JP2000306816A - 投影露光装置、フォーカス検出装置およびデバイス製造方法 - Google Patents

投影露光装置、フォーカス検出装置およびデバイス製造方法

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JP2000306816A
JP2000306816A JP11115430A JP11543099A JP2000306816A JP 2000306816 A JP2000306816 A JP 2000306816A JP 11115430 A JP11115430 A JP 11115430A JP 11543099 A JP11543099 A JP 11543099A JP 2000306816 A JP2000306816 A JP 2000306816A
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optical system
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projection optical
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Tomohiko Hirano
朝彦 平野
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    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
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    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F9/00Registration or positioning of originals, masks, frames, photographic sheets or textured or patterned surfaces, e.g. automatically
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  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 フォーカス計測範囲を広げることなく計測不
能等の発生を防止する。 【解決手段】 原板6のパターンを投影光学系9を介し
て可動ステージ上の感光基板に投影露光する装置であっ
て、可動ステージの光軸方向移動中の投影光学系を介し
た光電検出動作により投影光学系による可動ステージ側
適正ピント位置を検出するフォーカス検出系27を有
し、演算によって求められる適正ピント位置の変化量に
基づいて可動ステージの光軸方向移動の実行位置を制御
するとともに、前記演算による適正ピント位置の変化量
に、投影光学系の照明条件に対応した像面60の湾曲ま
たは適正ピント位置検出用の基準平面13の傾きに起因
した変化量を含める。あるいは、フォーカス検出系は、
可動ステージ上の基準マークの像を投影光学系9を介し
て光電検出することにより可動ステージ側適正ピント位
置を検出するものであり、前記演算による適正ピント位
置の変化量は、基準マークの像高53における変化量Δ
Z3とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、投影露光装置、そ
れに用いることができるフォーカス検出装置、および前
記投影露光装置を用いることができるデバイス製造方法
に関し、特に半導体素子(デバイス)の製造の分野にお
いて、半導体ウエハ表面にレチクルの回路パターンを繰
り返し縮小投影露光する際の自動ピント調整機能、所謂
オートフォーカス機能を有するステッパと呼ばれる投影
露光装置およびそれを用いたデバイス製造方法に好適な
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体素子、LSI素子、超LS
I素子等のパターンの微細化、高度集積化の要求によ
り、投影露光装置においては高い解像力を有した結像
(投影)光学系が必要とされてきている。そして、それ
に伴って結像光学系の高NA化が進み、その結果、結像
光学系の焦点深度がより浅くなってきている。
【0003】また、ウエハには、平面加工技術の点か
ら、ある程度の厚さのばらつきと曲りがある。通常、ウ
エハの曲りの矯正については、サブミクロンのオーダで
平面度を保証するように加工されたウエハチャック上に
ウエハを載せ、ウエハの背面をバキューム吸着すること
により平面矯正を行なう。しかしながら、ウエハ1枚の
中での厚さのばらつきや吸着手法、さらにはプロセスが
進むことによってウエハが変形してくる。したがって、
レチクルパターンが縮小投影露光される画面領域内でウ
エハは凹凸を有し、このため、実効的な光学系の焦点深
度はさらに浅くなってくる。したがって、投影露光装置
においては、ウエハ面を焦点面(投影光学系の像面)に
合致させるための有効な自動焦点合せ方法が重要なテー
マとなっている。
【0004】従来の投影露光装置におけるウエハ面位置
検出方法としては、エアマイクロセンサを用いる方法
や、投影光学系を介さずにウエハ面に斜め方向から光束
を入射させ、その反射光の位置ずれ量を検出する方法
(光学方式)、投影光学系を通して、そのピント面を検
出する、いわゆるスルーザレンズオートフォーカス(T
TLAF)という方式などがある。
【0005】図12は特開平1−286418号公報で
開示されているオートフォーカス機能を有する投影露光
装置の概略図である。同図において、107はレチク
ル、170はレチクル107を保持するレチクルステー
ジ、109はウエハ、110はウエハ109を保持して
移動するxyzステージ、108はレチクル107上の
回路パターンを、xyzステージ110上のウエハ10
9に、1/5に縮小して投影することによって露光を行
なうための縮小投影レンズ、117はウエハ109に隣
接する位置においてウエハ109の上面とミラー面とが
ほぼ一致するように配置され、フォーカスやアライメン
ト等に用いられる基準平面ミラーである。xyzステー
ジ110は投影レンズ108の光軸方向(z方向)およ
びこの方向に直交する面内(xおよびy方向)で移動可
能であり、もちろん光軸のまわりに回転させることもで
きる。
【0006】101〜106はレチクル107の回路パ
ターンの転写が行なわれる画面領域内を照明する照明光
学系を構成する要素であり、102は楕円ミラー、10
1は発光部が楕円ミラー102の第1焦点に位置してい
る露光用の光源としての水銀ランプである。水銀ランプ
101が発した光は、楕円ミラー102の第2焦点位置
に集光する。103は楕円ミラー102の第2焦点位置
にその光入射面が位置付けられ、光出射面が2次光源を
形成するオプティカルインテグレータである。この2次
光源をなすオプティカルインテグレータ103が発する
光は、コンデンサレンズ104を介し、ミラー105に
より光軸(光路)が90°の角度で折り曲げられる。な
お、155は露光波長の光を選択的にとり出すためのフ
ィルタ、156は露光の制御を行なうためのシャッタで
ある。ミラー105により反射された露光光は、フィー
ルドレンズ106を介し、レチクル107上の、回路パ
ターンの転写が行なわれる画面領域内を照明する。ミラ
ー105は露光光を部分的に例えば5〜10%程度透過
する構成となっている。ミラー105を通過した光はレ
ンズ152、および露光波長を透過し光電検出に余分な
光をカットするフィルタ151を介して、光源101か
らの光量のゆらぎ等をモニタするための光検出器150
に到達する。
【0007】要素111、117および112は、公知
のオフアクシスのオートフォーカス光学系を形成してい
る。111は投光光学系であり、投光光学系111より
発せられた非露光光の光束は、縮小投影レンズ108の
光軸と交わる。そして、基準平面ミラー117上の点
(あるいはウエハ109の上面)に集光して反射され、
検出光学系112に入射する。検出光学系112内には
位置検出用受光素子が配されており、位置検出用受光素
子と基準平面ミラー117上の光束の反射点は、共役と
なるように構成されている。したがって、基準平面ミラ
ー117の縮小投影レンズ108の光軸方向の位置ズレ
は、検出光学系112内の位置検出用受光素子上での入
射光束の位置ズレとして計測される。
【0008】検出光学系112により計測された基準平
面ミラー117の所定の基準面からの位置ズレは、オー
トフォーカス制御系119に伝達される。オートフォー
カス制御系119は、基準平面ミラー117が固設され
たxyzステージ110を駆動する駆動系120に対
し、z方向への移動の指令を与える。また、TTLでピ
ント位置を検知するとき、オートフォーカス制御系11
9は基準ミラー117を所定の基準位置の近傍で投影レ
ンズ108の光軸方向(z方向)に上下に駆動する。ま
た、露光の際のウエハ109の位置制御(図12の基準
平面ミラー117の位置にウエハ109が配置される)
もオートフォーカス制御系119により行なわれる。
【0009】次に、縮小投影レンズ108のピント位置
を検出するための構成および作用について説明する。図
10および図11において、121はレチクル107上
に形成された遮光性を有するパターン部、122はパタ
ーン部121に挟まれた透光部である。縮小投影レンズ
108のピント位置(像面位置)の検出を行なうとき
は、xyzステージ110は縮小投影レンズ108の光
軸方向に移動する。基準平面ミラー117は縮小投影レ
ンズ108の光軸上に位置しており、レチクル107
は、図12の照明光学系101〜106により照明され
る。
【0010】図10は、基準平面ミラー117が縮小投
影レンズ108のピント面にある場合を示す。この場
合、レチクル107上の透光部122を通った露光光
は、縮小投影レンズ108を介して、基準平面ミラー1
17上に集光し、反射される。反射された露光光は、往
路と同一の光路をたどり、縮小投影レンズ108を介し
てレチクル107に集光し、レチクル107上のパター
ン部121間の透光部122を通過する。この時、露光
光は、パターン部121にケラレることなく、全部の光
束がパターン部121の透過部122を通過する。
【0011】図11は、基準平面ミラー117が縮小投
影レンズ108のピント面からズレた位置にある場合を
示す。この場合、レチクル107上のパターン部121
の透光部122を通った露光光は、縮小投影レンズ10
8を介し、基準平面ミラー117上に達するが、基準平
面ミラー117は、縮小投影レンズ108のピント面に
ないので、露光光は広がった光束として基準平面ミラー
117で反射される。すなわち、反射された露光光は往
路と異なる光路をたどって縮小投影レンズ108を通
り、レチクル107上に集光することなく、基準平面ミ
ラー117の縮小投影レンズ108のピント面からのズ
レ量に対応した広がりをもった光束となってレチクル1
07上に達する。このとき、露光光はレチクル107上
のパターン部121によって一部の光束がケラレを生
じ、全部の光束が透光部122を通過することはできな
い。すなわち、ピント面に合致した時とそうでない時と
ではレチクル107を通じての反射光量に差が生じるの
である。
【0012】基準平面ミラー117で反射された露光光
の光束がレチクル107を通過した後の光路を、図12
を用いて説明する。レチクル107を透過した露光光
は、フィールドレンズ106を通りミラー105に達す
る。ミラー105は前述のように露光光に対して5〜1
0%程度の透過率をもっているので、ミラー105に達
した露光光の一部はミラー105を通過し、結像レンズ
113を介して視野絞り114の面上に集光する。この
とき、レチクル107のパターンの存在する面と視野絞
り114とは、フィールドレンズ106と結像レンズ1
13を介し、共役な位置にある。視野絞り114の開口
部を通過した露光光は、集光レンズ115によって受光
素子116に入光する。受光素子116の前面には、必
要な場合は露光光のみを選択的に透過するフィルタ15
1が配置される。受光素子116は入射した露光光の光
量に応じた電気信号を出力する。
【0013】次に、受光素子116の信号出力を用い
て、縮小投影レンズ108のピント位置(像面位置)を
検出する方法について説明する。駆動系120により基
準平面ミラー117の載ったxyzステージ110を縮
小投影レンズ108の光軸方向に、オフアクシスオート
フォーカス検出系112で予め設定される計測の零点を
中心に駆動させる。このとき、各位置でのオートフォー
カス検出系112が計測する基準平面ミラー117の光
軸方向の位置信号(オートフォーカス計測値Z)と、基
準平面ミラー117で反射された露光光を受光素子11
6で受光し、電気信号に変換することにより焦点面(像
面)検出系118から得られる出力との関係は、図8に
示すようになる。このとき、検出系118の信号につい
て、光源101のゆらぎの影響を除くために補正が行な
われる。すなわち、ミラー105を通過した光源101
からの光を光源光量モニタ光学系152および151を
介して光検出器150で検出し、基準光量検出系153
で光源光量モニタ信号を発生させる。そして、このモニ
タ信号によって、焦点面検出系118の信号を規格化す
ることによって補正している。
【0014】基準平面ミラー117が縮小投影レンズ1
08のピント面に位置した場合に焦点面検出系118の
出力はピーク値を示す。そこで、図8に示すように、こ
のときのオートフォーカス計測値Z0をもってして、縮
小投影レンズ108を用いてウエハ109に露光を行な
う際の縮小投影レンズ108のピント位置とする。また
は、計測値Z0に基づいて、予め設定しておいたピント
位置を補正する。そしてこのようにして決まった縮小投
影レンズ108のピント位置にオフアクシスオートフォ
ーカス検出系111、112および119の基準位置を
設定する。実際のウエハの焼付最良位置はこの基準位置
からウエハの塗布厚や段差量等の値を考慮した分だけオ
フセットを与えた値となる。
【0015】例えば多層レジストプロセスを用いてウエ
ハを露光する場合には、多層の一番上の部分だけを焼け
ば良いので、ウエハのレジスト表面と基準位置はほぼ一
致する。一方、単層レジストで露光光が基板に十分到達
するような場合、ウエハのピントはレジスト表面ではな
く基板面に合致するので、この場合、レジスト表面と基
準位置との間に1μm以上のオフセットが存在すること
も稀ではない。こうしたオフセット量はプロセス固有の
ものであり、投影露光装置とは別のオフセットとして与
えられる。装置自体としては上述の方法で縮小投影レン
ズ108自体のピント位置を正確に求められれば充分で
あり、上記オフセット量は、必要な場合にのみオートフ
ォーカス制御系119や駆動系120に対して、投影露
光装置の不図示のシステムコントローラを介して予め入
力してやれば良い。
【0016】このピント位置Z0の検出は、焦点面検出
系118の出力のピークをもって決定してもよいが、そ
の他にも色々な手法が考えられる。例えばより検出の敏
感度を上げるために、図8や図9に示すように、ピーク
出力に対してある割合のスライスレベルSLを設定し、
このスライスレベルSLの出力を示すときのオートフォ
ーカス計測値Z1およびZ2に基づき、ピント位置Z0
をZ0=(Z1+Z2)/2として決定しても良い。ま
た、ピーク位置を微分法を使って求める等の手法も考え
られる。
【0017】この図12に示すTTLのオートフォーカ
スシステムの長所は、投影露光光学系の周囲の温度変
化、大気圧変化、および露光光線による投影光学系の温
度上昇と、それに伴って生じるピントの経時変化を常時
計測して補正をかけらるという点にある。しかし、従
来、投影光学系の最適ピント位置(像面位置)を検出す
る際、受光手段の投影光学系の光軸方向の移動範囲(検
出範囲)は、予め一定の範囲に定めている。したがっ
て、例えば温度変化等による投影光学系のピント位置の
変化が大きく検出範囲を超えてしまうと、検出不能とな
る場合がある。このため、従来は多少広めの検出範囲を
定めて、この検出範囲内で受光手段を上下動させてい
る。ところが、そうすると、投影光学系のピント変化が
小さい場合には、TTLオートフォーカスの検出を無駄
な領域で行なうことになり、スループットを低下させる
という問題がある。
【0018】そこで、特開平5−182895号公報で
は、受光手段を投影光学系の光軸方向に上下させる検出
範囲をあまり広くせず、適切な大きさの検出範囲とし、
温度変化等の環境変化に伴う像面変動を、予め設定した
関数に基づき演算手段によって演算し、そして、その演
算結果による像面位置を基準にして受光手段を検出範囲
で上下動させることにより、ある程度限定した領域で像
面位置(最適ピント位置)を迅速に、しかもスループッ
トを低下させずに、高精度で検出し、該像面位置にウエ
ハ面を一致させることができるようにした投影露光装置
が提示されている。
【0019】図14は図12の構成による露光処理にお
いて、このような方法に従い、ウエハ1枚毎に必要に応
じて縮小投影レンズ108の像面位置検出を行なう場合
の動作を示すフローチャートである。図15は演算手段
50による投影レンズ108のピント位置の変化量ΔF
を演算する際の信号の流れを示す図である。図14に示
すように、露光処理を開始すると、まず、初期値として
現在のピント位置をΔF0として設定し(ステップ70
1)、ウエハを供給する(ステップ702)。次に露光
を行ない(ステップ703)、演算手段であるマイクロ
プロセッサ50は縮小投影レンズ108の焼き付け光照
射による経時的なピント変化量ΔFを、図15に示すよ
うにΔF=K・τ・E・t0/tの計算式で演算する
(ステップ704)。
【0020】ここで、Kは縮小投影レンズ108の固有
ピント変化係数、τはレチクル107の透過率、Eは露
光用照明系101からの単位時間当たりの照射光量、t
0はシャッタの開放時間、tは露光間隔時間合計であ
る。なお、縮小投影レンズ108のピント変化係数Kと
しては、1つの投影レンズについて実験で測定すれば、
同じ投影レンズを組み込んだ装置では同じKを使用する
ことができる。演算手段50は上述のΔFに関する条件
式とピント変化係数Kを、記憶装置Mに予め記憶させて
おく。他方、演算手段50はシャッタ開放と露光時間が
生じる度にそれぞれを別に積算し、記憶装置Mへ露光履
歴t0/tとして記憶する。そしてK・τ・E・t0/
tに基づいた演算によりΔFの値を算出する。このΔF
の値はステージ駆動装置120へ入力される。
【0021】次にウエハ109を回収し(ステップ70
5)、前回のTTLオートフォーカス計測時の演算によ
るピント変化量ΔF0と今回のTTLオートフォーカス
計測時のピント変化量ΔFとの差がεより大きいか否か
を判定する(ステップ706)。ΔF0とΔFとの差が
εより大きくない場合は、そのままステップ709へ進
む。ΔF0とΔFとの差がεより大きい場合は、TTL
オートフォーカスによる検出を行ない(ステップ70
7)、その時のピント補正量ΔFをΔF0としてメモリ
し(ステップ708)、ステップ709へ進む。ステッ
プ709では、すべてのウエハについて処理が終了した
か否かを判定し、終了していない場合はステップ702
へ戻り、終了している場合は、露光処理を終了する。
【0022】従来、以上のようにして、投影レンズ10
8のピント面にウエハ109を位置させ、レチクル10
7面上の回路パターンを投影レンズ108によりウエハ
109面上のレジストに投影露光し、これにより、半導
体素子を製造している。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、レチク
ルデザインの都合から、TTLオートフォーカス計測で
使用される計測マークは、任意の像高で計測されること
になる。一方、投影光学系の像面では、前述したピント
位置の移動が生じる。ピント位置の移動要因の中で、影
響が最も大きいのは照射光線による温度上昇によること
も判明してきている。同時に、照射光線による温度上昇
などにより、像面湾曲が生じ、像面が変化することも判
明してきている。また、前述の演算により得られる投影
光学系のピント位置は、レンズ中心(画面中心)のピン
ト変化を考慮した値であるため、前述の演算より得られ
たピント位置と、実際にTTLオートフォーカス計測に
より検出される像高位置におけるピント位置とでは、ピ
ント差が生じることになる。よって、レンズ中心のピン
ト変化量を考慮したピント位置を中心としてステージ基
準マークを光軸方向に振ってベストピントを求めた場
合、その振り中心が適切なものとならない場合が発生す
る。また、基準平面117が傾いている場合において
も、同様のことが発生する。
【0024】その結果、図1のように、TTLオートフ
ォーカス計測に広範囲な計測範囲61を必要とすること
があり、さらにはリトライ計測が生じたり、場合によっ
ては計測範囲外となって計測不可能となることさえあり
うる。
【0025】本発明の目的は、このような従来技術の問
題点に鑑み、投影露光装置、フォーカス検出装置および
デバイス製造方法において、広範囲でのフォーカス計測
を必要とすることなく、リトライ計測や計測不能の発生
を防止することにある。
【0026】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
本発明の投影露光装置は、原板上のパターンを投影光学
系を介して、可動ステージ上に載置した感光基板上に投
影露光する装置であって、前記可動ステージの光軸方向
移動中の前記投影光学系を介した光電検出動作により前
記投影光学系による前記可動ステージ側適正ピント位置
を検出するフォーカス検出系を有し、演算によって求め
られる適正ピント位置の変化量に基づいて前記可動ステ
ージの前記光軸方向移動の実行位置を制御するととも
に、前記演算によって求められる適正ピント位置の変化
量は、前記投影光学系の照明条件に対応した像面湾曲、
または前記適正ピント位置検出用の基準平面の傾きのう
ちの少なくとも1つに起因した変化量を含むことを特徴
とする。あるいは、同様の投影露光装置において、前記
フォーカス検出系は、前記可動ステージ上に設けた基準
マークの像を前記投影光学系を介して光電検出すること
により前記可動ステージ側適正ピント位置を検出するも
のであり、前記演算によって求められる適正ピント位置
の変化量は、前記基準マークの像高における変化量であ
ることを特徴とする。
【0027】この構成において、演算によって求められ
る適正ピント位置の変化量を考慮して可動ステージの光
軸方向移動の範囲を定め、この範囲でフォーカス計測が
行なわれるが、その際、適正ピント位置の変化量とし
て、投影光学系の照明条件に対応した像面湾曲や基準平
面の傾きに起因した変化量を含めるようにし、あるいは
基準マークの像高における変化量を用いるようにしたた
め、より精確な、あるいは実際にフォーカス計測される
像高に適合したものとして、前記可動ステージの光軸方
向移動の範囲が決定される。
【0028】また、本発明のフォーカス検出装置は、投
影光学系の像投影側での被検物体の光軸方向移動中の前
記投影光学系を介した光電検出動作により、前記投影光
学系による前記像側適正ピント位置を検出するフォーカ
ス検出系を有し、演算によって求められる適正ピント位
置の変化量に基づいて前記被検物体の光軸方向移動の実
行位置を制御するとともに、前記演算によって求められ
る適正ピント位置の変化量は、前記投影光学系の照明条
件に対応した像面湾曲、または前記適正ピント位置検出
用の基準平面の傾きのうちの少なくとも1つに起因した
変化量を含むことを特徴とする。あるいは、前記フォー
カス検出系は、前記被検物体上の基準マークの像を前記
投影光学系を介して光電検出することにより前記像側適
正ピント位置を検出するものであり、前記演算によって
求められる適正ピント位置の変化量は、前記基準マーク
の像高における変化量であることを特徴とする。
【0029】また、本発明のデバイス製造方法は、原板
上のパターンを投影光学系を介して、可動ステージ上に
載置した感光基板上に投影露光する工程と、前記可動ス
テージの光軸方向移動中の前記投影光学系を介した光電
検出動作により前記投影光学系による前記可動ステージ
側適正ピント位置を検出する工程とを有するとともに、
演算によって求めた適正ピント位置の変化量に基づいて
前記可動ステージの前記光軸方向移動の実行位置を制御
することを特徴とする。あるいは、前記フォーカス検出
系は、前記可動ステージ上に設けた基準マークの像を前
記投影光学系を介して光電検出することにより前記可動
ステージ側適正ピント位置を検出するものであり、前記
演算によって求められる適正ピント位置の変化量は、前
記基準マークの像高における変化量であることを特徴と
する。
【0030】これら本発明のフォーカス検出装置および
デバイス製造方法においても、より精確な、あるいは実
際にフォーカス計測される像高に適合したものとして、
フォーカス計測のための移動範囲が決定される。
【0031】
【発明の実施の形態】本発明の投影露光装置の好ましい
実施形態においては、前記演算によって求められる適正
ピント位置の変化量には、経時変化によるものが含まれ
る。また、フォーカス検出系は、可動ステージ上の基準
マークを投影光学系を介して原板側に投影し、該原板側
の投影像を投影光学系を介して前記基準マーク上に再投
影した上で光電検出することにより、可動ステージ側適
正ピント位置を検出する。
【0032】また、フォーカス検出系は、原板上に設け
た検出マークと可動ステージ上に設けた基準マークとを
同一光路上で観察することにより可動ステージ側適正ピ
ント位置を検出するための焦点面検出光学系を有し、光
電検出を焦点面検出光学系による前記基準マークの観察
像の結像位置において行なうものであり、また、その際
の焦点面検出光学系のピントを前記検出マークに合わせ
る手段を有する。以下、本発明の実施形態について、実
施例を通じて、具体的に説明する。
【0033】
【実施例】[実施例1]図5は、本発明の第1の実施例
に係る露光装置の要部概略図である。同図は、逐次露光
方式の露光装置(ステッパ)における、ウエハステージ
上の基準平面13を用いたTTLAF方式によるフォー
カス検出系の概略構成を示している。同図において、7
はレチクルステージ、6はレチクルステージ7に保持さ
れているレチクル、11はxyzステージ(ウエハステ
ージ)、12はxyzステージ11上に載置されたウエ
ハ、9はレチクル6上の回路パターンをウエハ12上に
投影する投影レンズ(露光レンズ)である。投影レンズ
9は、ウエハ12の露光のために、レチクル6上の回路
パターンの像を1/5または1/2に縮小してウエハ1
2上に結像させる。13はウエハ12に隣接する位置に
配置された基準平面である。基準平面13はそのミラー
面がウエハ12の上面とほぼ一致するように配置されて
おり、基準平面13には、図6に示すようなステージ基
準マーク(フォーカス検出用マーク)13aが設けられ
ている。xyzステージ11は、投影レンズ9の光軸方
向(z方向)およびこの方向に直交する面内(xおよび
y方向)で移動可能であり、光軸のまわりに回転するこ
ともできる。
【0034】53はレチクル6の回路パターンの転写が
行なわれる画面領域内を照明する照明光学系(露光照明
系)であり、次の要素1〜5により構成される。すなわ
ち、1は露光用の光源である水銀ランプ、2は水銀ラン
プ1の発光部が第1焦点に位置している楕円ミラー、3
は楕円ミラー2の第2焦点位置にその光入射面が位置づ
けられたオプティカルインテグレータ(ハエの目レン
ズ)、4および5はオプティカルインテグレータ3から
の光でレチクル6を照射する照明用レンズおよびフィー
ルドレンズである。水銀ランプ1が発光する光は、楕円
ミラー2によりオプティカルインテグレータ3に導か
れ、その光出射面において2次光源を形成し、照明用レ
ンズ4およびフィールドレンズ5を介してレチクル6を
照明する。
【0035】10、13および14は、図12で述べた
のと同様のオフアクシスのオートフォーカス光学系を形
成している投光光学系(オートフォーカス入射系)、基
準平面およびフォーカス検出光学系(オートフォーカス
受光系)であり、投光光学系10より発せられた非露光
光である光束は、基準平面13上の点(あるいは、ウエ
ハ12の上面)に集光し、反射される。基準平面13で
反射された光束は、フォーカス検出光学系14に入射す
る。フォーカス検出光学系14内には、位置検出用受光
素子が配されており、位置検出用受光素子と基準平面1
3上の光束の反射点とが共役となるよう配置されてい
る。したがって、基準平面13の縮小投影レンズ9の光
軸方向での位置ズレは、フォーカス検出光学系14内の
位置検出用受光素子上での入射光束の位置ズレとして計
測される。
【0036】検出光学系14により計測された基準平面
13の所定の基準面からの位置ズレは、オートフォーカ
ス制御系32に伝達される。オートフォーカス制御系3
2は、基準平面13が固設されたxyzステージ11を
駆動する駆動系33にz方向への移動の命令を与える。
また、後述する焦点面検出光学系27によってTTLで
ピント位置を検知するとき、オートフォーカス制御系3
2は、基準平面13を所定の基準位置の近傍で投影レン
ズ9の光軸方向(z方向)に上下に駆動する。また、露
光の際のウエハ12の位置制御(図5の基準平面13の
位置にウエハ12が配置される)もオートフォーカス制
御系32により行なっている。
【0037】次に、ウエハ12面のピント状態を検知
し、その信号に基いてウエハステージ11を駆動して、
投影レンズ9のピント位置を検出するための構成につい
て説明する。27はTTLAFによる焦点面検出光学系
であり、以下のように各要素23、24、26、40、
41を有している。焦点面検出光学系27のファイバ4
0から射出した照明光束は、ハーフミラー41を通過
し、対物レンズ24とミラー23を介してレチクル6近
傍に集光する。レチクル6上には、図7に示すように、
実素子領域73外の任意の位置RWに所定の大きさの透
光部(窓抜き部)8が設けられている。そこには、図1
3に示すようなレチクル6面のピント検知用の検出用マ
ークRWaが設けられている。マークRWaは、所定の
線幅の縦横方向のラインアンドスペースより成ってい
る。このマークは、焦点面検出光学系27で観察したと
きに、ステージ基準マークの反射光が阻害されないよう
な位置に配置されている。
【0038】照明光束は、この窓抜き部8を通過した後
に投影レンズ9を介して、基準平面13上に集光する。
基準平面13上には、図6に示すようなステージ基準マ
ーク(フォーカス検知用マーク)13aが設けられてい
る。そして、基準平面13からの反射光は元の光路を戻
り、順に投影レンズ9、窓抜き部8、ミラー23、およ
び対物レンズ24を経て、ハーフミラー41で反射し、
位置センサ26に入射する。基準平面13は、ウエハ1
2と同じウエハステージ11上に配置されていて、ウエ
ハ12とは概ね一致したピント面上に固定されている。
そして、ウエハ面12aとステージ基準マーク13a面
の各々のピント位置ないしは両面間のフォーカスオフセ
ット量はオートフォーカス検出系32によって管理され
ている。これにより、以降の手順に従って基準平面13
に対してフォーカシングして、所定のオフセット量を与
えるだけで、自動的に実ウエハ上のフォーカシングが行
なわれるようになっている。
【0039】図6に示すように、基準平面13上のステ
ージ基準マーク13aは、所定の線幅の縦横方向のライ
ンアンドスペースより成っている。基準平面13上のス
テージ基準マーク13aから発した光束は、往路を戻り
(復路)、対物レンズ24まで到達する。対物レンズ2
4を通過した光束は、ハーフミラー41を今度は反射
し、位置センサ26のセンサ面26a上に結像する。位
置センサ26は、1次元アレーセンサであっても、CC
Dに代表される2次元アレーセンサであっても良い。ス
テージ基準マーク13a(図6)と対応して、1方向パ
ターンだけ(縦線または横線)のフォーカス検出でよけ
れば1次元アレーセンサで十分であるし、2方向パター
ン(縦線と横線同時)のフォーカス検出が必要ならば、
2次元アレーセンサを用いる。
【0040】最適ピント面を求めるためには、基準平面
13を露光レンズ9の光軸方向に移動させながら、各移
動位置において、位置センサ26により、ステージ基準
マーク13a(図6)のピント状態が変化した情報すな
わちフォーカス情報を得る。本実施例では、どの種のフ
ォーカス情報を利用するかは特に限定していない。例え
ば、ステージ基準マーク13aの像の光強度コントラス
トがベストピント位置では最も高く、デフォーカス位置
ではこれが低下することを利用してもよい。あるいはス
テージ基準マーク13aの像の光プロファイルの微分値
(傾斜角に対応)を評価量としても良い。これらの信号
処理は画像信号解析回路47で行なう。
【0041】以上の説明で明らかなように、図5に示す
投影露光装置において、ファイバ40から射出した光束
の往路は照明のための光路であり、フォーカスに関する
情報は、復路の片側だけの光路で得ている。このとき、
零点と実際のピント位置との差が大きい場合、予め設定
した零点を中心にステージ基準マーク13aを上下動さ
せると、出力信号のピークが得られず、検出範囲を越え
てしまい、計測不可能となることがある。そこで、特開
平5−182895号公報では、投影光学系のピント位
置を、環境変化に伴う要素を考慮して演算で求め、その
位置を中心にステージを上下動させることによって、あ
る程度限定した領域でのオートフォーカス検出を可能と
している。
【0042】しかしながら、図1に示すように、投影レ
ンズ9の像面60は、露光熱により変化する。その結
果、上記演算で求めた光軸上のピント位置とTTLオー
トフォーカス計測で計測される像高とでは、像面湾曲が
生じ、オフセットΔZ2が生じる。そのため、このオフ
セットΔZ2を考慮しないと、露光熱による像面湾曲の
影響で検出エラーが発生する可能性がある。一方、TT
Lオートフォーカス検出を行なう基準平面13が傾いて
いる場合においても、その傾きが大きい場合、計測像高
と光軸上とでは、像高に比例して、オフセットΔZ1が
生じ、これも、上記の像面湾曲収差と同様にTTLオー
トフォーカス計測の計測範囲から、TTLオートフォー
カス検出が可能な計測範囲が外れる要因となっている。
そこで、TTLオートフォーカス計測に先立って、これ
らのオフセット量を考慮し、常に計測像高に適した最適
なピント位置65を求め、求めた位置を中心にTTLオ
ートフォーカス計測を実行すれば、露光負荷や、環境変
化に関わらず、常に適切な計測範囲62および短い計測
時間でTTLオートフォーカス検出が可能となる。
【0043】また、計測するときの像高は、レチクル6
によって任意の位置に配置されるため、その像高に焦点
面検出光学系27を駆動させることにより、駆動系のヨ
タリ66や、レチクル6のタワミ67などの計測誤差要
因が、さらに、発生するという問題もある。そこで、図
13に示すレチクルの検出用マークRWaに対して、焦
点面検出光学系27のピント合わせを実行した上で、投
影光学系9のピント変化量、像面湾曲収差、および基準
平面13の傾き量を考慮した位置を計測像高における最
適なピント位置65として設定し、そのピント位置65
を中心にTTLオートフォーカス計測を実行し、最適ピ
ント面を求めている。焦点面検出光学系27のピント合
わせは、駆動手段48を用いて対物レンズ24のフォー
カシングを行なうことにより行なう。その際、コントロ
ーラ46を介して、画像信号解析回路47の出力を得
て、駆動手段48に指令を下し、ピント合わせを行な
う。
【0044】図1は、上述のようなオートフォーカス検
出の原理を示す概要図であり、図2は図5の構成におけ
る、この原理に従ったオートフォーカス検出のシーケン
スを有する露光処理を示すフローチャートであり、図1
3はレチクル6上の検出用マークRWaの説明図であ
る。これらの図を用いて露光処理を説明する。露光処理
を開始すると、図2に示すように、まず、ステップ20
1において、初期値ΔF0として現在のピント位置を設
定する。次に、ステップ202において、露光終了か否
かを判定するが、ここでは露光終了でないため、次のス
テップ203へ進み、図5中の演算手段50が、縮小投
影レンズ9の焼き付け光照射による経時的な現在のピン
ト変化量ΔFを、図15に示すようにΔF=K・τ・E
・t0/tの計算式で演算して求める。次に、ステップ
204において、TTLオートフォーカス計測の実行タ
イミングか否かを判定する。実行タイミングでないと判
定した場合はステップ214へ進み、実行タイミングで
あると判定した場合はステップ205へ進む。
【0045】ステップ205では、焦点面検出光学系2
7をレチクル6面上に設けらた検出用マーク位置RW
a、つまり、計測像高位置へ駆動し、レチクル6面に対
して、焦点面検出光学系27のピント検出を行ない、そ
してステップ206において、焦点面検出光学系27の
ピントを検出用マーク位置RWaに対する最適なピント
位置に合せる。これにより、上述した焦点面検出光学系
27で生じる駆動系のヨタリ66や、レチクル6のタワ
ミ67などによる計測誤差要因が排除される。
【0046】次に、計測像高において発生している像面
湾曲によるオフセットΔZ2と基準平面13の傾きによ
るオフセットΔZ1を求める。すなわちまず、ステップ
207において、焦点面検出光学系27が、レチクル6
面上に設けらた検出用マークRWaを通してステージ基
準マーク13aを観察できる位置(X2,Y2)に、X
YZステージ11を駆動する。そして、ステップ208
において、その時にフォーカス検出光学系14が計測す
る基準平面13の傾きを計測し、計測された値つまりX
方向の傾きa、Y方向の傾きbと、像高(X2,Y2)
とから、計測像高における傾きのオフセット量ΔZ1
を、ΔZ1=a*X2+b*Y2により求める。次に、
ステップ209において、記憶部51に記憶されている
投影光学系9の像面湾曲に関するデータから、現在の照
明条件に合ったデータを読み出し、前記ピント変化量Δ
F、計測像高、および像面湾曲に関するデータの関係に
基づき、演算部50において、計測像高におけるオフセ
ット量ΔZ2を算出する。つまり投影光学系9の光軸上
でのピント面に対し、像面湾曲によって計測像高におい
てピント位置がどの程度ずれているかを算出する。な
お、記憶部51に記憶されている投影光学系9の像面湾
曲に関するデータは、像面湾曲が露光熱などの要因によ
り変化するものであり、NAなどの照明条件によって発
生状態が変化するものであるため、予め、各照明条件毎
に実験により求めておいたものである。
【0047】次に、ステップ210において、得られた
ΔF、ΔZ1、およびΔZ2の値を用いて、計測像高に
おけるピント位置の変化量ΔZ3を、ΔZ3=ΔF+Δ
Z1+ΔZ2により算出する。このようにして、予め、
TTLオートフォーカス計測に先立ち、計測像高におい
て発生している変化量を求めておく。そして、求めたΔ
Z3をTTLオートフォーカス計測前の計測像高におけ
る最適なピント面65として設定する。次に、ステップ
211において、ピント面65を中心にステージ基準マ
ーク13aを光軸方向に移動させながらTTLオートフ
ォーカス計測を実施し、計測像高における最適ピント面
を求める。次に、ステップ212において、図3に示す
ように得られた計測値ΔZ4に対して、計測前に加算し
た像高における像面湾曲によるオフセットΔZ2と基準
平面13の傾きによるオフセットΔZ1を減算し、光軸
上のピント値に変換し、最適なピント位置ΔZ5を、Δ
Z5=ΔZ3+ΔZ4−ΔZ1−ΔZ2として求め、ス
テップ213において、その結果を記憶部51に登録す
る。
【0048】ステップ214では、このようにして決定
された最適ピント面にフォーカス駆動し、そして、ステ
ップ215において、回路パターンの露光を行ない、ス
テップ202に戻る。このようにして、ステップ202
において露光終了と判定されるまで、ステップ203〜
215の処理を繰り返す。
【0049】以上のように、本実施例では、TTLオー
トフォーカス計測を行なう像高53(X2,Y2)が、
レチクル6によって任意の位置に配置され、また、露光
熱などにより投影光学系9に像面湾曲によるオフセット
が生じていたり、基準平面13に傾きが生じている場合
においても、TTLオートフォーカス計測を行なうに先
立ち、現在の照明状態において生じている像面湾曲によ
るオフセット量や基準平面13の傾きによるオフセット
量を考慮し、予め、計測像高における現在の最適なピン
ト位置を求め、その位置を中心にTTLオートフォーカ
ス計測を実行するようにしている。これにより、リトラ
イ計測や、計測範囲のずれによる計測不能を未然に防ぐ
ことができ、外部環境や装置状態に左右されること無
く、常に適切な計測範囲62を設定し、少ない計測時間
でTTLオートフォーカス計測を行なうことが可能とな
る。
【0050】[実施例2]図16は本発明の第2の実施
例に係る投影露光装置の要部概略図である。図5の実施
例では検出光学系27からのフォーカス検出用の照明光
を投影レンズ9を介して基準平面13に入射させ、そし
て基準平面13の検出用マーク13aからの反射光を投
影レンズ9を介して検出光学系27で検出するようにし
ているのに対し、本実施例では、基準平面13のステー
ジ基準マーク13aをウエハ側に設けた照明系(40,
71,72)からの光束で照明し、そして、ステージ基
準マーク13aを経て投影レンズ9を通過した光束を利
用している点において、本実施例は図5の実施例と異な
る。その他の構成は図5の実施例と同じである。
【0051】本実施例では、ファイバ40から発した照
明光束が、集光レンズ71の作用でミラー72を介した
後、基準平面13上のステージ基準マーク13aを裏面
側から照明する。ステージ基準マーク13aは例えばガ
ラス基板上に遮光性のクロムパターンを形成して構成さ
れ、これを透過した光束は投影レンズ9を通過し、その
後、レチクルパターン面6a近傍に一旦結像する。そし
てレチクル6を透過して、既述した検出光学系27に入
射する。検出光学系27内では前記光束が位置センサ2
6上に再結像する。そして、ウエハステージ11を投影
レンズ9の光軸方向に振ることによって、その最適フォ
ーカス面を検出している。
【0052】この場合も、実施例1と同様の方法によっ
て、予め、計測像高における現在の最適なピント位置を
求め、その位置を中心にオートフォーカス検出を行なう
ことが可能であり、それによって同様の効果が得られ
る。
【0053】[実施例3]図4は本発明の第3の実施例
に係る投影露光装置の要部概略図である。図5の実施例
では検出光学系27からのフォーカス検出用の照明光
を、投影レンズ9を介して基準平面13に入射させ、そ
して基準平面13の検出用マーク13aからの反射光を
投影レンズ9を介して検出光学系27で検出しているの
に対し、本実施例では、基準平面13のステージ基準マ
ーク13aをウエハ側に設けた照明系(40,71,7
2)からの光束で照明し、そして、ステージ基準マーク
13aを経て投影レンズ9を通過した光束をレチクル6
の下面に投影し、そのレチクル6からの反射光を投影光
学系9を介してウエハ側に戻し、戻された反射光をステ
ージ基準マーク13aを介して受光し、そして、XYZ
ステージ11を上下させたときに得られる検出信号を利
用している点において、本実施例は図5の実施例と異な
る。その他の構成は図5の実施例と同じである。
【0054】本実施例では、ファイバ40から発した照
明光束が集光レンズ71の作用でミラー72を介した
後、基準平面13上のステージ基準マーク13aを裏面
側から照明する。このステージ基準マーク13aは例え
ばガラス基板上に遮光性のクロムパターンを形成して構
成したものであり、これを透過した光束は投影レンズ9
を通過し、その後、レチクルパターン面6a近傍に一旦
結像する。そしてレチクル6下面で反射されて、再び、
投影光学系9を介して基準平面13に達する。さらに、
ステージ基準マーク13aを透過した光は、ミラー7
2、対物レンズ71およびハーフミラー41を介して、
位置センサ26上に再結像する。そしてウエハステージ
11を投影レンズ9の光軸方向に振ることによって、そ
の最適フォーカス面を検出している。
【0055】この場合も、実施例1と同様の方法によっ
て、予め、計測像高における現在の最適なピント位置を
求め、その位置を中心にオートフォーカス検出を行なう
ことが可能であり、それにより同様の効果が得られる。
【0056】<デバイス製造方法の実施例>次に上記説
明した露光装置を利用したデバイス製造方法の実施例を
説明する。図17は微小デバイス(ICやLSI等の半
導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マ
イクロマシン等)の製造のフローを示す。ステップ1
(回路設計)ではデバイスのパターン設計を行なう。ス
テップ2(マスク製作)では設計したパターンを形成し
たマスクを製作する。一方、ステップ3(ウエハ製造)
ではシリコンやガラス等の材料を用いてウエハを製造す
る。ステップ4(ウエハプロセス)は前工程と呼ばれ、
上記用意したマスクとウエハを用いて、リソグラフィ技
術によってウエハ上に実際の回路を形成する。次のステ
ップ5(組立て)は後工程と呼ばれ、ステップ4によっ
て作製されたウエハを用いて半導体チップ化する工程で
あり、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディン
グ)、パッケージング工程(チップ封入)等の工程を含
む。ステップ6(検査)ではステップ5で作製された半
導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査
を行なう。こうした工程を経て、半導体デバイスが完成
し、これが出荷(ステップ7)される。
【0057】図18は上記ウエハプロセス(ステップ
4)の詳細なフローを示す。ステップ11(酸化)では
ウエハの表面を酸化させる。ステップ12(CVD)で
はウエハ表面に絶縁膜を形成する。ステップ13(電極
形成)ではウエハ上に電極を蒸着によって形成する。ス
テップ14(イオン打込み)ではウエハにイオンを打ち
込む。ステップ15(レジスト処理)ではウエハにレジ
ストを塗布する。ステップ16(露光)では上記説明し
た露光装置または露光方法によってマスクの回路パター
ンをウエハの複数のショット領域に並べて焼付露光す
る。ステップ17(現像)では露光したウエハを現像す
る。ステップ18(エッチング)では現像したレジスト
像以外の部分を削り取る。ステップ19(レジスト剥
離)ではエッチングが済んで不要となったレジストを取
り除く。これらのステップを繰り返し行なうことによっ
て、ウエハ上に多重に回路パターンが形成される。
【0058】本実施例の生産方法を用いれば、従来は製
造が難しかった大型のデバイスを低コストに製造するこ
とができる。
【0059】
【発明の効果】本発明によれば、演算によって求められ
る適正ピント位置の変化量に、像面湾曲や、基準平面の
傾きに起因した変化量を含めるようにしたため、演算に
よって求められる適正ピント位置の変化量をより精確な
ものとすることができる。また演算によって求められる
適正ピント位置の変化量を基準マークの像高における変
化量として求めるようにしたため、演算によって求めら
れる適正ピント位置の変化量を実際にフォーカス計測さ
れる像高に適合したものとすることができる。したがっ
て、広範囲でのフォーカス計測を必要とすることなく、
リトライ計測や計測不能の発生を防止することができ
る。
【0060】したがって、露光熱による投影光学系への
熱負荷が大きく、光軸上と計測像高での像面湾曲による
ピント差が大きい場合や、基準平面の傾きが大きい場合
などにおいても、それらによる変化分を考慮して演算し
たピント位置を中心としてフォーカス計測の範囲を設定
することにより、外部環境や装置状態などに影響され
ず、常に適切な計測時間および回数でTTLオートフォ
ーカス計測を行なうことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図5の装置におけるオートフォーカス検出の
概要を示す図である。
【図2】 図5の装置におけるオートフォーカス検出の
シーケンスを示すフローチャートである。
【図3】 図2のシーケンスにおいて得られるオートフ
ォーカス信号波形のグラフである。
【図4】 本発明の第3の実施例に係る投影露光装置の
要部概略図である。
【図5】 本発明の第1の実施例に係る投影露光装置の
要部概略図である。
【図6】 図5の装置におけるステージ基準マークの説
明図である。
【図7】 図5の装置におけるレチクルの説明図であ
る。
【図8】 オートフォーカス信号波形のグラフである。
【図9】 別のオートフォーカス信号波形のグラフであ
る。
【図10】 図12の装置の一部の説明図である。
【図11】 図12の装置の一部の別の説明図である。
【図12】 従来の投影露光装置の要部概略図である。
【図13】 レチクル上の検出用マークの説明図であ
る。
【図14】 従来の焦点面検出処理から露光に至るまで
のシーケンスを示すフローチャートである。
【図15】 演算手段によりピント位置変化を演算する
際の信号の流れを説明するための図である。
【図16】 本発明の第2の実施例に係る投影露光装置
の要部概略図である。
【図17】 本発明の露光装置を利用できるデバイス製
造方法を示すフローチャートである。
【図18】 図17中のウエハプロセスの詳細なフロー
チャートである。
【符号の説明】
6:レチクル、7:レチクルステージ、8:窓抜き部、
9:投影レンズ、10:投光光学系、11:ウエハステ
ージ、12:ウエハ(感光基板)、13:基準平面、1
3a:ステージ基準マーク、14:フォーカス検出光学
系、26:位置センサ、27:焦点面位置検出光学系、
32:オートフォーカス検出系、33:駆動系、41:
ハーフミラー、46:コントローラ、47:画像信号解
析回路、48:駆動手段、50:演算部、51:記憶
部、53:計測像高、60:像面、61,62:計測範
囲、63,65:ピント位置、66:焦点面位置検出光
学系の駆動によるヨタリ、67:レチクルのタワミ、7
1:集光レンズ、72:ミラー、RWa:レチクルのフ
ォーカス検出用マーク。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原板上のパターンを投影光学系を介し
    て、可動ステージ上に載置した感光基板上に投影露光す
    る装置であって、前記可動ステージの光軸方向移動中の
    前記投影光学系を介した光電検出動作により前記投影光
    学系による前記可動ステージ側適正ピント位置を検出す
    るフォーカス検出系を有し、演算によって求められる適
    正ピント位置の変化量に基づいて前記可動ステージの前
    記光軸方向移動の実行位置を制御するとともに、前記演
    算によって求められる適正ピント位置の変化量は、前記
    投影光学系の照明条件に対応した像面湾曲、または前記
    適正ピント位置検出用の基準平面の傾きのうちの少なく
    とも1つに起因した変化量を含むことを特徴とする投影
    露光装置。
  2. 【請求項2】 原板上のパターンを投影光学系を介し
    て、可動ステージ上に載置した感光基板上に投影露光す
    る装置であって、前記可動ステージの光軸方向移動中の
    前記投影光学系を介した光電検出動作により前記投影光
    学系による前記可動ステージ側適正ピント位置を検出す
    るフォーカス検出系を有し、演算によって求められる適
    正ピント位置の変化量に基づいて前記可動ステージの前
    記光軸方向移動の実行位置を制御するとともに、前記フ
    ォーカス検出系は、前記可動ステージ上に設けた基準マ
    ークの像を前記投影光学系を介して光電検出することに
    より前記可動ステージ側適正ピント位置を検出するもの
    であり、前記演算によって求められる適正ピント位置の
    変化量は、前記基準マークの像高における変化量である
    ことを特徴とする投影露光装置。
  3. 【請求項3】 前記演算によって求められる適正ピント
    位置の変化量は、経時変化、前記投影光学系の照明条件
    に対応した像面湾曲、または前記基準マークが設けられ
    た基準平面の傾きのうちの少なくとも1つに起因した変
    化量を含むことを特徴とする請求項2に記載の投影露光
    装置。
  4. 【請求項4】 前記フォーカス検出系は、前記投影光学
    系を介して前記可動ステージ上に設けた基準マークを光
    電検出することにより前記可動ステージ側適正ピント位
    置を検出することを特徴とする請求項1に記載の投影露
    光装置。
  5. 【請求項5】 前記フォーカス検出系は、前記可動ステ
    ージ上に設けた基準マークを前記投影光学系を介して前
    記原板側に投影し、該原板側の投影像を前記投影光学系
    を介して前記基準マーク上に再投影した上で光電検出す
    ることにより、前記可動ステージ側適正ピント位置を検
    出することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に
    記載の投影露光装置。
  6. 【請求項6】 前記フォーカス検出系は、前記原板上に
    設けた検出マークと前記可動ステージ上に設けた基準マ
    ークとを同一光路上で観察することにより前記可動ステ
    ージ側適正ピント位置を検出するための焦点面検出光学
    系を有し、前記光電検出を前記焦点面検出光学系による
    前記基準マークの観察像の結像位置において行なうもの
    であり、また、その際の前記焦点面検出光学系のピント
    を前記検出マークに合わせる手段を有することを特徴と
    する請求項1〜5のいずれか1項に記載の投影露光装
    置。
  7. 【請求項7】 投影光学系の像投影側での被検物体の光
    軸方向移動中の前記投影光学系を介した光電検出動作に
    より、前記投影光学系による前記像側適正ピント位置を
    検出するフォーカス検出系を有し、演算によって求めら
    れる適正ピント位置の変化量に基づいて前記被検物体の
    光軸方向移動の実行位置を制御するとともに、前記演算
    によって求められる適正ピント位置の変化量は、前記投
    影光学系の照明条件に対応した像面湾曲、または前記適
    正ピント位置検出用の基準平面の傾きのうちの少なくと
    も1つに起因した変化量を含むことを特徴とするフォー
    カス検出装置。
  8. 【請求項8】 投影光学系の像投影側での被検物体の光
    軸方向移動中の前記投影光学系を介した光電検出動作に
    より、前記投影光学系による前記像側適正ピント位置を
    検出するフォーカス検出系を有し、演算によって求めら
    れる適正ピント位置の変化量に基づいて前記被検物体の
    光軸方向移動の実行位置を制御するとともに、前記フォ
    ーカス検出系は、前記被検物体上の基準マークの像を前
    記投影光学系を介して光電検出することにより前記像側
    適正ピント位置を検出するものであり、前記演算によっ
    て求められる適正ピント位置の変化量は、前記基準マー
    クの像高における変化量であることを特徴とするフォー
    カス検出装置。
  9. 【請求項9】 原板上のパターンを投影光学系を介し
    て、可動ステージ上に載置した感光基板上に投影露光す
    る工程と、前記可動ステージの光軸方向移動中の前記投
    影光学系を介した光電検出動作により前記投影光学系に
    よる前記可動ステージ側適正ピント位置を検出する工程
    とを有するとともに、演算によって求めた適正ピント位
    置の変化量に基づいて前記可動ステージの前記光軸方向
    移動の実行位置を制御することを特徴とするデバイス製
    造方法。
  10. 【請求項10】 原板上のパターンを投影光学系を介し
    て、可動ステージ上に載置した感光基板上に投影露光す
    る工程と、前記可動ステージの光軸方向移動中の前記投
    影光学系を介した光電検出動作により前記投影光学系に
    よる前記可動ステージ側適正ピント位置を検出する工程
    とを有するとともに、前記フォーカス検出系は、前記可
    動ステージ上に設けた基準マークの像を前記投影光学系
    を介して光電検出することにより前記可動ステージ側適
    正ピント位置を検出するものであり、前記演算によって
    求められる適正ピント位置の変化量は、前記基準マーク
    の像高における変化量であることを特徴とするデバイス
    製造方法。
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