JP2000291022A - 杭基礎および構造物 - Google Patents
杭基礎および構造物Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 杭頭付近の構造確立に要する労力と費用を低
減でき、製作費のコストダウンを図れる杭基礎を提供す
る。 【解決手段】 構造物を構築する杭基礎において、構造
物5の荷重を支持する杭14が、当該構造物5と結合さ
れずに軟弱地盤2に埋設されていることをを特徴とす
る。
減でき、製作費のコストダウンを図れる杭基礎を提供す
る。 【解決手段】 構造物を構築する杭基礎において、構造
物5の荷重を支持する杭14が、当該構造物5と結合さ
れずに軟弱地盤2に埋設されていることをを特徴とす
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、杭基礎および構造
物に関するものである。
物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に杭基礎は、構造物の下部と結合し
て用いられている。したがって、この杭基礎構造にあっ
ては、構造物に風や地震等の外力が作用する際に、杭頭
と構造物下部の結合構造が、構造物の安全性確保のため
に機能することが期待されている。
て用いられている。したがって、この杭基礎構造にあっ
ては、構造物に風や地震等の外力が作用する際に、杭頭
と構造物下部の結合構造が、構造物の安全性確保のため
に機能することが期待されている。
【0003】他方、杭は通常、摩擦杭と杭下端での支持
杭とに分けられるが、杭の支持層が深く杭長が長い場合
には、杭に作用する構造物の重量が杭下端まで到達して
いないことも計測されている。
杭とに分けられるが、杭の支持層が深く杭長が長い場合
には、杭に作用する構造物の重量が杭下端まで到達して
いないことも計測されている。
【0004】いずれにしても、構造物支持のために杭を
従来技術のように杭頭で結合することは、構造の確立に
労力と費用がかかるので、この問題を解決するという課
題がある。さらに、騒音・振動を極力軽微なものとする
ことが要求されており、そのための努力が杭設置工法に
見られる。
従来技術のように杭頭で結合することは、構造の確立に
労力と費用がかかるので、この問題を解決するという課
題がある。さらに、騒音・振動を極力軽微なものとする
ことが要求されており、そのための努力が杭設置工法に
見られる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、前述の
課題を解決すべく種々研究の結果、次の知見を得た。し
たがって、本発明はこの知見にもとづいてなされたもの
である。 通常、杭基礎は軟弱地盤に用いられるが、後述する
とおり、本発明では杭頭を構造物と結合しておらず、こ
の場合は、構造物の荷重は、杭頭では水平摩擦力、押し
込み力のみとなり、現在用いられている杭への作用モー
メントが大幅に低減され、鋼管杭では細径あるいは肉厚
小とすることが可能となり、コンクリート杭ではひび割
れが入りにくくなる。 また、杭径は許容沈下に見合う杭と、地盤の摩擦力
と、杭本数により左右されるが、支持層まで達する長く
て強度に富む杭を地盤に埋設し、かつ杭頭で当該構造物
下部に結合することは、杭頭付近の構造確立に労力と費
用がかかり、製作コストが増加する。そこで、最近で
は、パイルドラフト基礎と称されて図8,図9に示され
るように、表層および/または地盤改良層(以下表層地
盤という)1と軟弱地盤2に埋設され、支持層3にまで
達しない、さほど長くない杭4を埋設し、構造物5の沈
下を許容沈下量以内として建造するものも見られる。な
お、前記杭4の上端は構造物5の構造物基礎6に結合さ
れる。一方、旧来から存在していた木杭基礎が構造物に
いまだに使用されているものもあり、いずれにしても、
この種杭基礎には改良の余地がある。 近年、鋼杭やコンクリート杭が杭基礎を必要とする
構造物の殆んどに用いられているが、前述のような杭基
礎の実測値から、杭への分担荷重は構造物のほぼ5割程
度で十分とされている。この意味で本発明では、地盤の
表層が弱すぎる場合は、小さな建設機械で、通常の表層
地盤程度まで地盤改良して杭を埋設することで十分可能
とする。また、杭頭の沈下量が表層改良だけで不足する
際は、あらかじめ盛土を行い主にその部分を通常の表層
程度まで改良することで対処できる。さらに、表層地盤
もしくは改良地盤、あるいは盛土改良地盤等及びその直
下地盤が、構造物設置後に側方にはらみだす恐れのある
場合は、これを板状体、例えば鋼板等の鋼材や鉄筋コン
クリート版などを連結して囲むことで対応できる。 また、本発明において、施工環境や、経済性に関し
ては、杭は主に地震などによる地盤自身の水平変形に対
して健全であれば良く、たとえば、鋼管杭を用いる場合
は、細径の杭の杭頭部を拡幅し、地盤面と合わせておく
ことで構造物の荷重を地盤に分散できる。 なお、構造物自身は、上述のように造成した地盤上
に置くことができるので、健全地盤における構造物と同
様にベタ基礎で対応できる。
課題を解決すべく種々研究の結果、次の知見を得た。し
たがって、本発明はこの知見にもとづいてなされたもの
である。 通常、杭基礎は軟弱地盤に用いられるが、後述する
とおり、本発明では杭頭を構造物と結合しておらず、こ
の場合は、構造物の荷重は、杭頭では水平摩擦力、押し
込み力のみとなり、現在用いられている杭への作用モー
メントが大幅に低減され、鋼管杭では細径あるいは肉厚
小とすることが可能となり、コンクリート杭ではひび割
れが入りにくくなる。 また、杭径は許容沈下に見合う杭と、地盤の摩擦力
と、杭本数により左右されるが、支持層まで達する長く
て強度に富む杭を地盤に埋設し、かつ杭頭で当該構造物
下部に結合することは、杭頭付近の構造確立に労力と費
用がかかり、製作コストが増加する。そこで、最近で
は、パイルドラフト基礎と称されて図8,図9に示され
るように、表層および/または地盤改良層(以下表層地
盤という)1と軟弱地盤2に埋設され、支持層3にまで
達しない、さほど長くない杭4を埋設し、構造物5の沈
下を許容沈下量以内として建造するものも見られる。な
お、前記杭4の上端は構造物5の構造物基礎6に結合さ
れる。一方、旧来から存在していた木杭基礎が構造物に
いまだに使用されているものもあり、いずれにしても、
この種杭基礎には改良の余地がある。 近年、鋼杭やコンクリート杭が杭基礎を必要とする
構造物の殆んどに用いられているが、前述のような杭基
礎の実測値から、杭への分担荷重は構造物のほぼ5割程
度で十分とされている。この意味で本発明では、地盤の
表層が弱すぎる場合は、小さな建設機械で、通常の表層
地盤程度まで地盤改良して杭を埋設することで十分可能
とする。また、杭頭の沈下量が表層改良だけで不足する
際は、あらかじめ盛土を行い主にその部分を通常の表層
程度まで改良することで対処できる。さらに、表層地盤
もしくは改良地盤、あるいは盛土改良地盤等及びその直
下地盤が、構造物設置後に側方にはらみだす恐れのある
場合は、これを板状体、例えば鋼板等の鋼材や鉄筋コン
クリート版などを連結して囲むことで対応できる。 また、本発明において、施工環境や、経済性に関し
ては、杭は主に地震などによる地盤自身の水平変形に対
して健全であれば良く、たとえば、鋼管杭を用いる場合
は、細径の杭の杭頭部を拡幅し、地盤面と合わせておく
ことで構造物の荷重を地盤に分散できる。 なお、構造物自身は、上述のように造成した地盤上
に置くことができるので、健全地盤における構造物と同
様にベタ基礎で対応できる。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記知見の下に、本発明
の杭基礎および構造物は次のように構成する。請求項1
の発明は、構造物を構築する杭基礎において、構造物の
荷重を支持する杭が、当該構造物と結合されずに地盤に
埋設されていることを特徴とする。請求項2の発明は、
請求項1記載の杭基礎であって、所定深さまで改良さ
れた地盤に設置されていることを特徴とする。請求項3
の発明は、請求項1記載の杭基礎であって、所要厚の盛
土が前記杭基礎の設置地盤上に施され、かつ所要の地盤
改良が前記盛土と前記設置地盤のいずれ一方又は両方に
施された地盤に設置されていることを特徴とする。請求
項4の発明は、請求項1記載の杭基礎であって、杭頭部
を拡幅してあることを特徴とする。請求項5の発明は、
請求項1記載の杭基礎であって、地表面近くで複数の杭
の杭頭部が結合されていることを特徴とする。請求項6
の発明は、請求項1記載の杭基礎上に設置する構造物で
あって、局所的に剛性を高めたベタ基礎を具備すること
を特徴とする。請求項7の発明は、請求項1記載の杭基
礎であって、周囲を板状体で囲まれた地盤に設置されて
いることを特徴とする。請求項8の発明は、請求項1記
載の杭基礎であって、外周杭同士を連結板で繋がれてい
ることを特徴とする。
の杭基礎および構造物は次のように構成する。請求項1
の発明は、構造物を構築する杭基礎において、構造物の
荷重を支持する杭が、当該構造物と結合されずに地盤に
埋設されていることを特徴とする。請求項2の発明は、
請求項1記載の杭基礎であって、所定深さまで改良さ
れた地盤に設置されていることを特徴とする。請求項3
の発明は、請求項1記載の杭基礎であって、所要厚の盛
土が前記杭基礎の設置地盤上に施され、かつ所要の地盤
改良が前記盛土と前記設置地盤のいずれ一方又は両方に
施された地盤に設置されていることを特徴とする。請求
項4の発明は、請求項1記載の杭基礎であって、杭頭部
を拡幅してあることを特徴とする。請求項5の発明は、
請求項1記載の杭基礎であって、地表面近くで複数の杭
の杭頭部が結合されていることを特徴とする。請求項6
の発明は、請求項1記載の杭基礎上に設置する構造物で
あって、局所的に剛性を高めたベタ基礎を具備すること
を特徴とする。請求項7の発明は、請求項1記載の杭基
礎であって、周囲を板状体で囲まれた地盤に設置されて
いることを特徴とする。請求項8の発明は、請求項1記
載の杭基礎であって、外周杭同士を連結板で繋がれてい
ることを特徴とする。
【0007】本発明の杭基礎によると、杭と構造物とを
結合する作業が不要であり、杭頭付近の構造確立と労力
に要する費用が不要であり、製作コストが低減される。
結合する作業が不要であり、杭頭付近の構造確立と労力
に要する費用が不要であり、製作コストが低減される。
【0008】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図を参
照して説明する。図1〜図3は本発明の第1実施形態に
係る構造物の基礎構造を示し、軟弱地盤2の設置地盤1
2に複数の杭14が打設され、この軟弱地盤2におい
て、杭14上に、当該杭頭部13と非結合で、例えば建
物などの構造物5が構築されている。
照して説明する。図1〜図3は本発明の第1実施形態に
係る構造物の基礎構造を示し、軟弱地盤2の設置地盤1
2に複数の杭14が打設され、この軟弱地盤2におい
て、杭14上に、当該杭頭部13と非結合で、例えば建
物などの構造物5が構築されている。
【0009】さらに説明すると、軟弱地盤2は所定の深
さLであり、その下に支持層3があり、また、軟弱地盤
2の上側に所定厚みL1 の表層および/または地盤改良
層(以下表層地盤という)1がある。図示例では、杭1
4はこの表層地盤1と軟弱地盤2に埋設され、支持層3
には根入れされていない(勿論、支持層3に根入れして
も構わないが、支持層3に根入れする例については図示
省略する)。また、構造物5の下部に構造物基礎6が構
築され、この構造物5の下面に砕石等による地層12a
があり、構造物5はこの地層12aと杭14の杭頭13
に装着した支持板11を介して、当該杭14に非結合態
様で支持されている。杭14の構造物5への配置は、図
2に示すような柱下に杭を設ける配置態様とするのがよ
い。(なお、図2では、地層12aを省略する)
さLであり、その下に支持層3があり、また、軟弱地盤
2の上側に所定厚みL1 の表層および/または地盤改良
層(以下表層地盤という)1がある。図示例では、杭1
4はこの表層地盤1と軟弱地盤2に埋設され、支持層3
には根入れされていない(勿論、支持層3に根入れして
も構わないが、支持層3に根入れする例については図示
省略する)。また、構造物5の下部に構造物基礎6が構
築され、この構造物5の下面に砕石等による地層12a
があり、構造物5はこの地層12aと杭14の杭頭13
に装着した支持板11を介して、当該杭14に非結合態
様で支持されている。杭14の構造物5への配置は、図
2に示すような柱下に杭を設ける配置態様とするのがよ
い。(なお、図2では、地層12aを省略する)
【0010】図4は、第1実施形態の変形例(請求項
7,8の発明に対応)を示す基礎構造物の断面図で、こ
の例では、改良地盤や盛土地盤が構造物の設置により側
方にはらみ出す場合および、そのまま利用できそうな表
層地盤1が、同様の恐れを有する場合に、鉄筋コンクリ
ート版からなる板状体29でその外周の杭14を囲むか
又は(及び)、外周杭14同士を連結板30で繋ぐよう
に構成する例を示している。
7,8の発明に対応)を示す基礎構造物の断面図で、こ
の例では、改良地盤や盛土地盤が構造物の設置により側
方にはらみ出す場合および、そのまま利用できそうな表
層地盤1が、同様の恐れを有する場合に、鉄筋コンクリ
ート版からなる板状体29でその外周の杭14を囲むか
又は(及び)、外周杭14同士を連結板30で繋ぐよう
に構成する例を示している。
【0011】本発明において、杭14の構造は限定され
ないが、例えば、図5,図6に示す各種杭を使用する。
図5(a),(b)は細径杭15の例を、図5(c),
(d)は複合杭16の例を、図6(a),(b)は場所
打ち杭17の例を、図6(c),(d)は複数杭18の
例を示す。図5(a),(b)の細径杭15は、H形
鋼,鋼管などからなる鋼板、またはPC杭からなり、図
示例では鋼管杭の例を示す。細径杭15の上端には構造
物を広い面で、支持するための鋼板等の支持板19が溶
接等で固着されている。
ないが、例えば、図5,図6に示す各種杭を使用する。
図5(a),(b)は細径杭15の例を、図5(c),
(d)は複合杭16の例を、図6(a),(b)は場所
打ち杭17の例を、図6(c),(d)は複数杭18の
例を示す。図5(a),(b)の細径杭15は、H形
鋼,鋼管などからなる鋼板、またはPC杭からなり、図
示例では鋼管杭の例を示す。細径杭15の上端には構造
物を広い面で、支持するための鋼板等の支持板19が溶
接等で固着されている。
【0012】図5(c),(d)に示す複合杭16にあ
っては、図5(a),(b)の細径杭15と略同じ構造
の本体杭20の外側にセメントミルク21を打設してな
り、かつ本体杭20の上端に鋼板等からなる支持板19
が溶接等で固着されている。
っては、図5(a),(b)の細径杭15と略同じ構造
の本体杭20の外側にセメントミルク21を打設してな
り、かつ本体杭20の上端に鋼板等からなる支持板19
が溶接等で固着されている。
【0013】図6(a),(b)に示す場所打杭17
は、補強鉄筋23をコンクリート24中に埋設して構成
され、所定の太径に設けられており、そのフラットな杭
頭上端面が構造物5の支持面25となる。
は、補強鉄筋23をコンクリート24中に埋設して構成
され、所定の太径に設けられており、そのフラットな杭
頭上端面が構造物5の支持面25となる。
【0014】図6(c),(d)に示す複数杭18は、
複数本の杭部材26の各杭頭を鋼材からなる結合板27
で結合して構成される。この複数杭18の場合、複数の
杭部材26の全体で一本の杭機能を発揮させるものであ
る。複数杭18の杭部材の本数は図示の4本に限定され
ず、これよりも多くても、少なくてもいずれでもよい。
また、結合板27の形状も、矩形に限らず、3角形、丸
などいずれの形状でもよい。
複数本の杭部材26の各杭頭を鋼材からなる結合板27
で結合して構成される。この複数杭18の場合、複数の
杭部材26の全体で一本の杭機能を発揮させるものであ
る。複数杭18の杭部材の本数は図示の4本に限定され
ず、これよりも多くても、少なくてもいずれでもよい。
また、結合板27の形状も、矩形に限らず、3角形、丸
などいずれの形状でもよい。
【0015】図1〜図4に示す杭14は、細径杭15の
例を示しているが、この各図における杭14は、図5,
図6に示す複合杭16、場所打杭17、複数杭18のい
ずれであってもよい。
例を示しているが、この各図における杭14は、図5,
図6に示す複合杭16、場所打杭17、複数杭18のい
ずれであってもよい。
【0016】前記杭14についてさらに説明する。杭1
4は、互層の軟弱地盤2中でも構造物荷重をある程度分
担するが、軽量機で設置できる細径の場合は、荷重分担
を考えなくても杭14と、表層地盤1が同程度に沈下し
さえすればよい。具体的には、許容沈下量を超すことが
なければ良く、構造物基礎6がベタ基礎であることを考
慮して、前述のとおり、例えば鋼板などの支持板11,
19や結合板27を杭頭13に溶着することや、より剛
性の高い形鋼を杭自身の径より大きめに杭頭13に接合
することで、表層地盤(あるいは地盤改良部)1の上部
で構造物柱部直下などの荷重の分散を図ることができ
る。
4は、互層の軟弱地盤2中でも構造物荷重をある程度分
担するが、軽量機で設置できる細径の場合は、荷重分担
を考えなくても杭14と、表層地盤1が同程度に沈下し
さえすればよい。具体的には、許容沈下量を超すことが
なければ良く、構造物基礎6がベタ基礎であることを考
慮して、前述のとおり、例えば鋼板などの支持板11,
19や結合板27を杭頭13に溶着することや、より剛
性の高い形鋼を杭自身の径より大きめに杭頭13に接合
することで、表層地盤(あるいは地盤改良部)1の上部
で構造物柱部直下などの荷重の分散を図ることができ
る。
【0017】次に、構造物ベタ基礎の概要を説明する。
構造物基礎6が図示のようにベタ基礎であって、杭14
の杭頭13に結合されていない場合、構造物5の柱部直
下同士をつなぐように剛性を高めておく(場合によって
は、柱部の外周部も含めて剛性を高める)ことで、構造
物5の不同沈下によるひび割れを防ぐことができる。そ
の剛性を高める方法は、前記部位に鋼板を適切な幅でベ
タ基礎に固定するだけで十分である。(但し、図示省
略)また、構造物5の端部の不同沈下によるひび割れを
防ぐ方法として、構造物自体の曲げ剛性を必要に応じて
高めることもある。例えば、構造物5の梁やベタ基礎の
鋼材料や鉄筋量の増加などで十分である。(但し、図示
省略)
構造物基礎6が図示のようにベタ基礎であって、杭14
の杭頭13に結合されていない場合、構造物5の柱部直
下同士をつなぐように剛性を高めておく(場合によって
は、柱部の外周部も含めて剛性を高める)ことで、構造
物5の不同沈下によるひび割れを防ぐことができる。そ
の剛性を高める方法は、前記部位に鋼板を適切な幅でベ
タ基礎に固定するだけで十分である。(但し、図示省
略)また、構造物5の端部の不同沈下によるひび割れを
防ぐ方法として、構造物自体の曲げ剛性を必要に応じて
高めることもある。例えば、構造物5の梁やベタ基礎の
鋼材料や鉄筋量の増加などで十分である。(但し、図示
省略)
【0018】図7(a),(b)は本発明の第2実施形
態を示す。この第2実施形態では、構造物5を設置する
軟弱地盤2の設置地盤12が極めて軟弱な場合は、この
軟弱地盤2の設置地盤12に所要厚の盛土28を施し、
かつ所要の地盤改良を前記盛土28あるいは(および/
または)設置地盤12に施すものである。つまり、既述
のように、杭基礎の実測値から杭への分担荷重は構造物
の5割程度で十分とされ、その意味で地盤の表層が弱す
ぎる場合は、小さな建設機械で、通常の表層地盤程度ま
で地盤改良して杭を埋設することで十分である。また、
沈下量が表層改良だけで不足する際は、あらかじめ盛土
12を行い主にその部分を通常の表層程度まで改良する
ことで対処できる。なお、盛土12が構造物5の荷重で
沈下するときは、図7(a)から図7(b)の状態に近
づく。
態を示す。この第2実施形態では、構造物5を設置する
軟弱地盤2の設置地盤12が極めて軟弱な場合は、この
軟弱地盤2の設置地盤12に所要厚の盛土28を施し、
かつ所要の地盤改良を前記盛土28あるいは(および/
または)設置地盤12に施すものである。つまり、既述
のように、杭基礎の実測値から杭への分担荷重は構造物
の5割程度で十分とされ、その意味で地盤の表層が弱す
ぎる場合は、小さな建設機械で、通常の表層地盤程度ま
で地盤改良して杭を埋設することで十分である。また、
沈下量が表層改良だけで不足する際は、あらかじめ盛土
12を行い主にその部分を通常の表層程度まで改良する
ことで対処できる。なお、盛土12が構造物5の荷重で
沈下するときは、図7(a)から図7(b)の状態に近
づく。
【0019】
【発明の効果】本発明によると、次の効果がある。 基礎杭の杭頭と構造物とを結合しないので、杭頭付
近の構造確立に要する労力と費用を低減でき、製作費の
コストダウンを図れる。 杭基礎は軟弱地盤に用いられるが、本発明は杭頭を
構造物と結合しないので、構造物の受ける荷重は杭頭へ
は水平摩擦力、押し込み力のみとなり、杭への作用モー
メントが大幅に低減され、鋼管杭では細径あるいは肉厚
小にでき、また、コンクリート杭ではひび割れが入りに
くくなる。 杭埋設に際し、杭は軟弱地盤で支持層内まで打ち込
まず、許容沈下量内に杭基礎および構造物が留まるよう
に設計することができ、その場合は、振動・騒音も少な
くコストもさほどかからない。また、この軟弱地盤は簡
易な重機例えば、バックホーなどで地盤改良(例えばセ
メントミルク混入ほか)で対応することが容易に可能で
ある。 鋼材を中心にした複合杭では、セメントミルクなど
造成しつつ鋼材を挿入する方法や、鋼管自身に用いてセ
メントミルクを造成する方法などがある。
近の構造確立に要する労力と費用を低減でき、製作費の
コストダウンを図れる。 杭基礎は軟弱地盤に用いられるが、本発明は杭頭を
構造物と結合しないので、構造物の受ける荷重は杭頭へ
は水平摩擦力、押し込み力のみとなり、杭への作用モー
メントが大幅に低減され、鋼管杭では細径あるいは肉厚
小にでき、また、コンクリート杭ではひび割れが入りに
くくなる。 杭埋設に際し、杭は軟弱地盤で支持層内まで打ち込
まず、許容沈下量内に杭基礎および構造物が留まるよう
に設計することができ、その場合は、振動・騒音も少な
くコストもさほどかからない。また、この軟弱地盤は簡
易な重機例えば、バックホーなどで地盤改良(例えばセ
メントミルク混入ほか)で対応することが容易に可能で
ある。 鋼材を中心にした複合杭では、セメントミルクなど
造成しつつ鋼材を挿入する方法や、鋼管自身に用いてセ
メントミルクを造成する方法などがある。
【図1】本発明の第1実施形態として、軟弱地盤におけ
る杭と構造物との支持構造を示す断面図である。
る杭と構造物との支持構造を示す断面図である。
【図2】構造物基礎と杭頭部との支持構造を示す断面図
である。
である。
【図3】構造物に対する杭の配置例を示す平面説明図で
ある。
ある。
【図4】本発明の第1実施形態の変形例として、軟弱地
盤における杭と構造物との支持構造を示す断面図であ
る。
盤における杭と構造物との支持構造を示す断面図であ
る。
【図5】(a),(b)は細径杭の側面図と横断平面
図、(c),(d)は複合杭の側断面図と横断平面図で
ある。
図、(c),(d)は複合杭の側断面図と横断平面図で
ある。
【図6】(a),(b)は場所打杭の側面図と横断平面
図、(c),(d)は複数杭の斜視図と平面図である。
図、(c),(d)は複数杭の斜視図と平面図である。
【図7】(a),(b)は本発明の第2実施形態とし
て、盛土の上に構造物を設置する例の断面図である。
て、盛土の上に構造物を設置する例の断面図である。
【図8】第1従来例の断面図である。
【図9】第2従来例の断面図である。
1 表層地盤 2 軟弱地盤 3 支持層 4 杭 5 構造物 6 構造物基礎 11 支持板 12 設置地盤 12a砕石等による地層 13 杭頭部 14 杭 15 細径杭 16 複合杭 17 場所打ち杭 18 複数杭 19 支持板 20 本体杭 21 セメントミルク 23 補強鉄筋 24 コンクリート 25 支持面 26 杭部材 27 結合板 28 盛土 29 板状体 30 連結板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 則雄 東京都新宿区津久戸町2番1号 株式会社 熊谷組東京本社内 (72)発明者 喜田 浩 大阪市中央区北浜四丁目5番33号 住友金 属工業株式会社内 (72)発明者 岡本 政信 大阪市中央区北浜四丁目5番33号 住友金 属工業株式会社内 Fターム(参考) 2D046 CA01
Claims (8)
- 【請求項1】 構造物を構築する杭基礎において、構造
物の荷重を支持する杭が、当該構造物と結合されずに地
盤に埋設されていることを特徴とする杭基礎。 - 【請求項2】 請求項1記載の杭基礎であって、所定深
さまで改良された地盤に設置されていることを特徴とす
る杭基礎。 - 【請求項3】 請求項1記載の杭基礎であって、所要厚
の盛土が前記杭基礎の設置地盤上に施され、かつ所要の
地盤改良が前記盛土と前記設置地盤のいずれ一方又は両
方に施された地盤に設置されていることを特徴とする杭
基礎。 - 【請求項4】 請求項1記載の杭基礎であって、杭頭部
を拡幅してあることを特徴とする杭基礎。 - 【請求項5】 請求項1記載の杭基礎であって、地表面
近くで複数の杭の杭頭部が結合されていることを特徴と
する杭基礎。 - 【請求項6】 請求項1記載の杭基礎上に設置する構造
物であって、局所的に剛性を高めたベタ基礎を具備する
ことを特徴とする構造物。 - 【請求項7】 請求項1記載の杭基礎であって、周囲を
板状体で囲まれた地盤に設置されていることを特徴とす
る杭基礎。 - 【請求項8】 請求項1記載の杭基礎であって、外周杭
同士を連結板で繋がれていることを特徴とする杭基礎。
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---|---|---|---|
JP11100107A JP2000291022A (ja) | 1999-04-07 | 1999-04-07 | 杭基礎および構造物 |
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Publication Number | Publication Date |
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- 1999-04-07 JP JP11100107A patent/JP2000291022A/ja not_active Withdrawn
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