JP2009121296A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】この発明は、燃料中に硫黄分が含まれている場合でも、改質制御を可能な限り実施しつつ、燃料改質触媒を硫黄分から保護することを目的とする。
【解決手段】内燃機関10には、排気ガスの熱を利用して改質燃料から可燃ガスを生成する燃料改質触媒28を設ける。改質制御では、燃料改質触媒28の作用によって生成された可燃ガスを吸気系に還流させる。ECU50は、改質制御を行う下限温度Toを、燃料中の硫黄濃度に応じて可変に設定する。また、ECU50は、改質燃料の噴射量を、硫黄濃度が高くなるにつれて減少させる。これにより、燃料改質触媒28を、硫黄分によるコーキングの発生や劣化から保護することができる。
【選択図】図4

Description

この発明は、ガソリンとアルコールとの混合燃料が好適に用いられる内燃機関に関し、特に、燃料から生成した可燃ガスを混合気に添加する構成とした内燃機関に関する。
従来、例えば特許文献1(特開2006−291901号公報)に開示されているように、排気ガスの熱を利用して燃料を可燃ガスに改質する構成とした内燃機関が知られている。この種の従来技術による内燃機関の制御装置は、水蒸気改質反応等によって燃料から可燃ガスを生成する制御(改質制御)を行うための燃料改質触媒を備えている。
改質制御の実行時には、燃料タンク内に貯留されたガソリンとアルコールとの混合燃料が燃料改質触媒に供給される。これにより、燃料改質触媒は、供給された燃料から可燃ガスを生成し、この可燃ガスは内燃機関の吸気系に還流される。
特開2006−291901号公報
ところで、上述した従来技術では、ガソリンとアルコールとの混合燃料を燃料改質触媒に供給する構成としている。しかしながら、一般的なガソリンには、ある程度の硫黄分が含まれているため、燃料改質触媒には、燃料と共に硫黄分も供給されることになる。
この硫黄分は、改質反応時に炭素と強く結合することにより、炭素を含む付着物の堆積(コーキング)を誘発する。このため、従来技術では、燃料中の硫黄分によって燃料改質触媒にコーキングが生じ易くなり、これによって触媒の性能や耐久性が低下するという問題がある。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、燃料中に硫黄分が含まれている場合でも、改質制御を可能な限り実施しつつ、燃料改質触媒を硫黄分から保護することが可能な内燃機関の制御装置を提供することを目的としている。
第1の発明は、加熱手段を備え、前記加熱手段の熱によって改質燃料から可燃ガスを生成する燃料改質触媒と、
少なくともガソリンを含む燃料を前記改質燃料として前記燃料改質触媒に供給する改質燃料供給手段と、
前記改質燃料中の硫黄濃度を取得する硫黄濃度取得手段と、
前記改質燃料中の硫黄濃度が高くなるにつれて、前記改質燃料供給手段による改質燃料の供給量を減少させる改質燃料減少手段と、
を備えることを特徴とする。
第2の発明は、加熱手段を備え、前記加熱手段の熱によって改質燃料から可燃ガスを生成する燃料改質触媒と、
少なくともガソリンを含む燃料を前記改質燃料として前記燃料改質触媒に供給する改質燃料供給手段と、
前記燃料改質触媒の温度を取得する温度取得手段と、
前記改質燃料中の硫黄濃度を取得する硫黄濃度取得手段と、
前記改質燃料中の硫黄濃度に応じて、前記燃料改質触媒が作動するのに必要な下限温度を可変に設定する下限温度設定手段と、
前記燃料改質触媒の温度が前記下限温度よりも低いときに、前記改質燃料供給手段による改質燃料の供給を停止する改質燃料停止手段と、
を備えることを特徴とする。
第3の発明によると、前記下限温度設定手段は、前記改質燃料中の硫黄濃度が高くなるにつれて、前記下限温度を高い温度に設定する構成としている。
第4の発明は、前記改質燃料中の硫黄濃度が上限判定値よりも高いときに、前記改質燃料供給手段による改質燃料の供給を禁止する改質禁止手段を備える構成としている。
第5の発明は、前記改質燃料から生成される可燃ガスの生成量を検出する改質量検出手段と、
前記改質量検出手段の検出結果を用いて前記可燃ガスの生成量が一定時間の間に減少した量であるガス減少割合を算出する減少割合算出手段とを備え、
前記硫黄濃度取得手段は、少なくとも前記ガス減少割合を用いて前記硫黄濃度を算出する構成としている。
第6の発明によると、前記硫黄濃度取得手段は、前記ガス減少割合が大きくなるにつれて、前記硫黄濃度を高い値として算出する構成としている。
第7の発明によると、前記硫黄濃度取得手段は、前記ガス減少割合と他のパラメータとを用いて前記硫黄濃度を算出する構成とし、前記他のパラメータは、前記改質燃料中のガソリンとアルコールとの混合比率、前記燃料改質触媒の温度、前記燃料改質触媒に供給される改質燃料の供給量、及び前記燃料改質触媒に供給される排気ガスの流量のうち、少なくとも1つのパラメータである構成としている。
第8の発明によると、前記硫黄濃度取得手段は、前記改質燃料中のアルコール濃度及び/又は前記燃料改質触媒の温度が高くなるにつれて、前記硫黄濃度の算出値が高くなるように補正する補正手段を備える構成としている。
第9の発明は、前記改質量検出手段によって可燃ガスの生成量を検出するときに、前記燃料改質触媒に供給される改質燃料の供給量と、前記燃料改質触媒に供給される排気ガスの流量とからなる少なくとも2つのパラメータを一定の基準状態に保持する基準状態保持手段を備える構成としている。
第10の発明によると、前記加熱手段は、排気ガスの熱によって前記燃料改質触媒を加熱する熱交換器である構成としている。
第1の発明によれば、燃料改質触媒は、硫黄濃度が高い燃料を多量に供給されるほど、コーキング等による劣化が生じ易くなる。これに対し、改質燃料減少手段は、燃料中の硫黄濃度が高くなるにつれて、改質燃料の噴射量を減少させることができる。これにより、高い硫黄濃度の燃料が燃料改質触媒に多量に供給されるのを回避することができる。従って、改質制御を可能な限り実施しつつ、燃料中の硫黄分が燃料改質触媒に与える影響を軽減することができ、硫黄分によるコーキングの発生や触媒の劣化を抑えることができる。
第2の発明によれば、燃料中の硫黄分によって燃料改質触媒にコーキング等が生じると、特に低温域での改質反応が円滑に進行しなくなる。これに対し、下限温度設定手段は、燃料中の硫黄濃度に応じて、改質制御の下限温度を可変に設定することができる。従って、改質制御を行う温度領域を硫黄濃度に応じて適切に設定することができ、この温度領域では改質制御を効率よく行うことができる。これにより、燃費性能やエミッションを改善することができる。
第3の発明によれば、下限温度設定手段は、燃料中の硫黄濃度が高くなるにつれて、改質制御の下限温度を高い温度に設定することができる。これにより、燃料中の硫黄濃度が高い場合には、改質反応が生じ難くなる低温での改質制御を制限することができ、常に適切な温度状態のもとで改質制御を効率よく行うことができる。
第4の発明によれば、改質禁止手段は、燃料中の硫黄濃度が上限判定値よりも高いときに、改質制御を禁止することができる。従って、改質燃料中の硫黄濃度が極端に高い場合には、燃料の噴射を強制的に停止させることができ、燃料改質触媒等を高濃度の硫黄分から確実に保護することができる。
第5の発明によれば、燃料中に硫黄分が含まれている場合には、改質反応の継続時間に応じて燃料改質触媒の性能が低下し、これに伴って可燃ガス(改質ガス)の生成量が徐々に減少する。このとき、減少割合算出手段は、改質量検出手段によって検出した改質ガスの生成量の時間的な変化を求めることにより、ガス減少割合を算出することができる。
このガス減少割合と燃料中の硫黄濃度との間には相関があるので、硫黄濃度取得手段は、ガス減少割合に応じて硫黄濃度を容易に算出することができる。従って、例えば硫黄濃度を直接検出する硫黄濃度センサ等を用いなくても、簡単な構成で硫黄濃度の検出が可能となり、硫黄濃度の検出による装置の複雑化やコストアップを避けることができる。
第6の発明によれば、ガス減少割合は、燃料中の硫黄濃度が高くなるにつれて大きくなるので、これらの関係を予めデータとして保持しておくことができる。そして、硫黄濃度取得手段は、このデータを参照することにより、ガス減少割合が大きくなるほど硫黄濃度を高い値として正確に算出することができる。
第7の発明によれば、硫黄濃度取得手段は、ガス減少割合だけでなく、他のパラメータも用いて硫黄濃度を算出することができる。これにより、燃料の混合比率、触媒の温度、改質燃料の供給量、及び触媒に供給される排気ガスの流量のうち、必要なパラメータの変化を硫黄濃度の算出値に反映させることができる。従って、これらの変化による算出値の誤差を確実に補正することができ、任意の制御状態において、硫黄濃度をより正確に求めることができる。
第8の発明によれば、燃料中のアルコール濃度が高い場合には、その分だけ改質反応が促進され、硫黄分の影響が打ち消されるので、見かけ上の硫黄濃度が実際よりも低くなる。また、燃料改質触媒の温度が高い場合にも、改質反応が促進されるので、見かけ上の硫黄濃度が低くなる。これらの場合において、補正手段は、硫黄濃度の算出値が高くなるように補正することができる。これにより、アルコール濃度や触媒温度の変化を硫黄濃度の算出値に反映させることができる。
第9の発明によれば、基準状態保持手段は、可燃ガスの生成量を検出するときに、燃料改質触媒に対する改質燃料の供給量と、排気ガスの流量とを一定の基準状態に保持することができる。これにより、改質量検出手段は、一定の条件下で水素ガスの生成量を安定的に検出することができ、前提条件のばらつき等による検出誤差を防止することができる。
第10の発明によれば、熱交換器は、排気ガスの熱を利用して燃料改質触媒を加熱することができる。これにより、排気熱回収型のシステムを構成することができ、触媒専用の加熱機器や加熱エネルギが不要となるので、高い運転効率を実現することができる。
実施の形態1.
[実施の形態1の構成]
以下、図1乃至図8を参照しつつ、本発明の実施の形態1について説明する。まず、図1は、実施の形態1のシステム構成を説明するための全体構成図を示している。本実施形態のシステムは、例えば多気筒型の内燃機関10を備えている。この内燃機関10は、アルコールとガソリンとを混合した燃料によって運転されるものであり、本実施の形態では、その一例として、エタノールとガソリンとの混合燃料を用いるものとする。
内燃機関10の吸気管12は、吸気マニホールド14を介して各気筒の吸気ポートに接続されている。吸気管12の途中には、吸入空気量を調整する電動式のスロットル弁16が設置されている。各気筒の吸気ポートには、燃料を噴射するための電磁弁等からなる燃料噴射装置18がそれぞれ設けられている。
内燃機関10の排気管20は、排気マニホールド22を介して各気筒の排気ポートに接続されている。また、排気管20の途中には、加熱手段としての熱交換器24が設けられている。そして、熱交換器24内には、複数の改質室26が互いに間隔をもって形成されており、これらの改質室26内には、例えばRh、Pt、Co、Ni等の金属材料を含有する燃料改質触媒28が担持されている。
各改質室26の間には、改質室26と遮断された排気通路30が設けられている。これらの排気通路30は、排気管20の途中に接続されている。このように構成された熱交換器24によれば、排気通路30を通過する排気ガスの熱により、改質室26(燃料改質触媒28)を加熱することができる。この加熱により、燃料改質触媒28は、後述の改質反応を生じさせることができる。
排気管20には、熱交換器24の上流側で分岐する分岐管32が設けられている。分岐管32の下流側は、熱交換器24の改質室26に接続されている。分岐管32の途中には、改質燃料供給手段としての改質燃料噴射弁34が設けられている。この改質燃料噴射弁34は、電磁弁等からなり、分岐管32内を流れる排気ガス中に燃料(以下、改質燃料と称す)を噴射、供給するものである。
この構成により、排気管20を流れる排気ガスの一部は、分岐管32によって改質室26に導入され、改質燃料噴射弁34によって改質燃料の供給を受ける。これらの排気ガスと改質燃料との混合ガスは、改質室26に流入し、燃料改質触媒28の作用によって後述の改質反応を起こす。
この改質反応により生成された改質ガスは、改質ガス通路36を通って吸気管12内に還流され、吸入空気と混合する。改質ガス通路36には、改質ガスを冷却するための冷却器38と、吸気管12に対する改質ガスの還流量を調整する電磁式の流量調整弁40とが設けられている。
また、排気管20を流れる排気ガスのうち、分岐管32に流入しなかった残りの排気ガスは、熱交換器24の排気通路30を通過し、改質室26に熱を供給する。そして、この排気ガスは、排気管20に設けられた三元触媒等からなる排気浄化触媒42によって浄化され、外部に排出される。
一方、内燃機関10において、エタノールとガソリンとの混合燃料は、燃料タンク44に貯留されている。燃料タンク44には、タンク内の燃料を加圧した状態で外部に送出するための燃料ポンプ(図示せず)が付設されている。この燃料ポンプの吐出側には、ポンプから吐出された燃料を燃料噴射装置18及び改質燃料噴射弁34にそれぞれ供給する燃料配管46が接続されている。
さらに、本実施形態のシステムは、ECU(Electronic Control Unit)50を備えている。ECU50は、ROM、RAM等の記憶回路を備えたマイクロコンピュータによって構成されている。ECU50の入力側には、排気ガスセンサ52、燃料性状センサ54、触媒温度センサ56、改質量センサ58等を含むセンサ系統が接続されている。
排気ガスセンサ52は、排気管20に設けられており、排気ガス中の酸素濃度に応じた検出信号をECU50に出力する。また、燃料性状センサ54は、例えば燃料配管46に設けられており、本実施の形態の混合比率検出手段を構成している。即ち、燃料性状センサ54は、燃料中のガソリンとアルコールとの混合比率(以下、燃料中のエタノール濃度と称す)を検出する。触媒温度センサ56は、熱交換器24の改質室26に設けられており、改質室26(燃料改質触媒28)の温度を検出するものである。
改質量センサ58は、本実施の形態の改質量検出手段を構成しており、改質ガス通路36に設けられている。また、改質量センサ58は、例えば水素濃度センサ等によって構成され、燃料改質触媒28によって生成された可燃ガス(改質ガス)中の水素濃度を検出する。そして、ECU50は、改質量センサ58によって検出した改質ガスの濃度と、流量調整弁40によって設定した改質ガスの流量とを用いて、改質ガスの生成量を検出することができる。
また、ECU50の入力側に接続されたセンサ系統には、例えば機関回転数を検出する回転センサ、吸入空気量を検出するエアフローメータ、冷却水温度を検出する水温センサ、アクセル開度を検出するアクセル開度センサ等のように、内燃機関10の運転制御に用いられる一般的なセンサが含まれている。
一方、ECU50の出力側には、前述したスロットル弁16、燃料噴射装置18、改質燃料噴射弁34、流量調整弁40、燃料ポンプ等を含む各種のアクチュエータが接続されている。そして、ECU50は、内燃機関10の運転状態をセンサ系統によって検出しつつ、各アクチュエータを駆動することによって運転制御を行う。
この運転制御では、吸入空気量等に応じて燃料の噴射量を算出し、当該噴射量分の燃料を燃料噴射装置18から噴射させる。また、排気ガスセンサ52の検出信号を用いて空燃比フィードバック制御を行うことにより、排気浄化触媒42に流入する排気ガスの空燃比がほぼ理論空燃比となるように制御する。
(改質制御)
また、ECU50は、以下に述べるように、排気ガスと改質燃料との改質反応によって生成された改質ガスを吸気管12内に還流させる改質制御を行う。改質制御では、分岐管32内を流れる排気ガスに対して、改質燃料噴射弁34から改質燃料を噴射し、これらの混合ガスを改質室26に流入させる。このとき、ECU50は、例えば内燃機関10の運転状態、燃料中のエタノール濃度、燃料改質触媒28の温度等に応じて、改質燃料の適切な噴射量(供給量)を決定する。
これにより、改質室26内では、燃料改質触媒28の作用により、混合ガス中のエタノールと、排気ガス中の水蒸気および二酸化炭素とが改質反応(水蒸気改質反応)を起こす。この水蒸気改質反応により、下記の(1)式に示すように、水素(H)と一酸化炭素(CO)とが生成される。
C2H5OH+0.4CO2+0.6H2O+2.3N2+Q1→3.6H2+2.4CO+2.3N2 ・・・(1)
また、混合ガス中のガソリンも、下記の(2)式に示すように、排気ガス中の水蒸気および二酸化炭素と改質反応を起こす。
1.56(7.6CO2+6.8H2O+40.8N2)+3C7.6H13.6+Q2
→31H2+34.7CO+63.6N2 ・・・(2)
上記(1)式中の熱量Q1、及び(2)式中の熱量Q2は、改質反応によって吸収される反応熱である。即ち、これらの改質反応は吸熱反応であるから、上記(1),(2)式中の右辺で表される改質ガスの有する熱量は、当該各式の左辺に記載された反応前の物質が有する熱量よりも大きくなる。
このため、熱交換器24によれば、排気通路30を通過する排気ガスの熱を燃料改質触媒28に伝達し、上記改質反応に吸収させることができる。つまり、本実施の形態のシステムでは、排気ガスの熱を回収、利用して、改質燃料をより熱量の大きい物質(H及びCO)に転換することができる。
なお、ガソリンの改質反応で必要な熱量Q2は極めて大きいので、この改質反応が生じるためには、例えば燃料改質触媒28が600℃以上の高温となる必要がある。このため、内燃機関10の運転中には、エタノールの改質反応が広い運転領域で安定的に生じるのに対し、ガソリンの改質反応は、例えば排気温度が上昇する高回転・高負荷運転領域等に限って、効率よく生じるようになる。
上記の改質反応により得られた改質ガスは、改質ガス通路36を通って吸気管12内に流入し、吸入空気と混合される。このとき、ECU50は、吸気管12に流入する改質ガスの流量を流量調整弁40によって制御する。そして、改質ガスは、吸入空気と共に内燃機関10の気筒内に流入し、改質ガス中のHとCOは、燃料噴射装置18から噴射された燃料と共に気筒内で燃焼する。
この場合、改質ガスは、前述したように、熱交換器24によって排気ガスの熱を回収した分だけ、元の燃料よりも熱量が増えている。このため、改質ガスを内燃機関10で燃焼させることにより、システム全体としての熱効率が向上するので、内燃機関10の燃費性能を改善することができる。しかも、熱交換器24によれば、触媒専用の加熱機器や加熱エネルギを用いなくても、排気ガスの熱を利用して燃料改質触媒28を加熱することができる。これにより、運転効率の高い排気熱回収型のシステムを構成することができる。
また、改質ガスを吸気系に還流させることは、EGR(Exhaust Gas Recirculation)として効果も有している。一般に、EGR率を高くしていくと、燃焼が不安定になるので、EGR率には限界がある。これに対し、本実施の形態のシステムでは、EGRガスとなる改質ガス中に高い燃焼性を有するHが含まれているので、EGR率の限界を高めることができる。これにより、多量の改質ガスを吸気系に還流させることが可能となるので、燃費性能やエミッションを改善することができる。
[実施の形態1の特徴部分]
上述した改質制御において、改質燃料中に硫黄分が含まれている場合には、燃料改質触媒28にコーキング等が生じ易くなり、触媒性能が低下する虞れがある。このような状態を回避するために、本実施の形態では、改質燃料中の硫黄濃度を算出し、その算出値に応じて以下の各制御を行う構成としている。
(硫黄濃度の算出)
燃料中に硫黄分が含まれている場合には、改質反応の継続時間に応じて燃料改質触媒28の性能が低下する。この結果、改質ガスの生成量は、改質制御が開始された時点から徐々に減少していく。この場合、燃料中の硫黄濃度と、改質ガスの減少状態との間には相関があるので、改質ガスの減少状態に応じて硫黄濃度を算出することができる。
硫黄濃度の算出時には、まず改質ガスの減少状態の指標となるガス減少割合ΔHを算出する。ガス減少割合ΔHとは、改質ガスの生成量が一定時間の間に減少した量(割合)である。より具体的に述べると、ガス減少割合ΔHは、ある時点での改質ガスの生成量と、それから一定の基準時間Δtが経過した後のガス生成量との差分として定義される。なお、以下の説明では、改質ガスの生成量を代表する数値の一例として、水素ガスの生成量を用いるものとする。
図2は、燃料中に含まれる硫黄分の影響により、水素ガスの生成量が徐々に減少する様子を示している。この図2中には、硫黄濃度が高い場合と低い場合のそれぞれについて、ガス減少割合の具体値ΔH′,ΔH″を例示している。この図から判るように、燃料中の硫黄濃度が高い場合のガス減少割合(具体値ΔH″)は、硫黄濃度が低い場合のガス減少割合(具体値ΔH′)よりも大きくなっている。
従って、ガス減少割合ΔHは、燃料中の硫黄濃度が高くなるにつれて大きくなることが判る。このため、両者の具体的な関係を実験等によって求めれば、図3中に実線で示すように、ガス減少割合ΔHと硫黄濃度との関係を示す基準データを得ることができる。
この基準データの関係は、硫黄濃度の算出に影響を与える他のパラメータが一定の基準状態であるときに成立する。他のパラメータとは、一例を挙げれば、燃料中のエタノール濃度、燃料改質触媒28の温度(触媒温度)、燃料改質触媒28に供給される改質燃料の供給量、改質ガス通路36を流れる排気ガスの流量(EGR流量)などである。
ECU50の記憶回路には、この基準データが予め記憶されている。このため、ECU50は、改質制御を開始したときに、改質量センサ58の検出結果を用いて水素ガスのガス減少割合ΔHを算出し、その算出値に応じて図3の基準データを参照することにより、基準状態での硫黄濃度を求めることができる。
また、硫黄濃度の算出時には、前述した各パラメータのうち、例えば改質燃料の供給量と排気ガスの流量とが前述の基準状態に保持される。これらの基準状態は、改質燃料噴射弁34の開弁時間(燃料の噴射時間)と、流量調整弁40の開度とを所定の大きさに保持することによって実現される。残りのパラメータであるエタノール濃度と触媒温度については、これらの値に応じて硫黄濃度の算出値を補正する構成としている。
エタノールは、ガソリンと比べて改質反応に対する反応性が高いため、エタノール濃度が高い場合には、その分だけ改質反応が促進される。この結果、水素ガスの生成量を減少させる硫黄分の影響は、エタノールの存在によって打ち消されるので、エタノール濃度を考慮しないと、見かけ上の硫黄濃度が実際よりも低い値として算出される。一方、エタノール濃度が低い場合には、見かけ上の硫黄濃度が実際よりも高くなる。
そこで、本実施の形態では、燃料中のエタノール濃度が高くなるにつれて、硫黄濃度の算出値が高くなるように補正する。この補正の一例を挙げれば、例えばエタノール濃度が前述の基準状態よりも高い場合に、図3中に実線で示す基準データは、仮想線で示す高エタノール濃度時のデータに補正される。
また、燃料改質触媒28の温度が高い場合にも、改質反応が促進されるので、見かけ上の硫黄濃度が低くなる。一方、触媒28の温度が低い場合には、見かけ上の硫黄濃度が高くなる。このため、本実施の形態では、燃料改質触媒28の温度が高くなるにつれて、硫黄濃度の算出値が高くなるように補正する。この補正の内容は、図3に示すように、エタノール濃度に応じた補正とほぼ同様のものである。
このように、本実施の形態では、改質燃料の噴射量とEGR流量とを基準状態に保持しつつ、例えば3つのパラメータ(ガス減少割合ΔH、エタノール濃度、及び触媒温度)を用いて、最終的な硫黄濃度を算出している。このため、例えば硫黄濃度を直接検出する硫黄濃度センサ等を用いなくても、改質燃料中の硫黄濃度を各パラメータの状態に応じて正確かつ容易に算出することができる。従って、簡単な構成で硫黄濃度の算出が可能となり、硫黄濃度の検出による装置の複雑化やコストアップを避けることができる。
また、硫黄濃度の算出時には、改質燃料の噴射量とEGR流量とを基準状態に保持することにより、一定の条件下で水素ガスの生成量を安定的に検出することができる。このため、前提条件のばらつき等による検出誤差を防止することができる。また、エタノール濃度や触媒温度の変化を硫黄濃度の算出値に反映させることができる。従って、これらの変化による算出値の誤差を確実に補正することができ、任意の制御状態において、硫黄濃度をより正確に求めることができる。
(改質下限温度の可変制御)
燃料中の硫黄分によって燃料改質触媒28にコーキング等が生じると、特に低温域での改質反応が円滑に進行しなくなる。この状態で、改質燃料噴射弁34から改質燃料を噴射すると、改質燃料が未反応のまま触媒28に残留してエミッションが悪化したり、この燃料が後で不要な燃焼を起こして触媒28が異常な高温となる虞れがある。
このため、本実施の形態では、燃料中の硫黄濃度が高くなるにつれて、改質制御の下限温度Toを高い温度に設定する構成としている。下限温度Toとは、燃料改質触媒28が改質反応を安定的に起こすために必要な最低の温度に対応するものである。図4は、硫黄濃度と下限温度Toとの関係を特性線で示しており、この特性線データはECU50に予め記憶されている。
そして、ECU50は、燃料改質触媒28の温度(後述の推定温度T)が下限温度Toよりも低いときに、改質燃料の噴射を停止させる。これにより、本実施の形態では、燃料改質触媒28が適温であるときにだけ、改質制御を行うことができる。そして、適温以外の温度領域(例えば硫黄分の影響で改質反応が不安定となるような温度領域)では、改質制御を停止させることができる。
従って、本実施の形態によれば、燃料中の硫黄濃度が高くなるにつれて、改質制御の下限温度Toを高い温度に設定することができ、低温での改質制御を制限することができる。このため、改質制御を行う温度領域を硫黄濃度に応じて適切に設定することができ、この温度領域では改質制御を効率よく行うことができる。これにより、燃費性能やエミッションを改善することができる。
(改質禁止制御)
燃料中の硫黄濃度が許容限度を超えているときには、下限温度の変更や噴射量の補正で対処するのは難しいので、改質反応を停止するのが好ましい。このため、ECU50は、図4中に示すように、硫黄濃度が予め設定された上限判定値Sxよりも高いときに、改質制御を強制的に停止し、以後の改質制御を禁止する。
ここで、上限判定値Sxとは、例えば燃料改質触媒28の耐久性等に応じて予め定められる硫黄濃度の上限値であり、ECU50に予め記憶されている。従って、改質燃料中の硫黄濃度が極端に高い場合には、燃料の噴射を強制的に停止させることができ、燃料改質触媒28等を高濃度の硫黄分から保護することができる。
(改質噴射量の減少補正制御)
燃料改質触媒28は、硫黄濃度が高い燃料を多量に供給されるほど、コーキング等による劣化が生じ易くなる。このため、本実施の形態では、燃料中の硫黄濃度が高くなるにつれて、改質燃料の噴射量を減少させる減少補正を実施している。図5は、この減少補正の内容を示す特性線図であり、そのデータはECU50に予め記憶されている。なお、本発明における減少補正の特性は、図5に限定されるものではない。
この図5に示すように、改質燃料の減少補正量は、硫黄濃度が高くなるにつれて増大する構成となっている。これにより、硫黄濃度が高い場合には、その分だけ改質燃料の噴射量を減少させることができ、高い硫黄濃度の燃料が触媒28に多量に供給されるのを回避することができる。従って、燃料中の硫黄分が燃料改質触媒28に与える影響を軽減することができ、硫黄分によるコーキングの発生や触媒28の劣化を抑えることができる。
[実施の形態1を実現するための具体的な処理]
図6乃至図8は、本実施の形態のシステム動作を実現するために、ECU50が実行するルーチンのフローチャートである。なお、これらの図に示すルーチンは、内燃機関の始動時に開始され、一定の時間毎に繰返し実行されるものである。
まず、図6中のステップ100では、燃料性状センサ54の検出信号を読込む。ステップ102では、この検出信号を用いて燃料中のエタノール濃度を算出する。ステップ104では、例えば内燃機関10の運転状態、燃料中のエタノール濃度、燃料改質触媒28の温度等に応じて、改質燃料の基本的な噴射量を算出する。そして、ステップ106では、この算出値に応じた分の燃料を改質燃料噴射弁34から噴射させる。
次に、ステップ108では、後述の図7に示す硫黄濃度算出処理を実行し、燃料中の硫黄濃度Sを算出する。そして、ステップ110では、この硫黄濃度SがECU50に予め記憶された上限判定値Sx以下であるか否かを判定する。ここで、「YES」と判定したときには、燃料中の硫黄濃度Sが許容限度以下である。このため、ステップ112では、後述の図8に示す改質噴射処理を実行し、その後に終了する。
一方、ステップ110で「NO」と判定したときには、燃料中の硫黄濃度Sが許容限度を超えている。このため、ステップ114では、改質制御を強制的に終了させ、ECU50の記憶回路に設けられた改質禁止フラグをONに設定する(改質禁止制御)。改質禁止フラグがONに設定された場合には、内燃機関10の運転状態や触媒28の温度状態等に関係なく、ECU50による改質制御が禁止された状態となる。
次に、図7を参照しつつ、硫黄濃度算出処理について説明する。まず、ステップ120では、前述したように、改質燃料噴射弁34の開弁時間と、流量調整弁40の開度とを所定の大きさに保持する。これにより、改質燃料の噴射量とEGR流量とは、硫黄濃度の算出を想定した一定の基準状態に保持される。次に、ステップ122では、改質量センサ58の検出信号を読込み、ステップ124では、この検出信号を用いて水素ガスの生成量を算出する。
そして、ステップ126では、基準時間Δtの計測を開始する時点であるか否かを判定し、「YES」と判定したときには、ステップ128で水素ガス生成量の算出値を初回の生成量としてECU50に記憶する。また、ステップ126で「NO」と判定したときには、上述の算出値を記憶することなく、ステップ130に移る。
ステップ130では、水素ガス生成量の初回の算出時点から基準時間Δtが経過したか否かを判定する。ここで、「YES」と判定したときには、基準時間Δtだけ離れた2回分の水素ガス生成量が得られたことになるので、ステップ132に移る。また、ステップ130で「NO」と判定したときには、基準時間Δtが経過するまでステップ122,124を繰返す。
ステップ132では、上述した2回分の水素ガス生成量の差分を求めることにより、ガス減少割合ΔHを算出する。ステップ134では、前述したように、ガス減少割合ΔHとを用いて図3のマップデータを参照することにより、基本状態における硫黄濃度Sを推定的に算出する。
ステップ136では、前述したように、ステップ102で求めたエタノール濃度と、触媒温度センサ56によって検出した燃料改質触媒28の温度とに応じて、硫黄濃度Sを補正し、その後にリターンする。
次に、図8を参照しつつ、改質噴射処理について説明する。まず、ステップ140では、前述したように、硫黄濃度算出処理によって求めた硫黄濃度Sを用いて図4のマップデータを参照する。これにより、改質制御の下限温度Toを算出することができる(改質下限温度の可変制御)。
そして、ステップ142では、燃料改質触媒28の温度を推定することにより、触媒28の推定温度Tを算出する。この算出方法について述べると、ECU50は、まず内燃機関10の運転状態(例えば機関回転数、吸入空気量、負荷状態等)を検出する。また、内燃機関10の始動から運転が継続されている時間を計測する。
そして、これらの運転状態と運転継続時間とを用いて、公知の方法により燃料改質触媒28の推定温度Tを算出する。即ち、燃料改質触媒28の温度は、例えば高回転または高負荷運転が行われることにより上昇し、低回転または低負荷運転が行われることにより低下する。また、内燃機関10を始動してから暫くの間は、運転継続時間が長くなるほど触媒28の温度が上昇する。従って、これらの傾向等に基づいて触媒28の推定温度Tを算出することができる。
次に、ステップ144では、燃料改質触媒28の推定温度Tが下限温度To以上であるか否かを判定する。ここで、「YES」と判定したときには、燃料改質触媒28が適切な加温状態となっているので、後述のステップ148〜154に移る。
また、ステップ144で「NO」と判定したときには、改質制御を行うには燃料改質触媒28の温度が低過ぎる。そこで、ステップ146では、改質燃料の噴射を停止し、そのままリターンする。
一方、ステップ148では、改質燃料の噴射を行うために、燃料改質触媒28の推定温度Tに応じて改質燃料の噴射量を補正する。燃料改質触媒28によって改質処理が可能な燃料の量は、その温度にも影響される。従って、ステップ148の補正を行うことにより、一部の燃料が未反応のまま触媒28に残るのを回避することができる。
ステップ150では、前述したように、燃料中の硫黄濃度Sを用いて図5のマップデータを参照し、硫黄濃度Sに応じた減少補正量を算出する。そして、この減少補正量の分だけ改質噴射の燃料噴射量を減少させる(改質噴射量の減少補正制御)。
そして、ステップ152では、補正した噴射量分の改質燃料を、改質燃料噴射弁34から分岐管32内に噴射する。この結果、前述したように、燃料改質触媒28の作用によって改質ガスが生成され、この改質ガスは、流量調整弁40の開度に応じた流量をもって吸気系に還流される。なお、図示は省略したが、ECU50は、図6乃至図8のルーチン処理と並行して流量調整弁40の制御処理も実行する。
次に、ステップ154では、例えば目標量の改質燃料が噴射されたか否か等の条件判定を行うことにより、燃料噴射の終了タイミングが到来したか否かを判定する。ここで、「YES」と判定したときには、そのままリターンする。また、ステップ154で「NO」と判定したときには、燃料噴射の終了タイミングとなるまでステップ142〜154のループ処理を繰り返す。
以上詳述した通り、本実施の形態によれば、改質燃料中に硫黄分が含まれている場合でも、改質制御を可能な限り実施しつつ、燃料改質触媒28を硫黄分から保護することができる。従って、燃料改質触媒28の性能や耐久性を向上させることができ、触媒28を用いた改質制御を安定的に行うことができる。
なお、前記実施の形態では、図6において、ステップ108(図7中のステップ120〜136)が硫黄濃度取得手段の具体例を示し、ステップ114が改質禁止手段の具体例を示している。また、図8において、ステップ150は、改質燃料減少手段の具体例を示し、ステップ140は下限温度設定手段の具体例を示し、ステップ146は改質燃料停止手段の具体例を示している。さらに、図7において、ステップ120は基準状態保持手段の具体例を示し、ステップ136は補正手段の具体例を示している。
また、実施の形態では、燃料中の硫黄濃度に応じて、改質下限温度の可変制御と、改質噴射量の減少補正制御とをそれぞれ行う構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、これら2つの制御のうち、何れか一方だけを実行し、他方は省略する構成としてもよい。
また、実施の形態では、硫黄濃度の算出に影響する4つのパラメータ(燃料中のエタノール濃度、触媒温度、改質燃料の噴射量、EGR流量)のうち、改質燃料の噴射量とEGR流量とを基準状態に保持し、エタノール濃度と触媒温度とに応じて硫黄濃度の算出値を補正する構成とした。
しかし、本発明は、必ずしも噴射量とEGR流量とを基準状態に保持する必要はなく、これに代えて、例えば4つ全てのパラメータによって硫黄濃度の算出値をそれぞれ補正する構成としてもよい。この構成によれば、硫黄濃度の算出時には、改質燃料の噴射量とEGR流量とを通常の状態から特定の基準状態に切換える必要がない。このため、改質制御をスムーズに行うことができる。また、本発明では、前述した実施の形態と異なる組合わせとなる2つのパラメータによって硫黄濃度の算出値を補正してもよく、1または3つのパラメータによって硫黄濃度の算出値を補正する構成としてもよい。
また、実施の形態では、ソフトウェア上の処理によって硫黄濃度を算出する構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、硫黄濃度取得手段としては、燃料中の硫黄濃度を直接検出する硫黄濃度センサ等を用いる構成としてもよい。
また、実施の形態では、ソフトウェア上の処理によって燃料改質触媒28の温度を推定する構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、温度取得手段として触媒温度センサ56を用いる構成としてもよい。即ち、燃料改質触媒28の温度を触媒温度センサ56によって検出する構成としてもよい。
また、実施の形態では、改質量センサ58として水素濃度センサを使用し、改質ガス中の水素濃度を検出することにより、改質ガスの生成量を求めるものとした。しかし、本発明はこれに限らず、改質量検出手段として一酸化炭素濃度センサを使用し、改質ガス中の一酸化炭素濃度を検出することにより、改質ガスの生成量を求める構成としてもよい。
さらに、実施の形態では、改質燃料として、ガソリンとエタノールとの混合燃料を用いるものとした。しかし、本発明はこれに限らず、例えばメタノール等を含めた他のアルコールと、ガソリンとの混合燃料を改質燃料として用いる構成としてもよい。
また、本発明に適用される燃料は、少なくともガソリンを含む燃料であればよく、アルコールを含有する燃料に限定されるものではない。即ち、本発明は、例えばガソリンのみによって構成された燃料、及びガソリンにアルコール以外の材料を混入した燃料にも適用することができる。
また、実施の形態では、排気ガスの熱を利用して燃料改質触媒28を加熱するものとした。しかし、本発明は、必ずしも排気ガスの熱を利用する必要はなく、非排気熱回収型の内燃機関に適用してもよい。即ち、本発明は、排気ガス以外の熱源(例えば、専用の加熱機器等)によって燃料改質触媒28を加熱する構成としてもよい。
本発明の実施の形態1のシステム構成を説明するための全体図である。 改質反応により生成される水素ガスの生成量と時間との関係を示す特性線図である。 水素ガスのガス減少割合と、燃料中の硫黄濃度との関係等を示す特性線図である。 改質制御の下限温度と硫黄濃度との関係を示す特性線図である。 改質噴射の減少補正量と硫黄濃度との関係を示す特性線図である。 本発明の実施の形態1において実行されるルーチンのフローチャートである。 図6中の硫黄濃度算出処理を示すフローチャートである。 図6中の改質噴射処理を示すフローチャートである。
符号の説明
10 内燃機関
12 吸気管
14 吸気マニホールド
16 スロットル弁
18 燃料噴射装置
20 排気管
24 熱交換器(加熱手段)
26 改質室
28 燃料改質触媒
30 排気通路
32 分岐管
34 改質燃料噴射弁(改質燃料供給手段)
36 改質ガス通路
38 冷却器
40 流量調整弁
42 排気浄化触媒
44 燃料タンク
46 燃料配管
50 ECU
52 排気ガスセンサ
54 燃料性状センサ(混合比率検出手段)
56 触媒温度センサ
58 改質量センサ(改質量検出手段)
ΔH ガス減少割合
To 下限温度

Claims (10)

  1. 加熱手段を備え、前記加熱手段の熱によって改質燃料から可燃ガスを生成する燃料改質触媒と、
    少なくともガソリンを含む燃料を前記改質燃料として前記燃料改質触媒に供給する改質燃料供給手段と、
    前記改質燃料中の硫黄濃度を取得する硫黄濃度取得手段と、
    前記改質燃料中の硫黄濃度が高くなるにつれて、前記改質燃料供給手段による改質燃料の供給量を減少させる改質燃料減少手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 加熱手段を備え、前記加熱手段の熱によって改質燃料から可燃ガスを生成する燃料改質触媒と、
    少なくともガソリンを含む燃料を前記改質燃料として前記燃料改質触媒に供給する改質燃料供給手段と、
    前記燃料改質触媒の温度を取得する温度取得手段と、
    前記改質燃料中の硫黄濃度を取得する硫黄濃度取得手段と、
    前記改質燃料中の硫黄濃度に応じて、前記燃料改質触媒が作動するのに必要な下限温度を可変に設定する下限温度設定手段と、
    前記燃料改質触媒の温度が前記下限温度よりも低いときに、前記改質燃料供給手段による改質燃料の供給を停止する改質燃料停止手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  3. 前記下限温度設定手段は、前記改質燃料中の硫黄濃度が高くなるにつれて、前記下限温度を高い温度に設定する構成としてなる請求項2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記改質燃料中の硫黄濃度が上限判定値よりも高いときに、前記改質燃料供給手段による改質燃料の供給を禁止する改質禁止手段を備えてなる請求項1乃至3のうち何れか1項に記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記改質燃料から生成される可燃ガスの生成量を検出する改質量検出手段と、
    前記改質量検出手段の検出結果を用いて前記可燃ガスの生成量が一定時間の間に減少した量であるガス減少割合を算出する減少割合算出手段とを備え、
    前記硫黄濃度取得手段は、少なくとも前記ガス減少割合を用いて前記硫黄濃度を算出する構成としてなる請求項1乃至4のうち何れか1項に記載の内燃機関の制御装置。
  6. 前記硫黄濃度取得手段は、前記ガス減少割合が大きくなるにつれて、前記硫黄濃度を高い値として算出する構成としてなる請求項5に記載の内燃機関の制御装置。
  7. 前記硫黄濃度取得手段は、前記ガス減少割合と他のパラメータとを用いて前記硫黄濃度を算出する構成とし、前記他のパラメータは、前記改質燃料中のガソリンとアルコールとの混合比率、前記燃料改質触媒の温度、前記燃料改質触媒に供給される改質燃料の供給量、及び前記燃料改質触媒に供給される排気ガスの流量のうち、少なくとも1つのパラメータである請求項5または6に記載の内燃機関の制御装置。
  8. 前記硫黄濃度取得手段は、前記改質燃料中のアルコール濃度及び/又は前記燃料改質触媒の温度が高くなるにつれて、前記硫黄濃度の算出値が高くなるように補正する補正手段を備える構成としてなる請求項5乃至7のうち何れか1項に記載の内燃機関の制御装置。
  9. 前記改質量検出手段によって可燃ガスの生成量を検出するときに、前記燃料改質触媒に供給される改質燃料の供給量と、前記燃料改質触媒に供給される排気ガスの流量とからなる少なくとも2つのパラメータを一定の基準状態に保持する基準状態保持手段を備えてなる請求項5乃至8のうち何れか1項に記載の内燃機関の制御装置。
  10. 前記加熱手段は、排気ガスの熱によって前記燃料改質触媒を加熱する熱交換器である請求項1乃至9のうち何れか1項に記載の内燃機関の制御装置。
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