度が6.2%でプロパン:
アンモニア:酸素:窒素、二酸化炭素他=1:1. 1:
3.0:バランスのモル比の反応ガスを調製し、上記触
媒25gを装填した第2段目の内径25mmのSUS製
流動床反応器に導入し、反応温度430℃、反応圧力
0.3kg/cm2 G下に、接触時間3.5(sec・
g/cc)で反応させた。その結果、プロパン転化率は
85.0%であり、アクリロニトリル収率は52.3%
であり、プロピレンが0.9%の収率で生成した。結果
を表1示す。
【0053】以上、各反応器の供給プロパン基準の反応
結果を述べたが、2段の反応器全体を1つの系として見
た時の、供給プロパン基準の反応結果を評価した場合、
表1の全体という項で示すように、系全体のプロパン損
失は、第2段で発生するだけであり、その量は、供給プ
ロパンの2.5%と少ない。また、プロパン転化率は9
7.5%と高く、アクリロニトリル収率も64.2%と
格段に高い値が得られた。供給プロパンを100とした
ときのモル数を基準に主要項目の数値を表した結果を図
2に示す。なお、プロパンの選択分離操作を実施しなか
ったために、操作はシンプルであった。また、目的ニト
リルを分離・回収した後の、ガス状流出物を加圧し、ア
ンモニアおよび酸素を加えて次の反応器に供給したが、
異常な酸化反応は認められなかった。また、第1段反応
器および第2段反応器ともに、反応器供給ガス中のプロ
パン濃度は必要とする濃度を保つことができた。
結果を述べたが、2段の反応器全体を1つの系として見
た時の、供給プロパン基準の反応結果を評価した場合、
表1の全体という項で示すように、系全体のプロパン損
失は、第2段で発生するだけであり、その量は、供給プ
ロパンの2.5%と少ない。また、プロパン転化率は9
7.5%と高く、アクリロニトリル収率も64.2%と
格段に高い値が得られた。供給プロパンを100とした
ときのモル数を基準に主要項目の数値を表した結果を図
2に示す。なお、プロパンの選択分離操作を実施しなか
ったために、操作はシンプルであった。また、目的ニト
リルを分離・回収した後の、ガス状流出物を加圧し、ア
ンモニアおよび酸素を加えて次の反応器に供給したが、
異常な酸化反応は認められなかった。また、第1段反応
器および第2段反応器ともに、反応器供給ガス中のプロ
パン濃度は必要とする濃度を保つことができた。
【0054】
【実施例2】実施例1と同一の触媒と大きさの比は異な
るが、システムは同一の装置を用いて反応を行った。第
1段反応器は内径55mm、第2段反応器は内径43m
mのものを用いた。第1段反応器に上記触媒135gを
装填し、反応温度425℃、反応圧力0.3kg/cm
2 G下に、反応器供給ガス中のプロパン濃度が12.3
%であり、プロパン:アンモニア:酸素:窒素、二酸化
炭素他=1:0.6:1.5:バランスのモル比に調整
したガスを、接触時間1.4(sec・g/cc)で反
応器を通過させた。その結果、プロパン転化率は50.
2%、アクリロニトリル収率32.9%であり、プロピ
レンが2.5%の収率で生成した。アクリロニトリルの
選択率は65.6%であり、プロピレンの選択率は4.
9%であった。アクリロニトリル回収装置からのガス状
流出物の残りの50vol%量を第1反応系より抜き出
し、このガスにアンモニアおよび酸素を加え、プロパン
濃度が6.2%で、プロパン:アンモニア:酸素:窒
素、二酸化炭素他=1:1.1:3.0:バランスのモ
ル比の反応ガスを調製し、上記触媒170gを装填した
第2段目の内径43mmのSUS製流動床反応器に導入
し、反応温度430℃、反応圧力0.3kg/cm2 G
下で接触時間3.5(sec・g/cc)で反応させ
た。その結果、プロパン転化率は85.4%であり、ア
クリロニトリル収率は52.1%であり、プロピレンが
0.8%の収率で生成した。結果を表2に示す。
るが、システムは同一の装置を用いて反応を行った。第
1段反応器は内径55mm、第2段反応器は内径43m
mのものを用いた。第1段反応器に上記触媒135gを
装填し、反応温度425℃、反応圧力0.3kg/cm
2 G下に、反応器供給ガス中のプロパン濃度が12.3
%であり、プロパン:アンモニア:酸素:窒素、二酸化
炭素他=1:0.6:1.5:バランスのモル比に調整
したガスを、接触時間1.4(sec・g/cc)で反
応器を通過させた。その結果、プロパン転化率は50.
2%、アクリロニトリル収率32.9%であり、プロピ
レンが2.5%の収率で生成した。アクリロニトリルの
選択率は65.6%であり、プロピレンの選択率は4.
9%であった。アクリロニトリル回収装置からのガス状
流出物の残りの50vol%量を第1反応系より抜き出
し、このガスにアンモニアおよび酸素を加え、プロパン
濃度が6.2%で、プロパン:アンモニア:酸素:窒
素、二酸化炭素他=1:1.1:3.0:バランスのモ
ル比の反応ガスを調製し、上記触媒170gを装填した
第2段目の内径43mmのSUS製流動床反応器に導入
し、反応温度430℃、反応圧力0.3kg/cm2 G
下で接触時間3.5(sec・g/cc)で反応させ
た。その結果、プロパン転化率は85.4%であり、ア
クリロニトリル収率は52.1%であり、プロピレンが
0.8%の収率で生成した。結果を表2に示す。
【0055】以上、各反応器の供給プロパン基準の反応
結果を述べたが、2段の反応器全体を1つの系として見
た時の、供給プロパン基準の反応結果を評価した場合、
表2の全体という項で示すように、系全体のプロパン損
失は、供給プロパンの5.0%であり、プロパン転化率
は95.0%、アクリロニトリル収率は61.0%であ
った。供給プロパンを100としたときのモル数を基準
に主要項目の数値を表した結果を図3に示す。なお、プ
ロパンの選択分離操作を必要としないために、操作はシ
ンプルであった。また、目的ニトリルを分離・回収した
後の、ガス状流出物を加圧し、アンモニアおよび酸素を
加えて次の反応器に供給したが、異常な酸化反応は認め
られなかった。また、第1段反応器および第2段反応器
ともに、反応器供給ガス中のプロパン濃度は必要とする
濃度を保つことができた。
結果を述べたが、2段の反応器全体を1つの系として見
た時の、供給プロパン基準の反応結果を評価した場合、
表2の全体という項で示すように、系全体のプロパン損
失は、供給プロパンの5.0%であり、プロパン転化率
は95.0%、アクリロニトリル収率は61.0%であ
った。供給プロパンを100としたときのモル数を基準
に主要項目の数値を表した結果を図3に示す。なお、プ
ロパンの選択分離操作を必要としないために、操作はシ
ンプルであった。また、目的ニトリルを分離・回収した
後の、ガス状流出物を加圧し、アンモニアおよび酸素を
加えて次の反応器に供給したが、異常な酸化反応は認め
られなかった。また、第1段反応器および第2段反応器
ともに、反応器供給ガス中のプロパン濃度は必要とする
濃度を保つことができた。
【0056】
【実施例3】実施例1と同一の触媒および同一の装置を
用いて反応を行った。第1段反応器は実施例1と同一の
条件で実施し、反応器流出物からアクリロニトリルを分
離・回収した後のガス状流出物の内80vol%の割合
を、第1段反応器にリサイクルを行った。リサイクルガ
スに新たにプロパン、アンモニアおよび酸素と窒素を加
え、プロパン濃度が12.3%でプロパン:アンモニ
ア:酸素:窒素、二酸化炭素他=1:0.6:1.5:
バランスのモル比に調整し、このガスを反応温度425
℃、反応圧力0.3kg/cm2 G下に、接触時間1.
4(sec・g/cc)で反応器を通過させた。その結
果、プロパン転化率は50.2%、アクリロニトリル収
率33.4%であり、プロピレンが2.5%の収率で生
成した。アクリロニトリルの選択率は66.6%であ
り、プロピレンの選択率は5.0%であった。
用いて反応を行った。第1段反応器は実施例1と同一の
条件で実施し、反応器流出物からアクリロニトリルを分
離・回収した後のガス状流出物の内80vol%の割合
を、第1段反応器にリサイクルを行った。リサイクルガ
スに新たにプロパン、アンモニアおよび酸素と窒素を加
え、プロパン濃度が12.3%でプロパン:アンモニ
ア:酸素:窒素、二酸化炭素他=1:0.6:1.5:
バランスのモル比に調整し、このガスを反応温度425
℃、反応圧力0.3kg/cm2 G下に、接触時間1.
4(sec・g/cc)で反応器を通過させた。その結
果、プロパン転化率は50.2%、アクリロニトリル収
率33.4%であり、プロピレンが2.5%の収率で生
成した。アクリロニトリルの選択率は66.6%であ
り、プロピレンの選択率は5.0%であった。
【0057】上記気相部の残りの20vol%量を第1
反応系より抜き出し、これにこのガス中に含まれるアル
カンと同量の新たなアルカンとアンモニアおよび酸素を
加え、プロパン濃度が6.2%で、プロパン:アンモニ
ア:酸素窒素、二酸化炭素他=1:1. 1:3.0:バ
ランスのモル比の反応ガスを調製し、上記触媒95gを
装填した第2段目の内径28mmのSUS製流動床反応
器に導入し、反応温度430℃、反応圧力0.3kg/
cm2 G下で接触時間3.5(sec・g/cc)で反
応させた。その結果、プロパン転化率は85.2%であ
り、アクリロニトリル収率は50.5%であり、プロピ
レンが0.8%の収率で生成した。結果を表3に示す。
反応系より抜き出し、これにこのガス中に含まれるアル
カンと同量の新たなアルカンとアンモニアおよび酸素を
加え、プロパン濃度が6.2%で、プロパン:アンモニ
ア:酸素窒素、二酸化炭素他=1:1. 1:3.0:バ
ランスのモル比の反応ガスを調製し、上記触媒95gを
装填した第2段目の内径28mmのSUS製流動床反応
器に導入し、反応温度430℃、反応圧力0.3kg/
cm2 G下で接触時間3.5(sec・g/cc)で反
応させた。その結果、プロパン転化率は85.2%であ
り、アクリロニトリル収率は50.5%であり、プロピ
レンが0.8%の収率で生成した。結果を表3に示す。
【0058】以上、各反応器の供給プロパン基準の反応
結果を述べたが、2段の反応器全体を1つの系として見
た時の、供給プロパン基準の反応結果は、表3の全体と
いう項で示すように、プロパン転化率は95.7%であ
り、アクリロニトリル収率は62.0%と高い値が得ら
れた。供給プロパンを100としたときのモル数を基準
に主要項目の数値を表した結果を図4に示す。なお、プ
ロパンの選択分離操作を必要としないために、操作はシ
ンプルであった。また、目的ニトリルを分離・回収した
後の、ガス状流出物を加圧し、アンモニアおよび酸素を
加えて次の反応器に供給したが、異常な酸化反応は認め
られなかった。 また、第1段反応器および第2段反応
器ともに、反応器供給ガス中のプロパン濃度は、必要と
する濃度を保つことができた。
結果を述べたが、2段の反応器全体を1つの系として見
た時の、供給プロパン基準の反応結果は、表3の全体と
いう項で示すように、プロパン転化率は95.7%であ
り、アクリロニトリル収率は62.0%と高い値が得ら
れた。供給プロパンを100としたときのモル数を基準
に主要項目の数値を表した結果を図4に示す。なお、プ
ロパンの選択分離操作を必要としないために、操作はシ
ンプルであった。また、目的ニトリルを分離・回収した
後の、ガス状流出物を加圧し、アンモニアおよび酸素を
加えて次の反応器に供給したが、異常な酸化反応は認め
られなかった。 また、第1段反応器および第2段反応
器ともに、反応器供給ガス中のプロパン濃度は、必要と
する濃度を保つことができた。
【0059】
【比較例1】実施例1の第2段反応器と同一の触媒およ
び反応器を用いて単流反応を行った。プロパン濃度が1
2.3%であり、かつ、プロパン:アンモニア:酸素:
窒素=1:1.1:2.9:バランスのモル比に調整し
たガスを、20gの上記触媒を装填した反応器に導入
し、反応温度430℃、反応圧力0.3kg/cm2 G
下で接触時間1.8(sec・g/cc)、2.6、
3.6および4.3と変えて各々を評価した。その結果
を表4に示す。このように単流反応では、プロパン転化
率を必要以上に高めた場合、アクリロニトリルの選択率
の低下が大きく、また,プロパン転化率が低い場合に
は、選択率は高いものの、転化率との積であるアクリロ
ニトリル収率は,高い値が得られないという結果を得
た。供給プロパンを100としたときのモル数を基準に
主要項目の数値を表した結果の代表例として、比較例1
−3を図5に示す。
び反応器を用いて単流反応を行った。プロパン濃度が1
2.3%であり、かつ、プロパン:アンモニア:酸素:
窒素=1:1.1:2.9:バランスのモル比に調整し
たガスを、20gの上記触媒を装填した反応器に導入
し、反応温度430℃、反応圧力0.3kg/cm2 G
下で接触時間1.8(sec・g/cc)、2.6、
3.6および4.3と変えて各々を評価した。その結果
を表4に示す。このように単流反応では、プロパン転化
率を必要以上に高めた場合、アクリロニトリルの選択率
の低下が大きく、また,プロパン転化率が低い場合に
は、選択率は高いものの、転化率との積であるアクリロ
ニトリル収率は,高い値が得られないという結果を得
た。供給プロパンを100としたときのモル数を基準に
主要項目の数値を表した結果の代表例として、比較例1
−3を図5に示す。
【0060】
【比較例2】実施例2と同一の触媒および大きさの比は
異なるが、システムは同一の装置を用い、リサイクルを
せずに反応を行った。第1段反応器および第2段反応器
ともに、内径55mmのものを使用した。上記の第一段
反応器に、前記の方法で得られた触媒135gを装填
し、反応温度425℃、反応圧力0.3kg/cm2 G
下に、反応器供給ガス中のプロパン濃度が14.1%で
あり、プロパン:アンモニア:酸素:窒素=1:0.
8:1.6:5.0のモル比である混合ガスを、接触時
間1.4(sec・g/cc)で通過させた。その結
果、プロパン転化率が50.2%、アクリロニトリル収
率が31.4%、プロピレンが2.4%の収率で生成し
た。アクリロニトリルの選択率は62.5%であり、プ
ロピレンの選択率は4.7%であった。
異なるが、システムは同一の装置を用い、リサイクルを
せずに反応を行った。第1段反応器および第2段反応器
ともに、内径55mmのものを使用した。上記の第一段
反応器に、前記の方法で得られた触媒135gを装填
し、反応温度425℃、反応圧力0.3kg/cm2 G
下に、反応器供給ガス中のプロパン濃度が14.1%で
あり、プロパン:アンモニア:酸素:窒素=1:0.
8:1.6:5.0のモル比である混合ガスを、接触時
間1.4(sec・g/cc)で通過させた。その結
果、プロパン転化率が50.2%、アクリロニトリル収
率が31.4%、プロピレンが2.4%の収率で生成し
た。アクリロニトリルの選択率は62.5%であり、プ
ロピレンの選択率は4.7%であった。
【0061】第1段反応器から流出した反応器流出物中
の未反応アンモニアを中和した後、アクリロニトリルお
よび青酸などを水に吸収させて分離し、排出されたガス
状流出物(プロパン、窒素それに少量の二酸化炭素、一
酸化炭素、微量の酸素等を含む)に、アンモニアおよび
酸素を加え、反応器供給ガス中のプロパン濃度が8.0
%であり、かつ、プロパン:アンモニア:酸素窒素、二
酸化炭素他=1:0.8:1.8:バランスのモル比に
調整したガスを、150gの上記触媒を装填した第2段
反応器に導入し、反応温度425℃、反応圧力0.3k
g/cm2 G下で接触時間1.7(sec・g/cc)
で反応させた。その結果、プロパン転化率が60.3
%、アクリロニトリル収率が39.4%、プロピレンが
2.1%の収率で生成した。結果を表5に示す。2段の
反応器全体をひとつの系として見た場合の、系全体のア
ルカン損失率は、供給アルカンの19.8%と多い。ま
た、アルカン転化率は80.2%と低く、アクリロニト
リル収率も51.0%と低い値であった。供給プロパン
を100としたときのモル数を基準に主要項目の数値を
表した結果を図6に示す。
の未反応アンモニアを中和した後、アクリロニトリルお
よび青酸などを水に吸収させて分離し、排出されたガス
状流出物(プロパン、窒素それに少量の二酸化炭素、一
酸化炭素、微量の酸素等を含む)に、アンモニアおよび
酸素を加え、反応器供給ガス中のプロパン濃度が8.0
%であり、かつ、プロパン:アンモニア:酸素窒素、二
酸化炭素他=1:0.8:1.8:バランスのモル比に
調整したガスを、150gの上記触媒を装填した第2段
反応器に導入し、反応温度425℃、反応圧力0.3k
g/cm2 G下で接触時間1.7(sec・g/cc)
で反応させた。その結果、プロパン転化率が60.3
%、アクリロニトリル収率が39.4%、プロピレンが
2.1%の収率で生成した。結果を表5に示す。2段の
反応器全体をひとつの系として見た場合の、系全体のア
ルカン損失率は、供給アルカンの19.8%と多い。ま
た、アルカン転化率は80.2%と低く、アクリロニト
リル収率も51.0%と低い値であった。供給プロパン
を100としたときのモル数を基準に主要項目の数値を
表した結果を図6に示す。
【0062】
【比較例3】実施例1の第1段反応器と同一の触媒およ
び反応器を用いて、大略同一の条件で単流反応を行っ
た。AN収率は、実施例1の第1段反応器と比較し1.
5%低い。この理由は、実施例1の第1段反応器への供
給ガス中には、第1段反応器で生成するプロピレンがリ
サイクル操作によって導入される分が含まれており、こ
れがANに転換しているためであると思われる。また、
反応は1段で完了するため、約50%残存する未反応プ
ロパンは有効利用されず、損失となった。 結果を表6
に示す。供給プロパンを100としたときのモル数を基
準に主要項目の数値を表した結果を図7に示す。
び反応器を用いて、大略同一の条件で単流反応を行っ
た。AN収率は、実施例1の第1段反応器と比較し1.
5%低い。この理由は、実施例1の第1段反応器への供
給ガス中には、第1段反応器で生成するプロピレンがリ
サイクル操作によって導入される分が含まれており、こ
れがANに転換しているためであると思われる。また、
反応は1段で完了するため、約50%残存する未反応プ
ロパンは有効利用されず、損失となった。 結果を表6
に示す。供給プロパンを100としたときのモル数を基
準に主要項目の数値を表した結果を図7に示す。
【0063】
【比較例4】実施例1の第2段反応器と同一の触媒およ
び反応器を用いて、大略同一の条件で単流反応を行っ
た。AN収率は、実施例1の第2段反応器と比較し3.
2%低い。この理由は、実施例1の第2段反応器への供
給ガス中には、第1段反応器で生成するプロピレンが抜
き出し操作によって導入される分が含まれており、これ
がANに転換しているためだと思われる。また、反応は
1段で完了するため、約15%残存する未反応プロパン
は有効利用されず、損失となった。結果を表7に示す。
供給プロパンを100としたときのモル数を基準に主要
項目の数値を表した結果を図8に示す。
び反応器を用いて、大略同一の条件で単流反応を行っ
た。AN収率は、実施例1の第2段反応器と比較し3.
2%低い。この理由は、実施例1の第2段反応器への供
給ガス中には、第1段反応器で生成するプロピレンが抜
き出し操作によって導入される分が含まれており、これ
がANに転換しているためだと思われる。また、反応は
1段で完了するため、約15%残存する未反応プロパン
は有効利用されず、損失となった。結果を表7に示す。
供給プロパンを100としたときのモル数を基準に主要
項目の数値を表した結果を図8に示す。
【0064】
【比較例5】実施例1と同一の触媒と大きさの比は異な
るが、システムは同一の装置を用いて反応を行った。第
1段反応器および第2段反応器ともに内径55mmのも
のを使用した。第1段反応器は実施例1と同一の条件で
実施し、反応器流出物からアクリロニトリルを分離・回
収した後のガス状流出物の内10vol%の割合を、第
1段反応器にリサイクルを行った。上記ガス状流出物の
残りの90vol%量を第1反応系より抜き出し、これ
にアンモニアおよび酸素を加えプロパン濃度が6.2%
で、プロパン:アンモニア:酸素:窒素、二酸化炭素他
=1:1. 1:2.9:バランスのモル比の反応ガスを
調製し、上記触媒340gを充填した第2段反応器に導
入し、反応温度430℃、反応圧力0.3kg/cm2
G下で接触時間3.5(sec・g/cc)で反応させ
た。その結果、プロパン転化率は85.0%であり、ア
クリロニトリル収率は51.8%であり、プロピレンが
0.9%の収率で生成した。結果を表8に示す。
るが、システムは同一の装置を用いて反応を行った。第
1段反応器および第2段反応器ともに内径55mmのも
のを使用した。第1段反応器は実施例1と同一の条件で
実施し、反応器流出物からアクリロニトリルを分離・回
収した後のガス状流出物の内10vol%の割合を、第
1段反応器にリサイクルを行った。上記ガス状流出物の
残りの90vol%量を第1反応系より抜き出し、これ
にアンモニアおよび酸素を加えプロパン濃度が6.2%
で、プロパン:アンモニア:酸素:窒素、二酸化炭素他
=1:1. 1:2.9:バランスのモル比の反応ガスを
調製し、上記触媒340gを充填した第2段反応器に導
入し、反応温度430℃、反応圧力0.3kg/cm2
G下で接触時間3.5(sec・g/cc)で反応させ
た。その結果、プロパン転化率は85.0%であり、ア
クリロニトリル収率は51.8%であり、プロピレンが
0.9%の収率で生成した。結果を表8に示す。
【0065】以上、各反応器の供給プロパン基準の反応
結果を述べたが、2段の反応器全体を1つの系として見
た時の、供給プロパン基準の反応結果を評価した場合、
表8の全体という項で示すように、系全体のプロパン損
失は供給プロパンの7.1%と多い。また、プロパン転
化率は92.9%と低く、アクリロトリル収率も58.
3%と実施例に比べ値が低かった。供給プロパンを10
0としたときのモル数を基準に主要項目の数値を表した
結果を図9に示す。
結果を述べたが、2段の反応器全体を1つの系として見
た時の、供給プロパン基準の反応結果を評価した場合、
表8の全体という項で示すように、系全体のプロパン損
失は供給プロパンの7.1%と多い。また、プロパン転
化率は92.9%と低く、アクリロトリル収率も58.
3%と実施例に比べ値が低かった。供給プロパンを10
0としたときのモル数を基準に主要項目の数値を表した
結果を図9に示す。
【0066】
【比較例6】実施例1と同一の触媒と大きさの比は異な
るが、システムは同一の装置を用いて反応を行った。第
1段反応器は内径55mm、第2段反応器は23mmの
ものを用意した。第1段反応器は初期条件を実施例1と
同一の条件で開始し、反応器流出物からアクリロニトリ
ルを分離・回収した後のガス状流出物の内95vol%
の割合を、第1段反応器にリサイクルを行ったが、第1
反応器供給ガス中の二酸化炭素濃度の経時的な上昇が認
められ、所定のプロパン濃度12%を保てなくなったた
め、反応を停止した。上記ガス状流出物の残りの5vo
l%量を第1反応系より抜き出し、これにアンモニアお
よび酸素を加え、プロパン濃度6%にし、プロパン:ア
ンモニア:酸素:窒素、二酸化炭素他=1:1. 1:
2.9:バランスのモル比に調整し、上記触媒を22g
充填した第2段目の内径23mmのSUS製流動床反応
器に導入し、反応温度430℃、反応圧力0.3kg/
cm2 G下で接触時間3.5(sec・g/cc)で反
応させた。ところが、この第2段反応器においても、第
1段反応器と同様の現象が起き反応を停止した。
るが、システムは同一の装置を用いて反応を行った。第
1段反応器は内径55mm、第2段反応器は23mmの
ものを用意した。第1段反応器は初期条件を実施例1と
同一の条件で開始し、反応器流出物からアクリロニトリ
ルを分離・回収した後のガス状流出物の内95vol%
の割合を、第1段反応器にリサイクルを行ったが、第1
反応器供給ガス中の二酸化炭素濃度の経時的な上昇が認
められ、所定のプロパン濃度12%を保てなくなったた
め、反応を停止した。上記ガス状流出物の残りの5vo
l%量を第1反応系より抜き出し、これにアンモニアお
よび酸素を加え、プロパン濃度6%にし、プロパン:ア
ンモニア:酸素:窒素、二酸化炭素他=1:1. 1:
2.9:バランスのモル比に調整し、上記触媒を22g
充填した第2段目の内径23mmのSUS製流動床反応
器に導入し、反応温度430℃、反応圧力0.3kg/
cm2 G下で接触時間3.5(sec・g/cc)で反
応させた。ところが、この第2段反応器においても、第
1段反応器と同様の現象が起き反応を停止した。
【0067】
【表1】
【0068】
【表2】
【0069】
【表3】
【0070】
【表4】
【0071】
【表5】
【0072】
【表6】
【0073】
【表7】
【0074】
【表8】
【0075】
【発明の効果】本発明により、アルカンの気相接触アン
モ酸化反応により不飽和ニトリルを製造するに当たり、
従来法のプロセス面ではリサイクル時の設備を簡素化
し、操作や設備の保守管理を容易にするこたができる。
触媒の面ではアルカン転化率とニトリル選択率の相反す
る触媒の性質を有効に利用できる反応条件を見い出し、
従来の欠点を克服し、高いニトリル収率が得られ、か
つ、工業的実施に有利な製造プロセスを提供することが
できる。
モ酸化反応により不飽和ニトリルを製造するに当たり、
従来法のプロセス面ではリサイクル時の設備を簡素化
し、操作や設備の保守管理を容易にするこたができる。
触媒の面ではアルカン転化率とニトリル選択率の相反す
る触媒の性質を有効に利用できる反応条件を見い出し、
従来の欠点を克服し、高いニトリル収率が得られ、か
つ、工業的実施に有利な製造プロセスを提供することが
できる。
【図1】本発明の方法の概略をブロックフローで示した
説明図である。
説明図である。
【図2】本発明の実施例1の概略をブロックフローで示
した説明図である。
した説明図である。
【図3】本発明の実施例2の概略をブロックフローで示
した説明図である。
した説明図である。
【図4】本発明の実施例3の概略をブロックフローで示
した説明図である。
した説明図である。
【図5】本発明とは別の比較例1の方法の概略をブロッ
クフローで示した説明図である。
クフローで示した説明図である。
【図6】本発明とは別の比較例2の方法の概略をブロッ
クフローで示した説明図である。
クフローで示した説明図である。
【図7】本発明とは別の比較例3の方法の概略をブロッ
クフローで示した説明図である。
クフローで示した説明図である。
【図8】本発明とは別の比較例4の方法の概略をブロッ
クフローで示した説明図である。
クフローで示した説明図である。
【図9】本発明とは別の比較例5の方法の概略をブロッ
クフローで示した説明図である。
クフローで示した説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01J 27/057 B01J 27/057 X C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 C07C 255/07 C07C 255/07
Claims (6)
- 【請求項1】 アルカンとアンモニアを複合金属酸化物
触媒の存在下気相接触酸化反応させるα,β−不飽和ニ
トリルの製造方法において、主として反応ガス各成分供
給装置、気相接触酸化反応器および反応生成ニトリルの
回収装置により順次構成される反応系ユニットが2個連
結された多段反応系で、下記(a)ないし(b)の工程
によりα,β−不飽和ニトリルを製造し、第1段反応系
ユニットにおいては下記の工程(c)によりガス状流出
物を供給し、第2段反応系ユニットでは下記の工程
(d)によりガス状流出物を反応系外に排出することを
特徴とするα,β−不飽和ニトリルの製造方法。 (a)複合金属酸化物触媒を有する反応器に、炭素数3
〜8個のアルカンを4〜50vol%含有し、下記の組
成モル分率からなる反応ガスを供給し、アンモニアと気
相接触酸化反応させる工程; アルカン:アンモニア:酸素:希釈ガス=1:0.1〜
1.5:0.5〜3.5:0〜20 (b)該反応器から流出する反応器流出物より、反応生
成ニトリルを分離・回収する工程; (c)反応生成ニトリルを分離・回収後のガス状流出物
から、未反応アルカンを主体とするガス状成分を分離・
回収しないで、該ガス状流出物の30〜92vol%を
第1段反応器の工程(a)に循環し、残りの該ガス状流
出物を第2段反応器の工程(a)に供給する工程; (d)反応生成ニトリルを分離・回収後のガス状流出物
を反応系外に排出する工程; - 【請求項2】 請求項1記載の(a)の工程が、複合金
属酸化物触媒を有する反応器に、炭素数3〜8個のアル
カンを4〜50vol%含有し、下記の組成モル分率か
らなる反応ガスを供給し、かつ、供給した上流の反応器
のアルカンの反応量が下流の反応器のアルカンの反応量
よりも多くなる条件でアンモニアと気相接触酸化反応さ
せる工程であることを特徴とする請求項1記載のα,β
−不飽和ニトリルの製造方法。 アルカン:アンモニア:酸素:希釈ガス=1:0.1〜
1.5:0.5〜3.5:0〜20 - 【請求項3】 反応系ユニットが2個連結された反応系
で、反応器供給ガス中のアルカン濃度が、第1ユニット
の第1段反応器においては、第2ユニットの第2段反応
器より高く8〜50vol%であり、また、第2段反応
器は4〜25vol%であることを特徴とする請求項1
または2に記載のα,β−不飽和ニトリルの製造方法。 - 【請求項4】 反応系ユニットが2個連結された反応系
で、第1ユニットの反応器におけるアルカン転化率が2
0〜70%であり、また、第2ユニットの反応器のアル
カン転化率が70〜95%であることを特徴とする請求
項1ないし3のいずれかに記載のα,β−不飽和ニトリ
ルの製造方法。 - 【請求項5】 各反応系ユニットの反応器に新たに供給
するアルカンの60vol%以上を第1ユニットの反応
器に供給することを特徴とする請求項1ないし4のいず
れかに記載のα,β−不飽和ニトリルの製造方法。 - 【請求項6】 該反応に用いられる触媒が、モリブデ
ン、バナジウム、ニオブ、X、Zおよび酸素からなる複
合酸化物であって、その成分・組成が下記の一般式
(1)で表される化合物であることを特徴とする請求項
1ないし5のいずれかに記載のα,β−不飽和二トリル
の製造方法。 Mo1Va Nbb Xc Zd On (1) (式中、成分XはTeおよびSbから選ばれる少なくて
も1種類以上の元素、成分ZはW、Cr、Ta、Ti、
Zr、Hf、Mn、Re、Fe、Ru、Co、Rh、N
i、Pd、Pt、Cu、Ag、Zn、B、Al、Ga、
In、Ge、Sn、Pb、P、Bi、La、Ce、P
r、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、E
r、Tm、Yb、Lu、Sc、Yおよびアルカリ土類金
属から選ばれる少なくても1種類以上の元素であり、
a、b、c、d、nはMo1原子当たりの原子比を表
し、0.1≦a≦1、0.01≦b≦1、0.01≦c
≦1、0≦d≦0.1、そして、nは構成金属の酸化状
態で決まる数である。)
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JP11120922A JP2000309569A (ja) | 1999-04-28 | 1999-04-28 | α,β−不飽和ニトリルの製造方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN113877487A (zh) * | 2021-11-12 | 2022-01-04 | 江苏新河农用化工有限公司 | 一种间二甲苯氨氧化的流化床装置及方法 |
-
1999
- 1999-04-28 JP JP11120922A patent/JP2000309569A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN113877487A (zh) * | 2021-11-12 | 2022-01-04 | 江苏新河农用化工有限公司 | 一种间二甲苯氨氧化的流化床装置及方法 |
CN113877487B (zh) * | 2021-11-12 | 2024-04-02 | 江苏新河农用化工有限公司 | 一种间二甲苯氨氧化的流化床装置及方法 |
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