JP2000283923A - 酸化剤測定用化学発光検出器、及びそれを用いた酸化剤の測定方法 - Google Patents
酸化剤測定用化学発光検出器、及びそれを用いた酸化剤の測定方法Info
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- JP2000283923A JP2000283923A JP11088288A JP8828899A JP2000283923A JP 2000283923 A JP2000283923 A JP 2000283923A JP 11088288 A JP11088288 A JP 11088288A JP 8828899 A JP8828899 A JP 8828899A JP 2000283923 A JP2000283923 A JP 2000283923A
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- Investigating Or Analysing Materials By The Use Of Chemical Reactions (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】化学発光試薬、触媒物質及びH2O2等の酸化剤
の混合により開始される化学発光反応によって放出され
る発光を効率的に検出することが可能な化学発光検出器
を提供すること。 【解決手段】化学発光試薬、酸化剤、及びこれらと共存
した場合に化学発光試薬を化学発光放出可能な状態に励
起する触媒物質を共存させて化学発光試薬を励起し、励
起された化学発光試薬から放出される光の強度により酸
化剤を定量するための化学発光検出器であって、上記触
媒物質を固定化した充填剤をフローセル内に充填したフ
ローセルリアクターと該フローセルリアクター部位から
放出される発光を検出するための検出手段を具備してな
る化学発光検出器。
の混合により開始される化学発光反応によって放出され
る発光を効率的に検出することが可能な化学発光検出器
を提供すること。 【解決手段】化学発光試薬、酸化剤、及びこれらと共存
した場合に化学発光試薬を化学発光放出可能な状態に励
起する触媒物質を共存させて化学発光試薬を励起し、励
起された化学発光試薬から放出される光の強度により酸
化剤を定量するための化学発光検出器であって、上記触
媒物質を固定化した充填剤をフローセル内に充填したフ
ローセルリアクターと該フローセルリアクター部位から
放出される発光を検出するための検出手段を具備してな
る化学発光検出器。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は化学発光試薬を用い
た酸化剤測定に使用する化学発光検出器とそれを用いた
化学発光測定方法に関するものである。
た酸化剤測定に使用する化学発光検出器とそれを用いた
化学発光測定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ルミノール、ルシゲニン、ジオキシセタ
ン類、ロフィン等の化学発光試薬は、種々の触媒物質共
存で酸化反応により励起され、光を放出することが知ら
れている。この特性を生かし、化学発光試薬は、分析化
学の分野で酸化剤の定量等に広く利用されている。
ン類、ロフィン等の化学発光試薬は、種々の触媒物質共
存で酸化反応により励起され、光を放出することが知ら
れている。この特性を生かし、化学発光試薬は、分析化
学の分野で酸化剤の定量等に広く利用されている。
【0003】特に酸化剤の一種である過酸化水素(H2
O2)測定に関しては数多くの報告がされている。例え
ばペルオキシダーゼを触媒として、ルミノールを、H2
O2と反応させ、励起されたルミノールから放出される
化学発光(Method inenzymology,
133,331(1986))によりH2O2を定量する
方法は、H2O2の高感度測定法の一つとして知られてい
る。
O2)測定に関しては数多くの報告がされている。例え
ばペルオキシダーゼを触媒として、ルミノールを、H2
O2と反応させ、励起されたルミノールから放出される
化学発光(Method inenzymology,
133,331(1986))によりH2O2を定量する
方法は、H2O2の高感度測定法の一つとして知られてい
る。
【0004】H2O2測定を応用し、グルコース、コレス
テロール等の生体微量成分を被測定物質として、被測定
物質から酵素反応により被測定物質量に応じたH2O2を
生成させ、生成したH2O2を測定することにより、被測
定物質であるグルコース、コレステロール等を間接的に
定量する方法等も報告されている。例えばグルコースを
被測定物質とし、グルコースオキシダーゼを作用させる
ことによりH2O2を生成させ、ルミノールやペルオキシ
ダーゼを使用することで被測定物質であるグルコースを
間接的に定量する方法等が報告されている(J.Bio
lum.Chemilum.,10,229(199
5))。
テロール等の生体微量成分を被測定物質として、被測定
物質から酵素反応により被測定物質量に応じたH2O2を
生成させ、生成したH2O2を測定することにより、被測
定物質であるグルコース、コレステロール等を間接的に
定量する方法等も報告されている。例えばグルコースを
被測定物質とし、グルコースオキシダーゼを作用させる
ことによりH2O2を生成させ、ルミノールやペルオキシ
ダーゼを使用することで被測定物質であるグルコースを
間接的に定量する方法等が報告されている(J.Bio
lum.Chemilum.,10,229(199
5))。
【0005】化学発光試薬を利用したこれらのH2O2、
グルコースの定量方法の多くでは、化学発光検出器を接
続した高速液体クロマトグラフィー(HPLC)やフロ
ーインジェクション分析(FIA)の測定システムが使
用されている(Anal.Lett.,22,303
(1989)、「生物発光と化学発光」,104頁,1
06頁,広川書店,昭和64年)。図1及び図2は、こ
れまでに報告されているルミノール/ペルオキシダーゼ
系を利用した試料溶液中のH2O2測定用FIAシステム
の構成例である。
グルコースの定量方法の多くでは、化学発光検出器を接
続した高速液体クロマトグラフィー(HPLC)やフロ
ーインジェクション分析(FIA)の測定システムが使
用されている(Anal.Lett.,22,303
(1989)、「生物発光と化学発光」,104頁,1
06頁,広川書店,昭和64年)。図1及び図2は、こ
れまでに報告されているルミノール/ペルオキシダーゼ
系を利用した試料溶液中のH2O2測定用FIAシステム
の構成例である。
【0006】図1の例では、ルミノール溶液(溶液タン
ク3に貯蔵されている)を送液するポンプ4、ペルオキ
シダーゼ溶液(溶液タンク5に貯蔵されている)を送液
するポンプ6、及び試料注入部7より導入されるH2O2
含有試料を移送するための溶液(溶液タンク1に貯蔵さ
れている)を送液するポンプ2を用意し、それぞれのポ
ンプにより送液された溶液を送液路中、混合用コイル8
で混合することによりルミノールを励起し、化学発光検
出器9へ導き、ルミノールの化学発光強度を測定するも
のである(10は化学発光検出器からの信号を記録する
記録計、11は廃液タンクである)。また図2の例で
は、ペルオキシダーゼを固定化した充填剤を充填したリ
アクター17を化学発光検出器18の流れ方向の前部に
設置し、ルミノール溶液(溶液タンク14に貯蔵されて
いる)を送液するポンプ15、及び試料注入部16より
導入されるH2O2含有試料を移送するための溶液(溶液
タンク13に貯蔵されている)を送液するポンプ12を
用意し、それぞれのポンプにより送液された溶液を混合
し、その後リアクター17、化学発光検出器18の順で
通過させることにより励起されたルミノールの化学発光
強度を測定するものである(19は化学発光検出器から
の信号を記録する記録計、20は廃液タンクである)。
ク3に貯蔵されている)を送液するポンプ4、ペルオキ
シダーゼ溶液(溶液タンク5に貯蔵されている)を送液
するポンプ6、及び試料注入部7より導入されるH2O2
含有試料を移送するための溶液(溶液タンク1に貯蔵さ
れている)を送液するポンプ2を用意し、それぞれのポ
ンプにより送液された溶液を送液路中、混合用コイル8
で混合することによりルミノールを励起し、化学発光検
出器9へ導き、ルミノールの化学発光強度を測定するも
のである(10は化学発光検出器からの信号を記録する
記録計、11は廃液タンクである)。また図2の例で
は、ペルオキシダーゼを固定化した充填剤を充填したリ
アクター17を化学発光検出器18の流れ方向の前部に
設置し、ルミノール溶液(溶液タンク14に貯蔵されて
いる)を送液するポンプ15、及び試料注入部16より
導入されるH2O2含有試料を移送するための溶液(溶液
タンク13に貯蔵されている)を送液するポンプ12を
用意し、それぞれのポンプにより送液された溶液を混合
し、その後リアクター17、化学発光検出器18の順で
通過させることにより励起されたルミノールの化学発光
強度を測定するものである(19は化学発光検出器から
の信号を記録する記録計、20は廃液タンクである)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】図1や図2に示したよ
うな従来のFIA測定システムでは、いずれも化学発光
試薬、触媒物質、及びH2O2を流路中で混合した後に化
学発光検出器に導入しているため、前記混合による化学
発光反応の開始から検出までの間に時間的な遅れが生じ
るという課題がある。このため、励起された化学発光試
薬から放出される光の全てを化学発光検出器で捕らえる
ことができず、検出感度を向上することが困難であると
いう課題がある。
うな従来のFIA測定システムでは、いずれも化学発光
試薬、触媒物質、及びH2O2を流路中で混合した後に化
学発光検出器に導入しているため、前記混合による化学
発光反応の開始から検出までの間に時間的な遅れが生じ
るという課題がある。このため、励起された化学発光試
薬から放出される光の全てを化学発光検出器で捕らえる
ことができず、検出感度を向上することが困難であると
いう課題がある。
【0008】そこで本願発明の目的は、化学発光試薬、
触媒物質及びH2O2等の酸化剤の混合により開始される
化学発光反応によって放出される発光を効率的に検出す
ることが可能な化学発光検出器を提供することにある。
触媒物質及びH2O2等の酸化剤の混合により開始される
化学発光反応によって放出される発光を効率的に検出す
ることが可能な化学発光検出器を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本願発明は、化学発光検
出器にフローセルリアクターを包合し、フローセルリア
クター部位で発光を検出することで、化学発光反応の開
始時からの発光を効率的に捕捉するという構成により前
記目的を達成するものである。すなわち本願請求項1の
発明は、化学発光試薬、酸化剤、及びこれらと共存した
場合に化学発光試薬を化学発光放出可能な状態に励起す
る触媒物質を共存させて化学発光試薬を励起し、励起さ
れた化学発光試薬から放出される光の強度により酸化剤
を定量するための化学発光検出器であって、上記触媒物
質を固定化した充填剤をフローセル内に充填したフロー
セルリアクターと該フローセルリアクター部位から放出
される発光を検出するための検出手段を具備してなる化
学発光検出器である。
出器にフローセルリアクターを包合し、フローセルリア
クター部位で発光を検出することで、化学発光反応の開
始時からの発光を効率的に捕捉するという構成により前
記目的を達成するものである。すなわち本願請求項1の
発明は、化学発光試薬、酸化剤、及びこれらと共存した
場合に化学発光試薬を化学発光放出可能な状態に励起す
る触媒物質を共存させて化学発光試薬を励起し、励起さ
れた化学発光試薬から放出される光の強度により酸化剤
を定量するための化学発光検出器であって、上記触媒物
質を固定化した充填剤をフローセル内に充填したフロー
セルリアクターと該フローセルリアクター部位から放出
される発光を検出するための検出手段を具備してなる化
学発光検出器である。
【0010】そして本願請求項2の発明は、化学発光試
薬、酸化剤、及びこれらと共存した場合に化学発光試薬
を化学発光放出可能な状態に励起する触媒物質を共存さ
せて化学発光試薬を励起し、励起された化学発光試薬か
ら放出される光の強度により酸化剤を定量する化学発光
測定方法であって、上記触媒物質を固定化した充填剤を
フローセル内に充填したフローセルリアクターを用い、
該フローセルリアクター部位から放出される発光を検出
することを特徴とする化学発光測定方法である。以下、
図面を参照しつつ本願発明を説明する。
薬、酸化剤、及びこれらと共存した場合に化学発光試薬
を化学発光放出可能な状態に励起する触媒物質を共存さ
せて化学発光試薬を励起し、励起された化学発光試薬か
ら放出される光の強度により酸化剤を定量する化学発光
測定方法であって、上記触媒物質を固定化した充填剤を
フローセル内に充填したフローセルリアクターを用い、
該フローセルリアクター部位から放出される発光を検出
することを特徴とする化学発光測定方法である。以下、
図面を参照しつつ本願発明を説明する。
【0011】本願発明で使用する化学発光試薬として
は、ルミノール、ルシゲニン、ジオキシセタン類そして
ロフィン等のような、それ自体が最終的に発光を放出す
る試薬を例示することができる。また更には、シュウ酸
誘導体と蛍光物質の組み合わせのように、2以上の試薬
が共存した場合に発光を放出し得る試薬の組み合わせで
あっても良い。 本願発明で使用する触媒物質として
は、化学発光試薬及び酸化剤が存在した場合に化学発光
試薬を、化学発光を放出し得る状態に励起し得る活性を
有するものであれば制限はなく、例えば化学発光試薬が
ルミノールであればペルオキシダーゼ、ミクロペルオキ
シダーゼ、ヘモグロビン、イミダゾール、ヒスチジン等
を例示することができる。触媒物質は、充填剤に固定化
したうえでフローセルリアクターに充填して使用され
る。
は、ルミノール、ルシゲニン、ジオキシセタン類そして
ロフィン等のような、それ自体が最終的に発光を放出す
る試薬を例示することができる。また更には、シュウ酸
誘導体と蛍光物質の組み合わせのように、2以上の試薬
が共存した場合に発光を放出し得る試薬の組み合わせで
あっても良い。 本願発明で使用する触媒物質として
は、化学発光試薬及び酸化剤が存在した場合に化学発光
試薬を、化学発光を放出し得る状態に励起し得る活性を
有するものであれば制限はなく、例えば化学発光試薬が
ルミノールであればペルオキシダーゼ、ミクロペルオキ
シダーゼ、ヘモグロビン、イミダゾール、ヒスチジン等
を例示することができる。触媒物質は、充填剤に固定化
したうえでフローセルリアクターに充填して使用され
る。
【0012】本願発明は、H2O2等を酸化剤として使用
し、その定量を行うものであるが、グルコース、コレス
テロール、コレステロールエステル、中性脂肪、リン脂
質、尿素、尿酸、カテコールアミン類等の生体試料中に
存在する微量成分を被測定物質として定量することもで
きる。これは、被測定物質に対し、被測定物質を基質と
してH2O2を生成する酵素等を作用させ、生成したH2
O2量を測定する、ことにより行えば良い。
し、その定量を行うものであるが、グルコース、コレス
テロール、コレステロールエステル、中性脂肪、リン脂
質、尿素、尿酸、カテコールアミン類等の生体試料中に
存在する微量成分を被測定物質として定量することもで
きる。これは、被測定物質に対し、被測定物質を基質と
してH2O2を生成する酵素等を作用させ、生成したH2
O2量を測定する、ことにより行えば良い。
【0013】上記被測定物質の定量を行うために必要
な、被測定物質量に相関したH2O2を生成する物質とし
ては、例えば、被測定物質がグルコースであればグルコ
ース酸化酵素を、コレステロールであればコレステロー
ル酸化酵素を、コレステロールエステルであればコレス
テロールエステラーゼ等を例示できる。また例えばカテ
コールアミン類を被測定物質とする場合には、イミダゾ
ール、エチレン尿素、2−ニトロフラン、ピペラジン等
の酵素以外の化学試薬を用いてH2O2を生成させること
ができる。
な、被測定物質量に相関したH2O2を生成する物質とし
ては、例えば、被測定物質がグルコースであればグルコ
ース酸化酵素を、コレステロールであればコレステロー
ル酸化酵素を、コレステロールエステルであればコレス
テロールエステラーゼ等を例示できる。また例えばカテ
コールアミン類を被測定物質とする場合には、イミダゾ
ール、エチレン尿素、2−ニトロフラン、ピペラジン等
の酵素以外の化学試薬を用いてH2O2を生成させること
ができる。
【0014】触媒物質の固定化に使用する充填剤は、固
定化後に触媒物質の触媒活性を保持し得るものであれば
制限はなく、市販の充填剤(例えば商品名キトパールB
CW−3001(フジボー(株)製、粒径74〜210
μm)、商品名TSKgelAF−アミノトヨパール6
50M(東ソー(株)製、粒径40〜90μm)等を使
用することができる。充填剤の種類等は、固定化しよう
とする触媒物質の量等に応じて適宜選択すれば良い。
定化後に触媒物質の触媒活性を保持し得るものであれば
制限はなく、市販の充填剤(例えば商品名キトパールB
CW−3001(フジボー(株)製、粒径74〜210
μm)、商品名TSKgelAF−アミノトヨパール6
50M(東ソー(株)製、粒径40〜90μm)等を使
用することができる。充填剤の種類等は、固定化しよう
とする触媒物質の量等に応じて適宜選択すれば良い。
【0015】触媒物質の充填剤への固定化は、従来から
公知の方法により行うことができる。具体的に例えば、
吸着法(Eur.J.Biochem.,123,60
1(1982年))、グルタルアルデヒド法(化学の領
域,増刊13,55(1982年))、糖鎖酸化法
(J.Histochem.,22,1084,(19
74年))等を例示することができる。より具体的に、
本願発明において触媒物質として使用し得るペルオキシ
ダーゼを、市販の充填剤(商品名キトパールBCW−3
001)に、糖鎖酸化法により固定化する場合について
一例を示せば、(1)まずペルオキシダーゼ(例えば和
光純薬工業(株)製、100U/mg以上、わさび製)
を0.1mol/lリン酸緩衝液(pH6.5)に溶解
して1.5mg/mlとした溶液1mlに過ヨウ素酸ナ
トリウム溶液(0.06mol/l)を1ml加える、
(2)室温で30分間穏やかに振とうしてペルオキシダ
ーゼを酸化し、炭酸緩衝液(0.01mol/l、pH
9.5)に対して4℃で12時間透析する、(3)リン
酸緩衝液(pH6.5)に24時間以上浸し、平衡化し
た充填剤(およそ200mg)を加えてペルオキシダー
ゼを固定化する、等という操作を例示できる。
公知の方法により行うことができる。具体的に例えば、
吸着法(Eur.J.Biochem.,123,60
1(1982年))、グルタルアルデヒド法(化学の領
域,増刊13,55(1982年))、糖鎖酸化法
(J.Histochem.,22,1084,(19
74年))等を例示することができる。より具体的に、
本願発明において触媒物質として使用し得るペルオキシ
ダーゼを、市販の充填剤(商品名キトパールBCW−3
001)に、糖鎖酸化法により固定化する場合について
一例を示せば、(1)まずペルオキシダーゼ(例えば和
光純薬工業(株)製、100U/mg以上、わさび製)
を0.1mol/lリン酸緩衝液(pH6.5)に溶解
して1.5mg/mlとした溶液1mlに過ヨウ素酸ナ
トリウム溶液(0.06mol/l)を1ml加える、
(2)室温で30分間穏やかに振とうしてペルオキシダ
ーゼを酸化し、炭酸緩衝液(0.01mol/l、pH
9.5)に対して4℃で12時間透析する、(3)リン
酸緩衝液(pH6.5)に24時間以上浸し、平衡化し
た充填剤(およそ200mg)を加えてペルオキシダー
ゼを固定化する、等という操作を例示できる。
【0016】本願発明で使用するフローセルリアクタ
は、化学発光試薬及び酸化剤がその内部を通過しつつ充
填された充填剤に固定化された触媒物質と反応して発光
を生じるように構成された管状部であり、その内部で放
出された発光を外部に透過し得る材料で製造されたもの
でれば形状等に特別の制限はないが、発光が外部に効率
的に放出される形状等を呈していることが好ましい。ま
た、化学発光試薬の発光反応の開始から終了までがフロ
ーセルリアクタ内で生じるように、言い換えれば測定し
ようとする酸化剤の推定量の全てが発光反応で消費され
る程度されるように、流速との関係でその長さ等が調整
されていることが好ましい。
は、化学発光試薬及び酸化剤がその内部を通過しつつ充
填された充填剤に固定化された触媒物質と反応して発光
を生じるように構成された管状部であり、その内部で放
出された発光を外部に透過し得る材料で製造されたもの
でれば形状等に特別の制限はないが、発光が外部に効率
的に放出される形状等を呈していることが好ましい。ま
た、化学発光試薬の発光反応の開始から終了までがフロ
ーセルリアクタ内で生じるように、言い換えれば測定し
ようとする酸化剤の推定量の全てが発光反応で消費され
る程度されるように、流速との関係でその長さ等が調整
されていることが好ましい。
【0017】前記の通り、化学発光試薬及び酸化剤はフ
ローセルリアクタを通過しつつ発光を放出する。従っ
て、流速との関係で充分な時間に渡って化学発光物質、
酸化剤及び触媒酵素が接触し得るような長さを有してい
ることが好ましいのであるが、流速が一定であれば、フ
ローセルリアクタの断面径を大きくして全長を短くする
か、あるいは断面径を小さくして全長を長くする等すれ
ば良い。断面径を大きくするに従って、その中心部で放
射された発光がフローセルリアクタの外部に到達する距
離が長くなるため、断面径は可能な限り小さくすること
が特に好ましい。
ローセルリアクタを通過しつつ発光を放出する。従っ
て、流速との関係で充分な時間に渡って化学発光物質、
酸化剤及び触媒酵素が接触し得るような長さを有してい
ることが好ましいのであるが、流速が一定であれば、フ
ローセルリアクタの断面径を大きくして全長を短くする
か、あるいは断面径を小さくして全長を長くする等すれ
ば良い。断面径を大きくするに従って、その中心部で放
射された発光がフローセルリアクタの外部に到達する距
離が長くなるため、断面径は可能な限り小さくすること
が特に好ましい。
【0018】特に好適なフローセルとして、市販のテフ
ロンチューブ(サンプラテック(株)製、525、No
19、内径0.96mm×外径1.56mm、長さ25
0mm)を例示することができる。
ロンチューブ(サンプラテック(株)製、525、No
19、内径0.96mm×外径1.56mm、長さ25
0mm)を例示することができる。
【0019】このような、例えば前述したテフロンチュ
ーブ製のフローセルリアクタへ前記のようにして調製し
た充填剤を充填するには、(1)充填剤を水等の溶媒に
より懸濁状態にしておき、(2)テフロンチューブは片
端に石英ウールを詰め、充填剤が抜け出ない状態にし、
(3)テフロンチューブの石英ウールを詰めた側をアス
ピレーター等の吸引装置に接続し、(4)充填剤の懸濁
液をテフロンチューブ内へ吸引して導入し、(5)懸濁
液を導入した側に石英ウールを詰める、という手順に従
うことが例示できる。この手順により、懸濁液中の固体
分(充填剤)は石英ウールによりトラップされ、フロー
セルリアクター内に充填状態となる。なお、本願発明者
の知見によれば、前記(1)における懸濁液の濃度を3
0〜50%程度とすることにより、充填をスムースに行
うことが可能である。
ーブ製のフローセルリアクタへ前記のようにして調製し
た充填剤を充填するには、(1)充填剤を水等の溶媒に
より懸濁状態にしておき、(2)テフロンチューブは片
端に石英ウールを詰め、充填剤が抜け出ない状態にし、
(3)テフロンチューブの石英ウールを詰めた側をアス
ピレーター等の吸引装置に接続し、(4)充填剤の懸濁
液をテフロンチューブ内へ吸引して導入し、(5)懸濁
液を導入した側に石英ウールを詰める、という手順に従
うことが例示できる。この手順により、懸濁液中の固体
分(充填剤)は石英ウールによりトラップされ、フロー
セルリアクター内に充填状態となる。なお、本願発明者
の知見によれば、前記(1)における懸濁液の濃度を3
0〜50%程度とすることにより、充填をスムースに行
うことが可能である。
【0020】充填の完了したフローセルリアクターを、
該リアクターから放出される発光を検出するための検出
手段と共に適当な筺体に収容して本願発明の化学発光検
出器を構成する。検出手段としては、適当なレンズやミ
ラー等の通常の集光素子と、フォトマルチプライヤーや
光センサー等の通常の光検出素子(装置)を組み合わせ
ることにより、容易に構成できる。なお、適当な筺体中
にフローセルリアクターと検出手段を収容するのは、外
部光により発光の測定が影響されないようにするためで
ある。もっとも、例えば光ファイバー等を用いて前記集
光素子と光検出素子を連結するようにすれば、光検出素
子とファイバーを近接して配置するのみで光検出素子は
隔離して配置することも可能である。
該リアクターから放出される発光を検出するための検出
手段と共に適当な筺体に収容して本願発明の化学発光検
出器を構成する。検出手段としては、適当なレンズやミ
ラー等の通常の集光素子と、フォトマルチプライヤーや
光センサー等の通常の光検出素子(装置)を組み合わせ
ることにより、容易に構成できる。なお、適当な筺体中
にフローセルリアクターと検出手段を収容するのは、外
部光により発光の測定が影響されないようにするためで
ある。もっとも、例えば光ファイバー等を用いて前記集
光素子と光検出素子を連結するようにすれば、光検出素
子とファイバーを近接して配置するのみで光検出素子は
隔離して配置することも可能である。
【0021】フローセルリアクターと検出手段は、フロ
ーセルリアクター部位から放出される発光を検出し得る
ように配置すれば良い。例えばフローセルリアクターを
平面上に渦巻き状に展開したうえで検出手段を該渦巻き
に対向配置することが例示できる。また市販の化学発光
検出器を利用することも可能である。図3は、市販の化
学発光検出器(一例を述べれば相馬光学社製、モデルS
−3400)を利用した本願発明の化学発光検出器の様
子を示す図であり、21はフローセルの担持部、22は
渦巻き状に展開配置したフローセルリアクター、23は
フローセルの入口側、24はフローセルの出口側を示し
ている。フォトマルを具備する検出手段は、この渦巻き
に対向するように配置される。なお図3ではフローセル
リアクターを渦巻き状に展開配置した例をしめしたが、
直線状又はジグザグ状等に配置することもできる。
ーセルリアクター部位から放出される発光を検出し得る
ように配置すれば良い。例えばフローセルリアクターを
平面上に渦巻き状に展開したうえで検出手段を該渦巻き
に対向配置することが例示できる。また市販の化学発光
検出器を利用することも可能である。図3は、市販の化
学発光検出器(一例を述べれば相馬光学社製、モデルS
−3400)を利用した本願発明の化学発光検出器の様
子を示す図であり、21はフローセルの担持部、22は
渦巻き状に展開配置したフローセルリアクター、23は
フローセルの入口側、24はフローセルの出口側を示し
ている。フォトマルを具備する検出手段は、この渦巻き
に対向するように配置される。なお図3ではフローセル
リアクターを渦巻き状に展開配置した例をしめしたが、
直線状又はジグザグ状等に配置することもできる。
【0022】図4は、本願発明の化学発光検出装置を装
備する化学発光検出システムの概略を示す図である。図
中、装置は溶液タンク25、27、送液ポンプ26、2
8、試料注入部29、本願発明の化学発光検出器30、
記録計31、廃液タンク32をそれぞれ示す。送液ポン
プ28は化学発光試薬溶液の送液に用いられるが、送液
ポンプ26により送液する溶液は被測定物質に応じて種
々選択される。酸化剤であるH2O2を測定する場合は、
試料注入部29より注入される試料溶液(H202溶
液)を単に移送するための、例えば水等の溶液である
が、被測定物質がグルコースやコレステロール等である
場合には、被測定物質を基質としてH2O2を生成する酵
素の溶液等を送液ポンプ26により送液する。すなわ
ち、被測定物質がグルコースであればグルコース酸化酵
素溶液を、被測定物質がコレステロールであればコレス
テロール酸化酵素溶液を送液すれば良い。
備する化学発光検出システムの概略を示す図である。図
中、装置は溶液タンク25、27、送液ポンプ26、2
8、試料注入部29、本願発明の化学発光検出器30、
記録計31、廃液タンク32をそれぞれ示す。送液ポン
プ28は化学発光試薬溶液の送液に用いられるが、送液
ポンプ26により送液する溶液は被測定物質に応じて種
々選択される。酸化剤であるH2O2を測定する場合は、
試料注入部29より注入される試料溶液(H202溶
液)を単に移送するための、例えば水等の溶液である
が、被測定物質がグルコースやコレステロール等である
場合には、被測定物質を基質としてH2O2を生成する酵
素の溶液等を送液ポンプ26により送液する。すなわ
ち、被測定物質がグルコースであればグルコース酸化酵
素溶液を、被測定物質がコレステロールであればコレス
テロール酸化酵素溶液を送液すれば良い。
【0023】送液ポンプ26、28の送液条件には、特
に限定はなく、測定の条件により異なるが、フローセル
リアクターで充分な化学発光反応が生じるように0.0
1ml/分〜2.0ml/分程度の範囲の流速が特に好
ましい。溶液タンク25、27は、それぞれ、送液ポン
プ26、28により送液される溶液を貯蔵するためのも
ので、必要な量の溶液を貯蔵できればその大きさや形状
は特に限定されない。材質も当該溶液を安定的に貯蔵で
きれば制限はなく、ガラスや高分子樹脂等を用いること
が例示できる。
に限定はなく、測定の条件により異なるが、フローセル
リアクターで充分な化学発光反応が生じるように0.0
1ml/分〜2.0ml/分程度の範囲の流速が特に好
ましい。溶液タンク25、27は、それぞれ、送液ポン
プ26、28により送液される溶液を貯蔵するためのも
ので、必要な量の溶液を貯蔵できればその大きさや形状
は特に限定されない。材質も当該溶液を安定的に貯蔵で
きれば制限はなく、ガラスや高分子樹脂等を用いること
が例示できる。
【0024】試料注入部29は測定に用いる試料溶液の
量を任意に変えることができれば特に制限はないが、試
料注入作業を自動的に行い得るものが好ましい。記録計
31としては検出器で得られた信号を記録するものであ
り、信号を記録紙に出力するのみならず、直接電子記録
媒体等へ記録したり、或いはディスプレイ装置に表示す
ることができるものであっても良い。
量を任意に変えることができれば特に制限はないが、試
料注入作業を自動的に行い得るものが好ましい。記録計
31としては検出器で得られた信号を記録するものであ
り、信号を記録紙に出力するのみならず、直接電子記録
媒体等へ記録したり、或いはディスプレイ装置に表示す
ることができるものであっても良い。
【0025】
【発明の実施の形態】以下に本願発明をより詳細に説明
するために実施例を記載するが、これらは一実施形態で
あり、本願発明を限定するものではない。
するために実施例を記載するが、これらは一実施形態で
あり、本願発明を限定するものではない。
【0026】実施例1 図4に示下構成の発光分析システムを使用し、触媒物質
としてペルオキシダーゼ、化学発光試薬としてルミノー
ルを選択して、H2O2濃度のフローインジェクション測
定を行った。なお使用した化学発光検出器は図3として
示した構成のものであり、フローセルリアクターの充填
剤充填部分の長さは6cmである。
としてペルオキシダーゼ、化学発光試薬としてルミノー
ルを選択して、H2O2濃度のフローインジェクション測
定を行った。なお使用した化学発光検出器は図3として
示した構成のものであり、フローセルリアクターの充填
剤充填部分の長さは6cmである。
【0027】溶液タンク25に水を、溶液タンク27に
0.05mol/lトリシン緩衝液(pH9.2)を用
意し、それぞれを送液ポンプ26、28により0.1m
l/minの流速で30分間送液して初期化を行い、続
いて、溶液タンク2の中身を0.56mmol/lルミ
ノール溶液に換え、送液ポンプにより0.1ml/mi
nの流速で送液し、ベースラインの安定化を確認した
後、試料注入部29よりH2O2含有試料溶液を50μl
注入した。なお種々のH2O2含有試料を連続測定する場
合には、試料を測定するごとに水を同量注入した。
0.05mol/lトリシン緩衝液(pH9.2)を用
意し、それぞれを送液ポンプ26、28により0.1m
l/minの流速で30分間送液して初期化を行い、続
いて、溶液タンク2の中身を0.56mmol/lルミ
ノール溶液に換え、送液ポンプにより0.1ml/mi
nの流速で送液し、ベースラインの安定化を確認した
後、試料注入部29よりH2O2含有試料溶液を50μl
注入した。なお種々のH2O2含有試料を連続測定する場
合には、試料を測定するごとに水を同量注入した。
【0028】上記のようにして測定に供するルミノール
濃度の発光強度への影響を検討した。結果を図5に示
す。
濃度の発光強度への影響を検討した。結果を図5に示
す。
【0029】図5によれば、発光強度は被測定物質であ
るH2O2の濃度にかかわらず、ルミノール濃度約3.5
mmol/lまでは増加し、それ以上の濃度ではほぼ一
定となる傾向が見られた。この結果と経済性等を考慮し
て、以下の測定ではルミノール濃度を0.56mmol
/lとした。
るH2O2の濃度にかかわらず、ルミノール濃度約3.5
mmol/lまでは増加し、それ以上の濃度ではほぼ一
定となる傾向が見られた。この結果と経済性等を考慮し
て、以下の測定ではルミノール濃度を0.56mmol
/lとした。
【0030】実施例2 同一濃度のH202溶液を試料溶液として、再現性を検
討した。4.85μmol/lのH202溶液を試料と
して、実施例1と同様の操作により20回の連続測定を
行った。結果を図6に示す。
討した。4.85μmol/lのH202溶液を試料と
して、実施例1と同様の操作により20回の連続測定を
行った。結果を図6に示す。
【0031】図6によれば、20回の連続測定において
も発光強度の低下は見られず、良好な再現性(変動係数
2.40%、n=11)が得られた。なお、ペルオキシ
ダーゼ固定化充填剤を固定化後リン酸緩衝液(pH6.
5)中、冷蔵庫保存で1年以上放置した場合であっても
発光強度の低下は認められなかった。
も発光強度の低下は見られず、良好な再現性(変動係数
2.40%、n=11)が得られた。なお、ペルオキシ
ダーゼ固定化充填剤を固定化後リン酸緩衝液(pH6.
5)中、冷蔵庫保存で1年以上放置した場合であっても
発光強度の低下は認められなかった。
【0032】実施例3 実施例1と同様の操作により、H2O2濃度0〜9.7μ
mol/lの範囲で検量線を作成した。結果を図7に示
す。
mol/lの範囲で検量線を作成した。結果を図7に示
す。
【0033】図7から、0〜9.7μmol/lのH2
O2濃度範囲で作成した検量線はその回帰式がY=5
8.85+394.00X+27.52X2で、H2O2
の最少検出限界は10pmolであった。実施例におい
て使用したルミノール濃度が0.56mmol/lと低
いこと、及び、実施例2に示したようにフローセルリア
クターは繰り返し使用できることから考えて、本願発明
の化学発光検出器を用いることでより高感度かつ経済性
の良い測定が可能となることが分かる。
O2濃度範囲で作成した検量線はその回帰式がY=5
8.85+394.00X+27.52X2で、H2O2
の最少検出限界は10pmolであった。実施例におい
て使用したルミノール濃度が0.56mmol/lと低
いこと、及び、実施例2に示したようにフローセルリア
クターは繰り返し使用できることから考えて、本願発明
の化学発光検出器を用いることでより高感度かつ経済性
の良い測定が可能となることが分かる。
【0034】実施例4 触媒物質としてペルオキシダーゼ、化学発光試薬として
ルミノールを選択し、グルコース濃度のフローインジェ
クション測定を行った。グルコース濃度の測定原理は、
ポンプ26によりグルコースオキシダーゼ溶液、ポンプ
28によりルミノール溶液の送液を行い、試料注入部2
9より注入されたグルコースは流れの中でグルコースオ
キシダーゼにより酸化され、同時にグルコース量に応じ
てH2O2が生成される。生成されたH2O2はルミノール
と混合され、化学発光検出器30内のフローセルリアク
ターへ導入される。ペルオキシダーゼの共存下、ルミノ
ールはH2O2濃度に応じて化学発光を放出するため、こ
れを測定することにより、被検体中のグルコース濃度を
定量することができる。
ルミノールを選択し、グルコース濃度のフローインジェ
クション測定を行った。グルコース濃度の測定原理は、
ポンプ26によりグルコースオキシダーゼ溶液、ポンプ
28によりルミノール溶液の送液を行い、試料注入部2
9より注入されたグルコースは流れの中でグルコースオ
キシダーゼにより酸化され、同時にグルコース量に応じ
てH2O2が生成される。生成されたH2O2はルミノール
と混合され、化学発光検出器30内のフローセルリアク
ターへ導入される。ペルオキシダーゼの共存下、ルミノ
ールはH2O2濃度に応じて化学発光を放出するため、こ
れを測定することにより、被検体中のグルコース濃度を
定量することができる。
【0035】まず、溶液タンク25にグルコースオキシ
ダーゼ溶液(和光純薬工業(株)製、Aspergil
lus niger、20U/ml、pH7.4 トリ
シン緩衝液)を、溶液タンク27に0.05mol/l
トリシン緩衝液(pH9.2)を用意し、それぞれを送
液ポンプ26、28により0.1ml/minの流速で
30分間送液して初期化を行った。次に溶液タンク27
を0.56mmol/lルミノール溶液に換え、送液ポ
ンプ28により0.1ml/minの流速で送液し、ベ
ースラインの安定化を確認した後、試料注入部よりグル
コース標準液(2.8、5.6、11.1、16.7m
mol/l)又は標準血清(日水製薬(株)製、スイト
コールN、表示値5mmol/l)を水で100倍に希
釈した試料を50μl注入した。
ダーゼ溶液(和光純薬工業(株)製、Aspergil
lus niger、20U/ml、pH7.4 トリ
シン緩衝液)を、溶液タンク27に0.05mol/l
トリシン緩衝液(pH9.2)を用意し、それぞれを送
液ポンプ26、28により0.1ml/minの流速で
30分間送液して初期化を行った。次に溶液タンク27
を0.56mmol/lルミノール溶液に換え、送液ポ
ンプ28により0.1ml/minの流速で送液し、ベ
ースラインの安定化を確認した後、試料注入部よりグル
コース標準液(2.8、5.6、11.1、16.7m
mol/l)又は標準血清(日水製薬(株)製、スイト
コールN、表示値5mmol/l)を水で100倍に希
釈した試料を50μl注入した。
【0036】図8は、グルコース標準液についての測定
結果から作成した検量線である。その回帰式はY=14
84−351X+167X2であった。標準血清の測定
値は4.8mmol/lとなり、表示値とほぼ一致し
た。測定再現性を調べたところ、変動係数はグルコース
標準液(2.7mmol/l、5.4mmol/l)で
それぞれ2.79%(n=5)、4.58%(n=
5)、標準血清で5.70%(n=9)と良好であっ
た。
結果から作成した検量線である。その回帰式はY=14
84−351X+167X2であった。標準血清の測定
値は4.8mmol/lとなり、表示値とほぼ一致し
た。測定再現性を調べたところ、変動係数はグルコース
標準液(2.7mmol/l、5.4mmol/l)で
それぞれ2.79%(n=5)、4.58%(n=
5)、標準血清で5.70%(n=9)と良好であっ
た。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、化学発光試薬によるH
2O2測定において、励起された化学発光試薬から放出さ
れる化学発光を効率的に捕らえることが可能である。こ
の結果、より低濃度のH202の測定を可能し、更には
使用する試薬濃度を低減することを可能とする、高感度
かつ経済性に優れたH2O2定量が可能となる。
2O2測定において、励起された化学発光試薬から放出さ
れる化学発光を効率的に捕らえることが可能である。こ
の結果、より低濃度のH202の測定を可能し、更には
使用する試薬濃度を低減することを可能とする、高感度
かつ経済性に優れたH2O2定量が可能となる。
【0038】また本願発明の化学発光検出器では、フロ
ーセルリアクターの長さ等を調整することにより、化学
発光試薬から放出された発光のほぼ全量を捕捉すること
が可能となる。
ーセルリアクターの長さ等を調整することにより、化学
発光試薬から放出された発光のほぼ全量を捕捉すること
が可能となる。
【図1】ルミノールを化学発光試薬として用いた従来技
術のH2O2測定用化学発光フローインジェクション分析
システム装置の一例の概略図である。
術のH2O2測定用化学発光フローインジェクション分析
システム装置の一例の概略図である。
【図2】ルミノールを化学発光試薬とし、ペルオキシダ
ーゼ固定化リアクターを用いた従来技術のH2O2測定用
化学発光フローインジェクション分析システム装置の他
の一例の概略図である。
ーゼ固定化リアクターを用いた従来技術のH2O2測定用
化学発光フローインジェクション分析システム装置の他
の一例の概略図である。
【図3】本願発明の化学発光検出器を示す図である。
【図4】本願発明の化学発光検出器を装備したフローセ
ルインジェクション分析システムの一例の概略図であ
る。
ルインジェクション分析システムの一例の概略図であ
る。
【図5】実施例1におけるルミノール濃度と発光強度の
関係を示した図である。図において、横軸はルミノール
濃度(mmol/l)を示し、縦軸は発光強度を示す。
関係を示した図である。図において、横軸はルミノール
濃度(mmol/l)を示し、縦軸は発光強度を示す。
【図6】実施例2において、H2O2溶液(4.85μm
ol/l)を連続測定した場合の発光強度の再現性を示
した図である。図において、横軸は測定回数を示し、縦
軸は発光強度を示す。
ol/l)を連続測定した場合の発光強度の再現性を示
した図である。図において、横軸は測定回数を示し、縦
軸は発光強度を示す。
【図7】実施例3における検量線である。図において、
横軸はH2O2濃度(μmol/l)を示し、縦軸は発光
強度を示す。
横軸はH2O2濃度(μmol/l)を示し、縦軸は発光
強度を示す。
【図8】実施例4における検量線である。図において、
横軸はグルコース濃度(μmol/l)を示し、縦軸は
発光強度を示す。
横軸はグルコース濃度(μmol/l)を示し、縦軸は
発光強度を示す。
Claims (2)
- 【請求項1】化学発光試薬、酸化剤、及びこれらと共存
した場合に化学発光試薬を化学発光放出可能な状態に励
起する触媒物質を共存させて化学発光試薬を励起し、励
起された化学発光試薬から放出される光の強度により酸
化剤を定量するための化学発光検出器であって、上記触
媒物質を固定化した充填剤をフローセル内に充填したフ
ローセルリアクターと該フローセルリアクター部位から
放出される発光を検出するための検出手段を具備してな
る化学発光検出器。 - 【請求項2】化学発光試薬、酸化剤、及びこれらと共存
した場合に化学発光試薬を化学発光放出可能な状態に励
起する触媒物質を共存させて化学発光試薬を励起し、励
起された化学発光試薬から放出される光の強度により酸
化剤を定量する化学発光測定方法であって、上記触媒物
質を固定化した充填剤をフローセル内に充填したフロー
セルリアクターを用い、該フローセルリアクター部位か
ら放出される発光を検出することを特徴とする化学発光
測定方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11088288A JP2000283923A (ja) | 1999-03-30 | 1999-03-30 | 酸化剤測定用化学発光検出器、及びそれを用いた酸化剤の測定方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11088288A JP2000283923A (ja) | 1999-03-30 | 1999-03-30 | 酸化剤測定用化学発光検出器、及びそれを用いた酸化剤の測定方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000283923A true JP2000283923A (ja) | 2000-10-13 |
Family
ID=13938735
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11088288A Pending JP2000283923A (ja) | 1999-03-30 | 1999-03-30 | 酸化剤測定用化学発光検出器、及びそれを用いた酸化剤の測定方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000283923A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005103676A1 (ja) * | 2004-04-23 | 2005-11-03 | Japan Science And Technology Agency | 水素分布の可視化方法、水素分布の可視化システム、水素分布の可視化用発光試薬、水素検出方法および水素検出試薬 |
JP2006204251A (ja) * | 2005-01-31 | 2006-08-10 | Osamu Nozaki | 化学発光チップおよびそのチップを用いた化学発光検出装置 |
RU2568585C2 (ru) * | 2014-03-24 | 2015-11-20 | Федеральное государственное бюджетное учреждение "Всероссийский научно-исследовательский институт по проблемам гражданской обороны и чрезвычайных ситуаций МЧС России" (федеральный центр науки и высоких технологий) | Индикаторный состав для экспресс-обнаружения окислителей |
KR101940663B1 (ko) * | 2017-08-11 | 2019-01-22 | 충남대학교산학협력단 | 촉매 반응부를 가지는 산화제 과잉 시험장치 |
-
1999
- 1999-03-30 JP JP11088288A patent/JP2000283923A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005103676A1 (ja) * | 2004-04-23 | 2005-11-03 | Japan Science And Technology Agency | 水素分布の可視化方法、水素分布の可視化システム、水素分布の可視化用発光試薬、水素検出方法および水素検出試薬 |
JP2006204251A (ja) * | 2005-01-31 | 2006-08-10 | Osamu Nozaki | 化学発光チップおよびそのチップを用いた化学発光検出装置 |
RU2568585C2 (ru) * | 2014-03-24 | 2015-11-20 | Федеральное государственное бюджетное учреждение "Всероссийский научно-исследовательский институт по проблемам гражданской обороны и чрезвычайных ситуаций МЧС России" (федеральный центр науки и высоких технологий) | Индикаторный состав для экспресс-обнаружения окислителей |
KR101940663B1 (ko) * | 2017-08-11 | 2019-01-22 | 충남대학교산학협력단 | 촉매 반응부를 가지는 산화제 과잉 시험장치 |
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