JP2000291131A - 柱と梁または床との接合構造 - Google Patents

柱と梁または床との接合構造

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JP2000291131A
JP2000291131A JP11095537A JP9553799A JP2000291131A JP 2000291131 A JP2000291131 A JP 2000291131A JP 11095537 A JP11095537 A JP 11095537A JP 9553799 A JP9553799 A JP 9553799A JP 2000291131 A JP2000291131 A JP 2000291131A
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Yoshio Kaneko
佳生 金子
Moriaki Kurita
守朗 栗田
Toshiyuki Shioya
俊幸 塩屋
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Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
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Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 施工性に優れ、しかも高い接合強度を得るこ
とのできる柱と梁または床との接合構造に関するもので
ある。 【解決手段】 柱1と梁2とをジョイント部材3で接合
するようにし、繊維補強硬化材料からなるコア部3aか
ら延出した鉄筋3b,3cに、柱鉄筋1aあるいは梁鉄
筋1bをジョイントするようにした。また、梁が床の上
下面に梁型の出ない構造であるときに、ジョイント部材
の梁床接合部を、床の下面側において柱の外周側に突出
するよう形成し、このジョイント部材を介して柱と床と
を接合するようにしても良い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、現場打ちコンクリ
ートで形成される柱と、この柱に接合される梁または床
との接合構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、鉄筋コンクリート造等で構築され
る構造物は、高強度コンクリートおよび高強度鉄筋の使
用により、柱梁の断面寸法の縮小化が図られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、柱梁の
断面寸法が小さくなると、それに応じて柱梁の接合部の
寸法も小さくならざるを得ず、架構で最も重要な要素の
一つである柱梁接合部の健全性を確保することが困難と
なってきていた。また、小さい部材寸法で太径鉄筋を大
量に使うため、接合部の構造が複雑化し、施工性も低下
していた。これは、柱と梁の接合部だけではなく、床の
下面側に梁型の出ないフラットプレート構造等を採用し
た床と柱との接合部においても共通する問題である。本
発明は、以上のような点を考慮してなされたもので、施
工性に優れ、しかも高い接合強度を得ることのできる柱
と梁または床との接合構造に関するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
現場打ちコンクリートで形成される柱と、該柱に接合さ
れる梁または床との接合部に、補強繊維と線状の補強材
料とを含む繊維補強硬化材料によって形成されたジョイ
ント部材が埋設され、前記ジョイント部材は、前記柱に
向けて延出する柱接合部と、前記梁または床に向けて前
記柱の断面よりも外周側に延出する梁床接合部とを一体
に備えて構成されていることを特徴としている。
【0005】請求項2に係る発明は、請求項1記載の柱
と梁または床との接合構造であって、前記ジョイント部
材がキュービック状のコア部を有し、該コア部から延出
した前記梁床接合部として鉄筋または鉄骨ブラケットが
設けられていることを特徴としている。
【0006】請求項3に係る発明は、請求項1記載の柱
と梁または床との接合構造であって、前記梁が床の上下
面に梁型の出ない構造とされ、かつ、前記梁床接合部
は、前記床の下面側において前記柱の外周側に突出する
よう形成されていることを特徴としている。
【0007】このジョイント部材を柱と梁または床との
接合部に埋設し、梁床接合部に梁または床を接合するこ
とにより、柱と梁または床とをジョイント部材を介して
接合することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る柱と梁または
床との接合構造の第一および第二の実施の形態につい
て、図1ないし図4を参照して説明する。
【0009】[第一の実施の形態]ここではまず、柱と
梁との接合部に本発明を適用する場合の例を挙げる。図
1において、符号1は現場打ち鉄筋コンクリート造の
柱、2は現場打ち鉄筋コンクリート造の梁、3はジョイ
ント部材である。
【0010】図1及び図2に示すように、ジョイント部
材3は、キュービック状のコア部3aと、コア部3aか
ら梁2に向けて延出する鉄筋(梁床接合部)3bと、柱
1に向けて延出する鉄筋(柱接合部)3cとから構成さ
れている。コア部3aは、柱1または梁2の断面寸法と
ほぼ同一あるいはそれよりも小さく設定されており、鉄
筋3b,3cは、コア部3aを貫通して一体化されてい
る。
【0011】そして、このコア部3aは、繊維補強硬化
材料によって形成されている。繊維補強硬化材料として
は、繊維補強モルタル/コンクリート等が好適であり、
特に、特公平8−32583号公報に開示されたコンパ
クト強化複合材のような鋼繊維補強超高強度モルタル/
コンクリートを用いるのが好ましい。前記公報に開示さ
れているコンパクト強化複合材(「CRC」とも称され
ている)は、非常に高い内部一体性を維持したまま、非
常に高い強度および剛性を併せ持ったもので、補強用物
体で強化されたベースマトリックスを含むマトリックス
に、補強材が埋め込まれた構成のものである。ここで、
補強物体としては、例えばガラス繊維、ポリプロピレン
繊維、炭素繊維、酸化アルミニウム繊維、窒化ケイ素繊
維及び炭化ケイ素繊維を含めたセラミック繊維、鋼繊維
等からなる繊維状のものが用いられる。また、ベースマ
トリックスとしては、例えば、ポルトランドセメントま
たは耐火セメントに基づくセメントペースト、モルタル
またはコンクリート等が用いられる。さらに、補強材と
しては、異形棒やプレストレスワイヤ及びケーブル等を
含むコンクリート補強用の鋼補強材や、繊維−ポリマー
複合補強材等が用いられる。
【0012】以下に、繊維補強硬化材料の、より具体的
な一例を示す。上記結合材としては、セメント、マイク
ロシリカ、およびナフタレン系の高性能減水剤(粉体)
をプレミックスしたものである。細骨材には、石英質で
あり、粒径の異なる3種類の細骨材を所定の割合で混合
して使用する。粒径は、例えば0〜0.25mm、0.
25〜1mm、1〜4mmである。また、補強材として
は鋼繊維を用いる。例えば直径0.4mm程度で、長さ
が12mm(アスペクト比40)のストレート形状のス
チールファイバー等が用いられ、その混入率は例えば3
〜9%程度である。
【0013】上記材料の配合を、例えば水結合材比:
0.16、砂結合材比:1.29、単位水量:150k
g/m3、結合材:957kg/m3、細骨材:1186
kg/m3、鋼繊維混入率:477kg/m3(6vol
%)とした場合、スランプ:13.7cm、温度:2
5.0℃で、材齢28日(7日)では、圧縮強度:12
9(100)N/mm2、単位容積質量:2.75
(2.75)t/m3、ヤング係数:49.1kN/m
2、曲げ強度:20.9N/mm2、換算曲げ強度:1
4.0N/mm2、となる。
【0014】もちろん、上記コンパクト強化複合材の配
合比や、用いる繊維の種類、骨材の大きさと種類を変更
(アレンジ)したものを採用することも可能であるし、
上記コンパクト強化複合材以外の、他の繊維補強モルタ
ル/コンクリート等や高強度コンクリート等の材料を用
いることも可能である。
【0015】図1に示したように、このようなジョイン
ト部材3で柱1と梁2とを接合するには、柱1と梁2と
の接合部にジョイント部材3を配置し、コア部3aから
延出した鉄筋3b,3cに、柱鉄筋1aあるいは梁鉄筋
1bをジョイントし、この状態で型枠を組んで型枠内に
コンクリートを打設し、柱1と梁2とを形成すればよ
い。このとき、柱1および梁2を形成させるための型枠
を組むに際して、コア部3aを基準にして型枠を組めば
その組立が容易に行える。これにより、ジョイント部材
3は、柱1と梁2との接合部にコア部3aが埋設された
状態となり、柱1と梁2とは鉄筋3b,3cを介して接
合が図られるようになっている。
【0016】このような構成によれば、柱1と梁2のジ
ョイント部には多大な応力がかかるものであるが、ジョ
イント部材3のコア部3aは、高強度かつ高靭性を有し
た、例えばコンパクト強化複合材のような鋼繊維補強超
高強度モルタル/コンクリート等の繊維補強硬化材料で
形成されているので、このようなジョイント部材3を介
して柱1と梁2を接合することによって、軽量で耐力と
耐久性とに優れたジョイント部分を実現することができ
る。従って、断面寸法の小さな柱1と梁2を接合する場
合であっても十分な健全性を確保することができる。ま
た、接合部の構造が簡易なものとなるので、施工性が大
幅に向上する。
【0017】さらには、ジョイント部材3のコア部3a
を、柱1および梁2を形成するための型枠の基準とする
こともできるので、作業の容易化を図ることができる。
【0018】なお、第一の実施の形態において、梁2を
鉄筋コンクリート造としたが鉄骨造であってもよい。こ
の場合には、図3に示すように、ジョイント部材3’の
コア部3a’から梁2に向けて延出するH型鋼製の鉄骨
ブラケット(梁床接合部)3dを一体に埋設しておき、
これに梁鉄骨(図示なし)を接続すればよい。この他、
柱1については、現場打ちコンクリートによって形成さ
れるのであれば、鉄筋コンクリート造だけではなく、鋼
管充填コンクリート造等であってもよい。
【0019】また、柱1に接合する梁2の数は上記に挙
げたものに限定するものではなく、1本、あるいは3本
以上であっても良く、接合すべき梁2に応じた数だけ鉄
筋3bを設ければよい。
【0020】[第二の実施の形態]次に、本発明に係る
柱と梁または床との接合構造の第二の実施の形態につい
て説明する。ここでは、柱と床との接合部に本発明を適
用する場合の例を用いて説明する。
【0021】図4において、符号11は柱、12は床、
13は梁である。ここで、梁13は床12の上下面に梁
型の出ないフラットプレート構造とされ、すなわち床1
2と完全に一体化されている。
【0022】このような柱11と床12との接合部分に
は、ジョイント部材14が配置されている。ここで、ジ
ョイント部材14は、床12の下面側に設置され、下方
に突出して柱11に一体化される筒状の柱接合部14a
と、柱11の全周にわたってその外周側に突出する平面
視矩形の床接合部(梁床接合部)14bとを有して形成
されている。
【0023】このジョイント部材14は、前記第一の実
施の形態で示したジョイント部材3と同様の材料、すな
わち、例えばコンパクト強化複合材のような鋼繊維補強
超高強度モルタル/コンクリート等の繊維補強硬化材料
で形成されている。
【0024】このような柱11と床12との接合構造で
は、プレキャストされたジョイント部材14を柱11と
床12との接合部に配置した状態で、柱11と床12を
それぞれ形成すればよい。これにより、柱接合部14a
が柱11に一体化し、周囲に張り出した床接合部14b
が床12に一体化することによって、柱11と床12と
がジョイント部材14を介して接合されることとなる。
【0025】上述したような構成によれば、常に圧縮力
のかかる柱11と床12との接合部の下部側にジョイン
ト部材14が設置され、しかも、ジョイント部材14
は、高強度かつ高靭性を有した例えばコンパクト強化複
合材のような鋼繊維補強超高強度モルタル/コンクリー
ト等の繊維補強硬化材料で形成されているため、柱11
と床12の接合部を、軽量で耐力と耐久性とに優れた構
造とすることができる。
【0026】なお、上記第二の実施の形態において、柱
11に対し、その全周にわたって床12が形成されてい
る場合を例に挙げたが、もちろん、柱11が建物の外周
部に沿って位置するものである場合等、床12が柱11
に対して三方あるいは二方にのみ存在するときには、そ
の部分にのみ床接合部14bを形成すればよいのであ
る。
【0027】また、床12には、プレストレスを導入す
るための鋼材等を埋設するようにしてもよい。
【0028】これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない
範囲内であれば、いかなる構成を採用しても良く、また
上記したような構成を適宜選択的に組み合わせたものと
しても良いのは言うまでもない。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る柱
と梁または床との接合構造によれば、現場打ちコンクリ
ートで形成される柱と、柱に接合される梁または床との
接合部に、補強繊維と線状の補強材料とを含む繊維補強
硬化材料によって形成されたジョイント部材が埋設さ
れ、ジョイント部材には、柱に向けて延出する柱接合部
と、梁または床に向けて外周側に延出する梁床接合部と
が一体に形成された構成となっている。このようなジョ
イント部材を介して柱と梁または床を接合することによ
って、軽量で耐力と耐久性とに優れたジョイント部分を
実現することができる。従って、断面寸法の小さな柱と
梁を接合する場合等であっても、十分な健全性を確保す
ることができる。また、柱と梁または床の接合部が簡易
な構造となるので、その施工性も大幅に向上する。
【0030】請求項2に係る柱と梁または床との接合構
造によれば、ジョイント部材がキュービック状のコア部
を有し、梁床接合部として鉄筋または鉄骨ブラケットが
設けられ、柱接合部として鉄筋等が設けられる構成とな
っている。これにより、柱と梁とを接合するジョイント
部材を、コンパクトでしかも高耐力および高靭性を有し
たものとすることができる。しかもジョイント部材のコ
ア部を、柱や梁を形成するための型枠の基準とすること
もできるので、作業の容易化を図ることができる。
【0031】さらに、請求項3に係る柱と梁または床と
の接合構造によれば、梁が床の上下面に梁型の出ない構
造とされ、かつ梁床接合部は、床の下面側において柱の
外周側に突出するよう形成されている構成となってい
る。これにより、常に圧縮力のかかる床の下部側にジョ
イント部材が設置されているので、このようなフラット
プレート構造等においても、軽量で耐力と耐久性とに優
れた接合構造とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る柱と梁または床との接合構造の
第一の実施の形態を示す立断面図である。
【図2】 前記接合構造に用いるジョイント部材を示す
斜視図である。
【図3】 前記ジョイント部材の他の一例を示す斜視図
である。
【図4】 本発明に係る柱と梁または床との接合構造の
第二の実施の形態を示す立断面図および平断面図であ
る。
【符号の説明】
1,11 柱 2,13 梁 3,3’,14 ジョイント部材 3a コア部 3b 鉄筋(梁床接合部) 3c 鉄筋(柱接合部) 3d 鉄骨ブラケット(梁床接合部) 12 床 14a 柱接合部 14b 床接合部(梁床接合部)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 現場打ちコンクリートで形成される柱
    と、該柱に接合される梁または床との接合部に、補強繊
    維と線状の補強材料とを含む繊維補強硬化材料によって
    形成されたジョイント部材が埋設され、 前記ジョイント部材は、前記柱に向けて延出する柱接合
    部と、前記梁または床に向けて前記柱の断面よりも外周
    側に延出する梁床接合部とを一体に備えて構成されてい
    ることを特徴とする柱と梁または床との接合構造。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の柱と梁または床との接合
    構造であって、前記ジョイント部材がキュービック状の
    コア部を有し、該コア部から延出した前記梁床接合部と
    して鉄筋または鉄骨ブラケットが設けられていることを
    特徴とする柱と梁または床との接合構造。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の柱と梁または床との接合
    構造であって、前記梁が床の上下面に梁型の出ない構造
    とされ、かつ、前記梁床接合部は、前記床の下面側にお
    いて前記柱の外周側に突出するよう形成されていること
    を特徴とする柱と梁または床との接合構造。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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