JP2000030290A - 光学ヘッド装置及び光ディスクの記録再生装置 - Google Patents

光学ヘッド装置及び光ディスクの記録再生装置

Info

Publication number
JP2000030290A
JP2000030290A JP10197135A JP19713598A JP2000030290A JP 2000030290 A JP2000030290 A JP 2000030290A JP 10197135 A JP10197135 A JP 10197135A JP 19713598 A JP19713598 A JP 19713598A JP 2000030290 A JP2000030290 A JP 2000030290A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lens
light
optical
objective lens
head device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10197135A
Other languages
English (en)
Inventor
Takayuki Izeki
隆之 井関
Norio Onozato
紀夫 小野里
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Victor Company of Japan Ltd
Original Assignee
Victor Company of Japan Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Victor Company of Japan Ltd filed Critical Victor Company of Japan Ltd
Priority to JP10197135A priority Critical patent/JP2000030290A/ja
Publication of JP2000030290A publication Critical patent/JP2000030290A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Optical Head (AREA)
  • Optical Recording Or Reproduction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光ディスクの保護膜の厚さのばらつきがあっ
ても良好な再生信号が得られる光学ヘッド装置及び記録
再生装置を提供する。 【解決手段】 対物レンズ20と補助レンズ21とが、
一定の距離を隔てて配置されている対物レンズ系が、フ
ォーカス制御系とトラッキング制御系とのアクチュエー
タ22によって、光軸方向と光軸と直交する方向に変位
駆動させる。また半導体レーザ15からの射出されたレ
ーザ光束が入射されるコリメータレンズ16の位置を、
ディスクの保護膜の厚さが変化していても、光ディスク
Dの信号面の光点の大きさが常に最小の状態になるよう
にさせることができる制御信号により変位させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学ヘッド装置及
び光ディスクの記録再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】記録媒体に対する情報信号の高密度記録
化の要請により、近年来、色々な構成原理や動作原理に
基づいて作られた各種の記録媒体が実用されているが、
安定な動作を行なう半導体レーザが容易に得られるよう
になったのに伴い、レーザ光を用いて高密度記録再生を
行なうようにした各種の光ディスクが、非接触状態での
記録再生が可能であることから、傷や塵埃に強く、ま
た、高密度記録により大きな記憶容量が得られる等の利
点を有するために、近年になって、幾何学的な凹部、あ
るいは凸部として形成されているピットによって、情報
信号が記録された原盤から大量に複製された記録済み光
ディスク(再生専用の光ディスク)として、例えば、CD
やDVDが提供されている他、記録可能な光ディスクと
しても、例えば光磁気ディスク、相変化ディスク、その
他の光ディスクが、例えばCD−R、MD、DVD−
R、DVD−RAMとして実用化されていることは周知
のとおりである。
【0003】さて、光ディスクの記録密度を高めるため
には、記録対象の情報と対応するマークの間隔(ピッ
チ)を狭めると同時に、対物レンズによる集束光の最小
半径(ビームウエスト)の部分によって、光ディスクに
おける信号面に生じさせるべき光スポットの大きさを小
さくする必要がある。そして、周知のように対物レンズ
による集束光の最小半径は、記録再生に使用される光の
波長をλとし、対物レンズの開口数をNAとすると、λ
/NAによって表されるから、高密度記録再生を行なう
光学ヘッドにおいて、対物レンズによる集束光の最小半
径を小さくするのには、波長λの短い光を記録再生時に
使用するとともに、開口数NAの大きな対物レンズを使
用することが必要とされる。
【0004】しかし、記録再生時に使用されるレーザ光
の波長は、実用化されている半導体レーザの内から選択
使用される半導体レーザによって定まるから、現在実用
化されているレーザ光の波長よりも短波長の光を記録再
生時に使用するには、短波長の光を安定に放射できる新
たな半導体レーザの出現を待たなければならないし、ま
た、単一の対物レンズを用いて構成されている光学ヘッ
ド装置において現在実用化されている対物レンズの開口
数は、非球面レンズの製造上の理由から0.6程度が限
界となっていること等の事情があるために、単一の対物
レンズを用いて集束光の最小半径を、より一層小さくす
ることは困難であった。それで、光学ヘッド装置で使用
する対物レンズとして、顕微鏡で用いられている対物レ
ンズと同様に、2枚のレンズを用いて実質的開口数が
0.8以上となるように構成した光学系を用いて、集束
光の最小半径を小さくさせるようにする方法が、例え
ば、[S.M. Mansfield, W.R. Studenmund, G.S. Kino, a
nd K.Osato,「High-Numerical-Apature Lens System for
Optical Strage 」 Opt.lett.18,305-307(1993)]で提案
されている。
【0005】しかしながら、前記の提案のように2枚の
レンズで構成して、開口数NAを高めた対物レンズを用
いた場合には、光ディスクの製造上の理由から、光ディ
スクにおける信号面の保護膜の厚さは、光ディスク毎に
ばらついているものであるし、1枚の光ディスクについ
ても、それの信号面の保護膜の厚さにむらがあるため
に、光ディスクの保護膜の厚さの変化に伴って球面収差
が生じて再生信号が劣化するという問題が生じる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記の問題を解決する
手段として、従来、2枚のレンズで構成されている対物
レンズと、光ディスクとの光軸方向での相対的な距離の
調整を行なうとともに、対物レンズを構成している2枚
のレンズの内で、光デイスクに近い方のレンズをアクチ
ュエータによって光軸方向に駆動変位させたり、対物レ
ンズを構成している2枚のレンズの一方のレンズを、他
方のレンズに対して光軸方向に相対的に移動させるよう
にアクチュエータによって駆動変位させたりすることに
より、既述したような原因による再生信号の劣化が生じ
ないようにする、という提案が、例えば、特開平8ー2
12579号公報、特開平9ー251645号公報など
に開示されている。
【0007】しかしながら、前記した公開公報に開示さ
れている従来技術には、次のような問題点がある。すな
わち、光ディスクの記録再生学装置では、回折限界の微
小光点を光ディスクの信号面のトラックに常に良好に追
跡させている状態で、光学ヘッド装置による再生動作が
行なわれる必要があるために、光ディスクの記録再生装
置に使用される光学ヘッド装置は、自動焦点制御系や、
自動トラッキング制御系を備えているものとして構成さ
れる。それで、光学ヘッド装置の対物レンズには、少な
くとも、焦点調節用のアクチュエータと、トラッキング
調節用のアクチュエータとの2種類のアクチュエータが
組込まれているから、前記の公開公報に記載の提案のよ
うに、対物レンズを構成している2枚のレンズ間の間隔
調節用のアクチュエータを追加して設けることは、大き
さの増加、重量の増加をもたらし、自動焦点制御系や自
動トラッキング制御系の応答性の悪化を招くということ
が問題になる。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくとも、
光源と、光源から射出された光を平行光にするレンズ
と、前記の平行光を集束する対物レンズと、前記の対物
レンズの開口数を実質的に変換する補助レンズとを備え
ていて、光ディスクの信号面に光を集光させるようにし
てある光学ヘッド装置において、前記の光源から射出さ
れた光を平行光にするレンズを、光軸方向に移動させる
手段を設けてなる光学ヘッド装置、及び少なくとも、光
源と、光源から射出された光を発散させる凹レンズと、
前記の凹レンズから射出された光を平行光にするレンズ
と、前記の平行光を集束する対物レンズと、前記の対物
レンズの開口数を実質的に変換する補助レンズとを備え
ていて、光ディスクの信号面に光を集光させるようにし
てある光学ヘッド装置において、前記した凹レンズと、
凹レンズから射出された光を平行光にするレンズとの少
なくとも一方を光軸方向に移動させる手段を設けてなる
光学ヘッド装置、ならびに平行光を集束する対物レンズ
と、前記の対物レンズの開口数を実質的に変換する補助
レンズと、光ディスクの信号面に前記した補助レンズか
ら射出された光を集光させるようにしてあるとともに、
前記した対物レンズまでの平行光束の光路中に、90度
だけ光路を折曲げる反射鏡を少なくとも設けて構成され
ている光学ヘッド装置において、前記の反射鏡として、
それの反射面が平面から凹面へ連続的に変形したり、凸
面状や凹面状に変形できる構成態様のものを用いてなる
光学ヘッド装置、及び少なくとも、光源と、光源から射
出された光を平行光にするレンズと、前記の平行光を集
束する対物レンズと、前記の対物レンズの開口数を実質
的に変換する補助レンズと、前記の光源から射出された
光を平行光にするレンズを、光軸方向で移動させる手段
とを備えて構成されている光学ヘッド装置と、前記した
補助レンズから射出されて光ディスクの信号面に集光し
た光点が、対物レンズ及び補助レンズの球面収差が補正
された状態になるように、前記した光学ヘッド装置にお
ける光源から射出された光を平行光にするレンズを記録
媒体の光軸方向に移動させる手段を制御する制御手段と
を設けてなる光ディスクの記録再生装置、及び少なくと
も、光源と、光源から射出された光を発散させる凹レン
ズと、前記の凹レンズから射出された光を平行光にする
レンズと、前記の平行光を集束する対物レンズと、前記
の対物レンズの開口数を実質的に変換する補助レンズ
と、前記した凹レンズと、凹レンズから射出された光を
平行光にするレンズとの少なくとも一方を光軸方向に移
動させる手段とを備えて構成されている光学ヘッド装置
と、前記した補助レンズから射出されて光ディスクの信
号面に集光した光点が、対物レンズ及び補助レンズの球
面収差が補正された状態になるように、前記した光学ヘ
ッド装置における前記した凹レンズと、凹レンズから射
出された光を平行光にするレンズとの少なくとも一方を
光軸方向に移動させる手段を制御する制御手段とを設け
てなる光ディスクの記録再生装置、及び平行光を集束す
る対物レンズと、前記の対物レンズの開口数を実質的に
変換する補助レンズと、光ディスクの信号面に前記した
補助レンズから射出された光を集光させるようにしてあ
るとともに、前記した対物レンズまでの平行光束の光路
中に、90度だけ光路を折曲げる反射鏡として、それの
反射面が平面から凹面へ連続的に変形したり、凸面状や
凹面状に変形できる構成態様のものを用いてなる光学ヘ
ッド装置と、前記した補助レンズから射出されて光ディ
スクの信号面に集光した光点が、対物レンズ及び補助レ
ンズの球面収差が補正された状態になるように、光学ヘ
ッド装置における前記した反射鏡の反射面の形状変化を
制御する制御手段とを設けてなる光ディスクの記録再生
装置を提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の光学ヘッド装置及び光ディスクの記録再生装置の具体
的な内容を詳細に説明する。図1は本発明の光学ヘッド
装置を含んで構成された光ディスクの記録再生装置の概
略構成を示すブロック図であり、また、図2乃至図5は
本発明の光学ヘッド装置の概略構成、動作の説明に使用
される図である。図1においてDは光ディスクであっ
て、前記の光ディスクDは例えばCD,DVD等のよう
な記録済光ディスクや、例えばDVD−R,DVD−R
AM等のような記録可能な光ディスクである。なお、以
下の説明においては、記録可能な光ディスク、記録済み
光ディスクを含めて、単に、「光ディスク」のように記
載される。
【0010】光ディスクDは、光デイスク駆動モータ6
の回転軸7に取付けられているターンテーブル8に載置
された後に、ディスククランパ9によってターンテーブ
ル8に固着される。前記の光ディスク駆動モータ6に
は、回転数及び回転位相を示す信号を発生する信号発生
器を備えており、前記の信号発生器で発生した信号をデ
ィスク回転制御部5に供給している。ディスク回転制御
部5と、前記した光ディスク駆動モータ6とは一巡の速
度,位相制御系を構成している。そして、ディスク回転
制御部5は、制御部4から供給される制御信号による制
御の下に、光ディスク駆動モータ6を所定の回転状態で
駆動回転させる。前記の制御部4としては、例えば、マ
イクロプロセッサとランダムアクセスメモリ(RA
M)、リードオンリーメモリ(ROM)等を含んで構成
されているものを使用することができる。
【0011】図1において1は本発明の光学ヘッド装置
(記録再生光学ヘッド部)であり、この光学ヘッド装置
1の具体的な構成例や動作等の詳細については、図2以
降を参照して後述されている。この光学ヘッド装置1
は、機械的な連結部(図1中に連結部として表示してあ
る)によって連結されている光ヘッド移送駆動部2の動
作により、光ディスクの径方向に所定の移動態様で移動
されるのであり、前記した光ヘッド移送駆動部2による
光学ヘッド装置1の移送動作は、制御部4やトラッキン
グ制御回路11から制御信号が供給されている光ヘッド
移送制御部3による移送制御動作の下に行なわれる。
【0012】前記の光学ヘッド装置1には、自動トラッ
キング制御系のアクチュエータと、自動フォーカス制御
系のアクチュエータとを備えており、前記の自動トラッ
キング制御系のアクチュエータには、光学ヘッド装置1
で発生されて端子28から出力されたトラッキング誤差
信号に基づいて、トラッキング制御回路11で発生され
たトラッキング制御信号が端子30を介して供給され、
また、前記の自動フォーカス制御系のアクチュエータに
は、光学ヘッド装置1で発生されて端子27から出力さ
れたフォーカス誤差信号に基づいて、フォーカス制御回
路10で発生されたフォーカス制御信号が端子31を介
して供給されている。それで、前記した2つのアクチュ
エータ(図2〜図4中には、2つのアクチュエータを図
面符号22でまとめて示している)によって、光軸方向
と、光軸方向に直交する方向との2方向に駆動変位され
る対物レンズ系(図2〜図4中の対物レンズ20と補助
レンズ21)により集束されたレーザ光は、微小な径の
光点として光ディスクDの信号面のトラックを正しく追
跡している状態にされる。
【0013】記録再生装置が記録動作モードで動作して
いるときに光学ヘッド装置1には、記録再生信号処理部
12で生成された記録データが入力端子29に供給さ
れ、また、記録再生装置が再生動作モードで動作してい
るときに、光学ヘッド装置1で再生された再生信号は、
それの出力端子26から記録再生信号処理部12に供給
される。前記した記録再生信号処理部12では、入力端
子13と制御部4を介してそれぞれ供給された光ディス
クDで記録の対象にしている記録データを、光ディスク
Dに記録するのに適する信号形態の信号とする所定の記
録信号処理動作、及び光ディスクDから再生された再生
信号を出力端子14から出力させるべき信号形態の再生
信号とする所定の再生信号処理動作を行なう。
【0014】次に、図2乃至図7を参照して、本発明の
記録再生装置で使用される光学ヘッド装置の構成例及び
動作原理などについて説明する。まず、図2及び図3に
示す本発明の光学ヘッド装置について図2乃至図4を参
照して説明する。図2及び図3において、15は半導体
レーザであり、16は前記した半導体レーザ15から放
射されたレーザ光束を平行光束にするレンズ(コリメー
タレンズ)である。前記のコリメータレンズ16はアク
チュエータ17によって、光軸方向に駆動変位できるよ
うにされている。
【0015】18はビームスプリッタ(偏光ビームスプ
リッタまたは半透明鏡)であり、また、19は必要に応
じて設けられる1/4波長板、20は対物レンズ、21
は補助レンズであり、前記の対物レンズ20と補助レン
ズ21とは、互いに所定の一定間隔を保持した状態で、
アクチュエータ22(自動トラッキング制御系のアクチ
ュエータと、自動フォーカス制御系のアクチュエータと
を結合させて構成してあるアクチュエータ)により、光
軸方向と、光軸方向に直交する方向との2方向に駆動変
位される。また、23は検出用光学デバイス、24は光
検出器(例えば四分割光検出器)、25は光検出器24
からの出力信号から、再生信号と、フォーカス誤差信号
と、トラッキング誤差信号とを発生させる信号処理回路
であり、26は再生信号の出力端子、27はフォーカス
誤差信号の出力端子、28はトラッキング誤差信号の出
力端子、29は記録データの入力端子、30はトラッキ
ング制御信号の入力端子、31はフォーカス制御信号の
入力端子である。
【0016】図3に示す光学ヘッド装置は、図2に示さ
れている光学ヘッド装置における半導体レーザ15とコ
リメータレンズ16との光路中に、凹レンズ33を配置
した構成形態のものである。そして、図3に示す光学ヘ
ッド装置は、コリメータレンズ16がアクチュエータ1
7によって、光軸方向に駆動変位されるような構成態様
にされている場合の構成例のものであるが、本発明の実
施に当っては、コリメータレンズ16を固定とし、凹レ
ンズ33がアクチュエータ17によって光軸方向に駆動
変位されるような構成態様の光学ヘッド装置として構成
したり、あるいは、コリメータレンズ16と、凹レンズ
33とを所定の一定間隔に保持させた状態で、前記の両
者がアクチュエータ17によって光軸方向に駆動変位さ
れるような構成態様の光学ヘッド装置として実施されて
もよい。
【0017】前記した図2に示す光学ヘッド装置におい
て、コリメータレンズ16の焦点距離の位置に半導体レ
ーザ15の発光点が位置しているように、コリメータレ
ンズ16が規準の位置に設置されている状態では、半導
体レーザ15から放射された発散状態のレーザ光束は、
コリメータレンズ16によって平行光束にされて、ビー
ムスプリッタ17に入射する。また、図3に示す光学ヘ
ッド装置では、半導体レーザ15から放射された発散状
態のレーザ光束が、凹レンズ33によって拡がりが大き
くされた状態でコリメータレンズ16に入射し、コリメ
ータレンズ16よって平行光束にされて、ビームスプリ
ッタ17に入射する。前記のビームスプリッタ17から
射出した平行なレーザ光束は、1/4波長板19を透過
して対物レンズ20に入射される。そして、対物レンズ
20によって集束状態にされたレーザ光は、補助レンズ
21によって屈折された後に、補助レンズ21から射出
して光ディスクDに入射される。
【0018】光ディスクDに入射したレーザ光束によっ
て光ディスクDの信号面に生じた光点からの反射光は、
補助レンズ21→対物レンズ20→1/4波長板19→
ビームスプリッタ18→検出用光学デバイス(シリンド
リカルレンズを含んで構成されている光学系)23→光
検出器(四分割光検出器)24のような経路を経て、光
検出器(例えば四分割光検出器)に入射する。四分割光
検出器24からの出力信号が供給された信号処理回路2
5では、前記した四分割光検出器24における4個の光
検出部A,B,C,Dが、例えば反時計まわりにA→B
→C→Dのように配置されていたとし、また、前記の各
光検出部A,B,C,Dからの出力信号を、Sa,S
b,Sc,Sdと表した場合に、前記の各信号Sa,S
b,Sc,Sdについて演算を行ない、前記の各信号の
総和(Sa+Sb+Sc+Sd)の信号を再生信号とし
て出力端子26に出力する。また、前記の各信号Sa,
Sb,Sc,Sdについて、(Sa+Sc)−(Sb+
Sd)の演算を行なって得た信号をフォーカス誤差信号
として出力端子27に出力する。さらに、前記の各信号
Sa,Sb,Sc,Sdについて、(Sa+Sd)−
(Sb+Sc)の演算を行なって得た信号をトラッキン
グ誤差信号として出力端子28に出力する。
【0019】光学ヘッド装置1における自動トラッキン
グ制御系のアクチュエータと自動フォーカス制御系のア
クチュエータ22には、既述のように端子30,31を
介して、トラッキング制御回路11で発生されたトラッ
キング制御信号と、フォーカス制御回路10で発生され
たフォーカス制御信号とが供給されているから、対物レ
ンズ系(対物レンズ20と補助レンズ21)は、前記し
た2つのアクチュエータ22によって、光軸方向と、光
軸方向に直交する方向との2方向に駆動変位されて、対
物レンズ系(対物レンズ20と補助レンズ21)により
集束されたレーザ光は、微小な径の光点として光ディス
クDの信号面のトラックを正しく追跡している状態にさ
れる。
【0020】したがって、対物レンズ20と補助レンズ
21とが所定の一定の間隔に保持された構成態様の対物
レンズ系が用いられている前記した光学ヘッド装置1
は、光ディスクDの面振れがあっても補助レンズ21の
主平面と光ディスクの信号面との距離は、前記した自動
フォーカス制御系の制御動作によって、常に最良のフォ
ーカス状態で記録再生を行なうことができる。
【0021】ところで、光学ヘッド装置1において用い
られている対物レンズ系が、前記のように対物レンズ2
0と補助レンズ21との2枚のレンズを用いて、レーザ
光を光ディスクDの信号面(記録面)に集光させるよう
にしているのは、従来例に関する説明中で記述した理由
により、2枚のレンズを用いて実質的開口数が0.8以
上となるような光学系を構成させるためである。ところ
が、既述したように2枚のレンズで構成した対物レンズ
を用いた場合には、対物レンズを構成している2枚のレ
ンズの内で、光デイスクに近い方のレンズと光ディスク
Dの信号面との間に存在する保護膜の厚さが、光ディス
ク毎にばらついていたり、あるいは1枚の光ディスクに
ついても、それの信号面の保護膜の厚さにむらがあるた
めに、光ディスクの保護膜の厚さの変化に伴って対物レ
ンズ系に生じる倍率誤差に基づく球面収差により、前記
した自動フォーカス制御系が正常に動作していたとして
も、光ディスクDの信号面の光点の大きさが最良の状態
からずれるということが起きる。
【0022】そこで、図2及び図3に示す本発明の光学
ヘッド装置では、半導体レーザ15から発散状態で射出
されたレーザ光を平行光にするレンズ(コリメータレン
ズ)16と、半導体レーザ15から発散状態で射出され
たレーザ光の発散の状態を拡大させた状態でコリメータ
レンズ16に入射させる凹レンズとの内の、いずれか一
方または双方のものを、アクチュエータ17によって光
軸方向に変位させ、それにより、コリメータレンズ16
から射出される光束を、コリメータレンズ16が、それ
の焦点距離の位置に半導体レーザ15の発光点が位置し
ているように規準の位置に設置されている場合の平行光
の状態から、集束光の状態または発散光の状態に変化さ
せた光束を、対物レンズ系の対物レンズ20に入射させ
ることにより、光ディスクの保護膜の厚さの変化に伴っ
て対物レンズ系に生じる倍率誤差に基づく球面収差が補
正されるようにして、光ディスクの保護膜の厚さが変化
していても、光ディスクDの信号面の光点の大きさが常
に最小の状態になるようにしているのである。
【0023】すなわち、対物レンズ20と補助レンズ2
1とによって構成されている対物レンズ系は、それに平
行光束が入射されている状態において、結像倍率が無限
となっているが、対物レンズ20に入射する光束が、集
束光束あるいは発散光束が入射されると、結像倍率が有
限値に変化して結像倍率誤差を生じ、それに伴って球面
収差が発生する。本発明の光学ヘッド装置では、前記の
ように対物レンズ20と補助レンズ21とによって構成
されている対物レンズ系に入射される光束が平行光束で
なく、集束光束あるいは発散光束の場合に、結像倍率が
有限値に変化したことによる結像倍率誤差に伴って発生
する球面収差によって、光ディスクの保護膜の厚さの変
化に伴って対物レンズ系に生じる倍率誤差に基づく球面
収差が打消されるように補正して、光ディスクの保護膜
の厚さが変化していても、光ディスクDの信号面の光点
の大きさが常に最小の状態になるようにさせるのであ
る。
【0024】図2及び図3に示されている光学ヘッド装
置において、コリメータレンズ16を光軸方向で変位さ
せるアクチュエータ17としては、例えば、動電型の電
気ー機械変換器(ボイスコイル型アクチュエータ)、あ
るいは電歪型の電気ー機械変換器、電磁型の電気ー機械
変換器、その他の電気ー機械変換器の内から適当なもの
を選択使用することができる。前記したアクチュエータ
17は、制御部4で発生されて制御部4から端子32を
介して供給される駆動制御信号によって、コリメータレ
ンズ16を光軸方向に駆動変位させるのであるが、前記
した駆動制御信号は、光学ヘッド装置1の信号処理回路
25から端子26を介して記録再生信号処理部12に供
給される再生信号に基づいて、次のようにして発生させ
ることができる。
【0025】すなわち、制御部4から端子32を介して
アクチュエータ17に供給される駆動制御信号は、例え
ば、記録再生信号処理部12における再生信号に対する
信号処理の結果として得られる再生信号の高域信号成分
の振幅と対応している信号として発生させたり、あるい
は、2値化した信号と、基準のクロック信号とのジッタ
量と対応している信号として発生させることができる。
【0026】さて、図示しない操作部に対して使用者が
記録(再生)動作の開始のための入力情報を与えると、
光ディスクの記録再生装置の制御部4では、記録(再
生)動作の開始に当り、まず、コリメータレンズ16の
焦点が、半導体レーザ15の発光点の位置に一致する状
態にさせうるような駆動制御信号をアクチュエータ17
に供給して、コリメータレンズ16から平行光束が出射
される状態にする。次に、制御部4では記録再生装置を
再生動作モードでの動作状態にし、光ディスクDを所定
の回転数で回転させ、光学ヘッド装置1から光ディスク
Dの再生信号、フォーカス誤差信号、トラッキング誤差
信号等を出力させる。
【0027】光学ヘッド装置1から出力された前記のフ
ォーカス誤差信号、トラッキング誤差信号に基づいて、
既述のようにフォーカス制御回路10やトラッキング制
御回路11で発生されたフォーカス制御信号やトラッキ
ング制御信号によって、光学ヘッド装置1内の対物レン
ズ系(対物レンズ20と補助レンズ21)のアクチュエ
ータ22が対物レンズ系を、光軸方向と、光軸に直交す
る方向との2方向に駆動変位して、前記の対物レンズ系
により集束されたレーザ光が、微小な径の光点として光
ディスクDの信号面のトラックを正しく追跡している状
態で、光ディスクDから再生信号を発生できるようにす
る。
【0028】前記の状態で光ディスクDから再生された
再生信号が、光学ヘッド装置1の出力端子26を介して
供給された記録再生信号処理部12では、再生信号に対
する信号処理の結果として得られる再生信号の高域信号
成分、あるいは、再生信号を2値化した信号を制御部4
に供給し、制御部4では、前記した再生信号の高域信号
成分の振幅に基づいて駆動制御信号を発生して、それを
端子32を介してアクチュエータ17に供給したり、あ
るいは、前記の再生信号を2値化した信号と、基準のク
ロック信号とのジッタ量と対応している信号に基づいて
駆動制御信号を発生して、それを端子32を介してアク
チュエータ17に供給したりする。それにより、アクチ
ュエータ17は、前記した駆動制御信号によって対物レ
ンズ系(対物レンズ20と補助レンズ21)を光軸方向
に変位させる。
【0029】それで、アクチュエータ17→対物レンズ
系(対物レンズ20と補助レンズ21)→光ディスクD
の信号面の光点からの反射光→補助レンズ21→対物レ
ンズ20→1/4波長板19→ビームスプリッタ18→
検出用光学デバイス(シリンドリカルレンズを含んで構
成されている光学系)23→光検出器(四分割光検出
器)24→信号処理回路25→再生信号→端子26→記
録再生信号処理部12→制御部4→アクチュエータ17
の一巡の自動制御系の動作により、光ディスクDの信号
面上の光点が最小にされるように制御されることにな
る。
【0030】そして、前記のように光ディスクDの信号
面上の光点を最小径にさせることができるコリメータレ
ンズ16の光軸上の位置は、コリメータレンズ16を前
記の光軸上の位置にさせるためにアクチュエータ17に
供給された駆動制御信号の極性及び大きさによって示す
ことができる。すなわち、コリメータレンズ16の焦点
が、半導体レーザ15の発光点の位置に一致する状態に
させうるコリメータレンズ16の位置をコリメータレン
ズ16の基準位置とし、コリメータレンズ16を基準位
置にさせうる駆動制御信号を基準の駆動制御信号とした
ときに、記録再生の対象にされる光ディスクDにおける
保護膜の厚さの変化と対応して、光ディスクDの信号面
上の光点を最小径にさせることができるコリメータレン
ズ16の光軸上の位置が、前記した基準の位置からのず
れ量は、アクチュエータ17に供給された駆動制御信号
の極性及び大きさと、基準の駆動制御信号の極性と大き
さとの差によって示すことができる。
【0031】それで、記録再生の対象にされる光ディス
クDについて、それの径方向における1個所以上(光デ
ィスクDが、それの全面が同一の厚さの保護膜で被覆さ
れている場合には1個所でよい。また、光ディスクDの
保護膜の厚さが、径方向で変化している場合には、例え
ば、記録再生領域における外周部、中央部、内周部の3
個所にする)について、前記したアクチュエータ17の
駆動制御信号の極性及び大きさのデータを、そのデータ
が得られた光ディスクDの径方向における位置の情報と
ともに、制御部4内のメモリに記憶させておく。
【0032】前記のように記録再生装置を再生動作モー
ドで動作させて、記録再生の対象にされている光ディス
クDの記録再生領域における所定の部分(例えば外周
部、中央部、内周部の内の1個所以上)について、アク
チュエータ17の駆動制御信号の極性及び大きさのデー
タを、そのデータが得られた光ディスクDの径方向にお
ける位置の情報とともに、制御部4内のメモリに記憶さ
せたデータは、記録再生装置が、記録動作モードで記録
動作を行なう場合、及び記録再生装置が、再生動作モー
ドで再生動作を行なう場合に、光ディスクDの保護膜の
厚さむらに応じて行なわれるコリメータレンズ16の光
軸上での位置制御のために、アクチュエータ17に供給
される駆動制御信号を制御部4内で発生させる際に用い
られる。
【0033】記録再生の対象にされている光ディスクD
が、それの保護膜の厚さが記録再生領域の全面について
同一な場合における記録再生動作時には、前記した制御
部4内のメモリに記憶されていたアクチュエータ17の
駆動制御信号の極性及び大きさと対応する1個のデータ
に基づいて発生させた1種類の駆動制御信号をアクチュ
エータ17に供給することにより、コリメータレンズ1
6の光軸上の位置を定めて記録,再生動作を行なう。
【0034】また、記録再生の対象にされている光ディ
スクDの保護膜の厚さが、径方向で変化しているような
光ディスクDの記録再生動作時には、前記した制御部4
内のメモリに記憶されていたその光デイスクの外周部、
中央部、内周部の3個所におけるアクチュエータ17の
駆動制御信号の極性及び大きさと対応する3個のデータ
に基づいて、それぞれ発生させた3種類の駆動制御信号
を、アクチュエータ17に供給することにより、コリメ
ータレンズ16の光軸上の位置を、光ディスクDの外周
部、中央部、内周部毎に変化させて記録,再生動作を行
なう。
【0035】前記の説明は、アクチュエータ17による
コリメータレンズ16の光軸上の位置制御が、オープン
制御によって行なわれる場合についてのものであった
が、アクチュエータ17を光軸上で所定の周期で前後に
振動させた状態にしておき、前記したコリメータレンズ
16の光軸上の位置制御が、一巡の閉回路による自動制
御によって行なわれるようにされてもよい。なお、図3
に示す光学ヘッド装置1における凹レンズ33をアクチ
ュエータ17で光軸上で光軸方向に駆動変位させたり、
あるいはコリメータレンズ16と凹レンズ33とをアク
チュエータ17で光軸上で光軸方向に駆動変位させたり
する場合における制御動作も、既述したコリメータレン
ズ16をアクチュエータ17で光軸上で光軸方向に駆動
変位させる場合における制御動作と同様であるので、そ
の詳細な説明は省略する。
【0036】次に図4は、コリメータレンズ16と、対
物レンズ系(対物レンズ20と補助レンズ21)との間
に、レーザ光束の光路を直角に曲げる反射鏡34が設け
られているような構成態様の光学ヘッド装置において、
前記した反射鏡34として、それの反射面を凸面状また
は凹面状に変形できる構成態様のものを用いて、前記し
た反射鏡34の反射面を凸面状や凹面状に変形させるこ
とにより、コリメータレンズ16から射出される平行光
束を、平行光束の状態または発散光の状態もしくは集束
光の状態に変化させた状態の光束として、対物レンズ系
の対物レンズ20に入射させることにより、光ディスク
の保護膜の厚さの変化に伴って対物レンズ系に生じる倍
率誤差に基づく球面収差が補正されるようにして、光デ
ィスクの保護膜の厚さが変化していても、光ディスクD
の信号面の光点の大きさが常に最小の状態になるように
しているのである。
【0037】この図4に示す光学ヘッド装置において
は、対物レンズ20と補助レンズ21とによって構成さ
れている対物レンズ系に入射される光束が平行光束でな
く、集束光束の場合に、結像倍率が有限値に変化したこ
とによる結像倍率誤差に伴って発生する球面収差によっ
て、光ディスクの保護膜の厚さの変化に伴って対物レン
ズ系に生じる倍率誤差に基づく球面収差が打消されるよ
うに補正して、光ディスクの保護膜の厚さが変化してい
ても、光ディスクDの信号面の光点の大きさが常に最小
の状態になるようにさせるようにしている点においては
図2及び図3を参照して既述した光学ヘッド装置と同様
である。
【0038】図4に示してある光学ヘッド装置では、既
述した図2及び図3について説明した光学ヘッド装置と
同様な構成部分についての説明は、図4に示す光学ヘッ
ド装置の説明に必要な部分(半導体レーザ15、コリメ
ータレンズ16、対物レンズ20、補助レンズ21、ア
クチュエータ22)を除いて、説明の簡略化のために記
述を省略している。図5は、図4に示す光学ヘッド装置
中で使用される反射鏡34の具体的な構成例を示してい
る図であり、この図において、36は基板であり、この
基板36としては、どのような材料が用いられてもよい
が、以下の説明では例えばシリコン基板が用いられると
している。このシリコン基板36の上端部の周辺部36
bは、可撓性部材(可撓性膜)38の周辺部38bの固
着部とされており、前記した周辺部36bの内方の部分
は凹面状部36aとされている。前記の可撓性膜38
は、例えばシリコンの薄膜や、高分子材料の薄膜等が用
いられる。
【0039】前記したシリコン基板36の凹面状部36
a上には、例えば、金、アルミニウム、銅のような導電
性物質の薄膜による固定電極37が構成されている。前
記した可撓性膜38の周辺部38bは、シリコン基板3
6の上端部の周辺部36bに対して、例えば接着剤によ
って固着されている。また、前記した可撓性膜38の表
面には、例えば金、アルミニウム、銅導電性物質の薄膜
による可動電極39が蒸着法またはスパッタリング法を
適用して被着構成されている。そして、前記した可動電
極39の表面には、反射面を形成させるための金属薄膜
40が、蒸着法またはスパッタリング法を適用して被着
構成されている。前記の金属薄膜40は、使用される波
長域の光に対して良好な反射特性を示す物質、例えば
金、アルミニウムによって構成される。そして、前記し
た固定電極37は端子35bに接続されており、また可
動電極39は端子35aに接続されている。
【0040】前記した可撓性膜38の周辺部38bは、
シリコン基板36の上端部の周辺部36bに固着した状
態において、前記した可撓性膜38及びその表面に順次
に被着構成されている可動電極39と金属膜40の面は
平面状にされており、この状態の反射鏡34の反射面
を、コリメータレンズ16の光軸に対して45度に傾斜
させた状態で光路中に設置すると、コリメータレンズ1
6から射出された平行光束は、そのまま平行光束として
結像レンズ系の結像レンズ20に入射する。41は空間
部(空洞部)である。
【0041】次に、前記した端子35a,35b間に対
して、図示されていない駆動回路から電圧が印加される
と、前記の端子35a,35bに個別に接続されている
可動電極39と固定電極37間に生じる静電気力によ
り、前記した可動電極39と固定電極37とが吸引され
ることにより、前記の可動電極39と可撓性膜38と反
射面を形成する金属膜40とが一体的に凹面状に変形す
る。前記した凹面の曲率は前記した端子35a,35b
間に印加される電圧値によって変化する。したがって、
コリメータレンズ16から射出された平行光束が入射さ
れる反射鏡34からの反射光束の状態は、前記した端子
35a,35b間に対して印加される電圧の電位差が0
の場合には、平行光束の状態となり、また、端子35
a,35b間に対して印加される電圧の電位差が大きく
なるにつれて、反射鏡34からの反射光束の状態は、集
束度の大きな集光光束となる。
【0042】前記した図4に示す反射鏡34では、可撓
性膜38の形状の変形の程度を、凹面状の固定電極37
と可動電極39に印加する電圧の電位差の大小によって
制御しているから、反射鏡34からの反射光束は、平行
光束の状態と集束光の状態とに変化するだけである。と
ころで、図4に示す反射鏡34における可撓性膜38に
被着形成させた可動電極39の代わりに磁性膜を用い、
また固定電極37の部分に磁界発生部を設けて、前記し
た磁界発生部から発生させる磁界強度を変化させ、磁気
的吸引力により前記の磁性膜を変形させるようにして反
射鏡34を構成させた場合に、前記の磁性膜が軟磁性体
の磁性膜が用いられたときも、反射鏡34からの反射光
束は、平行光束の状態と集束光の状態とに変化するだけ
である。
【0043】反射鏡34からの反射光束を、平行光束の
状態と集束光の状態と発散光の状態に変化させるのに
は、例えば、図4に示す反射鏡34における可撓性膜3
8に被着形成させた可動電極39の代わりに高抗磁力の
磁性膜を用い、また固定電極37の部分に磁界発生部を
設けて、前記した磁界発生部から発生させる磁界の方向
及び磁界強度を変化させると、磁気的吸引力と磁気的反
発力により前記の磁性膜を凹面状と凸面状に変形させる
ことができるから、そのように構成された反射鏡34で
は、反射鏡34からの反射光束が、平行光束の状態と集
束光の状態と発散光とに変化させることができる。
【0044】反射鏡34からの反射光束を、平行光束の
状態と集束光の状態と発散光の状態に変化させるように
できる反射鏡34の他の構成例としては、例えば、図4
に示す反射鏡34における可撓性膜38を電歪物質のバ
イルフまたはユニモルフにより構成し、駆動電圧の極性
と大きさを変化させて、可撓性膜38を凹面状と凸面状
に変形させるようにすれば、そのように構成された反射
鏡34では、反射鏡34からの反射光束を、平行光束の
状態と集束光の状態と発散光とに変化させることができ
る。
【0045】
【発明の効果】以上、詳細に説明したところから明らか
なように本発明の光学ヘッド装置及び記録再生装置は、
光学ヘッド装置において用いられている対物レンズ系
が、対物レンズと補助レンズとの2枚のレンズを用い
て、レーザ光を光ディスクDの信号面(記録面)に集光
させるようにして実質的開口数が0.8以上となるよう
な光学系を構成させた場合に、対物レンズを構成してい
る2枚のレンズの内で、光デイスクに近い方のレンズと
光ディスクの信号面との間に存在する保護膜の厚さが、
光ディスク毎にばらついていたり、あるいは1枚の光デ
ィスクについても、それの信号面の保護膜の厚さにむら
があるために、光ディスクの保護膜の厚さの変化に伴っ
て対物レンズ系に生じる倍率誤差に基づく球面収差によ
り、前記した自動フォーカス制御系が正常に動作してい
たとしても、光ディスクDの信号面の光点の大きさが最
良の状態からずれるということが起きるという問題を解
決するために、半導体レーザから発散状態で射出された
レーザ光を平行光にするレンズ(コリメータレンズ)
と、半導体レーザから発散状態で射出されたレーザ光の
発散の状態を拡大させた状態でコリメータレンズに入射
させる凹レンズとの内の、いずれか一方または双方のも
のを、アクチュエータによって光軸方向に変位させ、そ
れにより、コリメータレンズから射出される光束を、コ
リメータレンズが、それの焦点距離の位置に半導体レー
ザの発光点が位置しているように規準の位置に設置され
ている場合の平行光束が、対物レンズ系の対物レンズに
入射されている状態においては結像倍率が無限となって
いるが、対物レンズに入射する光束が、集束光束あるい
は発散光束が入射されると、結像倍率が有限値に変化し
て結像倍率誤差を生じ、それに伴って球面収差が発生す
る。それで本発明の光学ヘッド装置では、対物レンズと
補助レンズとによって構成されている対物レンズ系に入
射される光束が平行光束でなく、集束光束あるいは発散
光束の場合に、結像倍率が有限値に変化したことによる
結像倍率誤差に伴って発生する球面収差によって、光デ
ィスクの保護膜の厚さの変化に伴って対物レンズ系に生
じる倍率誤差に基づく球面収差が打消されるように補正
して、光ディスクの保護膜の厚さが変化していても、光
ディスクDの信号面の光点の大きさが常に最小の状態に
なるようにさせるようにしたり、コリメータレンズと対
物レンズとの間の光路中に設けられている反射鏡とし
て、それの反射面を凸面状または凹面状に変形できる構
成態様のものを用いて、前記した反射鏡の反射面を凸面
状や凹面状に変形させることにより、コリメータレンズ
から射出される平行光束を、平行光束の状態または発散
光の状態もしくは集束光の状態に変化させた状態の光束
として、対物レンズ系の対物レンズに入射させることに
より、光ディスクの保護膜の厚さの変化に伴って対物レ
ンズ系に生じる倍率誤差に基づく球面収差が補正される
ようにして、光ディスクの保護膜の厚さが変化していて
も、光ディスクDの信号面の光点の大きさが常に最小の
状態になるようにしていることにより、既述した従来例
のように対物レンズにフォーカス制御系のアクチュエー
タとトラッキング制御系のアクチュエータの他に、前記
した対物レンズの球面誤差の補正用のアクチュエータを
付加するようなことを行なわなくてもよいので、制御の
応答性が早く良好な記録再生動作を行なう記録再生装置
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光学ヘッド装置を備えて構成されてい
る記録再生装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の光学ヘッド装置の構成例を示す図であ
る。
【図3】本発明の光学ヘッド装置の構成例を示す図であ
る。
【図4】本発明の光学ヘッド装置の構成例を示す図であ
る。
【図5】本発明の光学ヘッド装置に使用される反射鏡の
構成例を示す図である。
【符号の説明】
D…光ディスク、1…光学ヘッド装置、4…制御部、1
0…フォーカス制御回路、11…トラッキング制御回
路、12…記録再生信号処理部、15…半導体レーザ、
16…コリメータレンズ、17,22…アクチュエー
タ、18…ビームスプリッタ、19…1/4波長板、2
0…対物レンズ、21…補助レンズ、23…検出用光学
デバイス(シリンドリカルレンズを含んで構成されてい
る光学系)、24…光検出器(四分割光検出器)、25
…信号処理回路、26…光学ヘッド装置1の出力端子、
29…記録データの入力端子、30…トラッキング制御
信号の入力端子、31…フォーカス制御信号の入力端
子、32…端子、33…凹レンズ、34…反射鏡、36
…基板、37…固定電極、38…可撓性部材(可撓性
膜)、39…可動電極、40…金属薄膜、
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5D118 AA13 AA16 BA01 BF02 BF03 CC12 CD02 CG02 DC03 DC05 DC07 5D119 AA12 AA23 BA01 CA20 EA03 EC01 JA02 JA09 JA44 JA57

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、光源と、光源から射出され
    た光を平行光にするレンズと、前記の平行光を集束する
    対物レンズと、前記の対物レンズの開口数を実質的に変
    換する補助レンズとを備えていて、光ディスクの信号面
    に光を集光させるようにしてある光学ヘッド装置におい
    て、前記の光源から射出された光を平行光にするレンズ
    を、光軸方向に移動させる手段を設けてなる光学ヘッド
    装置。
  2. 【請求項2】 少なくとも、光源と、光源から射出され
    た光を発散させる凹レンズと、前記の凹レンズから射出
    された光を平行光にするレンズと、前記の平行光を集束
    する対物レンズと、前記の対物レンズの開口数を実質的
    に変換する補助レンズとを備えていて、光ディスクの信
    号面に光を集光させるようにしてある光学ヘッド装置に
    おいて、前記した凹レンズと、凹レンズから射出された
    光を平行光にするレンズとの少なくとも一方を光軸方向
    に移動させる手段を設けてなる光学ヘッド装置。
  3. 【請求項3】 少なくとも、光源と、光源から射出され
    た光を平行光にするレンズと、前記の平行光を集束する
    対物レンズと、前記の対物レンズの開口数を実質的に変
    換する補助レンズと、前記の光源から射出された光を平
    行光にするレンズを、光軸方向で移動させる手段とを備
    えて構成されている光学ヘッド装置と、前記した補助レ
    ンズから射出されて光ディスクの信号面に集光した光点
    が、対物レンズ及び補助レンズの球面収差が補正された
    状態になるように、前記した光学ヘッド装置における光
    源から射出された光を平行光にするレンズを記録媒体の
    光軸方向に移動させる手段を制御する制御手段とを設け
    てなる光ディスクの記録再生装置。
  4. 【請求項4】 少なくとも、光源と、光源から射出され
    た光を発散させる凹レンズと、前記の凹レンズから射出
    された光を平行光にするレンズと、前記の平行光を集束
    する対物レンズと、前記の対物レンズの開口数を実質的
    に変換する補助レンズと、前記した凹レンズと、凹レン
    ズから射出された光を平行光にするレンズとの少なくと
    も一方を光軸方向に移動させる手段とを備えて構成され
    ている光学ヘッド装置と、前記した補助レンズから射出
    されて光ディスクの信号面に集光した光点が、対物レン
    ズ及び補助レンズの球面収差が補正された状態になるよ
    うに、前記した光学ヘッド装置における前記した凹レン
    ズと、凹レンズから射出された光を平行光にするレンズ
    との少なくとも一方を光軸方向に移動させる手段を制御
    する制御手段とを設けてなる光ディスクの記録再生装
    置。
  5. 【請求項5】 平行光を集束する対物レンズと、前記の
    対物レンズの開口数を実質的に変換する補助レンズと、
    光ディスクの信号面に前記した補助レンズから射出され
    た光を集光させるようにしてあるとともに、前記した対
    物レンズまでの平行光束の光路中に、90度だけ光路を
    折曲げる反射鏡を少なくとも設けて構成されている光学
    ヘッド装置において、前記の反射鏡として、それの反射
    面を平面から凹面状に連続的に変形できる構成態様のも
    のを用いてなる光学ヘッド装置。
  6. 【請求項6】 平行光を集束する対物レンズと、前記の
    対物レンズの開口数を実質的に変換する補助レンズと、
    光ディスクの信号面に前記した補助レンズから射出され
    た光を集光させるようにしてあるとともに、前記した対
    物レンズまでの平行光束の光路中に、90度だけ光路を
    折曲げる反射鏡として、それの反射面を凸面状や凹面状
    に変形できる構成態様のものを用いてなる光学ヘッド装
    置と、前記した補助レンズから射出されて光ディスクの
    信号面に集光した光点が、対物レンズ及び補助レンズの
    球面収差が補正された状態になるように、光学ヘッド装
    置における前記した反射鏡の反射面の形状変化を制御す
    る制御手段とを設けてなる光ディスクの記録再生装置。
JP10197135A 1998-07-13 1998-07-13 光学ヘッド装置及び光ディスクの記録再生装置 Pending JP2000030290A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10197135A JP2000030290A (ja) 1998-07-13 1998-07-13 光学ヘッド装置及び光ディスクの記録再生装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10197135A JP2000030290A (ja) 1998-07-13 1998-07-13 光学ヘッド装置及び光ディスクの記録再生装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000030290A true JP2000030290A (ja) 2000-01-28

Family

ID=16369344

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10197135A Pending JP2000030290A (ja) 1998-07-13 1998-07-13 光学ヘッド装置及び光ディスクの記録再生装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000030290A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1215667A2 (en) * 2000-12-18 2002-06-19 Nec Corporation Optical head and optical data recording/reproducing apparatus using the same
JP2002334476A (ja) * 2001-05-14 2002-11-22 Konica Corp 光ピックアップ装置及び記録・再生装置
US6754162B2 (en) 2000-07-05 2004-06-22 Ricoh Company, Ltd. Optical pickup method, optical pickup device, and optical information processing apparatus adapted with spherical aberration correction for sub-spot tracking control
US6925046B2 (en) 2001-09-26 2005-08-02 Kabushiki Kaisha Toshiba Optical head device and optical disk unit capable of stable signal reproduction
US7035173B2 (en) 2000-12-05 2006-04-25 Sharp Kabushiki Kaisha Optical pickup apparatus

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6754162B2 (en) 2000-07-05 2004-06-22 Ricoh Company, Ltd. Optical pickup method, optical pickup device, and optical information processing apparatus adapted with spherical aberration correction for sub-spot tracking control
US7035173B2 (en) 2000-12-05 2006-04-25 Sharp Kabushiki Kaisha Optical pickup apparatus
EP1215667A2 (en) * 2000-12-18 2002-06-19 Nec Corporation Optical head and optical data recording/reproducing apparatus using the same
US6788628B2 (en) 2000-12-18 2004-09-07 Nec Corporation Optical head and optical data recording/reproducing apparatus using the same
JP2002334476A (ja) * 2001-05-14 2002-11-22 Konica Corp 光ピックアップ装置及び記録・再生装置
US6925046B2 (en) 2001-09-26 2005-08-02 Kabushiki Kaisha Toshiba Optical head device and optical disk unit capable of stable signal reproduction

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR20010033409A (ko) 광학 헤드 및 기록 재생 장치
JPH07176070A (ja) 浮上式光ヘッド及び光記録再生装置
JP4088472B2 (ja) 光ディスク装置
JPH11259906A (ja) 光学ヘッド、記録及び/又は再生装置、記録及び/又は再生方法、並びに厚み検出方法
JP2003115127A (ja) 光学ピックアップ装置
US4641023A (en) Optical head
EP1560209A1 (en) Liquid crystal optical element and optical device
JP3527685B2 (ja) 光記録再生装置
US6876620B2 (en) Optical storage device
JP2000030290A (ja) 光学ヘッド装置及び光ディスクの記録再生装置
EP0769777B1 (en) An optical head unit for use in an information read/write apparatus
JP2000011402A (ja) 光学ヘッド、記録及び/又は再生装置並びに厚み検出方法
JP2000020980A (ja) 光ディスク装置用光学ヘッド
JPH0434740A (ja) 光学ヘッド
JP2001319350A (ja) レンズ駆動装置
JP2000163786A (ja) 光ピックアップ装置
EP1929472B1 (en) Actuator for an optical scanning device
US20050047310A1 (en) Spherical aberration corrector plate comprising two wedge-shaped plates enabled to relatively shift
JP3819987B2 (ja) 集積型光学ユニット
JPH11273123A (ja) 光ヘッド装置
JP2883212B2 (ja) 光学ピックアップ装置
JP2004079117A (ja) 情報記録再生装置
JP2003346367A (ja) アクチュエータ装置
JP4185553B2 (ja) 光ディスク装置
JP3810055B2 (ja) 光ディスク装置