JP2000298116A - サンプルローディングシート - Google Patents

サンプルローディングシート

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JP2000298116A
JP2000298116A JP2000020866A JP2000020866A JP2000298116A JP 2000298116 A JP2000298116 A JP 2000298116A JP 2000020866 A JP2000020866 A JP 2000020866A JP 2000020866 A JP2000020866 A JP 2000020866A JP 2000298116 A JP2000298116 A JP 2000298116A
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Yuichi Enomoto
友一 榎本
Hisashi Hagiwara
久 萩原
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一義 栗原
Toshio Yoshida
敏雄 吉田
Yusuke Miyazaki
祐輔 宮崎
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 DNAサンプルの注入作業を大幅に軽減する
ことのできるサンプルローディングシートを提供する。 【解決手段】 ゲル電気泳動装置で使用される泳動板の
ゲル電解質層の所定の泳動路位置に被検体サンプルをロ
ーディングするためのサンプルローディングシートにお
いて、該シートを陽イオン交換クロマトグラフィー用ペ
ーパーから形成し、前記シートの少なくとも一方の主要
面の一部または全部に耐水性樹脂フィルムをコーティン
グする。DNAサンプルは一般的に、負電荷を帯びてい
るので、陽イオン交換クロマトグラフィー用ペーパーか
ら形成された本発明のサンプルローディングシートに容
易に吸収させることができる。本発明のサンプルローデ
ィングシートを泳動板にセットし、高電圧を印加する
と、サンプルローディングシートに吸収されたDNAサ
ンプルはシートから離脱され、ゲル電解質層を介して泳
動される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ゲル電気泳動装置で使
用される泳動板のゲル電解質層の所定の泳動路位置に被
検体サンプルをローディングするためのサンプルローデ
ィングシートに関する。更に詳細には、本発明は、蛍光
標識を用いてDNAの塩基配列を効率的に迅速に決定す
ることのできるDNA塩基配列決定装置などのゲル電気
泳動装置で使用される泳動板のゲル電解質層の所定の泳
動路位置に被検体サンプルをローディングするためのサ
ンプルローディングシートに関する。
【0002】
【従来の技術】DNA等の塩基配列を決定する方法とし
て、ゲル電気泳動法が広く実施されている。
【0003】電気泳動する際に、従来は試料をラジオア
イソトープでラベルし、分析していたが、この方法では
手間と時間がかかる難点があった。更に、放射能管理の
点から常に最大限の安全性と管理が求められ、特別な施
設内でなければ分析を行うことができない。このため、
最近では、試料を蛍光体でラベルする方式が検討されて
いる。
【0004】光を用いる方法では、蛍光ラベルしたDN
A断片をゲル中を泳動させるが、泳動開始部から、10
〜70cm下方に各泳動路毎に光励起部と光検出器を設け
ておき、ここを通過するDNA断片を順に計測する。例
えば、配列を決定しようとするDNA鎖を鋳型として酵
素反応(ダイデオキシ法)による操作で末端塩基種がわ
かった種々の長さのDNAを複製し、これらに蛍光体を
標識する。つまり、蛍光体で標識されたアデニン(A)
断片群,シトシン(C)断片群,グアニン(G)断片群
およびチミン(T)断片群を得る。これらの断片群を混
合して電気泳動用ゲルの別々の泳動レーン溝に注入し、
電圧を印加する。DNAは負の電荷を持つ鎖状の重合体
高分子のため、ゲル中を分子量に反比例した速度で移動
する。短い(分子量の小さい)DNA鎖ほど早く、長い
(分子量の大きい)DNA鎖ほどゆっくりと移動するの
で、分子量によりDNAを分画できる。
【0005】特開昭63−21556号公報には、レー
ザで照射される電気泳動装置のゲル上のラインと光ダイ
オードアレイの配列方向が電気泳動装置内のDNA断片
の泳動方向と直角となるように構成されたDNA塩基配
列決定装置が開示されている。
【0006】図14は該装置の構成を説明する模式図で
ある。図14の装置では、光源70から出たレーザ光は
ミラー72で反射され、泳動板74のゲル中の一定ポイ
ントに横から水平にレーザ光を照射する。ゲル中を泳動
してきた蛍光ラベルされたDNA断片76がこの照射領
域を通過する際、このDNA断片から蛍光が順次放出さ
れる。このとき、蛍光放出の水平位置から末端塩基の種
類が、また、泳動スタートからの泳動時間の差から断片
の長さを、更に、発光波長で検体の識別ができる。各泳
動路からの蛍光はレンズ78によりイメージインテンシ
ファイヤ80の受光部82で結像する。この信号は増幅
されて光ダイオードアレイ84で電気信号に変換されて
計測される。計測結果をコンピュータ処理することによ
って各DNA断片の配列を計算し、目的とするDNAの
塩基配列を決定する。
【0007】図15に示されるように、泳動板74は、
ガラス板86と88の間に、電気泳動用ゲル(例えば、
ポリアクリルアミド)からなるゲル電解質層90が挟装
されている。2枚のガラス板の長手方向両端部にはゲル
電解質層90の厚さを規制するためのスペーサ92が間
挿されている。ガラス板88の上端部は、両端から幅方
向の中心に向けて若干の部分を除いて、所定の深さで幅
方向に切り欠かれている。この切り欠き部分94はゲル
電解質層90の上端をバッファ液と接触させるために設
けられている。泳動板全体の厚さは約10mm程度であ
るが、ゲル電解質層90自体の厚さは約0.3mm程度
である。ガラス板88の切り欠き部94の下端面96と
大体同じ位置に、凹凸の櫛歯状のゲル電解質層上端が存
在する。この櫛歯の凹陥部75内に蛍光物質で標識され
たDNA断片を注入する。
【0008】このゲル電解質層上端の凹陥部75に被分
析検体であるDNA断片が注入される。しかし、この凹
陥部75の幅は約1.5mmであり、深さは約5mm程
度しかない。凹陥部の間隔は2mm程度である。このた
め、検体はキャピラリのような微小なガラス管を用いて
凹陥部75内に注入しなければならない。しかし、泳動
板のガラス板およびゲル電解質は何れも透明なため、凹
陥部75の位置確認または判別が極めて困難であり、検
体の注入に失敗することが度々あった。
【0009】このDNA断片のサンプル注入を支援する
ために、図16に示されるようシャークコーム110が
開発され、使用されてきた。このようなシャークコーム
は例えば、特開平8−327596号公報に記載されて
いる。このシャークコーム110は一方の長手辺縁に複
数個の櫛歯113を有する。このシャークコーム110
は例えば、水膨潤性の素材(例えば、紙)から形成さ
れ、図17に示されるように、シャークコーム110は
2枚のガラス板の間の隙間に、例えば、この泳動板74
の上端側から挿入される。シャークコーム110の櫛歯
113の先端部を若干ゲル電解質層内に進入させる。シ
ャークコーム110がバッファ液に浸漬されると、櫛歯
113が膨潤し、2枚の泳動板の隙間を完全に閉塞す
る。その結果、隣接する櫛歯113同士が壁となり、空
間115により画成されるサンプル充填区画を隣接の区
画から隔離させることができる。
【0010】図18は図17におけるXVIII−XVIII線に
沿った断面図である。図示されているように、泳動板を
構成する一方のガラス板88の上端が長手方向に沿って
一部切り欠かれており、櫛歯113が所定の長さを有す
るので、ガラス板88の切り欠き部94の下端面96と
の間に開口117が形成される。実際にサンプルを注入
する場合、作業者13は泳動板ガラス越しに注入部位を
確認しながら、この開口117から、キャピラリ(毛細
管)又は平板チップなどの注入手段119の先端をサン
プル充填空間115内に差込み、液体状サンプル121
を注入する。このため、注入部位をガラス越しに確認す
ることが極めて困難であるばかりか、キャピラリなどの
極微量注入手段119の液詰まりが起こるなどの問題が
あった。マイクロピペットなどの注入手段が使用できれ
ば液詰まりの問題は起きないが、開口117の視認性が
非常に悪いことと、開口117が物理的に小さ過ぎるた
めに、マイクロピペットを使用することはできなかっ
た。
【0011】DNAの塩基配列の決定には、DNAを構
成するアデニン(A),グアニン(G),シトシン
(C)およびチミン(T)を規則正しく検出する必要が
あるので、検体の注入失敗はとりもなおさず、分析結果
のエラーにつながりやすい。このため、検体の注入は細
心の注意を払いながら行わなければならず、作業能率を
大幅に低下させる原因にもなっていた。特に、泳動路の
うちの一つの泳動路へのサンプル注入の失敗は泳動板全
体について注入作業をやり直す羽目になるので、サンプ
ル注入を行う作業者の精神的及び肉体的疲労は無視でき
ないものがある。
【0012】従って、本発明の目的は、DNAサンプル
の注入作業を大幅に軽減することのできる、ゲル電気泳
動装置用のサンプルローディングシートを提供すること
である。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記課題は、ゲル電気泳
動装置で使用される泳動板のゲル電解質層の所定の泳動
路位置に被検体サンプルをローディングするためのサン
プルローディングシートであり、該シートは陽イオン交
換クロマトグラフィー用ペーパーから形成されており、
前記シートの少なくとも一方の主要面の一部または全部
に耐水性樹脂フィルムがコーティングされていることを
特徴とするサンプルローディングシートにより解決され
る。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明のサンプルローディングシ
ートは陽イオン交換クロマトグラフィー用ペーパーから
形成される。分析すべきDNAサンプルをこの陽イオン
交換クロマトグラフィー用ペーパーからなるサンプルロ
ーディングシートの所定位置に吸収させ、その後、この
シートをゲル電気泳動装置の泳動板に装着し、電圧を印
加して電気泳動を行う。従来はDNAサンプルを泳動板
のゲル電解質層に直接注入していたが、本発明のサンプ
ルローディングシートを使用することにより、DNAサ
ンプルを泳動板のゲル電解質層に直接注入する作業は不
要になる。正確なメカニズムは未だ解明されていないの
で不明であるが、陽イオン交換クロマトグラフィー用ペ
ーパーは、蛍光標識されたDNAサンプルの吸着性が低
く、電気泳動における電圧の印加により蛍光標識DNA
サンプルが陽イオン交換クロマトグラフィー用ペーパー
からなるサンプルローディングシートから速やかに離脱
されるために、従来のようなゲル電解質層に蛍光標識D
NAサンプルを直接注入して電気泳動する場合と同等の
分離能が得られるものと思われる。
【0015】本発明で使用できる陽イオン交換クロマト
グラフィー用ペーパーは、例えば、一般的に市販されて
いる、ワットマン(Whatman)(登録商標)のグレードP
81である。グレードP81は本質的にリン酸セルロー
スからなる、厚さが約0.23mmの薄手パーパーであ
り、強陽イオン交換体である。イオン交換容量は18.
0μEq/cm2であり、吸水速度は125mm/30
minである。言うまでもなく、グレードP81以外の
陽イオン交換クロマトグラフィー用ペーパーも本発明で
同様に使用できる。
【0016】図1は本発明のサンプルローディングシー
トの一例の平面図である。本発明のサンプルローディン
グシート1は、その片側に長手方向に沿って整列した複
数の櫛歯3を有する。櫛歯3の数は特に限定されない。
使用される泳動板の幅に応じて適宜決定することができ
る。
【0017】図2は、本発明のサンプルローディングシ
ート1における櫛歯3の部分拡大平面図である。櫛歯3
は矩形状をしている。この形状以外に、台形状、三角錐
状などの形状も使用できる。本発明のサンプルローディ
ングシート1では、各櫛歯3がそれぞれの泳動路を画成
し、各泳動路は櫛歯3と櫛歯3との間の切欠き分離空間
区域5により、各泳動路が離隔され、隣接する各泳動路
間のコンタミネーション(汚染)が防止される。
【0018】電気泳動の際に各泳動路に添加されるDN
Aサンプル量は約1.5μl〜4μl程度である。この
程度の量のDNAサンプルを吸収するのに必要な櫛歯3
の面積は約9mm2〜24mm2程度である。例えば、2
μlのDNAサンプルを吸収するには、少なくとも約1
2mm2程度の面積が必要である。従って、各泳動路に
添加されるDNAサンプル量を参考にして、DNAサン
プルの吸収に必要な櫛歯3の面積を決定し、これに基づ
き櫛歯3の長さ(L1)と幅(W1)を決定すればよい。
【0019】一例として、櫛歯3の長さL1は3mm〜
10mmの範囲内であることができる。櫛歯3の長さL
1が10mm超の場合、櫛歯3が折れ曲がり易くなり、
サンプルローディングシート1の泳動板への装着が困難
になる。また、櫛歯3の幅W 1は泳動路の幅ともなる
が、一例として、櫛歯3の幅W1は1mm〜10mmの
範囲内であることができる。櫛歯3の幅W1が1mm未
満の場合、サンプルロード作業が困難になるばかりか、
櫛歯3が折れ曲がり易くなり、サンプルローディングシ
ート1の泳動板への装着が困難になる。一方、櫛歯3の
幅W1が10mm超の場合、櫛歯3が折れ曲がり難くな
るので泳動板への装着は容易になるが、サンプルローデ
ィングシート1全体に配設される櫛歯3の総数が少なく
なり、一度に分析できるDNAサンプル数が限定され、
分析作業の回数を増やさなければならなくなり好ましく
ない。櫛歯3と櫛歯3との間隔D1は特に限定されな
い。DNAサンプルの注入作業を行う際に、櫛歯3と櫛
歯3を物理的に明確に区別でき、かつ、隣接する各泳動
路間のコンタミネーションを確実に防止できるような間
隔であればよい。図2に示されるような矩形状の櫛歯3
の場合、一例として、L1=6.5mm、W1=2.2m
m、D1=0.8mmとすることができる。
【0020】本発明のサンプルローディングシート1は
基本的に、吸水性の陽イオン交換クロマトグラフィー用
ペーパー材料(例えば、ワットマン(Whatman)(登録商
標)のグレードP81ペーパー)から形成されている。
しかし、陽イオン交換クロマトグラフィー用ペーパーだ
けから形成されたサンプルローディングシートは吸水す
ると破れ易くなり、取り扱いが困難になる。このため、
サンプルローディングシート1の少なくとも一方の面に
耐水性樹脂又は撥水性樹脂フィルムをコーティングし、
サンプルローディングシート全体の機械的強度を高める
ことが好ましい。
【0021】図3は、図2におけるIII−III線に沿った
概要部分断面図である。図3は、陽イオン交換クロマト
グラフィー用ペーパーからなるサンプルローディングシ
ート1へのコーティング部7の配設例を示す。(a)は
サンプルローディングシート1の一方の面にコーティン
グ部7が配設された実施態様を示す。(b)はサンプル
ローディングシート12の両方の面にコーティング部7
が配設された実施態様を示す。(c)はサンプルローデ
ィングシート1の一方の面にコーティング部7が配設さ
れているが、櫛歯3の上面の先端寄り部分が露出された
実施態様を示す。コーティング部7はサンプルローディ
ングシート1の少なくとも一方の面の一部分(例えば、
櫛歯部分)又は全部に配設することごできる。
【0022】コーティング部7は例えば、耐水性又は撥
水性を有する熱可塑性プラスチック樹脂又は疎水性塗料
(例えば、ワックス)を塗布することにより形成するこ
とができる。コーティング部7に使用できる熱可塑性プ
ラスチック樹脂は例えば、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリオレフィン、ナイロン、テフロン、塩化ビニ
ル、塩化ビニリデン、ポリブタジエン、アクリレート、
ポリスチレン、EVA樹脂などである。その他の樹脂も
使用できる。コーティング部7の膜厚は特に限定されな
いが、陽イオン交換クロマトグラフィー用ペーパーとコ
ーティング部との合計厚さが0.3mm未満となること
が必要である。コーティング部7は無色透明でもよく、
あるいは、陽イオン交換クロマトグラフィー用ペーパー
の色(例えば、白色)と異なる色を有することもでき
る。
【0023】図3の(a)及び(b)に示されるように
櫛歯3の先端部までコーティング部7が配設されている
場合、サンプルローディングシート1の櫛歯3自体をD
NAサンプルに浸漬させることにより、櫛歯3の側面の
非コーティング露出部分(カットエッジとも呼ばれる)
から、櫛歯3にサンプルを吸収させることができる。一
方、図3の(c)に示されるように櫛歯3の上面の先端
寄り部分が露出されている場合、図4に示されるよう
に、陽イオン交換クロマトグラフィー用ペーパー2の露
出部9にマイクロピペット、マイクロシリンジ又はキャ
ピラリなどの液体注入手段11を当接し、該注入手段1
1から適量のDNAサンプルを、櫛歯3に吸収させる。
注入手段11としては、液詰まりを起こし難くく、常に
定量の液体を吐出することができるマイクロピペットを
使用することが好ましい。このDNAサンプル注入作業
はサンプルローディングシート1を水平な台(例えば、
机又はテーブルなど)(図示されていない)の上に置
き、作業者13が露出部9を直接目視しながら行うこと
ができるので、従来のDNAサンプル注入作業に比べ
て、作業性が飛躍的に向上する。
【0024】図5は、本発明のサンプルローディングシ
ート1を泳動板74にセットした状態の部分拡大正面図
である。サンプルローディングシート1は2枚のガラス
板の間の隙間に、例えば、この泳動板74の上端側から
挿入される。サンプルローディングシート1の櫛歯3の
先端部がゲル電解質層90の上端に接する程度の位置に
まで挿入する。斯くして、隣接する櫛歯3同士の間隔D
により、各櫛歯により形成される泳動路同士が分離され
る。図示されているように、泳動板を構成する一方のガ
ラス板88の上端が長手方向に沿って一部切り欠かれて
おり、ガラス板88の切り欠き部94の下端面96を越
えて上部バッファ液の液面98を位置させると、上部バ
ッファ液はサンプルローディングシート1の露出面(す
なわち、非コーティング面)から迅速に吸収される。そ
の結果、サンプルローディングシート1の各櫛歯3に吸
収されていたDNAサンプルはバッファ液により拡散さ
れる。従って、上下両バッファ液を介してゲル電解質層
90に電圧を印加すると、再溶解されたDNAサンプル
は各泳動路に沿って泳動板下部に向かって泳動してい
く。
【0025】図6は、本発明のサンプルローディングシ
ート1の別の実施態様の部分概要平面図である。この実
施態様では、櫛歯3’は根本から先端に向けて細くなる
ようにテーパが付けられた略台形の形状をしている。こ
の台形状櫛歯3’の面積が、図2に示される矩形状櫛歯
3と同様に、約9mm2〜24mm2程度になるように、
台形状櫛歯3’の長さL2及び幅W2を決定すればよい。
隣接する台形状櫛歯3’間には三角形状の切欠き分離空
間区域5’が存在する。台形状櫛歯3’の先端幅W2
間隔D2は同一値でもよく、W2よりも小さいか又は大き
いこともできる。一例として、L2=5mm、W2=3m
m、D2=2mmとすることができる。
【0026】台形状櫛歯3’の先端から櫛歯の終端まで
の適当な箇所まで耐水性樹脂又は撥水性樹脂フィルムが
コーティングされている。このコーティング部7の一部
は除去されて、露出開口部10が設けられている。露出
開口部10の露出面積は特に限定されない。DNAサン
プルの露出開口部10への注入作業を容易に実施するこ
とができる程度の露出面積を有すればよい。露出開口部
10の形状は図示された矩形形状に限定されない。円
形、台形、三角形など任意の形状をとることもできる。
【0027】露出開口部10の形成方法は特に限定され
ない。例えば、コーティング部7を例えば、グラビア印
刷などの印刷方法により形成すれば、露出開口部10も
自動的に形成される。言うまでもなく、その他の開口部
形成方法も使用できる。しかし、印刷による形成方法が
最も効率的である。
【0028】図7は、図6におけるVII−VII線に沿った
断面図である。図示されているように、コーティング部
7に配設された露出開口部10内にマイクロピペット、
マイクロシリンジ又はキャピラリなどの液体注入手段1
1を挿入し、該注入手段11から適量のDNAサンプル
を、サンプルローディングシート1の台形状櫛歯3’に
吸収させる。別法として、台形状櫛歯3’をDNAサン
プル液中に浸漬させることにより、台形状櫛歯3’にサ
ンプルを吸収させることもできる。
【0029】図8は、本発明のサンプルローディングシ
ート1の更に別の実施態様の部分概要平面図である。こ
の実施態様では、台形状櫛歯3’の先端寄り部分を除い
て、シートの片面全体にコーティング部7が設けられて
いる。台形状櫛歯3’の先端寄り部分には、DNAサン
プルを吸収させるための露出部9’が配設されている。
この場合、露出部9’は耐水性樹脂フィルムにより包囲
されておらず、櫛歯3’の先端と側面の三面が露出され
ている。この実施例でも、耐水性樹脂のグラビア印刷に
より露出部を極めて容易に形成することができる。
【0030】図9は本発明のサンプルローディングシー
ト1の更に別の実施態様の部分拡大平面図である。この
実施態様では、サンプルローディングシート1は櫛歯3
を有しない。図2及び図6に示される実施態様のサンプ
ルローディングシート1では、櫛歯3と櫛歯3との間に
切欠き分離空間5が存在するが、図9に示されるサンプ
ルローディングシート1では、コーティング部7に設け
られたDNAサンプル注入露出開口部12と隣接する露
出開口部12とは間隔D3で離隔されているだけであ
る。一つの露出開口部10から注入されたDNAサンプ
ルは紙内に吸収され、拡散することがある。図2又は図
6に示される実施態様のサンプルローディングシート1
では、櫛歯同士の間に物理的分離空間5又は5’が存在
するため、一つの櫛歯3又は3’から注入されたDNA
サンプルが紙内に吸収され、紙内で多少拡散されても、
隣接する櫛歯3又は3’にまで拡散することは絶対に無
い。しかし、図9に示されるサンプルローディングシー
ト1では、露出開口部12と露出開口部12とは一枚の
連続的な紙面上に形成され、露出部同士を相互に分離す
べき物理的空間が存在しない。従って、一つの露出開口
部12から注入されたDNAサンプルが紙内に吸収さ
れ、紙内を拡散しても、隣接する露出開口部12から注
入されたDNAサンプルとコンタミネーションを起こさ
ないようにするため、一つの露出開口部12と隣接する
露出開口部12との間隔D3は、図2又は図6に示され
た櫛歯3又は3’同士の間隔D1又はD2よりも大きいこ
とが好ましい。一例として、D3は2mm〜3mmの範
囲内であることが好ましい。
【0031】また、図9に示されるように、サンプル注
入場所を明示するための識別手段17を紙面に配設する
こともできる。このような識別手段は例えば、印刷によ
り紙面に配設することができる。例えば、A,T,C,
Gの4種類のDNAを一群として、1〜n群のサンプル
レーンを明示する数字や罫線などを印刷することができ
る。特に、露出開口部10の上端に延びる縦罫線は、露
出開口部10の位置を認識し易くすると共に、この縦罫
線に沿ってマイクロピペットなどの注入手段の先端を露
出開口12の位置に当接させることにより、サンプル注
入作業を容易かつ迅速に行うことができる。また、横罫
線は各群の境界を識別するのに役立つ。数字や罫線など
の印刷は例えば、黒色インキなどの単色で施すこともで
きるし、各群毎に色を変化させて施すこともできる。な
お、左右両側の複数のレーンは、サンプルが垂直に泳動
されるようにするため、サンプルと同じ位の塩濃度の液
体(例えば、リアクションバッファ、ローディングダイ
及び水からなる液体)を注入するために使用することも
できる。
【0032】図10は、本発明のサンプルローディング
シート1の更に他の実施態様の部分拡大平面図である。
この実施例では、露出開口部13がサンプルローディン
グシート1の下端辺縁に沿って配設されている。また、
図10に示されたサンプルローディングシート1も、図
9に示されるシート1と同様に、サンプル注入場所を明
示するための識別手段17を紙面に配設することができ
る。このサンプル注入場所を明示するための識別手段1
7は図1に示されたサンプルローディングシート1にも
当然配設することができる。
【0033】図11は本発明のサンプルローディングシ
ート1の更に別の実施態様の部分拡大平面図である。こ
の実施例では、シート1は非吸水性素材から形成されて
いる。非吸水性素材は例えば、撥水性または耐水性の紙
若しくはプラスチックなどである。撥水性または耐水性
の紙は例えば、撥水性又は耐水性合成紙などである。こ
のような合成紙は例えば、王子製紙(株)から「ユポ」
という商品名で市販されている。ユポはポリプロピレン
を主原料とし、これに無機充填材を加えて二軸延伸成膜
をした、いわゆる、フィルム法合成紙である。ポリプロ
ピレンは殆ど無極性であり、接着性に劣るので、金属塩
を配合することにより接着性を高めて原紙を作製し、フ
ィルムはその成形時に方向性を生じることがあるので、
それぞれ方向性を変化させ、3層積層させる。この合成
紙は耐水性に優れ、他の合成紙に比べて腰が強いという
特性を有する。シート1の一方の端面に沿って形成され
た複数の三角錐状の櫛歯3”の一方の上面には、吸水性
の陽イオン交換クロマトグラフィー用ペーパー片19が
貼着されている。この部材19は例えば、吸水性紙また
は高吸水性樹脂などから形成することができる。図11
に示されるサンプルローディングシート1は、例えば、
非吸水性素材からなる長尺シートの一方の長尺端面に沿
って、所定の幅の陽イオン交換クロマトグラフィー用ペ
ーパーを貼着し、その後、この陽イオン交換クロマトグ
ラフィー用ペーパー部分を打ち抜き、櫛歯3”を形成す
ることにより作製することができる。
【0034】図12は、図11におけるXII−XII線に沿
った断面図である。図示されているように、各櫛歯3”
の上面に存在する陽イオン交換クロマトグラフィー用ペ
ーパー片19にマイクロピペット、マイクロシリンジ又
はキャピラリなどの液体注入手段11を近づけ、該注入
手段11から適量のDNAサンプルを、陽イオン交換ク
ロマトグラフィー用ペーパー片19に吸収させる。別法
として、三角錐状櫛歯3”をDNAサンプル液中に直接
浸漬させることにより、三角錐状櫛歯3”の陽イオン交
換クロマトグラフィー用ペーパー片19にサンプルを吸
収させることもできる。
【0035】図13は本発明のサンプルローディングシ
ート1を使用したDNA塩基配列決定装置の一例の概要
斜視図である。図13に示されるように、本発明のサン
プルローディングシート1を使用したDNA塩基配列決
定装置20は、暗室にすることのできる測定室22を有
する。測定室22の正面には、開閉可能な扉24が配設
されていて、測定の際には測定室22を密閉し、暗室に
することができる。泳動板74は測定室内で泳動板ホル
ダ26により垂直に保持される。上部バッファ槽28は
この泳動板ホルダ26により泳動板74と一体的に保持
される。泳動板74の下部は下部バッファ槽30内に挿
入されている。従って、上部バッファ槽28内にバッフ
ァ液が充填されると、泳動板74の一方のガラス板の切
り欠き部から泳動板内のゲル電解質層と接触する。ま
た、下部バッファ槽30内に緩衝液が充填されると、泳
動板のゲル電解質層の下端部は緩衝液に浸漬される。上
部緩衝液から泳動板間のゲル電解質層を経て下部緩衝液
に電気を通電するために、上部バッファ槽の電極32を
接続する。同様に、下部バッファ槽にも電極34を接続
する。クランプ機構36により泳動板74はホルダ26
から着脱することができる。泳動板74と直交する位置
にある側壁にはレーザ光照射端38が設けられている。
レーザ光照射端の光軸が泳動板のゲル電解質層に一致す
るように、レーザ光照射端38が配設されている。
【0036】本発明のサンプルローディングシートは図
示された垂直泳動タイプのゲル電気泳動装置に限らず、
水平泳動タイプのゲル電気泳動装置及びサンプルローデ
ィングシートを使用するあらゆるタイプのゲル電気泳動
装置においても当然使用できる。また、レーザ光照射方
向は、図示されたような、泳動板の横方向の他に、泳動
板の正面又は背面あるいは斜め方向も使用できる。この
ようなレーザ光照射方向は全て当業者に公知である。
【0037】
【実施例】以下、実施例により本発明のサンプルローデ
ィングシートの効果を例証する。
【0038】実施例 (1)測定用サンプルの調製方法 鋳型DNApUC18(2681塩基)1.5μgと、
蛍光色素のTexas Red(Molecular Probe社の登録商標)
で標識されたM13Forwardプライマー(塩基配
列:5’−TGTAAAACGACGGCCAGT−
3’)4pmolを、ダイデオキシ法に基づくシーケン
シング試薬キット(Thermo Sequenasepre-mixed cycle s
equencing kit, アムシャムファルマシアバイオテク社
製)で反応し、塩基ACGTの最終溶液量を各9μlと
した。
【0039】(2)測定用の泳動ゲルの準備 泳動ゲル試薬組成は6%Long Ranger(FM
C社の登録商標)、6.1モル尿素、1.2×TBEと
し、APS及びTEMEDを加えた後、図15に示され
るような、厚さ0.3mmのスペーサを挟んだパイレッ
クス製ガラス板(縦37cm×横20cm×厚さ0.5
cm)2枚の間に注入し、ゲル化したものを使用した。
泳動用バッファ液の組成は0.6×TBEとした。予備
泳動(電圧1000Vを印加し、1時間泳動)した後、
測定に使用した。なお、10×TBEの組成は、トリス
(ヒドロキシメチル)アミノメタン883ミリモル、ホ
ウ酸886ミリモル、EDTA−2Na25ミリモルで
あった。
【0040】(3)サンプルのローディング 本発明の陽イオン交換クロマトグラフィー用ペーパーの
P81の他、比較例として、陰イオン交換クロマトグラ
フィー用ペーパー(DEAEセルロースペーパー)のD
E81、通常の濾過用濾紙及びガラス繊維からなる各原
反を裁断し、図1及び図3(c)に示されるような矩形
状の櫛歯を有するサンプルローディングシートを作製し
た。前記(1)で調製した蛍光標識DNAサンプルを塩基
ACGTの順番で、各サンプルローディングシートのそ
れぞれの櫛歯先端にピペットで各1.5μl量ずつ滴下
し、各櫛歯内に吸収させた。これを図5に示されるよう
に、泳動板のゲル電解質層の上端に差し込んだ。同時
に、対照として、図16に示されるような紙製のシャー
クコームを、図17に示されるように、泳動板のゲル電
解質層上端から若干内部に進入させるように差し込み、
図17に示される櫛歯間の空間115の下部121の部
位に、前記(1)で調製した蛍光標識DNAサンプルを塩
基ACGTの順番で、各1.5μl量ずつポリカーボネ
ート製キャピラリを用いて注入した。
【0041】(4)電気泳動及び蛍光検出 前記(3)でサンプルローディングされた各泳動板を、図
13に示されるような日立電子エンジニアリング社から
SQ5500の商品名で市販されているDNA塩基配列
決定装置に装着した。1400Vの電圧を2分間泳動板
に印加した後、対照例の紙製シャークコームと、P8
1、DE81、濾過用濾紙及びガラス繊維からなる各サ
ンプルローディングシートを泳動板から除去した後、1
400Vの電圧で10時間泳動した。サンプルのローデ
ィング位置からHeNeレーザ照射・蛍光検出ラインま
でのサンプルの泳動距離は27.5cmであった。
【0042】(5)測定結果 図19(a)は対照例のラダーパターンを示す。このラ
ダーパターンに基づき、被検体である蛍光標識DNAサ
ンプルの塩基配列を決定し、対照基準とした。図19
(b)は本発明の陽イオン交換クロマトグラフィー用ペ
ーパーからなるサンプルローディングシートを用いた場
合のラダーパターンを示す。図示されているように、本
発明の陽イオン交換クロマトグラフィー用ペーパーから
なるサンプルローディングシートを用いた場合、対照例
のラダーパターンと殆ど同等の分離能が得られることが
理解できる。このラダーパターンに基づく塩基配列決定
においても、本発明の陽イオン交換クロマトグラフィー
用ペーパーからなるサンプルローディングシートを用い
て決定された塩基配列は、対照例の塩基配列と完全に一
致していることが確認された。図19(c)は陰イオン
交換クロマトグラフィー用ペーパー(DE81)からな
るサンプルローディングシートを用いた場合のラダーパ
ターンを示す。図示されているように、蛍光標識DNA
サンプルは全く泳動されていない。この原因は、蛍光標
識DNAサンプルがDE81に強く吸着されていて、バ
ッファ液に浸漬され、高電圧を印加されても、DE81
から全く離脱することができなかったためであると推測
される。図19(d)は通常の濾過用濾紙からなるサン
プルローディングシートを用いた場合のラダーパターン
を示す。図示されているように、蛍光標識DNAサンプ
ルはテーリングを起こし、十分な分離能が得られない。
この低分離能ではサンプルの塩基配列を決定することは
極めて困難である。この低分離能の原因は、通常の濾過
用濾紙の吸着力が強いために、サンプルローディングシ
ートがバッファ液に浸漬され、高電圧を印加されても、
蛍光標識DNAサンプルが濾紙から少ししか離脱されな
かったためであると推測される。図19(e)はガラス
繊維からなるサンプルローディングシートを用いた場合
のラダーパターンを示す。ガラス繊維からなるサンプル
ローディングシートは通常の濾過用濾紙からなるサンプ
ルローディングシートよりも更に低い分離能を有するこ
とが理解できる。ガラス繊維の吸着力のほうが、通常の
濾過用濾紙の吸着力よりも高いために、このような結果
になったものと推測される。従って、このガラス繊維か
らなるサンプルローディングシートは実際の分析には使
用できない。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のDNA塩
基配列決定装置で使用するサンプルローディングシート
は陽イオン交換クロマトグラフィー用ペーパーから形成
されているので、DNAサンプルを確実に吸収させるこ
とができる。本発明のサンプルローディングシートにD
NAサンプルを吸収させて泳動すると、従来のゲル電解
質層に直接DNAサンプルをローディングして泳動させ
たときと殆ど同等の分離能が得られる。更に、本発明の
サンプルローディングシートによれば、DNAサンプル
注入作業を極めて容易に、かつ、効率的に実施すること
ができる。例えば、本発明のサンプルローディングシー
トによればDNAサンプル注入作業は、サンプルローデ
ィングシートを泳動板に挿入する前に、別のテーブル上
で極めて簡単に行うことができる。サンプルローディン
グに要する作業時間が大幅に短縮されたために、DNA
塩基配列決定分析に要する全体的な作業時間も短縮さ
れ、分析作業のスループットを大幅に向上させることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の、DNA塩基配列決定装置における泳
動板に挿入して使用されるサンプルローディングシート
の一例の平面図である。
【図2】図1の矩形状の櫛歯を有するサンプルローディ
ングシートの部分拡大平面図である。
【図3】図2におけるIII−III線に沿った断面構造を示
す概要図であり、陽イオン交換クロマトグラフィー用ペ
ーパーからなるサンプルローディングシート1へのコー
ティング部7の配設例を示し、(a)はサンプルローデ
ィングシート1の一方の面にコーティング部7が配設さ
れた実施態様を示し、(b)はサンプルローディングシ
ート1の両方の面にコーティング部7が配設された実施
態様を示し、(c)はサンプルローディングシート1の
一方の面にコーティング部7が配設されているが、櫛歯
3の上面の先端寄り部分が露出された実施態様を示す。
【図4】図3(c)に示されるサンプルローディングシ
ートの櫛歯の露出部分にDNAサンプルを吸収させる状
態を示す模式図である。
【図5】図1に示されたサンプルローディングシートを
泳動板に挿入した状態を示す部分拡大平面図である。
【図6】本発明による台形状の櫛歯を有するサンプルロ
ーディングシートの一例の部分拡大平面図である。
【図7】図6におけるVII−VII線に沿った断面図であ
り、櫛歯の露出開口部から櫛歯にDNAサンプルを吸収
させる状態を模式的に示す。
【図8】本発明による台形状の櫛歯を有するサンプルロ
ーディングシートの別の例の部分拡大平面図である。
【図9】本発明による櫛歯を有しないサンプルローディ
ングシートの一例の部分拡大平面図である。
【図10】本発明による櫛歯を有しないサンプルローデ
ィングシートの別の例の部分拡大平面図である。
【図11】本発明による三角錐状の櫛歯を有するサンプ
ルローディングシートの一例の部分拡大平面図である。
【図12】図11におけるXII−XII線に沿った断面図で
あり、櫛歯のDNAサンプル吸収部にDNAサンプルを
吸収させる状態を模式的に示す。
【図13】本発明のサンプルローディングシートを使用
したDNA塩基配列決定装置の一例の概要斜視図であ
る。
【図14】特開昭63−21556号公報に開示された
DNA塩基配列決定装置の模式的構成図である。
【図15】図14に示された装置で使用される泳動板の
部分拡大斜視図である。
【図16】従来のシャークコームの一例の平面図であ
る。
【図17】図16に示されたシャークコームを泳動板に
挿入した状態を示す部分拡大平面図である。
【図18】図17におけるXVIII−XVIII線に沿った部分
概要断面図であり、DNAサンプルをゲル電解質層上部
に注入する状態を模式的に示す。
【図19】実施例で行われた各電気泳動により得られた
ラダーパターンを示し、(a)は従来技術に基づく対照
例によるラダーパターンであり、(b)は本発明の陽イ
オン交換クロマトグラフィー用ペーパーからなるサンプ
ルローディングシートを用いて得られたラダーパターン
であり、(c)は比較例としての、陰イオン交換クロマ
トグラフィー用ペーパーからなるサンプルローディング
シートを用いて得られたラダーパターンであり、(d)
は比較例としての、通常の濾過用濾紙からなるサンプル
ローディングシートを用いて得られたラダーパターンで
あり、(e)は比較例としての、ガラス繊維からなるサ
ンプルローディングシートを用いて得られたラダーパタ
ーンである。
【符号の説明】
1 本発明のサンプルローディングシート 3 櫛歯 5 櫛歯と櫛歯との間の切欠き分離空間 7 コーティング部 9 露出部 10 露出開口部 11 サンプル注入手段 19 陽イオン交換クロマトグラフィー用ペーパー片
フロントページの続き (72)発明者 栗原 一義 東京都渋谷区東3丁目16番3号 日立電子 エンジニアリング株式会社内 (72)発明者 吉田 敏雄 東京都渋谷区東3丁目16番3号 日立電子 エンジニアリング株式会社内 (72)発明者 宮崎 祐輔 東京都渋谷区東3丁目16番3号 日立電子 エンジニアリング株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゲル電気泳動装置で使用される泳動板の
    ゲル電解質層の所定の泳動路位置に被検体サンプルをロ
    ーディングするためのサンプルローディングシートであ
    り、該シートは陽イオン交換クロマトグラフィー用ペー
    パーから形成されており、前記シートの少なくとも一方
    の主要面の一部または全部に耐水性樹脂フィルムがコー
    ティングされていることを特徴とするサンプルローディ
    ングシート。
  2. 【請求項2】 前記シートはワットマン(Whatman)社か
    らグレードP81の商品名で市販されている陽イオン交
    換クロマトグラフィー用ペーパーから形成されているこ
    とを特徴とする請求項1に記載のサンプルローディング
    シート。
  3. 【請求項3】 前記シートの一方の端部には複数の矩形
    状の櫛歯が形成され、前記櫛歯と櫛歯との間は空間によ
    り離隔されており、前記櫛歯の平面部分の少なくとも一
    部分が耐水性樹脂フィルムでコーティングされており、
    前記櫛歯部分に液状の被検体サンプルを吸収させること
    を特徴とする請求項1又は2に記載のサンプルローディ
    ングシート。
  4. 【請求項4】 前記シートの一方の端部には複数の台形
    状の櫛歯が形成され、前記櫛歯と櫛歯との間は空間によ
    り離隔されており、該櫛歯は根本から先端に向けて細く
    なるようにテーパが付けられており、櫛歯の先端から根
    本に至るまでの少なくとも一部分が耐水性樹脂でコーテ
    ィングされており、該コーティング部分の一部の耐水性
    樹脂フィルムが除去され、前記陽イオン交換クロマトグ
    ラフィー用ペーパーの表面が露出された露出部が存在
    し、前記露出部を介して前記櫛歯部分に液状の被検体サ
    ンプルを吸収させることを特徴とする請求項1又は2に
    記載のサンプルローディングシート。
  5. 【請求項5】 前記シートの下方寄り部分の前記コーテ
    ィングフィルムの一部が除去され、前記陽イオン交換ク
    ロマトグラフィー用ペーパーの表面が露出された複数の
    露出部が形成されており、前記露出部を介して前記シー
    トの所定箇所に液状の被検体サンプルを吸収させること
    を特徴とする請求項1又は2に記載のサンプルローディ
    ングシート。
  6. 【請求項6】 ゲル電気泳動装置で使用される泳動板の
    ゲル電解質層の所定の泳動路位置に被検体サンプルをロ
    ーディングするためのサンプルローディングシートであ
    り、該シートは非吸水性素材から形成されており、該シ
    ートの一方の端部には複数の櫛歯が形成され、前記櫛歯
    と櫛歯との間は空間により離隔されており、該櫛歯の先
    端から根本に至るまでの少なくとも一部には、陽イオン
    交換クロマトグラフィー用ペーパー片が貼着されてお
    り、前記陽イオン交換クロマトグラフィー用ペーパー片
    部分に液状の被検体サンプルを吸収させることを特徴と
    するサンプルローディングシート。
  7. 【請求項7】 前記シートは撥水性または耐水性の紙若
    しくはプラスチックから形成されており、前記陽イオン
    交換クロマトグラフィー用ペーパー片はワットマン(Wha
    tman)社からグレードP81の商品名で市販されている
    陽イオン交換クロマトグラフィー用ペーパーからなるこ
    とを特徴とする請求項6に記載のサンプルローディング
    シート。
  8. 【請求項8】 前記ゲル電気泳動装置は、一方のガラス
    板の上端部の一部が幅方向に切り欠かれた2枚のガラス
    板の間にゲル電解質層を挟装してなる泳動板を収容する
    測定室を有し、泳動板のゲル電解質層の下部および上部
    を緩衝液に浸漬するための下部バッファ槽および上部バ
    ッファ槽をそれぞれ有し、泳動板中の泳動路と直交する
    ように、レーザ光を照射する光励起用のレーザ光照射手
    段、レーザ光によって照射されたDNA断片から発生さ
    れた蛍光を検出し電気信号に変換する蛍光検出手段とか
    らなるDNA塩基配列決定装置であり、前記サンプルロ
    ーディングシートは前記泳動板の上端部から泳動板の隙
    間に挿入されて使用されることを特徴とする請求項1〜
    7の何れかに記載のサンプルローディングシート。
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