JP2000288380A - 高純度化合物粉末の製造法 - Google Patents

高純度化合物粉末の製造法

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JP2000288380A
JP2000288380A JP11139066A JP13906699A JP2000288380A JP 2000288380 A JP2000288380 A JP 2000288380A JP 11139066 A JP11139066 A JP 11139066A JP 13906699 A JP13906699 A JP 13906699A JP 2000288380 A JP2000288380 A JP 2000288380A
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compound powder
purity compound
aqueous solution
nitrate
acid
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JP11139066A
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Kenichi Shinohara
健一 篠原
Hiroshi Kimura
寛 木村
Akira Kurata
明 倉田
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KISAN KINZOKU KK
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KISAN KINZOKU KK
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Abstract

(57)【要約】 湿式法により、高純度化合物粉末の製造を行う際に、生
成した微細な沈殿粉末を洗浄するに当たって、硝酸塩、
好ましくは硝酸アンモニウムを5wt%以下の濃度の水
溶液を用いることにより、ハロゲン化物の残留量を極め
て効率よく少なくできる方法を提供するものである。 【目的】高純度化合物粉末中のハロゲン化物の含有量を
低下させる。 【構成】生成した微細な沈殿を洗浄するに当たって、硝
酸塩を加えた水溶液を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、各種工業的用途
に使用される高純度化合物粉末の製造法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば酸化ハフニウム粉末の製造
において、塩化ハフニウムを水に溶解し、後、その酸性
をアンモニア水で中和し、十分に水で洗浄を行い、高温
で焼成することが行われてきた。
【0003】この方法は、生成する水酸化物粉末が微細
である場合、洗浄が非常に困難であった。洗浄に長時間
を要するだけではなくて、ろ過にも長時間を要する。
【0004】しかも、その洗浄は非常に不十分となりや
すいため、製品中に塩化アンモニウムが残りやすい。
【0005】例えば、従来の方法で作成した水酸化ハフ
ニウム粉末を1000℃程度の温度域で焼成しても、酸
化ハフニウム中の塩化アンモニウムの残留量は1000
ppmにも達する。
【0006】高純度酸化物粉末が、このように高濃度の
ハロゲン化物を含有することは、各種用途において好ま
しくない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、上記のよ
うな問題を解決するためになされたもので、ハロゲン化
物の含有量が数十ppmから数ppmの高純度化合物粉
末の製造法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は、ハロゲン化
物を高濃度に含有する化合物粉末を水溶液中で洗浄する
際に、ハロゲン化物に対して、高い捕集能力を有する硝
酸塩を含有する水溶液を用いることを特徴とするもので
ある。
【0009】使用に際しては、硝酸塩の濃度範囲を、適
当に選択することにより、より効果的にハロゲン化物を
除去できるとともに、硝酸塩の残留量をもより少なくす
ることができる。
【0010】この洗浄技術は、水酸化ハフニウムやオキ
シ水酸化ガリウムなどの水酸化物粉末の製造に用いるの
に好適である。
【0011】
【発明の実施の形態】発明者らは、硝酸塩を含む水溶液
が、粉末中の残留ハロゲン化物の洗浄に対して、大きな
効果を持つことを見いだした。
【0012】普通、洗浄は無添加水を用いて行うことが
常識であるが、無添加水よりも硝酸塩をいくらか含んだ
水溶液を用いた方が、ハロゲン化物に対する洗浄能力が
高かった。
【0013】硝酸塩は適当な溶解度さえあれば、どれで
も用いることができるとはいえ、各種陽イオンによるコ
ンタミネーションを回避したい場合には、硝酸アンモニ
ウムを用いることが実用的で好都合である。
【0014】硝酸アンモニウムは低温度の焼成により、
容易に分解するので、後に陽イオンのコンタミネーショ
ンが生じることはない。
【0015】すなわち、原液中の塩素初期濃度5000
0ppmの水酸化ハフニウム沈澱を、硝酸アンモニウム
1wt%の水溶液で四回洗浄すると、液中の塩素濃度は
初期濃度の1/10、すなわち5000ppmになっ
た。
【0016】純水を用いた同じ処理では、液中の塩素濃
度は10000ppmであった。
【0017】両者の洗浄能力を求めると、硝酸アンモニ
ウム水溶液では、原液の残留量をXとすれば、X
0.1、したがってX=0.56。すなわち一回の洗浄
で0.44分が除去される。
【0018】水の洗浄能力は、X=0.2、したがっ
てX=0.67。すなわち一回の洗浄で0.33分が除
去される。
【0019】これらの値を用いて計算を行い、洗浄回数
を5、10、15回で比較すると、硝酸アンモニウム水
溶液と水との原液残留量は表1に示すとおりとなる。
【0020】
【0021】すなわち、硝酸アンモニウム水溶液を用い
て、適当な回数洗浄すれば、塩素濃度はいくらでも低下
する。
【0022】おおざっぱに言えば、硝酸アンモニウム水
溶液の10回洗浄は水による15回洗浄と同等の洗浄効
果を持つ。
【0023】このようにして洗浄した水酸化ハフニウム
沈澱を、100℃2h乾燥、あるいは400℃1h空気
中焼成した場合の、沈澱中の塩素濃度の分析結果を表2
に示した。
【0024】塩素濃度の分析は、試料中の塩素を水中に
溶解し、硝酸銀による比濁法によった。
【0025】
【0026】焼成により、含有する塩素濃度は、洗浄品
については1/2程度に低下することがわかる。
【0027】もともと高濃度の未洗浄品では、焼成によ
る塩素濃度の低下率が大きいとはいえ、洗浄品中の塩素
濃度には及ばず、100℃乾燥品中の塩素濃度よりも高
い値を示す。
【0028】硝酸アンモニウムは水溶液中では、イオン
かい離しているため、水溶液中に浮遊して、なかなか沈
降しない微粒子に対しても効果的に作用し、沈降速度を
大きくするため、洗浄に要する時間が大幅に短縮でき
る。
【0029】表2に示した100℃乾燥品の熱分析を行
うと、加熱減量は表3に示すようになり、硝酸アンモニ
ウム水溶液による洗浄品は、乾燥しやすく、加熱減量が
少ないことがわかった。
【0030】
【0031】Hf(OH)がHfOになるときの減
量分は約15wt%であるから、加熱減量分の中身が水
酸化ハフニウムの分解による酸化ハフニウムの生成のほ
かに含有水分の蒸発や含有塩化アンモニウムの昇華など
があると考えると、硝酸アンモニウム水溶液で洗浄した
試料の加熱減量分は比較的、計算値に近い値であり、洗
浄が進んでいることを裏付ける。
【0032】次に硝酸アンモニウムの濃度を1と0.1
wt%に変えた水溶液を用いて水酸化ハフニウムの沈澱
を10回洗浄した結果についてのべる。
【0033】洗浄した後乾燥した試料、またその後電気
炉で空気中800℃2時間焼成した試料中の塩素濃度の
分析値を表4に示した。
【0034】
【0035】焼成後の粉末中の硝酸塩の残留量をJIS
の方法により検査したところ、検出できなかった。
【0036】表4から、硝酸アンモニウムの濃度は、1
wt%でも0.1wt%でもその塩素除去効果に大差が
無いと言える。
【0037】したがって、実用的には低濃度がコスト的
にも好ましいので、0.1wt%程度が実用的な濃度で
ある。
【0038】ただし、洗浄すべき原液中の塩素濃度の範
囲により、実用的には硝酸アンモニウムの濃度を5wt
%から0.05wt%に変えることは可能である。
【0039】また通常の洗浄手段を取らずに、原液のま
まで未洗浄沈殿を先に濾過し、濾過装置の上で硝酸アン
モニウムを含む水溶液をその沈殿上に何度も滴下して、
洗浄することも可能であり、上に説明した同様な塩素除
去効果が得られる。
【0040】
【実施例1】以下、実施例について述べる。塩化ハフニ
ウム100kgを水250リットルに溶解し、均一水溶
液とする。
【0041】そこへ、濃度25wt%のアンモニア水を
加えて中和し、水酸化ハフニウムを沈澱させる。
【0042】沈澱に、硝酸アンモニウム1000ppm
の水溶液を加え、よくかきまぜ、静置する。
【0043】上澄み液を捨て、もう一度、同濃度の硝酸
アンモニウム水溶液を加え、よくかきまぜ静置する。
【0044】この操作を10回、繰り返す。
【0045】上澄み液を捨て、最後は無添加水を加え、
よくかきまぜ、静置した後、ろ過し、水酸化物粉末を得
る。
【0046】酸化物粉末を100℃以上のオーブンで乾
燥した後、400℃で焼成する。
【0047】焼成後、残留塩素の分析を行ったところ、
25ppm以下であった。
【0048】
【実施例2】金属ガリウム660gをとり、王水(硝
酸:塩酸=1:3)を加えて溶解し、水溶液を3.0リ
ットルとした。
【0049】その水溶液1リットルに、濃度25wt%
のアンモニア水を加えて中和し、全液量を2リットルと
した。
【0050】この中和反応により、水酸化ガリウムが沈
殿する。
【0051】数日間室温に放置すると、水分子が一つ取
れて次式の分解反応が生じる。
【0052】Ga(OH)→GaOOH + H
【0053】生じたオキシ水酸化ガリウムの沈殿に、硝
酸アンモニウムの1wt%水溶液を加えて、撹拌した後
静置し、上澄み液を捨てる。
【0054】上の操作を5回繰り返した後、硝酸アンモ
ニウム水溶液の濃度を0.1wt%に変えて、同様の操
作を5回繰り返した。
【0055】純水を加えて沈殿を濾過し、純水で洗浄す
る。
【0056】沈殿を150℃のオーブン中でよく乾燥し
た。
【0057】塩素の含有量を分析したところ、1ppm
以下であった。
【0058】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、微粒
子の水酸化物粉末中の残留ハロゲン化物を効率よく、洗
浄除去することができる。
【0059】洗浄に要する時間を短縮できる。
【0060】硝酸アンモニウムは安価な薬品であり、添
加に伴うコスト上昇は微々たるものである。
【0061】添加した硝酸アンモニウムは、最後の焼成
工程で分解し揮散するため、後に残留することがない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C01G 27/00 C01G 27/00 Fターム(参考) 4G047 AA02 AB02 AD03 CA02 CB05 CD03 4G048 AA02 AB02 AD03 AE06 AE07 4G075 AA27 BB03 BB10

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】湿式法による高純度化合物粉末の製造にお
    いて、その洗浄を硝酸塩を含む水溶液で行うことを特徴
    とする高純度化合物粉末の製造法。
  2. 【請求項2】ハロゲン化物を出発原料とする高純度化合
    物粉末の製造において、その洗浄を硝酸塩を含む水溶液
    で行うことを特徴とする高純度化合物粉末の製造法。
  3. 【請求項3】金属をハロゲン化酸を含む水溶液に溶解
    し、そこから高純度化合物粉末を製造する際に、その洗
    浄を硝酸塩を含む水溶液で行うことを特徴とする高純度
    化合物粉末の製造法。
  4. 【請求項4】出発原料であるハロゲン化物が弗化物、塩
    化物、臭化物、よう化物であることを特徴とする請求項
    2に記載の高純度化合物粉末の製造法。
  5. 【請求項5】ハロゲン化酸が弗化水素酸、塩化水素酸、
    臭化水素酸、よう化水素酸、過塩素酸、次亜塩素酸であ
    ることを特徴とする請求項3に記載の高純度化合物粉末
    の製造法。
  6. 【請求項6】高純度化合物が水酸化物、オキシ水酸化
    物、酸化物、硫化物、セレン化物、テルル化物、修酸塩
    であることを特徴とする請求項1から請求項5に記載の
    高純度化合物粉末の製造法。
  7. 【請求項7】高純度化合物がガリウム、ハフニウム、亜
    鉛、ジルコニウム、チタンを含む化合物からなることを
    特徴とする請求項1から請求項6に記載の高純度化合物
    粉末の製造法。
  8. 【請求項8】中和に用いる薬剤がアンモニア水であるこ
    とを特徴とする請求項1から請求項7に記載の高純度化
    合物粉末の製造法。
  9. 【請求項9】硝酸塩が硝酸アンモニウムであることを特
    徴とする請求項1から請求項7に記載の高純度化合物粉
    末の製造法。
  10. 【請求項10】硝酸アンモニウムの濃度が5wt%から
    0.05wt%であることを特徴とする請求項1から請
    求項8に記載の高純度化合物粉末の製造法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010236095A (ja) * 2002-02-25 2010-10-21 Jx Nippon Mining & Metals Corp 相変化型メモリー用スパッタリングターゲットの製造方法
JP2016216354A (ja) * 2009-06-05 2016-12-22 Jx金属株式会社 酸化物焼結体、その製造方法及び酸化物焼結体製造用原料粉末

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