JP2000290302A - カチオン化ヒドロキシアルキルセルロース及びその製造方法 - Google Patents
カチオン化ヒドロキシアルキルセルロース及びその製造方法Info
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Abstract
ロキシエチルセルロース。 【解決手段】 下記一般式(I): 【化7】 [式中、R1、R2及びR3は水素原子又はCH2CH2OCH2CH(O
H)CH2N+(CH3)Cl-等で表される基を示し、nは50〜2000
の数を示す]で表され、電気泳動法により求められる移
動度分布(△U)が0.1×10-5〜2.0×10-5cm2/sec・V
の範囲であるカチオン化ヒドロキシエチルセルロース。
Description
ス、トリートメント等の配合成分として有用なカチオン
化ヒドロキシアルキルセルロース及びその製造方法に関
する。
ン化ヒドロキシアルキルセルロースは、置換基として4
級アンモニウム基を有しているため、シャンプー、リン
ス、トリートメント等の配合成分として知られている。
このカチオン化ヒドロキシアルキルセルロースをシャン
プー、リンス、トリートメントの配合成分として用いる
場合、主剤となる界面活性剤との相溶性が高いことが要
求される。
の製造方法としては、特公昭45−20318号公報
に、セルロースを反応出発物として、エーテル化剤とカ
チオン化剤を順次又は同時に添加して、連続的に反応さ
せる方法が開示されている。しかし、エーテル化剤とカ
チオン化剤の利用率が低いので経済的でないばかりか、
未反応物や副生した不純物等の残留物が多いため、それ
らを除去するために多大な労力を要するという問題があ
る。
は、セルロースのエチレンオキシド誘導体又はプロピレ
ンオキシド誘導体を反応出発物質とする方法が開示され
ている。この方法ではカチオン化剤の有効利用率は高い
が、反応、洗浄したセルロースエーテルを再度反応、洗
浄する必要があり、二度手間を要するという問題があ
る。さらに、反応溶媒としては殆どイソプロパノールと
水との混合系が用いられているが、ヒドロキシアルキル
基の置換度が高いと生成物が前記反応溶媒に溶解するた
め、粘度の増加により攪拌操作が困難となり、反応率が
低下するという問題がある。さらに、従来技術では、上
記問題を解決できるほか、界面活性剤との相溶性が高い
ものを安定して供給できる製造方法は、未だ開発される
に至っていない。
高い、シャンプー等の毛髪化粧料の配合成分として有用
なカチオン化ヒドロキシアルキルセルロースを提供する
ことを目的とするものである。また、本発明は、前記カ
チオン化ヒドロキシアルキルセルロースの製造方法を提
供することを他の目的とするものである。
(I):
一般式(II):
示し、aは平均で1〜6の数を示す。)で表される基又
は次の一般式(III):
し、aは平均で1〜6の数を示し、R5、R6及びR7は
それぞれ同一又は異なる炭素数1〜16のアルキル基を
示し、Xはハロゲン原子を示し、nは50〜2000の
数を示す。]で表され、電気泳動法により求められる移
動度分布(△U)が0.1×10-5〜2.0×10-5c
m2/sec・Vの範囲であることを特徴とするカチオ
ン化ヒドロキシアルキルセルロースを提供する。また、
本発明は、ヒドロキシアルキルセルロースとイソプロピ
ルアルコール水溶液又はt−ブチルアルコール水溶液を
混合する工程、アルカリを添加する工程、カチオン化処
理する工程及び中和工程を具備することを特徴とするカ
チオン化ヒドロキシアルキルセルロースの製造方法を提
供する。
ルキルセルロースは一般式(I)で表されるものであ
り、一般式(I)中、R1、R2及びR3は、水素原子、
一般式(II)又は一般式(III)で表される基を示す。
単位当たりの平均置換度は、0.4〜2.9で、平均置
換モル数が1.0〜7.0の範囲であることが好まし
く、一般式(II)で表される置換基のグルコース単位当た
りの平均置換度が0.7〜2.1で、平均置換モル数が
1.6〜3.6の範囲であることが特に好ましい。一般
式(II)で表される置換基において、aは理論上は上限は
ないが平均で1〜6の範囲の数が好ましい。
ース単位当たりの平均置換度は0.1〜3.0の範囲で
あるが、0.1〜1.5の範囲であることが好ましく、
0.1〜0.9の範囲であることが特に好ましい。一般
式(III)で表される置換基において、aは理論上は上
限はないが平均で1〜6の範囲の数が好ましい。一般式
(III)で表される置換基におけるR5、R6及びR7は、
それぞれ同一又は異なる炭素数1〜16のアルキル基を
示すが、メチル基又はエチル基であることが好ましい。
0の数を示すが、50〜1500の数が好ましい。一般
式(I)において、Xのハロゲン原子としては塩素、臭
素、ヨウ素を挙げることができる。
キシアルキルセルロースは、電気泳動法により求められ
る移動度分布(△U)が、0.1×10-5〜2.0×1
0-5cm2/sec・Vの範囲であり、好ましくは0.
1×10-5〜1.5×10-5cm2/sec・Vの範囲で
ある。△Uを前記範囲に設定することにより、界面活性
剤との相溶性を高めることができる。
ヒドロキシアルキルセルロースは、窒素原子含有率
(%)が0.1〜10.0であることが好ましく、0.
5〜4.0であることが特に好ましい。
ヒドロキシアルキルセルロースは、第4級窒素含有基の
置換度が0.1〜1.5であることが好ましく、0.1
〜0.9であることが特に好ましい。
化ヒドロキシアルキルセルロースは、25℃における粘
度が、2重量%水溶液(30rpm)で30mPa・s
〜1重量%水溶液(30rpm)で5000mPa・s
であることが好ましく、2重量%水溶液(30rpm)
で70mPa・s〜1重量%水溶液(30rpm)で2
500mPa・sであることが特に好ましい。
キルセルロースの製造方法について説明する。本発明の
製造方法は、反応に用いる有機溶媒水溶液の種類及び濃
度に特徴を有するものであるため、その他の処理方法及
び条件については特に限定されるものではなく、カチオ
ン化ヒドロキシアルキルセルロースの製造において当業
者によりなされる通常の改変も含まれるものである。
キルセルロースとイソプロピルアルコール水溶液又はt
−ブチルアルコール水溶液を混合する。この工程におけ
るヒドロキシアルキルセルロースは、例えば、セルロー
スをアルカリ処理したのち、アルキレンオキシドを付加
する常法を適用して得ることができる。原料となるセル
ロースとしては、コットンリンター、木材パルプ等を用
いることができる。イソプロピルアルコール水溶液とし
ては、イソプロピルアルコール濃度が75〜90重量%
のものが好ましく、80〜90重量%のものが特に好ま
しい。また、t−ブチルアルコール水溶液としては、t
−ブチルアルコール濃度が70〜85重量%のものが好
ましく、75〜85重量%のものが特に好ましい。イソ
プロピルアルコール水溶液又はt−ブチルアルコール水
溶液の使用量は、ヒドロキシエチルセルロース100重
量部に対して300〜900重量部が好ましい。
するアルカリ水溶液を添加する。アルカリ水溶液として
は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム水溶液等を挙げ
ることができる。アルカリの使用量は、ヒドロキシアル
キルセルロースのグルコース単位当たり0.05〜0.
4倍モルであることが好ましい。次に、第3工程におい
て、カチオン化剤を添加して、カチオン化処理する。こ
の工程で用いるカチオン化剤としては、グリシジルトリ
メチルアンモニウムクロリド、グリシジルトリエチルア
ンモニウムクロリド、グリシジルトリメチルアンモニウ
ムブロミド等のグリシジルトリアルキルアンモニウムハ
ライド等を挙げることができる。カチオン化剤の使用量
は、ヒドロキシアルキルセルロースのグルコース単位当
たり0.2〜2.0倍モル量であることが好ましい。
添加し、第3工程において添加したアルカリを中和す
る。
コール、アセトン等の有機溶媒による洗浄処理等の適当
な精製処理をし、さらに乾燥して、本発明のカチオン化
ヒドロキシアルキルセルロースを得る。
ルロースは、シャンプー、リンス、トリートメント等の
配合成分として有用である。
明するが、本発明はこれらにより限定されるものではな
い。
りに付加したエチレンオキシドのモル数は2.2、25
℃における2重量%水溶液の粘度は920mPa・s)
を含むヒドロキシエチルセルロース粉末145gを、冷
却管付き4つ口フラスコに入れ、さらに89重量%イソ
プロピルアルコール(IPA)水溶液1110gを添加
し、ヒドロキシエチルセルロースを攪拌し分散させてス
ラリーを得た。次に、このスラリーを攪拌しながら、2
0重量%水酸化ナトリウム水溶液60gを加え、25℃
で120分間攪拌して、アルカリ処理を行った。その
後、スラリーに、カチオン化剤として75重量%グリシ
ジルトリメチルアンモニウムクロリド水溶液を100g
添加し、60分間攪拌混合したのち、40℃に昇温し、
同温度でさらに3時間攪拌した。室温まで冷却後、20
重量%塩酸水溶液55gを添加して中和し、攪拌したの
ち、スラリーを濾過した。この濾過残渣を、76重量%
アセトン水溶液2200mlに添加し、攪拌洗浄後、濾
過した。次に、76重量%のアセトン水溶液で3回洗浄
した残渣を、98重量%のアセトン水溶液2200ml
に添加して攪拌混合後、再度、濾過した。残渣を70℃
の温度下で2時間乾燥して、カチオン化ヒドロキシエチ
ルセルロース175gを得た。得られたカチオン化ヒド
ロキシエチルセルロースについて、下記の各測定を行っ
た。結果を表2に示す。
発行、株式会社薬事日報社、210頁)に記載の定量法
に基づいて求めた。詳細は下記のとおりである。試料を
110℃で2時間乾燥した後、1.0gを精密に量り、
水を加えて溶かして1000mlの水溶液にした。この
水溶液5mlを正確にとり、水を加えて50mlとし、
トルジンブルー溶液(1→1000)4滴を加え、0.
0025Nポリビニル硫酸カリウム液で滴定した。別に
同様の方法で空試験を行い、補正をした。窒素含有率
は、下記式から求めた。
ニル硫酸カリウム液の滴定数(ml) B:空試験に要した0.0025Nポリビニル硫酸カリ
ウム液の滴定数(ml) C:[強熱残分(%)/ 乾燥残分(%)]×100×
0.8229(0.8229:強熱残分(硫酸ナトリウ
ム)を塩化ナトリウムに換算する)。
分子量は、平均置換モル数をyとすると、162+44
yである。カチオン化剤であるグリシジルトリメチルア
ンモニウムクロリドの分子量は151.5である。従っ
て、窒素分N(%)とカチオン化度(x)の関係は次の
式で表すことができる。 窒素分N(%) =[14x/(カチオン化ヒドロキシエチルセルロースのグルコース単位の分 子量)]×100 =[14x/(原料ヒドロキシエチルセルロース単位の分子量)+151.5 x]×100 =[14x/(162+44y+151.5x)]×100 よって、カチオン化度(第4級窒素含有基の置換度)
は、下記式から求められる。 カチオン化度(x)=[N×(162+44y)]/[1
400−151.5N]。
HBT−2A)を用い、シュリーレン光学系を利用し
て、下記条件で電気泳動させ、下記式から移動度Uを算
出した。 (電気泳動条件) 温度:25±0.1℃ 試料濃度:0.2g/100ml 溶媒:0.1N−NaCl水溶液 泳動電流:2mA (移動度U) U=[(K・A)/i]×[h/t] K:溶媒の比電導度 1.067×10-2Ω-1/cm-1 A:セル断面積 0.308cm2 i:泳動電流 0.002A h:泳動距離(cm) t:泳動時間(sec) 電気泳動における界面の状況[即ち、ある泳動時間t1
における屈折率の変化度(△n)と移動度(U)]の代
表的な例をモデルとして図1に示す。図1に示されるよ
うに、屈折率の変化度(△n)をモニターすることによ
り、最高移動度Aと最低移動度Bと中心移動度Cが各泳
動時間に対応して得られる。即ち、上昇界面の動きによ
り各ポイントA、B、Cは時間の経過とともに泳動して
進行する。そのため、適当な時間t(泳動開始から測定
時までの時間)で各ポイントA、B、Cの泳動距離h
[泳動時間tの間に原点(泳動開始点)からポイント
A、B、Cが泳動した距離]を測定し、前記式により移
動度Uを求める。泳動時間の逆数1/tを横軸として移
動度(即ち、A、B、Cの点の値)をプロットすると図
2に示されるように、移動度(U)と時間(1/t)と
の関係が得られる。そして、図2において、時間無限大
に外挿することにより、各々の移動度U’A、U’B及び
U’Cを求め、下記式から移動度分布(△U)を求め
た。 移動度分布(△U)=U’A−U’B (4)濁度 下記の表1に示す組成のPHASEIとPHASEIIの溶液を調
製し、これらを混合して完全に均一にしたものについ
て、濁度を測定した。
アルキルセルロース ES:ポリオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウム(商
品名EMAL−E27C、純度26.4%) AG:ポリオキシエチレングリコールエーテルメチルグ
リコシド(商品名GLUCAM E−20) 濁度の測定は、積分球方式の濁度計を用いて測定し、下
記式から求めた。 濁度(%)=(散乱光/全透過光)×100。
ヒドロキシエチルセルロースを得た。これらのカチオン
化ヒドロキシエチルセルロースについて、実施例1と同
様にして、各測定を行った。結果を表2に示す。
セルロースは、界面活性剤との相溶性がよい。
(U)の関係を示す図である。
係を示す図である。
Claims (9)
- 【請求項1】 下記一般式(I): 【化1】 [式中、R1、R2及びR3は水素原子、次の一般式(II): 【化2】 (ここで、R4は水素原子又はメチル基を示し、aは平
均で1〜6の数を示す。)で表される基又は次の一般式
(III): 【化3】 (式中、R4は水素原子又はメチル基を示し、aは平均
で1〜6の数を示し、R5、R6及びR7はそれぞれ同一
又は異なる炭素数1〜16のアルキル基を示し、Xはハ
ロゲン原子を示し、nは50〜2000の数を示す。]
で表され、電気泳動法により求められる移動度分布(△
U)が0.1×10-5〜2.0×10-5cm2/sec
・Vの範囲であることを特徴とするカチオン化ヒドロキ
シアルキルセルロース。 - 【請求項2】 一般式(II)で表される置換基のグルコー
ス単位当たりの平均置換度が0.4〜2.9で、平均置
換モル数が1.0〜7.0の範囲である請求項1記載の
カチオン化ヒドロキシアルキルセルロース。 - 【請求項3】 一般式(II)で表される置換基のグルコー
ス単位当たりの平均置換度が0.7〜2.1で、平均置
換モル数が1.6〜3.6の範囲である請求項1記載の
カチオン化ヒドロキシアルキルセルロース。 - 【請求項4】 一般式(III)で表される置換基のグル
コース単位当たりの平均置換度が0.1〜3.0の範囲
である請求項1、2又は3記載のカチオン化ヒドロキシ
アルキルセルロース。 - 【請求項5】 一般式(III)で表される置換基のグル
コース単位当たりの平均置換度が0.1〜1.5の範囲
である請求項1、2又は3記載のカチオン化ヒドロキシ
アルキルセルロース。 - 【請求項6】 一般式(III)で表される置換基のグル
コース単位当たりの平均置換度が0.1〜0.9の範囲
である請求項1、2又は3記載のカチオン化ヒドロキシ
アルキルセルロース。 - 【請求項7】 ヒドロキシアルキルセルロースとイソプ
ロピルアルコール水溶液又はt−ブチルアルコール水溶
液を混合する工程、アルカリを添加する工程、カチオン
化処理する工程及び中和工程を具備することを特徴とす
るカチオン化ヒドロキシアルキルセルロースの製造方
法。 - 【請求項8】 イソプロピルアルコール水溶液における
イソプロピルアルコール濃度が80〜90重量%である
請求項7記載のカチオン化ヒドロキシアルキルセルロー
スの製造方法。 - 【請求項9】 t−ブチルアルコール水溶液におけるt
−ブチルアルコール濃度が75〜85重量%である請求
項7記載のカチオン化ヒドロキシアルキルセルロースの
製造方法。
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JP13750099A JP3787459B2 (ja) | 1998-07-07 | 1999-05-18 | カチオン化ヒドロキシアルキルセルロース及びその製造方法 |
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JP2007145903A (ja) * | 2005-11-24 | 2007-06-14 | Kao Corp | 多糖誘導体 |
JP2012232934A (ja) * | 2011-05-02 | 2012-11-29 | Kao Corp | 水性毛髪洗浄剤 |
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JP2015074700A (ja) * | 2013-10-08 | 2015-04-20 | 三菱化学株式会社 | カチオン化セルロース繊維の製造方法 |
JP5827566B2 (ja) * | 2009-11-12 | 2015-12-02 | 花王株式会社 | 毛髪化粧料 |
-
1999
- 1999-05-18 JP JP13750099A patent/JP3787459B2/ja not_active Expired - Fee Related
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