JP2000296497A - 軟質成形体の切断方法 - Google Patents

軟質成形体の切断方法

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JP2000296497A
JP2000296497A JP11106351A JP10635199A JP2000296497A JP 2000296497 A JP2000296497 A JP 2000296497A JP 11106351 A JP11106351 A JP 11106351A JP 10635199 A JP10635199 A JP 10635199A JP 2000296497 A JP2000296497 A JP 2000296497A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軟質成形体を変形させず,かつワイヤーが切
れることなく軟質成形体を切断することができる,軟質
成形体の切断方法を提供すること。 【解決手段】 押出し成形した軟質成形体3をワイヤー
11により切断する方法。切断動作中におけるワイヤー
11に働く合成張力が所定値を超えないよう,巻取り用
サーボモーターと,切込み用サーボモーター22の駆動
プログラムを決定し,合成張力をワイヤー11の引張り
強度以下に制御して軟質成形体4を切断する。合成張力
は,ワイヤー11の走行開始時における従動側ボビン1
3の慣性モーメントによる張力と,従動側ボビン13に
働くトルクによる張力と,切断時におけるワイヤー11
と軟質成形体3との摩擦により生ずる抵抗に伴う張力
と,ワイヤー11の軟質成形体3への切込みにより生ず
る張力の合計である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は,押出し成形した軟質成形体を変
形させることなく切断することができる軟質成形体の切
断方法に関するものであり,特に,ハニカム形状に押出
した軟質成形体を変形させることなく切断することがで
きる軟質成形体の切断方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】従来,例えばハニカム形状に押出した軟質
成形体を,所望の長さに切断する方法として,押出方向
に対し横方向にワイヤーにより切断する方法がある。上
記軟質成形体の切断時においては,該軟質成形体の変形
を抑制するために,なるべく細いワイヤーを用いる必要
がある。ところが,細いワイヤーは切断動作時に切れ易
いという問題もある。
【0003】上記の問題を解決する技術として,特開平
10−34639号公報には,ワイヤーにかかる張力を
調節して,切断動作中に上記ワイヤーが切れないよう軟
質成形体を切断する方法が開示されている。
【0004】
【解決しようとする課題】しかしながら,上記従来の軟
質成形体の切断方法には以下の問題がある。即ち,上記
切断方法においては,ワイヤーにかかる張力を1〜5k
gfに調整しているが,この場合にも,使用できるワイ
ヤーの太さには限界がある。
【0005】例えば壁厚みが0.1mmと薄いハニカム
成形体を切断する場合,切断によりその形状が変形し易
い。そのため,この場合には,例えば直径0.1mm以
下という,特に細いワイヤーを使用する必要がある。こ
のような場合には,上記従来の切断方法を用いても,上
記ワイヤーが切れるおそれがある。
【0006】切断動作中における,ワイヤーに働く張力
を分析すると,その合成張力は,ワイヤーの走行自体に
起因する張力T1と,ワイヤーと軟質成形体との相互作
用に起因する張力T2とに分けることができる。ところ
で,上記切断方法においては,図9(A),(B)に示
すごとく,ワイヤーの走行速度V,軟質成形体への切込
み移動量Dは直線的に変化させる。そのため,特に,ワ
イヤーの走行開始時には上記張力T1が,また軟質成形
体への切込み開始時には上記張力T2が大きくなる。
【0007】そのため,この2時点において,上記ワイ
ヤーに働く合成張力T(=T1+T2)は,ワイヤーの引
張り強度Sよりも大きくなる(図9(C))。これによ
り,上記のごとき細いワイヤーは切れてしまう。また,
上記のごとく壁厚みの小さいハニカム成形体を変形させ
ることなく切断するためには,ワイヤーの動作を微妙に
制御する必要もある。
【0008】本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてな
されたもので,軟質成形体を変形させず,かつワイヤー
が切れることなく軟質成形体を切断することができる,
軟質成形体の切断方法を提供しようとするものである。
【0009】
【課題の解決手段】請求項1に記載の発明は,押出し成
形した軟質成形体を,押出方向に対し横方向にワイヤー
により切断する方法において,駆動側ボビンと従動側ボ
ビンとの間に配設された上記ワイヤーを,巻取り用サー
ボモーターによりその長さ方向に走行させると共に,切
込み用サーボモーターにより上記軟質成形体へ向って移
動させることにより,上記軟質成形体を上記ワイヤーが
切断する際に,上記ワイヤーの走行開始から切断終了ま
での切断動作中におけるワイヤーに働く下記の合成張力
が所定値を超えないようなワイヤーの動きとなるよう,
上記巻取り用サーボモーターと,切込み用サーボモータ
ーの駆動プログラムを決定し,上記合成張力を,上記ワ
イヤーの引っ張り強度以下に制御して軟質成形体を切断
する方法であって,上記合成張力は,上記ワイヤーの走
行開始時における上記従動側ボビンの慣性モーメントに
よる張力と,上記従動側ボビンに働くトルクによる張力
と,切断時におけるワイヤーと軟質成形体との摩擦によ
り生ずる抵抗に伴う張力と,上記ワイヤーの上記軟質成
形体への切込みにより生ずる張力を合成したワイヤーに
働く張力であることを特徴とする軟質成形体の切断方法
にある。
【0010】本発明において最も注目すべきことは,上
記合成張力が切断動作中において所定値を超えないよう
なワイヤーの動きとなるよう,上記巻取り用サーボモー
ターと,切込み用サーボモーターの駆動プログラムを決
定することである。
【0011】次に,本発明の作用効果につき説明する。
上記切断方法においては,上記合成張力が切断動作中に
おいて所定値を超えないようなワイヤーの動きとなるよ
う制御する。そのため,切断動作中において,ワイヤー
にかかる合成張力が大きくなって,ワイヤーの引張り強
度以上となることを防ぐことができる。それ故,上記ワ
イヤーが切断動作中において切れるおそれがない。従っ
て,より細いワイヤーを使用することができ,上記軟質
成形体を変形させることなく切断することが容易とな
る。
【0012】また,上記ワイヤーは,上記巻取り用サー
ボモーターと切込み用サーボモーターにより,走行,移
動する。そして,上記巻取り用サーボモーターと切込み
用サーボモーターは,上記駆動プログラムに従って駆動
する。そのため,上記ワイヤーは,微妙な動きを実現す
ることも可能であるため,上記軟質成形体の変形が一層
生じ難い切断方法を得ることができる。
【0013】以上のごとく,本発明によれば,軟質成形
体を変形させず,かつワイヤーが切れることなく軟質成
形体を切断することができる,軟質成形体の切断方法を
提供することができる。
【0014】次に,請求項2に記載の発明のように,上
記軟質成形体は,ハニカム形状に押出したものとするこ
ともできる。この場合にも,ハニカム形状を変形させる
ことなく,上記軟質成形体を切断することができる。
【0015】次に,請求項3に記載の発明のように,上
記ワイヤーの走行速度は50〜200m/分であること
が好ましい。これにより,軟質成形体の変形が一層生じ
難い,軟質成形体の切断方法を得ることができる。上記
走行速度が50m/分未満である場合には,上記軟質成
形体が変形するおそれがある。一方,上記走行速度が,
200m/分を超える場合には,上記ワイヤーが切れる
おそれがある。
【0016】次に,請求項4に記載の発明のように,上
記ワイヤーの直径は0.06〜0.12mmであること
が好ましい。これにより,軟質成形体の変形が一層生じ
難い,軟質成形体の切断方法を得ることができる。上記
直径が0.06mm未満の場合には,ワイヤーにかかる
張力がワイヤー自身の張力よりも大きくなり,切断動作
中に上記ワイヤーが切れるおそれがある。一方,上記直
径が0.12mmを超える場合には,軟質成形体の壁に
加わる力が大きくなり,切断時に上記軟質成形体が変形
するおそれがある。
【0017】次に,請求項5に記載の発明のように,上
記軟質成形体は,壁厚み0.04〜0.125mmのハ
ニカム成形体とすることもできる。この場合にも,ハニ
カムの形状を変形させることなく,上記軟質成形体を切
断することができる。上記壁厚みが0.04mm未満の
場合には,軟質成形体の壁の強度が小さく,切断時に上
記軟質成形体が変形するおそれがある。
【0018】一方,上記壁厚みが0.125mmを超え
る場合には,ワイヤーと軟質成形体との相互作用に起因
する張力が大きくなる。そのため,上記駆動プログラム
の時間内に切断が完了せず,ワイヤーは,その走行速度
が落ちて停止し,上記軟質成形体に引った状態になる。
これにより,次動作に移るとき,上記ワイヤーが切れる
おそれがある。また,上記ワイヤーを切らないよう軟質
成形体を切断するには,切断時間を大幅に増加する必要
がありう,生産性が大幅に低下するおそれがある。
【0019】次に,請求項6に記載の発明のように,上
記従動側ボビンに働くトルクは,上記従動側ボビンに取
付けられたトルク可変一方向クラッチの立上り時のトル
ク及び定常走行時のトルクであることが好ましい。これ
により,一層確実に,軟質成形体を変形させず,かつワ
イヤーが切れることなく軟質成形体を切断することがで
きる。
【0020】なお,上記トルク可変一方向クラッチと
は,巻取り用サーボモーターと駆動側ボビンとの間,及
び上記巻取り用サーボモーターと従動側ボビンの間に配
置される相互の回転軸を連結する機構をいう。即ち,上
記トルク可変一方向クラッチは,駆動側においては,上
記巻取り用サーボモーターのモーター軸と駆動側ボビン
のボビン軸を一体化して連結する。一方,従動側におい
ては,上記モーター軸と上記従動側ボビンのボビン軸
を,相互間に所定のトルクを保持した状態で滑らせなが
ら連結する。また,上記所定のトルクは特定範囲内でそ
の設定を変えることができる。
【0021】次に,請求項7に記載の発明のように,上
記ワイヤーの走行速度の加速度の変化と,切込み方向へ
の移動速度の加速度の変化は,暫時変化させることが好
ましい。上記ワイヤーの走行速度及び移動速度の加速度
の変化時には,上記ワイヤーに大きな張力がかかり,上
記加速度の変化が急激であるほどその張力は大きくな
る。
【0022】即ち,低加速度から高加速度への移行時に
は,上記ワイヤーに大きな張力が発生し,高加速度から
低加速度への移行時には,上記ワイヤーが一旦弛み,次
に該ワイヤーが張った状態になったとき,大きな張力が
発生する。これに対し,本発明によれば,ワイヤーにか
かる張力が上記のごとく大きくなることを防ぐことがで
きる。そのため,切断動作時においてワイヤーが一層切
れ難い軟質成形体の切断方法を得ることができる。
【0023】次に,請求項8に記載の発明のように,切
断動作中におけるワイヤーに働く上記合成張力は,1k
gf以下であることが好ましい。これにより,例えば,
直径0.1mm以下の細いワイヤーを使用することが可
能となる。上記合成張力が1kgfを超える場合には,
細いワイヤーを用いたとき切断動作中に上記ワイヤーが
切れるおそれがある。
【0024】
【発明の実施の形態】実施形態例1 本発明の実施形態例にかかる軟質成形体の切断方法につ
き,図1〜図7を用いて説明する。本例の軟質成形体の
切断方法は,図1,図2に示すごとく,ハニカム形状に
押出した軟質成形体3を,押出方向に対し横方向にワイ
ヤー11により切断する方法である。
【0025】即ち,図1,図2に示すごとく,駆動側ボ
ビン12と従動側ボビン13との間に配設された上記ワ
イヤー11を,巻取り用サーボモーター21によりその
長さ方向に走行させると共に,切込み用サーボモーター
22により上記軟質成形体3へ向って移動させる。これ
により,上記軟質成形体3を上記ワイヤー11によって
切断する。
【0026】この際,上記ワイヤー11の走行開始から
切断終了までの切断動作中におけるワイヤー11に働く
下記の合成張力が所定値を超えないよう,上記ワイヤー
11の動きを制御する。即ち,かかるワイヤー11の動
きとなるよう,上記巻取り用サーボモーター21と,切
込み用サーボモーター22の駆動プログラムを決定す
る。そして,図7に示すごとく,上記合成張力を,上記
ワイヤー11の引っ張り強度以下に制御して軟質成形体
3を切断する。
【0027】上記合成張力は,上記ワイヤー11の走行
開始時における上記従動側ボビン13の慣性モーメント
による張力と,上記従動側ボビン13に働くトルクによ
る張力と,切断時におけるワイヤー11と軟質成形体3
との摩擦により生ずる抵抗に伴う張力と,上記ワイヤー
11の上記軟質成形体3への切込みにより生ずる張力を
合成したワイヤー11に働く張力である。
【0028】次に,上記軟質成形体の切断装置につき,
図1〜図4を用いて説明する。上記切断装置1は,図1
に示すごとく,本体部10と,該本体部10に対し上下
に移動可能なフレーム14と,該フレーム14に取付け
られた駆動側ボビン12と従動側ボビン13,及びこれ
らの間に配設されたワイヤー11を有する。該ワイヤー
11の直径は,0.08mmである。
【0029】上記フレーム14は,切込み用サーボモー
ター22により上記本体部10に対し上下に動き,上記
駆動側ボビン12は,巻取り用サーボモーター21(図
3)により回転する。また,上記従動側ボビン13は,
図4に示すごとく,上記駆動側ボビン12の回転による
ワイヤー11の走行に追従して回転する。
【0030】なお,上記巻取り用サーボモーター21
は,図3に示すごとく,上記従動側ボビン13にも設け
てあり,上記従動側ボビン13を駆動させて,上記ワイ
ヤー11を逆方向に走行させることもできる構造となっ
ている。また,図3に示すごとく,上記駆動側ボビン1
2と従動側ボビン13には,トルク可変一方向クラッチ
15がそれぞれ設けてあり,上記ワイヤー11の弛みの
発生を防いでいる。また,本体部10は,移動用サーボ
モーター23により,2本のレール19上を上記軟質成
形体3の押出方向と平行に移動する。
【0031】また,図1,図2において,符号221
は,上記切込み用サーボモーター22により回転してフ
レーム14を上下させる切込み用送りネジである。ま
た,符号231は,移動用サーボモーター23により回
転して切断装置1を移動させる移動用送りネジである。
【0032】次に,上記軟質成形体3の切断方法につ
き,詳しく説明する。図2に示すごとく,軟質成形体3
の原料30が,成形型5より押出されることにより,ハ
ニカム状の軟質成形体3が成形される。なお,上記軟質
成形体3のハニカムの壁厚みは,0.075mmと小さ
い。上記軟質成形体3は,ローラーコンベア61の上に
等間隔に並ぶ複数の受け台4の上に載置され,押出速度
と同じ速度で順次搬送される。なお,上記受け台4は,
受け台送り込みユニット64により,押出された直後の
軟質成形体3の下方から,順次送り込まれる。
【0033】上記の搬送される軟質成形体3を,上記受
け台4と受け台4との間隙において,上記切断装置1の
ワイヤー11によって切断する。切断された末端の軟質
成形体31は,受け台4と共に速度可変式の切離し用コ
ンベア62により切離され,更に次の高速コンベア63
によって次工程へ搬送される。
【0034】上記切断装置1により軟質成形体3を切断
する際には,上記のごとく,上記軟質成形体3は搬送さ
れた状態にある。そのため,上記軟質成形体3を直角に
切断するためには,図5,図6に示すごとく,上記ワイ
ヤー11を,上記軟質成形体3の走行速度に合せて前方
へ移動させながら,下方へ移動させる必要がある。
【0035】即ち,上記移動用サーボモーター23と切
込み用サーボモーター22の動きを,制御して,以下の
ごとく,ワイヤー11を移動させる。まず,軟質成形体
3が所定位置に到達したとき,切断開始確認センサーの
検知信号により,切断装置1を始動し,巻取り用サーボ
モーター21により,ワイヤー11を走行させる(図5
(A))。走行速度は,90〜200m/分である。
【0036】次いで,上記移動用サーボモーター23に
より,切断装置1を軟質成形体3の押出速度と同じ速度
で前方へ移動させると共に,上記切込み用サーボモータ
ー22により,ワイヤー11を軟質成形体3に向って移
動させる(図5(B))。次いで,上記切込み用サーボ
モーター22と移動用サーボモーター23により,軟質
成形体3の搬送速度に合せて,ワイヤー11を移動させ
て該軟質成形体3を切断していく(図5(C),
(D))。
【0037】次いで,切断された軟質成形体の個片31
を,受け台4と共に高速で移動させることにより上記軟
質成形体3から引離す(図6(E))。次いで,上記個
片31と上記軟質成形体3との間から,上記ワイヤー1
1を上方へ移動させ,元の位置に戻す(図6(F),
(G))。そして,同様に次の切断を行う。
【0038】上記軟質成形体3を切断する際には,ワイ
ヤー11には,各種の要因に基づく張力が働く。その要
因としては,上述のごとく,上記ワイヤー11の走行開
始時における上記従動側ボビン13の慣性モーメントに
よる張力と,上記従動側ボビン13に働くトルクによる
張力と,切断時におけるワイヤー11と軟質成形体3と
の摩擦により生ずる抵抗に伴う張力と,上記ワイヤー1
1の上記軟質成形体3への切込みにより生ずる張力があ
る。
【0039】また,上記従動側ボビン13に働くトルク
は,上記従動側ボビン13に取付けられたトルク可変一
方向クラッチ15の立上り時のトルク及び定常走行時の
トルクに分けられる。
【0040】上記ワイヤー11の走行開始時における上
記従動側ボビン13の慣性モーメントによる張力とは,
上記従動側ボビン13が,静止状態から回転を開始する
際の慣性モーメントをいう。また,上記ワイヤー11の
上記軟質成形体3への切込みにより生ずる張力とは,図
4に示すごとく切込み時に上記ワイヤー11が上記軟質
成形体3に押付けられることにより生ずる,上記軟質成
形体3からの反力による張力をいう。なお,この張力が
働くときは,図4に示すごとく上記ワイヤー11は撓ん
だ状態となる。
【0041】軟質成形体3の切断時には,これらの各種
張力の合成張力がワイヤー11の引張り強度を超えない
よう制御する。具体的には,上記合成張力を1kgf以
下に制御する。その手段としては,上記走行開始時にお
ける上記従動側ボビン13の慣性モーメントによる張
力,及びトルク可変一方向クラッチ15の立上り時のト
ルクは,上記ワイヤー11の始動を緩やかに行うことに
より抑制する(図7(A))。即ち,上記ワイヤー11
の走行速度Vを低加速度で立上げる。
【0042】また,トルク可変一方向クラッチ15の定
常走行時のトルクは,上記トルク可変一方向クラッチに
内蔵されたトルク調整機構によって変化させることによ
り抑制する。上記のワイヤー11の動きは,巻取り用サ
ーボモーター21を制御することにより行う。
【0043】また,ワイヤー11と軟質成形体3との摩
擦により生ずる抵抗に伴う張力,及び上記軟質成形体3
への切込みにより生ずる張力は,切込み開始時にワイヤ
ー11の切込み移動量Dの増加を微量にすることにより
抑制する(図7(B))。上記のごときワイヤー11の
動きは,切込み用サーボモーター22を制御することに
より行う。
【0044】即ち,図7(C)に示すごとく,切断動作
中における上記ワイヤー11にかかる合成張力が,1k
gf以下となるよう,上記巻取り用サーボモーター21
及び切込み用サーボモーター22の駆動プログラムを決
定する。該駆動プログラムは,予め試験を行うことによ
り決定する。
【0045】なお,図7(C)においては,ワイヤー1
1の走行自体に起因する張力T1と,ワイヤー11と軟
質成形体3との相互作用に起因する張力T2に分けて,
その切断操作中の変化を模式化している。上記ワイヤー
11の走行開始時における上記従動側ボビン13の慣性
モーメントによる張力と,上記従動側ボビン13に働く
トルクによる張力の合計が,上記張力T1に相当する。
【0046】また,切断時におけるワイヤー11と軟質
成形体3との摩擦により生ずる抵抗に伴う張力と,上記
ワイヤー11の上記軟質成形体3への切込みにより生ず
る張力の合計が,上記張力T2に相当する。そして,張
力T1と張力T2の合計が,ワイヤー11に働く合成張力
Tとなる。即ち,T=T1+T2である。図7(C)にお
いて,切込み開始とは,ワイヤー11が軟質成形体3の
上端に接触した時点(図5(B))をいい,切込み終了
とは,ワイヤー11の両端を結ぶ線が軟質成形体13の
下端部を通過した時点(図5(C))をいう。従って,
上記切込み終了時点においては,実際には,軟質成形体
3の切断は完了していない。
【0047】次に,本例の作用効果につき説明する。上
記切断方法においては,上記合成張力Tが切断動作中に
おいて所定値(1kgf)を超えないようなワイヤー1
1の動きとなるよう制御する。そのため,切断動作中に
おいて,ワイヤー11にかかる合成張力Tが大きくなっ
て,ワイヤー11の引張り強度以上となることを防ぐこ
とができる。それ故,上記ワイヤー11が切断動作中に
おいて切れるおそれがない。従って,より細いワイヤー
を使用することができ,上記軟質成形体3を変形させる
ことなく切断することが容易となる。
【0048】また,上記ワイヤー11は,上記巻取り用
サーボモーター21及び切込み用サーボモーター22に
より,走行,移動する。そして,上記巻取り用サーボモ
ーター21及び切込み用サーボモーター22は,上記駆
動プログラムに従って駆動する。そのため,上記ワイヤ
ー11は,微妙な動きを実現することも可能であるた
め,上記軟質成形体3の変形が一層生じ難い切断方法を
得ることができる。
【0049】以上のごとく,本例によれば,軟質成形体
を変形させず,かつワイヤーが切れることなく軟質成形
体を切断することができる,軟質成形体の切断方法を得
ることができる。なお,本例は,上述のごとく,壁厚み
0.075mmのハニカム形状の軟質成形体3を直径
0.08mmのワイヤー11により切断した例を示した
が,壁厚み0.1mmのハニカム形状の軟質成形体を本
例と同様の方法で切断した場合にも同様に切断すること
ができた。
【0050】実施形態例2 本例は,図8に示すごとく,切断する軟質成形体の種類
に応じて,予め準備された数種類の切断動作パターンの
中から,適切な切断動作パターンを選択する例である。
即ち,各種軟質成形体の形状,構造,材質等に応じて,
その軟質成形体を変形させず,かつワイヤーが切れない
ような切断動作パターンを,試験を行うことにより予め
作製しておく。そして,その切断動作パターンを,コン
トローラーC内のメモリに格納しておく。なお,上記切
断動作パターンに従って,巻取り用サーボモーター,切
込み用サーボモーターの駆動プログラムが決定されてい
る。
【0051】軟質成形体を切断するに当っては,まず,
該軟質成形体についてのデータをコントローラーCに入
力する(S1)。次いで,入力した軟質成形体のデータ
を基に,数種類の切断動作パターンの中から適切な切断
動作パターンを選択する(S2)。
【0052】次いで,切断開始確認センサからの切断開
始信号により,上記の選択された切断動作パターンに基
づき,各サーボモーターに駆動指令を出す(S3)。こ
れにより,巻取り用サーボモーター及び切込み用サーボ
モーターが上記駆動プログラムに従って駆動し,切断装
置の切断動作が開始する。なお,上記及び図8におい
て,S1〜S3は,それぞれStep1〜Step3を
表す。その他は,実施形態例1と同様である。
【0053】本例の切断方法によれば,切断する軟質成
形体の種類に応じて,適切な切断動作が可能となる。従
って,本例によれば,様々な形状,構造,材質等を有す
る軟質成形体を変形させず,かつワイヤーが切れること
なく軟質成形体を切断することができる,軟質成形体の
切断方法を得ることができる。その他実施形態例1と同
様の作用効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例1における,切断装置の正面図。
【図2】実施形態例1における,切断装置及び軟質成形
体の側面図。
【図3】実施形態例1における,切断装置のワイヤー周
辺の説明図。
【図4】実施形態例1における,軟質成形体への切込み
時のワイヤーの説明図。
【図5】実施形態例1における,軟質成形体の切断方法
の説明図。
【図6】実施形態例1における,図5に続く,軟質成形
体の切断後のワイヤーの動作を表す説明図。
【図7】実施形態例1における,(A),(B)切断動
作パターンと,(C)ワイヤーに働く張力の変化を表す
線図。
【図8】実施形態例2における,軟質成形体の切断方法
の説明図。
【図9】従来例における,軟質成形体の切断方法におい
ての,(A),(B)切断動作パターンと,(C)ワイ
ヤーに働く張力の変化を表す線図。
【符号の説明】
1...切断装置, 11...ワイヤー, 12...駆動側ボビン, 13...従動側ボビン, 21...巻取り用サーボモーター, 22...切込み用サーボモーター, 23...移動用サーボモーター, 3...軟質成形体, 31...個片, 4...受け台,

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 押出し成形した軟質成形体を,この押出
    方向に対し横方向にワイヤーにより切断する方法におい
    て,駆動側ボビンと従動側ボビンとの間に配設された上
    記ワイヤーを,巻取り用サーボモーターによりその長さ
    方向に走行させると共に,切込み用サーボモーターによ
    り上記軟質成形体へ向って移動させることにより,上記
    軟質成形体を上記ワイヤーが切断する際に,上記ワイヤ
    ーの走行開始から切断終了までの切断動作中におけるワ
    イヤーに働く下記の合成張力が所定値を超えないような
    ワイヤーの動きとなるよう,上記巻取り用サーボモータ
    ーと,切込み用サーボモーターの駆動プログラムを決定
    し,上記合成張力を,上記ワイヤーの引っ張り強度以下
    に制御して軟質成形体を切断する方法であって,上記合
    成張力は,上記ワイヤーの走行開始時における上記従動
    側ボビンの慣性モーメントによる張力と,上記従動側ボ
    ビンに働くトルクによる張力と,切断時におけるワイヤ
    ーと軟質成形体との摩擦により生ずる抵抗に伴う張力
    と,上記ワイヤーの上記軟質成形体への切込みにより生
    ずる張力を合成したワイヤーに働く張力であることを特
    徴とする軟質成形体の切断方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において,上記軟質成形体は,
    ハニカム形状に押出したものであることを特徴とする軟
    質成形体の切断方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において,上記ワイヤー
    の走行速度は50〜200m/分であることを特徴とす
    る軟質成形体の切断方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか一項において,
    上記ワイヤーの直径は0.06〜0.12mmであるこ
    とを特徴とする軟質成形体の切断方法。
  5. 【請求項5】 請求項2〜4のいずれか一項において,
    上記軟質成形体は,壁厚み0.04〜0.125mmの
    ハニカム成形体であることを特徴とする軟質成形体の切
    断方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか一項において,
    上記従動側ボビンに働くトルクは,上記従動側ボビンに
    取付けられたトルク可変一方向クラッチの立上り時のト
    ルク及び定常走行時のトルクであることを特徴とする軟
    質成形体の切断方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか一項において,
    上記ワイヤーの走行速度の加速度の変化と,切込み方向
    への移動速度の加速度の変化は,暫時変化させることを
    特徴とする軟質成形体の切断方法。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか一項において,
    切断動作中におけるワイヤーに働く上記合成張力は,1
    kgf以下であることを特徴とする軟質成形体の切断方
    法。
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