JP3911676B2 - Spc構造架構 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、プレキャスト化された超高強度コンクリートからなる柱(この明細書では「SPC柱」という)とプレキャスト化された超高強度コンクリートからなる梁(この明細書では「SPC梁」という)とからなる架構(この明細書では「SPC構造架構」という)に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の合成梁には、例えば、梁の長手方向の中間の主要部分を占めるプレキャスト鉄筋コンクリート造の梁主部材と梁の長手方向に両端の部分を占める鋼製の梁端部材とを結合したものがあり、前記梁主部材の長手方向に延在させる複数の梁主筋と、その長手方向に沿って延在させる複数のPC鋼棒を通すシースと、その長手方向に間隔をおいて前記の各梁主筋及び各シースを囲繞する多数の肋筋とを型枠内に配し、型枠内にコンクリートを打設し、各シース内に通されたPC鋼棒の端部分をその両端面から突出させて前記梁主部材を製造し、梁の長手方向に延びる鋼製のH形断面の短い梁端材の一端に、PC鋼棒の前記端部分に対応する位置にそれぞれ貫通孔が穿設された鋼製の接合板を、該接合板が梁の長手方向に対して略直角になるように一体に結合して、前記梁端部材を製作し、前記梁主部材の両端に梁端部材を配して、梁端部材の接合板の貫通孔に前記梁主部材の端面から突出するPC鋼棒の端部分を通し、前記接合板を前記梁主部材の端面に当て、PC鋼棒に引張力を付与し、梁端部材の接合板を梁主部材の端面に圧接し、梁主部材のコンクリートにプレストレスを付与し、PC鋼棒の端部を定着具にて接合板に定着して、梁主部材のコンクリートのプレストレスの付与状態を保持するとともに、梁主部材と梁端部材とを一体に結合してなる合成梁(特許第2952366号公報)がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
近年、超高層建物の需要増大により、超高強度コンクリートを活用したRC建物が多数設計・施工されている。現状では、圧縮強度100N/mmのコンクリートに関しては現場打ちでも施工が可能であり、部材断面を縮小することによる快適空間の提供のため、更なる超高強度コンクリートに関する施工技術の進展が図られている。しかし、このようなコンクリートの超高強度化に関しては様々な問題がある。例えば、次の(1)及び(2)のような問題がある。
(1)超高強度コンクリートの施工
100N/mmを越える超高強度コンクリートは、養生管理上、現場打設に問題があり、養生管理が可能な工場生産によるプレキャスト化を指向する必要がある。
(2)超高強度コンクリートを使用した柱や梁のRC部材の端部靭性確保
100N/mmを越える超高強度コンクリートを使用した柱や梁のRC部材では、十分な耐震性能を確保するために、せん断補強として高強度鉄筋、閉鎖型補強筋等の鉄筋が必要である。また、その鉄筋の配筋量もせん断補強筋として2%程度となり、一般の柱や梁のRC部材と比較してかなり多くの補強筋量が必要となる。
前記の従来の合成梁は、超高強度コンクリートを使うものでないから、梁を極細にして快適空間を形成できないものであり、また、補強筋として主筋及びせん断補強を配筋するから、補強鋼材量を少くして梁の断面形状を縮小することができないものである。
この発明の解決しようとする課題は、従来の技術の上記のような欠点を有しない極細柱及び極細梁からなる快適空間を備えたSPC構造架構を提供すること、換言すると、主筋及びせん断補強を無くして補強鋼材量を少くしてSPC柱及びSPC梁を造って、SPC柱及びSPC梁が極細になるようにし、その極細のSPC柱及びSPC梁からなる快適空間を有するSPC構造架構を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この発明のSPC構造架構は、基礎上の多数の柱樹立部にSPC柱がそれぞれ建てられ、各SPC柱の梁接合部間にそれぞれSPC梁が配され、各SPC梁の接合部が各SPC柱の接合部に接合されたSPC構造架構において、SPC柱は、プレキャストされた主筋、せん断補強筋等の補強筋で補強されていない超高強度コンクリート部分、その梁接合部の前記コンクリート部分中に埋め込まれた鋼製の埋込金物に連結されて上下に間隔をおいて配された部材が柱の側面にその一部が露出又は突出してなる接合部、前記コンクリート部分と一体に梁接合部の接合部間に突設されたコッタ脚部の前記コンクリート部分中に埋め込まれた鋼製の埋込金物の下部が前記コンクリート部分の下端面に突出又は露出してなる接合部前記コンクリート部分中に柱の長手方向に延在して前記コンクリート部分にプレストレスを付与するPC鋼材で構成され、SPC梁は、プレキャストされた主筋、せん断補強筋等の補強筋で補強されていない超高強度コンクリート部分、その両端の前記コンクリート部分中に埋め込まれた鋼製の埋込金物の上下に間隔をおいて配された板状の部材の部分であって前記コンクリート部分にアンボンドになっている塑性変形用部分と、該塑性変形用部分に連なる端部が梁の端面突出又は露出してなる接合部、前記コンクリート部分の端部に形成された前記コッタと嵌合する凹部と、前記コンクリート部分中の梁の長手方向に延在して前記コンクリート部分にプレストレスを付与するPC鋼材とで構成され、各SPC柱の柱脚部の接合部と基礎の接合部とが接合され、各SPC柱と基礎との接合箇所に連なる埋込金物の部分又は基礎の部分が塑性変形可能な塑性変形用部分を含んでいて、その塑性変形用部分により塑性回転ヒンジ部が構成され、各SPC梁の端部の凹部が各SPC柱の梁接合部のコッタに嵌合され、各SPC梁の接合部と各SPC柱の接合部とが接合され、各SPC梁とSPC柱との接合個所に連なるSPC梁の前記塑性変形用部分により塑性回転ヒンジ部が構成されていることを特徴とするものである。
【0005】
本願の発明のSPC構造架構は、その好ましい形態においては、例えば、次の(A)〜(F)のようにするが、これらの形態に限定するものではない。
(A)SPC柱として、その梁接合部の超高強度コンクリート部分中に埋め込まれた埋込金物が、上下に間隔をおいて平行に配置された対の鋼製の板状体と、前記板状体間にあってその上下の端が前記板状体に結合されている鋼製の連結体とで構成され、前記板状体の端面が前記コンクリート部分の側面に露出又は突出するようにされ、前記板状体の側面に露出又は突出した部分が接合部になっており、または、その梁接合部のコンクリート部分中に埋め込まれた埋込金物が、上下に間隔をおいて平行に配置された対の鋼製の板状体と、前記板状体間にあってその上下の端が前記板状体に結合されている鋼製の連結体と、梁を接合する柱の側面に対応する前記板状体の部分に結合された鋼製の接合部材とで構成され、前記接合部材の部分が前記コンクリート部分の側面に突出又は露出するようにされ、前記側面に突出又は露出した接合部材の部分が接合部になっており、各板状体にPC鋼材を通す貫通孔が複数個穿設され、PC鋼材を前記貫通孔に通してPC鋼材に引張力を導入して前記コンクリート部分にプレストレスを付与できるようになっているものを使う。
(B)SPC柱として、その柱脚部の超高強度コンクリート部分中に埋め込まれる埋込金物が、上下に間隔をおいて配置された上側の鋼製の板状体及び下側の鋼製の基体と、前記板状体と基体の間に配置されてその上下の端が前記板状体及び基体に結合された鋼性の連結体とで構成され、コンクリート部分にプレストレスを付与するPC鋼材が前記板状体に穿設された貫通孔に通されて定着され、前記基体の下部が前記コンクリート部分の下端面から突出するようにされ、基体の部分が塑性変形用部分になっていて、この塑性変形用部分が塑性変形可能になっており、基体の前記下面から突出した部分が接合部になっているものを使う。
【0006】
(C)SPC梁として、その長手方向の両方の端部の超高強度コンクリート部分中に埋め込まれた埋込金物が、上下に間隔をおいて梁の長手方向と平行に配置された対の鋼製の板状体と、前記板状体間に配置されてその上下の端が前記板状体に結合されている鋼製の定着板とで構成され、前記コンクリート部分中の梁の長手方向に延在して前記コンクリート部分にプレストレスを付与するPC鋼材が前記定着板に穿設された貫通孔に通されて定着され、前記板状体の梁の端より部分が塑性変形用部分になっていて、前記塑性変形用部分が前記コンクリート部分に対面する面を前記コンクリート部分に対してアンボンドにされて塑性変形可能になっており、前記塑性変形用部分に連なる前記板状体の端が前記コンクリート部分の端面から突出するようにされ、前記板状体の梁の端面から突出した部分が接合部になっているものを使う。または、
(D)SPC梁として、その長手方向の両方の端部の超高強度コンクリート部分中に埋め込まれる埋込金物が鋼製の金物主体と鋼製の塑性変形用部材とを備え、その金物主体が、上下に間隔をおいて梁の長手方向と平行に配置された対の鋼製の板状体と、前記板状体間に配置されてその上下の端が前記板状体に結合されている鋼製の定着板とで構成され、前記コンクリート部分中の梁の長手方向に延在して前記コンクリート部分にプレストレスを付与するPC鋼材が前記定着板に穿設された貫通孔に通されて定着され、前記金物主体の上側及び下側の板状体の上側及び下側に前記塑性変形用部材が配され、前記塑性変形用部材の梁の中央側の部分が前記板状体の梁の中央側の部分に結合され、塑性変形用部材の梁の端側の部分に鋼製の接合部材が設けられ、塑性変形用部材の塑性変形用部分の前記コンクリート部分と対面する面が前記コンクリート部分に対してアンボンドになっていて、前記塑性変形用部分が塑性変形可能になっており、前記接合部材の梁の端面から突出した部分が接合部になっているものを使う。
【0007】
(E)埋込金物の塑性変形用部分又は塑性変形用部材の塑性変形用部分超高強度コンクリート部分と対面する面が前記コンクリート部分に対してアンボンドになっていて、塑性変形用部分塑性変形可能になっている。
(F)SPC梁の変形量を分散させたい場合には、SPC梁として、1対のSPC梁部材と塑性変形用パネルとからなり、SPC梁部材が、主筋、せん断補強筋等の補強筋で補強されていないプレキャスト化された超高強度コンクリート部分、その梁の端部側の前記コンクリート部分中に埋め込まれた鋼製の埋込金物に連結されかつ梁の端部側の端面にその一部が突出又は露出した接合部、前記コンクリート部分の前記端面に形成されたSPC柱のコッタと嵌合する凹部と、コンクリート部分中に延在してコンクリート部分にプレストレスを付与するPC鋼材で構成され、SPC梁部材とSPC梁部材との間に塑性変形用パネルを配してそれらが直列に配置され、塑性変形用パネルの一方の端が一方のSPC梁部材の梁の中央側の端に結合され、塑性変形用パネルの他方の端が他方のSPC梁部材の梁の中央側の端に結合され、SPC梁が1対のSPC梁部材を塑性変形用パネルを介して連結して構成されているものを使う。
【0008】
この発明のSPC構造架構の構築方法は、基礎上の多数の柱樹立部にSPC柱をそれぞれ建て、各SPC柱の梁接合部間にそれぞれSPC梁を配し、各SPC梁の接合部を各SPC柱の接合部に接合するSPC構造架構の構築方法において、SPC柱として、プレキャストされた主筋、せん断補強筋等の補強筋で補強されていない超高強度コンクリート部分、その梁接合部の前記コンクリート部分中に埋め込まれた鋼製の埋込金物に連結されて上下に間隔をおいて配された部材が柱の側面露出又は突出してなる接合部と、梁接合部の梁の端面に対面する部分に前記コンクリート部分と一体突設されて柱の長手方向に対して直角な梁の幅方向に延在してその縦断面が台形、矩形、半円形の単純な形状になっているコッタ脚部の前記コンクリート部分中に埋め込まれた鋼製の埋込金物の下部が前記コンクリート部分の下端面に突出又は露出してなる接合部と、前記コンクリート部分中の柱の長手方向に延在して前記コンクリート部分にプレストレスを付与するPC鋼材で構成されたものを使い、SPC梁として、プレキャストされた主筋、せん断補強筋等の補強筋で補強されていない超高強度コンクリート部分、その両端の前記コンクリート部分中に埋め込まれた鋼製の埋込金物の上下に間隔をおいて配された板状の部材の端部が梁の端面に突出又は露出してなる接合部、前記コンクリート部分の端部のSPC柱の梁接合部に面する部分に形成されて梁の長手方向に対して直角な水平方向からSPC柱の前記コッタに嵌合できるように梁の端面から凹んでいて梁の幅方向に延在して、その縦断面の形状が前記コッタの縦断面の形状に対応する形状になっている凹部前記コンクリート部分中の梁の長手方向に延在して前記コンクリート部分にプレストレスを付与するPC鋼材で構成されたものを使い、基礎上の多数の柱樹立部にSPC柱をそれぞれて、各SPC柱の柱脚部の接合部を基礎の接合部に接合し、SPC梁を吊り上げて水平にしその長手方向に対して直角な水平方向から各SPC柱の前記コッタに各SPC梁の端部の凹部を嵌合してSPC梁を保持してから、各SPC梁の接合部と各SPC柱の接合部とを接合することを特徴とするものである。
【0009】
SPC構造架構の構築方法において、SPC梁として、その両端の超高強度コンクリート部分中に埋め込まれた鋼製の金物主体の上側及び下側の板状体前記コンクリート部分に突出又は露出した接続部を備え、その接続部に先端に接合部のある塑性変形用部材の基部が接合されていないものを使う場合に、各SPC梁の端部を各SPC柱のコッタに対向させてSPC梁を保持して、前記金物主体の上側及び下側の接続部の上側及び下側に先端に接合部のある塑性変形用部材が配され、該塑性変形用部材の基端SPC梁の金物主体の接続部にそれぞれ接合された状態にして、各SPC梁の前記塑性変形用部材の先端の接合部と各SPC柱の接合部とを接合してから、SPC柱のコッタ、SPC柱の超高強度コンクリート部分に突出又は露出した接合部、SPC梁の接合部のある塑性変形用部材等のある箇所の外側に型枠を配し、接合部、塑性変形用部材の塑性変形用部分アンボンド処理を施しておいて、型枠内に高強度モルタルを充填し、各SPC梁とSPC柱との接合箇所に連なる前記塑性変形用部材の塑性変形用部分により塑性回転ヒンジ部を構成するようにする。
【0010】
【実施例】
本願のSPC構造架構100の概要が図1及び図2に示されている。
SPC柱10は、図1に示すように、超高強度のコンクリートのプレキャストとして製作され、その梁接合部10Aのコンクリート部分11中に鋼製の埋込金物12が埋め込まれ、その埋込金物12の一部がコンクリート部分11の側面に露出する(又は側面から突出する)ようにされ、その露出(又は突出)した部分が接合部12aになっている。
SPC柱10の柱脚10Bは、柱のコンクリート部分11の下部中に鋼製の埋込金物15が埋め込まれ、その埋込金物15の一部がコンクリート部分11の下面から突出する(又は下面に露出する)ようにされ、その突出(又は露出)した部分が接合部15aになっている。そして、接合金物12,15間にあるコンクリート部分11はPC鋼棒13によりプレストレスが付与されている。
SPC梁20は、図1に示すように、超高強度のコンクリートのプレキャストとして製作され、その長手方向の両方の端部のコンクリート部分中21中に鋼製の埋込金物22が埋め込まれ、それらの埋込金物22の一部がコンクリート部分21の長手方向の端面から突出する(又は端面に露出する)ようにされ、その突出(又は露出)した部分の端が接合部22aになっている。埋込金物22,22間にあるコンクリート部分21はPC鋼棒23によりプレストレスが付与されている。
SPC柱10及びSPC梁20のコンクリート部分11,21には、主筋、せん断補強筋等の補強筋は配筋されていない。
SPC柱10及びSPC梁20のコンクリート部分11,21にプレストレスを導入すると、その部分11,21の曲げ耐力及びせん断力が向上する。SPC柱10及びSPC梁20へのPC鋼棒13,23によるプレストレスの導入は、プレテンション方式、ポストテンション方式のどちらでもよい。
【0011】
SPC柱10の梁接合部10Aに埋め込む埋込金物12は、鋼製の平板12b,12bを上下方向に間隔をおいて平行に配置し、鋼製の連結体12cを平板12b,12bに対して直角に配置し、連結体12cの上下の端面を平板12b,12bの中央部に溶接してH字形に構成され、埋込金物12はその平板12b,12bの端面がコンクリート部分11の側面に露出するようにコンクリート部分11中に埋め込まれ、その側面に露出した平板12b,12bの端面が接合部12aになっている。
下部に埋め込む埋込金物15は、上側の鋼製の平板15bと下側の上下方向の寸法が平板15aよりも大きい鋼製の基体15aとを上下方向に間隔をおいて平行に配置し、鋼製の連結体15cを平板15bと基体15aに対して直角に配置し、連結体15cの上下の端を平板15b及び基体15aの中央部に溶接して構成されている。埋込金物15の基体15aの下部がコンクリート部分11の下面から突出するようにコンクリート部分11中に埋め込まれ、その下面から突出した基体15aの部分が接合部15aになっている。
【0012】
図2に示すSPC構造架構のSPC柱の設置は通常のプレキャスト工法と同様な工法により施工する。すなわち、基礎Bの上部の多数の柱樹立部には、接合部がそれぞれ設けられ、各柱樹立部の基礎Bの接合部上にSPC柱10を建て、各SPC柱10の下部の埋込金物15の接合部15aを基礎Bの接合部に溶接、ボルト接合等の適宜の接合手段により固着する。各SPC柱10の取付部間にそれぞれSPC梁20を配し、各SPC梁20の端部の埋込金物22の接合部22aを各SPC柱10の梁接合部の埋込金物12の接合部12aに溶接、ボルト接合等の接合手段にて接合して、SPC構造架構100が構築される。
【0013】
図2に示すSPC構造架構100は、基礎Bの接合部に接合された各SPC柱10の下部の塑性回転ヒンジ部Chが、埋込金物15の塑性変形可能な鋼材の基体15aの下部、すなわち、塑性変形用部分15apで構成され、各SPC柱10の接合部12aに接合された各SPC梁20の端部の塑性回転ヒンジ部Bhが、埋込金物22の平板22bの一部である塑性変形可能な鋼材の部分、すなわち、塑性変形用部分22bpで構成されいる。
塑性回転性能が要求されるSPC柱10の下部及びSPC梁20の端部における曲げを伝達する鋼製の部分、すなわち、埋込金物15の基体15aの塑性変形用部分15ap及び埋込金物22の平板22bの塑性変形用部分22bpは、コンクリート部分11,21に付着しないように(アンボンドに)なっていて、SPC柱10及びSPC梁20の端部の回転性能を確保するとともに、SPC柱10及びSPC梁20に伝達される断面力(曲げ及びせん断)を制御する。
大地震時にSPC構造架構100に大きな水平力が作用したときに、各SPC柱10は塑性回転ヒンジ部Chの基体15aの塑性変形用部分15apの塑性変形により基礎Bに対して回動して傾斜でき、各SPC柱10と各SPC梁20とは、塑性回転ヒンジ部Bhの塑性変形用部分22bpの塑性変形によりそれらが互いに回動して各SPC柱10の前記傾斜を許容するから、SPC構造架構100は梁降伏型の全体降伏機構を構成するものと考えられる。
【0014】
図2のSPC構造架構のSPC柱10と基礎Bとの間の塑性回転ヒンジ部Chを、図1に示すものでは、SPC柱10の下部の埋込金物15の基体15aの塑性変形用部分15apにより構成してあるが、塑性変形可能な鋼材からなる塑性変形用部分を、SPC柱10側にではなく、基礎側の接合部に又はこの接合部に連ねて設けて、基礎側に設けた塑性変形用部分により塑性回転ヒンジ部Chを構成するようにすることもできる。
図2のSPC構造架構のSPC柱10とSPC梁20との間の塑性回転ヒンジ部Bhを、図1に示すものでは、SPC梁20の端部の埋込金物22の塑性変形用部分22bpで構成してあるが、塑性変形可能な鋼材からなる塑性変形用部分を、SPC梁20側にではなく、SPC柱10側の埋込金物12の接合部12aに連ねて設けて、SPC柱10側に設けた塑性変形用部分により塑性回転ヒンジ部Bhを構成するようにすることもできる。
【0015】
実施例1のSPC構造架構の構成要素が図3〜図7に示されている。
本願の発明の実施例1の架構は、図1及び図2に示すSPC構造架構100に、SPC柱10の梁接合部の対の接合部間に突設したコッタ14とSPC梁20の端面に設けた凹部25とを嵌合することによりSPC柱10とSPC梁20とを接合するというもう一つの構成を付加したものである。
実施例1のSPC柱10は、図5及び図6に示され、超高強度のコンクリートのプレキャストとして製作され、その柱取付部10Aには鋼製の埋込金物12が埋め込まれている。なお、実施例1のSPC柱10の柱脚部の構成は、図1に示したSPC柱10の柱脚部の構成と同じである。
埋込金物12は、四角形の柱の横断面よりも小さい4角形で同形の上側及び下側の鋼製の平板12b,12bを所定の間隔を保つように鋼製の連結部材12cを介して連結して正面又は側面視がH字形の金物主体とし、この金物主体の上側及び下側の平板12b,12bの辺部分に梁を取付ける部分となる横断面が矩形の鋼製の接合部材12aをそれぞれ溶接して、製作されている。上側及び下側の平板12b,12bにはそれぞれ同じ位置にPC鋼棒13を通す複数(図示例では4箇)の貫通孔12bが穿設されている。接合部材12aの上下方向の寸法は、図示例では、上側の接合部材12aを下側の接合部材12aよりも大きくしてある。
埋込金物12の接合部材12a,12aの一部がコンクリート部分11の表面から突出し、その突出した部分が接合部12a,12aになっている。
SPC柱10の梁接合部のコンクリート部分11の接合部12a間に、コンクリート部分と一体にコッタ(シヤーキー)14が設けられている。このコッタ14は、柱の側面から突出して柱の長手方向に対して直角な方向に延在し、その縦断面の形状を台形(又は矩形、半円形単純な形状)にしてある。
【0016】
実施例1のSPC構造架構のSPC梁20は、図3〜図6に示され、超高強度のコンクリートのプレキャストとして製作され、その両端よりの部分には鋼製の埋込金物22が埋め込まれている。
接合金物22は、上側及び下側の矩形の鋼製の平板22b,22bを矩形の鋼製の定着板22cにて正面視でH字状に結合して構成されている。
各平板22b,22bは間隔をおいて梁の上下面に平行になるように配置され、定着板22cが平板22b,22b及び梁の長手方向に対して直角になるように配置され、定着板22cの上下の端が各平板22b,22bに溶接されている。定着板22cには、PC鋼棒23を通す複数(図示例では2個)の貫通孔22cが穿たれている。
【0017】
SPC梁20をプレテンション方式により製造する場合には、例えば、型枠内に、1対の埋込金物22を間隔をおいて配置し、埋込金物22の平板22bの外側の端部を型枠内から出して適宜の手段で保持し、定着板22cの各貫通孔にPC鋼棒23を通し、PC鋼棒23の両端に定着具24を嵌め、PC鋼棒23に引張力を導入して、定着具24にてPC鋼棒23に導入した引張力が保持されている状態にする。なお、前記平板22bの梁の端部よりの塑性変形用部分22bpとなるコンクリート部分21と結合させたくない部分に塗料を塗って、塗料層22gを形成し、アンボンド化しておく。
そして、型枠内に、主筋、せん断補強筋等の補強筋を全く配筋することなく、超高強度コンクリートとなるコンクリート(水硬性材料)を打設して、100N/mmを越える超高強度コンクリートとなるような養生をする。
100N/mmを越える超高強度コンクリートは、使用する水量が少ないため、打設後の部材表面に収縮ひびわれが発生しやすい。収縮ひびわれを防止するためには、打設直後からの養生が必要であり、その他にも品質の確保を行なうために留意すべき点が多い。そのため、超高強度コンクリートからなる柱、梁等の部材を使用する際には、品質確保上、プレキャスト化をすることが必要である。100N/mmを越える超高強度コンクリートを造るのに使うコンクリートは、結合材、水、骨材及び化学混和材よりなる水硬性材料であり、そのセメント又はセメントと微粉末混和材料との混合物からなる結合材に対する水の重量比は25%以下である。なお、上記の微粉末混和材料としては、シリカフューム、フライアッシュ、高炉スラグ微粉末を用いる。
100N/mmを越える超高強度コンクリートとする養生方法は、一般のコンクリートと同様、コンクリートを型枠内に打ち込んだ後、その強度が所定の強度(約5N/mm)以上になってから脱型して養生する。その養生が、常温環境下での養生であれば、水結合材比に応じた強度が得られ、蒸気養生又はオートクレープ養生であれば、常温環境下での養生よりも高い強度が得られる。
【0018】
なお、SPC梁20の長手方向の端面に対応する型枠の内面には、縦断面が台形の凸部を設け、SPC梁20の長手方向の端面に、SPC柱10の梁接合部10Aに設けられた縦断面が台形のコッタ14を受け入れる凹部24を形成できるようにする。
型枠内に打設したコンクリートが所定の強度を発現した状態になってから、脱型されかつ所定の養生を経て、対の埋込金物22間にあるコンクリート21にプレストレスが導入され、SPC梁20が完成する。
SPC梁20は、その長手方向の両方の端部よりのコンクリート部分21中に埋め込まれた1対の埋込金物22の上側及び下側の平板22b,22bの梁の端部よりの部分が塑性変形用部分22bpになり、この塑性変形用部分22bpのコンクリート21の端面から突出した部分の端が接合部22aになっている。
【0019】
図2に示す架構と同様に、基礎Bの多数の柱樹立部の接合部上に実施例1のSPC柱10がそれぞれ建てられ、各SPC柱の下部の埋込金物の接合部が基礎の接合部に溶接により接合される(又はボルト接合等の適宜の接合手段により接合するようにしてもよい)。
SPC梁20を、図7に示すように、これを取付ける対のSPC柱10の梁接合部10Aの中心を結ぶ略水平な線と平行でかつSPC梁の取付高さと同じ高さに、クレーン等の揚重機を使って吊り上げ、このSPC梁20を梁の長手方向に対して直角な水平方向に移動させることにより、SPC梁20の両方の端の凹部25を対のSPC柱10の各コッタ14に嵌合させる。そうすると、SPC梁20の両端がSPC柱10のコッタ14の上に載置されて支持される。その後、各SPC梁20の埋込金物22の接合部22aを各SPC柱10の埋込金物12の接合部12aに溶接により接合する(または、ボルト接合等の適宜の接合手段により接合する)ことにより、SPC構造架構100を構築する。
なお、溶接により接合された場合は溶接部が接合箇所になり、ボルト接合により接合された場合は互いに圧接し合う接合面が接合箇所になる。
【0020】
実施例1のSPC構造架構は、SPC柱10とSPC梁20とがSPC柱10の接合部12aとSPC梁20の接合部22aとが接合されるとともに、SPC柱10のコッタ14とSPC梁20の端部の凹部25との嵌合により接合されており、それぞれに曲げ及びせん断力が伝達される。
コンクリート部分21に対してアンボンドにして塑性変形可能にした塑性変形用部分22bpをSPC梁20の端部に配置したことにより、SPC梁20の靭性性能が確保され、かつSPC梁20に伝達される断面力(曲げ及びせん断力)が制限される。このことによりSPC梁20は曲げモーメント及びせん断力に対してコンクリート部分21とこの部分にプレストレスを付与するPC鋼棒(PC鋼材)13のみで抵抗可能となり、補強筋(主筋及びせん断補強筋)が不要になり、SPC梁20の断面積を従来の1/2程度に縮小可能となる。
実施例1のSPC構造架構においては、大地震に対して、図2に示す梁降伏型の全体降伏構造が考えられ、塑性回転ヒンジを発生させる箇所は、SPC柱10の柱脚の基礎への接合部の塑性回転ヒンジ部ChとSPC柱10の接合部とSPC梁20との接合部の塑性回転ヒンジ部Bhとであり、これらの塑性回転ヒンジ部Ch,Bhは十分な塑性回転性能が必要である。
大地震が発生しSPC構造架構に大きな水平力が作用した場合には、基礎の接合部に接合された各SPC柱10の柱脚部の埋込金具15の基体15aの下部の塑性回転ヒンジ部となる塑性変形用部分15apの塑性変形により各SPC柱10の下端が基礎に対して回動して、各SPC柱10が傾斜し、各SPC柱10の接合部12aに接合された各SPC梁20の接合部22aに連なる塑性回転ヒンジ部となる塑性変形用部分22bpの塑性変形によりそれらが互いに回動して各SPC柱10の前記傾斜が許容され、図2に示すSPC構造架構と同様に梁降伏型の全体降伏機構が構成される。
【0021】
実施例2のSPC構造架構は図8〜図13に示され、そのSPC構造架構のSPC柱10は、超高強度のコンクリートのプレキャストとして製作され、その梁接合部10Aに鋼製の埋込金物12が埋め込まれ、柱脚部10Bには鋼製の埋込金物1が埋め込まれており、その構成等は実施例1と同じである。
実施例2のSPC構造架構のSPC梁20Aは、図8〜図11に示され、超高強度のコンクリートのプレキャストとして製作され、その端部には鋼製の埋込金物22が埋め込まれている。この埋込金物22は、その上側及び下側の鋼製の矩形の平板22d,22dを間隔をおいて梁の上下面に平行になるように配置し、梁の長手方向に対して直角になるように配置した鋼製の矩形の定着板22cの上下の端部を各平板22d,22dの梁の端部側の端に溶接して正面視でコ字状の金物主体22Aをつくり、この金物主体22Aの上側及び下側の平板22d,22dの上側及び下側に塑性変形し易い鋼製の長方形の塑性変形用平板22e,22eを配し、前記平板22e,22eの梁の中央側の部分22eを平板22d,22dの梁の中央側の部分22dに、図8及び図9に示す例では直接に溶接にて結合し、図10及び図11に示す例では薄い鋼板22fを挟んで溶接にて結合し、塑性変形用平板22e,22eの梁の端部側の部分に鋼製の矩形断面の接合部材22a,22aを溶接して、塑性変形用平板22eの所定の長さLの塑性変形用部分22epを大きな力が作用したときに塑性変形できるようにして、製作されている。定着板22cにはPC鋼棒23を通す複数(図示例では4個)の貫通孔22cが穿設されている。
なお、鋼製の接合部材22aの梁の長手方向に対して直角な面の断面積は、例えば、塑性変形用平板22eの長さLの部分22epの梁の長手方向に対して直角な面の断面積の1.5程度に増厚され、塑性変形用平板22eの長さLの部分が塑性変形するとき、接合部材22aが変形しないようになっている。
【0022】
PC鋼棒23及び接合金物22のコンクリート部分21中への埋込方やSPC梁20へのプレストレスの導入の仕方等は実施例1のSPC梁20の場合と略同じであるが、実施例2のSPC梁20では、鋼板22d,22dに結合されていない塑性変形用平板22e,22eの部分及びこれに結合された接合部材22a,22aの一部をコンクリート部分21に対してアンボンドになるように製作する。そのため、塑性変形用平板22e,22e及び接合部材22a,22aのコンクリート部分21と結合させたくない部分に塗料層22gを形成し、アンボンド化する。
【0023】
実施例1と同様のやり方で、実施例2のSPC柱10及びSPC梁20を使って、例えば、図2に示すSPC構造架構を構築する。
実施例2のSPC構造架構では、SPC柱10とSPC梁20との間の塑性回転ヒンジ部Bhが、SPC柱10の埋込金物12の接合部12aに溶接されたSPC梁20の埋込金物22の接合部22aに連なる塑性変形用平板22eより構成されから、大地震が発生してSPC構造架構に大きな水平力が作用した場合に、塑性回転ヒンジ部Bhとなる塑性変形用部分22epの塑性変形によりそれらが互いに回動して各SPC柱10の傾斜動を許容することになる。塑性回転ヒンジ部Bhの回動は塑性変形用部分22epの塑性延びにより達成される。
SPC構造架構が大きな地震力を受けると、図13に示すように、塑性変形用平板22eの塑性変形用部分22epは一度大きな引張ひずみ(延び)が発生し(0−1−2)、その後圧縮側にひずみ(縮み)が反転する(2−3−4−5)。すなわち、引張応力の増大に応じて塑性変形用部分22epが弾性変形して延びる(0−1)。引張応力がさらに増大すると塑性変形用部分22epが塑性変形して大きく延びる(1−2)。引張応力が除かれると、塑性変形用部分22epがひずみを残して収縮する(2−3)。圧縮応力が作用すると、圧縮応力の増大に応じて弾性限界内で圧縮変形し(3−4)、圧縮応力がさらに増大すると塑性変形用部分22epが圧縮降伏して更に縮められる(4−5)。
この際に、塑性変形用平板22eが座屈する可能性があるので、塑性変形用平板22の所定長さLの部分22epをコンクリート部分に対してアンボンド化して局部的なひずみの集中を防ぎ、座屈が起きないようにする。すなわち、塑性変形部分22epを、図12に示すように、その三方の面を被りコンクリート21aに対面させ、その一方の面を平板22dの表面22dに対面させて、被りコンクリート21a及び平板22dの表面22dにより拘束して、塑性変形用平板22eの所定の長さLの部分22epに大きな圧縮応力が作用して圧縮降伏しても、塑性変形部分22epを座屈させないようにする。
【0024】
塑性変形用部分22epの梁の長手方向に対して直角な面の断面積によって、SPC梁20の端部の耐力が決定される。また、塑性変形用平板22eの変形できる長さLによって塑性回転ヒンジ部Bhの塑性回転性能を制御する。
なお、塑性変形用平板22eの塑性変形できる長さLの部分22epに対面するコンクリート部分21aに関しては、この部分が超高強度コンクリートで構成されているため、鋼材(鉄筋)による補剛は不要である。
【0025】
実施例3のSPC構造架構の構成要素が図14〜図17に示され、そのSPC柱10の構成は実施例1と同じであり、SPC梁20の金物主体22Aの構成は実施例2の金物主体22Aと概ね同じである。
実施例3のSPC梁20の埋込金具22は、金物主体22Aの上側及び下側の平板22d,22dの上側及び下側に塑性変形用平板22e,22eを配し、塑性変形用平板22e,22eの梁の中央側の部分22eを平板22d,22dの梁の中央側の接続部22dに、ボルト22h止めして、塑性変形用平板22e,22eの所定長さLの部分を大きな力が作用したときに変形できるようにする。図16に示されているように、ボルト通し孔を穿設する塑性変形用平板22eの部分22eを変形し易い長さLの部分よりも厚くし、かつ平板22d,22dのねじ孔を穿設する部分22dの外側面を、図15に示されているように、平板22dの他の部分の外側面よりも少々梁の長手方向の中心軸線よりにづらして、平板22dの部分22dに塑性変形用平板22eの部分22eをボルト22止めして、塑性変形用平板22eをこれに引張力が作用した場合に平板22dに対して移動し難くする段部22dを形成する。
そして、SPC梁20は、その端部に塑性変形用平板22eの付いていない鋼製の金物主体22Aを埋め込んで超高強度のコンクリートのプレキャストとして製作するが、図15に示されているように、埋込金具22の金物主体22Aの上側及び下側の平板22d,22dの上側及び下側がコンクリート21中に埋め込まれないように、SPC梁20の長手方向の端部を形成する。なお、SPC梁20の長手方向の端部には、実施例1の凹部は形成しない。
【0026】
実施例3のSPC構造架構のSPC柱10も、図2に示す架構と同様に建てられる。SPC柱10を建てた後、クレーン等を使ってSPC梁20を吊り揚げて、各SPC梁20の両端の所定の面が各SPC柱10のコッタ14に対面するように、適宜の手段でSPC梁20を支持してから、図17に示すように、金物主体22Aの上側及び下側の平板22d,22dの上側及び下側に塑性変形用平板22e,22eを配し、前記平板22e,22eの部分22eを平板22d,22dの部分22dに、ボルト22h止めし、塑性変形用平板22e,22eの先端部に設けた接合部材22aの接合部22aをSPC柱の接合部12aに溶接にて接合する。その後、SPC梁20の両端の周囲に、すなわち、SPC柱の接合部材12aの柱の側面から突出した部分及びコッタ14、塑性変形用平板22e並びに接合部材22aの外側に、図17の二点鎖線で示すように型枠を配置し、型枠内に高強度モルタル21Aを充填する。高強度モルタル21Aの硬化により、SPC柱とSPC梁20との結合が完了する。
なお、高強度モルタル21Aの充填以前に、SPC柱の側面からSPC梁の端部よりの部分に亘る長さLの所に位置している各部材部分、すなわち、SPC柱の接合部材12aの柱の側面から突出した部分、塑性変形用平板22e及び接合部材22aの高強度モルタルに対面することになる部分に、塗料を塗って塗料層22fを形成し、それらの部分が高強度モルタルに付着しないようにする。
なお、SPC柱10のコッタ14の表面に塗料層を形成しておくと、実施例1のSPC柱のコッタ14とSPC梁の凹部との関係と略同じになり、SPC柱10のコッタ14の表面に塗料層を形成しないと、SPC柱のコッタ14は高強度モルタルを介してSPC梁の端部のコンクリート部分と一体化される。
実施例3のSPC構造架構の場合は、金物主体22Aの平板22d,22dの接続部22dに、塑性変形用平板22e,22eの部分22eをボルト22h止めし、前記平板22e,22eに結合された接合部材22aをSPC柱の接合部材12aに接合し、その後、SPC梁とSPC柱との接合箇所の周囲に高強度モルタル21Aを充填するから、塑性変形用平板22e,22eの接合部材22aとSPC柱の接合部材12aとの接合作業がし易くなる効果があり、SPC梁20のプレキャスト作業も容易になる。
【0027】
実施例4のSPC構造架構のSPC梁20は、図18〜図20に示され、超高強度のコンクリートのプレキャストとして製作した1対のSPC梁部材20A,20Aを中央の塑性変形用パネル20Bを介して結合して、構成されている。
図18に示すSPC梁部材20Aの左側(梁の端部側)の部分及びSPC梁部材20Aの右側(梁の端部側)の部分の構成は、図3に示す実施例1のSPC梁20の左側及び右側の構成と同じになっている。
SPC梁部材20Aのコンクリート部分21の右側(梁の中央側)及びSPC梁部材20Aのコンクリート部分21の左側(梁の中央側)の端面は、梁の長手方向に対して直角な面になっていて、その面に鋼製の上下方向に長い矩形の定着板26が当てられ、接合金物22の定着板22cの貫通孔22cと、該貫通孔22cに対応させて穿った定着板26の貫通孔26aとにPC鋼棒23が通され、PC鋼棒23に引張力が導入され、その引張力が定着具24にて定着されることにより、SPC梁部材20A,20Aの定着板22c,26間のコンクリート部分21にプレストレスが付与されている。
1対のSPC梁部材20A,20Aをそれらの定着板26間に所定の隙間を空けて配置し、それらの定着板26間に梁の長手方向の側面と平行に1対の梁の成よりも幅の狭い低降伏点鋼からなる塑性変形用平板27,27を配置し、各平板27,27の梁の長手方向の端を定着板26に溶接にて固着し、各平板27,27の上面及び下面に梁の幅よりも小さい幅の通常の鋼又は低降伏点鋼からなる連結用平板28,28を配置し、各平板28,28の梁の長手方向の端を定着板26に溶接にて固着し、上側の平板28の下面及び下側の平板28の上面の梁の幅方向の両方の端部を平板27,27の上面又は下面に溶接にて固着して、実施例4のSPC梁20は、製作されている。
この実施例の塑性変形用パネル20Bは、対の低降伏点鋼からなる塑性変形用平板27,27と対の通常の鋼又は低降伏点鋼からなる連結用平板28,28とを一体に結合して構成されているが、塑性変形用パネル20Bを塑性変形用平板27,27のみにより構成してもよい。
【0028】
実施例4のSPC梁20の使い方は、実施例1のSPC梁20の使い方と同じである。相違する点はその機能のみである。
実施例4のSPC梁20を使って構築したSPC構造架構においては、大地震が発生しSPC構造架構に大きな力が作用した場合には、実施例1の場合と同様に、基礎の接合部に接合された各SPC柱10の柱脚部の埋込金具15の基体15aの下部の塑性変形用部分15apの塑性変形により各SPC柱10の下端が基礎に対して回動して、各SPC柱10が傾斜し、各SPC柱10の接合部12aに接合された各SPC梁20の接合部22aに連なる塑性変形用部分22bpの塑性変形によりそれらが互いに回動して各SPC柱10の前記傾斜が許容され、梁降伏型の全体降伏機構になるだけでなく、SPC梁20の中央の塑性変形用パネル20Bがせん断降伏することにより、SPC梁20に入力するせん断力をコントロールするとともに、SPC梁20の変形量をSPC梁20の端部に集中させるのでなく、SPC梁20の中央の部分に分散させることができる。
なお、場合によっては、SPC梁20の端部に設ける塑性変形用部分22bpを省き、SPC梁20の中央の塑性変形用パネル20Bのみによる変形にて、SPC梁20に入力するせん断力をコントロールするとともに、SPC梁20の変形量を処理することも考えられる。
【0029】
SPC柱10を複数の節のSPC柱を接合して構成する場合には、例えば、PC鋼材を用いて接合する。その接合の仕方の一例が図21に示されている。
SPC柱10の基礎にその下端を取り付ける第1節のSPC柱10は、1階の階高寸法と略同じて、超高強度のコンクリートのプレキャストとして製作され、その柱脚部10Bのコンクリート部分11中に鋼製の埋込金物15が埋め込まれ、その上部の梁接合部10Aのコンクリート部分11中に鋼製の埋込金物12が埋め込まれている。
鋼製の埋込金物15は、平面視で4角形の柱の横断面よりも小さい4角形で同形の上側の鋼製の平板15bと下側の鋼製の塑性変形用基体15aとを所定の間隔を保つように鋼製の連結部材15cを介して結合して正面視でH字形に形成され、上側の平板15bの複数の箇所に貫通孔15bが穿設され、貫通孔15bのある箇所の下側に定着具16aが固着されている。梁接合部10Aの埋込金物12の構成は、図5及び図6に示す埋込金物12と同じである。
第1節のSPC柱10は、埋込金物15の上側の平板15bの貫通孔15b及び埋込金物12の上側及び下側の平板12b,12bの貫通孔12bに対応する位置に、例えば、プレキャストする際に、柱の長手方向に平行に鞘管を配置して、PC鋼棒を通す貫通孔を形成する。
第2節のSPC柱10は、2階の階高寸法と略同じて、梁接合部10Aに埋込金物12を埋め込んで超高強度のコンクリートのプレキャストとして製作される。埋込金物12の上側及び下側の平板12b,12bの貫通孔12bに対応する位置に、例えば、プレキャストする際に、柱の長手方向に平行に鞘管を配置して、PC鋼棒を通す貫通孔を形成する。
なお、第2節のSPC柱10の埋込金物12の上側及び下側の平板12b,12bには、貫通孔12bと異なる位置に、貫通孔12bと同数の貫通孔12bを穿設し、その下側の平板12bに貫通孔12bに対応させて定着具16cを固着して、柱の上部のコンクリート部分11中に貫通孔12bに対応させて上記と同じやり方でPC鋼棒を通す貫通孔を形成する。また、SPC柱10の下端の形状は、SPC柱10の上部の埋込金物12の上側の部分に密着する形状とする。第3節以降のSPC柱の構成は第2節のSPC柱10と同様の構成にする。
【0030】
基礎の多数の柱樹立位置の接合部上にSPC柱10を建て、各SPC柱10Aの柱脚部の接合部15aを基礎の接合部に溶接、ボルト接合等の接合手段により固着する。各SPC柱10の上にSPC柱10をそれぞれ建て、SPC柱10及びSPC柱10のPC鋼棒を通す貫通孔に、PC鋼棒13を通し、その下端を定着具16aにて定着する。それから、PC鋼棒13に引張力を導入して、PC鋼棒13の上部に定着具16bを取り付けて、PC鋼棒13への引張力の導入状態を保持し、SPC柱10とSPC柱10とを一体化すると同時にSPC柱10,10のコンクリート部分11にプレストレスを導入する。
第2節のSPC柱10の上に第3節のSPC柱10を継ぎ足す場合は、第2節のSPC柱10の上に第3節のSPC柱10を建て、第3節のSPC柱10のPC鋼棒を通す貫通孔及び第2節のSPC柱10の上部のPC鋼棒を通す貫通孔に、PC鋼棒を通し、その下端を第2節のSPC柱10の上部の定着具16cに定着してから、PC鋼棒に引張力を導入して、PC鋼棒の上部に定着具を取り付けて、PC鋼棒への引張力の導入状態を保持し、SPC柱10とSPC柱10とを一体化すると同時にSPC柱10のコンクリート部分にプレストレスを導入する。
【0031】
【発明の効果】
この発明は、特許請求の範囲の各請求項に記載した構成を備えることにより、次の(イ)〜()の効果を奏する。
(イ)請求項1の発明のSPC構造架構は、次の(1)及び(2)の効果を奏する。
(1)SPC柱及びSPC梁が超高強度コンクリートを主筋、せん断補強筋等の補強筋で補強せずに超高強度コンクリートをプレキャストして造られているため、配筋作業が不要で、PC鋼棒により超高強度コンクリート部分にプレストレスを導入するだけですみ、プレキャスト化により養生管理等十分に行なうことができ、超高強度コンクリートの材料的・部材的品質特性の保証を向上させることが可能となる。
(2)このSPC構造架構は、梁降伏型の全体降伏機構を考えて、各SPC柱の柱脚部と基礎とが、それらの接合箇所に連なる塑性変形可能な塑性変形用部分により構成された塑性回転ヒンジ部を介して接合され、各SPC柱と各SPC梁とが、SPC柱のコッタとSPC梁の凹部との嵌合と、SPC柱の接合部とSPC梁の接合部との接合とにより連結され、SPC柱の接合部とSPC梁の接合部との接合箇所に連なる部分が塑性変形可能な塑性変形用部分になっていて、その塑性変形用部分により塑性回転ヒンジ部が構成されているため、SPC梁に作用する垂直荷重は常にその大半がSPC梁の凹部とSPC柱のコッタとを介してSPC柱に伝達され、地震時等にSPC構造架構に大きな地震力が作用した場合には、SPC柱の柱脚部と基礎との間の塑性回転ヒンジ部及びSPC柱とSPC梁との間の塑性回転ヒンジ部が塑性変形して回転するから、塑性回転ヒンジ部以外のSPC柱及びSPC梁の部分に大きな力が作用することがなく、このことがSPC柱及びSPC梁の断面力、すなわち、曲げモーメント及びせん断力の制限になる。そのため、SPC柱及びSPC梁を極細にすることができ、極細のSPC柱と極細のSPC梁とからなる快適空間を備えたSPC構造架構を提供することができ、また、超高強度コンクリートからなるSPC柱の下方の部材端及びSPC梁の部材端に、靭性性能を確保するために必要な多くの補強筋が不要になるだけでなく、一般的なRC柱及びRC梁に配筋される主筋及びせん断補強筋等の補強筋が不要となり、工数低減と超高強度コンクリートの施工の合理化を図ることができる。
【0032】
(ロ)請求項の発明のSPC構造架構は、上記の(1)及び(2)の効果のほかに、次の(3)の効果を奏する。
(3)SPC柱の梁接合部の超高強度コンクリート部分中に埋め込まれた埋込金物を、上下に間隔をおいて平行に配置された対の鋼製の板状体と、前記板状体間にあってその上下の端が前記板状体に結合されている鋼製の連結体と、梁を接合する柱の側面に対応する前記板状体の部分に結合された鋼製の接合部材とで構成し、その接合部材の部分が超高強度コンクリート部分の側面に突出又は露出するように、前記埋込金物を前記コンクリート部分中に埋め込み、側面に突出又は露出した接合部材の部分を接合部とするから、接合部材の形状を変えることにより、多様な接合部が得られる。SPC梁の接合部の形状等に応じた接合部を備えたSPC柱が容易に得られる。
【0033】
)請求項の発明のSPC構造架構は、上記の(1)及び(2)の効果のほかに、次の(4)及び(5)の効果を奏する。
(4)SPC梁は、その両方の端部の超高強度コンクリート部分中に埋め込まれる埋込金物が、上下に間隔をおいて梁の長手方向と平行に配置された対の鋼製の板状体と、前記板状体間に配置されてその上下の端が前記板状体に結合されている鋼製の定着板とで構成され、前記埋込金物の板状体の梁の端より部分が塑性変形用部分になっていて、前記塑性変形用部分が前記コンクリート部分に対面する面を前記コンクリート部分に対してアンボンドにされて塑性変形可能になっており、前記塑性変形用部分に連なる前記板状体の端が前記コンクリート部分の端面から突出するようにされ、前記板状体端面から突出した部分が接合部になっているから、塑性変形用部分の塑性伸びにより塑性回転ヒンジ部の回動が達成され、塑性変形用部分の梁の長手方向に対して直角な面の断面積によって、SPC梁の端部の耐力が決定され、塑性変形用部分の長さによって塑性回転ヒンジ部の塑性回転性能が制御される。
SPC梁の接合部をSPC柱の接合部に接合することにより、SPC梁とSPC柱との間に塑性回転ヒンジ部を容易に形成することがでる。また、前記コンクリート部分中の梁の長手方向に延在して前記コンクリート部分にプレストレスを付与するPC鋼材が各定着板に穿設された貫通孔に通されて定着されるから、超高強度コンクリート部分へのプレストレスの付与が容易になり、SPC梁の端部の構成が簡単になり、SPC梁を安価に提供できる。
(5)塑性変形用部分に対面する超高強度コンクリート部分は、コンクリート部分に対してアンボンドになっていて、塑性変形用部分が塑性変形可能になっているから、塑性変形用部分の塑性伸び及び縮みを許容することができるだけでなく、塑性変形用部分の圧縮降伏時の座屈を、塑性変形用部分に対面する超高強度コンクリート部分で拘束することにより、防止することができる。
【0034】
)請求項の発明のSPC構造架構は、上記の(1)(2)及び(5)の効果のほかに、次の(6)の効果を奏する。
(6)SPC梁の長手方向の両方の端部の超高強度コンクリート部分中に埋め込まれる埋込金物鋼製の金物主体と鋼製の塑性変形用部材とを備え、その金物主体が、上下に間隔をおいて梁の長手方向と平行に配置された対の鋼製の板状体と、前記板状体間に配置されてその上下の端が前記板状体に結合されている鋼製の定着板とで構成され、前記金物主体の上側及び下側の板状体の上側及び下側に前記塑性変形用部材され、前記塑性変形用部材の梁の中央側の部分が前記板状体の梁の中央側の部分に結合され、塑性変形用部材の梁の端側の部分に鋼製の接合部材が結合され、塑性変形用部材の塑性変形用部分の前記コンクリート部分と対面する面が前記コンクリート部分に対してアンボンドになっていて、前記塑性変形用部分塑性変形可能になっており、前記接合部材の梁の端面から突出した部分が接合部になっているから、塑性変形用部材の塑性変形用部分の塑性伸びにより塑性回転ヒンジ部の回動が達成され、塑性変形用部材の梁の長手方向に対して直角な面の断面積によって、SPC梁の端部の耐力が決定され、塑性変形用部材の変形できる部分の長さによって塑性回転ヒンジ部の塑性回転性能が制御される。
SPC梁の接合部をSPC柱の接合部に接合することにより、SPC梁とSPC柱との間に塑性回転ヒンジ部を容易に形成することができる。また、超高強度コンクリート部分中の梁の長手方向に延在して前記コンクリート部分にプレストレスを付与するPC鋼材が前記定着板に穿設された貫通孔に通されて定着されるから、超高強度コンクリート部分へのプレストレスの付与が容易になる。
【0035】
)請求項の発明のSPC構造架構の構築方法は、上記の(1)の効果のほかに、次の(7)及び(8)の効果を奏する。
(7)基礎上の多数の柱樹立部にSPC柱をそれぞれ建て、各SPC柱の柱脚部の接合部を基礎の接合部に接合し、各SPC梁の端部の凹部を各SPC柱のコッタに嵌合してSPC梁を保持してから、各SPC梁の接合部と各SPC柱の接合部とを接合するから、SPC梁の保持作業及びSPC梁の接合部とSPC柱の接合部との接合作業を容易に行なうことができ、SPC構造架構の施工性を向上させることができる。
【0036】
(8)SPC柱の超高強度コンクリート部分の梁接合部の梁の端面に対面する部分に前記コンクリート部分と一体に突設されたコッタが、柱の長手方向に対して直角な梁の幅方向に延在してその縦断面が台形、矩形、半円形の単純な形状になっており、SPC梁の長手方向の端面に設けた凹部が、梁の長手方向に対して直角な水平方向からSPC柱の前記コッタに嵌合できるように梁の端面から凹んでいて梁の幅方向に延在して、その縦断面の形状が前記コッタの縦断面の形状に対応する形状になっているから、SPC梁を、揚重機等によりこのSPC梁を接合する対のSPC柱の梁接合部の中心軸線と平行なSPC梁の取付高さに吊り上げて水平にし、梁の長手方向に対して直角な水平方向に移動させることにより、SPC梁の凹部SPC柱のコッタに容易に嵌合させることができ、SPC梁の保持が容易になる。
【0037】
)請求項の発明のSPC構造架構の構築方法は、上記の(1)及び(2)の効果と略同様の効果を奏するとともに、次の(9)の効果を奏する。
(9)SPC梁の端部をSPC柱のコッタに対向させてSPC梁を保持して、金物主体の上側及び下側の接続部の上側及び下側に先端に接合部のある塑性変形用部材され、該塑性変形用部材の基端前記金物主体の接続部にそれぞれ接合された状態にして、SPC梁の塑性変形用部材の先端の接合部とSPC柱の接合部とを接合してから、SPC柱のコッタ、SPC柱の超高強度コンクリート部分に突出又は露出した接合部、SPC梁の接合部のある塑性変形用部材等のある箇所の外側に型枠を配し、接合部、塑性変形用部材の塑性変形用部分アンボンド処理を施しておいて、型枠内に高強度モルタルを充填するから、高強度モルタルの硬化後に、各SPC梁とSPC柱との接合箇所に連なる前記塑性変形用部材の塑性変形用部分により塑性回転ヒンジ部を構成することができ、また、SPC梁の塑性変形用部材の先端の接合部とSPC柱の接合部との接合作業の作業空間を広くとることができ、接合作業を容易に行なうことができる。SPC柱のコッタの周囲等を含むSPC梁とSPC柱との間に高強度モルタルが充填されるから、高強度モルタルによりSPC柱とSPC梁のとの結合が強化される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この出願の発明の概要を現わしたSPC構造架構のSPC柱とSPC梁の関係を示す正面図
【図2】この出願の発明の概要を現わしたSPC構造架構の正面図
【図3】実施例1のSPC梁を図4のA−A線に沿って断面した正面図
【図4】図3に示すSPC梁の端面図
【図5】実施例1のSPC構造架構のSPC柱及びSPC梁の要部を図6のB−B線に沿って断面した正面図
【図6】図5のSPC柱及びSPC梁の要部をそのC−C線に沿って断面した平面図
【図7】実施例1のSPC柱とSPC梁の関係等を示す斜視図
【図8】実施例2のSPC構造架構のSPC柱とSPC梁の仕口部等を図9のB−B線に沿って断面した正面図
【図9】図8のSPC柱とSPC梁との仕口部等をそのC−C線に沿って断面した平面図
【図10】実施例2のSPC梁の埋込金具等を図11のD−D線に沿って断面した正面図
【図11】図10に示すSPC梁の埋込金具等をそのC−C線に沿って断面した平面図
【図12】実施例2のSPC梁の埋込金具の塑性変形用部分とコンクリート部分等との関係を示す縦断面図
【図13】実施例2のSPC梁の埋込金具の塑性変形用部分等の機能を説明する線図
【図14】実施例3のSPC構造架構のSPC柱とSPC梁の仕口部等を図9のB−B線と同様の線に沿って断面した正面図
【図15】実施例3のSPC構造架構の仕口部の形成に使うSPC梁を図9のB−B線と同様の線に沿って断面した正面図
【図16】実施例3のSPC梁に取り付ける接合部材付きの塑性変形用平板の正面図
【図17】実施例3のSPC梁をSPC柱に取り付けた状態を図9のB−B線と同様の線に沿って断面した正面図
【図18】実施例4のSPC梁を図4のA−A線と同じ線に沿って断面した正面図
【図19】図18に示すSPC梁の端面図
【図20】図18に示すSPC梁をそのE−E線に沿って断面した側面図
【図21】SPC柱を構成する複数の節の接合の仕方の一例を示すSPC柱の縦断面図
【符号の説明】
100 SPC構造架構
10 SPC柱
10A 梁接合部
10B 柱脚部
11 コンクリート部
12 埋込金物
12a 接合部材
12a 接合部
12b 平板(板状体)
12c 連結体
13 PC鋼棒
14 コッタ
15 埋込金物
15a 基体
15ap 塑性変形用部分
15a 接合部
15b 平板(板状体)
15c 連結体
16a〜16c 定着具
20 SPC梁
20A,20A SPC梁部材
20B 塑性変形用パネル
21 コンクリート部分
21A 後打ちコンクリート部分
22 埋込金物
22A 金物主体
22a 接合部材
22a,22dp 接合部
22b,22d 平板(板状体)
22c 定着板
22d 平板(板状体)
22bp,22ep 塑性変形用部分
22e 塑性変形用平板(塑性変形用部材)
22g 塗料層
22h ボルト
23 PC鋼棒
24 定着具
25 凹部
26 定着板
27 塑性変形用平板
28 連結用平板
B 基礎
Bh,Ch 塑性回転ヒンジ部

Claims (6)

  1. 基礎上の多数の柱樹立部にSPC柱がそれぞれ建てられ、各SPC柱の梁接合部間にそれぞれSPC梁が配され、各SPC梁の接合部が各SPC柱の接合部に接合されたSPC構造架構において、SPC柱は、プレキャストされた主筋、せん断補強筋等の補強筋で補強されていない超高強度コンクリート部分、その梁接合部の前記コンクリート部分中に埋め込まれた鋼製の埋込金物に連結されて上下に間隔をおいて配された部材が柱の側面露出又は突出してなる接合部、前記コンクリート部分と一体に梁接合部の接合部間に突設されたコッタ脚部の前記コンクリート部分中に埋め込まれた鋼製の埋込金物の下部が前記コンクリート部分の下端面に突出又は露出してなる接合部前記コンクリート部分中に柱の長手方向に延在して前記コンクリート部分にプレストレスを付与するPC鋼材で構成され、SPC梁は、プレキャストされた主筋、せん断補強筋等の補強筋で補強されていない超高強度コンクリート部分、その両端の前記コンクリート部分中に埋め込まれた鋼製の埋込金物の上下に間隔をおいて配された板状の部材の部分であって前記コンクリート部分にアンボンドになっている塑性変形用部分と、該塑性変形用部分に連なる端部が梁の端面突出又は露出してなる接合部、前記コンクリート部分の端部に形成された前記コッタと嵌合する凹部と、前記コンクリート部分中の梁の長手方向に延在して前記コンクリート部分にプレストレスを付与するPC鋼材で構成され、各SPC柱の柱脚部の接合部と基礎の接合部とが接合され、各SPC柱と基礎との接合箇所に連なる埋込金物の部分又は基礎の部分が塑性変形可能な塑性変形用部分を含んでいて、その塑性変形用部分により塑性回転ヒンジ部が構成され、各SPC梁の端部の凹部が各SPC柱の梁接合部のコッタに嵌合され、各SPC梁の接合部と各SPC柱の接合部とが接合され、各SPC梁とSPC柱との接合個所に連なるSPC梁の前記塑性変形用部分により塑性回転ヒンジ部が構成されていることを特徴とするSPC構造架構。
  2. SPC柱の梁接合部の超高強度コンクリート部分中に埋め込まれた埋込金物が、上下に間隔をおいて平行に配置された対の鋼製の板状体と、前記板状体間にあってその上下の端が前記板状体に結合されている鋼製の連結体と、梁を接合する柱の側面に対応する前記板状体の部分に結合された鋼製の接合部材とで構成され、各板状体にPC鋼材を通す貫通孔が複数個穿設され、PC鋼材を前記貫通孔に通してPC鋼材に引張力を導入して前記コンクリート部分にプレストレスを付与できるようにされ、前記接合部材の部分が前記コンクリート部分の側面に突出又は露出するようにされ、前記側面に突出又は露出した接合部材の部分が接合部になっていることを特徴とする請求項1記載のSPC構造架構。
  3. SPC梁の長手方向の両方の端部の超高強度コンクリート部分中に埋め込まれた埋込金物が、上下に間隔をおいて梁の長手方向と平行に配置された対の鋼製の板状体と、前記板状体間に配置されてその上下の端が前記板状体に結合されている鋼製の定着板とで構成され、前記コンクリート部分中の梁の長手方向に延在して前記コンクリート部分にプレストレスを付与するPC鋼材が各定着板に穿設された貫通孔に通されて定着され、前記板状体の梁の端より部分が塑性変形用部分になっていて、前記塑性変形用部分が前記コンクリート部分に対面する面を前記コンクリート部分に対してアンボンドにされて塑性変形可能になっており、前記塑性変形用部分に連なる前記板状体の端が前記コンクリート部分の端面から突出するようにされ、前記板状体端面から突出した部分が接合部になっていることを特徴とする請求項1記載のSPC構造架構。
  4. SPC梁の長手方向の両方の端部の超高強度コンクリート部分中に埋め込まれる埋込金物が鋼製の金物主体と鋼製の塑性変形用部材とを備え、その金物主体が、上下に間隔をおいて梁の長手方向と平行に配置された対の鋼製の板状体と、前記板状体間に配置されてその上下の端が前記板状体に結合されている鋼製の定着板とで構成され、前記コンクリート部分中の梁の長手方向に延在して前記コンクリート部分にプレストレスを付与するPC鋼材が前記定着板に穿設された貫通孔に通されて定着され、前記金物主体の上側及び下側の板状体の上側及び下側に前記塑性変形用部材が配され、前記塑性変形用部材の梁の中央側の部分が前記板状体の梁の中央側の部分に結合され、塑性変形用部材の梁の端側の部分に鋼製の接合部材が結合され、塑性変形用部材の塑性変形用部分の前記コンクリート部分と対面する面が前記コンクリート部分に対してアンボンドになっていて、前記塑性変形用部分が塑性変形可能になっており、前記接合部材の梁の端面から突出した部分が接合部になっていることを特徴とする請求項1記載のSPC構造架構。
  5. 基礎上の多数の柱樹立部にSPC柱をそれぞれ建て、各SPC柱の梁接合部間にそれぞれSPC梁を配し、各SPC梁の接合部を各SPC柱の接合部に接合するSPC構造架構の構築方法において、SPC柱として、プレキャストされた主筋、せん断補強筋等の補強筋で補強されていない超高強度コンクリート部分、その梁接合部の前記コンクリート部分中に埋め込まれた鋼製の埋込金物に連結されて上下に間隔をおいて配された部材が柱の側面露出又は突出してなる接合部と、梁接合部の梁の端面に対面する部分に前記コンクリート部分と一体突設されて柱の長手方向に対して直角な梁の幅方向に延在してその縦断面が台形、矩形、半円形の単純な形状になっているコッタ脚部の前記コンクリート部分中に埋め込まれた鋼製の埋込金物の下部が前記コンクリート部分の下端面に突出又は露出してなる接合部と、前記コンクリート部分中の柱の長手方向に延在して前記コンクリート部分にプレストレスを付与するPC鋼材で構成されたものを使い、SPC梁として、プレキャストされた主筋、せん断補強筋等の補強筋で補強されていない超高強度コンクリート部分、その両端の前記コンクリート部分中に埋め込まれた鋼製の埋込金物の上下に間隔をおいて配された板状の部材の端部が梁の端面に突出又は露出してなる接合部、前記コンクリート部分の端部のSPC柱の梁接合部に面する部分に形成されて梁の長手方向に対して直角な水平方向からSPC柱の前記コッタに嵌合できるように梁の端面から凹んでいて梁の幅方向に延在して、その縦断面の形状が前記コッタの縦断面の形状に対応する形状になっている凹部前記コンクリート部分中の梁の長手方向に延在して前記コンクリート部分にプレストレスを付与するPC鋼材で構成されたものを使い、基礎上の多数の柱樹立部にSPC柱をそれぞれて、各SPC柱の柱脚部の接合部を基礎の接合部に接合し、SPC梁を吊り上げて水平にしその長手方向に対して直角な水平方向から各SPC柱の前記コッタに各SPC梁の端部の凹部を嵌合してSPC梁を保持してから、各SPC梁の接合部と各SPC柱の接合部とを接合することを特徴とするSPC構造架構の構築方法。
  6. 基礎上の多数の柱樹立部にSPC柱をそれぞれ建て、各SPC柱の梁接合部間にそれぞれSPC梁を配し、各SPC梁の接合部を各SPC柱の接合部に接合するSPC構造架構の構築方法において、SPC柱として、プレキャストされた主筋、せん断補強筋等の補強筋で補強されていない超高強度コンクリート部分、その梁接合部の前記コンクリート部分中に埋め込まれた鋼製の埋込金物に連結されて上下に間隔をおいて配された部材が柱の側面露出又は突出してなる接合部、前記コンクリート部分と一体に前記梁接合部に突設されたコッタ脚部の前記コンクリート部分中に埋め込まれた鋼製の埋込金物の下部が前記コンクリート部分の下端面に突出又は露出してなる接合部、前記ンクリート部分中の柱の長手方向に延在して前記コンクリート部分にプレストレスを付与するPC鋼材で構成されたものを使い、SPC梁として、プレキャストされた主筋、せん断補強筋等の補強筋で補強されていない超高強度コンクリート部分、その両端の前記コンクリート部分中に埋め込まれた鋼製の金物主体の上下に間隔をおいた上側及び下側の板状体が前記コンクリート部分の上側及び下側の表面に露出又は突出してなる上側及び下側の接続部前記コンクリート部分中の梁の長手方向に延在して前記コンクリート部分にプレストレスを付与するPC鋼材で構成されたものを使い、基礎上の多数の柱樹立部にSPC柱をそれぞれて、各SPC柱の柱脚部の接合部を基礎の接合部に接合し、各SPC梁の端部を各SPC柱のコッタに対向させてSPC梁を保持して、前記金物主体の上側及び下側の接続部の上側及び下側に先端に接合部のある塑性変形用部材され、該塑性変形用部材の基端SPC梁の金物主体の接続部にそれぞれ接合された状態にして、各SPC梁の前記塑性変形用部材の先端の接合部と各SPC柱の接合部とを接合してから、SPC柱のコッタ、SPC柱のコンクリート部分に突出又は露出した接合部、SPC梁の接合部のある塑性変形用部材等のある箇所の外側に型粋を配し、接合部、塑性変形用部材の塑性変形用部分アンボンド処理を施しておいて、型枠内に高強度モルタルを充填し、各SPC梁とSPC柱との接合箇所に連なる前記塑性変形用部材の塑性変形用部分により塑性回転ヒンジ部を構成することを特徴とするSPC構造架構の構築方法。
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