JP2000297216A - 難燃性樹脂組成物 - Google Patents
難燃性樹脂組成物Info
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- JP2000297216A JP2000297216A JP10534299A JP10534299A JP2000297216A JP 2000297216 A JP2000297216 A JP 2000297216A JP 10534299 A JP10534299 A JP 10534299A JP 10534299 A JP10534299 A JP 10534299A JP 2000297216 A JP2000297216 A JP 2000297216A
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- flame
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- resin
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 高い難燃効果を有し、更に作業安全性に優
れ、かつ長期加水分解後の絶縁破壊強さの低下が改良さ
れた非ハロゲン系難燃性樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 熱可塑性樹脂100重量部、遊離フェノ
ール成分の含有率が0.1%未満かつ2核体成分の含有
率が5%未満のノボラック型フェノール樹脂3〜70重
量部およびリン系難燃剤1〜50重量部よりなる難燃性
樹脂組成物。
れ、かつ長期加水分解後の絶縁破壊強さの低下が改良さ
れた非ハロゲン系難燃性樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 熱可塑性樹脂100重量部、遊離フェノ
ール成分の含有率が0.1%未満かつ2核体成分の含有
率が5%未満のノボラック型フェノール樹脂3〜70重
量部およびリン系難燃剤1〜50重量部よりなる難燃性
樹脂組成物。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高度な難燃性を有
する難燃性樹脂組成物に関する。更に詳しくは、作業性
および安全性に優れ、長期加水分解試験後の絶縁破壊強
さに優れる非ハロゲン系の難燃性樹脂組成物に関する。
する難燃性樹脂組成物に関する。更に詳しくは、作業性
および安全性に優れ、長期加水分解試験後の絶縁破壊強
さに優れる非ハロゲン系の難燃性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂で難燃性が要求される用途
において、従来は主にハロゲン化合物、アンチモン化合
物を難燃剤、難燃助剤に使用して難燃性を付与した樹脂
が供されている。
において、従来は主にハロゲン化合物、アンチモン化合
物を難燃剤、難燃助剤に使用して難燃性を付与した樹脂
が供されている。
【0003】しかし、ハロゲン系難燃剤は分解生成物が
電気製品である金属を腐食する場合があり、また一部の
ハロゲン系難燃剤は環境への影響が懸念され、非ハロゲ
ン系の難燃樹脂が求められつつある。
電気製品である金属を腐食する場合があり、また一部の
ハロゲン系難燃剤は環境への影響が懸念され、非ハロゲ
ン系の難燃樹脂が求められつつある。
【0004】本発明者等は、現在までのところ、特開平
10−251497号公報に開示されるように、非ハロ
ゲン系の難燃助剤としてェノール樹脂を検討してきた。
10−251497号公報に開示されるように、非ハロ
ゲン系の難燃助剤としてェノール樹脂を検討してきた。
【0005】他方、ジャーナル・オブ・ファイア・リタ
ーダント・ケミストリー(Journal of Fi
re Retardant Chemistry)vo
l.7,69−76,1980年には、ポリスチレンが
赤燐とフェノール樹脂によって難燃化されることが開示
されている。
ーダント・ケミストリー(Journal of Fi
re Retardant Chemistry)vo
l.7,69−76,1980年には、ポリスチレンが
赤燐とフェノール樹脂によって難燃化されることが開示
されている。
【0006】そして、プラスチックス・エンジニアリン
グ(Plastics Engineering)No
vember,29−31,1993年には、ポリテト
ラメチレンテレフタレート(以下、PBTということが
ある。)が赤燐とフェノール樹脂によって難燃化される
ことが開示されている。
グ(Plastics Engineering)No
vember,29−31,1993年には、ポリテト
ラメチレンテレフタレート(以下、PBTということが
ある。)が赤燐とフェノール樹脂によって難燃化される
ことが開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】フェノール樹脂が樹脂
組成物の長期的な耐加水分解性にあたえる影響、例え
ば、樹脂組成物の長期加水分解試験後の絶縁破壊強さに
与える影響については、これまで知られていなかった。
組成物の長期的な耐加水分解性にあたえる影響、例え
ば、樹脂組成物の長期加水分解試験後の絶縁破壊強さに
与える影響については、これまで知られていなかった。
【0008】また、ノボラック型フェノール樹脂は熱硬
化の材料として用いられているため、通常使われるノボ
ラック型フェノール樹脂では遊離フェノール成分や2核
体成分の含有量が多く、熱可塑性樹脂と溶融混練した場
合これらの成分が揮発し、環境上好ましくない。
化の材料として用いられているため、通常使われるノボ
ラック型フェノール樹脂では遊離フェノール成分や2核
体成分の含有量が多く、熱可塑性樹脂と溶融混練した場
合これらの成分が揮発し、環境上好ましくない。
【0009】本発明の目的は、高度な難燃性を有し、作
業性および安全性に優れ、ならびに長期加水分解試験後
の絶縁破壊強さに優れた非ハロゲン系の難燃性樹脂組成
物を提供することにある。
業性および安全性に優れ、ならびに長期加水分解試験後
の絶縁破壊強さに優れた非ハロゲン系の難燃性樹脂組成
物を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、
(A)熱可塑性樹脂100重量部、(B)遊離フェノー
ル成分の含有率が0.1重量%未満であり、かつ2核体
成分の含有率が5重量%未満であるノボラック型フェノ
ール樹脂3〜70重量部 および(C)リン系難燃剤1
〜50重量部 より成り、フェノールガスの発生量がH
S−GC法を用い200℃×1時間の測定条件において
15ppm以下である難燃性樹脂組成物である。以下、
本発明を詳細に説明する。
(A)熱可塑性樹脂100重量部、(B)遊離フェノー
ル成分の含有率が0.1重量%未満であり、かつ2核体
成分の含有率が5重量%未満であるノボラック型フェノ
ール樹脂3〜70重量部 および(C)リン系難燃剤1
〜50重量部 より成り、フェノールガスの発生量がH
S−GC法を用い200℃×1時間の測定条件において
15ppm以下である難燃性樹脂組成物である。以下、
本発明を詳細に説明する。
【0011】[熱可塑性樹脂(A)]熱可塑性樹脂
(A)としては、熱可塑性ポリエステル、ポリカーボネ
ート、ポリフェニレンエーテル、ポリアミド、ポリスチ
レン系樹脂、ポリオレフィンが挙げられ、熱可塑性樹脂
の1種または2種以上を組み合わせて使用することがで
きる。熱可塑性樹脂(A)としては、熱可塑性ポリエス
テルが好ましい。
(A)としては、熱可塑性ポリエステル、ポリカーボネ
ート、ポリフェニレンエーテル、ポリアミド、ポリスチ
レン系樹脂、ポリオレフィンが挙げられ、熱可塑性樹脂
の1種または2種以上を組み合わせて使用することがで
きる。熱可塑性樹脂(A)としては、熱可塑性ポリエス
テルが好ましい。
【0012】[熱可塑性ポリエステル]熱可塑性ポリエ
ステルは、芳香族ジカルボン酸を主たるジカルボン酸成
分としそして炭素数2〜10の脂肪族ジオールを主たる
ジオール成分とするポリエステルである。熱可塑性ポリ
エステルは、ジカルボン酸成分の好ましくは80モル%
以上、より好ましくは90モル%以上が芳香族ジカルボ
ン酸成分からなり、ジオール成分の好ましくは80モル
%以上、より好ましくは90モル%以上が炭素数2〜1
0の脂肪族ジオール成分からなる。
ステルは、芳香族ジカルボン酸を主たるジカルボン酸成
分としそして炭素数2〜10の脂肪族ジオールを主たる
ジオール成分とするポリエステルである。熱可塑性ポリ
エステルは、ジカルボン酸成分の好ましくは80モル%
以上、より好ましくは90モル%以上が芳香族ジカルボ
ン酸成分からなり、ジオール成分の好ましくは80モル
%以上、より好ましくは90モル%以上が炭素数2〜1
0の脂肪族ジオール成分からなる。
【0013】芳香族ジカルボン酸成分としては、例えば
テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、メチルテレフ
タル酸、メチルイソフタル酸および2,6−ナフタレン
ジカルボン酸を好ましいものとして挙げることができ
る。これらは1種または2種以上一緒に用いることがで
きる。
テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、メチルテレフ
タル酸、メチルイソフタル酸および2,6−ナフタレン
ジカルボン酸を好ましいものとして挙げることができ
る。これらは1種または2種以上一緒に用いることがで
きる。
【0014】熱可塑性ポリエステルは、共重合成分を共
重合したものでもよく、共重合する場合の共重合成分の
量は、全ジカルボン酸成分に対して20モル%以下、好
ましくは10モル%以下である。
重合したものでもよく、共重合する場合の共重合成分の
量は、全ジカルボン酸成分に対して20モル%以下、好
ましくは10モル%以下である。
【0015】共重合成分として用いることのできるジカ
ルボン酸成分として、例えばアジピン酸、セバシン酸、
デカンジカルボン酸、アゼライン酸、ドデカンジカルボ
ン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などの脂肪族または
脂環族ジカルボン酸を挙げることができる。
ルボン酸成分として、例えばアジピン酸、セバシン酸、
デカンジカルボン酸、アゼライン酸、ドデカンジカルボ
ン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などの脂肪族または
脂環族ジカルボン酸を挙げることができる。
【0016】他方、炭素数2〜10の脂肪族ジオール成
分として、例えばエチレングリコール、トリメチレング
リコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレン
グリコール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族ジオー
ルおよび1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環
族ジオールを挙げることができる。これらの脂肪族ジオ
ールおよび脂環族ジオールは1種または2種以上一緒に
用いることができる。
分として、例えばエチレングリコール、トリメチレング
リコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレン
グリコール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族ジオー
ルおよび1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環
族ジオールを挙げることができる。これらの脂肪族ジオ
ールおよび脂環族ジオールは1種または2種以上一緒に
用いることができる。
【0017】熱可塑性ポリエステルは、共重合成分を共
重合したものでもよく、共重合する場合の共重合成分の
量は、全ジオール成分に対して20モル%以下、好まし
くは10モル%以下である。
重合したものでもよく、共重合する場合の共重合成分の
量は、全ジオール成分に対して20モル%以下、好まし
くは10モル%以下である。
【0018】共重合成分として用いることのできるジオ
ール成分としては、例えばp,p'−ジヒドロキシエトキシ
ビスフェノールA、ポリオキシエチレングリコールを挙
げることができる。
ール成分としては、例えばp,p'−ジヒドロキシエトキシ
ビスフェノールA、ポリオキシエチレングリコールを挙
げることができる。
【0019】熱可塑性ポリエステルは、主たるジカルボ
ン酸成分がテレフタル酸および/または2,6−ナフタ
レンジカルボン酸であり、主たるジオール成分がエチレ
ングリコール、トリエチレングリコールおよびテトラメ
チレングリコールよりなる群から選ばれる少なくとも1
種のジオール熱可塑性ポリエステルが好ましい。熱可塑
性ポリエステルとしては、エチレンテレフタレート、ト
リメチレンテレフタレート、テトラメチレンテレフタレ
ートまたはテトラメチレン−2,6−ナフタレンジカル
ボキシレートを主たる繰り返し単位とする熱可塑性ポリ
エステルが好ましい。主たるとは、全ジカルボン酸成分
に対して80モル%をいう。
ン酸成分がテレフタル酸および/または2,6−ナフタ
レンジカルボン酸であり、主たるジオール成分がエチレ
ングリコール、トリエチレングリコールおよびテトラメ
チレングリコールよりなる群から選ばれる少なくとも1
種のジオール熱可塑性ポリエステルが好ましい。熱可塑
性ポリエステルとしては、エチレンテレフタレート、ト
リメチレンテレフタレート、テトラメチレンテレフタレ
ートまたはテトラメチレン−2,6−ナフタレンジカル
ボキシレートを主たる繰り返し単位とする熱可塑性ポリ
エステルが好ましい。主たるとは、全ジカルボン酸成分
に対して80モル%をいう。
【0020】熱可塑性ポリエステルは、35℃、オルト
クロロフェノール中で測定した固有粘度が0.5〜1.
4dl/g、更には0.6〜1.2dl/gであることが好まし
い。この固有粘度が0.5未満では得られる組成物の機
械的強度が低くなり、一方1.4を越えると得られる組
成物の流動性等が低下し好ましくない。
クロロフェノール中で測定した固有粘度が0.5〜1.
4dl/g、更には0.6〜1.2dl/gであることが好まし
い。この固有粘度が0.5未満では得られる組成物の機
械的強度が低くなり、一方1.4を越えると得られる組
成物の流動性等が低下し好ましくない。
【0021】[ポリカーボネート]ポリカーボネート
は、2価フェノールとカーボネート前駆体とを溶液法ま
たは溶融法で反応させて得ることができる。
は、2価フェノールとカーボネート前駆体とを溶液法ま
たは溶融法で反応させて得ることができる。
【0022】2価フェノールとしては、例えば2,2−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン (以下、ビ
スフェノールAと略称することがある)、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4
−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、ビス
(4−ヒドロキシフェニル)スルホン等が挙げられ、ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)アルカンが好ましく、な
かでもビスフェノールAが特に好ましい。2価フェノー
ルは、単独でまたは2種以上混合して使用することがで
きる。
ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン (以下、ビ
スフェノールAと略称することがある)、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4
−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、ビス
(4−ヒドロキシフェニル)スルホン等が挙げられ、ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)アルカンが好ましく、な
かでもビスフェノールAが特に好ましい。2価フェノー
ルは、単独でまたは2種以上混合して使用することがで
きる。
【0023】カーボネート前駆体としては、カルボニル
ハライド、カーボネートまたはハロホルメートなどを挙
げることができる。代表的な例としてはホスゲン、ジフ
ェニルカーボネート、2価フェノールのジハロホルメー
ト及びこれらの混合物が挙げられる。
ハライド、カーボネートまたはハロホルメートなどを挙
げることができる。代表的な例としてはホスゲン、ジフ
ェニルカーボネート、2価フェノールのジハロホルメー
ト及びこれらの混合物が挙げられる。
【0024】芳香族ポリカーボネートの製造に際しては
適当な分子量調節剤、分岐剤、触媒等を使用してもよ
い。
適当な分子量調節剤、分岐剤、触媒等を使用してもよ
い。
【0025】ポリカーボネートは、平均分子量で表して
10000〜100000、好ましくは15000〜6
0000のものを用いることができる。10000より
小さいと機械的強度が低下し、100000より大きい
と流動性などが低下するため好ましくない。
10000〜100000、好ましくは15000〜6
0000のものを用いることができる。10000より
小さいと機械的強度が低下し、100000より大きい
と流動性などが低下するため好ましくない。
【0026】[ポリフェニレンエーテル]ポリフェニレ
ンエーテルとしては、一般式(1)で示される構造を有
する単独重合体又は共重合体を用いることができる。
ンエーテルとしては、一般式(1)で示される構造を有
する単独重合体又は共重合体を用いることができる。
【0027】
【化1】
【0028】(式中、Q1は各々第一級もしくは第二級
アルキル基、アリール基、アミノアルキル基または炭化
水素オキシ基を表し、Q2は各々水素原子、第一級もし
くは第二級アルキル基、アリール基または炭化水素オキ
シ基を表し、mは10以上の整数を表す)
アルキル基、アリール基、アミノアルキル基または炭化
水素オキシ基を表し、Q2は各々水素原子、第一級もし
くは第二級アルキル基、アリール基または炭化水素オキ
シ基を表し、mは10以上の整数を表す)
【0029】Q1及びQ2の第一級アルキル基としては、
メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−アミ
ル、イソアミル、2−メチルブチル、n−ヘキシル、
2,3−ジメチルブチル、2−,3−若しくは4−メチ
ルペンチル又はヘプチルが挙げられる。第二級アルキル
基としては、イソプロピル、sec−ブチル又は1−エ
チルプロピルが挙げられる。好ましくはQ1はアルキル
基、アリール基、さらに好ましくは炭素数1〜4のアル
キル基であり、Q2は水素原子である。
メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−アミ
ル、イソアミル、2−メチルブチル、n−ヘキシル、
2,3−ジメチルブチル、2−,3−若しくは4−メチ
ルペンチル又はヘプチルが挙げられる。第二級アルキル
基としては、イソプロピル、sec−ブチル又は1−エ
チルプロピルが挙げられる。好ましくはQ1はアルキル
基、アリール基、さらに好ましくは炭素数1〜4のアル
キル基であり、Q2は水素原子である。
【0030】好ましいポリフェニルンエーテルの単独重
合体としては、例えば2,6−ジメチル−1,4−フェ
ニレンエーテル単位からなるものである。また、好まし
い共重合体としては上記単位と2,3,6−トリメチル
−1,4−フェニレンエーテル単位との組み合わせから
なるランダム共重合体である。
合体としては、例えば2,6−ジメチル−1,4−フェ
ニレンエーテル単位からなるものである。また、好まし
い共重合体としては上記単位と2,3,6−トリメチル
−1,4−フェニレンエーテル単位との組み合わせから
なるランダム共重合体である。
【0031】本発明で用いられるポリフェニレンエーテ
ルは、30℃、クロロホルム中で測定した固有粘度が
0.2〜0.8dl/gであるものが好ましく、更には0.
3〜0.6dl/gのものが好ましい。0.2dl/g未満では
組成物の機械的強度が低下し、0.8dl/gより多いと成
形性と成形性外観が劣り好ましくない。
ルは、30℃、クロロホルム中で測定した固有粘度が
0.2〜0.8dl/gであるものが好ましく、更には0.
3〜0.6dl/gのものが好ましい。0.2dl/g未満では
組成物の機械的強度が低下し、0.8dl/gより多いと成
形性と成形性外観が劣り好ましくない。
【0032】[ポリアミド]ポリアミドとしては、3員
環以上のラクタム、重合可能なω−アミノ酸、二塩基酸
とジアミンなどの重縮合によって得られるポリアミドを
用いることができる。
環以上のラクタム、重合可能なω−アミノ酸、二塩基酸
とジアミンなどの重縮合によって得られるポリアミドを
用いることができる。
【0033】例えばε−カプロラクタム、アミノカプロ
ン酸、エナントラクタム、7−アミノヘプタン酸、11
−アミノウンデカン酸、9−アミノノナン酸、α−ピロ
リドン、α−ピペリドンなどの重合体またはヘキサメチ
レンジアミン、ノナメチレンジアミン、ウンデカメチレ
ンジアミン、ドデカメチレンジアミン、メタキシリレン
ジアミンなどのジアミンとテレフタル酸、イソフタル
酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二塩基酸、グル
タール酸などのジカルボン酸とを重縮合して得られる重
合体もしくはこれらの共重合体が挙げられる。具体的に
はナイロン4、6,7,8,11,12、6・6、6・
10、6・11、6・12、6T、6/6・6、6/1
2、6/6T、6I/6Tなどが挙げられる。
ン酸、エナントラクタム、7−アミノヘプタン酸、11
−アミノウンデカン酸、9−アミノノナン酸、α−ピロ
リドン、α−ピペリドンなどの重合体またはヘキサメチ
レンジアミン、ノナメチレンジアミン、ウンデカメチレ
ンジアミン、ドデカメチレンジアミン、メタキシリレン
ジアミンなどのジアミンとテレフタル酸、イソフタル
酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二塩基酸、グル
タール酸などのジカルボン酸とを重縮合して得られる重
合体もしくはこれらの共重合体が挙げられる。具体的に
はナイロン4、6,7,8,11,12、6・6、6・
10、6・11、6・12、6T、6/6・6、6/1
2、6/6T、6I/6Tなどが挙げられる。
【0034】ポリアミドは、濃硫酸中に1%濃度になる
ように溶解させた溶液の25℃における相対粘度が2.
0〜5.0の範囲にあるものが好ましい。この相対粘度
が2.0未満では得られる組成物の機械的強度が低くな
り、一方5.0を越えると得られる組成物の流動性等が
低下し好ましくない。
ように溶解させた溶液の25℃における相対粘度が2.
0〜5.0の範囲にあるものが好ましい。この相対粘度
が2.0未満では得られる組成物の機械的強度が低くな
り、一方5.0を越えると得られる組成物の流動性等が
低下し好ましくない。
【0035】[ポリスチレン系樹脂]ポリスチレン系樹
脂は、ゴム状重合体の存在下または不存在下に、スチレ
ン系単量体を単独の状態もしくは他の共重合可能な単量
体との混合状態で、重合もしくは共重合して得られる樹
脂である。
脂は、ゴム状重合体の存在下または不存在下に、スチレ
ン系単量体を単独の状態もしくは他の共重合可能な単量
体との混合状態で、重合もしくは共重合して得られる樹
脂である。
【0036】ポリスチレン系樹脂の連続マトリックス樹
脂を構成する単位は、スチレン、α−メチルスチレン、
α−メチル−p−メチルスチレン等のα−アルキルスチ
レン、p−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−
メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−te
rt−ブチルスチレン等の核アルキル置換スチレン等の
スチレン系単量体であり、これらのうちスチレンが最も
好ましいが、スチレンを主体に上記他のスチレン系単量
体を1種以上共重合してもよい。
脂を構成する単位は、スチレン、α−メチルスチレン、
α−メチル−p−メチルスチレン等のα−アルキルスチ
レン、p−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−
メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−te
rt−ブチルスチレン等の核アルキル置換スチレン等の
スチレン系単量体であり、これらのうちスチレンが最も
好ましいが、スチレンを主体に上記他のスチレン系単量
体を1種以上共重合してもよい。
【0037】スチレン系単量体は、ビニル系単量体と共
重合して用いてもよい。スチレン系単量体と共重合可能
なビニル系単量体としては、アクリロニトリル、メタク
リロニトリル等の不飽和ニトリル化合物;メタクリル酸
メチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸メチル等の、
炭素数が1〜8のアルキル基からなる(メタ)アクリル
酸アルキルエステル化合物を用いることができる。
重合して用いてもよい。スチレン系単量体と共重合可能
なビニル系単量体としては、アクリロニトリル、メタク
リロニトリル等の不飽和ニトリル化合物;メタクリル酸
メチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸メチル等の、
炭素数が1〜8のアルキル基からなる(メタ)アクリル
酸アルキルエステル化合物を用いることができる。
【0038】また、スチレン系単量体は、α−メチルス
チレン、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、
N−フェニルマレイミド等のN−置換マレイミド単量体
を共重合して用いてもよい。
チレン、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、
N−フェニルマレイミド等のN−置換マレイミド単量体
を共重合して用いてもよい。
【0039】スチレン系単量体にビニル系単量体を共重
合して用いる場合、単量体に占めるビニル系単量体の量
は好ましくは0~40重量%である。
合して用いる場合、単量体に占めるビニル系単量体の量
は好ましくは0~40重量%である。
【0040】ゴム状重合体としては、ポリブタジエン、
スチレン−ブタジエン共重合体、30重量%までの(メ
タ)アクリル酸低級アルキルエステルを含むスチレン−
ブタジエン系共重合体、ポリイソプレン、ポリクロロプ
レン等のジエン系ゴム、エチレン−プロピレン−エチリ
デンノルボルネン共重合体等のエチレン−プロピレン−
非共役ジエン系共重合体、水添スチレン−ブタジエンブ
ロック共重合体、水添スチレン−イソプレンブロック共
重合体、アクリル酸C1〜C8アルキル、特にアクリル
酸エチル、ブチル及びエチルヘキシルをベースとするア
クリル酸アルキルゴムを例示することができる。
スチレン−ブタジエン共重合体、30重量%までの(メ
タ)アクリル酸低級アルキルエステルを含むスチレン−
ブタジエン系共重合体、ポリイソプレン、ポリクロロプ
レン等のジエン系ゴム、エチレン−プロピレン−エチリ
デンノルボルネン共重合体等のエチレン−プロピレン−
非共役ジエン系共重合体、水添スチレン−ブタジエンブ
ロック共重合体、水添スチレン−イソプレンブロック共
重合体、アクリル酸C1〜C8アルキル、特にアクリル
酸エチル、ブチル及びエチルヘキシルをベースとするア
クリル酸アルキルゴムを例示することができる。
【0041】ポリスチレン系樹脂の製造方法には、塊状
重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合などの公知の方法
が使用できる。
重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合などの公知の方法
が使用できる。
【0042】ポリスチレン系樹脂の具体例としては、ポ
リスチレン、α−メチルスチレン/アクリロニトリル共
重合体、スチレン/メタクリル酸メチル共重合体、スチ
レン/メタクリル酸共重合体、スチレン/無水マレイン
酸共重合体、α−メチルスチレン/アクリロニトリル/
N−フェニルマレイミド共重合体、スチレン/アクリロ
ニトリル/N−フェニルマレイミド共重合体、スチレン
/N−フェニルマレイミド/無水マレイン酸共重合体お
よびそれらのゴム変性体等を例示することができる。
リスチレン、α−メチルスチレン/アクリロニトリル共
重合体、スチレン/メタクリル酸メチル共重合体、スチ
レン/メタクリル酸共重合体、スチレン/無水マレイン
酸共重合体、α−メチルスチレン/アクリロニトリル/
N−フェニルマレイミド共重合体、スチレン/アクリロ
ニトリル/N−フェニルマレイミド共重合体、スチレン
/N−フェニルマレイミド/無水マレイン酸共重合体お
よびそれらのゴム変性体等を例示することができる。
【0043】[ポリオレフィン]ポリオレフィンとして
は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテ
ン、ポリブテンあるいはこれらを主成分とする共重合
体、例えばエチレン・プロピレン共重合体、エチレン・
プロピレン・ジエン共重合体を例示することができる。
は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテ
ン、ポリブテンあるいはこれらを主成分とする共重合
体、例えばエチレン・プロピレン共重合体、エチレン・
プロピレン・ジエン共重合体を例示することができる。
【0044】[ノボラック型フェノール樹脂(B)]本
発明において用いられるノボラック型フェノール樹脂
(B)は、遊離フェノール成分の含有率が0.1重量%
未満、好ましくは0.01重量%未満であり、かつ2核
体成分の含有率が5重量%未満、好ましくは2重量%未
満であるノボラック型フェノール樹脂である。
発明において用いられるノボラック型フェノール樹脂
(B)は、遊離フェノール成分の含有率が0.1重量%
未満、好ましくは0.01重量%未満であり、かつ2核
体成分の含有率が5重量%未満、好ましくは2重量%未
満であるノボラック型フェノール樹脂である。
【0045】このノボラック型フェノール樹脂(B)
は、フェノールおよび/またはクレゾールからなるフェ
ノール類と、アルデヒド類とを、触媒の存在下に反応さ
せて得ることができる。特に、下記の製造方法により、
遊離フェノール成分の含有率が0.1重量%未満、好ま
しくは0.01重量%未満であり、2核体成分の含有率
が5重量%未満、好ましくは2重量%未満であるノボラ
ック型フェノール樹脂を得ることができる。
は、フェノールおよび/またはクレゾールからなるフェ
ノール類と、アルデヒド類とを、触媒の存在下に反応さ
せて得ることができる。特に、下記の製造方法により、
遊離フェノール成分の含有率が0.1重量%未満、好ま
しくは0.01重量%未満であり、2核体成分の含有率
が5重量%未満、好ましくは2重量%未満であるノボラ
ック型フェノール樹脂を得ることができる。
【0046】ノボラック型フェノール樹脂(B)は、前
段の初期縮合反応と後段の脱水縮合反応からなる製造工
程により、好適に製造することができる。この場合、前
段では、攪拌機、熱交換器、温度計のついた反応装置
で、フェノールおよび/またはクレゾールからなるフェ
ノール類と、アルデヒド類とを、触媒の存在下に50〜
150℃の温度で15分〜5時間程度反応させて、ノボ
ラック型フェノール樹脂の初期縮合反応物を得る。つづ
いて後段では、循環処理設備を用いて初期縮合反応液に
不活性気体および/または水蒸気を供給配合して、初期
縮合反応液から遊離フェノール成分および2核体成分を
除去する。その後、更に減圧下で脱水縮合反応を行っ
て、ノボラック型フェノール樹脂(B)を得ることがで
きる。
段の初期縮合反応と後段の脱水縮合反応からなる製造工
程により、好適に製造することができる。この場合、前
段では、攪拌機、熱交換器、温度計のついた反応装置
で、フェノールおよび/またはクレゾールからなるフェ
ノール類と、アルデヒド類とを、触媒の存在下に50〜
150℃の温度で15分〜5時間程度反応させて、ノボ
ラック型フェノール樹脂の初期縮合反応物を得る。つづ
いて後段では、循環処理設備を用いて初期縮合反応液に
不活性気体および/または水蒸気を供給配合して、初期
縮合反応液から遊離フェノール成分および2核体成分を
除去する。その後、更に減圧下で脱水縮合反応を行っ
て、ノボラック型フェノール樹脂(B)を得ることがで
きる。
【0047】ノボラック型フェノール樹脂(B)のフェ
ノール類は、好ましくはフェノールおよび/またはクレ
ゾールである。クレゾールは、オルソクレゾール、メタ
クレゾールおよびパラクレゾールからなる群から選ばれ
る1種または2種以上である。
ノール類は、好ましくはフェノールおよび/またはクレ
ゾールである。クレゾールは、オルソクレゾール、メタ
クレゾールおよびパラクレゾールからなる群から選ばれ
る1種または2種以上である。
【0048】フェノールおよびクレゾール以外のフェノ
ール類を変性剤として用いてもいいが、その変性率はフ
ェノール類全体の30重量%以下であることが好まし
い。
ール類を変性剤として用いてもいいが、その変性率はフ
ェノール類全体の30重量%以下であることが好まし
い。
【0049】ノボラック型フェノール樹脂(B)のアル
デヒド類は、好ましくはホルムアルデヒド、パラホルム
アルデヒド、ポリオキシメチレン、トリオキサン、アセ
トアルデヒド、ベンズアルデヒドからなる群から選ばれ
る1種または2種以上であり、特に好ましくはホルムア
ルデヒドおよびポラホルムアルデヒドである。
デヒド類は、好ましくはホルムアルデヒド、パラホルム
アルデヒド、ポリオキシメチレン、トリオキサン、アセ
トアルデヒド、ベンズアルデヒドからなる群から選ばれ
る1種または2種以上であり、特に好ましくはホルムア
ルデヒドおよびポラホルムアルデヒドである。
【0050】またフェノールおよび/またはクレゾール
からなるフェノール類に対するアルデヒド類の配合モル
比は、好ましくは0.4〜1.0である。
からなるフェノール類に対するアルデヒド類の配合モル
比は、好ましくは0.4〜1.0である。
【0051】フェノール類とアルデヒド類とを反応させ
るために使用する触媒として、塩酸、硫酸、スルファミ
ン酸などの無機塩;しゅう酸、マレイン酸、ぎ酸、安息
香酸、サリチル酸パラトルエンスルホン酸などの有機
酸;鉛、カルシウム、錫、亜鉛などの2価金属からなる
カルボン酸塩やナフテン酸などの有機酸金属塩を例示す
ることができる。
るために使用する触媒として、塩酸、硫酸、スルファミ
ン酸などの無機塩;しゅう酸、マレイン酸、ぎ酸、安息
香酸、サリチル酸パラトルエンスルホン酸などの有機
酸;鉛、カルシウム、錫、亜鉛などの2価金属からなる
カルボン酸塩やナフテン酸などの有機酸金属塩を例示す
ることができる。
【0052】ノボラック型フェノール樹脂(B)を得る
ために使用する不活性気体として、窒素、炭酸ガス、ヘ
リウム、アルゴンを例示することができる。これは、水
蒸気。
ために使用する不活性気体として、窒素、炭酸ガス、ヘ
リウム、アルゴンを例示することができる。これは、水
蒸気。
【0053】ノボラック型フェノール樹脂(B)の重量
平均分子量は600〜13、000が好ましく、650
〜7,000が更に好ましい。
平均分子量は600〜13、000が好ましく、650
〜7,000が更に好ましい。
【0054】ノボラック型フェノール樹脂(B)の添加
量は、熱可塑性樹脂(A)100重量部に対して3〜7
0重量部、好ましくは5〜50重量部である。添加量が
3重量部未満であると難燃性が十分でなく、70重量部
を超えると成形品の機械特性が低くなる。
量は、熱可塑性樹脂(A)100重量部に対して3〜7
0重量部、好ましくは5〜50重量部である。添加量が
3重量部未満であると難燃性が十分でなく、70重量部
を超えると成形品の機械特性が低くなる。
【0055】[リン系難燃剤(C)]リン系難燃剤
(C)は、燐原子を有する化合物であり、芳香族リン酸
エステル、ポリリン酸アンモニウム、ポリリン酸メラミ
ン、トリフェニルホスフィンオキシド、トリクレジルホ
スフィンオキシド、メタンホスホン酸ジフェニル、フェ
ニルホスホン酸ジエチル、赤燐などを挙げることができ
る。リン系難燃剤(C)としては、芳香族リン酸エステ
ルおよび赤燐が好ましく、赤燐が特に好ましい。
(C)は、燐原子を有する化合物であり、芳香族リン酸
エステル、ポリリン酸アンモニウム、ポリリン酸メラミ
ン、トリフェニルホスフィンオキシド、トリクレジルホ
スフィンオキシド、メタンホスホン酸ジフェニル、フェ
ニルホスホン酸ジエチル、赤燐などを挙げることができ
る。リン系難燃剤(C)としては、芳香族リン酸エステ
ルおよび赤燐が好ましく、赤燐が特に好ましい。
【0056】リン系難燃剤は、1種または2種以上を用
いることができる。
いることができる。
【0057】リン系難燃剤(C)の芳香族リン酸エステ
ルは、一般式(2)で表される構造を有するものを挙げ
ることができる。
ルは、一般式(2)で表される構造を有するものを挙げ
ることができる。
【0058】
【化2】
【0059】(式中、R1〜R8は互いに独立して水素
原子または炭素数1〜6のアルキル基を示す。Xは2価
以上の有機基を表す。この場合2価以上の有機基とは有
機基からアルキル基、シクロアルキル基、アリール基等
から炭素に結合している水素原子の1個以上を除いてで
きる2価以上の基を意味する。具体的にはヒドロキノ
ン、レゾルシノール、ジフェニロールメタン、ジフェニ
ロールジメチルメタン、ジヒドロキシジフェニル、p−
p‘−ジヒドロキシジフェニルスルホン、ジヒドロキシ
ナフタレンなどが好ましく挙げられる。mは0または1
以上4以下の整数であり好ましくは1〜3、中でも1が
好ましい。)
原子または炭素数1〜6のアルキル基を示す。Xは2価
以上の有機基を表す。この場合2価以上の有機基とは有
機基からアルキル基、シクロアルキル基、アリール基等
から炭素に結合している水素原子の1個以上を除いてで
きる2価以上の基を意味する。具体的にはヒドロキノ
ン、レゾルシノール、ジフェニロールメタン、ジフェニ
ロールジメチルメタン、ジヒドロキシジフェニル、p−
p‘−ジヒドロキシジフェニルスルホン、ジヒドロキシ
ナフタレンなどが好ましく挙げられる。mは0または1
以上4以下の整数であり好ましくは1〜3、中でも1が
好ましい。)
【0060】リン系難燃剤(C)の赤燐としては、硬化
樹脂の被膜を持ち、かつ粉砕を必要としない黄燐の転化
処理法により直接得られる破砕面のない球体様赤燐より
なる、被覆赤燐粉末を用いることが好ましい。このよう
な被覆赤燐粉末を用いると、高温、機械的ショックなど
により発火やホスフィン発生などの危険性がなく好まし
い。
樹脂の被膜を持ち、かつ粉砕を必要としない黄燐の転化
処理法により直接得られる破砕面のない球体様赤燐より
なる、被覆赤燐粉末を用いることが好ましい。このよう
な被覆赤燐粉末を用いると、高温、機械的ショックなど
により発火やホスフィン発生などの危険性がなく好まし
い。
【0061】被覆赤燐粉末の赤燐としては、黄燐の転化
処理法により直接得られる破砕面のない球体様を用いる
ことが好ましい。このような球状赤燐を用いることによ
り、表面が極めて安定化され、赤燐の安定化が高まり組
成物の安定性が向上する。
処理法により直接得られる破砕面のない球体様を用いる
ことが好ましい。このような球状赤燐を用いることによ
り、表面が極めて安定化され、赤燐の安定化が高まり組
成物の安定性が向上する。
【0062】これにたいして、粉砕工程を経て得られた
赤燐は、通常転化釜と称する反応容器中で黄燐を数日間
加熱処理することによって製造され、この場合、赤燐は
塊状物として得られ、難燃剤として樹脂組成物の添加剤
として使用するときには粉砕工程が必要となる。このよ
うな粉砕工程を経て得られた赤燐を用いると、粉砕によ
って粒子表面に多くの活性点が形成され、酸素や水分子
と反応し発火もしくはホスフィン、酸化生成物の原因に
なり、好ましくない。
赤燐は、通常転化釜と称する反応容器中で黄燐を数日間
加熱処理することによって製造され、この場合、赤燐は
塊状物として得られ、難燃剤として樹脂組成物の添加剤
として使用するときには粉砕工程が必要となる。このよ
うな粉砕工程を経て得られた赤燐を用いると、粉砕によ
って粒子表面に多くの活性点が形成され、酸素や水分子
と反応し発火もしくはホスフィン、酸化生成物の原因に
なり、好ましくない。
【0063】黄燐の転化処理法により直接得られる破砕
面のない球体様赤燐粉末は、次のような方法で好ましく
製造することができる。
面のない球体様赤燐粉末は、次のような方法で好ましく
製造することができる。
【0064】即ち、不活性ガスで置換した密閉容器中に
おいて黄燐を沸点付近の温度に加熱して赤燐の転化反応
を開始させ、転化率または赤燐の粒径が所望の水準に達
した時に反応を停止し、未転化の黄燐を溜去すると粉砕
を全く要しない微小球体様粒子又はその集合体から成る
無定形赤燐が得られる。反応時間、反応温度によって転
化率や赤燐の粒径が調節されるが、好ましい反応温度と
しては250℃〜350℃、転化率60%以下が特に好
ましい。
おいて黄燐を沸点付近の温度に加熱して赤燐の転化反応
を開始させ、転化率または赤燐の粒径が所望の水準に達
した時に反応を停止し、未転化の黄燐を溜去すると粉砕
を全く要しない微小球体様粒子又はその集合体から成る
無定形赤燐が得られる。反応時間、反応温度によって転
化率や赤燐の粒径が調節されるが、好ましい反応温度と
しては250℃〜350℃、転化率60%以下が特に好
ましい。
【0065】被覆赤燐粉末の被膜の硬化樹脂は、好まし
くはフェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステ
ル樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂およびアニリン樹脂よ
りなる群から選ばれる少なくとも1種の硬化性樹脂の硬
化物からなる。硬化樹脂の被覆量は赤燐100重量部に
対し1〜35重量部が好ましい。
くはフェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステ
ル樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂およびアニリン樹脂よ
りなる群から選ばれる少なくとも1種の硬化性樹脂の硬
化物からなる。硬化樹脂の被覆量は赤燐100重量部に
対し1〜35重量部が好ましい。
【0066】被覆赤燐粉末は、さらに被膜の硬化樹脂中
に水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜
鉛およびチタンの水酸化物よりなる群から選ばれる少な
くとも1種の無機化合物を分散含有することが好まし
く、またこれら無機化合物は上記硬化樹脂の被膜の下に
赤燐と接触して更に含有することが好ましい。
に水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜
鉛およびチタンの水酸化物よりなる群から選ばれる少な
くとも1種の無機化合物を分散含有することが好まし
く、またこれら無機化合物は上記硬化樹脂の被膜の下に
赤燐と接触して更に含有することが好ましい。
【0067】赤燐粉末の平均粒径は、好ましくは0.5
〜40μmであり、より好ましくは1〜35μmであ
る。この平均粒子径が0.5μm未満であると分散の均
一性の点より好ましくなく、一方40μmを超えると機
械特性や難燃性の低下の点より好ましくない。
〜40μmであり、より好ましくは1〜35μmであ
る。この平均粒子径が0.5μm未満であると分散の均
一性の点より好ましくなく、一方40μmを超えると機
械特性や難燃性の低下の点より好ましくない。
【0068】被覆赤燐粉末は、赤燐単独に比べて取り扱
いなどの安全性の点で著しく改善されているが、被覆赤
燐粉末の使用に際して、さらに安全性を期すため熱可塑
性樹脂と予め溶融混練されたマスターペレットとして用
いられること望ましい。マスターペレットを用いること
により、成形品としたときに得られる成形品の機械的強
度が優れる樹脂組成物を得ることができる。
いなどの安全性の点で著しく改善されているが、被覆赤
燐粉末の使用に際して、さらに安全性を期すため熱可塑
性樹脂と予め溶融混練されたマスターペレットとして用
いられること望ましい。マスターペレットを用いること
により、成形品としたときに得られる成形品の機械的強
度が優れる樹脂組成物を得ることができる。
【0069】この場合、溶融混練に用いる熱可塑性樹脂
としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、EPDM、
エチレンエチルアクリレート、エチレンメチルアクリレ
ート、熱可塑性ポリエステル、ポリアミドまたは芳香族
ポリカーボネートを用いることができる。ポリプロピレ
ン、熱可塑性ポリエステルまたは芳香族ポリカーボネー
トが好ましい。
としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、EPDM、
エチレンエチルアクリレート、エチレンメチルアクリレ
ート、熱可塑性ポリエステル、ポリアミドまたは芳香族
ポリカーボネートを用いることができる。ポリプロピレ
ン、熱可塑性ポリエステルまたは芳香族ポリカーボネー
トが好ましい。
【0070】マスターペレット中の被覆赤燐粉末の含有
量は、用いる熱可塑性樹脂の種類によって異なるが、1
0〜50重量%が好ましい。10重量%未満では添加す
るマスターペレットの量が相対的に増えるためで、50
重量%より多いとマスターペレット化が困難であるの
と、安全性が低下する危険性があるためである。
量は、用いる熱可塑性樹脂の種類によって異なるが、1
0〜50重量%が好ましい。10重量%未満では添加す
るマスターペレットの量が相対的に増えるためで、50
重量%より多いとマスターペレット化が困難であるの
と、安全性が低下する危険性があるためである。
【0071】リン系難燃剤(C)は、熱可塑性樹脂
(A)100重量部に対して、1〜50重量部配合され
る。1重量部未満では難燃性が不十分であり、50重量
部を超えると難燃性樹脂組成物から得られる成形品の機
械的特性が低下する。なお、リン系難燃剤(C)とし
て、被覆赤燐粉末または被覆赤燐粉末のマスターペレッ
トを用いる場合、リン系難燃剤(C)の配合量は、被覆
赤燐粉末中に含有されるリン元素の重量または被覆赤燐
粉末のマスターペレット中に含有されるリン元素の重量
である。マスターペレットを用いるとき、マスターペレ
ットの熱可塑性樹脂は、熱可塑性樹脂(A)の量に算入
する。
(A)100重量部に対して、1〜50重量部配合され
る。1重量部未満では難燃性が不十分であり、50重量
部を超えると難燃性樹脂組成物から得られる成形品の機
械的特性が低下する。なお、リン系難燃剤(C)とし
て、被覆赤燐粉末または被覆赤燐粉末のマスターペレッ
トを用いる場合、リン系難燃剤(C)の配合量は、被覆
赤燐粉末中に含有されるリン元素の重量または被覆赤燐
粉末のマスターペレット中に含有されるリン元素の重量
である。マスターペレットを用いるとき、マスターペレ
ットの熱可塑性樹脂は、熱可塑性樹脂(A)の量に算入
する。
【0072】[フェノールガスの発生量]本発明の難燃
性樹脂組成物は、フェノールガスの発生量が、HS−G
C法を用い200℃×1時間の測定条件において15p
pm以下である。フェノールガスの発生量が15ppm
以下であることによって作業性並びに安全性が著しく改
良される。
性樹脂組成物は、フェノールガスの発生量が、HS−G
C法を用い200℃×1時間の測定条件において15p
pm以下である。フェノールガスの発生量が15ppm
以下であることによって作業性並びに安全性が著しく改
良される。
【0073】[添加剤]本発明の難燃性樹脂組成物は、
酸化チタン、酸化アルミニウム、硫化モリブデンおよび
酸化銅からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物
を、熱可塑性樹脂(A)100重量部に対して0.05
〜5重量部含有することが好ましい。この場合、これら
の化合物は、ホスフィンの発生量を低減させる添加剤と
して有効である。0.05重量部未満では赤燐の安定化
効果が小さく、また5重量部を超えると難燃性樹脂組成
物から得られる成形品の機械特性が低下し好ましくな
い。
酸化チタン、酸化アルミニウム、硫化モリブデンおよび
酸化銅からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物
を、熱可塑性樹脂(A)100重量部に対して0.05
〜5重量部含有することが好ましい。この場合、これら
の化合物は、ホスフィンの発生量を低減させる添加剤と
して有効である。0.05重量部未満では赤燐の安定化
効果が小さく、また5重量部を超えると難燃性樹脂組成
物から得られる成形品の機械特性が低下し好ましくな
い。
【0074】酸化銅を用いる場合、同時に赤燐と反応し
リン酸も生成するため電気特性が損なわれる傾向にあ
る。そのため、上記化合物のうち、酸化チタン、酸化ア
ルミニウム、硫化モリブデンが好ましい。
リン酸も生成するため電気特性が損なわれる傾向にあ
る。そのため、上記化合物のうち、酸化チタン、酸化ア
ルミニウム、硫化モリブデンが好ましい。
【0075】本発明の難燃性樹脂組成物には、熱可塑性
樹脂(A)100重量部に対して、ホウ酸亜鉛を0.0
5〜20重量部配合することが好ましい。0.05重量
部未満ではリン酸の安定化効果が小さく、また20重量
部を超えると成形品の機械特性が低下し好ましくない。
樹脂(A)100重量部に対して、ホウ酸亜鉛を0.0
5〜20重量部配合することが好ましい。0.05重量
部未満ではリン酸の安定化効果が小さく、また20重量
部を超えると成形品の機械特性が低下し好ましくない。
【0076】本発明の難燃性樹脂組成物は、本発明の目
的を損なわない範囲で無機充填剤を更に含有することが
できる。
的を損なわない範囲で無機充填剤を更に含有することが
できる。
【0077】かかる充填剤としては、例えば炭酸カルシ
ウム、酸化チタン、珪酸カルシウム、長石系鉱物、クレ
ー、ホワイトカーボン、カーボンブラック、ガラスビー
ズ、シリカ等の如き粒状または無定形の充填剤;カオリ
ンクレー、タルクの如き鱗片状の充填剤;ガラス繊維、
グラファイト、シリカ、アルミナ、ボロン、ウラストナ
イト、チタン酸カリウム、ホウ酸アルミニウム、炭素繊
維、アラミド繊維などの如き繊維状の充填剤があり、こ
れらは1種類又は2種類以上を併用することができる。
これらの中、組成物の機械的強度、耐熱性、寸法安定性
の点からガラス繊維が特に好ましい。ガラス繊維として
は、繊維径8〜20μm、繊維長0.05〜5mmのガ
ラス繊維が好ましい。
ウム、酸化チタン、珪酸カルシウム、長石系鉱物、クレ
ー、ホワイトカーボン、カーボンブラック、ガラスビー
ズ、シリカ等の如き粒状または無定形の充填剤;カオリ
ンクレー、タルクの如き鱗片状の充填剤;ガラス繊維、
グラファイト、シリカ、アルミナ、ボロン、ウラストナ
イト、チタン酸カリウム、ホウ酸アルミニウム、炭素繊
維、アラミド繊維などの如き繊維状の充填剤があり、こ
れらは1種類又は2種類以上を併用することができる。
これらの中、組成物の機械的強度、耐熱性、寸法安定性
の点からガラス繊維が特に好ましい。ガラス繊維として
は、繊維径8〜20μm、繊維長0.05〜5mmのガ
ラス繊維が好ましい。
【0078】これら無機充填剤は、表面処理したもので
あってもよく、例えばエポキシ系化合物、イソシアネー
ト系化合物、シラン化合物、チタネート化合物などの官
能性化合物が挙げられる。これらの化合物はあらかじめ
無機充填剤に表面処理して用いてもよく、組成物調整の
際に添加してもよい。
あってもよく、例えばエポキシ系化合物、イソシアネー
ト系化合物、シラン化合物、チタネート化合物などの官
能性化合物が挙げられる。これらの化合物はあらかじめ
無機充填剤に表面処理して用いてもよく、組成物調整の
際に添加してもよい。
【0079】無機充填剤が配合される場合、その量は熱
可塑性樹脂(A)100重量部に対して、好ましくは
0.1〜150重量部、さらに好ましくは5〜150重
量部である。
可塑性樹脂(A)100重量部に対して、好ましくは
0.1〜150重量部、さらに好ましくは5〜150重
量部である。
【0080】本発明の難燃性樹脂組成物には、エポキシ
系化合物を更に添加しても良い。
系化合物を更に添加しても良い。
【0081】エポキシ系化合物は、単官能性、二官能
性、三官能性または多官能性のエポキシ化合物である。
中でも単官能性および二官能性のエポキシ化合物を用い
るのが好ましい。主なエポキシ化合物としては、メチル
グリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、2−
エチルヘキシルグリシジルエーテル、デシルグリシジル
エーテル、ステアリルグリシジルエーテル、フェニルグ
リシジルエーテル、ブチルフェニルグリシジルエーテ
ル、アリルグリシジルエーテルなどのグリシジルエーテ
ルタイプ、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテ
ル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセ
リンジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグ
リシジルエーテル、ビスフェノールジグリシジルエーテ
ルなどのジグリシジルエーテル、安息香酸グリシジルエ
ステル、ソルビン酸グリシジルエステル等の脂肪酸グリ
シジルエステル、アジピン酸ジグリシジルエステル、テ
レフタル酸ジグリシジルエステル、オルトフタル酸ジグ
リシジルエステル等のジグリシジルエステル、3,4−
エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシク
ロヘキシルカルボキシレートなどの脂環式ジエポキシ化
合物などが挙げられる。
性、三官能性または多官能性のエポキシ化合物である。
中でも単官能性および二官能性のエポキシ化合物を用い
るのが好ましい。主なエポキシ化合物としては、メチル
グリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、2−
エチルヘキシルグリシジルエーテル、デシルグリシジル
エーテル、ステアリルグリシジルエーテル、フェニルグ
リシジルエーテル、ブチルフェニルグリシジルエーテ
ル、アリルグリシジルエーテルなどのグリシジルエーテ
ルタイプ、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテ
ル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセ
リンジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグ
リシジルエーテル、ビスフェノールジグリシジルエーテ
ルなどのジグリシジルエーテル、安息香酸グリシジルエ
ステル、ソルビン酸グリシジルエステル等の脂肪酸グリ
シジルエステル、アジピン酸ジグリシジルエステル、テ
レフタル酸ジグリシジルエステル、オルトフタル酸ジグ
リシジルエステル等のジグリシジルエステル、3,4−
エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシク
ロヘキシルカルボキシレートなどの脂環式ジエポキシ化
合物などが挙げられる。
【0082】また、多官能性エポキシ化合物として、ビ
ニル芳香族化合物−ブタジエン共重合体から成り、ブタ
ジエン部分の一部がエポキシ化された化合物も用いるこ
とができる。ブタジエン部分の一部分が水素添加されて
いてもかまわない。
ニル芳香族化合物−ブタジエン共重合体から成り、ブタ
ジエン部分の一部がエポキシ化された化合物も用いるこ
とができる。ブタジエン部分の一部分が水素添加されて
いてもかまわない。
【0083】かかるエポキシ系化合物を添加する場合、
その添加量は、熱可塑性樹脂(A)100重量部に対し
て、好ましくは0.001〜10重量部、さらに好まし
くは0.01〜5重量部である。0.001重量部未満
であると加水分解性の向上が小さく、10重量部を超え
ると他の機械特性に影響を与えるため好ましくない。
その添加量は、熱可塑性樹脂(A)100重量部に対し
て、好ましくは0.001〜10重量部、さらに好まし
くは0.01〜5重量部である。0.001重量部未満
であると加水分解性の向上が小さく、10重量部を超え
ると他の機械特性に影響を与えるため好ましくない。
【0084】エポキシ系化合物を用いる場合、エポキシ
の開環触媒として、例えば4級アンモニウム塩、3級ア
ミン、イミダゾール化合物、アルカリ金属またはアルカ
リ土類金属の塩もしくはホスホニウム塩を用いることが
できる。エポキシ開環触媒を用いることによって、更に
エポキシ系化合物の反応性を高めることができる。
の開環触媒として、例えば4級アンモニウム塩、3級ア
ミン、イミダゾール化合物、アルカリ金属またはアルカ
リ土類金属の塩もしくはホスホニウム塩を用いることが
できる。エポキシ開環触媒を用いることによって、更に
エポキシ系化合物の反応性を高めることができる。
【0085】4級アンモニウム塩としては、トリエチル
ベンジルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモ
ニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムクロライ
ド、テトラブチルアンモニウムクロライド等、3級アミ
ンとしてはジメチルベンジルアミン、ジメチルフェニル
アミン、トリブチルアミン、トリス(ジメチルアミノ)
メチルフェノールを例示することができる。
ベンジルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモ
ニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムクロライ
ド、テトラブチルアンモニウムクロライド等、3級アミ
ンとしてはジメチルベンジルアミン、ジメチルフェニル
アミン、トリブチルアミン、トリス(ジメチルアミノ)
メチルフェノールを例示することができる。
【0086】イミダゾール化合物としては、2−メチル
−4−エチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、
2−エチルイミダゾールを例示することができる。
−4−エチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、
2−エチルイミダゾールを例示することができる。
【0087】アルカリ土類金属塩としては、酢酸ナトリ
ウム、カプロン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ス
テアリン酸ナトリウム、アスコルビン酸ナトリウム、リ
ン酸ニ水素ナトリウム、ステアリン酸カルシウムを例示
することができる。
ウム、カプロン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ス
テアリン酸ナトリウム、アスコルビン酸ナトリウム、リ
ン酸ニ水素ナトリウム、ステアリン酸カルシウムを例示
することができる。
【0088】ホスホニウム塩としては、テトラメチルホ
スホニウムブロマイド、テトラブチルホスホニウムベン
ゾトリアゾラート、テトラブチルホスホニウムブロマイ
ドを例示することができる。
スホニウムブロマイド、テトラブチルホスホニウムベン
ゾトリアゾラート、テトラブチルホスホニウムブロマイ
ドを例示することができる。
【0089】アルカリ土類金属塩またはアルカリ土類金
属塩の中でも、脂肪酸の金属塩が好ましい。
属塩の中でも、脂肪酸の金属塩が好ましい。
【0090】エポキシの開環触媒が用いられる場合、そ
の添加量は、熱可塑性樹脂(A)100重量部に対し
て、好ましくは0.0001〜5重量部、更に好ましく
は0.0001〜1重量部である。0.0001重量部
未満であると触媒効果が小さく、5重量部を超えると機
械的特性に悪影響を与えるため好ましくない。
の添加量は、熱可塑性樹脂(A)100重量部に対し
て、好ましくは0.0001〜5重量部、更に好ましく
は0.0001〜1重量部である。0.0001重量部
未満であると触媒効果が小さく、5重量部を超えると機
械的特性に悪影響を与えるため好ましくない。
【0091】本発明の難燃性樹脂組成物には、酸化防止
剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、核剤、可塑剤、離
型剤、顔料等の通常使用される添加剤、ポリテトラフル
オロエチレンのような難燃性改質剤を更に添加しても良
い。これら添加剤が添加される場合、熱可塑性樹脂
(A)100重量部に対して0.1〜10重量部使用す
ると好ましい。また、各種エラストマーの如き衝撃改良
剤を添加することもできるが、この量は、熱可塑性樹脂
(A)100重量部に対して1〜50重量部が好まし
い。
剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、核剤、可塑剤、離
型剤、顔料等の通常使用される添加剤、ポリテトラフル
オロエチレンのような難燃性改質剤を更に添加しても良
い。これら添加剤が添加される場合、熱可塑性樹脂
(A)100重量部に対して0.1〜10重量部使用す
ると好ましい。また、各種エラストマーの如き衝撃改良
剤を添加することもできるが、この量は、熱可塑性樹脂
(A)100重量部に対して1〜50重量部が好まし
い。
【0092】[製造方法]本発明の難燃性樹脂組成物
は、熱可塑性樹脂、リン系難燃剤、ノボラック型フェノ
ール樹脂、ガラス繊維など各成分を、エクストルーダー
を用いて同時に溶融混練する方法で製造することができ
る。成分のいづれかが予め溶融混練されていてもよい。
は、熱可塑性樹脂、リン系難燃剤、ノボラック型フェノ
ール樹脂、ガラス繊維など各成分を、エクストルーダー
を用いて同時に溶融混練する方法で製造することができ
る。成分のいづれかが予め溶融混練されていてもよい。
【0093】ノボラック型フェノール樹脂は熱可塑性樹
脂として用いられ、難燃性樹脂組成物中で均一に分散さ
せることが難燃性の効果を持たせる上で望ましく、被覆
赤燐粉末の被覆に用いられる硬化樹脂とは分散性は異な
るものである。
脂として用いられ、難燃性樹脂組成物中で均一に分散さ
せることが難燃性の効果を持たせる上で望ましく、被覆
赤燐粉末の被覆に用いられる硬化樹脂とは分散性は異な
るものである。
【0094】エクストルーダーで溶融混練して得られた
難燃性樹脂組成物は、ペレターザーによりペレット状に
カットした後、成形して成形品とすることができる。成
形の方法は、射出成形、ブロー成形などいかなる成形方
法をとってもかまわない。
難燃性樹脂組成物は、ペレターザーによりペレット状に
カットした後、成形して成形品とすることができる。成
形の方法は、射出成形、ブロー成形などいかなる成形方
法をとってもかまわない。
【0095】[用途]本発明の難燃性樹脂組成物は、家
電、OA機器など電子・電気用途の成形部品や自動車用
途などにおいて好適に使用することができる。また熱可
塑性樹脂(A)として芳香族ポリエステルを用いた難燃
性樹脂組成物は、スイッチ部品、モーター部品、イグニ
ッションコイルケース、コイルボビン、コネクター、リ
レーケース、ヒューズケース、フライバクトランス部
品、フォーカスブロック部品、ディストリビューターキ
ャップおよびハーネスコネクター用途に特に好適に用い
ることができる。
電、OA機器など電子・電気用途の成形部品や自動車用
途などにおいて好適に使用することができる。また熱可
塑性樹脂(A)として芳香族ポリエステルを用いた難燃
性樹脂組成物は、スイッチ部品、モーター部品、イグニ
ッションコイルケース、コイルボビン、コネクター、リ
レーケース、ヒューズケース、フライバクトランス部
品、フォーカスブロック部品、ディストリビューターキ
ャップおよびハーネスコネクター用途に特に好適に用い
ることができる。
【0096】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳述する。
なお、燃燃性樹脂組成物を構成する成分の配合量の単位
は、特に記載のない限り重量部である。重量部を部と略
称することがある。また難燃性樹脂組成物の特性は、下
記の方法により測定した。
なお、燃燃性樹脂組成物を構成する成分の配合量の単位
は、特に記載のない限り重量部である。重量部を部と略
称することがある。また難燃性樹脂組成物の特性は、下
記の方法により測定した。
【0097】《1.ポリマーの固有粘度》オルトクロロ
フェノール溶媒を用いて35℃で測定した。
フェノール溶媒を用いて35℃で測定した。
【0098】《2.難燃性》UL94規格垂直燃焼試験
法により、0.8mm厚みの試験片を用いて難燃性を評
価した。難燃性はUL94に記載の評価方法に従ってV
−O、V−1、V−2、HBの4種類に分類した。
法により、0.8mm厚みの試験片を用いて難燃性を評
価した。難燃性はUL94に記載の評価方法に従ってV
−O、V−1、V−2、HBの4種類に分類した。
【0099】《3.遊離フェノール量および2核体量》 (1)ノボラック型フェノール樹脂の分析 ノボラック型フェノール樹脂中に残存する遊離フェノー
ルおよび2核体の測定は以下の分析方法に従い行った。 ・GC分析 フェノール樹脂を100mg秤量し、アセトン1mlで希釈
後1μlをガスクロマトグラフに注入してリテンション
タイム4.6のピーク(フェノール)および18.3と
19.1のピーク(それぞれジフェノールメタン)を測
定した。尚、ジフェノールメタンは2核体成分に相当す
る。内部標準物質にtブチルフェノールを添加し測定し
た。 <分析条件> ガスクロマトグラフ: HP5890(ヒューレットパッカード社製) カラム: UA17(フロンティア・ラボ社製)30m ID=0.25mm IF=0.25μm GC条件: Inj.temp=320℃ Det.temp=320℃ Inj.flow=1ml/min Split=1:50 オーブン温度100℃,2min保持→10℃/min→32
0℃,10min
ルおよび2核体の測定は以下の分析方法に従い行った。 ・GC分析 フェノール樹脂を100mg秤量し、アセトン1mlで希釈
後1μlをガスクロマトグラフに注入してリテンション
タイム4.6のピーク(フェノール)および18.3と
19.1のピーク(それぞれジフェノールメタン)を測
定した。尚、ジフェノールメタンは2核体成分に相当す
る。内部標準物質にtブチルフェノールを添加し測定し
た。 <分析条件> ガスクロマトグラフ: HP5890(ヒューレットパッカード社製) カラム: UA17(フロンティア・ラボ社製)30m ID=0.25mm IF=0.25μm GC条件: Inj.temp=320℃ Det.temp=320℃ Inj.flow=1ml/min Split=1:50 オーブン温度100℃,2min保持→10℃/min→32
0℃,10min
【0100】(2)樹脂組成物の分析 樹脂組成物のベレットの遊離フェノール成分量の測定は
以下の分析方法に従い行った。 ・HS−GC分析 ペレットを液体窒素で冷却しながら凍結粉砕した後、1
gをバイアル(22ml)に入れ、パッキンで密栓後2
00℃,60分間加熱し、発生したガスを自動的にガス
クロマトグラフに導入してフェノールを測定した。 <分析条件> ヘッドスペースサンプラー: HS40XL(パーキンエルマー社製) ガスクロマトグラフ: HP6890(ヒューレットパッカード社製) カラム: TC1701(GLサイエンス社製)60m ID=0.25mm IF=0.25μm GC条件: Inj.temp=300℃ Det.temp=300℃ Inj.pressu
re=175Kpa Split=1:40 オーブン温度50℃,2min保持→10℃/min→250
℃,10min
以下の分析方法に従い行った。 ・HS−GC分析 ペレットを液体窒素で冷却しながら凍結粉砕した後、1
gをバイアル(22ml)に入れ、パッキンで密栓後2
00℃,60分間加熱し、発生したガスを自動的にガス
クロマトグラフに導入してフェノールを測定した。 <分析条件> ヘッドスペースサンプラー: HS40XL(パーキンエルマー社製) ガスクロマトグラフ: HP6890(ヒューレットパッカード社製) カラム: TC1701(GLサイエンス社製)60m ID=0.25mm IF=0.25μm GC条件: Inj.temp=300℃ Det.temp=300℃ Inj.pressu
re=175Kpa Split=1:40 オーブン温度50℃,2min保持→10℃/min→250
℃,10min
【0101】《4.成形時の白煙量》成形時においてパ
ージ時にノズルの先端より発生するガス状の白煙量を目
視で評価した。白煙量がめだたない時を○、白煙量が著
しく確認された場合を×で表した。
ージ時にノズルの先端より発生するガス状の白煙量を目
視で評価した。白煙量がめだたない時を○、白煙量が著
しく確認された場合を×で表した。
【0102】《5.長期加水分解後の絶縁破壊強さ評
価》型締力100tonの射出成形機(名機(株)社
製)を用い、60mm×100mm×1.5mmの平板
を作成した。同成形品を121℃、100%RH、2.
1気圧の条件において200時間湿熱処理を行った。2
4時間室温で空冷した後、絶縁耐力試験装置(聖電工業
(株)社製型式EU−50)を用い1kV/secの昇
圧速度の試験方法で破壊する電圧を測定し、破壊した部
分の厚みで割って1mm厚みあたりの絶縁破壊強さを求
めた。なお、電極には、下側が25φ平面状、上側が2
0φ球状の電極を用い、荷重500g、電流60mAで
測定した。
価》型締力100tonの射出成形機(名機(株)社
製)を用い、60mm×100mm×1.5mmの平板
を作成した。同成形品を121℃、100%RH、2.
1気圧の条件において200時間湿熱処理を行った。2
4時間室温で空冷した後、絶縁耐力試験装置(聖電工業
(株)社製型式EU−50)を用い1kV/secの昇
圧速度の試験方法で破壊する電圧を測定し、破壊した部
分の厚みで割って1mm厚みあたりの絶縁破壊強さを求
めた。なお、電極には、下側が25φ平面状、上側が2
0φ球状の電極を用い、荷重500g、電流60mAで
測定した。
【0103】[参考例1、2]実施例で用いるノボラッ
ク型フェノール樹脂として、住友デュレズ(株)製PR
53647(重量平均分子量840)を、比較例で用い
るノボラック型フェノール樹脂として、住友デュレズ
(株)製 PR53195(重量平均分子量1000)
を準備した。これらの材料のGC測定を行い、それぞれ
のノボラック型フェノール樹脂に含まれる遊離フェノー
ル成分及び2核体成分量を比較した結果を表1、2に示
す。
ク型フェノール樹脂として、住友デュレズ(株)製PR
53647(重量平均分子量840)を、比較例で用い
るノボラック型フェノール樹脂として、住友デュレズ
(株)製 PR53195(重量平均分子量1000)
を準備した。これらの材料のGC測定を行い、それぞれ
のノボラック型フェノール樹脂に含まれる遊離フェノー
ル成分及び2核体成分量を比較した結果を表1、2に示
す。
【0104】
【表1】
【0105】
【表2】
【0106】但し、表2の単位の%は、ノボラック型フ
ェノール樹脂を基準とする重量%である。
ェノール樹脂を基準とする重量%である。
【0107】[実施例1〜8および比較例1〜6]熱可
塑性ポリエステルとして、ポリテトラメチレンテレフタ
レート(PBT:帝人(株)製、固有粘度0.92dl
/g 末端COOH基濃度8eq/ton)、ポリテトラメチ
レン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート(PB
N:帝人(株)製、固有粘度0.76dl/g)及びポリエ
チレンテレフタレート(PET:帝人(株)製、固有粘
度0.83dl/g)を準備した。
塑性ポリエステルとして、ポリテトラメチレンテレフタ
レート(PBT:帝人(株)製、固有粘度0.92dl
/g 末端COOH基濃度8eq/ton)、ポリテトラメチ
レン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート(PB
N:帝人(株)製、固有粘度0.76dl/g)及びポリエ
チレンテレフタレート(PET:帝人(株)製、固有粘
度0.83dl/g)を準備した。
【0108】ガラス繊維として、日東紡(株)製 CS
3PE948S(繊維径13μm、繊維長3mm)を準
備した。
3PE948S(繊維径13μm、繊維長3mm)を準
備した。
【0109】リン系難燃剤として、被覆赤燐粉末のマス
ターペレットを準備した。これは、被覆赤燐粉末(ノー
バエクセル140:燐化学工業(株)製)30重量%
と、PBT(固有粘度0.69dl/g、末端COOH基濃
度17eq/ton:帝人(株)製)70重量%とからなる。
この被覆赤燐粉末は、粉砕を必要としない黄燐の転化処
理法により直接得られる破砕面のない球体様赤燐よりな
り、球体様赤燐に接して水酸化ナトリウムおよび熱硬化
型フェノール樹脂の被覆層を有する。この被覆赤燐粉末
は、平均粒径が30μmであり、被覆赤燐粉末に占める
赤燐の量は、95重量%である。
ターペレットを準備した。これは、被覆赤燐粉末(ノー
バエクセル140:燐化学工業(株)製)30重量%
と、PBT(固有粘度0.69dl/g、末端COOH基濃
度17eq/ton:帝人(株)製)70重量%とからなる。
この被覆赤燐粉末は、粉砕を必要としない黄燐の転化処
理法により直接得られる破砕面のない球体様赤燐よりな
り、球体様赤燐に接して水酸化ナトリウムおよび熱硬化
型フェノール樹脂の被覆層を有する。この被覆赤燐粉末
は、平均粒径が30μmであり、被覆赤燐粉末に占める
赤燐の量は、95重量%である。
【0110】ノボラック型フェノール樹脂として、住友
デュレズ(株)製 PR53647(重量平均分子量8
40)を準備した。
デュレズ(株)製 PR53647(重量平均分子量8
40)を準備した。
【0111】ノボラック型フェノール樹脂の比較例とし
て、住友デュレズ(株)製 PR53195(重量平均
分子量1000)を準備した。
て、住友デュレズ(株)製 PR53195(重量平均
分子量1000)を準備した。
【0112】その他、エポキシAとしてダイセル化学
(株)製セロキサイド2021P(3,4−エポキシシ
クロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキシル
カルボキシレート)およびエポキシBとしてダイセル化
学(株)製エポフレンド1010A(エポキシ化スチレ
ンブタジエンスチレンポリマー)を、更にエポキシ開環
触媒としてステアリン酸カルシウム(日本油脂(株)製
GF−200)を準備した。
(株)製セロキサイド2021P(3,4−エポキシシ
クロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキシル
カルボキシレート)およびエポキシBとしてダイセル化
学(株)製エポフレンド1010A(エポキシ化スチレ
ンブタジエンスチレンポリマー)を、更にエポキシ開環
触媒としてステアリン酸カルシウム(日本油脂(株)製
GF−200)を準備した。
【0113】これらの材料を表3、4に示す割合で、二
軸押出機のTEX44(日本製鋼所(株)製、スクリュ
ー径44mm)に供給し、シリンダー温度は、実施例1
〜6及び比較例1〜4では250℃、実施例7〜8及び
比較例5〜6では280℃、吐出量はいずれも50Kg
/hr、スクリュー回転数160r.p.mにて溶融混練を
行い、カッターによりペレット化した。このときのQ/
Nの値は0.31である。実施例中の押出加工性はいず
れもスレッド切れが殆ど起こらず安定なものであった。
軸押出機のTEX44(日本製鋼所(株)製、スクリュ
ー径44mm)に供給し、シリンダー温度は、実施例1
〜6及び比較例1〜4では250℃、実施例7〜8及び
比較例5〜6では280℃、吐出量はいずれも50Kg
/hr、スクリュー回転数160r.p.mにて溶融混練を
行い、カッターによりペレット化した。このときのQ/
Nの値は0.31である。実施例中の押出加工性はいず
れもスレッド切れが殆ど起こらず安定なものであった。
【0114】
【表3】
【0115】
【表4】
【0116】得られたチップを130℃で5時間乾燥
後、実施例1〜6及び比較例1〜4では溶融温度260
℃、金型温度60℃、実施例7及び比較例5では溶融温
度280℃、金型温度130℃、実施例8及び比較例6
では溶融温度280℃、金型温度60℃の条件に設定
し、燃焼試験片及び絶縁破壊強さを測定する平板を作成
した。これらの試験片を用いて燃焼試験、遊離フェノー
ル量および2核体量、長期加水分解試験後の絶縁破壊強
さを評価した。結果を表5、6及び7に示す。
後、実施例1〜6及び比較例1〜4では溶融温度260
℃、金型温度60℃、実施例7及び比較例5では溶融温
度280℃、金型温度130℃、実施例8及び比較例6
では溶融温度280℃、金型温度60℃の条件に設定
し、燃焼試験片及び絶縁破壊強さを測定する平板を作成
した。これらの試験片を用いて燃焼試験、遊離フェノー
ル量および2核体量、長期加水分解試験後の絶縁破壊強
さを評価した。結果を表5、6及び7に示す。
【0117】
【表5】
【0118】
【表6】
【0119】
【表7】
【0120】参考例1、2より、実施例で使用している
参考例1のフェノール樹脂は、遊離フェノール成分およ
び2核体成分の含有量が非常に少ないことがわかる。
参考例1のフェノール樹脂は、遊離フェノール成分およ
び2核体成分の含有量が非常に少ないことがわかる。
【0121】実施例1〜4及び比較例1〜4より、参考
例1のフェノール樹脂を用いることにより、ペレットに
残存している遊離フェノール量が著しく低減しているこ
とが確認され、また目視の評価においても成形時にノズ
ル先端より発生する白煙量の著しい現象が確認された。
更にULV−0相当の難燃性も確認された。
例1のフェノール樹脂を用いることにより、ペレットに
残存している遊離フェノール量が著しく低減しているこ
とが確認され、また目視の評価においても成形時にノズ
ル先端より発生する白煙量の著しい現象が確認された。
更にULV−0相当の難燃性も確認された。
【0122】実施例7、8及び比較例5、6はポリマー
としてPETおよびPBNを用いているが、同様に遊離
フェノール量の低減およびV−0相当の難燃性が確認さ
れた。
としてPETおよびPBNを用いているが、同様に遊離
フェノール量の低減およびV−0相当の難燃性が確認さ
れた。
【0123】また表7から明らかなように、参考例1で
用いているフェノール樹脂は参考例2のフェノール樹脂
よりも長期加水分解試験後の絶縁破壊強さが向上してい
ることが確認された。
用いているフェノール樹脂は参考例2のフェノール樹脂
よりも長期加水分解試験後の絶縁破壊強さが向上してい
ることが確認された。
【0124】
【発明の効果】本発明によれば、非ハロゲン系の難燃性
樹脂組成物であって、高い難燃性を有しかつ揮発ガスの
発生量が少なく作業安全性に優れ、長期加水分解試験後
の絶縁破壊強さに優れる樹脂組成物を提供することがで
きる。
樹脂組成物であって、高い難燃性を有しかつ揮発ガスの
発生量が少なく作業安全性に優れ、長期加水分解試験後
の絶縁破壊強さに優れる樹脂組成物を提供することがで
きる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/49 C08K 5/49 9/04 9/04 C08L 67/02 C08L 67/02 //(C08L 101/00 61:06) (72)発明者 押野 博二 千葉県千葉市緑区大野台1丁目4番13号 帝人株式会社千葉研究センター内 (72)発明者 春原 淳 千葉県千葉市緑区大野台1丁目4番13号 帝人株式会社千葉研究センター内 Fターム(参考) 4J002 CC062 CF051 CF061 CF071 CF081 CF163 DA017 DA027 DA037 DA056 DE137 DE147 DE187 DE237 DG027 DJ007 DJ017 DJ037 DK007 DL007 EL028 FA017 FA047 FA087 FB266 FD136
Claims (9)
- 【請求項1】 (A)熱可塑性樹脂100重量部、
(B)遊離フェノール成分の含有率が0.1重量%未満
であり、かつ2核体成分の含有率が5重量%未満である
ノボラック型フェノール樹脂3〜70重量部 および
(C)リン系難燃剤1〜50重量部 より成り、フェノ
ールガスの発生量がHS−GC法を用い200℃×1時
間の測定条件において15ppm以下である難燃性樹脂
組成物。 - 【請求項2】 熱可塑性樹脂(A)が熱可塑性ポリエス
テルである請求項1に記載の難燃性樹脂組成物。 - 【請求項3】 熱可塑性ポリエステルが、エチレンテレ
フタレート、トリメチレンテレフタレート、テトラメチ
レンテレフタレートまたはテトラメチレン−2,6−ナ
フタレンジカルボキシレートを主たる繰り返し単位とす
る熱可塑性ポリエステルである請求項2に記載の難燃性
樹脂組成物。 - 【請求項4】 リン系難燃剤(C)が赤燐である請求項
1に記載の難燃性樹脂組成物。 - 【請求項5】 リン系難燃剤(C)が、硬化樹脂の被膜
を持ち、かつ粉砕を必要としない黄燐の転化処理法によ
り直接得られる破砕面のない球体様赤燐よりなる被覆赤
燐粉末である、請求項1に記載の難燃性樹脂組成物。 - 【請求項6】 ノボラック型フェノール樹脂(B)の重
量平均分子量が600〜13,000である請求項1に
記載の難燃性樹脂組成物。 - 【請求項7】 リン系難燃剤(C)が、硬化樹脂の被膜
を持ち、かつ粉砕を必要としない黄燐の転化処理法によ
り直接得られる破砕面のない球体様赤燐よりなる被覆赤
燐粉末であり、該被覆赤燐粉末の平均粒径が0.5〜4
0μmである、請求項1に記載の組成物。 - 【請求項8】 無機充填剤が0.1〜150重量部の範
囲で更に含有される請求項1に記載の難燃性樹脂組成
物。 - 【請求項9】 エポキシ化合物が0.001〜10重量
部の範囲で更に含有される請求項1に記載の難燃性樹脂
組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10534299A JP2000297216A (ja) | 1999-04-13 | 1999-04-13 | 難燃性樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10534299A JP2000297216A (ja) | 1999-04-13 | 1999-04-13 | 難燃性樹脂組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000297216A true JP2000297216A (ja) | 2000-10-24 |
Family
ID=14405074
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10534299A Pending JP2000297216A (ja) | 1999-04-13 | 1999-04-13 | 難燃性樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000297216A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2002090435A1 (fr) * | 2001-05-02 | 2002-11-14 | Asahi Kasei Kabushiki Kaisha | Composition de resine de polytrimethylene terephtalate renforcee |
JP2003286387A (ja) * | 2002-03-28 | 2003-10-10 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | 樹脂組成物、プリプレグおよび紙基材フェノール樹脂積層板 |
JP2004331967A (ja) * | 2003-04-18 | 2004-11-25 | E I Du Pont De Nemours & Co | 生分解性芳香族ポリエステルブレンド組成物から作製される射出成形品およびその製造方法 |
JP2008284515A (ja) * | 2007-05-21 | 2008-11-27 | Daicel Polymer Ltd | 集塵エレメント用部材及び集塵エレメント |
-
1999
- 1999-04-13 JP JP10534299A patent/JP2000297216A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US7186764B2 (en) | 2001-05-02 | 2007-03-06 | Asahi Kasei Kabushiki Kaisha | Reinforced polytrimethylene terephthalate resin composition |
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