JPH1171520A - ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物 - Google Patents

ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物

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JPH1171520A
JPH1171520A JP23383197A JP23383197A JPH1171520A JP H1171520 A JPH1171520 A JP H1171520A JP 23383197 A JP23383197 A JP 23383197A JP 23383197 A JP23383197 A JP 23383197A JP H1171520 A JPH1171520 A JP H1171520A
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JP
Japan
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resin
fatty acid
polyphenylene sulfide
acid
weight
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Application number
JP23383197A
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English (en)
Inventor
Nobukatsu Wakabayashi
信克 若林
Tatsuhiko Hatakeyama
達彦 畠山
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Mitsubishi Engineering Plastics Corp
Original Assignee
Mitsubishi Engineering Plastics Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 引張り強度、衝撃強度、成形性に優れ、また
エポキシ樹脂との接着性および離型性に優れたポリフェ
ニレンスルフィド樹脂組成物を提供する。 【構成】 (A)ポリフェニレンスルフィド樹脂100
重量部に、(B)共重合成分として二量体化脂肪酸を含
む共重合ポリアミド樹脂0.5〜30重量部、(C)エ
ポキシ樹脂0.1〜10重量部、(D)多価アルコール
の脂肪酸部分エステル化合物0.1〜10重量部および
(E)充填材0〜400重量部を配合してなるポリフェ
ニレンスルフィド樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリフェニレンス
ルフィド樹脂組成物に関し、詳しくは、接着性および離
型性に優れたポリフェニレンスルフィド樹脂組成物に関
する。
【0002】
【従来の技術】ポリフェニレンスルフィド樹脂(以下、
PPS樹脂と称することもある。)は、耐熱性、難燃
性、機械的特性、耐薬品性、耐水性、寸法安定性に優れ
るエンジニアリングプラスチックとして、電気、電子部
品、自動車部品、産業機械部品等の分野で利用されてい
る。しかし、PPS樹脂は、エポキシ樹脂との接着強度
が低く、例えば、回路や電子部品等収納ケースに用いら
れる時に保護のためエポキシ樹脂で封止する場合、接着
性が不十分であり、また成形品の形状が複雑である場
合、成形金型からの離型が困難であった。このため、離
型剤を添加すると、エポキシ樹脂との接着性が更に低下
するという欠点があった。
【0003】エポキシ樹脂との接着性が改善されたPP
S樹脂としては、例えば、カルバナワックスを含有する
樹脂組成物が特開平2−272063号公報に、芳香族
ビニル化合物と不飽和カルボン酸またはその酸無水物か
らなる共重合体を含む樹脂組成物が特開平3−7446
2号公報に開示されている。また、ポリアルキレンエー
テル化合物が配合された樹脂組成物が特開平4−275
368号公報に、芳香族スルホン化合物が配合された樹
脂組成物が特開平6−57136号公報に、脂肪族ポリ
エステルが配合された樹脂組成物が特開平6ー1079
46号公報に開示されている。しかしながら、これら組
成物のいずれにおいても、配合物の耐熱性が不十分であ
ることから、樹脂組成物を用いて成形する際に熱分解が
生じやすく、強度低下が起こる等の不具合があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、PP
S樹脂本来の物性である耐熱性、耐薬品性、耐水性等を
損なうことなく、引張り強度、衝撃強度、成形性および
エポキシ樹脂との接着性に優れ、且つ離型性に優れたポ
リフェニレンスルフィド樹脂組成物を提供することにあ
る。
【0005】
【課題が解決するための手段】本発明は、上記の問題を
解決するためになされたものであり、その要旨は、
(A)ポリフェニレンスルフィド樹脂100重量部に、
(B)共重合成分として二量体化脂肪酸成分を含む共重
合ポリアミド樹脂0.5〜30重量部、(C)エポキシ
樹脂0.1〜10重量部、(D)多価アルコールの脂肪
酸部分エステル化合物0.1〜10重量部および(E)
繊維状充填材0〜400重量部を配合してなるポリフェ
ニレンスルフィド樹脂組成物に存する。
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おけるポリフェニレンスルフィド樹脂としては、基本的
には、パラフェニレンスルフィド骨格を70モル%以
上、好ましくは90モル%以上からなるポリフェニレン
スルフィド樹脂が挙げられる。ポリフェニレンスルフィ
ド樹脂のとしては、一般に、特公昭45ー3368公報
に記載されているパラジクロルベンゼンと硫化ソーダか
ら得られる比較的低分子量のPPSを酸素雰囲気下高温
加熱処理をして分子量を高めた架橋型PPS、特公昭5
2ー12240号公報に記載されている有機酸のアルカ
リ金属塩存在下パラジクロルベンゼンと硫化ソーダから
得られる高分子量リニア型PPS、特公平02ー677
4号公報に記載されている微量の水存在下パラジクロル
ベンゼンと硫化ソーダから得られるリニア型PPS、架
橋型PPSとリニア型PPSとの中間的製法により得ら
れる半架橋型PPSなどが挙げられる。
【0007】また、PPSをパラジクロルベンゼンと硫
化ソーダから製造する際、ポリマー回収過程で種々の溶
剤除去法、ポリマー洗浄法(水洗、溶媒洗浄、酸洗浄
等)が提案されている。本発明におけるポリフェニレン
スルフィド樹脂としては、これらいずれの方法によって
得られるPPSであっても使用できるが、好ましくは、
リニア型PPSが挙げられる。
【0008】本発明における共重合成分として二量体化
脂肪酸成分を含む共重合ポリアミド樹脂としては、二量
体化脂肪酸とジアミンとを重合してなるポリアミド成分
および3員環以上のラクタム、重合可能なω−アミノ
酸、または二塩基酸とジアミンとを重合してなるポリア
ミド成分を含む共重合ポリアミド樹脂が挙げられる。
【0009】3員環以上のラクタムとしては、ε−カプ
ロラクタム、ユナントラクタム、カプリルラクタム、ラ
ウリルラクタム、α−ピロリドン、α−ピペリドンなど
が挙げられる。ω−アミノ酸類としては、6−アミノカ
プロン酸、7−アミノヘプタン酸、9−アミノノナン
酸、11−アミノウンデカン酸などが挙げられる。
【0010】二塩基酸類としては、アジピン酸、グルタ
ル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、サバシ
ン酸、ウンデカンジオン酸、ドデカジオン酸、ヘキサデ
カジオン酸、ヘキサデセンジオン酸、エイコサンジオン
酸、エイコサジエンジオン酸、ジグリコール酸、2,
2,4−トリメチルアジピン酸、キシリレンジカルボン
酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル
酸、イソフタル酸などが挙げられる。
【0011】ジアミン類としては、好ましくは炭素数2
〜22のジアミン類が挙げられ、具体例としては、エチ
レンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレン
ジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジ
アミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジア
ミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、
ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、
トリデカメチレンジアミン、ヘキサデカメチレンジアミ
ン、2,2,4−(または2,4,4−)トリメチルヘ
キサメチレンジアミンのような脂肪族ジアミン、シクロ
ヘキサンジアミン、ビスー(4、4’−アミノシクロヘ
キシル)メタンのような脂環式ジアミン、メタキシリレ
ンジアミンのような芳香環をもつジアミンなどが挙げら
れる。
【0012】3員環以上のラクタム、重合可能なω−ア
ミノ酸、または二塩基酸とジアミンとを重合してなるポ
リアミド成分の具体例としては、たとえばポリアミド
4、ポリアミド6、ポリアミド7、ポリアミド8、ポリ
アミド11、ポリアミド12、ポリアミド6.6、ポリ
アミド6.9、ポリアミド6.10、ポリアミド6.1
1、ポリアミド6.12、ポリアミド6T、ポリアミド
6/6.6、ポリアミド6/6Tなどが挙げられる。
【0013】共重合成分として含まれる二量体化脂肪酸
としては、例えば、炭素数8〜24からなり二重結合ま
たは三重結合を1個以上有する、天然油脂からの一塩基
性脂肪酸又は合成の一塩基性脂肪酸を重合して得た重合
脂肪酸が用いられる。具体例としては、リノール酸、リ
ノレン酸およびオレイン酸などの二量体が挙げられる。
市販されている重合脂肪酸は、通常、二量体化脂肪酸を
主成分とし、他に原料の脂肪酸や三量体化脂肪酸を含有
するが、二量体化脂肪酸含量が70重量%以上、好まし
くは95重量%以上、より好ましくは98重量%以上で
あるものが望ましい。市販品はダイマー酸とも呼ばれて
いる。また、市販されている重合脂肪酸はこれを蒸留し
て二量体化脂肪酸含量を高めて使用してもよいし、場合
によっては水添して不飽和度を下げて使用してもよい。
【0014】二量体化脂肪酸と共にポリマーを製造する
のに使用するジアミンとしては、エチレンジアミン、
1,4−ジアミノブタン、ヘキサメチレンジアミン、ノ
ナメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデ
カメチレンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメ
チレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレ
ンジアミン等の脂肪族ジアミン、ビス(4,4’−アミ
ノシクロヘキシル)メタン等の脂環式ジアミン、メタキ
シリレンジアミン等の芳香族ジアミンなどが挙げられ、
好ましくはヘキサメチレンジアミン等が挙げられる。
【0015】本発明における共重合成分として二量体化
脂肪酸成分を含む共重合ポリアミド樹脂の製造法として
は、例えば、二量体化脂肪酸とジアミンとを重縮合し、
更に3員環以上のラクタム、重合可能なω−アミノ酸、
または二塩基酸とジアミンとを存在させ加熱減圧下重縮
合させる方法が挙げられる。
【0016】本発明における共重合ポリアミド中の二量
体化脂肪酸成分の含有量は、10〜80重量%であり、
好ましくは20〜60重量%である。含有量が少なすぎ
ると接着性や耐衝撃性が不十分となりやすく、多すぎる
と耐熱性や耐薬品性が低下しやすい。
【0017】本発明のポリフェニレンスルフィド樹脂組
成物における共重合成分として二量体化脂肪酸を含む共
重合ポリアミド樹脂の配合量は、ポリフェニレンスルフ
ィド樹脂100重量部に対し、0.5〜30重量部であ
り、好ましくは1〜20重量部である。共重合成分とし
て二量体化脂肪酸を含む共重合ポリアミド樹脂の含有量
が少なすぎると接着性や耐衝撃性が不十分となり、多す
ぎるとPPS樹脂本来の剛性、耐熱性、耐水性、耐薬品
性が低下しやすい。
【0018】本発明におけるエポキシ樹脂としては、各
種ビスフェノールや、多価フェノール、多価アルコー
ル、ポリアルキレンオキシドポリオール等から誘導され
るグルシジル基を含有するいわゆるエポキシ樹脂であ
る。また分子内二重結合を有する化合物を過酸化水素
や、過酢酸で酸化することによって得られるエポキシ樹
脂化合物も含まれる。
【0019】エポキシ樹脂の具体例としては、ビスフェ
ノールAとエピクロルヒドリンから誘導されエポキシ当
量が180〜5000のエポキシ樹脂(エピビス型エポ
キシ樹脂)、ビスフェノールFとエピクロルヒドリンか
ら誘導されるエポキシ樹脂、フェノールノボラック樹脂
またはクレゾールノボラック樹脂とエピクロルヒドリン
から誘導されエポキシ当量が170〜1500のエポキ
シ樹脂(ノボラック型エポキシ樹脂)、不飽和二重結合
を有する脂環式化合物をエポキシ化して得られる脂環式
エポキシ樹脂、1,4ブタンジオールまたはネオペンチ
ルグリコールとエピクロルヒドリンから得られるジグリ
シジルエーテル等が挙げられ、好ましくは、エピビス型
エポキシ樹脂およびノボラック型エポキシ樹脂が挙げら
れる。エポキシ当量は、エポキシ樹脂の分子量をエポキ
シ基の数で割った値であり、エポキシ基1グラム当量を
含む樹脂のグラム数で表される。
【0020】本発明のポリフェニレンスルフィド樹脂組
成物におけるエポキシ樹脂の配合量は、ポリフェニレン
スルフィド樹脂100重量部に対し、0.1〜10重量
部であり、好ましくは0.3〜3重量部である。エポキ
シ樹脂の配合量が少なすぎると接着性が低下し、多すぎ
ると機械的強度が低下しやすい。エポキシ樹脂と共重合
成分として二量体化脂肪酸を含む共重合ポリアミド樹脂
との配合割合は、好ましくは、2/1〜1/20(重量
比)である。
【0021】本発明における多価アルコールの脂肪酸部
分エステル化合物としては、多価アルコールに脂肪酸を
反応させる際、カルボキシル基に対する水酸基の割合を
当量よりも過剰にし縮合してなる部分エステル化合物で
ある。
【0022】脂肪酸としては、炭素数6〜24の脂肪
酸、例えばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、
ステアリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸等が挙げられ、
好ましくはステアリン酸が挙げられる。多価アルコール
としては、例えばエチレングリコール、プロピレングリ
コール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグルコー
ル、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリ
スリトール、4,4’−ビス(βヒドロキシエチル)フ
ェニルプロパン等が挙げられ、好ましくはネオペンチル
グリコール、ペンタエリスリトール、トリメチロールプ
ロパン等が挙げられる。
【0023】多価アルコールの脂肪酸部分エステル化合
物の具体例としては、エチレングリコールのステアリン
酸モノエステル、プロピレングリコールのステアリン酸
モノエステル、プロピレングリコールのベヘニン酸モノ
エステル、ジエチレングリコールのベヘニン酸モノエス
テル、ネオペンチルグリコールのステアリン酸モノエス
テル、ネオペンチルグリコールのラウリン酸モノエステ
ル、ネオペンチルグリコールのミリスチン酸モノエステ
ル、ネオペンチルグリコールのパルミチン酸モノエステ
ル、ネオペンチルグリコールのオレイン酸モノエステ
ル、ネオペンチルグリコールのベヘニン酸モノエステ
ル、ペンタエリスリトールのステアリン酸ジエステル、
グリセリン1モルとステアリン酸1.5モルを反応して
なる水酸基価3.1meq/gの部分エステル化物、ト
リメチロールプロパン1モルとステアリン酸1.5モル
を反応してなる水酸基価2.9meq/gの部分エステ
ル化物、ペンタエリスリトール1モルとステアリン酸
1.6モルを反応してなる水酸基価4.3meq/gの
部分エステル化物などが挙げられる。
【0024】多価アルコールの脂肪酸部分エステル化合
物の水酸基価は、好ましくは0.5〜10meq/gで
あり、より好ましくは1.5〜5meq/gである。多
価アルコールの脂肪酸部分エステル化合物の水酸基価が
大きすぎと、離型性が低下しやすく、水酸基価が小さす
ぎると、接着性が低下しやすい。水酸基価は、所定量の
脂肪酸部分エステル化合物を精秤し、過剰の無水酢酸を
含むピリジン溶液を加え反応後、1/10苛性アルカリ
標準溶液にて残余の酢酸を中和するに要した当量から、
計算することにより求めることができる。
【0025】本発明のポリフェニレンスルフィド樹脂組
成物における多価アルコールの脂肪酸部分エステル化合
物の配合量は、ポリフェニレンスルフィド樹脂100重
量部に対し、0.1〜10重量部である。配合量がすく
なすぎると、離型性が不十分であり、多すぎると接着性
が低下しやすい。多価アルコールの脂肪酸部分エステル
化合物の配合量は、好ましくは0.2〜8重量部であ
り、より好ましくは0.2〜5重量部である。
【0026】本発明のポリフェニレンスルフィド樹脂組
成物を成形してなる成形品は、形状が複雑あるいは深さ
方向距離が長い場合であっても、成形機の金型からの離
型性に優れ、割れなどが生じることがなく、またエポキ
シ樹脂との接着性においても優れている。
【0027】本発明における充填材としては、繊維状充
填材および非繊維状充填材が挙げられる。本発明のポリ
フェニレンスルフィド樹脂組成物における充填材の配合
量は、ポリフェニレンスルフィド樹脂100重量部に対
し、400重量部以下であり、好ましくは5〜300重
量部であり、更に好ましくは10〜200重量部であ
る。
【0028】本発明における繊維状充填材としては、ガ
ラス繊維、炭素繊維、ワラストナイト、アルミナ繊維、
窒化珪素繊維、硼素繊維、チタン酸カリウイスカー、ス
テンレス繊維、アルミニウム繊維等が挙げられ、PPS
の熱撓み温度の向上、機械的強度向上の点から、好まし
くは、ガラス繊維および炭素繊維が挙げられる。
【0029】非繊維状充填材としては、炭酸カルシウ
ム、炭酸マグネシウム、タルク、マイカ、ガラスパウダ
ー、ガラスフレーク、ガラスビーズ、カオリン、クレ
ー、シリカ、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、アルミ
ナ、黒鉛、酸化アンチモン、酸化チタン等が挙げられ、
好ましくは炭酸カルシウム、タルク、マイカ、ガラスフ
レーク等が挙げられる。非繊維状充填材は、寸法精度を
向上させ、特にガラス繊維との併用が好ましい。
【0030】繊維充填材と非繊維状充填材とを併用する
ことは、強度の向上、寸法精度の向上の点から好まし
く、その場合の配合比は、好ましくは、繊維充填材/非
繊維状充填材が20/80〜80/20(重量比)であ
る。
【0031】本発明の樹脂組成物には、各種の添加剤を
少量添加することができる。添加剤としては、ステアリ
ン酸金属塩等の外部滑剤、ヒンダートフェノール化合物
や有機フォスファイト化合物のような熱安定剤、トリア
ジン系化合物のような紫外線吸収剤、ヒンダートアミン
系光安定剤、ハイドロタルサイトや炭酸リチウムのよう
な腐食抑制剤、各種着色顔料等が挙げられる。
【0032】本発明の樹脂組成物の製造方法は、特に制
限はなく、通常、押出機で混練される。例えば、PP
S、共重合ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、多価アルコ
ールの脂肪酸部分エステル化合物をヘンシェルミキサ
ー、タンブラー等の混合機で混合し、押出混練機の主供
給口から定量供給し、PPSの融点以上の温度で混練
し、必要に応じ充填材をサイドフィードすることによ
り、コンパウンドとし、ストランドとして引き取り、ペ
レタイザーでカッティングしペレットを得る。混練温度
は通常280〜340℃である。280℃未満であると
PPSの融解が不十分となり、340℃を超えると、共
重合ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、多価アルコールの
脂肪酸部分エステル化合物等が熱劣化や熱分解を起こし
やすい。
【0033】以下、本発明を実施例により更に詳細に説
明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。
【実施例】これらの実施例及び比較例においては下記の
成分を使用した。 (1)ポリフェニレンスルフィド樹脂:リニア型PPS
樹脂、溶融粘度1200ポイズ(316℃、100se
-1)。(以下、PPS−1と称することもある。)
【0034】(2)共重合成分として二量体化脂肪酸を
含む共重合ポリアミド:ε−カプロラクタム、ヘキサメ
チレンジアミンおよび二量体化脂肪酸(リノレイン酸二
量体)を原料とし、ε−カプロラクタムからなるポリア
ミド成分/ヘキサメチレンジアミンと二量体化脂肪酸と
からなるポリアミド成分の割合が60/40(重量比)
であり、二量体化脂肪酸含有量が33.2%の共重合ポ
リアミド。(以下、共重合PA−1と称することもあ
る。)
【0035】(3)エポキシ樹脂:エポキシ当量650
のエピビス型エポキシ樹脂(以下、エポキシ樹脂−1と
称することもある。) (4)ガラス繊維:チョップドガラス繊維、径13ミク
ロン長さ3mm。 (5)炭酸カルシウム:平均粒子径2.5ミクロン。 (6)ペンタエリスリトールのステアリン酸ジエステ
ル、水酸基価3meq/g(以下、DEと称することも
ある。) (7)ポリエチレンワックス(以下、PEと称すること
もある。) (8)ペンタエリスリトールのステアリン酸テトラエス
テル(以下、TEと称することもある。)
【0036】(9)引張り強度:ASTM D−638
により測定した。 (10)アイゾット衝撃強度:ASTM D−256に
より測定した。 (11)接着強度:接着試験片として巾1/2インチ長
さ5インチ厚み1/8インチの試験片を成形し、ラップ
間距離15mmで下記接着剤により接合し、所定の条件
で硬化した。接着強度試験は、引っ張り速度5mm/m
inで剪断接着強度を測定した。接着剤厚みは0.1m
mであった。接着強度試験は測定雰囲気温度23℃でお
こなった。
【0037】(12)接着剤−A: 一液型エポキシ樹
脂接着剤テクノダインAH3052K(田岡化学製)、
硬化条件 100℃×45分。 (13)接着剤−B:ポリアミドアミン硬化型エポキシ
樹脂 オリジンボンドE−100(オリジン電気製)、
硬化条件 80℃×60分。 (14)接着剤−C:酸無水物硬化型エポキシ樹脂(W
PE182のエピビスエポキシ+ヘキサヒドロ無水フタ
ル酸+炭酸カルシウム30重量%、触媒BDMA0.5
wt%)、硬化条件 120℃×120分。 (15)離型性:深さ20mm、長さ60mm、幅15
mm、壁厚み1.5mmの箱形成形品を金型温度140
℃、樹脂温度330℃、射出時間5秒、冷却時間15秒
の条件で成形し、金型からの箱形成形品の突き出し時の
状態を目視により評価した。評価 ○:容易に突き出し
可能、突き出しピン跡残らず。△:突き出しピン跡が成
形品に残るが成形品の取り出し可能。×:突き出しピン
が成形品に食い込み成形品の取り出し困難。
【0038】〔実施例1〕表−1に示すように、PPS
樹脂、共重合成分として二量体化脂肪酸を含む共重合ポ
リアミド、エポキシ樹脂および多価アルコールの脂肪酸
部分エステル化合物をドライブレンドし、300℃に設
定したL/D=28の二軸スクリュー押出機により溶融
混練し、ガラス繊維を押出機シリンダー途中からサイド
フィードし混練後、ストランド状に引き取り、ペレタイ
ザーでペレット化した樹脂組成物のペレットを得た。得
られたペレットを乾燥し、300℃に設定した射出成形
機にて、金型温度140℃で、機械的強度測定用の試験
片および接着強度試験用の試験片を成形し、各種評価を
行った。測定結果を表−1に示す。
【0039】〔実施例2〕実施例1においてガラス繊維
の代わりにガラス繊維および炭酸カルシウムを用いる以
外は実施例1と同様に混練しペレットを得、実施例1と
同様に成形および各種評価を行った。測定結果を表−1
に示す。
【0040】〔比較例1〕実施例2において、共重合成
分として二量体化脂肪酸を含む共重合ポリアミド、エポ
キシ樹脂および多価アルコールの脂肪酸部分エステル化
合物を用いない以外は実施例2と同様に混練しペレット
を得、実施例2と同様に成形および各種評価を行った。
測定結果を表−1に示す。
【0041】〔比較例2〜3〕実施例1において、多価
アルコールの脂肪酸部分エステル化合物の代わりにポリ
エチレンワックスまたはペンタエリスリトールテトラス
テアレートを用いる以外は実施例1と同様に混練しペレ
ットを得、実施例1と同様に成形および各種評価を行っ
た。測定結果を表−1に示す。
【0042】〔比較例4〕実施例1において、多価アル
コールの脂肪酸部分エステル化合物を用いない以外は実
施例1と同様に混練しペレットを得、実施例1と同様に
成形および各種評価を行った。測定結果を表−1に示
す。
【0043】
【表1】
【0044】
【発明の効果】本発明のポリフェニレンスルフィド樹脂
組成物は、引張り強度、耐衝撃強度に優れ、また、硬化
システムの異なる各種エポキシ樹脂接着剤に対し優れた
接着性有し、且つ離型性に極めて優れている。従って、
耐熱性、耐薬品性、耐水性を必要とし、金属やエポキシ
樹脂との接着性を要する電気、電子分野の成形品、自動
車関連部品等であって、成形の際に離型し難い成形品に
おいて、割れ等のトラブルが少なく、成形しやすい材料
として工業的に非常に有用である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ポリフェニレンスルフィド樹脂1
    00重量部に、(B)共重合成分として二量体化脂肪酸
    を含む共重合ポリアミド樹脂0.5〜30重量部、
    (C)エポキシ樹脂0.1〜10重量部、(D)多価ア
    ルコールの脂肪酸部分エステル化合物0.1〜10重量
    部および(E)充填材0〜400重量部を配合してなる
    ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 共重合ポリアミド樹脂が、二量体化脂肪
    酸とジアミンとを重合してなるポリアミド成分および3
    員環以上のラクタムを重合してなるポリアミド成分を含
    む共重合ポリアミド樹脂であることを特徴とする請求項
    1に記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 二量体化脂肪酸の含有量が、共重合成分
    として二量体化脂肪酸成分を含有する共重合ポリアミド
    樹脂中10〜80重量%であることを特徴とする請求項
    1または2に記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成
    物。
  4. 【請求項4】 エポキシ樹脂が、エポキシ当量180〜
    5000のビスフェエノールA−エピクロルヒドリン系
    エポキシ樹脂、エポキシ等量170〜1500のフェノ
    ールノボラック樹脂−エピクロルヒドリン系エポキシ樹
    脂またはエポキシ当量170〜1500のクレゾールノ
    ボラック樹脂−エピクロルヒドリン系エポキシ樹脂であ
    ることをを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記
    載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 多価アルコールの脂肪酸部分エステル化
    合物の水酸基価が、0.5〜10meq/gであること
    をを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のポ
    リフェニレンスルフィド樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 充填材が、繊維状充填材および/または
    非繊維状充填材であることを特徴とする請求項1ないし
    5のいずれかに記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組
    成物。
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