JP2000297706A - 燃料改質装置付き内燃機関 - Google Patents

燃料改質装置付き内燃機関

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JP2000297706A
JP2000297706A JP11104861A JP10486199A JP2000297706A JP 2000297706 A JP2000297706 A JP 2000297706A JP 11104861 A JP11104861 A JP 11104861A JP 10486199 A JP10486199 A JP 10486199A JP 2000297706 A JP2000297706 A JP 2000297706A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃料ポンプ7からの燃料を、蒸発器6にて排
気熱によりガス化し、改質器6にて排気熱と改質触媒と
により水素、一酸化炭素等に改質して、ガス燃料噴射弁
2より機関1に供給する場合、改質器6の触媒へのすす
の付着により活性が低下したときに、その活性を回復す
る。 【解決手段】 改質器6前後の圧力差ΔP、温度差ΔT
又は改質器6出口側の水素濃度H2 に基づいて、活性状
態を判定する。活性状態が低下したと判定された場合
は、活性回復のため、2流体噴射弁12により、改質器
6に空気を噴射供給し、排気温度Texhが低いときは、空
気と共に燃料も噴射供給する。活性回復中は、液体燃料
噴射弁3により、機関1に直接燃料を供給する一方、流
路切換弁10により、改質ガスの機関1への供給を停止
させて、改質ガスを排気系4へ供給する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、排気熱により燃料
をガス化する蒸発器と、ガス化された燃料を排気熱と改
質触媒とにより水素、一酸化炭素等に改質する改質器と
を備えて、改質ガスを機関に供給する燃料改質装置付き
内燃機関に関する。
【0002】
【従来の技術】燃料改質装置、特にその改質器は、高温
雰囲気下で使用されるため、その構成材料(母材)にS
US304等の耐熱・耐蝕鋼が使用されているが、燃料
蒸気が接触することで、すすが発生し、触媒の表面に付
着して触媒の活性を低下させるという問題を有してい
る。
【0003】このため、従来においては、例えば特開昭
58−74501号公報に記載されているように、改質
器の内壁を銅−マンガン−ニッケル合金からなるろう材
によりコーティングすることで、すすの発生を抑制して
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、改質器
の内部は極めて複雑かつ微細な構造であることから、均
一にコーティングすることは難しく、わずかなコーティ
ング不良部分からすすが発生し、触媒の表面に付着した
すすや不純物は除去されないため、触媒の活性が低下
し、また圧力損失の増大により燃料が流れにくくなっ
て、改質反応が十分に行われず、改質ガスの供給が不十
分となるという問題があった。
【0005】本発明は、このような実状に鑑み、改質器
内に付着したすすや不純物を除去可能として、改質器の
活性を回復できるようにすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1に係
る発明では、排気熱により燃料をガス化する蒸発器と、
ガス化された燃料を排気熱と改質触媒とにより改質する
改質器とを備えて、改質ガスを機関に供給する燃料改質
装置付き内燃機関において、図1に示すように、改質器
の活性状態を判定する改質器活性状態判定手段と、活性
状態が低下したと判定されたときに、改質器に空気を供
給する空気供給手段と、を設けたことを特徴とする。
【0007】請求項2に係る発明では、前記改質器活性
状態判定手段は、改質器前後の圧力差、改質器前後の温
度差又は改質器出口側の改質ガス濃度のうち少なくとも
1つに基づいて、活性状態を判定することを特徴とす
る。
【0008】請求項3に係る発明では、前記空気供給手
段による改質器への空気供給時に、所定の条件下で、改
質器に直接燃料を供給する燃料供給手段を設けたことを
特徴とする(図1参照)。
【0009】請求項4に係る発明では、前記燃料供給手
段は、前記空気供給手段による改質器への空気供給時
に、排気温度が低い状態であることを条件として、改質
器に直接燃料を供給することを特徴とする。ここで、排
気温度が低い状態は、排気温度を直接検出する他、機関
負荷や改質器入口側温度より検出してもよい。
【0010】請求項5に係る発明では、改質器に対し、
空気及び燃料を噴射供給可能な2流体噴射弁を設けて、
前記空気供給手段及び前記燃料供給手段を構成すること
を特徴とする。
【0011】請求項6に係る発明では、前記燃料供給手
段による改質器への燃料供給時に、蒸発器への燃料供給
を停止する手段を設けたことを特徴とする(図1参
照)。請求項7に係る発明では、前記空気供給手段によ
る改質器への空気供給時に、機関に直接燃料を供給する
一方、改質ガスの機関への供給を停止させて、改質ガス
を排気系へ供給する燃料切換手段を設けたことを特徴と
する(図1参照)。
【0012】請求項8に係る発明では、過渡運転状態を
検出する過渡運転状態検出手段と、過渡運転状態のとき
に改質器へ直接燃料を供給する燃料供給手段とを設けた
ことを特徴とする(図1参照)。
【0013】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、改質器の
活性状態を判定し、活性状態が低下したと判定されたと
きに、改質器に空気を供給することで、改質器での酸化
反応(改質器内に付着している燃料の燃焼)の促進によ
り、改質器内の温度を上昇させ、これによりすすを燃や
すことで、触媒の活性を回復することができる。従っ
て、改質器の母材やコーティング材にかかわらず、触媒
の活性を維持して、安定した改質ガスの供給が可能とな
る。
【0014】請求項2に係る発明によれば、改質器の活
性低下の原因となるすすの付着により、圧力損失が増大
して改質器出口側圧力が低下し、また改質器の活性低下
による改質反応の低下により、改質器出口側温度が低下
したり、改質ガスの発生量が減少することから、改質器
前後の圧力差、改質器前後の温度差又は改質器出口側の
改質ガス濃度に基づいて、活性状態を的確にとらえるこ
とができる。
【0015】請求項3に係る発明によれば、活性回復の
ための改質器への空気供給時に、所定の条件下で、改質
器に直接燃料を供給することで、空気のみの供給では燃
焼が不十分な場合にも燃焼を促進でき、また蒸発器を経
由して燃料を供給する場合に比して応答良く燃焼を促進
でき、触媒の活性をより確実に回復できる。
【0016】請求項4に係る発明によれば、活性回復の
ための空気供給時に、排気温度が低い状態であることを
条件として、改質器に直接燃料を供給することで、触媒
温度が低く反応しにくい低排温時に、触媒の活性をより
確実に回復できる。
【0017】請求項5に係る発明によれば、改質器に対
し、2流体噴射弁を設けて、空気及び燃料をそれぞれ噴
射供給可能とすることで、簡易に構成できると共に、空
気、燃料、空気+燃料の3つの噴射形態で用いることが
できる。
【0018】請求項6に係る発明によれば、活性回復の
ための改質器への燃料供給時に、蒸発器への燃料供給を
停止することで、燃料供給が過剰となるのを防止でき
る。請求項7に係る発明によれば、改質器の活性回復中
は、機関に直接燃料を供給することで、改質ガスの生成
が不十分な状態で機関の安定度を損なうことなく運転を
可能とする一方、改質ガスの機関への供給を停止させ
て、改質ガスを排気系へ供給することで、排気中で燃焼
させ、熱源となる排気の温度を高めることができる。
【0019】請求項8に係る発明によれば、急加速時等
の過渡運転状態のときに改質器へ直接燃料を供給するこ
とで、蒸発器を経由して供給される燃料に上乗せする形
で、燃料増量を図ることができると共に、蒸発器を経由
して供給される燃料に比べレスポンスを向上でき、過渡
運転性(加速性能)を向上させることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態につい
てを説明する。図2は本発明の一実施形態を示す燃料改
質装置付き内燃機関のシステム図である。
【0021】機関1には、各気筒毎に、吸気系にガス燃
料(改質ガス)を噴射する電磁式のガス燃料噴射弁2
と、燃焼室内に直接液体燃料(未改質の燃料)を噴射す
る電磁式の液体燃料噴射弁3とが設けられている。
【0022】機関1の排気系4には、排気熱により燃料
をガス化する蒸発器5と、ガス化された燃料を排気熱と
改質触媒とにより水素、一酸化炭素等に改質する改質器
6とが、改質器6を排気系上流側に配置して、取付けら
れている。
【0023】ここにおいて、燃料(ガソリン又はメタノ
ール)は、図示しない燃料タンクから燃料ポンプ7によ
りレギュレータ8を介し、更に電磁式の流量調整弁9を
介して、蒸発器5に供給される。蒸発器5に供給された
燃料は、ここで排気熱を回収して、ガス化する。
【0024】蒸発器5からのガス化された燃料は、改質
器6に供給され、ここで排気熱と改質触媒とにより、水
素及び一酸化炭素を主成分とする改質ガスに変換され
る。改質器6からの改質ガスは、電磁式の流路切換弁1
0を介し、更にレギュレータ11を介して、ガス燃料噴
射弁2に供給され、このガス燃料噴射弁2によって機関
1に噴射供給される。
【0025】また、燃料ポンプ7により蒸発器5へ至る
燃料供給ラインL1の流量調整弁9上流より分岐して、
液体燃料噴射弁3へ至る燃料供給ラインL2が設けら
れ、燃料をそのまま、液体燃料噴射弁3によって機関1
に噴射供給可能としてある。
【0026】一方、改質器6の入口側に空気噴射弁と燃
料噴射弁とを兼ねる2流体噴射弁12が設けられ、改質
器6内に空気及び燃料をそれぞれ噴射供給可能としてあ
る。尚、2流体噴射弁12は、いわゆるアシストエア噴
射機構付きの燃料噴射弁を使用すればよい。
【0027】この2流体噴射弁12への空気の供給は、
機関1のクランク軸によりベルト駆動されるプーリ13
により電磁クラッチ14を介して駆動されるエアポンプ
15を用いて行い、エアポンプ15からの圧縮空気をレ
ギュレータ16を介して2流体噴射弁12に供給する。
【0028】また、2流体噴射弁12への燃料の供給
は、燃料ポンプ7より液体燃料噴射弁3に至る燃料供給
ラインL2の途中から分岐したラインL3により行う。
前記流量調整弁9は、開度制御されるものの、通常は開
弁状態であるが、所定の条件にて閉弁されて、蒸発器5
への燃料供給を停止する。
【0029】前記流路切換弁10は、通常は改質器6か
らの改質ガスをガス燃料噴射弁2へ導くが、所定の条件
にて切換えられると、ガス燃料噴射弁2側を閉止して、
改質器6からの改質ガスを通路17により排気系4へ供
給する。
【0030】ここにおいて、ガス燃料噴射弁2、液体燃
料噴射弁3、2流体噴射弁12、電磁クラッチ14、流
量調整弁9及び流路切換弁10は、マイクロコンピュー
タ内蔵のコントロールユニット20により制御される。
【0031】コントロールユニット20には、通常の燃
料噴射制御に用いられる図示しないクランク角センサ、
エアフローメータ、スロットル開度センサ、水温センサ
等の他、次のようなセンサ類からの信号が入力されてい
る。
【0032】すなわち、改質器6の入口側圧力Pinを
検出する入口側圧力センサ21、改質器6の出口側圧力
Poutを検出する出口側圧力センサ22が設けられ、
アンプ23により、これらの出力差(改質器前後の圧力
差)ΔP=Pin−Poutが検出されて、コントロー
ルユニット20に入力されている。
【0033】また、改質器6の入口側温度Tinを検出
する入口側温度センサ24、改質器6の出口側温度To
utを検出する出口側温度センサ25が設けられ、アン
プ26により、これらの出力差(改質器前後の温度差)
ΔT=Tin−Toutが検出されて、コントロールユ
ニット20に入力されている。
【0034】また、改質器6の出口側にて、改質ガス濃
度、具体的には水素濃度H2 を検出する水素濃度センサ
27が設けられ、その出力がコントロールユニット20
に入力されている。
【0035】また、排気系4にて、排気温度Texhを
検出する排気温度センサ28が設けられ、その出力もコ
ントロールユニット20に入力されている。次にコント
ロールユニット20による制御の詳細を図3及び図4の
フローチャートにより説明する。
【0036】図3は改質器の活性状態を判定するルーチ
ンのフローチャートである。本ルーチンが改質器活性状
態判定手段に相当する。ステップ1(図にはS1と記
す。以下同様)では、アンプ23からの信号に基づい
て、改質器前後の圧力差ΔPを検出する。尚、アンプ2
3を用いず、圧力センサ21,22からの信号(Pi
n,Pout)を直接読込んで、圧力差ΔP=Pin−
Poutを算出してもよい。
【0037】ステップ2では、機関運転状態のパラメー
タとする機関回転数Ne及び負荷(基本燃料噴射量)T
pに応じてしきい値mPを予め定めて記憶させてあるマ
ップを参照し、実際のNe,Tpから、しきい値mPを
設定する。
【0038】ステップ3では、改質器前後の圧力差ΔP
としきい値mPとを比較し、ΔP≧mPか否かを判定す
る。改質器6の触媒の表面にすすや不純物が付着する
と、圧力損失が増大し、出口側圧力Poutが大きく低
下することで、改質器前後の圧力差ΔPが大きくなる。
従って、改質器前後の圧力差ΔPがしきい値mP以上に
なったことで、すすや不純物の付着により改質器6が不
活性状態にあることを検出し得る。
【0039】ΔP<mPの場合は、一応、活性状態とみ
なして、次のチェックを行う。ステップ4では、アンプ
26からの信号に基づいて、改質器前後の温度差ΔTを
検出する。尚、アンプ26を用いず、温度センサ24,
25からの信号(Tin,Tout)を直接読込んで、
温度差ΔT=Tin−Toutを算出してもよい。
【0040】ステップ5では、機関回転数Ne及び負荷
Tpに応じてしきい値mTを予め定めて記憶させてある
マップを参照し、実際のNe,Tpから、しきい値mT
を設定する。
【0041】ステップ6では、改質器前後の温度差ΔT
としきい値mTとを比較し、ΔT≧mTか否かを判定す
る。改質器6の触媒の表面にすすや不純物が付着したり
して、改質器6の活性が低下すると、改質器6での反応
が十分に起きなくなり、出口側温度Toutが低下する
ことで、改質器前後の温度差ΔTが大きくなる。従っ
て、改質器前後の温度差ΔTがしきい値mT以上になっ
たことで、改質器6が不活性状態にあることを検出し得
る。
【0042】ΔT<mTの場合は、一応、活性状態とみ
なして、次のチェックを行う。ステップ7では、水素濃
度センサ27により、改質器出口側の水素濃度H2 を検
出する。
【0043】ステップ8では、機関回転数Ne及び負荷
Tpに応じてしきい値mH2 を予め定めて記憶させてあ
るマップを参照し、実際のNe,Tpから、しきい値m
H2を設定する。
【0044】ステップ9では、改質器出口側の水素濃度
H2 としきい値mH2 とを比較し、H2 ≦mH2 か否か
を判定する。改質器6の触媒の表面にすすや不純物が付
着したりして、改質器6の活性が低下すると、改質器6
での反応が十分に起きなくなり、出口側の水素濃度H2
が低下する。従って、出口側の水素濃度H2 がしきい値
mH2 以下になったことで、改質器6が不活性状態にあ
ることを検出し得る。
【0045】H2 >mH2 の場合は、いずれのチェック
においてもOKであるので、活性状態とみなす。すなわ
ち、ステップ10へ進んで、活性状態判定フラグFcを
活性状態を示すFc=0として、本ルーチンを終了す
る。
【0046】一方、ステップ3での判定でΔP≧mP、
又はステップ6での判定でΔT≧mT、又はステップ9
での判定でH2 ≦mH2 の場合は、不活性状態とみな
す。すなわち、ステップ11へ進んで、活性状態判定フ
ラグFcを不活性状態を示すFc=1として、本ルーチ
ンを終了する。
【0047】図5は実際のΔP、ΔT、H2 の変化に対
して、活性状態フラグFが設定される様子を示してい
る。尚、本実施形態では、ΔP≧mP、又はΔT≧m
T、又はH2 ≦mH2 の場合に不活性状態と判定した
が、ΔP≧mP、かつΔT≧mT、かつH2 ≦mH2 の
場合に不活性状態と判定してもよいし、いずれか2つの
アンド条件で不活性状態と判定するようにしてもよい。
【0048】また、本判定は、精度向上のため、暖機完
了後(水温が例えば80℃以上)の定常運転状態におい
て実施するのが望ましい。図4は活性状態の判定結果
(活性状態判定フラグFc)に応じた制御を行うルーチ
ンのフローチャートである。
【0049】ステップ21では、活性状態判定フラグF
cの値を判定する。Fc=0(活性状態)の場合は、ス
テップ22へ進む。ステップ22では、電磁クラッチ1
4をOFFにして、エアポンプ15を停止状態とする。
【0050】ステップ23では、流量調整弁9を開弁さ
せ、かつ機関運転状態のパラメータとする機関回転数N
e及び負荷(基本燃料噴射量)Tpに応じて開度制御し
て、蒸発器5へ燃料を供給する。
【0051】ステップ24では、流路切換弁10によ
り、改質ガスをガス燃料噴射弁2に供給し、ガス燃料噴
射弁2により改質ガスを機関1に供給することで、機関
1を改質ガスにより運転する。
【0052】ステップ25では、過渡運転状態(例えば
スロットル開度の変化率ΔTvoが所定値以上)か否か
を判定する。尚、スロットル開度の変化率ΔTvoは、
時刻t1(直前)でのスロットル開度をTvo1、時刻
t2(現時点)でのスロットル開度をTvo2とする
と、ΔTvo=(Tvo2−Tvo1)/(t2−t
1)より求める。
【0053】そして、過渡運転状態の場合のみ、ステッ
プ26で、2流体噴射弁12を燃料噴射弁として用い、
これにより燃料を改質器6へ噴射供給して、本ルーチン
を終了する。
【0054】以上のように、改質器6が活性状態にある
場合は、燃料を蒸発器5に供給してガス化した後、改質
器6に供給して、水素及び一酸化炭素を主成分とする改
質ガスに変換し、この改質ガスをガス燃料噴射弁2によ
り機関1に供給して、改質ガスによる運転を行う。
【0055】但し、急加速時等の過渡運転状態の場合
は、蒸発器5への燃料供給とは別に、2流体噴射弁12
を用いて、改質器6へ直接燃料を噴射供給することで、
蒸発器5を経由して供給される燃料に上乗せする形で、
燃料増量を図ることができると共に、蒸発器5を経由し
て供給される燃料に比べレスポンスを向上でき、過渡運
転性(加速性能)を向上させることができる。尚、燃料
増量を行う過渡運転状態について、排気温度Texhが
所定値以上であることを条件とするようにしてもよい。
【0056】ここで、ステップ25の部分が過渡運転状
態検出手段に相当し、ステップ26の部分が過渡運転状
態での改質器への燃料供給手段に相当する。Fc=1
(不活性状態)の場合は、ステップ27へ進む。
【0057】ステップ27では、液体燃料噴射弁3によ
り、機関1へ直接燃料を供給する。すなわち、液体燃料
をそのまま用いて機関1を運転する。ステップ28で
は、電磁クラッチ14をONにして、エアポンプ15を
作動させる。これにより、2流体噴射弁12による空気
噴射が可能となる。このように触媒活性回復のための空
気供給時のみ電磁クラッチ14を締結してエアポンプ1
5を駆動することで、エアポンプ15を駆動するための
機関負荷を最小限に抑えることができる。
【0058】ステップ29では、排気温度センサ28か
らの信号で、排気温度Texhを検出する。ステップ3
0では、機関運転状態のパラメータとする機関回転数N
e及び負荷(基本燃料噴射量)Tpに応じてしきい値m
Texhを予め定めて記憶させてあるマップを参照し、
実際のNe,Tpから、しきい値mTexhを設定す
る。
【0059】ステップ31では、排気温度Texhとし
きい値mTexhとを比較し、Texh≦mTexh
(低排気温度)か否かを判定する。Texh>mTex
h(高排気温度)の場合は、ステップ32へ進み、流量
調整弁9を開弁させて、蒸発器5へ燃料を供給した上
で、ステップ33で、2流体噴射弁12を空気噴射弁と
して用い、改質器6へ空気のみを噴射供給する。ここ
で、噴射する空気量は機関運転状態(Ne,Tp)によ
って決定する。
【0060】Texh≦mTexh(低排気温度)の場
合は、ステップ34へ進み、2流体噴射弁12により、
改質器6へ空気及び燃料を噴射供給する。ここで、噴射
する空気量は機関運転状態(Ne,Tp)によって決定
し、燃料量は空気量に対し機関運転状態(Ne,Tp)
に応じた任意の比率で決定する。このときは、ステップ
35で、流量調整弁9を閉弁させて、蒸発器5への燃料
供給を停止する。
【0061】これらの後、ステップ36では、流路切換
弁10の切換えにより、改質器6からの改質ガスをガス
燃料噴射弁2側(機関1側)へ供給することなく、通路
17により排気系4へ供給する。
【0062】以上のように、改質器6が不活性状態にあ
る場合は、活性回復のため、2流体噴射弁12により改
質器6に空気を噴射供給することで、改質器6での酸化
反応(改質器6内に付着している燃料の燃焼)の促進に
より、改質器6内の温度を上昇させ、これによりすすを
燃やすことで、触媒の活性を回復する。
【0063】また、排気温度が高い状態では、2流体噴
射弁12により改質器6に空気のみを噴射供給するが、
排気温度が低い状態では、2流体噴射弁12により空気
と共に燃料を噴射供給することで、触媒温度が低く反応
しにくい低排温時にも燃焼を促進でき、また蒸発器5を
経由して燃料を供給する場合に比して応答良く燃焼を促
進でき、触媒の活性をより確実に回復できる。
【0064】また、活性回復のための改質器6への燃料
供給時は、流量調整弁9を閉弁させて、蒸発器5への燃
料供給を停止することで、燃料供給が過剰となるのを防
止できる。
【0065】また、改質器6の活性回復中は、液体燃料
噴射弁3により機関1に直接燃料を供給することで、改
質ガスの生成が不十分な状態で機関1の安定度を損なう
ことなく運転を可能とする一方、流路切換弁10によ
り、改質ガスの機関1への供給を停止させて、改質ガス
を排気系4へ供給することで、排気中で燃焼させ、改質
ガスを排気温度の上昇に用いることができる。
【0066】ここで、ステップ28,33,34の部分
が活性回復のための改質器への空気供給手段に相当し、
ステップ31,34の部分が活性回復のための改質器へ
の燃料供給手段に相当する。また、ステップ35の部分
が蒸発器への燃料停止手段に相当する。また、ステップ
27,36の部分が燃料切換手段に相当する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の構成を示す機能ブロック図
【図2】 本発明の一実施形態を示す内燃機関のシステ
ム図
【図3】 改質器活性状態判定のフローチャート
【図4】 判定結果に応じた制御のフローチャート
【図5】 活性状態判定フラグFcの変化の様子を示す
【符号の説明】
1 機関 2 ガス燃料噴射弁 3 液体燃料噴射弁 4 排気系 5 蒸発器 6 改質器 7 燃料ポンプ 9 流量調整弁 10 流路切換弁 12 2流体噴射弁 14 電磁クラッチ 15 エアポンプ 20 コントロールユニット 21 入口側圧力センサ 22 出口側圧力センサ 24 入口側温度センサ 25 出口側温度センサ 27 水素濃度センサ 28 排気温度センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02M 21/02 301 F02M 21/02 301R 23/04 23/04 Z 31/18 31/18 63/00 63/00 P

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】排気熱により燃料をガス化する蒸発器と、
    ガス化された燃料を排気熱と改質触媒とにより改質する
    改質器とを備えて、改質ガスを機関に供給する燃料改質
    装置付き内燃機関において、 改質器の活性状態を判定する改質器活性状態判定手段
    と、 活性状態が低下したと判定されたときに、改質器に空気
    を供給する空気供給手段と、 を設けたことを特徴とする燃料改質装置付き内燃機関。
  2. 【請求項2】前記改質器活性状態判定手段は、改質器前
    後の圧力差、改質器前後の温度差又は改質器出口側の改
    質ガス濃度のうち少なくとも1つに基づいて、活性状態
    を判定することを特徴とする請求項1記載の燃料改質装
    置付き内燃機関。
  3. 【請求項3】前記空気供給手段による改質器への空気供
    給時に、所定の条件下で、改質器に直接燃料を供給する
    燃料供給手段を設けたことを特徴とする請求項1又は請
    求項2記載の燃料改質装置付き内燃機関。
  4. 【請求項4】前記燃料供給手段は、前記空気供給手段に
    よる改質器への空気供給時に、排気温度が低い状態であ
    ることを条件として、改質器に直接燃料を供給すること
    を特徴とする請求項3記載の燃料改質装置付き内燃機
    関。
  5. 【請求項5】改質器に対し、空気及び燃料を噴射供給可
    能な2流体噴射弁を設けて、前記空気供給手段及び前記
    燃料供給手段を構成することを特徴とする請求項3又は
    請求項4記載の燃料改質装置付き内燃機関。
  6. 【請求項6】前記燃料供給手段による改質器への燃料供
    給時に、蒸発器への燃料供給を停止する手段を設けたこ
    とを特徴とする請求項3〜請求項5のいずれか1つに記
    載の燃料改質装置付き内燃機関。
  7. 【請求項7】前記空気供給手段による改質器への空気供
    給時に、機関に直接燃料を供給する一方、改質ガスの機
    関への供給を停止させて、改質ガスを排気系へ供給する
    燃料切換手段を設けたことを特徴とする請求項1〜請求
    項6のいずれか1つに記載の燃料改質装置付き内燃機
    関。
  8. 【請求項8】過渡運転状態を検出する過渡運転状態検出
    手段と、過渡運転状態のときに改質器へ直接燃料を供給
    する燃料供給手段とを設けたことを特徴とする請求項1
    〜請求項7のいずれか1つに記載の燃料改質装置付き内
    燃機関。
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