JP2000301408A - 耐摩耗性のすぐれた超硬合金製エンドミル - Google Patents

耐摩耗性のすぐれた超硬合金製エンドミル

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JP2000301408A
JP2000301408A JP11114112A JP11411299A JP2000301408A JP 2000301408 A JP2000301408 A JP 2000301408A JP 11114112 A JP11114112 A JP 11114112A JP 11411299 A JP11411299 A JP 11411299A JP 2000301408 A JP2000301408 A JP 2000301408A
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end mill
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cutting edge
cemented carbide
outer peripheral
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Toshiyuki Yanai
俊之 谷内
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐摩耗性のすぐれた超硬合金製エンドミルを
提供する。 【解決手段】 切刃部とシャンク部からなり、結合相形
成成分としてCo:5〜16重量%を含有する炭化タン
グステン基超硬合金で構成された超硬合金製エンドミル
において、少なくとも切刃部のエンドミル中心線に対す
る縦断面におけるエンドミル中心点と外周刃の逃げ面と
すくい面の交わる切刃稜を含む円周上の任意点を結ぶ半
径線上をX線マイクロアナライザーにより測定して、前
記半径線上の中間点から切刃稜に向ってCo含有量が漸
次減少するCo含有量減少領域が存在し、前記Co含有
量減少領域は、前記半径線の長さの10〜30%に相当
する円周幅を有し、かつ前記円周幅の前記半径線上の中
点がエンドミル中心点のCo含有量である5〜16重量
%の20〜80%に相当するCoを含有してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、少なくとも切刃
部の外周部にCo含有量減少領域が存在し、中心部によ
るすぐれた靭性を保持した状態で、前記Co含有量減少
領域によって耐摩耗性向上を図り、使用寿命の延命化を
可能ならしめた超硬合金製エンドミルに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、超硬合金製エンドミルが、例え
ば図1(a)に概略正面図で、同(b)に切刃部のエン
ドミル中心線に対する概略縦断面で示されるように、シ
ャンク部と外周刃が形成された切刃部からなり、前記外
周刃は逃げ面とすくい面、これら両面の交わる切刃稜で
構成され、これが結合相形成成分としてCo:5〜16
重量%を含有する炭化タングステン基超硬合金(以下、
単に、超硬合金と云う)からなることは良く知られるこ
とである。また、上記の超硬合金製エンドミルが、原料
粉末として、いずれも0.5〜6μmの平均粒径を有す
る中粗粒WC粉末、微粒WC粉末、TaC粉末、NbC
粉末、ZrC粉末、Cr3C2粉末、VC粉末、(T
i,W)C粉末、(Ti,W)CN粉末、(Ta,N
b)C粉末、Co粉末、およびCr粉末などを用意し、
所定の配合組成に配合し、湿式混合し、乾燥した後、所
定径を有する丸棒圧粉体にプレス成形し、この丸棒圧粉
体を、10-2〜10-1torrの真空雰囲気中、5〜1
0℃/分の昇温速度で1370〜1470℃に昇温し、
この温度に1〜2時間保持後、炉冷の条件で焼結して、
結合相形成成分としてのCoを焼結性および靭性(強
度)付与の目的で5〜16重量%含有する超硬合金で構
成された丸棒焼結体素材を形成し、この丸棒焼結体素材
から図1に示される形状に研削加工することにより製造
されることも知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一方、近年の切削装置
のFA化はめざましく、切削加工の低コスト化と相俟っ
て、切削工具の使用寿命の延命化が強く要求される傾向
にあるが、上記の従来超硬合金製エンドミルにおいて
は、特に切削に直接関与する外周刃の硬さが中心部のそ
れと同じ、すなわち外周刃を含む外周部とこれ以外の中
心部の組成が同じ、さらに云いかえれば超硬合金の結合
相を形成するCoの含有量が外周部と中心部で同じであ
るために、外周刃に十分な硬さを確保することができ
ず、この結果使用寿命の延命化は困難とならざるを得
ず、この場合外周刃のCo含有量を低くして硬さを向上
させることも考えられるが、外周刃のCo含有量が低く
なれば中心部のそれも同じく低くなってしまい、エンド
ミル自体の靭性の著しい低下は避けられず、きわめて折
損が発生し易くなることから、実用化は困難であるのが
現状である。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
上述のような観点から、中心部のもつすぐれた靭性を損
なわずに、外周刃の硬さだけを向上させた超硬合金製エ
ンドミルを開発すべく研究を行った結果、上記の従来超
硬合金製エンドミルの製造に際して、その焼結条件のう
ちの昇温条件だけを以下の条件、すなわち、従来超硬合
金製エンドミルでは、「10-2〜10-1torrの真空
雰囲気中、5〜10℃/分の昇温速度で1370〜14
70℃の焼結温度に昇温」、であった条件を、「750
〜850℃までは10-2〜10-1torrの真空雰囲気
中、5〜10℃/分の昇温速度で昇温するが、この温度
から1150〜1250℃までの昇温を、メタン:5〜
20容量%を含有し、残りが水素からなる100〜76
0torrの水素−メタン混合ガス雰囲気で行い、この
場合昇温速度は同じ5〜10℃/分とし、引き続いての
焼結温度への昇温を元の雰囲気、すなわち10-2〜10
-1torrの真空雰囲気とするが、昇温速度は2℃/分
以下とする条件」、とすると、焼結後の丸棒焼結体素材
の外周部に、結合相を形成するCoの含有量が中心部の
Co含有量に比して相対的に低く、かつ外周面に向って
漸次低くなるCo含有量減少領域が存在するようにな
り、したがってこれより研削加工にて製造されたエンド
は、外周刃のCo含有量が中心部のCo含有量に比して
低く、しかも外周刃の切刃稜におけるCo含有量が最も
低く、硬さの最も高い状態となり、しかもこの場合切刃
部のエンドミル中心線に対する縦断面におけるエンドミ
ル中心点と外周刃の逃げ面とすくい面の交わる切刃稜を
含む円周上の任意点を結ぶ半径線上をX線マイクロアナ
ライザーで観察した結果として、特に上記の昇温条件を
調整して、前記Co含有量減少領域を、前記半径線の長
さの10〜30%に相当する円周幅とし、かつ前記円周
幅の中点のCo含有量がエンドミル中心点のCo含有量
の20〜80%に相当するCo含有量となるように制御
すると、この結果のエンドミルは、中心部で靭性を確保
しつつ、外周刃がすぐれた耐摩耗性を発揮するようにな
るという研究結果を得たのである。
【0005】この発明は、上記の研究結果に基づいてな
されたものであって、切刃部とシャンク部からなり、結
合相形成成分としてCo:5〜16重量%を含有する超
硬合金で構成された超硬合金製エンドミルにおいて、少
なくとも切刃部のエンドミル中心線に対する縦断面にお
けるエンドミル中心点と外周刃の逃げ面とすくい面の交
わる切刃稜を含む円周上の任意点を結ぶ半径線上をX線
マイクロアナライザーにより測定して、前記半径線上の
中間点から切刃稜に向ってCo含有量が漸次減少するC
o含有量減少領域が存在し、前記Co含有量減少領域
は、前記半径線の長さの10〜30%に相当する円周幅
を有し、かつ前記円周幅の前記半径線上の中点がエンド
ミル中心点のCo含有量である5〜16重量%の20〜
80%に相当するCoを含有してなる、耐摩耗性のすぐ
れた超硬合金製エンドミルに特徴を有するものである。
【0006】なお、この発明の超硬合金製エンドミルに
おいて、外周部のCo含有量減少領域の円周幅を半径線
の長さの10〜30%に相当する値としたのは、その値
が10%未満ではCo含有量減少領域の円周幅が小さ
く、前記円周幅内でのCo濃度分布変化が急激になり過
ぎ、これが原因で外周刃に欠けやチッピングが発生し易
くなり、一方その値が30%を超えるとCo含有量減少
領域の円周幅が大きくなり過ぎ、エンドミルの靭性が急
激に低下するようになるという理由からであり、また、
前記Co含有量減少領域の中点のCo含有量をエンドミ
ル中心点のCo含有量の20〜80%に相当する値とし
たのは、その値が20%未満では外周刃のCo含有量が
著しく低減し、靭性を失って欠けやチッピングが発生し
易くなり、一方その値が80%を超えると、所望のCo
含有量低減効果、すなわち所望の硬さ向上による耐摩耗
性向上効果が得られなくなるという理由に基づくもので
ある。さらに、超硬合金のCo含有量を5〜16重量%
としたのは、その含有量が5重量%未満ではエンドミル
の中心部に所望の靭性を確保することができず、一方そ
の含有量が16重量%を超えると、これに比例して外周
刃のCo含有量も高くなり、所望のすぐれた耐摩耗性を
確保することができなくなるという理由からである。
【0007】
【発明の実施の形態】つぎに、この発明の超硬合金製エ
ンドミルを実施例により具体的に説明する。原料粉末と
して、平均粒径:5.5μmを有する中粗粒WC粉末、
同0.8μmの微粒WC粉末、同1.3μmのTaC粉
末、同1.2μmのNbC粉末、同1.2μmのZrC
粉末、同2.3μmのCr3C2粉末、同1.5μmの
VC粉末、同1.0μmの(Ti,W)C粉末、および
Co粉末を用意し、これら原料粉末を表1に示される配
合組成に配合し、さらにワックスを加えてアセトン中で
24時間ボールミル混合し、減圧乾燥した後、1ton
/cm2の圧力でプレス成形して、表1に示される組み
合わせで8mm、13mm、および26mmの直径を有
する3種の直径を有する丸棒圧粉体A〜Hを形成し、こ
れらの丸棒圧粉体を、800℃までは0.05torr
の真空雰囲気中、7℃/分の昇温速度で昇温するが、こ
の温度から1200℃までの昇温を、メタン:10容量
%を含有し、残りが水素からなる450torrの水素
−メタン混合ガス雰囲気で行い、この場合昇温速度は同
じ7℃/分とし、引き続いての焼結温度への昇温を元の
雰囲気、すなわち0.05torrの真空雰囲気とする
が、昇温速度は1℃/分とする条件で1370〜147
0℃の範囲内の所定の温度に昇温し、この温度に1時間
保持後、炉冷の条件で焼結して、3種の丸棒焼結体素材
を形成し、この丸棒焼結体素材からそれぞれ図1に示さ
れる形状に研削加工することにより本発明超硬合金製エ
ンドミル(以下、本発明エンドミルと云う)1〜8をそ
れぞれ製造した。また、比較の目的で、焼結工程におけ
る昇温条件を、「0.05torrの真空雰囲気中、7
℃/分の昇温速度で1370〜1470℃の範囲内の所
定の温度に昇温」とする以外は、上記の本発明エンドミ
ル1〜8の製造条件と同じ条件で従来超硬合金製エンド
ミル(以下、従来エンドミルと云う)1〜8をそれぞれ
製造した。
【0008】この結果得られた各種のエンドミルについ
て、その切刃部のエンドミル中心線に対する任意縦断面
をX線マイクロアナライザーにより観察したところ、表
3、4に示される結果を示した。また、上記の各種エン
ドミルについて、表2に示される切削条件A〜Fにて切
削試験を行い、エンドミルの半径線の長さが3点測定平
均で0.1mm減少するまでの切削長を測定した。これ
らの測定結果を表3,4に示した。
【0009】
【表1】
【0010】
【表2】
【0011】
【表3】
【0012】
【表4】
【0013】
【発明の効果】表3,4に示される結果から、本発明エ
ンドミル1〜8は、いずれも少なくとも切刃部の外周部
に存在するCo含有量減少領域によって、これの存在し
ない、すなわちCo含有量が外周部と中心部で同じ従来
エンドミル1〜8に比して、外周刃の耐摩耗性が著しく
向上し、相対的にきわめて長い切削長を示すことが明ら
かである。上述のように、この発明の超硬合金製エンド
ミルは、すぐれた耐摩耗性を発揮するものであり、した
がって使用寿命の延命化による切削加工の低コスト化を
可能とし、かつ切削装置のFA化にも十分満足に対応す
ることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は超硬合金製エンドミルを例示する概略
正面図、(b)はエンドミル切刃部のエンドミル中心線
に対する概略縦断面である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 切刃部とシャンク部からなり、結合相形
    成成分としてCo:5〜16重量%を含有する炭化タン
    グステン基超硬合金で構成された超硬合金製エンドミル
    において、 少なくとも切刃部のエンドミル中心線に対する縦断面に
    おけるエンドミル中心点と外周刃の逃げ面とすくい面の
    交わる切刃稜を含む円周上の任意点を結ぶ半径線上をX
    線マイクロアナライザーにより測定して、 前記半径線上の中間点から切刃稜に向ってCo含有量が
    漸次減少するCo含有量減少領域が存在し、 前記Co含有量減少領域は、前記半径線の長さの10〜
    30%に相当する円周幅を有し、かつ前記円周幅の前記
    半径線上の中点がエンドミル中心点のCo含有量である
    5〜16重量%の20〜80%に相当するCoを含有す
    ること、を特徴とする耐摩耗性のすぐれた超硬合金製エ
    ンドミル。
JP11114112A 1999-04-21 1999-04-21 耐摩耗性のすぐれた超硬合金製エンドミル Pending JP2000301408A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106048276A (zh) * 2016-05-30 2016-10-26 江苏大学 一种高耐磨wc基硬质合金复合材料的制备方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106048276A (zh) * 2016-05-30 2016-10-26 江苏大学 一种高耐磨wc基硬质合金复合材料的制备方法

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