JP2000301840A - 感熱磁気記録媒体、その形成用シートおよび転写シート、ならびに記録方法 - Google Patents

感熱磁気記録媒体、その形成用シートおよび転写シート、ならびに記録方法

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JP2000301840A
JP2000301840A JP11680199A JP11680199A JP2000301840A JP 2000301840 A JP2000301840 A JP 2000301840A JP 11680199 A JP11680199 A JP 11680199A JP 11680199 A JP11680199 A JP 11680199A JP 2000301840 A JP2000301840 A JP 2000301840A
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Hiroyuki Yamaguchi
博之 山口
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 種々の方式の記録が独立して行なわれるため
に生じる、従来の欠点を解消し、記録自体は容易に行な
えるが、改ざんの困難な情報記録部を備えた情報記録媒
体を提供する。 【解決手段】 基材1上に感熱記録層2および磁気記録
層3を、必要に応じて形成する着色層4を介して設け、
感熱ヘッドにより印字することにより、目視、磁気、お
よび光学の3通りの方式の読み取りが可能なパターン1
0が一度の記録で生成する。全ての方式の読み取り結果
が一致しないと、改変が判明する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、偽造、変造が問題
となる分野で使用される感熱磁気記録媒体、感熱磁気記
録媒体形成用転写シート(=転写シート)、感熱磁気記
録媒体形成用シート(=積層用シート)、および記録方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】偽造、変造が問題となる対象は、株券、
証券、商品券、および交通機関等の現金前払いカード
(ここでは金券類と総称する。)、ならびに、銀行カー
ド、クレジットカード、およびその他のIDカード(こ
こではカード類と総称する。)等である。金券類は、表
示された額面金額を有するか、場合によってはそれ以上
の経済的価値を持ち、現金に類似した価値を持つもので
ある。またカード類は、カードに記録されたID情報に
基づき、銀行預金の引き出しや、物品購入の際の現金不
要の信用取り引きを可能にするもので、間接的ではある
が、やはり経済的な価値を有している。
【0003】これら金券類やカード類は、不正に使用さ
れたときの損害が大きいため、偽造や改ざんを防止でき
るよう、種々の方策が講じられており、印刷等の意匠を
凝らす、情報を保持する手段を複数持たせる、製造・加
工が難しい手段を一部に持たせる等が行なわれている。
通常、金券類やカード類に記録される情報には、目視可
能な情報(印刷文字、エンボス文字、または保持者の署
名等)、物理的な手段を用いて読み取り可能な情報(磁
気情報、光学情報、または電子情報)等があり、金券類
上やカード類上に設けられた、それぞれの情報の記録に
適した部位に記録されていた。
【0004】しかし、金券類やカード類に記録された各
々の情報は、互いに独立しているため、次のような不都
合がある。磁気記録は、この種のほとんどの記録媒体で
行なわれているが、不用意に磁石等にふれることにより
情報が消失する可能性があり、また、技術的にも知られ
ているため、不正な意図で改ざんが行なわれやすい。磁
気バーコードにすれば、改ざんはむずかしいが、形成が
印刷等によるため、ID情報として、個別の情報を盛り
込むのには適さない。光学記録の場合も、個別情報を盛
り込むには、その都度、レーザー光等により記録を行な
わなければならないので、磁気記録に加えて、個別の光
学記録を行なうには記録の工程が増加し、発行に時間が
かかる。交通機関等の現金前払いカード等においては、
使用度数、あるいは残高をパンチ孔を開けて表示するこ
とが行ななわれているが、パンチ孔を埋め戻す事による
改ざんか行なわれやすい。
【0005】
【発明が対決しようとする課題】本発明においては、種
々の記録が独立して行なわれるために生じている、従来
の欠点を解消し、記録自体は容易に行なえるが、改ざん
の困難な情報記録部を備えた情報記録媒体を提供するこ
とを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、磁気記録層の下層に感熱記録層を重ねて設け、感熱
ヘッドにより印字することにより、同一の記録で、目視
情報、磁気情報、および光学情報の3通りの情報が一度
に記録できることを見いだし、このことに基づいて本発
明に到達した。
【0007】請求項1の発明は、基材上に感熱記録層お
よび磁気記録層が互いに積層された感熱磁気記録層が積
層されている事を特徴とする感熱磁気記録媒体に関する
ものである。請求項2の発明は、請求項1において、感
熱磁気記録層が感熱記録層の下層に着色層を伴なうこと
を特徴とする感熱磁気記録媒体に関するものである。請
求項3の発明は、請求項1または請求項2において、基
材上に、前記感熱記録層とは積層されてない別の磁気記
録層がさらに積層されていることを特徴とする感熱磁気
記録媒体に関するものである。請求項4の発明は、剥離
性基材上に、磁気記録層、感熱記録層、および接着剤層
とが、これらの記載順に積層されていることを特徴とす
る感熱磁気記録媒体形成用転写シートに関するものであ
る。請求項5の発明は、請求項4において、前記感熱記
録層と前記接着剤層との間に着色層が積層されているこ
とを特徴とする感熱磁気記録媒体形成用転写シートに関
するものである。請求項6の発明は、合成樹脂からなる
保護層、磁気記録層、感熱記録層、および接着剤層と
が、これらの記載順に積層されていることを特徴とする
感熱磁気記録媒体形成用シートに関するものである。請
求項7の発明は、請求項6において、前記感熱記録層と
前記接着剤層との間に着色層が積層されていることを特
徴とする感熱磁気記録媒体形成用シートに関するもので
ある。請求項8の発明は、請求項4または5記載の感熱
磁気記録媒体形成用転写シートに感熱記録を行なった
後、被着体と前記感熱磁気記録媒体形成用シートの接着
剤層が接するようにして重ねて加熱・加圧して接着を行
なわせた後、剥離性基材を剥がすことを特徴とする感熱
記録媒体への記録方法に関するものである。請求項9の
発明は、請求項6または7記載の感熱磁気記録媒体形成
用シートに感熱記録を行なった後、被着体の基材と前記
感熱磁気記録媒形成用シートの接着剤層が接するように
して重ねて加熱・加圧して接着させることを特徴とする
感熱記録媒体への記録方法に関するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】まず、図面を引用しながら本発明
の概要を説明する。本発明の感熱磁気記録媒体の基本的
な構造は、図1に示すように、基材1上に感熱記録層2
および磁気記録層3とが互いに積層された感熱磁気記録
層Aが積層されたものである。感熱磁気記録層Aは、感
熱記録数3の下層に着色層4を伴なっていてもよく、図
2に示すように、基材上に着色層4、感熱記録層2、お
よび磁気記録層3を順に積層した構造であってもよい。
本発明の感熱磁気記録媒体は、上記のような構造に加え
て、図3に示すように従来からある、通常の磁気記録層
5を備えていてもよい。磁気記録層5は、必ず感熱磁気
記録層Aの下層にあるのではなく、基材1の下側や、基
材1の上側でも感熱磁気記録層Aの形成してない部分に
積層してあってもよい。図1〜図3では省いたが、各層
を積層する際に、必要に応じて接着剤を使用してもよ
い。例えば、基材1〜感熱記録層2間、基材1〜着色層
4間、あるいは基材1〜磁気記録層5間に接着剤を適用
してあってもよい。
【0009】図4及び図5は、上記の感熱磁気記録媒体
を形成するのに適した中間体であって、図4に示すよう
に、層6の下面に、磁気記録層3、感熱記録層2、およ
び接着剤層7が積層された構造を有している。あるい
は、中間体としては、図5に示すように、感熱記録層2
と接着剤層7との間に着色層4が積層された構造を有し
ているものであってもよい。いずれの中間体も、接着剤
層7を被着体表面に接着させて、感熱磁気記録媒体を製
造するためのものである。上記の中間体としては、層6
を、(1)剥がして除去するものと、(2)剥がさずに
そのまま残すものとの2種類がある。前者の層6を剥が
す場合の中間体は、感熱磁気記録媒体形成用転写シート
(=転写シート)であり、後者の層6を剥がさない場合
の中間体は、感熱磁気記録媒体形成用積層用シート(=
積層用シート)であり、層6はキャリアフィルム、およ
び転写後の保護層として働く。以下に、概要の説明に出
てきた各層について詳しく説明し、また、感熱磁気記録
媒体の製造、および記録方法について述べる。
【0010】基材1としては、紙、プラスチックシー
ト、もしくは金属箔又は金属板等を単独か、又は組合せ
て使用する。用途によって必要な剛性、フレキシブル
さ、加工の際の接着性、印刷適性、必要であればエンボ
ス適性等を考慮して選択し、使用する。必要に応じて、
同種または異種の材料を2枚以上を積層した複合シート
を使用してもよい。プラスチックシートとしては、加工
の適性から塩化ビニル樹脂製のシートが使われる事が多
いが、ポリエチレンテレフタレート樹脂(=PET)、
ポリブチレンテレフタレート樹脂(=PBT)、もしく
はポリエチレン−2,6−ナフタレート樹脂(=PE
N)等のポリエステル樹脂、またはポリオレフィン系樹
脂、その他の樹脂のシートも使用できる。基材1には、
金券類、またはカード類に通常行われる印刷等の加工を
施しておく。
【0011】感熱磁気記録層Aの下層を占める感熱記録
層2は、感熱ヘッドにより文字状またはパターン状の加
熱を行なったときに、加熱された区域が瞬間に溶融して
除去されるような、融点が低く、除去に必要なエネルギ
ーの小さい素材で構成された非磁性金属の薄膜からなる
層であり、具体的には、錫、ビスマス、アルミニウム、
またはインジウム等の低融点金属薄膜からなり、真空蒸
着、スパッタリング、またはイオンプレーティング等の
方法により形成される。薄膜の厚みとしては、1000
Å以下の薄膜であることが好ましい。必要に応じ、基材
1との密着性を高める意味で、基材1上にプライマーを
事前に適用した上に薄膜を設けてもよい。
【0012】感熱磁気記録層Aの上層を占める磁気記録
層3は、磁気による記録・読み出しを行なう層である
が、本発明においては、下層の感熱記録層の記録時に、
共に除去される必要があることから、磁性金属または磁
性金属酸化物等の磁性物質の薄膜であることが望まし
く、具体的には、鉄、コバルト、ニッケル等の金属、あ
るいは酸化物、または合金を使用し、やはり、真空蒸
着、スパッタリング、またはイオンプレーティング等の
方法により形成された薄膜である。なお、アモルファス
等の特殊な磁気特性を有するものを用いると、素材その
ものの真贋の判定が可能になり、より一層好ましい。厚
みとしては、5000Å以下の薄膜であり、好ましくは
感熱記録層2と同じか又はそれ以下の膜厚(1000Å
以下)である。
【0013】着色層4は、所望により形成するもので、
感熱磁気記録層Aを構成する感熱記録層2および磁気記
録層3が印字により除去されたときに、着色層4が無け
れば基材1が露出するが、この着色層4を形成すること
により、感熱磁気記録層Aの除去部分に着色層4の色相
が見え、残った感熱磁気記録層Aとのコントラストが増
して、視認性を高くする働きをする。従って、この着色
層4は任意の色相に着色された層であり、露出した部分
が、周囲にくらべて、物理的または化学的性状が低下し
ないような素材を選択して形成する。色相は、磁気記録
層3の金属光沢との差があればよく、限定はされない
が、黒色または茶色等とするとコントラストが生じて見
えやすくなる。また、色相差以外に、艶の差を付けるこ
とによりコントラストを上げることもできる。着色層4
は、着色剤として顔料または染料を使用し、合成樹脂バ
インダーと共に塗料化して塗布することにより形成され
る。着色層4の形成にはあまり制約はなく、通常のイン
キ、または塗料のうちから選択して使用し、グラビア印
刷、オフセット印刷、またはシルクスクリーン印刷等に
より形成できるが、感熱ヘッドで記録される際に、変褪
色、または消色しない着色剤、および合成樹脂バインダ
ーを選んで使用することが望ましい。着色層4は、着色
の機能を果たすための厚みを有することが望ましいが、
感熱磁気記録媒体の全体の厚みを過度にしないために5
μm以下の厚みで形成することが望ましい。
【0014】基材1上には、感熱磁気記録層Aを構成す
る磁気記録層3とは別の磁気記録層5を形成しておくこ
とが望ましい。この磁気記録層5は、通常、この分野で
用いられるものでよく、磁性塗料の塗布、または別に作
られた磁気ストライプの貼付け等の方法によって形成す
る。磁気記録層5は、他の記録手段とは独立させ、通常
の記録・読み出しの手段を適利用きるよう、形成する位
置の決定は、一般に行なわれているやり方に従って行な
う。
【0015】本発明の感熱磁気記録媒体は、基本的に以
上の構成からなるものであるが、以上に説明した幾つか
の層の層間の接着性を高める意味で、接着剤を適用して
もよい。接着剤としては、アクリル系樹脂、ビニル系樹
脂等を主成分としたものを用いる。あるいは、コロナ処
理等の接着性を向上させる処理やプライマーの塗布等を
行なってもよい。
【0016】本発明の感熱磁気記録媒体は、基本的に
は、基材1上に、逐次、各層を積層するか、任意に、複
数に分割して作成したものどうしを貼付けることにより
作成できる。本発明においては、感熱磁気記録層Aの形
成に、真空蒸着、スパッタリング、またはイオンプレー
ティング等の薄膜形成法を利用することがあるので、基
材1等の被着体に過度に熱がかかりすぎたり、加工の前
後の外気と真空系との間の出し入れが煩雑な場合があ
る。これを避ける意味で、基材1とは別の、これらの工
程に耐えるフィルムを使用し、その上に各層を逆順に積
層しておいて、いわば、中間体を作成しておいてから、
基材1上に貼る等しても、感熱磁気記録媒体を製造する
ことができる。
【0017】上記の中間体は、図4および図5を引用し
つつ説明したように、基本的には、層6の下面に、磁気
記録層3および感熱記録層2がこの順に積層されてお
り、図4および図5では、基材1との接着を、接着剤の
塗布工程を伴わずに行なうために、さらに下面に接着剤
層7が積層された構造を有している。中間体は、図5に
示すように、感熱記録層2と接着剤層7との間に着色層
4が積層された構造を有していてもよい。磁気記録層
3、感熱記録層2、および着色層4については、既に説
明したので、層6、および接着剤層7、ならびに、転写
シートの場合の保護層について説明する。
【0018】層6は、上記の中間体が、転写シートであ
るときは、剥離性基材である。(転写シートの説明で
は、剥離性基材の符号を6とする。) 剥離性基材6は、感熱磁気記録層Aを構成する感熱記録
層2および磁気記録層3、接着剤層7、ならびに必要に
応じて設ける着色層4の各層を形成する対象であり、ま
た、転写工程まで、各層を支持するものである。剥離性
基材6は、シート状の基材と剥離性層との積層体である
ことが多いが、シート状の基材の表面が剥離性を有して
いれば、剥離性層を伴なわないこともある。シート状基
材としては、プラスチックシート類;例えば、ポリエチ
レンテレフタレート樹脂(=PET)、ポリブチレンテ
レフタレート樹脂(=PBT)、もしくはポリエチレン
−2,6−ナフタレート樹脂(=PEN)等のポリエス
テル樹脂、ポリオレフィン系樹脂、もしくはその他の樹
脂のシートが挙げられる。その他の樹脂としては、ポリ
塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリビニル
アルコール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、
エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−ビニルア
ルコール共重合樹脂、ナイロン6又はナイロン66等で
代表されるポリアミド樹脂、三酢酸セルロース樹脂、セ
ロファン、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、
ポリアリレート樹脂、又はポリイミド樹脂等である。上
記の樹脂のシートに加え、各種の紙類、アルミニウム等
の金属箔、またはこれらの素材の同種もしくは異種の任
意の複合体が使用できる。剥離性層は、シリコーンやワ
ックス等の剥離性物質を含む合成樹脂塗料を使用して形
成できるが、積層される素材によっては、アクリル系樹
脂、セルロース系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂等の
合成樹脂を樹脂成分とする塗料組成物を使用しても形成
できる。
【0019】積層用シートの場合、層6はキャリアフィ
ルムであると共に、転写後の保護層を兼ねる。(積層用
シートの説明では、キャリアフィルムの符号を6とす
る。)保護層としての機能も考慮すると、キャリアフィ
ルム6の素材としては、剥離性基材6を構成するシート
状基材の素材として挙げたものから、用途を考慮して必
要な性状を奏するものを選択する。
【0020】中間体は、転写シートの場合でも積層シー
トの場合でも、最外層に接着剤層7を有している。接着
剤層7を構成する素材としては、先、アクリル系樹脂、
ビニル系樹脂等を主成分としたものを挙げてあるが、よ
り具体的には、これらも含めて、次のような樹脂からな
る接着剤が使用でき、リ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルア
ルコール、ポリビニルアセタール(ポリビニルホルマー
ル、ポリビニルブチラール等)、シアノアクリレート、
ポリビニルアルキルエーテル、ポリ塩化ビニル、ポリア
ミド、ポリメタクリル酸メチル、ニトロセルロース、酢
酸セルロース、熱可塑性エポキシ、ポリスチレン、エチ
レン−酢酸ビニルコポリマー、またはエチレン−アクリ
ル酸エチルコポリマー等が挙げられる。
【0021】中間体が転写シートである場合には、転写
して被着体上に移行する各層の最表面に、感熱磁気記録
媒体を使用する際の物理的、化学的環境に耐えるよう、
保護層を形成しておいてもよい。積層用シートの場合に
は、キャリアフィルム6がその役割を果たすが、さらに
高度の保護機能を有する場合には、キャリアフィルム6
の上面(積層後の最外面)に保護層を形成することもで
きる。保護層としては、熱可塑性樹脂からなるものも使
用できるが、より高い物理的・化学的性状を有する点
で、熱硬化性樹脂、または電離放射線硬化性樹脂組成物
を使用して形成するのがよい。電離放射線硬化性樹脂組
成物を構成する化合物としては、分子中に重合性不飽和
結合または、エポキシ基を有するプレポリマー、オリゴ
マーー、例えば、不飽和ジカルボン酸と多価アルコール
の縮合物等の不飽和ポリエステル類、ポリエステルメタ
クリレート、ポリエーテルメタクリレート、ポリオール
メタクリレート、メラミンメタクリレート等のメタクリ
レート類、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリ
レート、ウレタンアクリレート、ポリエーテルアクリレ
ート、ポリオールアクリレート、メラミンアクリレート
等のアクリレート、カチオン重合型エポキシ化合物を使
用し、さらに必要に応じて、モノマーを適宜に混合して
使用する。電離放射線とは、電磁波又は荷電粒子線のう
ち分子を重合又は架橋し得るエネルギー量子を有するも
のを指し、通常は、紫外線又は電子線を用いる。が挙げ
られる。これらはモノマー添加量を調節する等して、塗
料化し、グラビア印刷またはオフセット印刷により、厚
み2μm程度に塗布形成するとよい。記録/読み取りの
ヘッドとの摩耗に対する耐久性を増す意味で、塗料に
は、シリカ等の滑剤を添加してもよい。塗布形成された
塗膜には、電離放射線を照射することにより、保護層と
することができる。厚みは2μm程度である。
【0022】本発明の感熱磁気記録媒体には、感熱ヘッ
ドを使用して、感熱磁気記録層Aに熱印字することによ
り、図6に示すように、感熱記録層2を構成する素材の
熱印字された部分が除去され、上層の磁気記録層3も共
に除去されるので、除去部の平面形状に基づく目視でき
るパターン10が生成される。同時に、感熱記録層2お
よび磁気記録層3にも層を構成する素材の有無に基づく
パターン10が生じ、これらは光学記録のパターンまた
は磁気記録のパターンでもあるので、それぞれの読み取
り手段により読み取りが可能である。例えば、バーコー
ド状に感熱印字すると、光学的又は磁気的な読み取りが
可能である。目視可能な文字・記号を印字し、バーコー
ドど併用する等してもよい。
【0023】本発明においては、中間体に上記の熱印字
を行なってから、被着体に転写または積層することによ
り、感熱磁気記録媒体を形成することもできる。図7
(a)に示すように、中間体である転写シート又は積層
用シートの、層6側あるいは反対側のいずれか、記録の
効率のよい面側から、感熱ヘッドで印字し、印字部にお
いて、感熱記録層2および磁気記録層3を除去してパタ
ーン10を生成させ、印字後、被着体に接着剤層7側を
向けて重ね合わせ、プレス等により加熱・加圧して接着
させて、図7(b)に示す形態とする。中間体が転写シ
ートの場合には、この後、剥離性基材6を剥がして除去
し、中間体が積層用シートの場合には、層6をそのまま
残して、感熱磁気記録媒体とする。符号5は、基材1の
下面側に積層した場合の通常の磁気記録層5を示す。
【0024】基材1の説明において、金券類、またはカ
ード類に通常行われる印刷等の加工を施しておく旨を挙
げておいたが、印刷を含めて、次のような加工は公知の
ものであって、任意に選択して適用してよい。まず、印
刷により、文字、絵柄として、(1)金券類やカード類
の発行元の商号、金券またはカードの名称、又は会員に
配付されるものであれば会の名称等、地紋、キャラクタ
ー、(2)保有者氏名、発行番号等、(3)有効期限、
(4)記録/読み取り機への挿入方向を示すためのマー
ク、および(5)利用に関する一般的な注意書き等が、
基材1の表面(=上面)又は裏面(=下面)に形成され
る。また、基材1には、種々の記録層を任意に選択して
設けてもよい。磁気記録層以外の(6)ホログラムや回
折格子、(7)署名用に筆記しやすい材料で構成された
筆記層、(8)演算部やメモリ部を持つICやLSI、
(9)昇華転写や写真の貼り付けによる画像の形成可能
な区域、等である。
【0025】本発明においては、上記した(1)の文
字、絵柄の形成から始まって、(9)の昇華転写等可能
な区域を設ける、までの各項については、基材1の最表
面に直接、設けてもよいが、基材1を複数のシートの熱
プレスによる一体化で形成する場合には、各シートの間
に挿入して積層する場合もある。記録等のために、最表
面に露出していなければならない場合を除くと、最表面
よりも内側に形成した方が摩耗や汚染等による損傷を防
止できるからである。
【0026】
【実施例】(実施例1)基材として、厚み188μmの
白色ポリエチレンテレフタレート(=PET)樹脂フィ
ルムを用い、分散処理して得た以下の組成の塗料組成物
を用い、グラビアコート法により、厚み5μmの通常の
磁気記録層を形成した。 (磁気記録層形成用塗料組成物) バリウムフェライト 48重量部 塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂 15重量部 ポリエステル樹脂 10重量部 カーボンブラック 4重量部 トルエン 30重量部 メチルエチルケトン 30重量部 硬化剤(イソシアネート系) 3重量部 続いて、分散処理して得た以下の組成の塗料組成物を用
い、やはりグラビアコート法により、厚み1μmの着色
層を形成した。 (着色層形成用塗料組成物) 塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂 25重量部 カーボンブラック 5重量部 トルエン 25重量部 メチルエチルケトン 25重量部 着色層上には、真空蒸着法により、錫を500Åの厚み
で感熱記録用の金属薄膜層を形成し、引き続き、金属薄
膜層上に、イオンスパッタリング法により、厚み500
ÅのCo−Cr合金の薄膜からなる磁気記録層を形成し
た。最後に、この金属薄膜の磁気記録層上に、以下の組
成の塗料組成物を用い、グラビアコート法により、厚み
1μmの保護層を形成した。 アクリル樹脂 25重量部 塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂 10重量部 トルエン 25重量部 メチルエチルケトン 10重量部 酢酸エチル 5重量部
【0027】得られた感熱磁気記録媒体を、カードサイ
ズに打ち抜き、このカードサイズのものをサーマルヘッ
ドを有する印字機で、1.3mJ/dotのエネルギー
でバーコードパターンの印字を行なった。こうして得ら
れた印字済のカードは、金属薄膜の磁気記録層の銀色
と、着色層の黒色との色相差により、バーコードが目視
で確認できた。また、赤外線によるバーコード読み取り
機、および磁気ヘッドによる読み取りを行なったとこ
ろ、赤外線で読み取ったパターンと、磁気ヘッドで読み
取ったパターンとが一致した。
【0028】(実施例2)剥離性シートを作成するた
め、厚み25μmのポリエチレンテレフタレート(=P
ET)樹脂フィルムを用い、アクリル樹脂を主体とする
バインダーからなる塗料組成物を用い、グラビアコート
法により、厚み1μmの通常の剥離性層を形成した。続
いて、以下の組成の塗料組成物を用いて、グラビアコー
ト法により、厚み2μmの保護層を形成した。 (保護層形成用塗料組成物) アクリル樹脂 25重量部 塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂 10重量部 ルチル型酸化チタン 7重量部 トルエン 25重量部 メチルエチルケトン 25重量部 酢酸エチル 5重量部 保護層上に、イオンスパッタリング法により、厚み50
0ÅのCo−Cr合金の薄膜からなる磁気記録層を形成
し、この磁気記録層上に、錫の薄膜を真空蒸着法によ
り、厚み600Åに形成して、感熱記録層とした。この
錫の薄膜上に、実施例1で用いたのと同じ組成の着色層
形成用塗料組成物を用い、グラビアコート法により、厚
み1μmの着色層を形成した。着色層上に、分散処理し
て得た以下の組成の塗料組成物を用い、グラビアコート
法により、厚み1μmの接着層を形成した。 塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂 ───────50重量部 アクリル樹脂 ───────15重量部 トルエン ───────25重量部 メチルエチルケトン ───────25重量部 酢酸エチル ────────5重量部
【0029】得られた感熱磁気記録媒体に、サーマルヘ
ッドを有する印字機で、1.2mJ/dotのエネルギ
ーでバーコードパターンの印字を行なった後、ポリ塩化
ビニル樹脂を使用した従来型のカード基材に対して、1
30℃、1秒間の条件で転写して感熱磁気記録媒体を得
た。こうして得られた印字済のカードは、金属薄膜の磁
気記録層の銀色と、着色層の黒色との色相差により、バ
ーコードが目視で確認できた。また、赤外線によるバー
コード読み取り機、および磁気ヘッドによる読み取りを
行なったところ、赤外線で読み取ったパターンと、磁気
ヘッドで読み取ったパターンとが一致した。
【0030】請求項1の発明によれば、感熱記録により
生成するパターンが目視可能であることに加え、光学読
み取り、および磁気読み取りを可能とするため、パター
ンを改変を試みても、目視、光学読み取り、および磁気
読み取りのすべてが一致しない限り、いずれかにより、
改変が判明する。請求項2の発明によれば、請求項1の
発明の効果に加え、目視情報が着色層を背景に形成され
るので、視覚的コントラストの高い記録が可能である。
請求項3の発明によれば、請求項1または2の発明の効
果に加え、通常の磁気記録層によるID情報の確認によ
る感熱磁気記録媒体の利用が可能になる。請求項4の発
明によれば、上記の感熱磁気記録媒体の基材以外の各層
を転写シート上に形成しておき、必要の都度、転写によ
り感熱磁気記録媒体を形成できる利点がある。請求項5
の発明によれば、請求項4の発明の効果に加え、感熱記
録層に隣接した着色層により、視覚的コントラストの高
い記録が可能な感熱組織記録層の形成が転写により可能
である。請求項6の発明によれば、感熱磁気記録媒体の
基材以外の各層を積層用シート上に形成しておき、必要
の都度、被着体に積層して感熱磁気記録媒体を形成でき
る利点がある。請求項7の発明によれば、請求項6の発
明の効果に加え、感熱記録層に隣接した着色層により、
視覚的コントラストの高い記録が可能な感熱組織記録層
の形成が積層により可能である。請求項8の発明によれ
ば、その都度、情報を印字して転写することにより、感
熱磁気記録媒体を作成するのに適した方法を提供でき
る。請求項9の発明によれば、その都度、情報を印字し
て積層することにより、感熱磁気記録媒体を作成するの
に適した方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】感熱磁気記録媒体の断面図である。
【図2】着色層を伴なった感熱磁気記録媒体の断面図で
ある。
【図3】通常の磁気記録層を伴なった感熱磁気記録媒体
の断面図である。
【図4】感熱磁気記録媒体形成用シートの断面図であ
る。
【図5】着色層を伴なった感熱磁気記録媒体形成用シー
トの断面図である。
【図6】感熱磁気記録媒体への記録を示す断面図であ
る。
【図7】感熱磁気記録媒体形成用シートを使った記録を
示す断面図である。
【符号の説明】
1 基材 2 感熱記録層 3 磁気記録層 4 着色層 A 感熱磁気記録層 5 通常の磁気記録層 6 剥離性基材(またはキヤリアフィルム) 7 接着剤層 10 記録パターン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C005 HA02 HA08 JA02 JA06 JA15 JC05 KA10 KA15 KA25 KA37 LA09 LA11 LA30 LB08 LB15 LB16 LB18 2H026 BB50 FF11 FF25 5D006 AA01 BA20 CA05 CA06 DA01 DA06

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材上に感熱記録層および磁気記録層が
    互いに積層された感熱磁気記録層が積層されている事を
    特徴とする感熱磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 感熱磁気記録層が感熱記録層の下層に着
    色層を伴なうことを特徴とする請求項1記載の感熱磁気
    記録媒体。
  3. 【請求項3】 基材上に、前記感熱記録層とは積層され
    てない別の磁気記録層がさらに積層されていることを特
    徴とする請求項1または請求項2記載の感熱磁気記録媒
    体。
  4. 【請求項4】 剥離性基材上に、磁気記録層、感熱記録
    層、および接着剤層とが、これらの記載順に積層されて
    いることを特徴とする感熱磁気記録媒体形成用転写シー
    ト。
  5. 【請求項5】 前記感熱記録層と前記接着剤層との間に
    着色層が積層されていることを特徴とする請求項4記載
    の感熱磁気記録媒体形成用転写シート。
  6. 【請求項6】 合成樹脂からなる保護層、磁気記録層、
    感熱記録層、および接着剤層とが、これらの記載順に積
    層されていることを特徴とする感熱磁気記録媒体形成用
    シート。
  7. 【請求項7】 前記感熱記録層と前記接着剤層との間に
    着色層が積層されていることを特徴とする請求項6記載
    の感熱磁気記録媒体形成用シート。
  8. 【請求項8】 請求項4または5記載の感熱磁気記録媒
    体形成用転写シートに感熱記録を行なった後、被着体と
    前記感熱磁気記録媒体形成用シートの接着剤層が接する
    ようにして重ねて加熱・加圧して接着を行なわせた後、
    剥離性基材を剥がすことを特徴とする感熱記録媒体への
    記録方法。
  9. 【請求項9】 請求項6または7記載の感熱磁気記録媒
    体形成用シートに感熱記録を行なった後、被着体の基材
    と前記感熱磁気記録媒形成用シートの接着剤層が接する
    ようにして重ねて加熱・加圧して接着させることを特徴
    とする感熱記録媒体への記録方法。
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