JP2000297918A - ごみ焼却設備及びその白煙防止方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 焼却炉の炉壁を空冷した際に排出される空気
の廃熱をさらに有効利用することができるごみ焼却設備
及びごみ焼却設備における白煙防止方法を提供するこ
と。 【解決手段】 炉壁の外側に炉壁冷却用の空気を流通さ
せる冷却箱２０が一体的に設けられ、この冷却箱２０に
空気導入口と空気排出口が設けられ、空気排出口が排ガ
ス処理工程１２と煙突１４の間の煙道に接続され、排ガ
ス処理後のごみ焼却排ガスと炉壁との熱交換によって加
熱された空気が混合されるように構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はごみ焼却設備及びご
み焼却設備における白煙防止方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】、図５は従来のストーカ式ごみ焼却設備
の構成を示す図である。１０は焼却炉、１１は廃熱ボイ
ラ、６０は都市ごみを示す。焼却炉１０へ投入された都
市ごみ６０は燃焼して焼却灰となり、排出される。又、
燃焼ガス（ごみ焼却排ガス）は廃熱ボイラ１１で熱回収
された後、排ガス処理工程１２へ送られて除塵や有害ガ
ス除去などの処理がされた後、熱風が混合され、大気放
出される。この熱風の混合によって、煙突から放出され
た際にごみ焼却排ガス中の水分の凝縮が起らなくなり、
白煙の発生が防止される。焼却排ガスと混合する熱風は
空気送風機５１、蒸気式空気加熱器５２よりなる熱風発
生装置５０で発生させる。１３は誘引送風機、１４は煙
突である。

【０００３】ところで、焼却炉１０内には、ごみの燃焼
によって高温雰囲気になる箇所があり、この箇所におい
ては、ごみの灰分の一部が溶融し炉壁に付着して固化す
る現象が起る。そして、この固化物（クリンカー）が次
第に成長して焼却炉の操業に支障を来すと共に、炉壁の
耐火物を損傷すると言う問題をもたらす。このため、そ
の防止策が講じられている。この防止策の一つとして、
その箇所の炉壁を空冷する手段が採用されている。この
場合、炉壁を冷却することによって昇温した空気は大気
放散されるか、或いは燃焼用空気として焼却炉内へ吹込
まれる。４０は炉壁の空冷部、４１は炉壁冷却用空気送
風機を示す。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記従来技術において
は、焼却炉１０の炉壁を冷却することによって昇温した
空気の処分に際し、或る場合には、大気放散されてその
廃熱が廃棄されている。又、或る場合には、燃焼用空気
として焼却炉内へ吹込まれているが、廃熱の有効利用に
対する観点からすれば、この利用方法は必ずしも適切な
方策であるとは言えない。その上、一方では、ごみ焼却
排ガスに混合する白煙防止用の熱風を発生させるため
に、熱風発生装置５０が設置されており、高圧蒸気を使
用して空気を加熱する操作を行なっている。

【０００５】このように、焼却炉で発生した廃熱が廃棄
されたり、或いは必ずしも十分とは言えない利用がなさ
れているにも拘わらず、ごみ焼却排ガスに混合する白煙
防止用の熱風を発生させるために、蒸気加熱式の熱風発
生装置５０が設置され、他の高度な用途に供すべき高圧
蒸気が多量に使用されている。このため、ごみ焼却設備
全体における熱の合理的な利用がなされていない。又、
熱風発生装置を設置するためのスペースが必要である。

【０００６】本発明は上記の課題を解決するためになさ
れたものであり、焼却炉の炉壁を空冷した際に排出され
る空気の廃熱をさらに有効利用することができるごみ焼
却設備及びごみ焼却設備における白煙防止方法を提供す
ることを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明に係るごみ焼却設備は、焼却炉の炉壁の外
側に炉壁冷却用の空気を流通させる冷却箱が一体的に設
けられ、この冷却箱に空気導入口と空気排出口が設けら
れ、空気排出口が排ガス処理工程と煙突の間の煙道に接
続され、排ガス処理後のごみ焼却排ガスと炉壁冷却後の
空気が混合されるように構成されたことを特徴としてい
る。

【０００８】又、本発明に係るごみ焼却設備の白煙防止
方法は、焼却炉の炉壁の外側に設けられた冷却箱に空気
を導入し、加熱されて冷却箱から排出する空気を、排ガ
ス処理されて浄化されたごみ焼却排ガスと混合し、大気
放出することを特徴としている。

【０００９】

【発明の実施の形態】図１は本発明に係る実施の形態の
一例を示す図である。図１において、図５と同じ構成に
係る部分については、同一の符号を付し説明を省略す
る。この実施の形態においては、焼却炉１０の側壁に、
後述する構成による空冷部２０が設けられている。この
炉壁の空冷部２０には炉壁冷却用空気送風機３０から送
られてくる空気が導入されて冷却される。炉壁との熱交
換によって加熱された空気は排ガス処理工程１２と煙突
の間の煙道へ送られ、排ガス処理後のごみ焼却排ガスと
混合されるようになっている。

【００１０】炉壁の空冷部２０へ導入された空気の流れ
は図２に示すようになっている。炉壁冷却用空気送風機
３０から送られてきた空気が分流され、複数に区画され
た冷却箱２２へ導入され、ヘアピン状に流通しながら加
熱されて排出される。

【００１１】図３、図４は炉壁空冷部の構造を示し、図
３は横断面を示す図、図４は縦断面を示す図である。２
１は煉瓦積みされた側壁、２２は冷却箱、２３は送気
口、２４は排気口である。冷却箱２２はブラケット２５
により側壁２１に取り付けられており、仕切り板２６に
よって複数に区画されている。そして、複数の区画には
それぞれ上部又は下部に開口２８が設けられたバッフル
２７が配置されている。２９は冷却空気の流入口であ
る。

【００１２】上記の冷却箱２２が設けられている箇所の
側壁は、その内面温度が８００℃〜１０５０℃程度、外
面温度が３００℃以下程度になるように空冷され、炉壁
を冷却した空気は１００℃〜１３０℃程度に加熱されて
排出される。この加熱された空気と排ガス処理工程を通
過してきたごみ焼却排ガスを混合すれば、その混合ガス
は大気放出しても白煙が発生しない状態になる。

【００１３】例えば、排ガス処理工程を通過してきたご
み燃焼排ガスの温度が１７０℃、冷却箱２２から排出さ
れる空気の温度が１００℃であった場合、燃焼排ガスに
対して加熱空気を３０％程度混合すると、混合後の排ガ
ス温度は約１５０℃となる。この混合ガスの温度は混合
前の燃焼排ガスの温度より低くなるが、冷却箱２２から
排出される空気は常温の大気が加熱されたものであっ
て、湿度が非常に低いので、その混合ガスの温度が１５
０℃程度に維持されていれば、大気放出しても拡散時に
露点に達することはなく、白煙は発生しない。

【００１４】

【発明の効果】本発明を実施すれば、焼却炉の炉壁の外
側に炉壁冷却用の空気を流通させる冷却箱を設け、この
冷却箱に導入して加熱された空気を排ガス処理後のごみ
焼却排ガスと混合するので、炉壁を冷却した空気の廃熱
が高度に活用されて、白煙防止用の熱風発生装置を設置
する必要がなくなり、有用な高圧蒸気が消費されなくな
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る実施の形態の一例を示す図であ
る。

【図２】炉壁空冷部における冷却用空気のフローを示す
図である。

【図３】炉壁空冷部の横断面図である。

【図４】炉壁空冷部の縦断面図である。

【図５】従来のストーカ式ごみ焼却設備の構成を示す図
である。

【符号の説明】

１０ 焼却炉 １１ 廃熱ボイラ １２ 排ガス処理工程 １３ 排ガスの誘引送風機 １４ 煙突 ２０ 炉壁の空冷部 ２１ 側壁 ２２ 冷却箱 ２３ 送気口 ２４ 排気口 ２６ 仕切り板 ２７ バッフル ２８ 開口 ２９ 冷却空気の流入口 ３０ 炉壁冷却用空気送風機 ６０ 都市ごみ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ストーカ式のごみ焼却設備において、炉
   壁の外側に炉壁冷却用の空気を流通させる冷却箱が一体
   的に設けられ、この冷却箱に空気導入口と空気排出口が
   設けられ、空気排出口が排ガス処理工程と煙突の間の煙
   道に接続され、排ガス処理後のごみ焼却排ガスと炉壁冷
   却後の空気が混合されるように構成されたことを特徴と
   するごみ焼却設備。
2. 【請求項２】 ストーカ式のごみ焼却設備における白煙
   防止方法において、炉壁の外側に設けられた冷却箱に空
   気を導入し、加熱されて冷却箱から排出する空気を、排
   ガス処理されて浄化されたごみ焼却排ガスと混合し、大
   気放出することを特徴とするごみ焼却炉における白煙防
   止方法。