JP2000309454A - 給紙部における巻取紙の装着装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 巻取紙の装着位置合わせを迅速、かつ正確に
行う。 【解決手段】 フレーム９ａ，９ｂに回転可能に支持さ
れた回転軸５と、この回転軸に、これの軸方向に個別に
移動可能にして取り付けたアーム３ａ，３ｂと、巻取紙
の芯管の内径より小さな径を有するチャック本体２９
と、チャック本体から放射状に出没可能に設けられた複
数個の出没部材３０と、出没部材を同時に、かつ一斉に
出没変位させる出没駆動機構を備え、軸方向に対向する
一対の各アームの先端部に、軸方向に対向して設けた巻
取紙支持手段２３と、軸方向に対向する一対のアームを
貫通し、前記回転軸に回転可能に支持された雄ねじ部材
１８と、前記雄ねじ部材にねじ結合すると共に、対向す
る各アームに回転可能に、かつ軸方向に結合されて設け
た雌ねじ部材１３と、雌ねじ部材を個別に回転駆動する
雌ねじ駆動用モーター１６と、雄ねじ部材を回転駆動す
る雄ねじ駆動用モーター２２とを有する構成にした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、巻取紙の軸方向
両側を支持するアームがそれぞれ個別に巻取紙の軸方向
に移動可能であり、幅寸法（軸方向長さ）の異なる複数
の巻取紙を同時に装着可能にした巻取紙の装着装置で、
更に、装着した巻取紙をその軸方向位置を予め定めた位
置に正確に一致させうる位置合わせ可能にした巻取紙の
装着装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】幅寸法の異なる複数の巻取紙を同時に装
着できるようにした給紙部における巻取紙の装着装置と
しては、例えば、米国特許第１，９８０，８７９号明細
書（第１従来技術）に示されたもの、米国特許第３，３
２６，４８７号明細書（第２従来技術）に示されたも
の、及び特開平７−２８５７０９号公報（第３従来技
術）に示されたものが知られている。

【０００３】第１従来技術は、軸まわりの等分位置に、
軸方向に案内溝を設けたフレームを回転軸に設け、この
フレームの各案内溝に、その長手方向に沿って移動可能
にして長手方向に一対のアームを対向させて支持されて
いる。この軸方向に対向する両アームには、それぞれ対
向しない位置に雌ねじ部が設けてあり、このそれぞれの
雌ねじ部に、各案内溝にそって互いに平行に設けた一対
の各ねじ軸がそれぞれ個々にねじ結合されている。

【０００４】そしてこの各ねじ軸をそれぞれ個々に駆動
手段にて回転させることにより、前記各アームがそれぞ
れ個別に案内溝に沿って移動されて、この対向する両ア
ームの対向間隔が巻取紙の幅にあわせて調節できるよう
になっている。

【０００５】第２従来技術は、回転軸の軸方向の一端部
から略中央に達する位置まで、案内部材を回転軸と平行
に、かつ円周方向の等分位置に配して複数対設け、この
各案内部材に個々に回転軸と平行に移動可能にして移動
側のアームを支持し、回転軸の軸方向他側端部には、前
記各移動側のアームに対向する固定側のアームが回転軸
に固定して設けてある。更に、前記各対の案内部材の一
部には長手方向にラックが形成してあり、案内部材に支
持されたアームには、前記ラックと噛み合うピニオン
を、外部からの操作可能に設けている。

【０００６】そして、ピニオンを外部から操作すること
により、前記移動側のアームがそれぞれ個別に回転軸の
軸方向に個々に移動されて、軸方向に対向する一対のア
ームの間隔が巻取紙の幅に応じて任意に変えられるよう
になっている。

【０００７】第３従来技術は、給紙部の回転軸に対して
回転方向には移動不能にし、軸方向には独立して移動可
能取り付けたそれぞれが軸方向に対向する複数対のアー
ムと、各対のアームを回転軸の軸方向に同時に反対方向
に移動させるアクチュエーターと、アクチュエーターに
よる一対のアームの移動を同調させる同調装置と、この
同調装置を回転軸の軸方向に移動させるサイドレイ装置
を備えた構成になっている。更に、各アーム対の自由端
側には、先端が略円錐台形で、かつ基部が巻取紙の芯管
内径よりも太い形状の巻取紙支持手段が設けられてい
る。

【０００８】そして、アクチュエーターを作動させて各
対向するアーム対を同時に等量だけ開く方向に移動さ
せ、続いて同時に等量だけ閉じている方向に移動させる
ことにより、前記巻取紙支持手段間に巻取紙の芯管が強
く挟まれ、各アーム対ごとに、幅寸法の異なる巻取紙が
回転軸と平行に、かつ巻取紙の幅方向中央が装着装置の
略中央に位置するように支持されるようになっている。

【０００９】さらにサイドレイ手段を作動することによ
り、巻取紙の巻き状態などの相違によって生じる巻取紙
の側端位置のずれが、巻取紙を支持した状態の一対のア
ームを一体の状態で軸方向に移動して、軸方向の位置調
整ができるようになっている。

【００１０】

【発明が解決しようとする課題】前記各従来技術の、幅
寸法の異なる複数の巻取紙を同時に装着可能である給紙
部における巻取紙の装着装置にはそれぞれ以下のような
解決されるべき課題があった。

【００１１】第１従来技術による巻取紙の装着装置は、
一対のアームを一体の状態で移動する機構をもたないた
め、巻取紙を一対のアームで支持した状態で、その側端
を正しい位置に合わせるためには、対向する両アームを
個別に、しかも全く同期した状態で移動させる必要があ
り、理論的には可能でも、実際に行うことは殆ど不可能
であるという問題点があった。

【００１２】第２従来技術による、巻取紙の装着装置
は、巻取紙を支持する一対のアームの一方側が回転軸に
固定された共通アームであるため、装着装置に装着する
巻取紙の共通アーム側の側端位置を変更することができ
ないという問題点があった。また、装着装置に支持され
た巻取紙を各巻取紙ごとに個別に移動して細かな位置調
整をすることができなかった。

【００１３】第３従来技術による巻取紙の装着装置は巻
取紙の幅の変化に応じて対向する一対のアームを同時に
同量だけ対向方向に移動させて、巻取紙の幅が変化した
場合でも常にその中心位置がずれないようになってお
り、また、サイドレイ手段による移動量も小さいので、
巻取紙を装着装置の回転軸の軸方向のいずれか一方に寄
せて装着することができなかった。更に、巻取紙を支持
するにあたって、略円錐台形の巻取紙支持手段で芯管の
両側を強く挟むようにしているので、アームに反力が作
用し、回転軸への取り付け部に無用な力が作用し、サイ
ドレイ手段による位置調整のための移動に大きなトルク
を要すると共に、装着装置の耐久性を低くし、寿命を短
くする恐れがあった。

【００１４】そこで本発明の目的は前述した各従来技術
における様々な課題を解消し、巻取紙の装着位置合わせ
を、迅速、かつ正確に行うことができるようにした巻取
紙の装着装置を提供することにある。

【００１５】すなわち、詳細には、幅寸法の異なる巻取
紙を、先に装着されている巻取紙の幅寸法及び装着位置
にかかわらず、回転軸の軸方向における所望の位置に装
着可能であると共に、巻取紙を装着した状態で回転軸の
軸方向の略全域にわたって装着位置を移動可能であり、
かつ装着した巻取紙の装着位置を細かく調整することが
可能である巻取紙の装着位置を提供することにある。

【００１６】また、前記装着装置において、巻取紙を装
着するため、及び装着位置を移動変更するための作動機
構が極めて簡素である巻取紙の装着装置を提供すること
にある。

【００１７】更に、前記装着装置において、巻取紙を支
持するにあたって、巻取紙を支持するアームに無用な力
の作用することがない巻取紙の装着装置を提供すること
にある。

【００１８】更に加えて、装着した巻取紙の装着位置
を、自動的に適正な位置に移動調整することができる巻
取紙の装着装置を提供することにある。

【００１９】

【課題を解決するための手段】請求項１に記載の発明
は、複数の支持部に巻取紙を支持し、先行使用の巻取紙
の消費に従って順次紙継ぎ可能である給紙部において、
間隔をおいて対向する２つのフレームに回転可能に支持
された回転軸と、この回転軸に、これの軸方向に個別に
移動可能に、かつそれぞれを軸方向に対向させて取り付
けた複数対のアームと、巻取紙の芯管の内径により小さ
な径を有するチャック本体と、チャック本体から放射状
に出没可能に設けられた複数個の出没部材と、出没部材
を同時に、かつ一斉に出没変位させる出没駆動機構を備
え、軸方向に対向する一対の各アームの先端部に、軸方
向に対向して設けた巻取紙支持手段と、軸方向に対向す
る一対の両アームを貫通し、前記回転軸に回転可能に支
持された雄ねじ部材と、前記雄ねじ部材にねじ結合する
と共に、対向する各アームに回転可能に、かつ軸方向に
結合されて設けた雌ねじ部材と、雌ねじ部材を個別に回
転駆動する雌ねじ駆動用モーターと、雄ねじ部材を回転
駆動する雄ねじ駆動用モーターとを有する構成になって
いる。

【００２０】また、請求項２に記載の発明は、前記請求
項１に記載の構成において、軸方向に対向する一対のア
ームが、この各アームの先端部に設けた巻取紙支持手段
がアーム間に供給された巻取紙と干渉しない装着準備位
置に位置したことを検出する装着準備位置検出手段と、
軸方向に対向する一対のアームが、この各アームの先端
部に設けた巻取紙支持手段がアーム間に位置する巻取紙
を支持する装着位置に位置したことを検出する装着位置
検出手段と、前記一対の各アームに回転可能に結合され
た雌ねじ部材を回転駆動する雌ねじ駆動用モーターの動
作を装着準備位置検出手段と装着位置検出手段からの検
出結果に基づいて制御する制御回路とを有する構成にな
っている。

【００２１】また、請求項３に記載の発明は、前記請求
項１に記載の構成において、両アームにて支持される巻
取紙の少なくとも一方の側端面と、これに対向する少な
くとも一方のアームとの距離を検出する距離検出手段
と、雄ねじ駆動用モーターの動作を前記距離検出手段の
検出結果に基づいて制御する制御回路とを有する構成に
なっている。

【００２２】さらに、請求項４に記載の発明は、前記請
求項１に記載の構成において、軸方向に対向する一対の
アームが、この各アームの先端部に設けた巻取紙支持手
段がアーム間に供給された巻取紙と干渉しない装着準備
位置に位置したことを検出する装着準備位置検出手段
と、軸方向に対向する一対のアームが、この各アームの
先端部に設けた巻取紙支持手段がアーム間に位置する巻
取紙の芯管に挿入されて巻取紙を支持する装着位置に位
置したことを検出する装着位置検出手段と、両アームに
て支持される巻取紙の少なくとも一方の側端面と、これ
に対向する少なくとも一方のアームとの距離を検出する
距離検出手段と、雌ねじ駆動用モーターの動作を、前記
装着準備位置検出手段と装着位置検出手段の検出信号に
基づいて制御すると共に、雄ねじ駆動用モーターの動作
を、前記距離検出手段の検出信号に基づいて制御する制
御回路とを有する構成となっている。

【００２３】

【作 用】装着準備位置にある両アームの間に巻取紙を
位置させ、ついで両アームを装着位置に移動して、これ
の巻取紙支持手段のチャック本体を巻取紙の芯管の中に
挿入し、出没部材を突出作動して出没部材を巻取紙の芯
管内面に強く押しつけることにより、巻取紙が両アーム
に支持される。前記両アームは雌ねじ駆動用モーターに
より個々に移動され、雄ねじ駆動用モーターにより両者
一体になって移動される。

【００２４】両アームのそれぞれの装着準備位置は装着
準備位置検出手段にて検出され、これの検出手段の検出
結果に基づいて制御する制御手段にて前雌ねじ駆動用モ
ーターが制御されて、各アームが個々に移動される。

【００２５】また、両アームにて支持された巻取紙の少
なくとも一方の側端面と一方のアームとの間の距離が距
離検出手段にて検出され、この検出値に基づいて制御す
る制御手段にて雄ねじ駆動用モーターが制御されて両ア
ームが一体状に移動され、巻取紙の位置が調整される。

【００２６】

【発明の実施の形態】以下、図面を参照してこの発明の
実施の形態について説明する。図１は印刷機の給紙部に
おける巻取紙の装着装置の全体を手前側のフレームを省
略して概略的に示す正面図、図２は巻取紙の装着装置の
要部を示す一部破断面図であり、図３は図２のＡ−Ａ線
に沿う断面構造を概略的に示す断面図、図４はエクスパ
ンドチャック装置の構成を示す断面図、図５は図４のＢ
−Ｂ線断面図である。そして図６は装着される巻取紙の
幅の異なる種類と装着位置の変化及びアーム位置制御の
手段を示す説明図、図７は巻取紙を装着装置の幅方向中
央に装着する場合の制御手段を示す説明図である。

【００２７】図１において、１は印刷部、２はこの印刷
部１にウエブ紙を供給する給紙部に設置される巻取紙の
装着装置である。この装着装置２は放射方向に複数、例
えば２対の支持アーム３，４が回転軸５に設けてあり、
この各支持アーム３，４に巻取紙６ａ，６ｂが回転可能
に支持されていて、そのうちの一方の巻取紙６ｂから多
数のガイドローラー７，７…を経て前記印刷部１へウエ
ブ紙を給紙されるようになっている。そしてウエブ紙を
供給している方の巻取紙６ｂが消費されて所定の残量に
なると、回転軸５が回転して新しい方の巻取紙６ａが給
紙位置に移動すると共に、紙継装置８にて紙継して新し
い方の巻取紙６ａから引き続いてウエブ紙が供給される
ようになっている。

【００２８】この発明は前記した巻取紙の装着装置２に
係るもので、以下にその構成及び作用を図２及び図３を
参照して具体的に説明する。

【００２９】回転軸５は両端を前後のフレーム９ａ，９
ｂに回転可能に支持されていると共に、図示しない回転
駆動手段に連結されている。回転軸５の前記両フレーム
９ａ，９ｂより内側部分の断面形状は略四角形になって
いて、軸直角方向の両側の各辺に２本ずつのレール１０
ａ，１０ａ′及び１０ｂ，１０ｂ′が軸方向に平行に設
けてある。この各辺のレール１０ａ，１０ａ′，１０
ｂ，１０ｂ′には、軸方向に離間する２個ずつの移動プ
レート１１ａ，１１ｂ，１１ａ′，１１ｂ′，１２ａ，
１２ｂ，１２ａ′，１２ｂ′が移動可能に装着されてい
る。

【００３０】そして一方の辺側の軸方向一方の移動プレ
ート１１ａ，１１ｂに一方の支持アーム３を構成する軸
方向に対向する対向一対の一方のアーム３ａが、また軸
方向他方の移動プレート１１ａ′，１１ｂ′に他方のア
ーム３ｂのそれぞれの基端部が固着されており、他方の
辺側の軸方向一方の移動プレート１２ａ，１２ｂに他方
の支持アーム４を構成する軸方向に対向する対向一対の
一方のアーム４ａが、また軸方向他方の移動プレート１
２ａ′，１２ｂ′に他方のアーム４ｂのそれぞれの基端
部が固着されている。

【００３１】各対向一対のアーム３ａ，３ｂ及び４ａ，
４ｂの回転軸５の軸心から同一位置に回転軸５の軸方向
に貫通する穴が設けてあり、この各穴に雌ねじ部材１３
が回転可能に、かつ軸方向に移動しないようにして嵌め
合わされている。そしてこの各雌ねじ部材１３には従動
ギヤー１４が一体に設けてあり、この各従動ギヤー１４
に各アーム側に支持された駆動ギヤー１５が噛み合って
いる。また各駆動ギヤー１５は同じく各アームにブラケ
ットを介して支持された雌ねじ駆動用モーター１６の出
力軸にトルクリミッター１７を介して連結されている。

【００３２】前記各対向一対のアーム３ａ，３ｂ及び４
ａ，４ｂの対向する各対向の雌ねじ部材１３，１３に雄
ねじ部材１８がねじ込み貫通されている。この各雄ねじ
部材１８，１８の両端部が回転軸５に固着された支持ブ
ラケット２０ａ，２０ｂに回転可能に支持されている。
そしてこの各雄ねじ部材１８，１８の一端はトルクリミ
ッター２１，２１を介して回転軸５側に支持された雄ね
じ駆動用モーター２２の出力軸に連結されている。

【００３３】各対の支持アーム３，４の各アーム３ａ，
３ｂ及び４ａ，４ｂの先端部には、回転軸５の軸心から
同一位置で、かつ回転軸５の軸方向に対向して巻取紙支
持手段であるエクスパンドチャック装置２３が、それぞ
れ対向内側に支持部を突出して設けてある。

【００３４】この各エクスパンドチャック装置２３は各
アームにおいて同一構成であるので、１つのアーム３ａ
におけるエクスパンドチャック装置２３を図４、図５に
て説明する。

【００３５】アーム３ａには軸方向に離間して第１、第
２の保持部材２４ａ，２４ｂが軸受を介して回転可能に
支持されており、この両保持部材２４ａ，２４ｂに摺動
軸２５が軸方向に摺動可能に、かつ回転方向に結合して
支持されている。

【００３６】アーム３ａには両保持部材２４ａ，２４ｂ
の間に空間２６が設けてあり、この空間２６内に、前記
摺動軸２５を囲繞するエアーシリンダー２７がアーム３
ａに固着して設けてある。エアーシリンダー２７内に設
けたピストン２８に摺動軸２５が回転可能に、かつ軸方
向に一体となるようにして結合されていて、エアーシリ
ンダー２７にエアーを作用することによりピストン２８
を介して摺動軸２５が回転可能な状態で所定のストロー
クにわたって摺動するようになっている。

【００３７】アーム３ａの対向内側に位置する第１の保
持部材２４ａにチャック本体２９が、保持部材２４ａよ
り対向内側へ突出して設けてある。チャック本体２９は
円筒状になっていて、これの円筒部には半径外側へ変形
可能にした舌片状の出没部材３０が放射状に複数個設け
てある。この各出没部材の内側形状は斜面状になってい
る。

【００３８】摺動軸２５のアーム３ａの対向内側の端部
にはテーパーカム部材３１が結合してあり、このテーパ
ーカム部材３１が前記チャック本体２９の出没部材３０
の内側に対向し、テーパーカム部材３１が突出方向に移
動することにより各出没部材３０が半径方向外側へ変位
してチャック本体２９の外接円が大きくなるようになっ
ている。テーパーカム部材３１と出没部材３０とはアリ
溝結合又は出没部材３０の半径方向変位において同等の
作用が得られるように結合されている。

【００３９】チャック本体２９の根本部に、チャック本
体２９より大径にした段部が設けてあり、これの段端面
がエクスパンドチャック装置２３の基端面３２となって
いる。

【００４０】以上の構成において、各支持アーム３，４
を構成する各アーム３ａ，３ｂ及び４ａ，４ｂはレール
１０ａ，１０ａ′，１０ｂ，１０ｂ′を介して回転軸５
の軸方向に移動可能に支持される。そして各アームにお
ける雌ねじ駆動用モーター１６にて雌ねじ部材１３を回
転することにより、各アーム３ａ，３ｂ及び４ａ，４ｂ
は雄ねじ１８に沿って独立して移動される。

【００４１】また各支持アーム３，４の雄ねじ部材１
８，１８を雄ねじ駆動用モーター２２にて回転すること
により、各対のアーム３ａ，３ｂ及び４ａ，４ｂが一体
状になって軸方向に移動される。

【００４２】従って、例えば、図２において、一方の支
持アーム３に幅がＬの新しい巻取紙６ａを装着する場合
には、両アーム３ａ，３ｂのエクスパンドチャック装置
２３，２３の対向先端間隔が前記巻取紙６ａの幅Ｌより
広くなる間隔（装着準備位置）に両アーム３ａ，３ｂを
移動する。ついで、両アーム３ａ，３ｂのエクスパンド
チャック装置２３，２３間に巻取紙６ａを位置させ、各
アーム３ａ，３ｂを対向内側方向に移動させてエクスパ
ンドチャック装置２３，２３のチャック本体２９を予め
定めた長さだけ巻取紙６ａの芯管内に挿入する。

【００４３】ついでエアーシリンダー２７を作動して摺
動軸２５を移動してこれの円錐カム部材３１を出没部材
３０内に突出する。これにより出没部材３０が半径方向
外側へ変形して巻取紙６の芯管内面に強く押しつけら
れ、これにより巻取紙６ａがエキスパンドチャック装置
２３にチャッキングされ、巻取紙６ａは、支持アーム３
に回転可能に支持される。

【００４４】この状態で雄ねじ駆動用モーター２２にて
雄ねじ部材１８を回転することにより、両アーム３ａ，
３ｂからなる支持アーム３の全体が軸方向に移動され、
巻取紙６ａの位置合わせが行われる。

【００４５】巻取紙６ａ，６ｂは種々の幅のものが用い
られている。すなわち図６に示すように、例えば一方の
支持アーム３の一対のアーム３ａ，３ｂにて支持される
巻取紙において、１頁の幅がＰである新聞４頁分の幅４
Ｐを有する第１の巻取紙Ａ、新聞３頁分の幅を３Ｐを有
する第２の巻取紙Ｂ、新聞２頁分の幅２Ｐを有する第３
の巻取紙Ｃ等がある。

【００４６】そして幅の一番広い第１の巻取紙Ａを正規
の位置に装着したときの、この第１の巻取紙Ａの両端位
置を両側の標準位置Ｌａ，Ｌｂとする。第１の巻取紙Ａ
より狭い第２、第３の巻取紙Ｂ，Ｃの装着位置としては
図６に示すように、各巻取紙Ｂ，Ｃの図において左端を
第１の標準位置Ｌａに一致させて装着する場合と、右端
を第２の標準位置Ｌｂに一致させて装着する場合があ
る。また、そのほかに、第２、第３の巻取紙Ｂ，Ｃの各
中間を装着装置２の軸方向中間点０と一致させて装着す
る場合がある。

【００４７】まず、第２、第３の巻取紙Ｂ，Ｃをそれぞ
れの側端を一方の標準位置Ｌａ，（Ｌｂ）に一致させて
装着する場合を説明する。

【００４８】図６に示すアーム３ａ，３ｂの位置は第１
の巻取紙Ａを装着する際の装着準備位置にある場合であ
る。すなわちアーム３ａ，３ｂは、エクスパンドチャッ
ク装置２３の基端面３２がエクスパンドチャック装置２
３のチャック本体２９の長さＳとクリアランスＴを加え
た長さである準備代Ｎだけ標準位置Ｌａ，Ｌｂから離隔
した位置にあり、この位置を第１の装着準備位置Ａａ，
Ａｂとする。そして各アーム３ａ，３ｂには、第２、第
３の巻取紙Ｂ，Ｃが第１、第２の各標準位置Ｌａ，Ｌｂ
に側端を一致させて装着した各場合における装着準備位
置となる第２、第３の装着準備位置Ｂａ，Ｂｂ，Ｃａ，
Ｃｂがある。

【００４９】また、各アーム３ａ，３ｂの位置は、前記
各装着準備位置Ａａ，Ａｂ，Ｂａ，Ｂｂ，Ｃａ，Ｃｂの
位置から（Ｎ−Ｙ）だけ対向方向に前進してエクスパン
ドチャック装置の基端面３２が各巻取紙Ａ，Ｂ，Ｃの端
面から予め定めた距離Ｙだけ離れた状態でチャッキング
する第１、第２、第３の装着位置Ａａａ，Ａｂｂ，Ｂａ
ａ，Ｂｂｂ，Ｃａａ，Ｃｂｂがある。

【００５０】各アーム３ａ，３のそれぞれの基部には、
２個のすなわち第１、第２のリミットスイッチ３５ａ，
３５ｂ，３６ａ，３６ｂが設けてある。

【００５１】一方、回転軸５に取り付けられてアーム３
ａ，３ｂを案内する２本のレール１０ａ，１０ａ′のう
ち一方のレール１０ａの軸方向両側部には、各アーム３
ａ，３ｂが第１、第２、第３の各装着準備位置Ａａ，Ｂ
ａ，Ｃａ及びＡｂ，Ｂｂ，Ｃｂに位置したときに前記第
１のリミットスイッチ３５ａ，３５ｂの接触子に当接し
てこれをＯＮにするための準備位置用の固定カム３７
ａ，３７ｂ，３７ｃ及び３７ｄ，３７ｅ，３７ｆが回転
軸５の軸方向両側端側から順次新聞紙の１頁分の間隔Ｐ
をあけて設けてある。

【００５２】また、他方のレール１０ａ′の軸方向両側
部には、各アーム３ａ，３ｂが第１、第２、第３の各装
着位置Ａａａ，Ｂｂｂ，Ｃａａ及びＡｂｂ，Ｂｂｂ，Ｃ
ｃｃに位置したときに前記第２のリミットスイッチ３６
ａ，３６ｂの接触子に当接してこれをＯＮにするための
装着位置用の固定カム３８ａ，３８ｂ，３８ｃ及び３８
ｄ，３８ｅ，３８ｆが回転軸５の軸方向両側端側から順
次新聞紙の１頁分の間隔Ｐをあけて設けてある。

【００５３】なお、アーム３ａ，３ｂを停止させる巻取
紙の装着準備位置は、装着しようとする巻取紙の幅に整
合させて、雌ねじ駆動用モータ１６の作動を制御する制
御手段（図示せず）に連結された指定手段（図示せず）
によって指定するように構成されている。

【００５４】前記指定手段は、作業者が手動操作して指
定する形態であっても、また巻取紙の幅を自動検出し、
その検出結果に基づいて自動的に指定する形態であって
もよい。

【００５５】なお、アーム３ａ，３ｂが初期位置である
装着準備位置Ａａ，Ｂａ，Ｃａ，Ａｂ，Ｂｂ，Ｃｂに位
置したことを検出する装着準備位置検出手段、及びアー
ム３ａ，３ｂを巻取紙に連結する位置である装着位置Ａ
ａａ，Ｂａａ，Ｃａａ，Ａｂｂ，Ｂｂｂ，Ｃｂｂに位置
したことを検出する装着位置検出手段は、前記リミット
スイッチとこれを作動させる固定カムとを組み合わせた
構成に限定されるものではない。

【００５６】他の構成例としては、例えば、前記各アー
ム３ａ，３ｂの雌ねじ部材１３の回転に伴ってパルス信
号を出力するように設けたパルス出力手段（図示せず）
を介して雌ねじ部材１３の回転量を検出するようにし、
アーム３ａ，３ｂが適宜に定めた基準位置から装着準備
位置Ａａ，Ｂａ，Ｃａ，Ａｂ，Ｂｂ，Ｃｂまたは装着位
置Ａａａ，Ｂａａ，Ｃａａ，Ａｂｂ，Ｂｂｂ，Ｃｂｂに
移動するために必要である予め定めた回転量に相当する
数のパルス信号が出力されるだけ、雌ねじ部材１３を回
転させて制御するように構成してもよい。

【００５７】また、装着準備位置検出手段を前記リミッ
トスイッチと固定カムとを組み合わせた構成とし、装着
位置検出手段を前記パルス出力手段（図示せず）を介し
て雌ねじ部材１３の回転量を制御する構成にしたり、装
着準備位置検出手段を前記パルス出力手段（図示せず）
を介して雌ねじ部材１３の回転量を制御する構成とし、
装着位置検出手段を前記リミットスイッチと固定カムと
を組み合わせた構成としてもよい。

【００５８】アーム３ａ，３ｂの先端部には、各アーム
３ａ，３ｂのエクスパンドチャック装置２３に装着され
た巻取紙６ａ，６ｂの側端と対向する位置に、巻取紙６
ａ，６ｂの側端面までの距離を検出する側端検出センサ
ー３９ａ，３９ｂが設けてある。

【００５９】この側端検出センサー３９ａ，３９ｂに
は、例えば、レーザー式の変位センサーを用いる。この
変位センサーは、受光位置によって出力電圧が略直線的
に変化する光検出素子を利用して三角測量を応用するも
ので、投光レンズを通して集光した発光素子の出力光を
巻取紙６ａ，６ｂの側端面に照射し、その拡散反射光の
所定角反射成分を受光レンズを通して光検出素子上にス
ポット受光するようにしている。

【００６０】光検出素子上のスポット受光位置は、変位
センサーから巻取紙の側端面までの距離の相違に対応し
て相違し、その結果、光検出素子の出力電圧が相違する
ので、この光検出素子の出力電圧信号を処理することに
より、変位センサーから巻取紙６ａ，６ｂの側端面まで
の距離を求めることができる。

【００６１】以上の構成において、巻取紙の装着装置に
指定された例えば巻取紙Ａを装着する場合の作用を図２
及び図６を用いて説明する。

【００６２】図示しない指定手段にてアーム３ａ，３ｂ
に装着する巻取紙Ａを指定する。これにより、アーム３
ａ，３ｂを停止させる第１の装着準備位置Ａａ，Ａｂが
指定される。その後、制御手段を介して各アーム３ａ，
３ｂの雌ねじ駆動用モーター１６，１６が作動して各雌
ねじ部材１３，１３が回転し、各アーム３ａ，３ｂが互
いに離隔する方向に移動され、一度第１の装着準備位置
Ａａ，Ａｂを越えて、その外側に設定された各アーム３
ａ，３ｂの初期位置（図示せず）に至り、ここで各雌ね
じ駆動用モータ１６，１６が停止され、アーム３ａ，３
ｂの動きが停止される。続いて、制御手段を介して各ア
ーム３ａ，３ｂの雌ねじ駆動用モータ１６，１６が前記
とは逆転作動されて各雌ねじ部材１３，１３が逆回転さ
れ、各アーム３ａ，３ｂがが互いに接近する方向に移動
され、この各アーム３ａ，３ｂが第１の装着準備位置Ａ
ａ，Ａｂにきたときに、リミットスイッチ３５ａ，３５
ｂが第１の準備位置用の固定カム３７ａ，３７ｂに接触
して停止する。この状態が図６に示される。

【００６３】アーム３ａ，３ｂのそれぞれが第１の装着
準備位置Ａａ，Ａｂに移動されて停止したことを図示し
ない適宜の検出手段にて検出した後、巻取紙集積部から
ここに待機されている巻取紙Ａが無軌道の無人搬送車
（図示せず）により給紙部に搬送されて供給される。す
なわち、巻取紙Ａが無人搬送車によりアーム３ａ，３ｂ
の間で、かつエクスパンドチャック装置２３，２３の軸
心と一致する位置に停止される。

【００６４】ついで、雌ねじ駆動用モーター１６，１６
を回転して、アーム３ａ，３ｂを互いに接近方向に（Ｎ
−Ｙ）だけ移動し、これらのエクスパンドチャック装置
２３，２３のチャック本体２９，２９を巻取紙Ａの芯管
内に挿入する。そして各エクスパンドチャック装置２
３，２３の基端面３２が巻取紙Ａの各側端面からＹだけ
離れた位置である装着位置Ａａａ，Ａｂｂにきたときに
第２のリミットスイッチ３６ａ，３６ｂが固定カム３８
ａ，３８ｄに接触し、各雌ねじ駆動用モーター１６，１
６が停止してアーム３ａ，３ｂの動きが停止される。

【００６５】このとき、装着準備位置Ａａ，Ａｂにある
アーム３ａ，３ｂの間に供給された巻取紙Ａの供給位置
が、軸方向に比較的大きくずれていた場合、装着位置Ａ
ａａ，Ａｂｂへ移動する両アーム３ａ，３ｂの一方のア
ームのエクスパンドチャック装置２３の基端面３２が所
定のストローク（Ｎ−Ｙ）だけ移動する前に、先に巻取
紙Ａの側端面に当接してしまうことがある。

【００６６】この場合、先に巻取紙Ａの側端面にエクス
パンドチャック装置２３の基端面３２が当接した方のア
ームを駆動する雌ねじ駆動用モーターに過大なトルクが
負荷されるので、トルクリミッター１７により動力伝達
が絶たれ、このモーターは空転する。そしてこの空転す
る雌ねじ駆動用モーターは図示しない過熱防止装置のセ
ンサーから出力される信号によって停止する。

【００６７】そしてこの過熱防止装置から出力される信
号によって少なくとも一方の雌ねじ駆動用モーター１６
が停止たときには、制御手段は、巻取紙Ａの供給が正常
でなかったとして、供給異常信号を出力すると共に、巻
取紙Ａを供給するための前記装着装置への供給動作を繰
り返す。この場合、巻取紙Ａは、別の無人搬送車による
別の巻取紙Ａに替えるなどして、その供給位置が変更さ
せられる。

【００６８】アーム３ａ，３ｂの、装着準備位置Ａａ，
Ａｂから装着位置Ａａａ，Ａｂｂへの移動が正常に行わ
れて両雌ねじ駆動用モーター１６，１６が停止すると、
続いて図４におけるエアーシリンダー２７の一方の穴に
エアーが供給されてピストン２８が対向方向へ移動し、
これにより摺動軸２５が対向方向に移動し、この摺動軸
２５の先端に設けたテーパーカムカム部材３１により出
没部材３０が半径方向外側へ拡張変形してこれが巻取紙
６ａの芯管の内壁に押し付けられて、巻取紙６ａはエク
スパンドチャック装置２３，２３にて支持される。前記
出没部材３０の拡張終了時には拡張終了信号が出力され
る。

【００６９】このようにして、新しい巻取紙６ａは支持
アーム３の両アーム３ａ，３ｂの先端部にチャック装置
２３，２３を介して回転自在に支持される。そして、そ
の後、エクスチャンバチャック装置２３，２３の出没部
材３０の拡張終了信号により、無人搬送車のリフターは
下降する。

【００７０】なお、このときにおいて、前記したように
支持アーム３の一対のアーム３ａ，３ｂはリミットスイ
ッチ３６ａ，３６ｂと固定カム３８ａ，３８ｂとが接触
して装着位置Ａａａ，Ａｂｂの位置に停止している。従
ってこのアーム３ａ，３ｂが装着準備位置Ａａ，Ａｂに
あったとき、２つのアーム３ａ，３ｂの間に巻取紙６ａ
が少しのずれもなく正確な位置に供給されていれば、こ
の巻取紙６ａの両側端面が標準位置Ｌａ，Ｌｂに位置さ
れて、この巻取紙６ａは標準位置にセットされたことに
なる。

【００７１】しかしながら、巻取紙６ａを無人搬送車に
載置するときの僅かなずれや、無人搬送車の誘導走行に
おける僅かなずれが原因となって、アーム３ａ，３ｂの
エクスパンドチャック装置２３，２３に対して巻取紙６
ａが正しい位置に装着されない、すなわち、巻取紙６ａ
の両側端面が標準位置Ｌａ，Ｌｂに位置しない状態で両
アーム３ａ、３ｂに支持されてしまうことがある。

【００７２】このため、前記した巻取紙６ａの装着作用
の終了時に、このときのアーム３ａ，３ｂの位置に対す
る巻取紙６ａの側端面間の距離を測定して、このとき巻
取紙６の装着位置がアーム３ａ，３ｂに対して正しい位
置に装着されているかどうかを検査する。

【００７３】すなわち、支持アーム３の両アーム３ａ，
３ｂが巻取紙装置位置Ａａａ，Ａｂｂにあるときにおい
て、エクスパンドチャック装置２３，２３の拡張終了信
号で図示しないタイマーが作動して所定時間計時し、こ
れの計時完了信号を作動信号として、アーム３ａ，３ｂ
の先端部に互いに対向して設けた側端検出センサー３９
ａ，３９ｂの検出信号を図示しない制御装置が取り込
む。

【００７４】制御装置は、取り込んだ側端検出センサー
３９ａ，３９ｂの検出信号により、指定された標準位置
Ｌａ，Ｌｂに対して許容範囲にあるか否かを求めこれが
許容範囲から外れているときには、雄ねじ駆動用モータ
ー２２を作動させて支持アーム３全体を回転軸５に対し
てこれの軸方向（巻取紙の幅方向）に移動して巻取紙６
ａの側端面を標準位置Ｌａ，Ｌｂに合わせる。

【００７５】すなわち、制御装置は、図７に示すように
巻取紙Ａを装着して装着位置Ａａａ，Ａｂｂにある巻取
紙Ａの例えば一方の側端の標準位置Ｌａ側にある、リミ
ットスイッチ３６ａと固定カム３８ｂにて位置設定され
た一方のアーム３ａに設けた側端検出センサー３７ａの
出力電圧信号を処理し、側端検出センサー３７ａから巻
取紙Ａの側端面までの実際の距離Ｕを求める。つぎに、
この距離Ｕと、この側端検出センサー３７ａから巻取紙
Ａの側端面間の距離で予め定められた標準距離Ｖとの差
Ｗを求める。そしてこの差Ｗが予め定められた許容範囲
にあるか否かを判定する。そしてその判定結果が「否」
であるときは、雄ねじ駆動用モーター２２を回転作動し
て雄ねじ部材１８を回転し、支持アーム３全体を前記位
置の差Ｗの半分だけ一方へ移動する。この場合、モータ
ー２２の回転方向は前記差Ｗが正値か負値かによって決
定される。雄ねじ駆動用モーター２２の前記差Ｗに相当
する回転量は制御装置にて制御される。

【００７６】前記動作によって巻取紙Ａは標準位置Ｌ
ａ，Ｌｂに装着される。このときの巻取紙６ａの側端面
位置の調整は巻取紙Ａの側端面の標準位置が常時一方
側、例えばアーム３ａ側であるときには、側端検出セン
サーは一方側のアーム３ａにのみ設ければ十分である。

【００７７】また、輪転機の幅が狭い場合、輪転機で使
用する巻取紙の幅が前記した実施の形態の場合程大きな
相違はないものの若干の相違がある場合、輪転機で印刷
する印刷機が多種にわたる場合などには、各幅の巻取紙
を装着すべき位置の幅方向の中心位置Ｃ１，Ｃ２，Ｃ
３，Ｃ４，Ｃ５（図６参照）を新しい巻取紙の幅方向の
中心の標準位置と定め、この各標準位置にアーム３ａ，
３ｂに装着する巻取紙の幅方向の中心位置を合わせる場
合がある。

【００７８】この場合、図７において、制御装置は、一
対のアーム３ａ，３ｂに設けた側端検出センサー３７
ａ，３７ｂの出力電圧信号を処理し、側端検出センサー
３７ａ，３７ｂのそれぞれから各個が対向する新しい巻
取紙の側端面までの距離、つまりアーム３ａ，３ｂのそ
れぞれの装着位置から巻取紙Ａの各アーム３ａ，３ｂに
対向する側端までの距離Ｕ，Ｕ′を求め標準位置である
巻取紙Ａを装着すべき位置の中心位置、例えばＣ３の位
置に対するアーム３ａ，３ｂに装着した巻取紙６ａの幅
方向の中心位置とのずれ量Ｘを、 Ｘ＝（Ｕ＋Ｕ′）／２−Ｕ、 または Ｘ＝（Ｕ＋Ｕ′）／２−Ｕ′、 で求める。すなわち、例えばＵが５，Ｕ′が７であった
場合（単位を省略する）、 Ｘ＝（５＋７／２）−５＝１ または Ｘ＝（５＋７／２）−６＝−１ となり、ずれ量は１または−１となる。このずれ量が予
め定められた許容範囲内にあるか否かを判定する。なお
Ｘの正負はそのずれ方向を示す。

【００７９】そして、このときの判定結果が「否」であ
るときは、雄ねじ駆動モーター２２を回転作動させて、
巻取紙Ａを装着した状態のアーム３ａ，３ｂを同時、か
つ一斉に、両測定値Ｕ，Ｕ′のうちの大きい方側へＸだ
け移動し、新しい装着したばかりの巻取紙６ａの側端面
を標準位置に合わせる。この場合、雄ねじ駆動用モータ
ー２２の回転の方向は、前記ずれ量Ｘが前記いずれの式
によって求められたものでるか、及び前記ずれ量Ｘが正
値か負値かによって決定される。

【００８０】前記いずれの巻取紙の装着位置調整の場合
も、その調整した量、すなわちアーム３ａ，３ｂの移動
量は、雄ねじ駆動用モーター２２によって駆動回転され
る雄ねじ部材１８の回転量を追跡して、すなわち、雄ね
じ部材１８の回転にともなってパルス出力する図示しな
い適宜のパルス出力手段の出力信号を制御手段にフィー
ドバックし、この信号によって雄ねじ部材１８は回転量
を追跡して制御する。

【００８１】このように、一方の巻取紙６ａの装着位置
調整を予め定めた標準位置に対して行うようにしたの
で、他方の支持アーム４に支持された他方の巻取紙６ｂ
に無関係に新しい巻取紙６ａの装着位置調整を行うこと
ができる。

【００８２】また、制御手段による処理が簡素であるの
で、制御における電気的誤差が極めて僅かである。更
に、装着位置調整のためのアーム３ａ，３ｂの移動を、
１つの雄ねじ部材１８を回転することのみによって行う
ようにしたので、機械的構成が簡素単純になり移動にお
ける機械的な誤差が極めて僅かであると共に、移動の動
作が円滑である。

【００８３】なお、請求項１乃至請求項３の発明では、
制御手段の全部または一部の作用を欠くため、作業員が
目視によってスイッチ操作を行う必要がありうるので、
新しい巻取紙６ａの装着や、装着した新しい巻取紙６ａ
の装着位置調整の全部または一部を行うのに、請求項４
の発明の場合より若干多めの時間を要する。しかし、請
求項１乃至請求項３の発明は、なお前記従来の技術がか
かえていた課題を解決し得るものである。

【００８４】

【発明の効果】この発明は以上記載した通りであるの
で、この発明の実施により、複数対設けた支持アームの
各対のアームごとに、それぞれ相違する幅寸法の巻取紙
を他の巻取紙とは無関係に、給紙部の巻取紙の装着領域
の中央寄り、左右いずれか寄りなど、との位置にでも
（自動制御部の場合は、あらかじめ定めた位置のなかの
どの位置にでも）装着することができる。

【００８５】更に、この装着した巻取紙を、他の巻取紙
と無関係に移動して、正しい装着位置となるよう位置調
整することが極めて容易に行うことができる。

【００８６】また、前記各アーム対への巻取紙の装着及
び装着した巻取紙の装着位置調整のため各アームの移動
を、各アームを貫通する雄ねじ部材と、雄ねじ部材にね
じ結合して各アームに設けた雌ねじ部材とからなる構成
にて行わせるようにしたので、部品点数を少なくでき、
製造コストを低くすることができると共に、作動部の故
障頻度を小さくし、また保守も極めて容易にすることが
できる。

【００８７】また、装着した巻取紙を支持する巻取紙支
持手段が、巻取紙の芯管の両側を強く挟むことによって
巻取紙と一体に連結されるのではなく、巻取紙の両端に
おいて、巻取紙の芯管内周面の等分割位置に強くかつ等
しく接触することによって巻取紙と一体に連結される構
成としたので、支持アームを構成する一対のアームの取
り付け部に無用な力が作用しない。その結果アーム、モ
ーターなど巻取紙の装着装置の耐久性を高くすることが
できる。

【００８８】そして、新しい巻取紙の装着位置調整を予
め定めた標準位置に対して行うようにしたので、旧巻取
紙に無関係に新巻取紙の装着位置調整を行うことができ
る。

【００８９】また、装着位置調整のための支持アーム全
体の移動を、１つの雄ねじ部材を回転することによって
行うようにしたので、機械的構成が簡素単純であり、移
動における機械的な誤差が極めて僅かであると共に、移
動作用を円滑に行うことができる。その結果、極めて精
度の高い装着位置調整を行うことができる。

【００９０】更に、請求項３及び請求項４に係る発明で
は、前記機械的な特徴に加え、新しく装着する巻取紙の
装着位置のずれを電気的に検出して自動的に装着位置の
位置調整を行うようにし、かつ制御手段による処理が簡
潔であるようにしたので、制御における電気的誤差が極
めて僅かになり、極めて精度の高い装着位置調整を行う
ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明における給紙部における巻取紙の装着
装置全体を手前側のフレームを省略して概略的に示す正
面図である。

【図２】この発明の要部を概略的に示す一部破断面図で
ある。

【図３】図２のＡ−Ａ線に沿う断面構造を概略的にする
断面図である。

【図４】エクスパンドチャック装置の構成を示す断面図
である。

【図５】図４のＢ−Ｂ線に沿う断面図である。

【図６】装着される巻取紙の幅の種類と装着位置の変化
及びアーム位置の制御手段を示す説明図である。

【図７】巻取紙を装着装置の幅方向中央に装着する場合
の制御手段を示す説明図である。

【符号の説明】

１…印刷部、２…装着装置、３，４…支持アーム、３
ａ，３ｂ，４ａ，４ｂ…アーム、５…回転軸、６ａ，６
ｂ…巻取紙、７…ガイドローラー、８…紙継装置、９
ａ，９ｂ…フレーム、１０ａ，１０ａ′，１０ｂ，１０
ｂ′…レール、１１ａ，１１ｂ，１１ａ′，１１ｂ′，
１２ａ，１２ｂ，１２ａ′，１２ｂ′…移動プレート、
１３…雌ねじ部材、１５…駆動ギヤー、１６…雌ねじ駆
動用モーター、１７，２１…トルクリミッター、１８…
雄ねじ部材、２０ａ，２０ｂ…支持ブラケット、２２…
雄ねじ駆動用モーター、２３…エクスパンドチャック装
置、２４ａ，２４ｂ…保持部材、２５…摺動軸、２６…
空間、２７…エアーシリンダー、２８…ピストン、２９
…チャック本体、３０…出没部材、３１…テーパーカム
部材、３２…基端面、３５ａ，３５ｂ，３６ａ，３６ｂ
…リミットスイッチ、３７ａ，３７ｂ，３７ｃ，３７
ｄ，３７ｅ，３７ｆ，３８ａ，３８ｂ，３８ｃ，３８
ｄ，３８ｅ，３８ｆ…固定カム、３９ａ，３９ｂ…側端
検出センサー。

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数の支持部に巻取紙を支持し、先行使
   用の巻取紙の消費に従って順次紙継ぎ可能である給紙部
   において、 間隔をおいて対応する２つのフレームに回転可能に支持
   された回転軸と、 この回転軸に、これの軸方向に個別に移動可能に、かつ
   それぞれを軸方向に対向させて取り付けた複数対のアー
   ムと、 巻取紙の芯管の内径より小さな径を有するチャック本体
   と、チャック本体から放射状に出没可能に設けられた複
   数個の出没部材と、出没部材を同時に、かつ一斉に出没
   変位させる出没駆動機構を備え、軸方向に対向する一対
   の各アームの先端部に、軸方向に対向して設けた巻取紙
   支持手段と、 軸方向に対向する一対の両アームを貫通し、前記回転軸
   に回転可能に支持された雄ねじ部材と、 前記雄ねじ部材にねじ結合すると共に、対向する各アー
   ムに回転可能に、かつ軸方向に結合されて設けた雌ねじ
   部材と、 雌ねじ部材を個別に回転駆動する雌ねじ駆動用モーター
   と、 雄ねじ部材を回転駆動する雄ねじ駆動用モーターと、 とを有することを特徴とする給紙部における巻取紙の装
   着装置。
2. 【請求項２】 軸方向に対向する一対のアームが、この
   各アームの先端部に設けた巻取紙支持手段がアーム間に
   供給された巻取紙と干渉しない装着準備位置に位置した
   ことを検出する装着準備位置検出手段と、 軸方向に対向する一対のアームが、この各アームの先端
   部に設けた巻取紙支持手段がアーム間に位置する巻取紙
   を支持する装着位置に位置したことを検出する装着位置
   検出手段と、 前記一対の各アームに回転可能に結合された雌ねじ部材
   を回転駆動する雌ねじ駆動用モーターの動作を装着準備
   位置検出手段と装着位置検出手段からの検出結果に基づ
   いて制御する制御回路とを有することを特徴とする請求
   項１記載の給紙部における巻取紙の装着装置。
3. 【請求項３】 両アームにて支持される巻取紙の少なく
   とも一方の側端面と、これに対向する少なくとも一方の
   アームとの距離を検出する距離検出手段と、雄ねじ駆動
   用モーターの動作を前記距離検出手段の検出結果に基づ
   いて制御する制御回路とを有することを特徴とする請求
   項１記載の給紙部における巻取紙の装着装置。
4. 【請求項４】 軸方向に対向する一対のアームが、この
   各アームの先端部に設けた巻取紙支持手段がアーム間に
   供給された巻取紙と干渉しない装着準備位置に位置した
   ことを検出する装着準備位置検出手段と、 軸方向に対向する一対のアームが、この各アームの先端
   部に設けた巻取紙支持手段がアーム間に位置する巻取紙
   を支持する装着位置に位置したことを検出する装着位置
   検出手段と、 両アームにて支持される巻取紙の少なくとも一方の側端
   面と、これに対向する少なくとも一方のアームとの距離
   を検出する距離検出手段と、 雌ねじ駆動用モーターの動作を、前記装着準備位置検出
   手段と装着位置検出手段の検出信号に基づいて制御する
   と共に、雄ねじ駆動用モーターの動作を、前記距離検出
   手段の検出信号に基づいて制御する制御回路とを有する
   ことを特徴とする請求項１記載の給紙部における巻取紙
   の装着装置。