JP2000301659A - アルカリ可溶樹脂被覆粗面化ステンレス鋼板 - Google Patents
アルカリ可溶樹脂被覆粗面化ステンレス鋼板Info
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Abstract
ス加工時の金型によるカジリを解消する。 【解決手段】 粗面化ステンレス鋼板の粗面化面に、酸
価が60〜200、分子量が5000〜20000の、
分子中にカルボキシル基を有するアルカリ可溶樹脂を2
〜50g/m2塗装した粗面化ステンレス鋼板。該アルカ
リ可溶樹脂中に、合成樹脂粉末固体潤滑剤を含有させる
ことにより、プレス加工性がさらに向上する。
Description
レス鋼板の表面をアルカリ可溶樹脂で被覆することによ
り、取扱時の傷付きや、プレス加工時のカジリを防止し
た粗面化ステンレス鋼板に関する。
匠性の付与、塗膜密着性の向上等を目的として表面を粗
面化したステンレス鋼板が開発されている。粗面化方法
としては、ショットブラスト等の物理的手段や、化学的
若しくは電気化学的なエッチング方法があり、例えば、
特開平10−259449号公報や特開平11−613
54号公報には、塩化第二鉄水溶液中で交番電解するこ
とによりによりステンレス鋼板表面を粗面化する方法が
開示されている。
鋼板は、その表面に微細なピットが高密度に形成された
特徴ある形態を有しており、その形態が各種塗膜との密
着性を向上させ、各種有機塗装や琺瑯被覆の原板として
好適である。また、無塗装で使用する場合においても、
その粗面化面の防眩効果により、落ち着きを持った色調
を呈するため、外装建材としても使用される。
に、プレス加工を施されて最終製品となることが多い。
上述した様に、粗面化ステンレス鋼板は各種の優れた特
性を有するが、プレス加工時に金型と接触する部位で
は、粗面化面が金型にかじられて粗面化の機能が発揮で
きなくなる恐れがある。従来より、ステンレス鋼板のプ
レス加工時に、金型のカジリ防止対策として塩化ビニル
樹脂の保護フィルムを鋼板表面に貼り付け、加工後にそ
の保護フィルムを剥ぎ取る作業が行われているが、粗面
化ステンレス鋼板の場合、プレス加工のしごきによって
保護フィルムが粗面化面に強固に固着し、引き剥がしが
困難となったり、保護フィルムの糊が粗面化面に残存
し、塗装密着性を阻害するといった問題を引き起こす。
ジリを防止する方法として、アルカリ可溶型の保護皮膜
をステンレス鋼板上に被覆する方法が、特開平8−15
6177号公報および特開平8−252887号公報に
開示されている。しかし、これらの方法は、塗膜密着性
のあまり良くない通常のステンレス鋼板が対象であり、
これらの方法を粗面化ステンレス鋼板に適用すると、ア
ルカリ脱脂工程で短時間に保護皮膜が除去できないとい
う問題が残る。
の表面を粗面化したステンレス鋼板に、プレス加工時の
金型との接触によるカジリを防止し、かつ、その後のア
ルカリ脱脂工程において十分な溶解性を持つアルカリ可
溶型の保護皮膜を被覆することにより、プレス加工後に
おいても粗面化の機能性が維持可能な粗面化ステンレス
鋼板を提供するものである。
めに、本発明においては、単位面積あたりの表面積がその
幾何学的表面積に対して2.5倍以上となる粗面化面を
片面もしくは両面に有するステンレス鋼板であって、そ
の粗面化面上に、分子中にカルボキシル基を有する樹脂
であって、その酸価が60〜200および分子量が50
00〜20000であるアルカリ可溶樹脂を2〜50g
/m2被覆したことを特徴とするアルカリ可溶樹脂被覆
粗面化ステンレス鋼板が提供される。
溶樹脂被覆粗面化ステンレス鋼板の好適な粗面化形態と
して、平均開口径が1〜10μmのピットが、ピット未
発生部分の面積率が40%以下となるように高密度に発
生しており、かつ、下記(1)で定義するオーバーハン
グ密度Kが0.1〜1の範囲であるアルカリ可溶樹脂被
覆粗面化ステンレス鋼板が提供される。 (1)オーバーハング密度K:鋼板断面の顕微鏡観察像
において、50μm以上の長さの測定範囲を定め、当該
測定範囲内でピット内壁面が断面曲線の平均線の方向よ
り下側に向いている部分(=オーバーハング部)の個数
nを測定し、その個数nを測定範囲の長さ(μm)で除
した値をKとする。ここで、断面曲線とは当該断面に現
われる原板最表面の輪郭をいい、断面曲線の平均線とは
定めた測定範囲において、その断面曲線までの偏差の二
乗和が最小になるように設定した直線または曲線をい
い、下側とは板厚中央部側をいう。
ルカリ可溶樹脂被覆粗面化ステンレス鋼板において、ア
ルカリ可溶樹脂皮膜中に平均粒径1〜10μmの合成樹
脂粉末を1〜25mass%含有させたアルカリ可溶樹
脂被覆粗面化ステンレス鋼板が提供される。
しては、単位面積あたりの表面積の幾何学的表面積に対
して(いわゆる比表面積が)2.5倍以上であることが
好ましい。比表面積が2.5未満では、塗膜密着性や防
眩性等、粗面化ステンレス鋼板としての機能が不十分と
なる。なお、ここで言う幾何学的表面積とは、表面に凹
凸の全くない理想的な平面の面積を表し、例えば、1m
×1mのステンレス表面の片面の幾何学的表面積は1m
2となる。ステンレス鋼板の粗面化の方法としては、特
に限定するものではなく、比表面積が2.5以上に粗面
化できればどのような方法でも良い。なかでも、表面積
を大きくできるショットブラストあるいは塩化第二鉄水
溶液中での交番電解による方法が好適である。また、原
板として使用するステンレス鋼板の鋼種も特に限定する
ものではなく、使用する用途に応じて適宜選択すると良
い。
ステンレス鋼板表面に平均開口径が1〜10μmのピッ
トが、ピット未発生部分の面積率が40%以下となるよ
うに高密度に発生しており、かつ、下記(1)で定義す
るオーバーハング密度Kが0.1〜1の範囲となること
が挙げられる。ピットの平均開口径が1μm未満では、
アルカリ脱脂後においてもピット内にアルカリ可溶樹脂
が残存しやすく、塗装密着性等の面で問題となる。ピッ
トの平均開口径が10μmを超えると、加工部の塗装密
着性や防眩性等が低下する。
ためには、オーバーハング部を有するピット形態がさら
に好適である。その場合、オーバーハング密度Kが0.1
以上において、粗面化面の機能が効果的に働く。しか
し、オーバーハング密度Kが1を超えるとアルカリ可溶
樹脂が残存しやすくなるため、オーバーハング密度Kは
0.1〜1とする。図1にオーバーハング密度Kの求め
方を説明する断面の模式図を示す。図1には、測定範囲
として定めた長さ75μmの範囲を示すとともに、その
測定範囲内でピット内壁面が断面曲線の平均線の方向よ
り下を向いている部分(オーバーハング部)を矢印で示
した。この例では測定範囲75μmあたりオーバーハン
グ部の個数は32個であり、オーバーハング密度Kは3
2/75=0.42(個/μm)と求められる。
を超えると、塗装密着性や防弦性等などが低下するの
で、ピット未発生部の面積率としては40%以下が好ま
しい。
は、分子中にカルボキシル基を有するものであって、ア
ルカリ水溶液に溶解するものであれば、樹脂の種類は特
に限定するものではない。樹脂の例としては、アクリル
酸または/およびメタクリル酸の重合体または共重合体
などのアクリル樹脂、カルボキシル基を変性させたウレ
タン樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。なお、カル
ボキシル基はアルカリ水溶液との接触により樹脂皮膜を
溶解させるために必要である。
00が好ましい。酸価が60未満ではアルカリ脱脂時の
粗面化面での皮膜除去性が劣る。また、200を超える
と造膜性が悪くなり皮膜の耐カジリ性が低下する。な
お、酸価とは樹脂1g中に含まれる酸分(カルボキシル
基)を中和するのに必要な水酸化カリウムのmg数をい
う。アルカリ可溶樹脂の分子量としては、5000〜2
0000が好適である。分子量が5000未満では造膜
性や皮膜強度が十分ではなく、耐カジリ性が低下する。
20000を超えるとアルカリ脱脂時の粗面化面での皮
膜除去性が劣化する。皮膜除去性の観点より、分子量の
より好ましい範囲は5000〜15000である。
0g/m2が好適である。被覆量が2g/m2未満では粗
面化面を完全に覆うことができず、粗面化面の保護には
不十分である。50g/m2を超えると、皮膜の溶解時
間が長くなり、かつ、カジリ防止に対する性能も飽和
し、経済的に不利となる。なお、被覆量1g/m2は、
膜厚に換算した場合約1μmに相当する。
は、アルカリ可溶樹脂中に固体潤滑剤として合成樹脂粉
末を添加することが好ましい。合成樹脂粉末を潤滑材と
して添加すると、潤滑性が向上して無塗油で加工が可能
となり、塗油の省略による作業環境の改善効果が付加的
に得られる。なお、固形潤滑剤としては無機系のものを
用いることも可能であるが、廃液処理の観点より、合成
樹脂粉末が好ましい。合成樹脂粉末の添加量としては1
〜25mass%が好適である。添加量が1mass%
未満では、添加の効果が少なく、25mass%を超え
ると、処理液への分散が困難になり、アルカリ樹脂を被
覆する以前にゲル化してしまう。合成樹脂粉末の平均粒
径は1〜10μmが好ましい。1μm未満の場合には、
潤滑性向上効果が少なく、10μmを超えると、加工時
に合成樹脂粉末が脱落し、潤滑性を発揮しなくなる。
は、鋼板表面に均一皮膜が得られる方法であれば特に限
定するものではない。例えば、ロールコーター法やスプ
レー法などの公知の塗装方法が用いられる。
粗面化ステンレス鋼板(図1に模式的に示したもの)を
ベースとして、その粗面化面上にアルカリ可溶樹脂を5
g/m2塗布したサンプルを作製した。アルカリ可溶樹
脂としては、メチルメタクリレート、ブチルアクリレー
ト、メタクリル酸を用いて酸価が70、分子量が100
00となるように共重合させ、かつ、その樹脂中に平均
粒径2μmのポリエチレン樹脂粉末を10mass%含
有させたアクリル樹脂を用いた。また、比較材として、
アルカリ可溶樹脂を施さなかったもの、さらに厚み50μ
mの塩化ビニル製の保護フィルムを粗面化面上に貼り付
けたサンプルも用意した。
板試験片を採取し、ポンチ径:40mmφ、ポンチ肩
R:5R、しわ押さえ力:15kNとした条件の円筒絞
り加工を実施した。ただし、ポリエチレン樹脂粉末を含
有したアルカリ可溶樹脂を施したサンプルについては無
塗油で加工を行った。そして、いずれの円筒絞り加工サ
ンプルともpH:12、液温:50℃のオルソケイ酸ソ
ーダ水溶液中に浸せき後、その側壁部を一部切り出し、
外周側表面を走査電子顕微鏡(SEM)により観察し
た。アルカリ可溶樹脂皮膜を施さなかった場合、粗面化
面は金型のカジリによりつぶれていたが、本発明のアル
カリ可溶樹脂を被覆した粗面化ステンレス鋼板では、粗
面化面が残存し、プレス加工後も粗面化の機能性が維持
できる状態にあることが観察された。なお、塩化ビニル
製の保護フィルムを貼り付けて円筒絞り加工に供したサ
ンプルについては、側壁部において保護フィルムが強固
に貼り付き、引き剥がすことが不可能であった。
30およびSUS304ステンレス鋼板について種々の
条件で粗面化処理を行った。得られた粗面化面上にメチ
ルメタクリレート、ブチルアクリレート、メタクリル酸
を用いて酸価が70、分子量が10000共重合させ、
かつ、その皮膜中に平均粒径2μmのポリエチレン樹脂
粉末を10mass%含有させたアルカリ可溶樹脂皮膜
を、付着量5g/m2一定となるように塗布し、サンプ
ルを作製した。また、比較材として、SUS430ステ
ンレス鋼板2DR仕上げ材およびSUS304ステンレ
ス鋼板2B仕上げ材の粗面化未処理材についても、アル
カリ可溶樹脂被覆したサンプルを作製した。
ンレス鋼板より円板試験片を採取し、ポンチサイズ:4
0×40mm、ポンチ肩R:5R、しわ押さえ力:15
kNの条件で角筒絞りを実施した。この試験片をNaO
H水溶液(pH:12、液温:50℃)に1分間浸せき
して皮膜を除去し、角筒絞り加工側壁部を一部切り出
し、その外周側表面について琺瑯塗装密着性を以下の条
件で実施した。角筒絞り外側の試験片に、焼成後の膜厚
で100μmとなるようにホ琺瑯(鉄琺瑯用カバーコー
ト、白色)を塗装し、その塗装部分にエリクセンによる
押込み2mmを施し、加工部分の塗膜残存率から琺瑯と
の密着性を評価した。
T法により求めた比表面積、粗面化さらに、塩化第二鉄
水溶液中での交番電解により作製した粗面化ステンレス
鋼板の場合にはピット未発生面積率、ピットの平均開口
径、オーバーハング密度と加工部分の琺瑯塗膜残存率と
を関係を示す。比表面積が2.5以上では、いずれも琺
瑯塗膜残存率が70%以上であり、良好な密着性を示し
た。なかでも、塩化第二鉄水溶液中での交番電解によっ
て作製した試料番号1および試料番号2では、粗面化面
にオーバーハング部を有しており、高い琺瑯塗膜残存率
を示した。
た板厚;0.8mmのSUS304ステンレス鋼板2B
仕上げ材表面に、液温が40℃、濃度が4mass%の
塩化第二鉄水溶液を用いて、アノード電流密度が3kA
/m2、カソード電流密度が0.1kA/m2、交番電解
サイクル数5Hz、処理時間60sで交番電解を行い粗
面化ステンレス鋼板を作製した。次に、2,2−ジメチ
ロールプロピオン酸、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、1,4−ブチレングリコール、エチレングリコール
系ポリエステルポリオールの各成分を変化させて反応さ
せることにより、酸価と分子量を調整したカルボキシル
基含有ウレタン樹脂のエマルジョン処理液を準備した。
この処理液を上記の粗面化ステンレス鋼板にバーコータ
ーで塗布して、オーブンで乾燥し、厚さの異なる樹脂皮
膜を形成した。
ンレス鋼板より円板試験片を採取し、ポンチサイズ:4
0×40mm、ポンチ肩R:5R、しわ押さえ力:15
kNの条件で角筒絞りを実施した。なお、加工はプレス
油を用いて実施した。この試験片をオルソケイ酸水溶液
(pH;12、液温;50℃)に1分間浸せきして皮膜
を除去し、角筒絞り加工サンプルの側壁部を一部切り出
し、その外周側表面についてセラミックス塗料(日本合
成ゴム製;グラスカB103黒色顔料入り)をスプレー
塗装したのち、180℃で2min間焼成を行い、焼成
後の膜厚が10μmになるように塗膜を付着させた。こ
の試験片を温水50℃に10日間浸せき後、加工部側壁
部にカッターガイド間隔1mmの碁盤目を刻み、その部
分にセロテープを貼布後、剥離する方法(以下碁盤目セ
ロテープ剥離試験)を行い、塗膜に異常の無いものを
○、一部でも剥離が生じたものを×で評価した。表2
に、アルカリ可溶樹脂の明細および評価結果を示す。
8や樹脂の分子量が高い試料番号19では、セラミック
ス塗膜の二次密着性が不良となった。これは、これらの
樹脂皮膜の場合、アルカリ水溶液中での溶解性が小さ
く、粗面化面のピット内部に樹脂が残存したことによ
り、塗装密着性が低下したものと考えられる。試料番号
20では、アルカリ可溶樹脂の被覆量が少なく、加工の
際に粗面化面にカジリが生じたため、加工部の塗膜密着
性は測定できなかった。
6の処理液に平均粒径の異なるポリエチレン合成樹脂粉
末を添加したものを用い、無塗油で加工を実施し、実施
例3と同様にセラミックス塗装の二次密着性を調査し
た。表3にポリエチレン合成樹脂粉末の明細と試験結果
を示す。
3〜26では、無塗油で加工後も粗面化面にカジリが生
じることなく粗面化面の機能性を維持される。試料番号
27では、合成樹脂粉末の添加量が少なく、無塗油では
加工の際に粗面化面にカジリが生じ、加工部の塗膜密着
性が得られなかった。試料番号28では、合成樹脂粉末
の添加量が多すぎたため、処理液の安定性が悪くゲル化
したため、塗装できなかった。
mのSUS430ステンレス鋼板2B仕上げ材に、通常
の電解脱脂・酸洗を施した鋼帯について、液温が40
℃、5mass%の塩化第二鉄水溶液を用いてアノード
電流密度:5.0kA/m2、カソード電流密度:1.
5A/m2、交番電解サイクル:10Hz一定として、
両面に電解粗面化処理を行った。また、この時、通板速
度を変化させることにより10〜180sの範囲で処理
時間の異なるサンプルを作製した。その後、鋼帯のまま
塗装ラインにおいて、ロールコーターにより粗面化面に
試料番号28の処理液を焼付け後の付着量が4g/m2に
なるように塗装した。そして、得られたアルカリ可溶樹
脂被覆電解粗面化ステンレス鋼帯の電解粗面化処理時間
の異なる部分よりそれぞれ円盤試験片を切り出し、実施
例3と同様な方法により、角筒絞り加工側壁部のセラミ
ックス塗装密着性を評価した。その結果を表4に示す。
未発生部分の面積は減少し、比表面積やオーバーハング
部を有するピットが形成し、良好なセラミックス塗膜密
着性を示した。しかし、粗面化処理時間10sでは、ピ
ット未発生部分の面積率が高く、比表面積も小さいた
め、良好な琺瑯塗装密着性が得られなかった。また、粗
面化処理時間を180sとしたサンプルでは、オーバー
ハング部を有するサンプルが細かく形成したため、アル
カリ可溶樹脂がピット内部に残存しやすくなり、その結
果として塗膜密着性が低下したものと考えられる。
脂被覆粗面化ステンレス鋼板は、アルカリ可溶樹脂の保
護作用により、プレス加工時に粗面化面が損なわれず、
また、プレス加工後にアルカリ脱脂することにより、粗
面化面が本来有していた機能性を発現することが可能で
ある。
化ステンレス鋼板表面付近の断面の模式図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 単位面積あたりの表面積がその幾何学的
表面積に対して2.5倍以上となる粗面化面を片面もし
くは両面に有するステンレス鋼板であって、その粗面化
面上に、分子中にカルボキシル基を有する樹脂であっ
て、その酸価が60〜200および分子量が5000〜
20000であるアルカリ可溶樹脂を2〜50g/m2
被覆したことを特徴とするアルカリ可溶樹脂被覆粗面化
ステンレス鋼板。 - 【請求項2】 粗面化形態として、平均開口径が1〜1
0μmのピットが、ピット未発生部分の面積率が40%
以下となるように高密度に発生しており、かつ、下記
(1)で定義するオーバーハング密度Kが0.1〜1の
範囲であることを特徴とする請求項1に記載のアルカリ
可溶樹脂被覆粗面化ステンレス鋼板。 (1)オーバーハング密度K:鋼板断面の顕微鏡観察像
において、50μm以上の長さの測定範囲を定め、当該
測定範囲内でピット内壁面が断面曲線の平均線の方向よ
り下側に向いている部分(=オーバーハング部)の個数
nを測定し、その個数nを測定範囲の長さ(μm)で除
した値をKとする。ここで、断面曲線とは当該断面に現
われる原板最表面の輪郭をいい、断面曲線の平均線とは
定めた測定範囲において、その断面曲線までの偏差の二
乗和が最小になるように設定した直線または曲線をい
い、下側とは板厚中央部側をいう。 - 【請求項3】 アルカリ可溶樹脂皮膜中に平均粒径1〜
10μmの合成樹脂粉末を1〜25mass%含有させ
たことを特徴とする請求項1または2に記載のアルカリ
可溶樹脂被覆粗面化ステンレス鋼板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11113453A JP2000301659A (ja) | 1999-04-21 | 1999-04-21 | アルカリ可溶樹脂被覆粗面化ステンレス鋼板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11113453A JP2000301659A (ja) | 1999-04-21 | 1999-04-21 | アルカリ可溶樹脂被覆粗面化ステンレス鋼板 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000301659A true JP2000301659A (ja) | 2000-10-31 |
Family
ID=14612631
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11113453A Pending JP2000301659A (ja) | 1999-04-21 | 1999-04-21 | アルカリ可溶樹脂被覆粗面化ステンレス鋼板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000301659A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005313630A (ja) * | 2004-03-31 | 2005-11-10 | Nippon Steel & Sumikin Stainless Steel Corp | クリヤ塗装ステンレス鋼板及びその製造方法 |
JP2011136565A (ja) * | 2004-03-31 | 2011-07-14 | Nippon Steel & Sumikin Stainless Steel Corp | クリヤ塗装ステンレス鋼板及びその製造方法 |
JP2012148263A (ja) * | 2011-01-20 | 2012-08-09 | Gogo:Kk | 糊残り除去方法並びに、金属体表面の清浄化方法、塗装前処理方法及び塗装方法 |
JPWO2022203063A1 (ja) * | 2021-03-25 | 2022-09-29 |
-
1999
- 1999-04-21 JP JP11113453A patent/JP2000301659A/ja active Pending
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WO2022203063A1 (ja) * | 2021-03-25 | 2022-09-29 | 日本製鉄株式会社 | プレコート金属板 |
JP7252506B2 (ja) | 2021-03-25 | 2023-04-05 | 日本製鉄株式会社 | プレコート金属板 |
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