JP2000306249A - 光ピックアップ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 レーザー光のフォーカス方向およびトラッキ
ング方向への駆動に際し、メカニカルな駆動機構が少な
く、駆動に多くの時間とエネルギーを必要とせず、軽量
な駆動機構の光ピックアップ装置を提供することを目的
とするものである。 【解決手段】 光源から出射されたレーザー光６を対物
レンズ８を介して光ディスク１の信号記録面に照射し、
その信号記録面から得られる戻り光に基づいて再生信号
を得る光ピックアップ装置３において、制御電圧が印加
された圧電素子１３で前記対物レンズ８に圧力を加え、
対物レンズ８を変形させることにより電気的に対物レン
ズ８の焦点位置を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、光ディスクに信号
を記録／再生するための光ピックアップ装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】高密度で多大の情報を記録することがで
きる光ディスクは、近年多くの分野において利用が進め
られ、また、光ディスクは非接触、媒体交換が容易とい
う優れた特徴を有する光情報記録媒体であることから、
特に光ディスクファイルやコンピュータの外部記憶媒体
として注目されている。

【０００３】このような光ディスクは、例えば半導体レ
ーザを用いた光ピックアップによって情報を記録または
再生し、媒体によっては記録された情報を消去・書換え
ることができる。

【０００４】図４は従来の光ピックアップ装置の要部構
成図であり、１は回転軸２により回転する光ディスク、
３は光ディスク１の記録面側に設けられた光ピックアッ
プ装置、４は光ピックアップ装置３を光ディスク１のト
ラック方向に移動させるトラック方向駆動装置、５は光
ディスク１の記録面にレーザー光６を発射し、反射光を
受光するレーザー光発射／受光装置、７は光ディスク１
の記録面とレーザー光発射／受光装置５の間に固定さ
れ、レーザー光発射／受光装置５からのレーザー光６を
方向変換する反射ミラー、８はレーザー光６の経路にお
いて、光ディスク１の記録面の直前にホルダー９によっ
て保持され、レーザー光６を記録面のトラックに集光す
る対物レンズ、１０はホルダー９によって保持された対
物レンズ８を、光ディスク１の記録面のフォーカス方向
に移動させるフォーカス方向駆動装置、１１は光ディス
ク１の記録面のトラックに照射するレーザー光６をトラ
ック方向に微調整するために光ピックアップ装置３の一
部１２を移動させるトラック方向微調整装置であり、こ
の種の光ピックアップ装置では、対物レンズ８を光ディ
スク１の記録面のフォーカス方向に移動させるフォーカ
ス方向駆動装置１０と、反射ミラー７が固定されている
ために、光ピックアップ装置３の一部１２を光ディスク
１のトラッキング方向に移動させるトラック方向微調整
装置１１と、光ピックアップ装置３全体を光ディスク１
のトラック方向に移動させるトラック方向駆動装置４と
が必要になる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上記図４に示す従来の
光ピックアップ装置では、フォーカス方向駆動装置１０
で対物レンズ８をフォーカス方向に駆動し、レーザー光
発射／受光装置５を含む光ピックアップ装置３の一部１
２をトラック位置の微調整をするためにトラック方向微
調整装置１１で駆動し、さらにそれら全てを含む光ピッ
クアップ装置３をトラック方向駆動装置４で駆動する必
要があるために、メカニカルに駆動する機構が多く、駆
動に多くの時間とエネルギーが必要となる。

【０００６】本発明は、メカニカルに駆動する機構が少
なく、駆動に多くの時間とエネルギーを必要とせず、駆
動機構の簡単な光ピックアップ装置を提供することを目
的とするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに本発明は、対物レンズの周りに圧電素子を配置し
て、圧電素子に制御電圧を印加することにより圧電素子
を変形させて対物レンズに圧力を加え、その圧力により
対物レンズを変形させて、電気的に対物レンズの焦点位
置を制御する光ピックアップ装置であり、レーザー光の
フォーカシング方向の制御とトラッキング方向の制御に
よる焦点位置制御のためのメカニカルな駆動機構を不要
にして、光ディスクの記録トラックにレーザー光の焦点
距離と焦点方向を合わせるための時間を短縮し、少ない
エネルギーで動作することができ、また、メカニカルな
駆動機構を持たないために光ピックアップ装置を軽量化
することができる。

【０００８】

【発明の実施の形態】本発明の請求項１に記載の発明
は、光源から出射されたレーザー光を対物レンズを介し
て光ディスクの信号記録面に照射し、その信号記録面か
ら得られる戻り光に基づいて再生信号を得る光ピックア
ップ装置において、制御電圧が印加された圧電素子で前
記対物レンズに圧力を加え、対物レンズを変形させるこ
とにより電気的に対物レンズの焦点位置を制御する光ピ
ックアップ装置であり、制御電圧の印加された圧電素子
が対物レンズを変形させることにより、レーザー光の焦
点位置を電気的に合わせるため、焦点位置の制御のため
の時間が短縮でき、少ないエネルギーで動作することが
でき、また、メカニカルな駆動機構を持たないために光
ピックアップ装置を軽量化することができるという作用
を有する。

【０００９】本発明の請求項２に記載の発明は、圧電素
子が対物レンズの周囲に複数個設けられ、複数個の圧電
素子全てに均一な制御電圧を印加して対物レンズの厚み
を変化させることにより、電気的に対物レンズの焦点距
離を合わせる請求項１に記載の光ピックアップ装置であ
り、全ての圧電素子が制御電圧の大きさに応じて対物レ
ンズの厚みを変化させて焦点距離を制御するという作用
を有する。

【００１０】本発明の請求項３に記載の発明は、圧電素
子が対物レンズの周囲に複数個設けられ、複数個の圧電
素子に偏って制御電圧を印加して対物レンズを非対称に
変形させることにより、電気的に対物レンズの焦点方向
を合わせる請求項１に記載の光ピックアップ装置であ
り、複数個の圧電素子に偏って制御電圧が印加されるこ
とにより、制御電圧の偏りに応じて対物レンズを非対称
に変形させ、対物レンズの焦点方向を制御するという作
用を有する。

【００１１】本発明の請求項４に記載の発明は、圧電素
子が対物レンズの周囲に複数個設けられ、複数個の圧電
素子全てに均一な制御電圧と複数個の圧電素子に偏った
制御電圧とを印加して対物レンズに厚みの変化と非対称
な変形を与えることにより、電気的に対物レンズの焦点
距離と焦点方向を制御する請求項１に記載の光ピックア
ップ装置であり、複数個の圧電素子全てに均一な制御電
圧と複数個の圧電素子に偏った制御電圧とを印加するこ
とにより、対物レンズの厚みの変化による焦点距離の制
御と対物レンズの非対称の変形による焦点方向の制御を
同時に行うという作用を有する。

【００１２】以下、本発明の実施の形態について図面を
参照して説明する。

【００１３】（実施の形態）図１は本発明の実施の形態
における光ピックアップ装置の要部構成図であり、従来
の光ピックアップ装置の要部構成図を示す図４と異なる
ところは、図４においてはトラック方向微調整装置１１
により光ピックアップ装置３の一部１２を光ディスク１
のトラッキング方向に移動させ、レーザー光６のトラッ
キング方向の位置微調整をし、フォーカス方向駆動装置
１０により対物レンズ８をフォーカス方向に移動させ、
レーザー光６のフォーカシング方向の調整をしているの
に対し、対物レンズ８の周囲に配置した複数個の圧電素
子１３を印加電圧制御回路１４により印加電圧制御する
ことにより、対物レンズ８の変形を制御して、レーザー
光６のトラッキング方向の位置微調整とフォーカシング
方向の調整をしている点であり、その他の点は図４と同
じであるので、同じ符号を付す。

【００１４】図２は図１における対物レンズ８と、その
周囲の圧電素子１３の部分の拡大上面図であり、対物レ
ンズ８の周囲に対物レンズ８変形用の圧電素子１３が一
定角度間隔で複数個配置されている。

【００１５】図３は本発明の実施の形態における光ピッ
クアップ装置の対物レンズの焦点位置変化状態図であ
り、対物レンズ８がその周囲に配置された複数の圧電素
子１３の圧力により厚みの変化と非対称な変形を生じ、
対物レンズ８の無変形時における焦点位置１５−０が、
厚みの変化により焦点距離が変化し、１５−ａ，１５−
ｂの位置へ変化し、非対称な変形により焦点方向が変化
し、１５−ｃ，１５−ｄのように変化する。

【００１６】なお、１５−ｅは対物レンズ８が厚みの変
化と非対称な変形を同時に生じた場合の焦点位置を示
す。

【００１７】本実施の形態における光ピックアップ装置
の複数個の圧電素子１３全てに均一な制御電圧を印加し
て対物レンズ８の厚みを変化させた場合は、図３におけ
る対物レンズ８の無変形時における焦点位置１５−０を
１５−ａ，１５−ｂに示すように、電気的に対物レンズ
８の焦点距離を変化させることができ、従来の光ピック
アップ装置を示す図４におけるメカニカルな駆動機構で
あるフォーカス方向駆動装置１０が不要になる。

【００１８】また、本実施の形態における光ピックアッ
プ装置の複数個の圧電素子１３に偏って制御電圧を印加
して、制御電圧の偏りに応じて対物レンズ８を非対称に
変形させた場合は、図３における対物レンズ８の無変形
時における焦点位置１５−０を１５−ｃ，１５−ｄに示
すように、電気的に対物レンズ８の焦点方向を変化させ
ることができ、従来の光ピックアップ装置を示す図４に
おけるメカニカルな駆動機構であるトラック方向微調整
装置１１が不要になる。

【００１９】また、本実施の形態における光ピックアッ
プ装置の複数個の圧電素子１３に印加する制御電圧を、
その大きさと偏りを同時に変化させた場合は、対物レン
ズ８の焦点距離と焦点方向は印加した制御電圧の大きさ
と偏りに応じて、図３における対物レンズ８の無変形時
における焦点位置１５−０を焦点距離と焦点方向が共に
変化した焦点位置１５−ｅに変化させることができ、従
来の光ピックアップ装置を示す図４におけるメカニカル
な駆動機構であるフォーカス方向駆動装置１０とトラッ
ク方向微調整装置１１が共に不要になる。

【００２０】さらに、本実施の形態における光ピックア
ップ装置においては、対物レンズ８を光ピックアップ装
置に固定することが可能になり、レーザー光６のフォー
カス方向およびトラッキング方向の調整を電気的にでき
るため、レーザー光６が合焦するまでの時間が短縮で
き、メカニカルな駆動機構に比べ軽量化でき、駆動に必
要なエネルギーも少なくできる。

【００２１】

【発明の効果】以上のように、本発明の光ピックアップ
装置によれば、圧電素子の圧力で対物レンズを変形させ
ることにより、レーザー光の焦点位置への駆動を電気的
に行うことができることになり、メカニカルな駆動機構
が不要になり、対物レンズを光ピックアップ装置に固定
することが可能となるので、レーザー光が合焦するまで
の時間が短縮でき、メカニカルな駆動機構に比べ軽量化
でき、駆動に必要なエネルギーも少なくできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態における光ピックアップ装
置の要部構成図

【図２】図１における一部分の拡大上面図

【図３】本発明の実施の形態における光ピックアップ装
置の対物レンズの焦点位置変化状態図

【図４】従来の光ピックアップ装置の要部構成図

【符号の説明】

１ 光ディスク ２ 回転軸 ３ 光ピックアップ装置 ４ トラック方向駆動装置 ５ レーザー光発射／受光装置 ６ レーザー光 ７ 反射ミラー ８ 対物レンズ ９ ホルダー １０ フォーカス方向駆動装置 １１ トラック方向微調整装置 １２ 光ピックアップ装置３の一部 １３ 圧電素子 １４ 印加電圧制御回路 １５−０，１５−ａ，１５−ｂ，１５−ｃ，１５−ｄ，
１５−ｅ 焦点位置

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 光源から出射されたレーザー光を対物レ
   ンズを介して光ディスクの信号記録面に照射し、その信
   号記録面から得られる戻り光に基づいて再生信号を得る
   光ピックアップ装置において、制御電圧が印加された圧
   電素子で前記対物レンズに圧力を加え、対物レンズを変
   形させることにより電気的に対物レンズの焦点位置を制
   御する光ピックアップ装置。
2. 【請求項２】 圧電素子が対物レンズの周囲に複数個設
   けられ、複数個の圧電素子全てに均一な制御電圧を印加
   して対物レンズの厚みを変化させることにより、電気的
   に対物レンズの焦点距離を合わせる請求項１に記載の光
   ピックアップ装置。
3. 【請求項３】 圧電素子が対物レンズの周囲に複数個設
   けられ、複数個の圧電素子に偏って制御電圧を印加して
   対物レンズを非対称に変形させることにより、電気的に
   対物レンズの焦点方向を合わせる請求項１に記載の光ピ
   ックアップ装置。
4. 【請求項４】 圧電素子が対物レンズの周囲に複数個設
   けられ、複数個の圧電素子全てに均一な制御電圧と複数
   個の圧電素子に偏った制御電圧とを印加して対物レンズ
   に厚みの変化と非対称な変形を与えることにより、電気
   的に対物レンズの焦点距離と焦点方向を制御する請求項
   １に記載の光ピックアップ装置。