JP2000293904A - 光磁気記録媒体 - Google Patents

光磁気記録媒体

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JP2000293904A
JP2000293904A JP10017099A JP10017099A JP2000293904A JP 2000293904 A JP2000293904 A JP 2000293904A JP 10017099 A JP10017099 A JP 10017099A JP 10017099 A JP10017099 A JP 10017099A JP 2000293904 A JP2000293904 A JP 2000293904A
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magneto
layer
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optical recording
magnetic head
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Hideki Nagano
秀樹 長野
Yoshiyuki Nagataki
義幸 長瀧
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Hitachi Maxell Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンタクトスタートストップ(CSS)方式
の浮上型磁気ヘッドを用いて光磁気記録される光磁気記
録媒体の磁気ヘッドと光磁気記録媒体との吸着を防止
し、耐久性に優れた光磁気記録媒体を提供する。 【解決手段】 透明基板1の片面に磁性層4を含む多層
膜と、樹脂材料からなる保護層7と、潤滑層8とを有す
る光磁気ディスク10である。潤滑層8の粘度ηが5S
t≦η≦50Stであり、潤滑層8の厚さtが浮上型磁
気ヘッドの摺動面の平均粗さR0に対して0.2R0≦t
≦0.8R0である。潤滑層8は有機酸変成ポリフルオ
ロアルキルエーテルオイル及び基油から構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、CCS方式で浮上
型磁気ヘッドを用いて記録が行われる光磁気記録媒体に
関し、さらに詳細には、浮上型磁気ヘッドとの接触によ
る光磁気記録媒体の損傷を防止することができる光磁気
記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、光ファイルシステム、コンピュー
タの外部記憶装置、音響または映像情報の記憶装置に使
用される記録媒体として、光磁気ディスクが使用されて
いる。光磁気ディスクに情報を記録する方式として、磁
界変調方式や光磁界変調方式が知られており、光学ヘッ
ドより記録用レーザ光を光磁気ディスクの記録領域に照
射して記録領域の磁性層をそのキュリー温度または補償
温度を超える温度に昇温しつつ、該昇温部に磁気ヘッド
より情報に応じた極性の磁界を印加することによって情
報が記録される。情報の再生時には、再生用のパワーに
調整された再生光が光学ヘッドにより記録領域に照射さ
れ、磁性層からの反射光を磁気光学的に検出することに
よって情報が読み出される。
【0003】光磁気ディスクの記録再生装置の磁気ヘッ
ドとして、接触型磁気ヘッドと浮上型磁気ヘッドが知ら
れている。接触型ヘッドは、音楽用等の光磁気メディア
であるミニディスク等に採用されており、磁気ヘッドは
記録時に光磁気ディスクの保護層上を常時、連続的に摺
動する。このため、光磁気ディスクの保護層を含む多層
膜体の摩擦による損傷を低減することが要望されてい
る。本発明者は、特開平7−254180号公報等にお
いて、保護層上に粘度が100cSt以上のシリコーン
オイル等の潤滑油を塗布することによって磁気ヘッドに
対する摩擦を緩和し、保護層ひいては磁性層の損傷を防
止する技術を開示した。この技術では、潤滑剤の膜厚
は、ガラス,アクリル樹脂等にて形成された保護層の面
粗さに応じて決定されるため、光磁気ディスクの種類に
適した潤滑及び保護が達成される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一方、浮上型のヘッド
は、Jpn. J. Appl. Phys., 26-Suppl. 26-4), P149,19
87年に記載されているように、光磁気記録媒体の回転時
に、磁気ヘッドと光磁気ディスクとの間を気流が流れる
ことにより、それらの間に所定幅のエアギャップが形成
される。浮上型のヘッドは、通常、コンタクトスタート
ストップ(CCS)方式を用いているので、光磁気ディ
スクの回転開始時及び停止時に磁気ヘッドは光磁気ディ
スクに付勢された状態で接触している。このため、光磁
気ディスクの回転停止時に浮上型磁気ヘッドが光磁気デ
ィスクに張り付く(吸着する)ことが問題となる。ま
た、回転時に磁気ヘッドが光磁気ディスクに接触するこ
とによって損傷するおそれもある。
【0005】磁気ヘッドが光磁気ディスク表面に一旦張
り付くと、光磁気ディスクを回転させる際に、保護層及
び磁気ヘッドに大きな牽引力が働くため、保護膜及び磁
性層は勿論、磁気ヘッドを損傷させるおそれがある。こ
のため、磁性層及び磁気ヘッドの保護の確実にするため
には、膜厚の大きな保護層や保護層に加えて潤滑特性に
優れた潤滑層を用いることが考えられ、光磁気ディスク
においても前述のミニディスク等で実用化されているよ
うに、紫外線硬化型樹脂や室温硬化型樹脂等の保護層を
設け、該保護膜上に潤滑層を形成することが望ましい。
【0006】しかしながら、光磁気ディスクの表面に保
護膜及び潤滑層を設ける場合、CSS方式で記録を行な
う光磁気ディスクにおいては一定のエアギャップを確保
するために保護膜の平坦性が高くする必要がある。一方
で、保護膜の平坦性が高いと、磁気ヘッドの静止時には
ヘッドとディスクとの接触面積が増して磁気ヘッドと保
護膜とは潤滑層を介して一層張り付き易くなる。この張
り付きが大きい場合には、ディスクの回転始動ができな
くなる場合もある。特に、液体潤滑剤を用いた場合、光
磁気ディスクの回転停止時に、浮上型磁気ヘッドが潤滑
剤の表面張力により光磁気ディスク面に一層強力に張り
付く。
【0007】これに対処するため、保護膜をラッピング
テープで研磨して保護膜表面の面粗さを大きくする方法
や、潤滑剤及び保護膜樹脂にフィラーを含有させる方法
等によって、表面張力を低減させるという技術が特開平
2−40149号公報等に開示されている。しかしなが
ら、これらの方法は材料費および設備投資の高騰による
生産品の高価格化や、研磨による発塵が原因となり、デ
ィスクの信頼性の低下を招く等の問題がある。
【0008】本発明の目的は、前記従来技術の問題を解
決し、CSS方式の浮上型磁気ヘッドを用いた光磁気記
録に好適な光磁気記録媒体を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の態様に従
えば、基板上に少なくとも一層の情報記録層を含む多層
膜体と該多層膜体上に被覆される保護層とを備え、浮上
型磁気ヘッドにより情報が記録される光磁気記録媒体に
おいて、上記保護層上にさらに粘度ηが5St≦η≦5
0Stである潤滑剤の潤滑層を備え且つ該潤滑層の厚さ
tが、上記浮上型磁気ヘッドの摺動面の平均粗さR
対して0.2R≦t≦0.8Rであることを特徴と
する光磁気記録媒体が提供される。
【0010】本発明によれば、光磁気記録媒体の保護層
の上に潤滑層を設け、潤滑層の厚さtを、浮上型磁気ヘ
ッドの摺動面の平均粗さRに対して0.2R≦t≦
0.8Rとなるように調整としているので、磁気ヘッ
ドと光磁気記録媒体の表面の接触に対する耐久性及び潤
滑効果(張り付き防止)に優れる。潤滑層の厚さtがt
>0.8Rであると、光磁気記録媒体の回転停止時に
磁気ヘッドが光磁気記録媒体の表面に張り付き易くな
り、すなわち、潤滑剤が光磁気記録媒体の保護膜と磁気
ヘッドの隙間を充填して強い吸着力が生じ、光磁気記録
媒体の回転を妨げることによって磁性層及び磁気ヘッド
の損傷につながる。また、潤滑層の厚さtがt<0.2
であると、CSSを繰り返すことにより潤滑剤の膜
切れが発生し、保護層を損傷させることになる。
【0011】本発明の光磁気記録媒体において、上記潤
滑剤の粘度ηは、5St≦η≦50Stの範囲である。
潤滑剤粘度が50Stを超えると摩擦損失が大きくな
り、5St未満であると光磁気記録媒体表面が磨耗しや
すくなる。また、潤滑層は磁気ヘッドが潤滑剤が塗布さ
れた保護層と接触したときに、磁気ヘッドからの応力を
緩和するという観点からも上記範囲の粘度が好ましい。
【0012】上記潤滑剤は、保護層に対する接着性が良
好であるという理由から、少なくとも有機酸変成フッ素
系オイルを含むことが好ましく、有機酸変成フッ素系オ
イルと基油との混合物を用いることができる。
【0013】また、本発明によれば、保護層は紫外線硬
化型樹脂や室温硬化型樹脂等の樹脂材料で形成するのが
好ましい。これは、この種の樹脂材料は成膜が容易であ
り生産性を向上でき、また、弾力性に富むのでヘッドク
ラッシュ等を生じた場合にも磁性層を損傷することがな
いからである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施の形態について詳細に説明する。
【0015】本発明の光磁気記録媒体の断面構造の一具
体例を図1に示す。図1に示したように、本発明による
光磁気記憶媒体は、透明基板1の信号面2側に、第1の
誘電体層3、記録磁性層4、第2の誘電体層5及び反射
層6を順次積層し、さらに反射層6の表面に保護層7及
び潤滑層8が順次形成されてなる構造を有する。
【0016】ここで、透明基板1は、ガラス等の透明セ
ラミック材料や、ポリカーボネート樹脂、ポリメチルメ
タクリレート樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリオレ
フィン樹脂、エポキシ樹脂等の透明樹脂材料等により形
成されている。透明基板1の片面には、射出成形等によ
り案内溝やプリビット列等を含むプリフォーマットパタ
ーン2aが微細な凹凸状で形成されており、信号面2を
形成している。なお、プリフォーマットパターン2aの
形成方法や配列等については、作製する光磁気ディスク
の記録領域の構造やサーボ方式等に応じて適宜選択する
ことができる。
【0017】第1の誘電体層3は、透明基板1と磁性層
4との間で再生用レーザビームを多重干渉させ、再生光
の見かけ上の磁気光学効果、例えば、カー回転角を大き
くするために設けられているものであって、前記透明基
板1よりも屈折率が大きな無機誘電体、例えば、Si
O,SiN,Al等により形成される。
【0018】磁性層4は、任意の磁気光学効果を示す材
料により形成することができるが、カー回転角やファラ
デー回転角等の磁気光学効果が大きい材料が好ましく、
希土類−遷移金属系、例えば、Tb−Fe−Co、Gd
−Tb−Fe、Gd−Co等の非晶質垂直磁化膜が特に
好適である。なお磁性層4には、磁性層とはキュリー温
度等が異なるTbFeCO等の補助層を付加することが
できる。また、本出願人による特開平8−129,78
4号に開示されたように、磁性層4自体を誘電体層等を
介して2層以上に積層することで多値記録用光磁気記録
媒体を構成してもよい。
【0019】第2の誘電体層5は、磁性層4と反射層6
との間で再生用レーザビームを多重干渉させ、見かけ上
の磁気光学効果を大きくするために設けられたものであ
って、前記第1の誘電体層3と同様に無機誘電体により
形成される。
【0020】反射層6は、媒体の反射率を高め、光磁気
記録媒体からの再生信号出力を高めるための層であっ
て、例えば、アルミニウムや金、あるいはこれらの各金
属を主成分とする合金により形成される。
【0021】第1誘電体層3、磁性層4、第2誘電体層
5及び反射層6は、スパッタリングや真空蒸着等の真空
成膜法によって連続的に形成できる。
【0022】保護層7は、紫外線硬化樹脂型樹脂または
室温硬化型樹脂を用いて形成される。紫外線硬化型樹脂
としては、任意の紫外線硬化型樹脂を用いることがで
き、例えば、アクリル系樹脂が好適である。室温硬化型
樹脂としては、例えばシリコーンレジンが好適である。
保護層7の膜厚は、0.01μm〜50μm程度とする
のが望ましい。これは前記保護層7の膜厚が50μmを
超えると磁性層4に達する磁界が弱められ、記録時また
は消去時に大きな外部磁界を印加する必要があり、保護
層7の膜厚が0.01μm未満であると、充分な耐衝撃
性等を発揮できなくなるからである。保護層7は、スプ
レーコート、スピン塗付法等により形成できる。
【0023】保護層7の上面に設けられる潤滑層8を構
成する潤滑剤は、種々の潤滑剤を用いることができ、前
記材料で構成される保護層7に対する接着性が良好であ
るという理由から有機酸変成フッ素系オイルと、有機酸
変成フッ素系オイルに相溶性のある基油とから構成する
ことが望ましい。有機酸変成フッ素系オイルとしては、
例えば、有機酸変成ポリフルオロアルキルエーテルオイ
ル(PFAE)等を用いることができる。基油は潤滑剤
の粘度調整剤として機能し、例えば、高粘度のパーフル
オロポリエーテル(PFPE)、クロロトリフルオロエ
チレンオリゴマー、ポリフロオロアルキレングリコール
等のフッ素系潤滑剤が挙げられる。また、パラフィン
油、リン酸エステル、油脂、シリコーンオイル、金属セ
ッケン等でも有機酸変成PEAEのような有機酸変成フ
ッ素系オイルと相溶性のあるものであれば任意の潤滑性
材料が使用できる。潤滑層8はスピンコータ、ロールコ
ータ、バーコータ等によって保護層7上に容易に塗付で
きる。
【0024】磁界変調記録方式や光磁界変調記録方式で
使用する浮上型の磁気ヘッドの浮上高さは、ハードディ
スクの場合と異なり、記録密度とほとんど関係しない。
そのため、ハードディスクのようにサブミクロンの浮上
高さである必要がなく、磁界変調記録方式や光磁界変調
記録方式で使用する磁気ヘッドの摺動面の面粗さはミク
ロンレベルまで許容される。
【0025】潤滑層8の厚さtは、前述の理由から、浮
上型磁気ヘッドの平均摺動面粗さをRに対して0.2
≦t≦0.8Rの範囲内に調整する。浮上型磁気
ヘッドの平均摺動面粗さRを、例えば、50nmとす
ると、この浮上型磁気ヘッドにより記録される場合に
は、光磁気記録媒体の潤滑層8の厚さtは10nm〜4
0nmの範囲となる。また、潤滑層8を形成する潤滑剤
粘度が高すぎると摩擦損失が大きくなり、粘度が低すぎ
るとディスクは摩耗し易くなるため、粘度ηは5St≦
η≦50Stの範囲内に調整される。
【0026】以下に、本発明の光磁気記録媒体を、実施
例により一層具体的に説明するが、本発明はそれらに限
定されるものではない。
【0027】<第1実施例>本実施例では、ポリカーボ
ネート製のディスク状透明基板上に、図1に示したよう
な層を積層した光磁気ディスク1を構成した。各層を構
成する材料及び膜厚(単位Aはオングストローム)は以
下に示す通りである。各層はスパッタリングにより順次
積層した。 〔光磁気ディスク1の各層の組成及び膜厚〕 第1の誘電体 Si 1000A 記録磁性層 Tb−Fe−Co−Cr 230A 第2の磁性体層 Si 500A 反射層 Al 700A
【0028】次に、前記積層体の表面に、紫外線硬化型
樹脂として大日本インキ化学工業(株)製SD318を
スピン塗布し、しかる後に高圧水銀ランプによる紫外線
の照射を行い樹脂を硬化させて膜厚が約5μmの樹脂保
護層7を形成した。
【0029】その後に、樹脂保護層7の表面に、潤滑層
8として下記組成の混合潤滑剤を膜厚が20nmとなる
ように形成して図1の断面構造を有する光磁気ディスク
を完成した。
【0030】 〔光磁気ディスクの潤滑剤組成〕 PFPE/脂肪酸変成PFAE混合オイル(粘度20St) 1重量部 フッ素系溶剤 50重量部
【0031】<第1比較例>第1実施例の潤滑剤の代わ
りに保護膜層7の上に、下記組成から成る潤滑剤を膜厚
が2nmになるようにスピン塗布した以外は、第1実施
例と同様にして図1の断面構造を有する光磁気ディスク
2を作製した。 〔光磁気ディスク2の潤滑剤組成〕 PFPE/脂肪酸変成PFAE混合オイル(粘度10St) 1重量部 フッ素系溶剤 500重量部
【0032】<第2比較例>第1実施例の潤滑剤の代わ
りに保護膜層7の上に、下記組成から成る潤滑剤をスピ
ン塗布して膜厚50nmの潤滑層8を形成した以外は、
第1実施例と同様に図1の断面構造を有する光磁気ディ
スク3を作製した。 〔光磁気ディスク3の潤滑剤組成〕 PFPE・脂肪酸変成PFAE混合オイル(粘度10St) 5重量部 フッ素系溶剤 100重量部
【0033】<第3比較例>第1実施例の潤滑剤の代わ
りに保護膜層7の上に下記組成から成る潤滑剤をスピン
塗布して膜厚20nmの潤滑層8を形成した以外は、第
1実施例と同様に図1の断面構造を有する光磁気ディス
ク4を完成した。 〔光磁気ディスク4の潤滑剤組成〕 PFPE/脂肪酸変成PFAE混合オイル(粘度2St) 1重量部 フッ素系溶剤 100重量部
【0034】前記実施例及び比較例1〜3で得られた光
磁気ディスクについて、以下のようにして磁気磁気ヘッ
ドと光磁気ディスクの摩擦及び摩耗試験を行った。摩擦
及び摩耗試験は、摺動面粗さRが50nmのチタン酸
バリウムからなる高浮上型磁気ヘッドをスライダーとし
て使用したCSSテスターで行った。測定は、測定半径
25mm、スライダー荷重10g、回転数0−3600
rpm、4秒/サイクルでコンタクト・スタート・スト
ップテストにて行った。
【0035】測定結果を表1に示す。表1には、各ディ
スクの摩擦係数、保護膜の傷つき程度、潤滑剤の粘度、
潤滑層膜厚、スライダーの摺動面粗さに対する潤滑層膜
厚をそれぞれ示す。なお、潤滑層の膜厚はESCAによ
り測定した。試験は室温20℃、湿度60%の中で行っ
た。表中の摩擦係数のデータは、3000サイクル後の
最大値であり、潤滑効果の優劣評価の基準とした。図中
の傷つき程度のデータは光学顕微鏡にて観察した300
0サイクル後の摺動跡の有無、及び摺動跡の幅である。
【0036】
【表1】
【0037】本発明に従う光磁気ディスク1は、摺動面
の平均粗さがR(50nm)である浮上型磁気ヘッド
に対して潤滑層の厚さt(20nm)が、0.2R
t≦0.8Rの条件を満足しているので、3000サ
イクル後の摩擦係数が1.40で低摩擦を実現してお
り、また3000サイクル後も保護層に摺動跡が認めら
れなかった。
【0038】光磁気ディスク1と光磁気ディスク2の試
験結果の比較により潤滑剤の膜厚が薄すぎる(t=2n
m)と摩擦係数が高く、傷つきやすいことがわかった。
また、光磁気ディスク3では潤滑剤膜厚が厚すぎる(t
=50nm)ため、ヘッドの張り付きが生じ、光磁気デ
ィスクが回転不能であった。さらに、光磁気ディスク1
と潤滑剤粘度が異なる光磁気ディスク4とを比較した場
合、潤滑剤粘度が低い(2St)と耐摩耗性が劣ること
が判る。表1の結果より、本実施例に係る光磁気ディス
クは耐擦傷性、潤滑性に優れているといえる。
【0039】以上、本発明の光磁気記録媒体を実施例に
より具体的に説明してきたが、本発明はそれに限定され
ず、当業者が想到し得る種々の変形及び改良を包含す
る。前記実施例においては、透明基板1の信号面2に第
1の誘電体層3と磁性層4と第2の誘電体層5と反射層
6とを積層したが、磁性層4以外については必要に応じ
て省略することもでき、これらの層以外に、必要に応じ
て他の中間層を追加することもできる。また、各層を構
成する材料は種々のものを用いることができ、保護層の
上に本発明に従う潤滑層を備えた光磁気記録媒体であれ
ば任意の光磁気記録媒体が本発明の範囲内に包含され
る。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、光磁気記録媒体の保護
層上に、浮上型磁気ヘッドの平均摺動面粗さRに対し
て膜厚tが0.2R≦t≦0.8Rであり且つ粘度
ηが5St≦η≦50Stである潤滑層を形成したの
で、CCS方式の磁気ヘッドの光磁気記録媒体の表面へ
の張り付きを防止し、保護層表面の摩擦力を軽減するこ
とができる。よって、本発明の光磁気記録媒体はCCS
方式の磁気ヘッドを用いた磁界変調方式または光磁界変
調方式での記録に極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光磁気記録媒体の一具体例を示す断面
図である。
【符号の説明】
1 透明基板 2 信号面 2a プリフォーマットパターン 3 第1誘電体 4 磁性層(光磁気記録層) 5 第2誘電体層 6 反射層 7 保護層 8 潤滑層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に少なくとも一層の情報記録層を
    含む多層膜体と該多層膜体上に被覆される保護層とを備
    え、浮上型磁気ヘッドにより情報が記録される光磁気記
    録媒体において、 上記保護層上にさらに粘度ηが5St≦η≦50Stで
    ある潤滑剤の潤滑層を備え且つ該潤滑層の厚さtが、上
    記浮上型磁気ヘッドの摺動面の平均粗さRに対して
    0.2R≦t≦0.8Rであることを特徴とする光
    磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 上記潤滑層の厚さが、2nm〜80nm
    であることを特徴とする請求項1に記載の光磁気記録媒
    体。
  3. 【請求項3】 上記潤滑剤が少なくとも有機酸変成フッ
    素系オイルを含むことを特徴とする請求項1または2記
    載の光磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 上記潤滑剤が少なくとも一種の有機酸変
    成フッ素系オイルと基油とから構成されていることを特
    徴とする請求項3記載の光磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 上記保護層が、紫外線硬化型樹脂または
    室温硬化型樹脂から構成されていることを特徴とする請
    求項1〜4のいずれか一項記載の光磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】 CCS方式で前記浮上型磁気ヘッドによ
    り情報が記録されることを特徴とする請求項1〜5のい
    ずれか一項記載の光磁気記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2021110349A (ja) * 2020-01-08 2021-08-02 住友重機械工業株式会社 撓み噛合い式歯車装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021110349A (ja) * 2020-01-08 2021-08-02 住友重機械工業株式会社 撓み噛合い式歯車装置
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