JP2000282228A - 成膜装置及び方法 - Google Patents
成膜装置及び方法Info
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- JP2000282228A JP2000282228A JP11089739A JP8973999A JP2000282228A JP 2000282228 A JP2000282228 A JP 2000282228A JP 11089739 A JP11089739 A JP 11089739A JP 8973999 A JP8973999 A JP 8973999A JP 2000282228 A JP2000282228 A JP 2000282228A
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- hearth
- film
- film forming
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 安定した成膜が可能であり、特にサブミクロ
ンの溝や穴を有する基板上に均質で高品質の成膜を行う
ことができる成膜装置及び方法を提供すること。 【解決手段】 プラズマガン30からのプラズマビーム
PBは、ハース51に到達する。ハース51上部のハー
スライナー53a及び焼結体53bは、プラズマビーム
PBにより加熱され、焼結体53bに含有された蒸発金
属が溶融して表面に浸み出し、焼結体53bから金属の
蒸気が安定して出射する。この蒸気は、プラズマビーム
PBによりイオン化され、負電圧が印加された基板WA
の表面に付着し被膜が形成される。この際、焼結体53
bの表面から安定した蒸気が出射するので、基板WA上
に高アスペクト比の溝あるいは穴が形成されている場合
であっても、これに金属を簡易に埋め込むことができ、
かかる配線膜の成膜が容易になる。
ンの溝や穴を有する基板上に均質で高品質の成膜を行う
ことができる成膜装置及び方法を提供すること。 【解決手段】 プラズマガン30からのプラズマビーム
PBは、ハース51に到達する。ハース51上部のハー
スライナー53a及び焼結体53bは、プラズマビーム
PBにより加熱され、焼結体53bに含有された蒸発金
属が溶融して表面に浸み出し、焼結体53bから金属の
蒸気が安定して出射する。この蒸気は、プラズマビーム
PBによりイオン化され、負電圧が印加された基板WA
の表面に付着し被膜が形成される。この際、焼結体53
bの表面から安定した蒸気が出射するので、基板WA上
に高アスペクト比の溝あるいは穴が形成されている場合
であっても、これに金属を簡易に埋め込むことができ、
かかる配線膜の成膜が容易になる。
Description
【0001】
【発明の属する技術の分野】本発明は、プラズマを用い
てイオンプレーティングを行う成膜装置及び方法に関
し、特に高アスペクト比の溝あるいは穴に対し金属の配
線膜を形成するのに適した成膜装置及び方法に関する。
てイオンプレーティングを行う成膜装置及び方法に関
し、特に高アスペクト比の溝あるいは穴に対し金属の配
線膜を形成するのに適した成膜装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の成膜装置として、圧力勾配型のプ
ラズマガンからのプラズマビームをハースに導き、ハー
ス上に配置したルツボ状のハース本体中の蒸着物質を蒸
発・イオン化し、このように蒸発・イオン化した蒸着物
質をハースに対向して配置された基板の表面に付着させ
るイオンプレーティング装置が知られている。
ラズマガンからのプラズマビームをハースに導き、ハー
ス上に配置したルツボ状のハース本体中の蒸着物質を蒸
発・イオン化し、このように蒸発・イオン化した蒸着物
質をハースに対向して配置された基板の表面に付着させ
るイオンプレーティング装置が知られている。
【0003】特開平7−138743号公報には、この
種のイオンプレーティング装置において、ハース内に配
置された棒磁石とハースの周囲に同心に配置された永久
磁石とからなる入射ビーム方向調整手段を組み込むこと
によってハースの入射面上方にカスプ磁場を形成するも
のが開示されている。このイオンプレーティング装置で
は、ハース上方のカスプ磁場によってハースに入射する
プラズマビームを修正し、プラズマビームをハースの真
上から直線的に入射させるので、基板の表面に形成され
る膜の厚みを均一にすることができる。
種のイオンプレーティング装置において、ハース内に配
置された棒磁石とハースの周囲に同心に配置された永久
磁石とからなる入射ビーム方向調整手段を組み込むこと
によってハースの入射面上方にカスプ磁場を形成するも
のが開示されている。このイオンプレーティング装置で
は、ハース上方のカスプ磁場によってハースに入射する
プラズマビームを修正し、プラズマビームをハースの真
上から直線的に入射させるので、基板の表面に形成され
る膜の厚みを均一にすることができる。
【0004】なお、ハースに設けた蒸発物質源であるハ
ースライナーは、グラファイトまたは高融点金属により
作製された容器状のもので、その凹部に成膜材料である
Cu、Ag等の金属を入れて溶融させている。
ースライナーは、グラファイトまたは高融点金属により
作製された容器状のもので、その凹部に成膜材料である
Cu、Ag等の金属を入れて溶融させている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記成膜装置
によって成膜を開始すると、溶融したCu、Agが、電
磁力により回転し始める。成膜を継続すると、ハースラ
イナーの凹部に溜まった溶融金属の液面は、遠心力によ
り周辺部が盛り上がり、中心部が落ち込む。このような
起伏の量は、成膜装置の動作条件に応じて変化し、同一
の動作条件で成膜している間にも安定しないで変動す
る。
によって成膜を開始すると、溶融したCu、Agが、電
磁力により回転し始める。成膜を継続すると、ハースラ
イナーの凹部に溜まった溶融金属の液面は、遠心力によ
り周辺部が盛り上がり、中心部が落ち込む。このような
起伏の量は、成膜装置の動作条件に応じて変化し、同一
の動作条件で成膜している間にも安定しないで変動す
る。
【0006】このような溶融金属の表面から蒸発してく
る金属蒸気がハースライナーに対向して配置された基板
に供給され、基板上に金属が成膜される場合、安定した
条件での成膜とは言えず、特にサブミクロンの溝や穴を
有する基板上に均質かつ安定に成膜を行うことが極めて
困難である。
る金属蒸気がハースライナーに対向して配置された基板
に供給され、基板上に金属が成膜される場合、安定した
条件での成膜とは言えず、特にサブミクロンの溝や穴を
有する基板上に均質かつ安定に成膜を行うことが極めて
困難である。
【0007】また、蒸着時の溶融金属の回転により、ハ
ースライナーが損耗し、不純物として溶融金属中に混入
し、基板上に形成された膜の質が劣化するという間題点
もある。
ースライナーが損耗し、不純物として溶融金属中に混入
し、基板上に形成された膜の質が劣化するという間題点
もある。
【0008】そこで、本発明は、安定した成膜が可能で
あり、特にサブミクロンの溝や穴を有する基板上に均質
で高品質の成膜を行うことができる成膜装置及び方法を
提供することを目的とする。
あり、特にサブミクロンの溝や穴を有する基板上に均質
で高品質の成膜を行うことができる成膜装置及び方法を
提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の成膜装置は、プラズマビームを成膜室中に
供給するプラズマ源と、蒸発金属を膜材料として含有す
る焼結体からなる材料蒸発源を備えるとともに成膜室中
に配置されて材料蒸発源にプラズマビームを導くハース
とを備える。
め、本発明の成膜装置は、プラズマビームを成膜室中に
供給するプラズマ源と、蒸発金属を膜材料として含有す
る焼結体からなる材料蒸発源を備えるとともに成膜室中
に配置されて材料蒸発源にプラズマビームを導くハース
とを備える。
【0010】この成膜装置では、ハースが蒸発金属を膜
材料として含有する焼結体からなる材料蒸発源を備える
ので、加熱された焼結体の表面に蒸発金属が徐々に溶融
して浸み出し、焼結体の表面から蒸発金属の蒸気が発散
することになる。つまり、蒸発金属の蒸気は、一定形状
を有する焼結体の表面からほぼ一定の率で蒸発すること
になり、安定した成膜が可能になる。この際、蒸発金属
の融液が溶融状態でハース本体(すなわち焼結体をハー
ス上に保持するハースライナー)に溜まらないので、ハ
ース本体による汚染を低減することができる。なお、蒸
発金属は、成膜で用いられるプラズマビームによって溶
融する材料とするが、焼結体を構成する構造体は、成膜
で用いられるプラズマビームによってほとんど溶融しな
い材料とする。この構造体は、例えば蒸発金属よりも融
点が十分に高い金属とすることができる。
材料として含有する焼結体からなる材料蒸発源を備える
ので、加熱された焼結体の表面に蒸発金属が徐々に溶融
して浸み出し、焼結体の表面から蒸発金属の蒸気が発散
することになる。つまり、蒸発金属の蒸気は、一定形状
を有する焼結体の表面からほぼ一定の率で蒸発すること
になり、安定した成膜が可能になる。この際、蒸発金属
の融液が溶融状態でハース本体(すなわち焼結体をハー
ス上に保持するハースライナー)に溜まらないので、ハ
ース本体による汚染を低減することができる。なお、蒸
発金属は、成膜で用いられるプラズマビームによって溶
融する材料とするが、焼結体を構成する構造体は、成膜
で用いられるプラズマビームによってほとんど溶融しな
い材料とする。この構造体は、例えば蒸発金属よりも融
点が十分に高い金属とすることができる。
【0011】また、上記成膜装置の好ましい態様では、
焼結体が、Cu−W、Ag−W、Cu−Mo、Ag−M
o、Cu−WC、及びAg−WCのいずれか、又はそれ
らの2以上の組み合わせからなる。
焼結体が、Cu−W、Ag−W、Cu−Mo、Ag−M
o、Cu−WC、及びAg−WCのいずれか、又はそれ
らの2以上の組み合わせからなる。
【0012】この場合、比較的低融点のCuまたはAg
が蒸発金属となり、比較的高融点のW(タングステ
ン)、Mo(モリブデン)またはWC(タングステンカ
ーバイト)が構造体となって、これらW、MoまたはW
Cの構造体中に連続して形成された空孔を通って溶融し
たCuまたはAgが焼結体の表面に浸み出し、この表面
からCuまたはAgが金属蒸気として徐々に蒸発するこ
とになる。
が蒸発金属となり、比較的高融点のW(タングステ
ン)、Mo(モリブデン)またはWC(タングステンカ
ーバイト)が構造体となって、これらW、MoまたはW
Cの構造体中に連続して形成された空孔を通って溶融し
たCuまたはAgが焼結体の表面に浸み出し、この表面
からCuまたはAgが金属蒸気として徐々に蒸発するこ
とになる。
【0013】また、上記成膜装置の好ましい態様では、
焼結体のうちの蒸発金属の比率は、10〜70wt%で
ある。
焼結体のうちの蒸発金属の比率は、10〜70wt%で
ある。
【0014】この場合、蒸発金属を10wt%以上とす
ることで、ある程度以上の蒸発金属が焼結体の表面から
安定して連続的に浸み出すようになる。また、蒸発金属
を70wt%以下とすることで、焼結体の表面形状の維
持が容易になるとともに、蒸発金属が焼結体の下側に溜
まることを防止できる。
ることで、ある程度以上の蒸発金属が焼結体の表面から
安定して連続的に浸み出すようになる。また、蒸発金属
を70wt%以下とすることで、焼結体の表面形状の維
持が容易になるとともに、蒸発金属が焼結体の下側に溜
まることを防止できる。
【0015】また、上記成膜装置の好ましい態様では、
ハースの周囲に環状に配置された磁石、又は磁石及びコ
イルからなりハースの近接上方の磁界を制御する磁場制
御部材と、磁場制御部材の上方に配置された補助陽極と
をさらに備え、プラズマ源が、圧力勾配型のプラズマガ
ンである。
ハースの周囲に環状に配置された磁石、又は磁石及びコ
イルからなりハースの近接上方の磁界を制御する磁場制
御部材と、磁場制御部材の上方に配置された補助陽極と
をさらに備え、プラズマ源が、圧力勾配型のプラズマガ
ンである。
【0016】この場合、磁場制御部材によってハースに
入射するプラズマビームをカスプ状磁場で修正してより
均一な厚みの膜を形成することができる。また、磁場制
御部材の上方に配置された補助陽極をさらに備えるの
で、この補助陽極に適当な電位を与えてこれを適当なタ
イミングで動作させることにより、プラズマビームの供
給をハース本体から補助陽極に切り換える切換制御が可
能になり、成膜の断続が容易になる。さらに、圧力勾配
型のプラズマガンによって高出力で安定したプラズマビ
ームを連続的に供給できる。
入射するプラズマビームをカスプ状磁場で修正してより
均一な厚みの膜を形成することができる。また、磁場制
御部材の上方に配置された補助陽極をさらに備えるの
で、この補助陽極に適当な電位を与えてこれを適当なタ
イミングで動作させることにより、プラズマビームの供
給をハース本体から補助陽極に切り換える切換制御が可
能になり、成膜の断続が容易になる。さらに、圧力勾配
型のプラズマガンによって高出力で安定したプラズマビ
ームを連続的に供給できる。
【0017】また、本発明の成膜方法は、成膜室中に陽
極として配置された材料蒸発源に向けてプラズマビーム
を供給することによって材料蒸発源の膜材料を蒸発させ
て成膜室中に配置された基板の表面に付着させる成膜方
法であって、材料蒸発源は、蒸発金属を膜材料として含
有する焼結体からなる。
極として配置された材料蒸発源に向けてプラズマビーム
を供給することによって材料蒸発源の膜材料を蒸発させ
て成膜室中に配置された基板の表面に付着させる成膜方
法であって、材料蒸発源は、蒸発金属を膜材料として含
有する焼結体からなる。
【0018】この成膜方法では、材料蒸発源が蒸発金属
を膜材料として含有する焼結体からなるので、蒸発金属
の蒸気は、一定形状を有する焼結体の表面からほぼ一定
の率で蒸発することになり、安定した成膜が可能にな
る。
を膜材料として含有する焼結体からなるので、蒸発金属
の蒸気は、一定形状を有する焼結体の表面からほぼ一定
の率で蒸発することになり、安定した成膜が可能にな
る。
【0019】
【発明の実施の形態】〔第1実施形態〕図1は、本発明
に係る第1実施形態の成膜装置の全体構造を概略的に説
明する図である。この成膜装置は、成膜室である真空容
器10と、真空容器10中にプラズマビームPBを供給
するプラズマ源であるプラズマガン30と、真空容器1
0内の底部に配置されてプラズマビームPBの流れを制
御する陽極部材50と、真空容器10上部に配置されて
基板WAを保持する保持機構60と、これらの動作を統
括制御する主制御装置80とを備える。
に係る第1実施形態の成膜装置の全体構造を概略的に説
明する図である。この成膜装置は、成膜室である真空容
器10と、真空容器10中にプラズマビームPBを供給
するプラズマ源であるプラズマガン30と、真空容器1
0内の底部に配置されてプラズマビームPBの流れを制
御する陽極部材50と、真空容器10上部に配置されて
基板WAを保持する保持機構60と、これらの動作を統
括制御する主制御装置80とを備える。
【0020】プラズマガン30は、プラズマビームPB
を発生する圧力勾配型のプラズマガン(所謂「浦本ガ
ン」)であり、その本体部分は、真空容器10の側壁に
設けられた筒状部12に装着されている。この本体部分
は、陰極31によって一端が閉塞されたガラス管32か
らなる。ガラス管32内には、モリブデンMoで形成さ
れた円筒33が陰極31に固定されて同心状に配置され
ており、この円筒33内には、LaB6で形成された円
盤34とタンタルTaで形成されたパイプ35とが内蔵
されている。ガラス管32の両端部のうち陰極31とは
反対側の端部と、真空容器10に設けた筒状部12の端
部との間には、第1及び第2中間電極41、42が同心
状に直列に配置されている。一方の第1中間電極41内
には、プラズマビームPBを収束するための環状永久磁
石44が内蔵されている。第2中間電極42内にも、プ
ラズマビームPBを収束するための電磁石コイル45が
内蔵されている。なお、筒状部12の周囲には、陰極3
1側で発生して第1及び第2中間電極41、42まで引
き出されたプラズマビームPBを真空容器10内に導く
ステアリングコイル47が設けられている。
を発生する圧力勾配型のプラズマガン(所謂「浦本ガ
ン」)であり、その本体部分は、真空容器10の側壁に
設けられた筒状部12に装着されている。この本体部分
は、陰極31によって一端が閉塞されたガラス管32か
らなる。ガラス管32内には、モリブデンMoで形成さ
れた円筒33が陰極31に固定されて同心状に配置され
ており、この円筒33内には、LaB6で形成された円
盤34とタンタルTaで形成されたパイプ35とが内蔵
されている。ガラス管32の両端部のうち陰極31とは
反対側の端部と、真空容器10に設けた筒状部12の端
部との間には、第1及び第2中間電極41、42が同心
状に直列に配置されている。一方の第1中間電極41内
には、プラズマビームPBを収束するための環状永久磁
石44が内蔵されている。第2中間電極42内にも、プ
ラズマビームPBを収束するための電磁石コイル45が
内蔵されている。なお、筒状部12の周囲には、陰極3
1側で発生して第1及び第2中間電極41、42まで引
き出されたプラズマビームPBを真空容器10内に導く
ステアリングコイル47が設けられている。
【0021】プラズマガン30の動作は、ガン駆動装置
48によって制御されている。このガン駆動装置48
は、陰極31への給電をオン・オフしたりこれへの供給
電圧等を調整することができ、さらに第1及び第2中間
電極41、42、電磁石コイル45、及びステアリング
コイル47への給電を調整する。このようなガン駆動装
置48によって、真空容器10中に供給されるプラズマ
ビームPBの状態が制御される。
48によって制御されている。このガン駆動装置48
は、陰極31への給電をオン・オフしたりこれへの供給
電圧等を調整することができ、さらに第1及び第2中間
電極41、42、電磁石コイル45、及びステアリング
コイル47への給電を調整する。このようなガン駆動装
置48によって、真空容器10中に供給されるプラズマ
ビームPBの状態が制御される。
【0022】なお、プラズマガン30の最も内心側に配
置されるパイプ35は、プラズマビームPBのもととな
るAr等のキャリアガスをプラズマガン30中に導入す
るためものであり、流量計37及び流量調節弁38を介
してガス供給源39に接続されている。流量計37によ
って検出されたキャリアガスの流量は主制御装置80で
監視されており、流量調節弁38によるキャリアガスの
流量調整等に利用される。なお、真空容器10のプラズ
マガン30に対向する側面には、真空容器10内を所望
の圧力に減圧するため、真空ゲート76を介して排気ポ
ンプ77が取り付けられている。
置されるパイプ35は、プラズマビームPBのもととな
るAr等のキャリアガスをプラズマガン30中に導入す
るためものであり、流量計37及び流量調節弁38を介
してガス供給源39に接続されている。流量計37によ
って検出されたキャリアガスの流量は主制御装置80で
監視されており、流量調節弁38によるキャリアガスの
流量調整等に利用される。なお、真空容器10のプラズ
マガン30に対向する側面には、真空容器10内を所望
の圧力に減圧するため、真空ゲート76を介して排気ポ
ンプ77が取り付けられている。
【0023】真空容器10中の下部に配置された陽極部
材50は、プラズマビームPBを下方に導く主陽極であ
るハース51と、その周囲に配置された環状の補助陽極
52とからなる。
材50は、プラズマビームPBを下方に導く主陽極であ
るハース51と、その周囲に配置された環状の補助陽極
52とからなる。
【0024】前者のハース51は、熱伝導率の良い導電
性材料で形成されるとともに接地された真空容器10に
図示を省略する絶縁物を介して支持されている。このハ
ース51は、陽極電源装置58によって適当な正電位に
制御されており、プラズマガン30から出射したプラズ
マビームPBを下方に吸引する。なお、ハース51は、
プラズマガン30からのプラズマビームPBが入射する
中央上部に形成された凹部に、ルツボ状のハースライナ
ー53aを有している。ハースライナー53a内部に
は、後に詳述するが、蒸発金属を膜材料として含有する
円柱状の焼結体53bが収容されている。なお、ハース
ライナー53a及び焼結体53bは、材料蒸発源を構成
し、膜材料である銅等の金属蒸気を発生する。
性材料で形成されるとともに接地された真空容器10に
図示を省略する絶縁物を介して支持されている。このハ
ース51は、陽極電源装置58によって適当な正電位に
制御されており、プラズマガン30から出射したプラズ
マビームPBを下方に吸引する。なお、ハース51は、
プラズマガン30からのプラズマビームPBが入射する
中央上部に形成された凹部に、ルツボ状のハースライナ
ー53aを有している。ハースライナー53a内部に
は、後に詳述するが、蒸発金属を膜材料として含有する
円柱状の焼結体53bが収容されている。なお、ハース
ライナー53a及び焼結体53bは、材料蒸発源を構成
し、膜材料である銅等の金属蒸気を発生する。
【0025】後者の補助陽極52は、ハース51の周囲
にこれと同心に配置された環状の容器により構成されて
いる。この環状容器内には、フェライト等で形成された
環状の永久磁石55と、これと同心的に積層されたコイ
ル56とが収納されている。これら永久磁石55及びコ
イル56は、磁場制御部材であり、ハース51の直上方
にカスプ状磁場を形成する。これにより、ハース51に
入射するプラズマビームPBの向き等を修正することが
できる。
にこれと同心に配置された環状の容器により構成されて
いる。この環状容器内には、フェライト等で形成された
環状の永久磁石55と、これと同心的に積層されたコイ
ル56とが収納されている。これら永久磁石55及びコ
イル56は、磁場制御部材であり、ハース51の直上方
にカスプ状磁場を形成する。これにより、ハース51に
入射するプラズマビームPBの向き等を修正することが
できる。
【0026】補助陽極52内のコイル56は電磁石を構
成し、陽極電源装置58から給電される。この場合、励
磁されたコイル56における中心側の磁界の向きは、永
久磁石55により発生する中心側の磁界と同じ向きにな
るように構成される。陽極電源装置58は、コイル56
に供給する電流を変化させることができ、ハース51に
入射するプラズマビームPBの向きの微調整が可能にな
る。
成し、陽極電源装置58から給電される。この場合、励
磁されたコイル56における中心側の磁界の向きは、永
久磁石55により発生する中心側の磁界と同じ向きにな
るように構成される。陽極電源装置58は、コイル56
に供給する電流を変化させることができ、ハース51に
入射するプラズマビームPBの向きの微調整が可能にな
る。
【0027】補助陽極52の容器も、ハース51と同様
に熱伝導率の良い導電性材料で形成される。この補助陽
極52は、ハース51に対して図示を省略する絶縁物を
介して取り付けられている。陽極電源装置58は、補助
陽極52に印加する電圧を変化させることによってハー
スライナー53aの上方の電界を補助的に制御できるよ
うになっている。つまり、補助陽極52に適当なタイミ
ングで適当な電位を与えることにより、プラズマビーム
PBの供給をハースライナー53aから補助陽極52に
切り換えたり、或いは逆に補助陽極52からハースライ
ナー53aに切り換える切換制御が任意のタイミングで
可能になる。
に熱伝導率の良い導電性材料で形成される。この補助陽
極52は、ハース51に対して図示を省略する絶縁物を
介して取り付けられている。陽極電源装置58は、補助
陽極52に印加する電圧を変化させることによってハー
スライナー53aの上方の電界を補助的に制御できるよ
うになっている。つまり、補助陽極52に適当なタイミ
ングで適当な電位を与えることにより、プラズマビーム
PBの供給をハースライナー53aから補助陽極52に
切り換えたり、或いは逆に補助陽極52からハースライ
ナー53aに切り換える切換制御が任意のタイミングで
可能になる。
【0028】真空容器10中の上部に配置される保持機
構60は、ハース51の上方において成膜面を下側にし
て基板WAを保持するための基板ホルダ61と、この基
板ホルダ61上部に固定されて基板WAを裏面側から温
度調節する温度調節装置62とを備える。基板ホルダ6
1は、真空容器10に対して絶縁された状態で基板電源
装置68から給電されており、ゼロ電位の真空容器10
に対して負電位にバイアスされている。温度調節装置6
2は、温調制御装置69によって制御されており、温調
制御装置69は、温度調節装置62に内蔵したヒータに
給電し、或いは内蔵した配管に冷却媒体を供給して、温
度調節装置62更には基板ホルダ61を所望の温度に保
持する。
構60は、ハース51の上方において成膜面を下側にし
て基板WAを保持するための基板ホルダ61と、この基
板ホルダ61上部に固定されて基板WAを裏面側から温
度調節する温度調節装置62とを備える。基板ホルダ6
1は、真空容器10に対して絶縁された状態で基板電源
装置68から給電されており、ゼロ電位の真空容器10
に対して負電位にバイアスされている。温度調節装置6
2は、温調制御装置69によって制御されており、温調
制御装置69は、温度調節装置62に内蔵したヒータに
給電し、或いは内蔵した配管に冷却媒体を供給して、温
度調節装置62更には基板ホルダ61を所望の温度に保
持する。
【0029】図2は、材料蒸発源であるハースライナー
53a及び焼結体53bを説明する側方断面図である。
ハースライナー53aは、円筒状の側壁53dと円形の
底部53eとからなる容器であり、容器内部に円柱状の
焼結体53bを収容する。ハースライナー53aは、例
えばグラファイトやW(タングステン)等で形成されて
いる。また、焼結体53bは、ほぼ同一量の銅とタング
ステンとを焼結して得た焼結合金(Cu−W)からな
る。この場合、比較的低融点のCuが蒸発金属となり、
比較的高融点のWが構造体となる。つまり、ハースライ
ナー53aや焼結体53bにプラズマビームが入射し
て、焼結体53bが加熱されると、焼結体53bを構成
する低融点のCuがまず溶融する。Cuの融液は、高融
点のWからなる構造体中に連続的に形成された空孔を通
って焼結体53bの表面Sに浸み出す。このように浸み
出したCuの融液は、さらに加熱されて、焼結体53b
の表面Sから徐々に蒸発し、Cuの蒸気となる。この
際、焼結体53bの表面Sは、水平に保たれて高さも変
化しないので、Cuの蒸気は、表面Sから安定して、ほ
ぼ一定の率で出射する。したがって、かかる焼結体53
bからの蒸気を利用することにより安定した成膜が可能
になる。
53a及び焼結体53bを説明する側方断面図である。
ハースライナー53aは、円筒状の側壁53dと円形の
底部53eとからなる容器であり、容器内部に円柱状の
焼結体53bを収容する。ハースライナー53aは、例
えばグラファイトやW(タングステン)等で形成されて
いる。また、焼結体53bは、ほぼ同一量の銅とタング
ステンとを焼結して得た焼結合金(Cu−W)からな
る。この場合、比較的低融点のCuが蒸発金属となり、
比較的高融点のWが構造体となる。つまり、ハースライ
ナー53aや焼結体53bにプラズマビームが入射し
て、焼結体53bが加熱されると、焼結体53bを構成
する低融点のCuがまず溶融する。Cuの融液は、高融
点のWからなる構造体中に連続的に形成された空孔を通
って焼結体53bの表面Sに浸み出す。このように浸み
出したCuの融液は、さらに加熱されて、焼結体53b
の表面Sから徐々に蒸発し、Cuの蒸気となる。この
際、焼結体53bの表面Sは、水平に保たれて高さも変
化しないので、Cuの蒸気は、表面Sから安定して、ほ
ぼ一定の率で出射する。したがって、かかる焼結体53
bからの蒸気を利用することにより安定した成膜が可能
になる。
【0030】なお、上記の例では、焼結体53bをCu
−Wとしたが、この代わりに、Ag−W、Cu−Mo、
Ag−Mo、Cu−WC、及びAg−WCのいずれか、
又はそれらの2以上の組み合わせとすることができる。
この場合、比較的低融点のCuまたはAgが蒸発金属と
なり、比較的高融点のW、MoまたはWCが構造体とな
る。なお、CuおよびAgの融点は、それぞれ1356
K、1234Kであり、W、MoおよびWCの融点は、
それぞれ3653K、2903Kおよび3143Kであ
る。
−Wとしたが、この代わりに、Ag−W、Cu−Mo、
Ag−Mo、Cu−WC、及びAg−WCのいずれか、
又はそれらの2以上の組み合わせとすることができる。
この場合、比較的低融点のCuまたはAgが蒸発金属と
なり、比較的高融点のW、MoまたはWCが構造体とな
る。なお、CuおよびAgの融点は、それぞれ1356
K、1234Kであり、W、MoおよびWCの融点は、
それぞれ3653K、2903Kおよび3143Kであ
る。
【0031】また、上記の例では、焼結体53bをほぼ
同一量の銅とタングステンとで形成したが、実験では、
蒸発金属の比率を10〜70wt%の範囲で変化させて
も同様の結果が得られることを確認した。また、蒸発金
属の比率が大きくなると、焼結体53bから出射する蒸
気の密度が高まることを確認した。
同一量の銅とタングステンとで形成したが、実験では、
蒸発金属の比率を10〜70wt%の範囲で変化させて
も同様の結果が得られることを確認した。また、蒸発金
属の比率が大きくなると、焼結体53bから出射する蒸
気の密度が高まることを確認した。
【0032】また、焼結体53bの形状も、円柱状に限
らず、各種形状とすることができる。ただし、プラズマ
ビームが入射し蒸気が出射する表面Sは、平坦で一定以
上の面積を有することが望ましい。
らず、各種形状とすることができる。ただし、プラズマ
ビームが入射し蒸気が出射する表面Sは、平坦で一定以
上の面積を有することが望ましい。
【0033】以下、図1及び図2に示す第1実施形態の
成膜装置の動作について説明する。この成膜装置におい
ては、プラズマガン30の陰極31と真空容器10内の
ハース51との間で放電が生じ、これによりプラズマビ
ームPBが生成される。このプラズマビームPBは、ス
テアリングコイル47と補助陽極52内の永久磁石55
等とにより決定される磁界に案内されてハース51に到
達する。ハース51上部のハースライナー53a及び焼
結体53bは、プラズマビームPBにより加熱され、焼
結体53bに含有された蒸発金属(膜材料)が溶融して
表面に浸み出し、焼結体53bから金属の蒸気が安定し
て出射する。この蒸気は、プラズマビームPBによりイ
オン化され、負電圧が印加された基板WAの表面に付着
して被膜が形成される。この際、焼結体53bの表面か
ら安定した蒸気が出射するので、基板WA上に高アスペ
クト比の溝あるいは穴が形成されている場合であって
も、これに金属を簡易に埋め込むことができ、かかる配
線膜の成膜が容易になる。 〔第2実施形態〕以下、本発明の第2実施形態について
説明する。なお、第2実施形態の成膜装置は、第1施形
態の成膜装置の材料蒸発源を変形したものであり、同一
部分については重複説明を省略する。
成膜装置の動作について説明する。この成膜装置におい
ては、プラズマガン30の陰極31と真空容器10内の
ハース51との間で放電が生じ、これによりプラズマビ
ームPBが生成される。このプラズマビームPBは、ス
テアリングコイル47と補助陽極52内の永久磁石55
等とにより決定される磁界に案内されてハース51に到
達する。ハース51上部のハースライナー53a及び焼
結体53bは、プラズマビームPBにより加熱され、焼
結体53bに含有された蒸発金属(膜材料)が溶融して
表面に浸み出し、焼結体53bから金属の蒸気が安定し
て出射する。この蒸気は、プラズマビームPBによりイ
オン化され、負電圧が印加された基板WAの表面に付着
して被膜が形成される。この際、焼結体53bの表面か
ら安定した蒸気が出射するので、基板WA上に高アスペ
クト比の溝あるいは穴が形成されている場合であって
も、これに金属を簡易に埋め込むことができ、かかる配
線膜の成膜が容易になる。 〔第2実施形態〕以下、本発明の第2実施形態について
説明する。なお、第2実施形態の成膜装置は、第1施形
態の成膜装置の材料蒸発源を変形したものであり、同一
部分については重複説明を省略する。
【0034】図3は、材料蒸発源であるハースライナー
53a及び焼結体153bを説明する側方断面図であ
る。ハースライナー53aは、第1実施形態と同一構造
のものである。焼結体153bは、円柱状の外形を有す
るCu−W焼結合金からなり、底部に空洞部153gが
形成されている。この空洞部153gの底には、銅層1
53hが形成されている。焼結体153bにプラズマビ
ームが入射して、焼結体153bが加熱されると、焼結
体153bを構成するCuが溶融する。このCuの融液
は、Wからなる構造体中に連続的に形成された空孔を通
って焼結体153bの表面Sに浸み出す。このように浸
み出したCuの融液は、さらに加熱されて、焼結体15
3bの表面Sから徐々に蒸発し、Cuの蒸気となる。こ
の際、空洞部153gに銅層153hを形成しているの
で、焼結体153bが常に銅融液で含浸された状態とな
り、焼結体153bの表面には常に一定量の銅融液が供
給される。よって、より均一な蒸気を焼結体153bの
表面Sから出射させることができる。
53a及び焼結体153bを説明する側方断面図であ
る。ハースライナー53aは、第1実施形態と同一構造
のものである。焼結体153bは、円柱状の外形を有す
るCu−W焼結合金からなり、底部に空洞部153gが
形成されている。この空洞部153gの底には、銅層1
53hが形成されている。焼結体153bにプラズマビ
ームが入射して、焼結体153bが加熱されると、焼結
体153bを構成するCuが溶融する。このCuの融液
は、Wからなる構造体中に連続的に形成された空孔を通
って焼結体153bの表面Sに浸み出す。このように浸
み出したCuの融液は、さらに加熱されて、焼結体15
3bの表面Sから徐々に蒸発し、Cuの蒸気となる。こ
の際、空洞部153gに銅層153hを形成しているの
で、焼結体153bが常に銅融液で含浸された状態とな
り、焼結体153bの表面には常に一定量の銅融液が供
給される。よって、より均一な蒸気を焼結体153bの
表面Sから出射させることができる。
【0035】上記実施形態においても、CuをAg等に
置き換えることができ、WをMoまたはWC等に置き換
えることができる。 〔第3実施形態〕以下、本発明の第3実施形態について
説明する。なお、第3実施形態の成膜装置は、第1施形
態の成膜装置を変形したものである。
置き換えることができ、WをMoまたはWC等に置き換
えることができる。 〔第3実施形態〕以下、本発明の第3実施形態について
説明する。なお、第3実施形態の成膜装置は、第1施形
態の成膜装置を変形したものである。
【0036】図4は、第3実施形態の成膜装置を構成す
るハース251等の構造を説明する断面図である。この
成膜装置は、ハース251に蒸発金属である銅の金属ワ
イヤMWを供給するための材料供給機構として、ガイド
パイプ290及びフィードボックス295を備える。
るハース251等の構造を説明する断面図である。この
成膜装置は、ハース251に蒸発金属である銅の金属ワ
イヤMWを供給するための材料供給機構として、ガイド
パイプ290及びフィードボックス295を備える。
【0037】ハース251は、凹部251aにプラズマ
ビームが入射するハースライナー53aを有している。
ハースライナー53aは、第1実施形態と同一構造であ
り、円柱状の焼結体253bを収容している。
ビームが入射するハースライナー53aを有している。
ハースライナー53aは、第1実施形態と同一構造であ
り、円柱状の焼結体253bを収容している。
【0038】ハース251の凹部251aを囲む円筒状
の側壁251dには、ガイドパイプ290を通す溝と開
口とが形成されている。この開口から凹部251a内に
突き出したガイドパイプ290の先端は、下方に湾曲し
て焼結体253b側面に形成された孔253jに対向し
ている。
の側壁251dには、ガイドパイプ290を通す溝と開
口とが形成されている。この開口から凹部251a内に
突き出したガイドパイプ290の先端は、下方に湾曲し
て焼結体253b側面に形成された孔253jに対向し
ている。
【0039】ガイドパイプ290の根本側は、ハース5
1の基部に形成した孔に埋め込まれて周囲に対して気密
に固定されている。このガイドパイプ290には、金属
ワイヤMWが通されている。この金属ワイヤMWは、真
空容器10の下部に固定されたフィードボックス295
から供給されており、真空容器10及び絶縁材14及び
経て、ガイドパイプ290の先端に導かれる。なお、フ
ィードボックス295内には、金属ワイヤMWを巻き付
けたドラムが収納されており、このドラムから引き出さ
れた金属ワイヤMWは、テンショナやフィーダからなる
送り機構によって外部に所望の速度で送り出される。
1の基部に形成した孔に埋め込まれて周囲に対して気密
に固定されている。このガイドパイプ290には、金属
ワイヤMWが通されている。この金属ワイヤMWは、真
空容器10の下部に固定されたフィードボックス295
から供給されており、真空容器10及び絶縁材14及び
経て、ガイドパイプ290の先端に導かれる。なお、フ
ィードボックス295内には、金属ワイヤMWを巻き付
けたドラムが収納されており、このドラムから引き出さ
れた金属ワイヤMWは、テンショナやフィーダからなる
送り機構によって外部に所望の速度で送り出される。
【0040】図5は、焼結体253bの構造を説明する
側方断面図である。この焼結体253bは、円柱状の外
形を有するCu−W焼結合金からなり、側部に傾斜した
孔253jが形成されている。この傾斜した孔253j
の底には、ガイドパイプ290から供給された金属ワイ
ヤMWが溶融することによってCuの融液溜まりが形成
される。焼結体253bが加熱されることによって形成
されたCuの融液は、Wからなる構造体中に連続的に形
成された空孔を通って焼結体253bの表面Sに浸み出
す。このように浸み出したCuの融液は、さらに加熱さ
れて、焼結体253bの表面Sから徐々に蒸発し、Cu
の蒸気となる。この際、孔253jにガイドパイプ29
0から供給されたCuの融液を溜めることができるの
で、焼結体253bの表面Sには常に一定量の銅融液が
供給され、より均一な蒸気を焼結体253bの表面Sか
ら出射させることができる。
側方断面図である。この焼結体253bは、円柱状の外
形を有するCu−W焼結合金からなり、側部に傾斜した
孔253jが形成されている。この傾斜した孔253j
の底には、ガイドパイプ290から供給された金属ワイ
ヤMWが溶融することによってCuの融液溜まりが形成
される。焼結体253bが加熱されることによって形成
されたCuの融液は、Wからなる構造体中に連続的に形
成された空孔を通って焼結体253bの表面Sに浸み出
す。このように浸み出したCuの融液は、さらに加熱さ
れて、焼結体253bの表面Sから徐々に蒸発し、Cu
の蒸気となる。この際、孔253jにガイドパイプ29
0から供給されたCuの融液を溜めることができるの
で、焼結体253bの表面Sには常に一定量の銅融液が
供給され、より均一な蒸気を焼結体253bの表面Sか
ら出射させることができる。
【0041】上記実施形態においても、CuをAg等に
置き換えることができ、WをMoまたはWC等に置き換
え得ることは言うまでもない。
置き換えることができ、WをMoまたはWC等に置き換
え得ることは言うまでもない。
【0042】
【発明の効果】本発明の成膜装置によれば、ハースが蒸
発金属を膜材料として含有する焼結体からなる材料蒸発
源を備えるので、加熱された焼結体の表面に蒸発金属が
徐々に溶融して浸み出し、焼結体の表面から蒸発金属の
蒸気が発散することになる。つまり、蒸発金属の蒸気
は、一定形状を有する焼結体の表面からほぼ一定の率で
蒸発することになり、安定した成膜が可能になる。
発金属を膜材料として含有する焼結体からなる材料蒸発
源を備えるので、加熱された焼結体の表面に蒸発金属が
徐々に溶融して浸み出し、焼結体の表面から蒸発金属の
蒸気が発散することになる。つまり、蒸発金属の蒸気
は、一定形状を有する焼結体の表面からほぼ一定の率で
蒸発することになり、安定した成膜が可能になる。
【0043】また、本発明の成膜方法によれば、材料蒸
発源が蒸発金属を膜材料として含有する焼結体からなる
ので、蒸発金属の蒸気は、一定形状を有する焼結体の表
面からほぼ一定の率で蒸発することになり、安定した成
膜が可能になる。
発源が蒸発金属を膜材料として含有する焼結体からなる
ので、蒸発金属の蒸気は、一定形状を有する焼結体の表
面からほぼ一定の率で蒸発することになり、安定した成
膜が可能になる。
【0044】
【0045】
【図1】本発明の第1実施形態に係る成膜装置の構造を
説明する図である。
説明する図である。
【0046】
【図2】図1の成膜装置の材料蒸発源の構造を説明する
側方断面図である。
側方断面図である。
【0047】
【図3】第2実施形態に係る成膜装置の材料蒸発源の側
方断面図である。
方断面図である。
【0048】
【図4】第3実施形態に係る成膜装置のハースの側方断
面図である。
面図である。
【0049】
【図5】図4の成膜装置の材料蒸発源の構造を説明する
側方断面図である。
側方断面図である。
【0050】
10 真空容器 30 プラズマガン 39 ガス供給源 48 ガン駆動装置 50 陽極部材 51 ハース 52 補助陽極 53a ハースライナー 53b 焼結体 58 陽極電源装置 60 保持機構 77 排気ポンプ 80 主制御装置 MW 金属ワイヤ PB プラズマビーム W 基板
Claims (5)
- 【請求項1】 プラズマビームを成膜室中に供給するプ
ラズマ源と、 蒸発金属を膜材料として含有する焼結体からなる材料蒸
発源を備えるとともに、前記成膜室中に配置されて前記
材料蒸発源に前記プラズマビームを導くハースと、を備
える成膜装置。 - 【請求項2】 前記焼結体は、Cu−W、Ag−W、C
u−Mo、Ag−Mo、Cu−WC、及びAg−WCの
いずれか、又はそれらの2以上の組み合わせからなるこ
とを特徴とする請求項1記載の成膜装置。 - 【請求項3】 前記焼結体のうちの前記蒸発金属の比率
は、10〜70wt%であることを特徴とする請求項2
記載の成膜装置。 - 【請求項4】 前記ハースの周囲に環状に配置された磁
石、又は磁石及びコイルからなり前記ハースの近接した
上方の磁界を制御する磁場制御部材と、前記磁場制御部
材の上方に配置された補助陽極とをさらに備え、前記プ
ラズマ源は、圧力勾配型のプラズマガンであることを特
徴とする請求項1乃至3のいずれか記載の成膜装置。 - 【請求項5】 成膜室中に陽極として配置された材料蒸
発源に向けてプラズマビームを供給することによって前
記材料蒸発源の膜材料を蒸発させて成膜室中に配置され
た基板の表面に付着させる成膜方法であって、 前記材料蒸発源は、蒸発金属を前記膜材料として含有す
る焼結体からなることを特徴とする成膜方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11089739A JP2000282228A (ja) | 1999-03-30 | 1999-03-30 | 成膜装置及び方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11089739A JP2000282228A (ja) | 1999-03-30 | 1999-03-30 | 成膜装置及び方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000282228A true JP2000282228A (ja) | 2000-10-10 |
Family
ID=13979145
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11089739A Withdrawn JP2000282228A (ja) | 1999-03-30 | 1999-03-30 | 成膜装置及び方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000282228A (ja) |
-
1999
- 1999-03-30 JP JP11089739A patent/JP2000282228A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20060606 |